(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2部材交換通知手段は、裏写りが発生すると前記裏写り発生ページ決定手段によって判定されたページを通知する場合に、前記画像読取部によって読み取られた画像を通知することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
前記再読み取り手段は、前記画像読取部によって前回読み取られた画像と差し替えるページのみ、前記画像読取部によって画像を再び読み取らせることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の画像形成装置。
前記裏写り発生ページ決定手段は、原稿の一面側から前記画像読取部によって読み取られた画像において特定の濃度以上の画素が存在する場合に、原稿の他面側から前記画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生すると判定することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れかに記載の画像形成装置。
前記裏写り発生ページ決定手段は、原稿の一面側から前記画像読取部によって読み取られた画像において前記特定の濃度以上の画素が特定の数以上存在する場合に、原稿の他面側から前記画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生すると判定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係るMFP10のブロック図である。
【0025】
図1に示すように、MFP10は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー13と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部16と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部17と、MFP10全体を制御する制御部18とを備えている。
【0026】
図2は、白天板13e、13fが装着されている蓋13aが開けられている状態でのMFP10の外観斜視図である。
【0027】
図2に示すように、スキャナー13は、開閉可能な蓋13aと、蓋13aの上部に備えられているADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)13bと、ADF13bが使用されない場合に利用者によって手動で1ページずつセットされた原稿から画像を読み取る画像読取部13cと、ADF13bが使用される場合にADF13bによって自動的に搬送された原稿から画像を読み取る画像読取部13dと、蓋13aに対して着脱可能な第1部材としての白色の天板(以下「白天板」と言う。)13e、13fとを備えている。
【0028】
図3は、黒天板13g、13hが装着されている蓋13aが開けられている状態でのMFP10の外観斜視図である。
【0029】
図3に示すように、スキャナー13は、白天板13e、13f(
図2参照。)と交換可能な第2部材として、白色より色の濃度が濃い黒色の天板(以下「黒天板」と言う。)13g、13hを備えている。
【0030】
図4(a)は、白天板13eが装着されている蓋13aが閉じられている状態でのスキャナー13の一部の正面断面図である。
図4(b)は、白天板13eが装着されている蓋13aが閉じられていて、画像読取部13cと白天板13eとによって原稿90が挟まれている状態でのスキャナー13の一部の正面断面図である。
【0031】
図4(a)に示すように、白天板13eは、画像読取部13cに対向して配置されている。そして、
図4(b)に示すように、白天板13eは、画像読取部13cによる画像の読み取り時に画像読取部13cとともに原稿90を挟む。なお、画像読取部13cおよび白天板13eの関係について説明したが、画像読取部13d(
図2参照。)と、白天板13f(
図2参照。)との関係、画像読取部13cと、黒天板13g(
図3参照。)との関係、および、画像読取部13dと、黒天板13h(
図3参照。)との関係についても同様である。
【0032】
図1に示すように、記憶部17は、白天板13e、13f(以下、単に「白天板」と言う。)が画像読取部13c、13d(以下、単に「画像読取部」と言う。)に対向して配置されている場合に画像読取部によって読み取られた画像に対して白天板に応じた色補正処理を行うための白天板用補正テーブル17aと、黒天板13g、13h(以下、単に「黒天板」と言う。)が画像読取部に対向して配置されている場合に画像読取部によって読み取られた画像に対して黒天板に応じた色補正処理を行うための黒天板用補正テーブル17bとを記憶している。また、記憶部17は、画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生するか否かを画素の濃度に基づいて判定する基準としての特定の濃度を示す裏写り判定用濃度閾値17cと、画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生するか否かを画素数に基づいて判定する基準としての特定の数を示す裏写り判定用画素数閾値17dとを記憶している。
【0033】
記憶部17は、裏写りが発生する可能性が高い原稿として、画像読取部によって読み取られる面の裏面が印刷や手書きなどによって使用されている原稿(以下「裏紙原稿」と言う。)が使用されるか否かを示す裏紙原稿フラグ17eを記憶している。また、記憶部17は、裏写りが発生する可能性が低い原稿として、特定の厚み以上の原稿(以下「厚紙原稿」と言う。)が使用されるか否かを示す厚紙原稿フラグ17fを記憶している。
【0034】
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部17に記憶されているプログラムを実行する。
【0035】
