特許第6180405号(P6180405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6180405ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180405
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/303 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   A61B1/303
【請求項の数】40
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-509307(P2014-509307)
(86)(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公表番号】特表2014-521373(P2014-521373A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】US2012034698
(87)【国際公開番号】WO2012151073
(87)【国際公開日】20121108
【審査請求日】2015年4月22日
(31)【優先権主張番号】61/544,280
(32)【優先日】2011年10月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/494,400
(32)【優先日】2011年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/570,816
(32)【優先日】2011年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/600,593
(32)【優先日】2012年2月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/556,167
(32)【優先日】2011年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/515,092
(32)【優先日】2011年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/555,470
(32)【優先日】2011年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/611,182
(32)【優先日】2012年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/482,200
(32)【優先日】2011年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/599,981
(32)【優先日】2012年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/482,309
(32)【優先日】2011年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/550,391
(32)【優先日】2011年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/485,601
(32)【優先日】2011年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/623,376
(32)【優先日】2012年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/539,736
(32)【優先日】2011年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/506,074
(32)【優先日】2011年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/490,029
(32)【優先日】2011年5月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513278242
【氏名又は名称】エンドーシー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Endosee Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100076185
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】オウイアン, シアオルン
(72)【発明者】
【氏名】インドマン, ポール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デックマン, ロバート ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シー−ピン
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−506669(JP,A)
【文献】 特表平10−508240(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/006052(WO,A1)
【文献】 特開2003−088499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/303
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮組織を検査するための結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の統合型内視鏡装置において、
近位端部と遠位端部とを具備しており且つ該遠位端部を患者の子宮頸を介して該患者の子宮内に挿入することを容易化させる寸法及び形態とされている長尺部材、
検査中の子宮組織を照明すべく適合されている光送給システム、
該子宮組織の回収を容易化させるべく位置されており寸法とされており且つ形態とされている切断用エッジを包含しており該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、
該長尺部材の該遠位端部に位置されている電子的イメージングモジュール、
流体を遠位方向に流れるべく送給しそれにより異物を該電子的イメージングモジュールから遠ざけることにより該電子的イメージングモジュールを使用しての該子宮組織の視覚的検査を改善させるために該長尺部材の該遠位端部に位置されている第1の遠位に面した流体開口、
を有している装置。
【請求項2】
請求項1において、該長尺部材が該側部に面したサンプリング開口及び該第1の遠位に面した流体開口に対して夫々別個の流体経路を包含している装置。
【請求項3】
請求項1において、更に、
該第1の遠位に面した流体開口を介して該長尺部材からの流体の流れを向上させるために該長尺部材内に位置されており寸法とされている1個又はそれ以上の内部部材を、
を有している装置。
【請求項4】
請求項1において、更に、
該遠位方向に流体を流すことにより異物を該電子的イメージングモジュールから遠ざけることによって該電子的イメージングモジュールを使用しての該子宮組織の視覚的検査を改善させるように該長尺部材の該遠位端部上に位置されている第2の遠位に面した流体開口、
を有している装置。
【請求項5】
請求項1において、該電子的イメージングモジュールがソリッドステートCMOSセンサーを包含している装置。
【請求項6】
請求項5において、該電子的イメージングモジュールが標準のビデオ信号を出力すべくプログラムされており且つ適合されている集積化ビデオ処理回路を包含しており、該ビデオ処理回路が実質的に該CMOSセンサーと同じ面上に位置されている、装置
【請求項7】
請求項1において、該側部に面したサンプリング開口が該長尺部材の該遠位端部から2mmと15mmとの間に位置されている装置。
【請求項8】
請求項1において、更に、
ハンドル及び統合型電子的ディスプレイモニターを包含しているハンドル組立体、
を有しており、
該ディスプレイモニターが該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある装置。
【請求項9】
請求項8において、該統合型電子的ディスプレイモニター、該ハンドル、該長尺部材、及び該電子的イメージングモジュールが、整合状態で該長尺部材の長手軸周りに回転するように固定した関係で装着されている装置。
【請求項10】
請求項9において、該長尺部材が単一使用の後に使い捨て可能であるように構成されており且つ該ハンドル及び該統合型電子的ディスプレイモニターは多数回再使用可能であるように構成されている装置。
【請求項11】
子宮組織を検査するための統合型内視鏡装置において、
近位端部と遠位端部とを具備しており且つ該遠位端部を患者の子宮頸を介して該患者の子宮内に挿入することを容易化させるべく寸法及び形態とされている長尺部材、
該遠位端部において又はその近くに位置されており且つ1mmを越えて互いに離れている少なくとも2個の点から光を射出しそれにより検査中の子宮組織を照明する形態とされているLEDを基礎とした光送給システム、
該子宮組織の回収を容易化すべく位置されており寸法とされており且つ形態とされている切断用エッジを包含しており該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、
該長尺部材の該遠位端部に位置されている電子的イメージングモジュール、
流体を遠位方向に流すべく送給しそれにより該電子的イメージングモジュール近くの異物を除去することによって該電子的イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を改善させるために該長尺部材の該遠位端部に位置されている流体開口、
を有している装置。
【請求項12】
請求項11において、該電子的イメージングモジュールがそれを介して光が該電子的イメージングモジュールに入るアパーチャを包含しており、該アパーチャが該遠位端部上で中心に位置されている装置。
【請求項13】
請求項12において、該光送給システムが該アパーチャの両側で該遠位端部に位置されている2個のLEDを包含している装置。
【請求項14】
請求項12において、該光送給システムが該アパーチャを取り囲むように位置されているリング形状のLEDモジュールを包含している装置。
【請求項15】
請求項14において、該リング形状のLEDモジュールが複数個のセクターを包含しており、その各セクターは該LEDモジュールによる照明の全体的な均一性を改善するために他のセクターからの光強度と結合する光強度を与える形態とされている装置。
【請求項16】
請求項11において、該電子的イメージングモジュールは本装置を回転させることにより該患者の子宮内に挿入される場合に本装置の実効的な視野を増加させるために該長尺部材の該遠位端部の中央の長手軸から傾斜されている装置。
【請求項17】
請求項11において、該長尺部材が特定の解剖学的な形態を受け付けるためにユーザにより従順である装置。
【請求項18】
請求項11において、更に、
ハンドル及び該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある統合型電子的ディスプレイモニター、
を有しており、該長尺部材が単一使用の後に使い捨て可能であるように構成されており且つ該ハンドル及び該統合型電子的ディスプレイモニターが多数回再使用可能であるように構成されている装置。
【請求項19】
子宮組織を検査するための統合型内視鏡装置において、
近位端部と遠位端部とを具備しており且つ該遠位端部を患者の子宮頸を介して該患者の子宮内に挿入することを容易化すべく寸法及び形態とされている長尺部材であって、該遠位端部が少なくとも部分的に中空のシャフト部材と遠位先端部部材とを有しており、該部分的に中空のシャフト部材及び該遠位先端部部材は別々に形成され且つ組立期間中に互いに係合される長尺部材、
検査中の子宮組織を照明する形態とされている光送給システム、
該子宮組織の回収を容易化させるべく位置されており寸法とされており且つ形態とされている切断用エッジを包含しており該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、
該長尺部材の該遠位端部に位置されている電子的イメージングモジュール、
を有している装置。
【請求項20】
請求項19において、更に、該長尺部材の該遠位端部に位置されており且つ流体を遠位方向に流れるべく送給してそれにより該電子的イメージングモジュール近くの異物を除去することによって該電子的イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を改善させる形態とされている遠位方向に面した流体開口を有している装置。
【請求項21】
請求項19において、該先端部部材がアクリルから構成されており且つ該シャフト部材がナイロンから構成されている装置。
【請求項22】
請求項19において、更に、ハンドルと該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある統合型電子的ディスプレイモニターとを有しており、該長尺部材が単一使用の後に使い捨て可能であるように構成されており且つ該ハンドル及びディスプレイモニターが多数回再使用可能であるように構成されている装置。
【請求項23】
子宮組織を検査するための統合型内視鏡装置を製造する方法において、
遠位端部先端部ボディを形成し、該遠位端部先端部ボディは検査中の子宮組織を照明すべく適合された光送給システムと該先端部ボディの該遠位端部に位置されている電子的イメージングモジュールとを収容する寸法とされており、該遠位端部先端部ボディは該子宮組織の回収を容易化させるように位置され且つ寸法とされた切断用エッジを包含しており側部に面したサンプリング開口を該先端部ボディに設けるように形成されており、
長尺シャフト部材を形成し、
該遠位端部先端部ボディを該長尺シャフト部材へしっかりと取り付けて、それにより該遠位端部先端部ボディを患者の子宮頸を介して該患者の子宮内へ挿入することを容易化させる寸法及び形態とされた統合型内視鏡の長尺部材を形成する、
ことを包含している方法。
【請求項24】
請求項23において、該遠位端部先端部ボディがアクリルから構成され且つ該長尺シャフト部材がナイロンから構成される方法。
【請求項25】
請求項23において、該先端部ボディが、更に、流体を遠位方向に流すように供給しそれにより該電子的イメージングモジュール近くの異物を除去することによって該電子的イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を改善させるよう該長尺部材の遠位端部に位置されている遠位に面した流体開口を包含している方法。
【請求項26】
請求項23において、更に、該長尺シャフト部材を流体ハブ、ハンドル部分、及びディスプレイと共に組み立てることを包含している方法。
【請求項27】
請求項26において、該長尺シャフト部材及び該流体ハブは単一使用の後に使い捨て可能であるように構成されており且つ該ハンドル部分及び該ディスプレイは多数回再使用されるように構成されている方法。
【請求項28】
子宮組織を検査するためのユーザーフレンドリな統合型内視鏡装置において、
近位端部と遠位端部とを具備しており且つ該遠位端部を患者の子宮頸を介しての該患者の子宮内への挿入を容易化する寸法及び形態とされている長尺部材、
検査中の子宮組織を照明する形態とされている光送給システム、
子宮内膜組織の回収を容易化させる位置とされ寸法及び形態とされている切断用エッジを包含しており該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、
該長尺部材の該遠位端部に位置されている電子的イメージングモジュール、
本装置の複数個の特徴を制御する複数個のボタンを包含しているハンドル、
該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある統合型電子的ディスプレイモニター、
を有している装置。
【請求項29】
請求項28において、該統合型電子的ディスプレイモニターがタッチ感受性である装置。
【請求項30】
請求項28において、該複数個のボタンが該光送給システムから少なくとも3つの異なる照明レベルからの選択をユーザーが行うことが可能な輝度制御ボタンを包含している装置。
【請求項31】
請求項28において、該複数個のボタンがユーザーが本装置内の格納装置内に格納されるビデオ画像をキャプチャーするか又は静止画像をキャプチャーするかのいずれかを選択することが可能な単一キャプチャーボタンを包含している装置。
【請求項32】
請求項28において、更に、2個又はそれ以上の色を使用してユーザーに対してバッテリーステータス情報を表す点灯型バッテリーステータスインジケータを有している装置。
【請求項33】
請求項29において、それから複数個の他のスクリーンへアクセスすることが可能な基本メニュースクリーンを含む複数個のディスプレイスクリーンを該統合型タッチ感受性ディスプレイモニター上に表示させることが可能であり、且つ該ハンドル上の該複数個のボタンの内の一つが該基本メニュースクリーンへ直接ジャンプするためにユーザーによって使用することが可能である装置。
【請求項34】
請求項28において、該ハンドルが該長尺部材から離脱し且つベースステーションと係合する装置。
【請求項35】
請求項34において、該ベースステーションが該ハンドルと係合された場合に該ハンドル内の再充電可能バッテリーを再充電する装置。
【請求項36】
請求項28において、該長尺部材が単一使用の後に使い捨て可能であるように構成されており且つ該ハンドル及びディスプレイモニターは多数回再使用される構成とされている装置。
【請求項37】
子宮組織を検査するための統合型内視鏡装置において、
近位端部と遠位端部とを具備している長尺部材であって、該遠位端部が患者の子宮頸を介して該患者の子宮内への安全な挿入を容易化するために丸められた端部を具備している遠位面を包含しており、該端部が少なくとも0.25mmの半径へ丸められている長尺部材、
検査中の子宮組織を照明する形態とされている光送給システム、
該長尺部材の該遠位端部に位置されている電子的イメージングモジュール、
該子宮組織の回収を容易化させるべく位置されており寸法とされており且つ形態とされている切断用エッジを包含している該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、
ハンドル、
該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある統合型電子的ディスプレイモニター、
を有している装置。
【請求項38】
請求項37において、該遠位面の該丸められた端部が少なくとも0.35mmの半径へ丸められている装置。
【請求項39】
請求項38において、該遠位面の該丸められた端部が少なくとも0.5mmの半径へ丸められている装置。
【請求項40】
請求項37において、該電子的イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を阻害するような該遠位面上の不本意な組織回収を減少させるために該遠位面が凸状である装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は以下の出願の各々の優先権を主張すると共に引用により本願に取り込んでいる。
【0002】
国際特許出願番号PCT/US11/51982号、2011年9月16日出願;
米国出願番号12/911297号、2010年10月25日出願;
米国仮出願番号61/539736号、2011年9月27日出願;
米国仮出願番号61/544280号、2011年10月7日出願;
米国仮出願番号61/550391号、2011年10月22日出願;
米国仮出願番号61/555470号、2011年11月3日出願;
米国仮出願番号61/556167号、2011年11月4日出願;
米国仮出願番号61/570816号、2011年12月14日出願;
米国仮出願番号61/599981号、2012年2月17日出願;
米国仮出願番号61/600593号、2012年2月18日出願;
米国仮出願番号61/611182号、2012年3月15日出願;及び
米国仮出願番号61/623376号、2012年4月12日出願。
【0003】
本特許明細書の要旨は以下の出願の要旨と関連しており、該出願の各々を引用により本書に取り込んでいる。
【0004】
米国仮出願番号61/418248号、2010年11月30日出願;
米国仮出願番号61/431316号、2011年1月10日出願;
米国仮出願番号61/437687号、2011年1月30日出願;
米国仮出願番号61/444098号、2011年2月17日出願;
米国仮出願番号61/450115号、2011年3月7日出願;
米国仮出願番号61/453533号、2011年3月16日出願;
米国仮出願番号61/476754号、2011年4月18日出願;
米国仮出願番号61/482200号、2011年5月3日出願;
米国仮出願番号61/482309号、2011年5月4日出願;
米国仮出願番号61/485601号、2011年5月12日出願;
米国仮出願番号61/490029号、2011年5月25日出願;
米国仮出願番号61/494400号、2011年6月7日出願;
米国仮出願番号61/506074号、2011年7月9日出願;及び
米国仮出願番号61/515092号、2011年8月4日出願。
【0005】
上に参照した仮及び非仮特許出願は本書においては「共通に譲渡され取り込まれた出願」として集約的に参照する。
【0006】
本発明は、大略、主に子宮の子宮鏡検査において使用する医学装置に関するものである。より詳細には、幾つかの実施例は統合した可視化及び子宮内膜サンプリング部品を具備する医学装置に関するものである。
【背景技術】
【0007】
オフィスを基礎とした子宮内膜バイオプシー即ち生検は産科医によって使用される標準的な診断手順である。癌の検知には効果的であるが、子宮内膜生検は、しばしば、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫、及びその他の子宮内膜病理を検知することが無い。ヒステロスコピー即ち子宮内側(ここでは、「子宮腔」及び/又は「子宮内膜腔」として言及する)の直接的観察は、診断の正確度を著しく改善することを示していた。しかしながら、必要とされる装置及び補給品の複雑性及びコストのためにオフィスバイオプシーを行う産科医は殆どいない。動作チャンネルを具備している幾つかの子宮鏡を介して小さな生検体を採取することは可能であるが、医者は通常子宮鏡を取り除き、次いで別の装置で子宮内膜生検を行うことが必要である。患者の子宮腔内へ複数の器具を繰り返し挿入し且つ取り除くことは、患者にとって不快である場合があり及び/又は別々の器具を繰り返し挿入し且つ取り除くこと無しに両方の手順を実施することと比較してヒステロスコピー及び子宮内膜サンプリング手順を完了するために必要な時間が長くなる場合がある。同じ検査/生検手順に対してこの様な複数の器具を使用することは、これらの器具を購入し、在庫し、且つ滅菌することの費用及び不便さを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本書においてクレームされる要旨は上述した如き環境においてのみ動作するか又はいずれかの欠点を解消する実施例へ制限されるものではない。そうではなく、この背景は、本書において記載される幾つかの実施例を実施することが可能な一つの例示的技術分野を例示するために提供されているに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