制御部18は、ROMまたは記憶部17に記憶されているプログラムを実行することによって、画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生するページか否かを決定する裏写り発生ページ決定手段18a、黒天板への交換の提案を通知する第2部材交換通知手段としての黒天板交換通知手段18b、および、黒天板への交換の提案が黒天板交換通知手段18bによって通知された後に画像読取部によって画像を再び読み取らせる再読み取り手段18cとして機能する。
【0036】
MFP10は、スキャナー13によって原稿から読み取った画像をプリンター14によって記録媒体に印刷するコピーのジョブ、スキャナー13によって原稿から読み取った画像を記憶部17に記憶させたりネットワーク通信部16によって外部の装置に送信したりするスキャンのジョブ、スキャナー13によって原稿から読み取った画像をファックス通信部15によってファックス送信するファックスのジョブなど、スキャナー13によって原稿から読み取った画像を処理する種々のジョブを実行可能である。
【0037】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0038】
図5は、裏写り判定用濃度閾値17cおよび裏写り判定用画素数閾値17dの指定を受け付ける場合のMFP10の動作のフローチャートである。
【0039】
裏写り判定用濃度閾値17cおよび裏写り判定用画素数閾値17dの指定を受け付ける処理の開始が操作部11を介して指示されると、制御部18は、
図5に示す動作を実行する。
【0040】
図5に示すように、制御部18は、裏写り判定用濃度閾値17cおよび裏写り判定用画素数閾値17dの指定を受け付けるための
図6に示す判定基準設定画面20を表示部12に表示する(S101)。
【0041】
図6は、表示部12に表示される判定基準設定画面20の一例を示す図である。
【0042】
図6に示す判定基準設定画面20は、裏写り判定用濃度閾値17cの指定を受け付けるためのテキストボックス21と、裏写り判定用画素数閾値17dの指定を受け付けるためのテキストボックス22と、裏写り判定用濃度閾値17cおよび裏写り判定用画素数閾値17dの指定の受け付けを中止するためのキャンセルボタン23と、裏写り判定用濃度閾値17cおよび裏写り判定用画素数閾値17dの指定の受け付けを実行するためのOKボタン24とを含む。利用者は、操作部11を介してテキストボックス21およびテキストボックス22に値を入力することができる。判定基準設定画面20は、キャンセルボタン23またはOKボタン24が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0043】
図5に示すように、制御部18は、S101の処理が終了すると、操作部11を介してOKボタン24が押されたか否かを判断する(S102)。
【0044】
制御部18は、OKボタン24が押されていないとS102において判断すると、操作部11を介してキャンセルボタン23が押されたか否かを判断する(S103)。
【0045】
制御部18は、キャンセルボタン23が押されたとS103において判断すると、
図5の処理の実行を終了する。
【0046】
制御部18は、キャンセルボタン23が押されていないとS103において判断すると、S102の処理を実行する。
【0047】
制御部18は、OKボタン24が押されたとS102において判断すると、OKボタン24が押された時点でテキストボックス21に入力されていた値を、新たに指定された裏写り判定用濃度閾値17cとして受け付けて、受け付けた値によって記憶部17上の裏写り判定用濃度閾値17cを更新する(S104)。例えば、OKボタン24が押された時点でテキストボックス21に入力されていた値が
図6に示す「128,128,128」である場合、制御部18は、裏写り判定用濃度閾値17cを「RGB(128,128,128)」として更新する。
【0048】
制御部18は、S104の処理の後、OKボタン24が押された時点でテキストボックス22に入力されていた値を、新たに指定された裏写り判定用画素数閾値17dとして受け付けて、受け付けた値によって記憶部17上の裏写り判定用画素数閾値17dを更新する(S105)。例えば、OKボタン24が押された時点でテキストボックス22に入力されていた値が
図6に示す「1000」である場合、制御部18は、裏写り判定用画素数閾値17dを「1000」として更新する。
【0049】
制御部18は、S105の処理の後、
図5に示す動作を終了する。
【0050】
図7は、原稿の種類の指定を受け付ける場合のMFP10の動作のフローチャートである。
【0051】
原稿の種類の指定を受け付ける処理の開始が操作部11を介して指示されると、制御部18は、
図7に示す動作を実行する。
【0052】
図7に示すように、制御部18は、原稿の種類の指定を受け付けるための
図8に示す原稿モード設定画面30を表示部12に表示する(S111)。
【0053】
図8は、表示部12に表示される原稿モード設定画面30の一例を示す図である。
【0054】
図8に示す原稿モード設定画面30は、厚紙原稿および裏紙原稿の何れでもない通常の原稿(以下「通常原稿」と言う。)の指定を受け付けるためのラジオボタン31と、厚紙原稿の指定を受け付けるためのラジオボタン32と、厚紙原稿ではない裏紙原稿の指定を受け付けるためのラジオボタン33と、原稿の種類の指定の受け付けを中止するためのキャンセルボタン34と、原稿の種類の指定の受け付けを実行するためのOKボタン35とを含む。ラジオボタン31〜33は、常に何れか1つが選択されている状態になる。利用者は、操作部11を介してラジオボタン31〜33の何れかを選択することができる。原稿モード設定画面30は、キャンセルボタン34またはOKボタン35が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0055】
図7に示すように、制御部18は、S111の処理が終了すると、操作部11を介してOKボタン35が押されたか否かを判断する(S112)。
【0056】
制御部18は、OKボタン35が押されていないとS112において判断すると、操作部11を介してキャンセルボタン34が押されたか否かを判断する(S113)。
【0057】
制御部18は、キャンセルボタン34が押されたとS113において判断すると、
図7の処理の実行を終了する。
【0058】