幾つかの実施例によれば、子宮組織を検査する統合型内視鏡装置が記載され、それは、近位端部と遠位端部とを具備しており且つ患者の子宮頸を介して子宮内への該遠位端部の挿入を容易化させる寸法とされている長尺部材、検査される子宮組織を照らすように適合された光送給システム、子宮内膜組織を回収を容易化させるべく位置されており且つ寸法とされている該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、該長尺部材の該遠位端部上に位置されている電子的イメージングモジュール、及びレンズ近くで遠位方向に流体の流れを可能とさせそれにより該イメージングモジュール近くの異物を減少させるために該電子的イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を改善させるため該長尺部材の該遠位端部上に位置されている遠位に面した流体開口、を包含している。幾つかの実施例によれば、該長尺部材は、該側部に面した開口及び該遠位に面した開口用の分離型流体経路、及び/又は該遠位に面した流体開口を介しての該長尺部材からの流体の流れを向上させるための内部特徴を包含している。幾つかの実施例によれば、該電子的イメージングモジュールは、ソリッドステートCMOSセンサー、及び標準のビデオ信号を出力するために該センサーと実質的に同一面状の集積化したビデオ処理回路、を包含している。幾つかの実施例によれば、本装置はハンドル及び一体化した電子的ディスプレイモニターを包含している。
【0010】
幾つかの実施例によれば、子宮内膜組織を検査するための統合型内視鏡装置が記載され、それは、近位端部と遠位端部とを具備しており且つ患者の子宮頸を介して子宮内への該遠位端部の挿入を容易化させる寸法とされている長尺部材、該遠位端部近くに位置されており且つ1mmを越えて離れている少なくとも2個の点から光を射出して検査中の子宮組織を照明すべく適合されているLEDをベースとした光送給システム、子宮内膜組織の回収を容易化させるべく位置されており且つ寸法とされている該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、該長尺部材の該遠位端部上に位置されている電子的イメージングモジュール、及びレンズ近くにおいて遠位方向に流体が流れることを許容することにより該イメージングモジュール近くの異物を減少させることによって該電子的イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を改善させるために該長尺部材の該遠位端部上に位置されている流体開口、を包含している。幾つかの実施例によれば、該電子的イメージングモジュールは、それを介して光が該イメージングモジュールは入る中央に位置したアパーチャを包含しており、且つ該光送給システムは該アパーチャの両側で該遠位端部上に位置されている2個のLEDを包含している。幾つかの実施例によれば、該光送給システムは該アパーチャを取り囲むように位置されたリング形状型LEDモジュールを包含している。
【0011】
幾つかの実施例によれば、子宮組織を検査する統合型内視鏡装置が記載され、それは、近位端部と少なくとも部分的に中空のシャフト部材及び組立期間中に互いに係合すべく該シャフト部材とは別体に形成されている遠位先端部材を有している遠位端部とを具備しており且つ患者の子宮頸を介して子宮内への該遠位端部の挿入を容易化させる寸法とされている長尺部材、検査中の子宮組織を照明すべく適合されている光送給システム、子宮内膜組織の回収を容易化させるべく位置されており且つ寸法とされている該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、及び該長尺部材の該遠位端部上に位置されている電子的イメージングモジュール、を包含している。幾つかの実施例によれば、レンズ近くで遠位方向への流体の流れを許容しそれにより該イメージングモジュール近くでの異物を減少させることによって該電子的イメージングモジュールを使用する視覚的検査を改善させるため該長尺部材の該遠位端部上に遠位に面した流体開口が位置されている。幾つかの実施例によれば、該シャフト部材及び該先端部材は組立歩留まりを改善するために別々に形成されている。該遠位先端部材はアクリルを使用しており且つ該長尺部材はナイロンを使用している。
【0012】
幾つかの実施例によれば、子宮組織を検査する統合型内視鏡装置を製造する方法が記載され、該方法は、検査中の子宮組織を照明すべく適合されている光送給システム及び遠位端部上に位置されている電子的イメージングモジュールを収納する寸法とされている遠位端部先端ボディであって子宮内膜組織の回収を容易化させるべく位置されており且つ寸法とされている該先端ボディにおける側部に面したサンプリング開口を与えるべく形成されている遠位端部先端ボディを形成し、長尺シャフト部材を形成し、且つ該遠位端部先端ボディを該シャフト部材にしっかりと取り付けてそれにより患者の子宮頸を介して子宮内への該遠位端部の挿入を容易化させるべく寸法とされた統合型内視鏡の長尺部材を形成する、ことを包含している。幾つかの実施例によれば、子宮組織を検査するユーザーフレンドリな統合型内視鏡装置が記載され、それは、近位端部と遠位端部とを具備しており且つ患者の子宮頸を介して子宮内への該遠位端部の挿入を容易化させるべく寸法とされている長尺部材、検査中の子宮組織を照明すべく適合されている光送給システム、子宮内膜組織の回収を容易化させるべく位置されており且つ寸法とされている該長尺部材における側部に面したサンプリング開口、該長尺部材の該遠位端部上に位置されている電子的イメージングモジュール、使用中における容易な回転及び傾斜を容易化させるべく低い全体的な軸外しプロフィルを具備しているハンドルであって本装置の複数個の特徴を制御する複数個のボタンを包含しているハンドル、及び該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある統合型タッチ感受性電子的ディスプレイモニター、を包含している。幾つかの実施例によれば、該光送給システムから少なくとも3個の異なる照明レベルからユーザーが選択することが可能な輝度制御ボタンが包含されている。幾つかの実施例によれば、該複数個のボタンは、本装置内の格納装置内に格納される静止画像かビデオ画像かのいずれをキャプチャするかをユーザーが選択することが可能なキャプチャーボタンを包含している。幾つかの実施例によれば、2個又はそれ以上の色を使用してユーザーに対してバッテリーステータス情報を表示する点灯型バッテリーステータスインジケータが設けられている。幾つかの実施例によれば、それから複数のその他のスクリーンへアクセスすることが可能な基本メニュースクリーンを含む複数のディスプレイスクリーンを該統合型タッチ感受性ディスプレイモニター上に表示させることが可能であり、且つ該基本メニュースクリーンへ直接的にジャンプするためにユーザーは該ハンドル上の該複数個のボタンの内の一つを使用することが可能である。
【0013】
幾つかの実施例によれば、ユーザーとインタラクト即ち相互作用する方法が記載され、それは、タッチ感受性電子的ディスプレイモニター上に複数のスクリーンをユーザーに対して表示させることを包含しており、そのモニタリングは内視鏡と統合されている。幾つかの実施例によれば、該タッチ感受性ディスプレイ上のユーザー入力が受け取られて、ユーザーが見たい格納されているキャプチャーされた画像ファイル(例えば、静止画像又はビデオ画像)のユーザーによる選択を表す。受け取られたユーザーの選択に応答して、選択された格納されている画像ファイルからの内容が該タッチ感受性ディスプレイ上に表示される。
【0014】
幾つかの実施例によれば、子宮組織を検査する統合型内視鏡装置が記載され、それは、近位端部と遠位端部とを具備している長尺部材であって該遠位端部が患者の子宮頸を介して子宮内への該遠位端部の安全な挿入を容易化させるべく丸められた端部を具備している遠位面を包含しており且つ該端部は少なくとも0.25mmの半径へ丸められている長尺部材、検査中の子宮組織を照明すべく適合されている光送給システム、該長尺部材の該遠位端部上に位置されている電子的イメージングモジュール、ハンドル、及び該電子的イメージングモジュールと電気的通信状態にある統合型電子的ディスプレイモニター、を包含している。幾つかの実施例によれば、該遠位面の端部は、少なくとも0.35mm、又は少なくとも0.5mmの半径へ丸められている。幾つかの実施例によれば、該遠位端部は、該イメージングモジュールを使用しての視覚的検査を阻害することがあるような該遠位面上の不本意な組織回収の回収を減少させるように凸状である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の左側面図。
図2】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の平面図。
図3】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の右側面図。
図4】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位端部端面図。
図5】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の近位端部端面図。
図6】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の斜視図。
図7】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の左側面図。
図8】(A)は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部組立体の右側面図、(B)乃至(E)は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部組立体の夫々の断面における横断面図。
図9】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の斜視図。
図10】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の分離型流体チャンネルを具備するシャフトの内部構造を示した概略斜視図。
図11】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の分離型流体チャンネルを具備するシャフトの内部構造を示した断面図。
図12】幾つかの代替実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の内部構造を示した概略斜視図。
図13】幾つかの代替実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の内部構造を示した概略側面図。
図14】幾つかの代替実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の内部構造を示した概略側面図。
図15】幾つかの代替実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部を示した概略斜視図。
図16】幾つかの代替実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部を示した概略側面図。
図17】(A)及び(B)は、夫々、幾つかの実施例に基づく上方傾斜型カメラモジュールを具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部を示した概略側面図及び概略断面図。
図18】(A)及び(B)は、夫々、カメラの傾斜動作がどのようにして幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の実効視野に影響を与えるかを示した概略説明図。
図19】幾つかの実施例に基づくプリズム援助型傾斜型カメラ視野を具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部を示した概略側面図。
図20】(A)及び(B)は、夫々、幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置に使用するリング型LEDの例を示した概略説明図。
図21】(A)及び(B)は、夫々、幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置に使用するリング型LEDの例を示した概略説明図。
図22】幾つかの実施例に基づく順応性のあるシャフトを具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置を示した概略正面図。
図23】幾つかの実施例に基づく別々の先端部及びシャフト組立体を具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の詳細を示した概略正面図。
図24】幾つかの実施例に基づく別々の先端部及びシャフト組立体を具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の詳細を示した部分的断面図。
図25】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の遠位先端部の幾つかの内部コンポーネントの分解斜視図。
図26】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置用の套管内の内部シャフト構造の例を示した概略断面図。
図27】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置用の套管内の別の内部シャフト構造の例を示した概略断面図。
図28】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置用の套管内の更に別の内部シャフト構造の例を示した概略断面図。
図29】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置用の遠位先端部の更なる詳細を示した概略斜視図。
図30】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置用の遠位先端部の更なる詳細を示した概略縦断面図。
図31】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の単一使用装置を示した概略正面図。
図32】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の単一使用装置を示した概略正面図。
図33】幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の単一使用装置を示した概略正面図。
図34】幾つかの実施例に基づくドッキングステーションと係合可能な着脱自在なハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略斜視図。
図35】幾つかの実施例に基づくドッキングステーションと係合可能な着脱自在なハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略側面図。
図36】幾つかの実施例に基づくドッキングステーションと係合可能な着脱自在なハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略斜視図。
図37】幾つかの実施例に基づくドッキングステーションと係合可能な着脱自在なハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略平面図。
図38】幾つかの実施例に基づくドッキングステーションと係合可能な着脱自在なハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略底面図。
図39】幾つかの実施例に基づくドッキングステーションと係合可能な着脱自在なハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略斜視図。
図40】幾つかの実施例に基づくハンドル上に付加的なボタンを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の概略平面図。
図41】幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置用のディスプレイスクリーンユーザインターフェースを示した概略図。
図42】幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置用のユーザインターフェースの幾つかの要素の詳細を示した概略図。
図43】幾つかの実施例に基づく新たな患者情報の入力に関するヒステロスコピー装置用ユーザインターフェースの側面を示したフローチャート。
図44】幾つかの実施例に基づく画像及びビデオをプレビューに関するヒステロスコピー装置用ユーザインターフェースの側面を示したフローチャート。
図45A】幾つかの実施例に基づく格納した画像及びビデオのプレイバックに関するヒステロスコピー装置用ユーザインターフェースの側面を示したフローチャート。
図45B】幾つかの実施例に基づく格納した画像及びビデオのプレイバックに関するヒステロスコピー装置用ユーザインターフェースの側面を示したフローチャート。
図46】幾つかの実施例に基づく設定に関するヒステロスコピー装置用ユーザインターフェースの側面を示したフローチャート。
図47】幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置の遠位先端部の形状の詳細を示した概略側面図。
図48】幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置の遠位先端部の形状の詳細を示した概略側面図。
図49】更なる実施例の詳細を例示した概略図。
図50】更なる実施例の詳細を例示した概略図。
図51】更なる実施例の詳細を例示した概略図。
図52】或る実施例を使用する場合のステップの例を例示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適実施例の例の詳細な説明を以下に与える。幾つかの実施例について記載するが、本特許明細書に記載される新たな要旨は本書に記載されるいずれか一つの実施例又は複数の実施例の結合に制限されるものではなく、多数の代替例、修正例、及び均等物を包含するものであることを理解すべきである。更に、完全な理解を与えるために以下の説明においては多数の特定的な詳細を記載するが、幾つかの実施例はこれらの詳細の幾つか又は全て無しで実施することが可能である。更に、説明の便宜上、本書に記載する新たな要旨を不必要にぼかすことを回避するために関連技術において既知である或る技術的事項は詳細には記載されていない。本書に記載する特定の実施例の一つ又は幾つかの個々の特徴は他の記載されている実施例の特徴と結合して使用することが可能であることは明らかである。更に、種々の図面における同様の参照番号及び記号は同様の要素を表している。
【0017】
図1は、幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の左側面図である。図1に示したヒステロスコピー100の実施例の要素の多くは共通に譲渡され組み込まれた出願に記載されている実施例において説明されているものと同一であるか又は類似しており、その様な要素については説明を行わないか又は簡単に説明する場合があるに過ぎない。更に理解すべきことであるが、共通に譲渡され組み込まれた出願において記載されている実施例の側面は本書に記載する実施例にも適用されることが可能である。
【0018】
装置100は、効率的な結合されたヒステロスコープ検査及び子宮内膜生検を医師が実施することを可能とする得に有益的なものであるが、本教示の範囲内においてのヒステロスコープ100に対するその他の使用も理解すべきである。ヒステロスコープ100は、装置コストを低く維持し且つ手順を実施するために必要な時間を適度に維持する点でかなりの効率性をもたらすだけでなく、同時に、従来の「盲目的な」子宮内膜サンプル回収方法と比較して一層良好な子宮内膜サンプル品質に対する機会を提供するものである。ヒステロスコープ100は、套管102、流体ハブ104、摺動型コネクタ106、ハンドルボディ108、ディスプレイマウント112、及びディスプレイ110を包含している。套管102は近位先端部120とシャフト122とから構成されている。流体ハブは、該装置内へ、従って子宮内へ流体を供給するため、及び/又は子宮から組織サンプル及び流体を抽出するために吸引力を適用するために1個又はそれ以上の流体ポート114を包含している。図示した如く、シャフト122はその遠位端部近くで屈曲しており、例えば、図示した如くに25度の曲がりを有している。幾つかの実施例によれば、遠位端部近くで15度と35度との間の曲がりが多くの適用例に対して適切であることが判明している。遠位先端部120は、ビデオカメラ組立体、照明要素、及び流入(即ち、装置100から出て患者内に入る)及び流出(即ち、患者から出て装置100内に入る)用の流体ポート、を包含している。遠位先端部120の上側側部上のサンプリングポートは切断部分を包含しており、それは、より詳細に後述する如く、組織サンプル回収を行う場合の助けとなる。先端部120は、幾つかの実施例によれば、アクリルから形成されているハウジングボディを包含している。シャフト122は、幾つかの実施例によれば、ナイロンから形成されている。幾つかの実施例によれば、ディスプレイ110はタッチスクリーンディスプレイであり、且つ例えば約45度だけ上方及び下方へ傾斜可能である。幾つかの実施例によれば、図1において、その他の図におけるように、多くの適用例に対して適切であることが判明している種々の寸法が示されているが、当業者は本特許明細書の教示から逸脱すること無しにこれらの寸法を変更することが可能である。幾つかの実施例によれば、套管102(遠位先端部120に統合されているカメラ組立体、LED照明、及び流体ポートを含む)、流体ハブ104、及び摺動型コネクタ106は単一使用用に設計されている。これらの実施例によれば、套管102、流体ハブ104、及びコネクタ106は予め殺菌したパッケージ内に入れて医師へ配送され且つ単一使用の後に廃棄されることが意図されているが、ハンドル108及びディスプレイ110は多数回再使用されることが意図されている。