制御部18は、キャンセルボタン34が押されていないとS113において判断すると、S112の処理を実行する。
【0059】
制御部18は、OKボタン35が押されたとS112において判断すると、OKボタン35が押された時点でラジオボタン31〜33によって選択されていた原稿の種類を判断する(S114)。
【0060】
制御部18は、通常原稿が選択されていたとS114において判断すると、裏紙原稿フラグ17eおよび厚紙原稿フラグ17fを倒す(S115)。
【0061】
制御部18は、厚紙原稿が選択されていたとS114において判断すると、裏紙原稿フラグ17eを倒して厚紙原稿フラグ17fを立てる(S116)。すなわち、制御部18は、厚紙原稿の指定を受け付ける。
【0062】
制御部18は、裏紙原稿が選択されていたとS114において判断すると、厚紙原稿フラグ17fを倒して裏紙原稿フラグ17eを立てる(S117)。すなわち、制御部18は、裏紙原稿の指定を受け付ける。
【0063】
制御部18は、S115、S116またはS117の処理が終了すると、
図7の処理の実行を終了する。
【0064】
図9は、原稿の両面の画像を記録媒体の両面または片面に印刷するコピーのジョブを実行する場合のMFP10の動作のフローチャートである。
図10は、
図9の続きのフローチャートである。
図11は、
図9および
図10の続きのフローチャートである。
図12は、
図11の続きのフローチャートである。
【0065】
原稿の両面の画像を記録媒体の両面または片面に印刷するコピーのジョブの実行の開始が操作部11を介して指示されると、制御部18は、
図9〜
図12に示す動作を実行する。
【0066】
なお、制御部18は、実行を開始したコピーのジョブがADF13bを使用しないジョブである場合に、
図9〜
図12に示す動作において、白天板、黒天板、画像読取部として、それぞれ、白天板13e、黒天板13g、画像読取部13cを処理の対象とする。一方、制御部18は、実行を開始したコピーのジョブがADF13bを使用するジョブである場合に、
図9〜
図12に示す動作において、白天板、黒天板、画像読取部として、それぞれ、白天板13f、黒天板13h、画像読取部13dを処理の対象とする。
【0067】
図9〜
図12に示すように、制御部18は、白天板および黒天板の何れが蓋13aに装着されているか判断する(S121)。
【0068】
なお、制御部18は、白天板および黒天板の何れが蓋13aに装着されているかを、図示していないセンサーの検知結果に基づいて判断することが可能である。例えば、制御部18は、白天板および黒天板にそれぞれ特有の切欠きが有るなど、白天板および黒天板の形状に違いがある場合には、白天板および黒天板の形状の違いを接触式センサーや非接触式センサーによって検知することによって、白天板および黒天板の何れが蓋13aに装着されているかを判断することが可能である。また、制御部18は、蓋13aに装着されている白天板および黒天板の色を光学式センサーで検知することによって、白天板および黒天板の何れが蓋13aに装着されているかを判断することも可能である。
【0069】
黒天板交換通知手段18bは、白天板が蓋13aに装着されているとS121において判断されると、裏紙原稿フラグ17eが立っているか否かを判断する(S122)。
【0070】
黒天板交換通知手段18bは、裏紙原稿フラグ17eが立っているとS122において判断すると、
図13に示す裏紙原稿モード天板交換通知画面40を表示部12に表示する(S123)。
【0071】
図13は、表示部12に表示される裏紙原稿モード天板交換通知画面40の一例を示す図である。
【0072】
図13に示す裏紙原稿モード天板交換通知画面40は、裏紙原稿モードであることと、黒天板への交換の提案とを通知するメッセージ41と、メッセージ41を読んだことを確認するためのOKボタン42とを含む。裏紙原稿モード天板交換通知画面40は、OKボタン42が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0073】
利用者は、裏紙原稿モード天板交換通知画面40のメッセージ41を読むことによって、蓋13aに装着されている天板を白天板から黒天板に交換することが促される。
【0074】
図9〜
図12に示すように、制御部18は、S123の処理の後、OKボタン42が押されたと判断するまで、OKボタン42が押されたか否かを判断する(S124)。
【0075】
制御部18は、OKボタン42が押されたとS124において判断すると、黒天板に交換されたと判断するまで、図示していないセンサーの検知結果に基づいて黒天板に交換されたか否かを判断する(S125)。
【0076】
制御部18は、黒天板に交換されたとS125において判断すると、色補正処理を行うための補正テーブルとして黒天板用補正テーブル17bを設定する(S126)。
【0077】
次いで、制御部18は、全ての原稿の読み取りが終了するまで、原稿に対して1枚ずつ順番に、S128およびS129の処理を繰り返す(S127)。
【0078】
すなわち、制御部18は、S126において設定した黒天板用補正テーブル17bを使用して原稿の表面の画像を画像読取部によって読み取った後(S128)、S126において設定した黒天板用補正テーブル17bを使用して原稿の裏面の画像を画像読取部によって読み取る(S129)。
【0079】
制御部18は、全ての原稿の読み取りが終了したとS127において判断すると、全ての原稿に対してS128およびS129の処理によって読み取った画像をプリンター14によって記録媒体に印刷して(S130)、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0080】
制御部18は、裏紙原稿フラグ17eが立っていないとS122において判断すると、厚紙原稿フラグ17fが立っているか否かを判断する(S131)。
【0081】
制御部18は、厚紙原稿フラグ17fが立っているとS131において判断すると、色補正処理を行うための補正テーブルとして白天板用補正テーブル17aを設定する(S132)。
【0082】
次いで、制御部18は、S132において設定した白天板用補正テーブル17aを使用してS127〜S129の処理を実行した後、S130の処理を実行して、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0083】