【0019】
図2は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の装置の平面図である。この図において、ハンドルボディ108上に3個の制御ボタンが示されている。特に、オン/オフボタン210は装置100をオン又はオフへトグル動作させるために使用される。幾つかの実施例によれば、パワーオン/オフボタン210は2個の異なる色のLEDを使用して背面照明されてユーザに対して再充電可能なバッテリー220のステータスを表す。例えば、緑色の背面照明はバッテリレベルがOKであることを表すために使用することが可能であり、且つ赤色の背面照明はバッテリー220が低い(例えば、図42に示したアイコン4218に対して使用されるように、残存容量が30%未満)ことを表すために使用することが可能である。幾つかの実施例によれば、ボタン210のLED照明は、図36−37に示した如くにベースステーションへドッキングした場合、又は図3−4に示したポート312を使用してUSB電源へ接続された場合に、バッテリー充電状態を表すために使用することも可能である。この場合には、背面照明用LEDは、バッテリーを充電している間には赤を示し、且つバッテリー220が満充電されると緑を示す。幾つかの実施例によれば、オン/オフボタン210は「ホーム」ボタンとして二重機能を有しており、ボタン210を1秒又はそれ以下などの一層短い押しでは、図41に示したように、ディスプレイ110上にホームスクリーンメニューを表示させ、一方、一層長い押しでは該装置をターンオフさせる。
【0020】
LED輝度制御ボタン212は、遠位先端部120上のLEDの輝度を制御するために使用される。幾つかの実施例によれば、全体で4つの異なるLED照明レベルが適切であることが判明しており、且つ単一のボタン212が、各ボタン押しごとに照明レベルを変化させて複数のレベルを介してサイクル動作させることによってレベルを制御する。スナップ/ビデオボタン214は先端部120におけるカメラから静止画像及び/又はビデオをキャプチャーするために使用される。幾つかの実施例によれば、スナップ/ビデオボタン214を3秒又はそれ以下の間押した場合に単一の静止画写真をキャプチャし、一方、ボタン214を3秒を越えて一層長く押した場合には、ビデオ記録が開始される。ビデオが記録されている間に、ボタン214を一回押した場合にはビデオキャプチャが停止される。ボタン210、212,214及びインタラクティブタッチスクリーンディスプレイ110を含むユーザーインターフェースの更なる詳細は図41−46に関して説明する。幾つかの実施例によれば、可聴的認識信号がボタン210,212,214の押下と関連している。例えば、これらのボタン(図41及び43−46に示した如きソフトウエアボタンを含む)の内のいずれかが押された場合には単一「ビープ」が鳴らされるが、スナップ/ビデオボタン214又はOKソフトウエアボタンのいずれかが押された場合には、二重ビープが鳴らされる。
【0021】
図3は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の右側面図である。ディスプレイ110の側にはゴムフラップ310が設けられており、それはミニUSBポート312及びSDカードスロット314を被覆している。フラップ310は開口の端部周りに流体シールを形成している。フラップ310の下側では、ミニUSBポート312が、外部ディスプレイへのビデオ出力、再充電可能なバッテリー220を充電するためのACアダプターへのコネクタ、及び/又は画像、ビデオ、及び/又は設定をダウンロード及びアップロードするため、及び再充電可能なバッテリー220を充電するためのホストPCへのポートとして、を包含する複数の目的を達成する。SDカードスロット314は、画像、ビデオ及び/又は装置100用の設定を格納するために使用されるフラッシュメモリカードを受納するために使用される。幾つかの実施例によれば、標準寸法の高容量(SDHC又はSDXC)スロットが設けられているが、ミニSD又はマイクロSDカード等の一層小さなフォームファクター、又はその他のタイプの格納媒体を使用することが可能である。
【0022】
図4は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位端部の端面図である。先端部120及びシャフト122、及び流体ハブ104、流体ポート114及びハンドルボディ108を見ることが可能である。SDカード/USBポートフラップ310もディスプレイボディの側に示されている。更に、幾つかの実施例によれば、写真/ビデオ処理回路410が示されており、それは先端部120におけるカメラモジュールから受け取られた標準のビデオ信号及び/又は画像を向上させ又はその他の態様で操作するために使用することが可能である。
【0023】
図5は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の近位端部端面図である。タッチ感受性スクリーン110が好適には3.5インチ(対角線)の寸法である。
【0024】
図6は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部の斜視図である。遠位先端部120は、幾つかの実施例に基づいて、アクリルから形成されている先端部ハウジング600を包含している。先端部120の先端側に患者の子宮から流体を引き出し且つ組織を回収するために使用されるサンプリングポート610が設けられている。サンプリングポート610は切断用エッジ612を包含しており、それは鋭利であり且つ削り取りによって子宮内膜サンプルの回収を容易化させるべく位置されている。先端部120の遠位端部上にはカメラ組立体640が設けられている。視覚的検査用に子宮組織を均一に照明させるために、2個のLED630及び632がカメラの上下に位置されている。光シールド642がレンズフードとして作用し且つLED630及び632からの直接光がカメラ640のアパーチャへ入ることをシールドしている。
【0025】
子宮内膜組織の視覚的検査を実施する上で、且つ、特に、自由な組織からなる子宮内膜媒体、緩く付着している組織、及び/又は流体が比較的厚い場合においての、一つの問題は、レンズ近くに浮遊している組織粒子から反射された光が過剰に明るく見える場合があり、従って他の組織表面のイメージングを阻害する場合があることである。幾つかの実施例によれば、流体が該先端部から出て浮遊している粒子物体をカメラから遠ざかる方向へ押しやる傾向となりカメラ640による画像及びビデオのキャプチャを向上させることを可能とするために2個の前方に面した流体ポート620及び622が設けられている。幾つかの場合においては、幾らかの組織屑が遠位表面上に蓄積してイメージングが阻害される場合があり、その様な場合には、該前方に面したポートはこの様に蓄積される組織を取り除く上で有用である。又、該流体は潤滑を与えると共に挿入期間中に遠位先端部のすぐ前方において組織を部分的に広げるので、多くの場合において、該前方に面したポートは該套管の挿入を助けることに貢献することが判明した。該前方に面したポートは視覚化を改善させるので、子宮に対する偶発的な損傷の危険性が大きく減少されている。
【0026】
図7は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部の左側面図である。先端部120のアクリルボディ600は、好適には、先端部120をシャフト122(不図示)へしっかりと固定させる上での助けとなる1個又はそれ以上の隆起部710を包含している。
【0027】
図8Aは幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部組立体の右側面図である。これらの実施例において、前方に面した流入(該装置から外へ)流体ポートが別の流体チャンネルへ接続されており、装置100内へ及びそれから外へ流れる流体に関しての制御を向上させている。この場合における先端部120は、流体の流入及び流出用に分離された流体チャンネルを包含している。特に、上部右側に沿って走行している別の流体チャンネル810が前方に面した流体ポート620へ接続されており、且つ別の流体チャンネル(不図示)が他方の前方に面した流体ポート622(不図示)へ接続されている。中央の流体チャンネル820が側部サンプリングポート610へ接続されている。
【0028】
図8B−8Eは幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部組立体を図示している。図8B図8Aに示した先端部120の近位端部端面図である。先端部ボディ即ちハウジング600は、該2個の正面に面した流入ポートへ流体接続されている2個の流入(本装置から出て患者に入る)チャンネル810及び812と、サンプリングポート610へ流体接続されている中央チャンネル820と、を包含している。中央チャンネル820はカメラ組立体からハンドル及びディスプレイへ向かってビデオ及び制御ケーブルを走行させるためにも使用されている。図8C図8Aに示されているA−A’線に沿っての遠位先端部の断面図である。注意すべきことであるが、先端部ハウジング600は、幾つかの実施例に基づいて、外側スリーブ830とコア832とから構成されている。図8D図8Aに示したB−B’線に沿っての遠位先端部の断面図であり、中央流体チャンネル820とサンプリングポート610との間の接続を示している。図8E図8Aに示した先端部組立体120の遠位端部端面図である。幾つかの実施例によれば、先端部120の外側寸法は遠位端部に向かって多少一層大きくなっている。例えば、先端部ボディ600は、図8Bに示されている近位端部において3.8mm×4.6mmの寸法であり、且つ図8Eに示されている遠位端部において4.2mm×4.8mmの寸法である。
【0029】
図9は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部の斜視図である。この遠位先端部組立体120の図は、チャンネル810を介して且つ前方に面したポート620から流出する流体に対して矢印910,912,914のような流体方向矢印を示している。矢印916及び918は、同様に、チャンネル812に流入する流体の方向を示している。矢印920,922,924はサンプリングポート610から中央ポート820を介しての流体の方向を示している。
【0030】
図10及び11は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の分離された複数の流体チャンネルを具備しているシャフトの内部構造の詳細を示している。図10はシャフト122の遠位端部の斜視図である。シャフト122の遠位端部1030は、先端部120の近位端部と係合することが可能であるように除去された内部構造を有している。シャフト122は別々のチャンネル1010及び1012を具備しており、それらは先端部120上で、夫々、チャンネル810及び812と流体的に係合するように整合される。上部中央チャンネル1020は、子宮から流体を除去するため、及び/又は組織サンプル回収用の負の圧力を与えるために、流出流体(即ち、本装置内へ)に対して使用される。従って、チャンネル1020は中央チャンネル820と流体的に係合すべく位置されている。別のチャンネル1022も設けられており、それは先端部120の中央チャンネル820を介して通過しているビデオ及びカメラ制御ケーブルを収容するために使用されている。図11はシャフト122の断面図である。幾つかの実施例によれば、シャフト122は押し出し加工されたナイロンから形成されている。
【0031】
図12,13,14は、幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部の内部構造を示している。図12−14は2つの実施例を示しており、その場合に、流入及び流出経路は図8A−E及び9の実施例の場合のように分離されているものではない。流路が分離されていない場合には、先端部120、シャフト122、及び流体ハブ104は構造的に一層簡単化させることが可能である。しかしながら、前方に面した流体ポート610及び612と側部に面したポート620との相対的な寸法のために、視覚的検査を改善するために有用である期間中に前方に面したポート610及び612から出る適切な流体の流れを確保するために或る構造的要素を包含させることが可能である。図12及び13の場合には、図13における矢印1310で示した如く、前方へ面したポートへ向けて流体を指向付けさせるためにサンプリングポート610の直ぐ後方に要素1210が包含されている。図14の場合には、矢印1412で示した如く、前方へ面したポートへ向けて流体を指向付けさせることを助けるために上部部分1410が固体で充填されている。
【0032】
図15−16は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部を示している。図15−16は更なる実施例を示しており、その場合には、流入及び流出の経路は図8A−E及び9の実施例の場合における如くに分離されているものではない。この場合には、2個の前方に面した流体ポート1520及び1522は遠位先端部120上の下の方に位置されており、カメラモジュール1540及びビデオケーブル1612は、流入方向流体(即ち、先端部120から出る)を、側部に面したサンプリングポート610から出すのではなく、ケーブル1612の下側でポート1520及び1522へ向かって強制させる傾向となる。矢印1610は流入方向(本装置から出る)における例示的な流体流れ経路を示している。その他の実施例によれば、前方に面したポートを介しての流れを向上させるために、図12−16に示したものに加えて又はその代わりにその他の内部構造を設けることが可能である。
【0033】
図17A−17Bは幾つかの実施例に基づく上方に傾斜されたカメラモジュールを具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部を示している。図17Aにおいて、カメラ1710が先端部ボディ即ちハウジング600の長手軸から例えば12度の角度で上方へ傾斜されていることが分かる。カメラの上方への傾斜は本装置の実効的な視野を増加させる。図17A及び17Bにはカメラモジュール1710のガラスカバー1712も示されている。LED1722等の1個又はそれ以上のLEDからの光を拡散させるために光ガイド1720が使用されている。図17Bに示した如く、光ガイド1720はカメラモジュール1710を取り囲んでいる。光ガイド1720は、例えば、ガラス又はポリマーから形成することが可能である。この例においては、更に、前方に面した流体ポート1740が示されており、それは視覚的検査を向上させるために流体を前方方向へ指向付ける上で有用である。
【0034】
図18A−18Bは、幾つかの実施例に基づいて、どのようにしてカメラを傾斜させることが結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置に対して一層大きな実効的視野を与えるかを例示している。子宮組織の視覚的検査期間中に、装置100は医師又は医学的専門家によってその長手軸周りに回転される。180度回転された場合に套管102の位置は点線1810で示されている。この例におけるカメラモジュールの視野(FOV)が示されており、それは角度αによるシャフト122の曲がりと結合されて、β図18Aの場合における実効的視野となる。図18Bの場合には、カメラはγの角度だけ上方へ傾斜され、そのことは、本装置の回転に起因して、γの2倍だけ実効的視野が増加されることとなる。図18Bにおける装置100の実効的視野はβとして示してある。
【0035】
図19は幾つかの実施例に基づいてプリズム援助型傾斜型カメラ視野を具備する結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部を示している。この場合には、角度γだけカメラモジュール1920の視野の実効的上方傾斜を与えるためにカメラモジュール1920の角度を修正するためにプリズム1910が使用されており、そのことは、γの2倍だけ使用期間中に本装置の実効的視野を増加させることとなる。
【0036】
図20A−20B及び21A−21Bは、幾つかの実施例に基づくヒステロスコピー装置に使用するリング型LEDの例を示している。図20A及び20Bにおいて、リング型LED2020が、本書に記載する装置100のようなヒステロスコピー装置の遠位先端部上に使用されるカメラモジュール2010を取り囲んで示されている。図20Aにおいて、照明強度分布曲線2030がリングLED2020からの単一のLEDセクター2022からの照明を表している。図20Bにおいて、全体的な照明分布曲線2032は全体的なリングLED2020からの照明を表している。注意すべきことであるが、中心は端部よりも一層明るく、そのことは幾つかの状況下でのイメージングにとっては問題となる場合がある。幾つかの実施例によれば、図21A及び21Bに示した如く、リング型LEDを使用して一層均一に分布した照明が達成される。図21Aにおいて、リング型LED2120は本書に記載する装置100のようなヒステロスコピー装置の遠位先端部上で使用されるカメラモジュール2010を取り囲んで示されている。照明強度分布曲線2130はリングLED2120からの単一のLEDセクター2122からの照明を表している。注意すべきことであるが、該強度はリングの外側端部に向かって不均一に分布している。該強度分布は、例えば、LEDの異なる厚さ又は配向を使用することによって調節される。図21Bはその結果得られるリングLED2120からの全体的な強度分布を示しており、その場合には、中心は端部より一層均一であり、そのことはイメージング品質を向上させることとなる。
【0037】
図22は幾つかの実施例に基づく柔軟性の或るシャフトを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置を示している。この例においては、套管102は柔軟性のあるシャフト2200を包含している。シャフト2200は子宮腔の窪んだ部分に到達し且つ可視化させることを助けるために使用時に柔軟性がある。シャフト2200は、例えば、シャフトハウジングの内側長さに沿って走行する1個又はそれ以上の屈曲可能な金属ワイヤを包含する可撓性のあるナイロンを使用して柔軟性のものとさせることが可能である。
【0038】
図23及び24は、幾つかの実施例に基づく別体の先端部及びシャフト組立体を具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の詳細を示している。装置100の套管102は先端部120とシャフト122とから構成されている。先端部120は、カメラモジュールと、LEDと、ここに記載するようなその他の要素とを収容するモールド成形したアクリルの先端部ハウジング600を包含している。シャフト122はナイロン6のような押し出し成形したナイロンから構成されており、且つ図10,26−28に示したような内部構造を有することが可能である。幾つかの実施例によれば、シャフト122はプロビスタ(Provista)コポリマーのような別の適宜の物質から構成することが可能である。図23において、ビデオケーブル2310がシャフト122の内側に沿って走行して示されており、それは先端部120内のLED及び/またはカメラモジュールに対する制御信号及びビデオ信号を担持する。図24はどのようにして先端部組立体120がシャフト122に取り付けられているかを示している。幾つかの実施例によれば、先端部120の約5mm又はそれ以上がシャフト122内に挿入される。図10及び26−28に示したような内部構造が存在する場合には、適切な係合を達成することが可能であるように、該内部構造はシャフト122の遠位端部から内側に離隔される。図示した如く別々に製造された先端部及びシャフト部品の実現を介して、製造コストを減少させることが可能であり且つ洗練された構造を与えるためにアクリル管がモールド成形される間にシャフトが押し出し成形されるので歩留まりを増加させることが可能であることが判明した。更に、別々の先端部及びシャフトの構成は先端部とシャフトの両方における内部構造を形成する上で一層大きな柔軟性を可能としている。
【0039】
図25は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部の幾つかの内部コンポーネントの分解図である。この例においては、先端部組立体120は容易に見えるようにするためにカメラモジュールの種々の部品を分離させて示してある。カメラモジュールは、CMOSセンサーモジュール2510、レンズ2512、絞り2514、シールド2516、及びガラスカバー2518を包含している。CMOSセンサーモジュール2510は、低電圧カラーCMOSイメージセンサーコア、OmniVision7675のような単一チップ上のイメージセンサー処理及びイメージ出力インターフェース回路を包含している。センサーモジュール2510内に統合したデジタルビデオ処理を設けることにより、全てのビデオ処理をCMOSセンサーと同一のPCB上で又はCMOSのイメージング面とビデオ処理回路が延在する面とが実質的に同一であるようにCMOSが形成されている同一の基板上で直接的に実施することが可能である。この例においては、センサーモジュール2510からのビデオ信号はNTSC、PAL、又は別の一般的なビデオフォーマットなどの任意の適宜のビデオフォーマットとすることが可能であり、従って、TVディスプレイ、タブレット、コンピュータ及び病院ワークステーションなどの一般的なビデオフォーマットに対して広く使用可能なディスプレイを駆動するために更なるビデオ処理が必要とされることはない。図25には1個又はそれ以上のLED2530も示されている。幾つかの実施例によれば、別のLEDをカメラモジュール上方に装着して使用することが可能である。ホルダー2520はカメラモジュール及びLEDを維持する。幾つかの実施例によれば、ホルダー2520は、先端部ハウジング600の長手軸から例えば12度の上方に傾斜した角度にカメラモジュールを保持する。
【0040】
図26−28は、幾つかの実施例に基ずく、結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用の套管内の異なる内部シャフト構造の例を示した断面図である。図26において、シャフト2610はビデオ及び制御信号及びLED電力用に使用されるケーブル用の別個のチャンネル2612を包含している。上部チャンネル2614は流入及び流出の両方の方向に対する流体チャンネルとして使用される。同様に、図27において、シャフト2710はケーブル用に別個のチャンネル2712を包含しており、一方、上部チャンネル2714は流入及び流出の両方の方向に対する流体チャンネルとして使用される。図28の例においては、部分的に分離された内部構造が使用されている。シャフト2810は、流体の流れに使用される上部ローブ2814と、主にLED電力、カメラ用のビデオ信号及び制御信号のために使用されるケーブル2820を保持する下部ローブ2812と、を包含している。図28の構造は簡単化した組み立てを可能とする。何故ならば、それは、別個のチャンネルを介して敷設するよりも下部ローブ内にケーブル2810を位置させることの方が一層容易だからである。