制御部18は、黒天板が蓋13aに装着されているとS121において判断すると、裏紙原稿フラグ17eが立っているか否かを判断する(S141)。
【0084】
制御部18は、裏紙原稿フラグ17eが立っているとS141において判断すると、S126〜S130の処理を実行して、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0085】
制御部18は、裏紙原稿フラグ17eが立っていないとS141において判断すると、厚紙原稿フラグ17fが立っているか否かを判断する(S142)。
【0086】
制御部18は、厚紙原稿フラグ17fが立っているとS142において判断すると、
図14に示す厚紙原稿モード天板交換通知画面50を表示部12に表示する(S143)。
【0087】
図14は、表示部12に表示される厚紙原稿モード天板交換通知画面50の一例を示す図である。
【0088】
図14に示す厚紙原稿モード天板交換通知画面50は、厚紙原稿モードであることと、白天板への交換の提案とを通知するメッセージ51と、メッセージ51を読んだことを確認するためのOKボタン52とを含む。厚紙原稿モード天板交換通知画面50は、OKボタン52が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0089】
利用者は、厚紙原稿モード天板交換通知画面50のメッセージ51を読むことによって、蓋13aに装着されている天板を黒天板から白天板に交換することが促される。
【0090】
図9〜
図12に示すように、制御部18は、S143の処理の後、OKボタン52が押されたと判断するまで、OKボタン52が押されたか否かを判断する(S144)。
【0091】
制御部18は、OKボタン52が押されたとS144において判断すると、白天板に交換されたと判断するまで、図示していないセンサーの検知結果に基づいて白天板に交換されたか否かを判断する(S145)。
【0092】
制御部18は、白天板に交換されたとS145において判断すると、S132およびS127〜S130の処理を実行して、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0093】
制御部18は、厚紙原稿フラグ17fが立っていないとS142において判断すると、
図15に示す黒天板装着済通知画面60を表示部12に表示する(S146)。
【0094】
図15は、表示部12に表示される黒天板装着済通知画面60の一例を示す図である。
【0095】
図15に示す黒天板装着済通知画面60は、黒天板が装着されていることと、白天板への交換の提案とを通知するメッセージ61と、白天板に交換することをMFP10に伝えるためのボタン62と、白天板に交換しないことをMFP10に伝えるためのボタン63とを含む。黒天板装着済通知画面60は、ボタン62またはボタン63が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0096】
利用者は、黒天板装着済通知画面60のメッセージ61を読むことによって、蓋13aに装着されている天板を黒天板から白天板に交換するか否かを判断することができる。例えば、黒天板が装着されている状態で画像読取部によって画像が読み取られると、黒天板用補正テーブル17bを使用した色補正処理によって画像が明るくされることによって、黒天板の影響による画像の暗さが改善されるものの、画像に含まれる暗くない色も同時に明るくなって画像が全体的に白飛びしてしまう。このような白飛びを避けることを希望する利用者は、蓋13aに装着されている天板を黒天板から白天板に交換することを選択することができる。
【0097】
図9〜
図12に示すように、制御部18は、S146の処理の後、白天板への交換が指示されたか否かを判断する(S147)。ここで、制御部18は、黒天板装着済通知画面60においてボタン62が押された場合、白天板への交換が指示されたと判断する。
【0098】
制御部18は、白天板への交換が指示されていないとS147において判断すると、白天板に交換しないことが指示されたか否かを判断する(S148)。ここで、制御部18は、黒天板装着済通知画面60においてボタン63が押された場合、白天板に交換しないことが指示されたと判断する。
【0099】
制御部18は、白天板に交換しないことが指示されていないとS148において判断すると、S147の処理を実行する。
【0100】
制御部18は、白天板に交換しないことが指示されたとS148において判断すると、S126〜S130の処理を実行して、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0101】
制御部18は、白天板への交換が指示されたとS147において判断すると、白天板に交換されたと判断するまで、図示していないセンサーの検知結果に基づいて白天板に交換されたか否かを判断する(S149)。
【0102】
制御部18は、厚紙原稿フラグ17fが立っていないとS131において判断するか、白天板に交換されたとS149において判断すると、色補正処理を行うための補正テーブルとして白天板用補正テーブル17aを設定する(S161)。
【0103】
次いで、裏写り発生ページ決定手段18aは、裏写りが発生するか否かを示す裏写り発生フラグを倒す(S162)。
【0104】
次いで、裏写り発生ページ決定手段18aは、全ての原稿に対する処理が終了するまで、原稿に対して1枚ずつ順番に、S164〜S179の処理を繰り返す(S163)。
【0105】
すなわち、まず、裏写り発生ページ決定手段18aは、S161において設定された白天板用補正テーブル17aを使用して原稿の表面の画像を画像読取部によって読み取る(S164)。
【0106】
次いで、裏写り発生ページ決定手段18aは、原稿の画像における高濃度の画素を数えるための高濃度画素数を0にする(S165)。
【0107】
次いで、裏写り発生ページ決定手段18aは、S164において読み取った表面の画像における全ての画素に対する処理が終了するまで、画素に対して1つずつ順番に、S167およびS168の処理を繰り返す(S166)。
【0108】
すなわち、まず、裏写り発生ページ決定手段18aは、対象の画素の濃度値が裏写り判定用濃度閾値17c以下であるか否かを判断する(S167)。なお、濃度値の比較は、RGB値をグレースケールに変換した後、グレースケールにおける濃度値の比較で実行される。また、濃度値は、値が小さいほど高濃度であることを示しており、例えば、最低が0(黒色)であり、最高が255(白色)である。
【0109】
裏写り発生ページ決定手段18aは、対象の画素の濃度値が裏写り判定用濃度閾値17c以下であるとS167において判断すると、高濃度画素数を1増加させる(S168)。一方、裏写り発生ページ決定手段18aは、対象の画素の濃度値が裏写り判定用濃度閾値17cより大きいとS167において判断すると、高濃度画素数を変化させない。
【0110】
裏写り発生ページ決定手段18aは、S164において読み取った表面の画像における全ての画素に対する処理が終了したとS166において判断すると、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d以上であるか否かを判断する(S169)。
【0111】
裏写り発生ページ決定手段18aは、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d以上であるとS169において判断すると、裏写り発生フラグを立てて(S170)、裏写りが発生するページ(以下「裏写り発生ページ」と言う。)として裏面のページを記憶する(S171)。
【0112】
一方、裏写り発生ページ決定手段18aは、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d未満であるとS169において判断すると、裏写り発生フラグを変化させないし、裏面のページを裏写り発生ページとして記憶もしない。
【0113】
裏写り発生ページ決定手段18aは、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d未満であるとS169において判断するか、S171の処理が終了すると、S161において設定された白天板用補正テーブル17aを使用して原稿の裏面の画像を画像読取部によって読み取る(S172)。
【0114】
次いで、裏写り発生ページ決定手段18aは、高濃度画素数を0にする(S173)。
【0115】
次いで、裏写り発生ページ決定手段18aは、S164において読み取った裏面の画像における全ての画素に対する処理が終了するまで、画素に対して1つずつ順番に、S175およびS176の処理を繰り返す(S174)。
【0116】
すなわち、まず、裏写り発生ページ決定手段18aは、対象の画素の濃度値が裏写り判定用濃度閾値17c以下であるか否かを判断する(S175)。
【0117】
裏写り発生ページ決定手段18aは、対象の画素の濃度値が裏写り判定用濃度閾値17c以下であるとS175において判断すると、高濃度画素数を1増加させる(S176)。一方、裏写り発生ページ決定手段18aは、対象の画素の濃度値が裏写り判定用濃度閾値17cより大きいとS175において判断すると、高濃度画素数を変化させない。
【0118】
裏写り発生ページ決定手段18aは、S172において読み取った裏面の画像における全ての画素に対する処理が終了したとS174において判断すると、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d以上であるか否かを判断する(S177)。
【0119】
裏写り発生ページ決定手段18aは、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d以上であるとS177において判断すると、裏写り発生フラグを立てて(S178)、表面のページを裏写り発生ページとして記憶する(S179)。
【0120】
一方、裏写り発生ページ決定手段18aは、高濃度画素数が裏写り判定用画素数閾値17d未満であるとS177において判断すると、裏写り発生フラグを変化させないし、表面のページを裏写り発生ページとして記憶もしない。
【0121】
裏写り発生ページ決定手段18aは、全ての原稿に対する処理が終了したとS163において判断すると、画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生するか否かを判断する(S180)。ここで、裏写り発生ページ決定手段18aは、裏写り発生フラグが立っている場合に裏写りが発生すると判定し、裏写り発生フラグが倒れている場合に裏写りが発生しないと判定する。
【0122】
制御部18は、裏写りが発生しないとS180において判断されると、全ての原稿に対してS164およびS172の処理によって読み取った画像をプリンター14によって記録媒体に印刷して(S130)、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0123】
黒天板交換通知手段18bは、裏写りが発生するとS180において判断されると、
図16に示すプレビュー画面70を表示部12に表示する(S181)。
【0124】
図16は、表示部12に表示されるプレビュー画面70の一例を示す図である。
【0125】
図16に示すプレビュー画面70は、何ページ目に裏写りが発生しているかということと、黒天板への交換の提案とを通知するメッセージ71と、画像読取部によって読み取られた1ページ目の画像(以下「1ページ目画像」と言う。2ページ目以降についても同様である。)のプレビュー画像72aと、1ページ目画像に裏写りが発生しているか否かを示す裏写り区別用画像72bと、2ページ目画像のプレビュー画像73aと、2ページ目画像に裏写りが発生しているか否かを示す裏写り区別用画像73bと、3ページ目画像のプレビュー画像74aと、3ページ目画像に裏写りが発生しているか否かを示す裏写り区別用画像74bと、4ページ目画像のプレビュー画像75aと、4ページ目画像に裏写りが発生しているか否かを示す裏写り区別用画像75bと、黒天板に交換してジョブを実行することをMFP10に伝えるためのボタン76とを含む。プレビュー画面70は、ボタン76が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0126】
なお、