【0041】
図29及び30は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用の遠位先端部の更なる詳細を示している。図29は幾つかの実施例に基づく遠位先端部120及シャフト122の遠位端部の斜視図である。幾つかのその他の説明した実施例におけるように、先端部120はモールド成形したアクリル、例えば透明アクリルの単一のモールド成形した部品、から構成されている先端部ハウジングボディ600を包含している。先端部120は側部に面したサンプリングポート610及び正面に面した流体ポート2940を包含している。前方に面したカメラモジュールはガラスカバー1712及び、この場合は、アクリルカメラモジュールハウジングシェル2910を包含している。2個の前方に面したLED2920及び2922はガラスカバー1712の直ぐ下側に位置されている。LED電力、ビデオ信号及びカメラ用の制御信号に使用されるケーブル1612もシャフト122内を走行している状態が示されている。図30図29に示した先端部及びシャフトの断面である。
【0042】
従来のエンドスコープ即ち内視鏡は、典型的に、束縛されており且つ使用するのに厄介である。それは操作し且つ維持するために熟練したスタッフを必要とする。このことは、緊急室、手術室、及び複数の装置及び機器が同時的に使用される医療施設のその他の区域等の時間的に臨界的な位置において特に困難なものとさせる。幾つかの実施例によれば、例えば図1−5に示した装置100はハンドヘルド型でコンパクトな単一使用内視鏡である。これらの場合には、内視鏡100は殺菌したパッケージ内に収容されており、従って診断又は治療手順のためになんらの準備を必要とすること無しに直ぐに使用する準備がなされている。幾つかの実施例によれば、単一使用(即ち、使い捨て)装置100は、内視鏡全体が使用準備がされている殺菌パッケージに入れられて供給されるように精巧なコネクタを必要とするものではない。
【0043】
図31−33は種々の実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用の単一使用即ち使い捨ての装置を示している。図31の場合には、装置100は画像及び/又はビデオを見るための外部モニター3110を包含している。画像及びビデオを外部モニターへ送信する殺菌コード3112が装置100へ取り付けられており且つ装置100とともにパッケージ化されている。
【0044】
図32の装置100の場合には、画像及びビデオは無線接続によって送信される。装置100は無線送信機3212を包含しており、且つ外部モニター3210は無線受信機を包含している。幾つかの実施例によれば、Wi−Fi技術が使用される。幾つかの実施例によれば、スマートフォン3220、タブレットコンピュータ3222、モバイルコンピュータ、又は無線及びディスプレイ能力を具備するその他のモバイル装置等の装置が画像及び/又はビデオを見るために使用される。
【0045】
図33の場合には、装置100は配向の一定基準を与えるべく埋め込まれているジャイロスコープモジュール3310を包含している。装置3210,3110,3220,3222等の装置上で表示される画像がアップライトであることを登録するためにビデオプロセッサが使用される。
【0046】
図34−39は幾つかの実施例に基づきドッキングステーションと係合可能な着脱自在のハンドルを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置を示している。図34及び35は幾つかの実施例に基づいて流体ハブ及び套管から離脱されたハンドル及びディスプレイの詳細を示している。図34は斜視図であり、その場合に、ハンドル108及びディスプレイ110は図1に示したような流体ハブ104の摺動型コネクタ106から離脱されている。ハンドルボディ108の遠位端部はコネクタ3410を包含しており、それは、接続された場合に套管への電力供給と通信を行うため及びドッキングされた場合にベースステーション即ちドッキングステーションへ及びそれからのビデオ及び制御信号と設定の送信を行うための両方のために使用されるピンソケットを具備している。ハンドル108は、又、凹設形DCコネクタ3412を包含しており、それは、例えば、バッテリー220を充電するため及び/又は画像及びビデオをダウンロードするか又は見る場合及び/又は設定をユニットへアップロードする場合にバッテリーの消耗を防止するためにドッキングされた場合にハンドル108への電力を供給するために使用される。図35はハンドル108の遠位端部端面図であり、ドッキングステーションにドッキングされている期間中等の使用されていない場合にDC電力コネクタ3412をシールするゴムフラップ3510を示している。
【0047】
図36及び37は、夫々、幾つかの実施例に基づくベースステーションへドッキングされているハンドル及びディスプレイの斜視図及び側面図である。ハンドル108及びディスプレイ110はベースステーション3610とドッキング即ち係合して示されている。ハンドル108の遠位部分が開口内に挿入されており、ゴムライナー3612と整合されている。ベースステーション3610内に挿入されると、ハンドル及びディスプレイは図示した如くに良好に保護状態とされる。ハンドル及びディスプレイに対して安定なベースを与えることに加えて、ベースステーション3610は、例えばバッテリーを充電するため及び/又はディスプレイ110上で画像及びビデオを見るために、ハンドル及びディスプレイへ電力を供給するために使用することも可能である。その目的のために、外部電源をDC電力コネクタ3712を介してベースステーション3610へ接続させることが可能である。ベースステーションは、例えば画像及びビデオを見るため及び/又はダウンロードするため、及び設定を見て修正するために、ハンドル及びディスプレイと通信を行うために使用することも可能である。ミニUSBコネクタ3710をこの目的とのため、及びベースステーションへ(及びドッキングされている場合にはハンドル及びディスプレイへ)電力を供給するために使用することが可能である。
【0048】
幾つかの実施例によれば、ベースステーション361は、スマートフォン3220、タブレットコンピュータ3222(図32に示したような)、モバイルコンピュータ、又は画像及び/又はビデオを見るために使用される無線及びディスプレイ能力を具備しているその他のモバイル装置等の装置と通信するためにWi−Fi等の無線通信回路を包含している。図38及び39は、夫々、ハンドルが挿入されていない状態のベースステーション3610の平面図及び斜視図である。理解されるように、係合用コネクタ3810が設けられており、それは図34及び35に示した如くにコネクタ3410と係合する。DC電力コネクタ3812も設けられており、それは図34に示した如くにDC電力コネクタ3412と係合する。装置100からの静止又はビデオ画像のために付加的な格納及び/又は処理を設けることが可能であり、例えば、PACSにおける格納又は病院及びクリニックにおいて医学的画像を処理し且つ見るために一般的に使用されるワークステーションにおいて一般的に使用されるタイプのその他のアーカイブ格納システム等がある。装置100からの静止及び/又はビデオ画像は、ベースステーション3610、又は装置3220及び3222の内のひとつ又はそれ以上、又はモバイルコンピュータ、又はベースステーション3610へ接続されているコンピューティング装置において、例えば一例としてDICOM等の一般的に使用されているフォーマットに対して必要とされるようにフォーマットさせることが可能である。フォーマットした静止及び/又はビデオ画像は、選択したフォーマットに従って、PACS又はその他の格納システムへ、及び/又は画像の或る側面を向上させるため又はCAD(コンピュータ援助型検知)プロセスを実行するためなどのために当該技術において既知であるように更にそれらを処理することが可能であるワークステーションへ、送信することが可能であり、且つ診断又はその他の目的のために同じ患者の以前の画像又はその他のモダリティからの画像と共に又は単独で表示させることが可能である。幾つかの実施例によれば、図36−39に示したようなベースステーションは、ハンドル108及びディスプレイ110が何回も再使用されるべく設計される一方単一使用の後に套管102、流体ハブ104及びコネクタ106は廃棄されることが意図されている場合に特に有用である。この場合には、ハンドルとディスプレイとはベースステーション上に便利に格納され、一方、使い捨て用の套管/ハブ組立体の補給品は使用準備がなされている予め殺菌したパッケージ内に維持されている。
【0049】
図40は幾つかの実施例に基づいてハンドル上に付加的なボタンを具備している結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の平面図である。図示したように、オン/オフボタン210、LED輝度制御ボタン212、及び図2に示した如きスナップ/ビデオボタン214、に加えて、ハンドル108はプレイバックボタン4010及び手動ホワイトバランスボタン4012を包含している。プレイバックボタン4010は、医療的人員が後でディスプレイ110上で画像又はビデオを見ることが可能であるように手順期間中に取られたスナップショット及び/又はビデオをリプレイするために使用される。手動ホワイトバランスボタン4012は、ユーザが特定の場合に対しての適切なホワイトバランスを迅速且つ容易に選択することが可能であるように幾つかの予め設定したホワイトバランスレベルを介して巡回するために使用される。
【0050】
図41は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用のディスプレイスクリーンユーザーインターフェースを示している。ヒステロスコピー装置100のタッチスクリーンディスプレイ110がホームスクリーン4110と共に示されている。幾つかの実施例によれば、ディスプレイは寸法が3.5インチである。ホームスクリーン4110はスクリーンをタッチすることによってユーザによって選択することが可能な4つのオプションを包含している。バッテリーステータスアイコン4120が左上角部に示されている。ホームスクリーン4110は4つのユーザーが選択可能なメニューオプション(又はソフトボタン)を包含しており、それらは、図示されている如く、新患者、プレビュー、プレイバック、及びセットアップとしてラベル付けされている。幾つかの実施例によれば、1秒又はそれ未満の間パワーオン/オフボタン210を押すことが、ホームスクリーン4110が表示されるように装置100上の「ホームボタン」として使用される。
【0051】
図42は幾つかの実施例に基づく結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置に対するユーザインターフェースの幾つかの要素の詳細を示している。ディスプレイ110等の本装置と関連するディスプレイ上にこれらの例におけるユーザに対して5つのレベルのバッテリーステータスを表示させることが可能である。アイコン4210,4212,4214,4216,4218は、夫々、再充電可能バッテリ220における残存容量が100%,80%,60%,40%,30%である場合に使用される。幾つかの実施例によれば、ユーザーの注意を更に喚起させるために、アイコン4218に対して、赤色及び/又は点滅が使用される。