図16に示すプレビュー画面70では、全部で4ページの原稿を例にしているが、何ページの原稿であっても良い。
【0127】
図17は、
図16に示すプレビュー画面70に示されているプレビュー画像72a、73a、74aおよび75aの基になった原稿を示す図である。
【0128】
図17に示すように、1ページ目の原稿201は、1枚目の原稿200の表面200aである。2ページ目の原稿202は、1枚目の原稿200の裏面200bである。3ページ目の原稿211は、2枚目の原稿210の表面210aである。4ページ目の原稿212は、2枚目の原稿210の裏面210bである。
【0129】
1ページ目の原稿201には、色の濃度が濃い画像201aと、色の濃度が画像201aより薄い画像201bと、色の濃度が画像201bより薄い画像201cと、色の濃度が画像201cより薄い画像201dとが含まれている。2ページ目の原稿202には、色の濃度が画像201aより薄く画像201bより濃い画像202aが含まれている。3ページ目の原稿211には、色の濃度が画像202aより薄く画像201bより濃い画像211aが含まれている。4ページ目の原稿212には、色の濃度が画像202aより薄く画像211aより濃い画像212aと、色の濃度が画像202aより薄く画像212aより濃い画像212bとが含まれている。
【0130】
図16および
図17に示すように、1ページ目画像のプレビュー画像72aには、1ページ目の原稿201の画像201a、201b、201c、201dがそれぞれ読み取られた画像72c、72d、72e、72fと、2ページ目の原稿202の画像202aが裏写りした画像72gとが含まれている。2ページ目画像のプレビュー画像73aには、2ページ目の原稿202の画像202aが読み取られた画像73cと、1ページ目の原稿201の画像201aが裏写りした画像73dとが含まれている。3ページ目画像のプレビュー画像74aには、3ページ目の原稿211の画像211aが読み取られた画像74cと、4ページ目の原稿212の画像212a、212bがそれぞれ裏写りした画像74d、74eとが含まれている。4ページ目画像のプレビュー画像75aには、4ページ目の原稿212の画像212a、212bがそれぞれ読み取られた画像75c、75dとが含まれている。
【0131】
図16に示すプレビュー画面70において、裏写り区別用画像72b、73b、74bおよび75bは、操作部11を介して押されることによって、裏写りが発生していることを示す「NG」表示と、裏写りが発生していないことを示す「OK」表示とに切り替わることができる。なお、図示していないが、全てのページに対して一度に「OK」表示にしたり、「NG」表示にしたりすることができるボタンが別途設けられても良い。
【0132】
黒天板交換通知手段18bは、表示部12へのプレビュー画面70の表示を開始した時点において、S171またはS179の処理において裏写り発生ページとして記憶したページに対する裏写り区別用画像の表示を「NG」表示とし、S171またはS179の処理において裏写り発生ページとして記憶しなかったページに対する裏写り区別用画像の表示を「OK」表示とする。
【0133】
利用者は、操作部11を介して裏写り区別用画像72b、73b、74bまたは75bを押すことによって、押した裏写り区別用画像72b、73b、74bおよび75bの表示を切り替えることができる。例えば、2ページ目画像のプレビュー画像73aを見た利用者が、1ページ目の原稿201の画像201aが裏写りした画像73dの大きさが小さいことと、画像73dの位置が端寄りであることとを考慮して、あまり気にならない程度の裏写りであると判断して、裏写り区別用画像73bを「NG」表示から「OK」表示に切り替えることが考えられる。また、3ページ目画像のプレビュー画像74aを見た利用者が、4ページ目の原稿212の画像212a、212bがそれぞれ裏写りした画像74d、74eの色の濃度の薄さを考慮して、あまり気にならない程度の裏写りであると判断して、裏写り区別用画像74bを「NG」表示から「OK」表示に切り替えることが考えられる。一方、利用者は、裏写り発生ページ決定手段18aによって裏写り発生ページではないと判定されたページの画像のプレビュー画像を見て、裏写りが気になると判断して、裏写り区別用画像を「OK」表示から「NG」表示に切り替えることもできる。
【0134】
図9〜
図12に示すように、裏写り発生ページ決定手段18aは、S181の処理の後、ボタン76が押されたと判断するまで、ボタン76が押されたか否かを判断する(S182)。
【0135】
裏写り発生ページ決定手段18aは、ボタン76が押されたとS182において判断すると、全てのページに対して裏写り発生ページか否かを決定する(S183)。ここで、裏写り発生ページ決定手段18aは、ボタン76が押された時点で裏写り区別用画像が「NG」表示であったページを、裏写り発生ページとして指定されたページとして受け付けて、受け付けたページを裏写り発生ページとして決定する。一方、裏写り発生ページ決定手段18aは、ボタン76が押された時点で裏写り区別用画像が「OK」表示であったページを、裏写りが発生しないページとして決定する。
【0136】
次いで、制御部18は、裏写り発生ページがS183において決定されたか否かを判断する(S184)。
【0137】
制御部18は、裏写り発生ページが決定されなかったとS184において判断すると、全ての原稿に対してS164およびS172の処理によって読み取った画像をプリンター14によって記録媒体に印刷して(S130)、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0138】
再読み取り手段18cは、裏写り発生ページが決定されたとS184において判断されると、
図18に示す再読み取り選択画面80を表示部12に表示する(S185)。
【0139】
図18は、表示部12に表示される再読み取り選択画面80の一例を示す図である。
【0140】
図18に示す再読み取り選択画面80は、再読み取りの方法を選択することと、再読み取りの実行を指示することとを通知するメッセージ81と、ADF13bに全ページの原稿がセットされる再読み取りの指定を受け付けるためのラジオボタン82と、NG原稿、すなわち、裏写り発生ページとしてS183において決定された原稿のみがセットされる再読み取りの指定を受け付けるためのラジオボタン83と、再読み取りの実行の指示を受け付けるためのボタン84とを含む。ラジオボタン82および83は、常に何れか1つが選択されている状態になる。利用者は、操作部11を介してラジオボタン82および83の何れかを選択することができる。再読み取り選択画面80は、ボタン84が押されると、表示部12による表示が終了する。
【0141】
図9〜
図12に示すように、再読み取り手段18cは、S185の処理の後、ボタン84が押されたと判断するまで、ボタン84が押されたか否かを判断する(S186)。
【0142】
再読み取り手段18cは、ボタン84が押されたとS186において判断すると、黒天板に交換されたと判断するまで、図示していないセンサーの検知結果に基づいて黒天板に交換されたか否かを判断する(S187)。
【0143】
再読み取り手段18cは、黒天板に交換されたとS187において判断すると、色補正処理を行うための補正テーブルとして黒天板用補正テーブル17bを設定する(S188)。
【0144】
次いで、再読み取り手段18cは、再読み取り選択画面80においてボタン84が押された時点で選択されていた再読み取りの方法を判断する(S189)。ここで、再読み取り手段18cは、ボタン84が押された時点でラジオボタン82が選択されている場合、全ページの原稿がセットされる再読み取りを再読み取りの方法として判断する。また、再読み取り手段18cは、ボタン84が押された時点でラジオボタン83が選択されている場合、NG原稿のみがセットされる再読み取りを再読み取りの方法として判断する。
【0145】
再読み取り手段18cは、NG原稿のみがセットされる再読み取りを再読み取りの方法としてS189において判断すると、NG原稿のページ数分、S188において設定した黒天板用補正テーブル17bを使用して画像読取部によって原稿から画像を再び読み取らせて(S190)、S190において読み取った画像を、S164またはS172の処理によって読み取ったNG原稿の画像と差し替える(S191)。例えば、再読み取り手段18cは、全部で10ページの原稿の3ページ目および8ページ目の合計2ページがNG原稿である場合、再読み取りの開始後に最初に読み取ったページの画像を3ページ目の画像と差し替え、次に読み取ったページの画像を8ページ目の画像と差し替える。
【0146】
再読み取り手段18cは、全ページがセットされる再読み取りを再読み取りの方法としてS189において判断すると、全ページに対してADF13bによる搬送を行いながら、NG原稿のページのみ、S188において設定した黒天板用補正テーブル17bを使用して画像読取部によって原稿から画像を再び読み取らせて(S192)、S192において読み取った画像を、S164またはS172の処理によって読み取ったNG原稿の画像と差し替える(S191)。例えば、再読み取り手段18cは、全部で10ページの原稿の3ページ目および8ページ目の合計2ページがNG原稿である場合、全10ページに対してADF13bによる搬送を行うが、再読み取りの開始後に1ページ目および2ページ目の再読み取りを飛ばし、3ページ目の原稿を再読み取りした画像を前回の3ページ目の画像と差し替え、4ページ目〜7ページ目の再読み取りを飛ばし、8ページ目の原稿を再読み取りした画像を前回の8ページ目の画像と差し替え、9ページ目および10ページ目の再読み取りを飛ばす。
【0147】
なお、MFP10は、黒天板に交換されて再び画像を読み取る(S190またはS192)前に、S164またはS172の処理によって読み取った画像のうち、S191において差し替えられるページの画像を削除しておくと、原稿の読み取りに必要な記憶容量を低減することができる。
【0148】
制御部18は、S191の処理の後、全ての原稿に対してS164およびS172の処理によって読み取って、S191の処理によって少なくとも一部が差し替えられた画像をプリンター14によって記録媒体に印刷して(S130)、
図9〜
図12に示す動作を終了する。
【0149】
なお、以上においては、原稿の両面の画像を記録媒体の両面または片面に印刷するコピーのジョブについて説明したが、原稿の片面の画像を記録媒体の片面または両面に印刷するコピーのジョブについても同様である。ただし、原稿の片面、すなわち表面の画像を記録媒体の片面または両面に印刷するコピーのジョブの場合、原稿の表面のみを複写するので、原稿の裏面の複写のためのみの原稿の裏面の読み取りに関するS129の処理は不要であるし、原稿の裏面側から画像読取部によって読み取られた画像の裏写りの判定のためのみのS165〜S171の処理も不要である。
【0150】
また、以上においては、コピーのジョブの実行について説明したが、スキャンのジョブ、ファックスのジョブなど、スキャナー13によって原稿から読み取った画像を処理する種々のジョブの実行についても同様である。
【0151】
以上に説明したように、MFP10は、裏写りが発生すると決定した(S183)ページのみ、画像読取部によって再び読み取らせた(S190またはS192)画像を、画像読取部によって前回読み取られた画像と差し替える(S191)。そのため、MFP10は、裏写りが発生しないと決定したページの画像を、白天板が画像読取部に対向して配置されている場合に画像読取部によって読み取られた(S164またはS172)画像とするとともに、裏写りが発生すると決定したページの画像を、黒天板が画像読取部に対向して配置されている場合に画像読取部によって読み取られた(S190またはS192)画像とする。したがって、MFP10は、全体として高画質の画像を得ることができる。
【0152】
MFP10は、黒天板への交換の提案を通知する場合に(S181)、画像読取部によって読み取られた画像をプレビュー画像によって通知する。そして、MFP10は、裏写りが発生するページの指定を受け付け、受け付けたページを、裏写りが発生するページとして決定する(S183)。したがって、MFP10は、実際に読み取った画像を利用者に視認させた上で、裏写りが発生すると利用者によって判定されたページのみ画像を差し替えることができる。
【0153】
なお、MFP10は、黒天板への交換の提案を通知する場合に(S181)、画像読取部によって読み取られた画像をプレビュー画像によって通知せずに、裏写りが発生すると判定したページのみを通知しても良い。この場合には、MFP10は、裏写りが発生すると判定したページの原稿を実際に利用者に視認させた上で、裏写りが発生すると利用者によって判定されたページのみ画像を差し替えることができる。
【0154】
また、MFP10は、黒天板への交換の提案を通知する場合に(S181)、裏写りが発生すると判定したページを通知しなくても良い。この場合には、MFP10は、NG原稿のみに対する再読み取りを再読み取りの方法として採用することができないが、全ページの原稿に対する再読み取りを再読み取りの方法として採用することができる。
【0155】
MFP10は、画像読取部によって前回読み取られた画像と差し替えるページのみ、画像読取部によって画像を再び読み取らせるので、効率を向上することができる。特に、複数のページの原稿の読み取りの場合に、ADF13bが使用されずに利用者が手動で1ページずつ原稿を画像読取部13cにセットするとき、MFP10は、再読み取りに対する効率を向上して、利用者の作業ストレスを軽減することができる。
【0156】
なお、MFP10は、画像読取部によって前回読み取られた画像と差し替えるページに関わらず、全てのページに対して画像読取部によって再び読み取らせ手も良い。すなわち、MFP10は、全てのページに対して画像読取部によって再び読み取らせた画像のうち一部のページのみ差し替えても良い。
【0157】
MFP10は、画像読取部によって画像を再び読み取らせる場合に、全ての原稿がADF13bによって搬送されるとき、画像読取部によって前回読み取られた画像と差し替えるページ以外のページに対して、画像読取部によって画像を再び読み取らせることなく、ADF13bによる搬送を行う(S192)。この構成により、MFP10は、差し替えるページを原稿の全体のページから利用者が抽出する必要がないので、効率を向上することができる。
【0158】
MFP10は、原稿の一面側から画像読取部によって読み取られた画像において特定の濃度以上の画素、すなわち、原稿の他面側から観察した場合に原稿の他面側に透けて見えるほど高濃度の画素が存在する場合に(S167でYESまたはS175でYES)、原稿の他面側から画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生すると判定する(S180でYES)。そして、MFP10は、白天板が画像読取部に対向して配置されている場合に(S121で白)、裏写りが発生すると判定したとき(S180でYES)、黒天板への交換の提案を通知する(S181)。したがって、MFP10は、画像読取部によって読み取られる画像に裏写りが発生するか否かを利用者が原稿を見て判断する必要が無く、利便性を向上することができる。すなわち、利用者は、まず、蓋13aに白天板が装着されている状態で画像の読み取りを実行すれば良い。そして、利用者は、裏写りが発生するとMFP10によって判定されて、黒天板への交換の提案がMFP10によって通知されたときのみ、黒天板に交換して画像の読み取りを再び実行すれば良い。
【0159】
また、MFP10は、原稿の一面側から画像読取部によって読み取られた画像において特定の濃度以上の画素が特定の数以上存在する場合に(S169でYESまたはS177でYES)、原稿の他面側から画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生すると判定する。すなわち、MFP10は、原稿の一面側から画像読取部によって読み取られた画像において特定の濃度以上の画素が存在する場合(S167でYESまたはS175でYES)であっても、特定の濃度以上の画素が特定の数未満であるときに(S169でNOまたはS177でNO)、原稿の他面側から画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生すると判定しない(S180でNO)。したがって、MFP10は、利用者にとってあまり気にならない程度の少しの裏写りを問題とせず、利便性を向上することができる。
【0160】
MFP10は、裏写り判定用濃度閾値17cおよび裏写り判定用画素数閾値17dの指定を受け付けるので、画像読取部によって読み取られた画像に裏写りが発生するか否かの判定基準が利用者の好みに合わせて調整されることができる。
【0161】
MFP10は、白天板が画像読取部に対向して配置されている場合に(S121で白)、裏写りが発生する可能性が高い原稿、すなわち、裏紙原稿であることの指定が受け付けられているとき(S122でYES)、黒天板への交換の提案を通知する(S123)ので、利便性を向上することができる。
【0162】
MFP10は、裏写りが発生する可能性が低い原稿、すなわち、厚紙原稿であることの指定が受け付けられている場合(S131でYESおよびS142でYES)、黒天板が画像読取部に対向して配置されているときに(S121で黒)白天板への交換の提案を通知し(S143)、白天板が画像読取部に対向して配置されているときに(S121で白)裏写りが発生するか否かを判定しない。したがって、MFP10は、利便性を向上することができる。
【0163】
なお、本実施の形態においては、裏写りが発生する可能性が高い原稿として裏紙原稿が採用されているが、裏写りが発生する可能性が高い原稿として、裏紙原稿以外の種類の原稿が採用されても良い。また、本実施の形態においては、裏写りが発生する可能性が低い原稿として厚紙原稿が採用されているが、裏写りが発生する可能性が低い原稿として、厚紙原稿以外の種類の原稿が採用されても良い。
【0164】
また、本発明の画像形成装置は、本実施の形態において第1部材、第2部材をそれぞれ白天板、黒天板としているが、第2部材の色の濃度が第1部材より濃ければ、白天板、黒天板以外であっても良い。例えば、第2部材は、第1部材が白天板である場合に、グレーの天板、緑の天板または青の天板であっても良い。
【0165】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、スキャナーを備えていれば、コピー専用機、スキャナー専用機、ファックス専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。