【0052】
図43は幾つかの実施例に基づく新たな患者の情報を入力することに関しての結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用のユーザーインターフェースの側面を示したフローチャートである。110等のディスプレイ上のホームスクリーン4110からユーザーが「新たな患者」を選択すると、スクリーン4310が表示され、ユーザーが新たな患者ID番号を入力することを可能とする。設けられている番号ボタン(例えば、ソフトボタン)を使用して新たな番号を入力した後に、「OK」を押すことによりユーザーの入力を確認する。そのIDが既に存在する場合には、「ID既に存在」のメッセージが表示されてユーザーに対して異なる番号を入力することがプロンプトされる。右下角部、及びここに示す多くのその他のスクリーンにおいて、「戻る」ボタンも提供されており、それは、ユーザーがその前のスクリーンへ戻ることを可能とさせる。幾つかの実施例によれば、装置100の遠位先端部上のカメラモジュールは、患者ID番号を迅速に且つ正確に入力するために、患者ファイル又はペーパーワーク上で既に存在している場合のある、バーコード及び/又はORコード等のマトリクスバーコードに対するバーコードスキャナーとして患者情報を入力するために使用することが可能である。この場合には、スクリーン4310上には「スキャン」ボタン4320が包含される。新たな患者ID番号を成功裏に入力した後に、確認スクリーン4312が固定した期間、例えば3秒、の間表示され、その後に、図44以下におけるプレビュースクリーン4412への遷移が自動的に行われ、装置100のカメラモジュールからのライブのビデオが表示される。
【0053】
図44は幾つかの実施例に基づく画像及びビデオをプレビューすることに関連しての結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用のユーザーインターフェースの側面を示したフローチャートである。110等のディスプレイ上のホームスクリーン4110から、ユーザーが「プレビュー」を選択すると、スクリーン4410が表示され、ユーザーが複数のケース、即ち患者、のリストの中から使用するものを選択することを可能とさせる。複数の番号の内の一つの上の直接タッチするとその番号が例えば黄色などでハイライトされる。右側のスクロールバー上の上及び下の矢印をタッチすると該リストを介してスクロールする(又は、該リストを介してカラー化したハイライトフィールドをスクロールする)。幾つかの実施例によれば、スマートフォン及びタブレットコンピュータインターフェースで知られているようなタッチ・ドラッグ動作を複数の番号又は画像のリストを介してのスクロール動作に使用することが可能である。ハイライトされた番号が再度押されると、スクリーン4412が表示され、装置100の遠位装着カメラからのライブのビデオがユーザーに対して示される。ライブプレビュースクリーン4412も左側に患者ID番号を右上角部に緑のディスクアイコンを包含しており、ライブプレビューが表示中であることをユーザーに表示する。戻るボタンを押すと前のスクリーンへ戻る。右側のプレイバックボタンは、ユーザーが例えば3−5秒の所定長のビデオをリプレイすることを可能とする。3秒又はそれ未満の間スナップボタン214を押すと、スクリーン4412に示されているように、単一の写真のキャプチャーが行われる。右上角部にベタの赤のディスクアイコンが表示される。単一のキャプチャー画像が1秒の間(又はその他の固定長の時間)表示され、その後に、ライブのプレビュースクリーン4412へ復帰する。更に、即ち画像の表示に加えて、幾つかの実施例によれば、可聴の写真シャッター音を鳴らすことが可能であり及び/又は静止画像がキャプチャーされたことをユーザーに対して表示するために白又は黒への短時間の遷移を使用することが可能である。スナップボタン214が3秒を超えて押される場合には、スクリーン4416に示される如く、ビデオがキャプチャーされる。この場合には、キャプチャーされるビデオが表示され、一方、右上角部における赤のディスクアイコンが点滅してビデオをキャプチャー中であることを表示する。ビデオキャプチャーが開始するとそれはスナップボタンが再度押されるまで継続する。幾つかの実施例によれば、キャプチャーされるビデオの長さを示すタイマー4430を設けることも可能である。
【0054】
図45A−45Bは幾つかの実施例に基づき保存した画像及びビデオのプレイバックに関して結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用のユーザーインターフェースの側面を示したフローチャートである。図45Aにおいて、110等のディスプレイ上のホームスクリーン4110から、ユーザーが「プレイバック」を選択すると、スクリーン4510が表示され、プレイバックするために複数のケース、即ち患者、のリスト中からユーザーが選択することを可能とさせる。スクリーン4410における如く、一つのケースを最初に選択するために黄色のハイライトが使用される。ユーザーが「ケース削除」を選択すると、確認スクリーン4512の後にハイライトされたケースが削除される。一つのケースがハイライトされ次いで選択されると、図45Bにおけるスクリーン4514が表示される。スクリーン4514はスクロールさせることが可能な(スクロールバーを使用するか又はスワイプ動作を使用して)キャプチャーされた静止画像及びビデオの全てのサムネイル画像を包含している。特定の画像又はビデオが、点線4520で表示されている如く、例えば黄色でハイライトされる。該サムネイル画像はファイル番号及びそのファイルが静止画像ではなくビデオである場合には動画アイコン4522を包含している。スクリーン4514も左余白上に患者IDを及び右余白上に削除アイコンと戻るボタンとを示している。削除アイコンはユーザー確認の後にここのハイライトされたファイルを削除するために使用することが可能である。ハイライトされているビデオファイル、例えば画像「20120308_001」、を選択するとプレイバックスクリーン4516を表示させる。ユーザーは、プレイ/ポーズ、巻き戻し、及び早送りボタンを使用してビデオプレイバックを制御することが可能である。ユーザーは右余白内の矢印ボタンを使用して次の又は前のファイルへ移ることも可能である。スクリーン4518は静止画像を表示している例を示している。
【0055】
図46は幾つかの実施例に基づいて設定に関しての結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置用のユーザーインターフェースの側面を示したフローチャートである。110等のディスプレイ上のホームスクリーン4110から、ユーザーが「セットアップ」を選択すると、スクリーン4610が表示され、種々の装置設定をユーザーが見ること及び修正することを可能とさせる。この様な設定の例は、スクリーン4612を使用して修正することが可能なシステムクロック、及びTV出力フォーマット及び内部フラッシュメモリカードのフォーマット処理である。幾つかの実施例によれば、多くのその他の設定を図示したインターフェースを使用してユーザーによってプログラムさせることが可能である。
【0056】
図47−48は幾つかの実施例に基づいて結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置の遠位先端部の形状の詳細を示した側面図である。該装置の遠位先端部は、好適には、幾つかの理由により丸められるべきであることが判明している。第1に、先端部が丸いことは、使用期間中にデリケートな子宮組織を突き刺したり破裂させたりして子宮に偶発的な損傷を与える危険性を著しく低下させる。第2に、遠位先端部が丸いことは該先端部にくっつきカメラの視野をブロックする可能性がある物体を回収することに対しての該遠位先端部の耐性に影響を与える。該先端部のエッジ即ち端部は、好適には、少なくとも0.25mmの半径によって丸められるべきであることが判明している。図47の先端部120に示した例においては、領域4702に示されているような遠位先端部のエッジ即ち端部は0.5mmの半径へ丸められている。更に、遠位先端部の正面が丸められていることに有益性があることが判明している。正面4710を凸状とさせることによって、該先端部は、視野を塞いだり又はカメラモジュールからクリアな画像を得ることを一層困難なものとさせる可能性のある組織屑やその他の物体を回収する蓋然性は著しく低い。図47の例においては、正面4710は、好適には、約10mmの半径に丸められている。図48の例においては、遠位先端部120は、好適には、実質的に平坦な中央部分4810を有しており、それは約2.5mmの半径に丸められている外側領域4812によって取り囲まれている。端部部分4802は約0.44mmの半径へ丸められている。中央部分4810(それは、本例においては全正面面積の約30%未満である)を実質的に平坦であるようにすることはカメラモジュールによってキャプチャされる画像における歪を減少させる上で有用である場合があり、一方、実質的に湾曲した部分4812及び4802は組織回収を回避し且つ組織損傷危険性を減少させるために十分な丸みを与えるものであることが判明している。幾つかの実施例によれば、正面面積の少なくとも50%までの外側領域を実質的に丸めるべきであることが判明している。
【0057】
図49は幾つかの実施例に基づき結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用装置表のシールした摺動型コネクタの詳細を示した断面図である。摺動型コネクタ106は、ここでは、Oリングシール4920の上及び流体ハブ104とハンドル組立体108との間に適切なシールを与えるためにハンドル組立体108の一部の上に嵌合しているリップ4912を含む外側シェル4910と共に示されている。本装置の套管組立体が使い捨て可能であり且つハンドル108が再使用可能である場合に、患者の物体からハンドル108を更に離隔させるためにコネクタ106の長さに沿って複数の同様のシールを設けることが可能である。更なる離隔のために付加的なコネクタ(不図示)をコネクタ106とハンドル108との間に挿入させることが可能であり、且つ別の患者に対しての使用の前に付加的なコネクタを殺菌することを可能とさせる態様とさせることが可能である(それは套管とハンドルとの間の電気的接続を与えねばならないに過ぎないので)。
【0058】
図50は幾つかの実施例に基づくヒステロスコープを示している。ヒステロスコープ5000は、それが子宮内膜生検ではなくヒステロスコピーのみに意図されているものであるという点を除いて、本書に記載する装置100と同一又は同様のもの(例えば、図41−46に示したユーザーインターフェースを含み)とすることが可能である。そうであるから、遠位先端部組立体5020は側部に面したサンプリングポートを具備するものではなく且つサンプリング用の別個の流体チャンネル(図8A−E及び9に示した如く)を利用するものでもない。しかしながら、例えば、子宮を広げ且つリラックスさせるため又は子宮をフラッシュさせるために、子宮へ流体を送給し且つ子宮から流体(及びその他の物体)を引き出すための両方のために、所望である場合には、側部ポート又は別の前方に面したポートへ結合した別のチャンネルを設けることが可能である。組立体5020は先端部ボディ5022、カメラ組立体640、及びLED630及び632を包含している。幾つかの実施例によれば、装置100の場合の如く、套管102(遠位先端部5020を含む)、流体ハブ104、及び摺動型コネクタ106は一回使用即ち使い捨て用に構成され、一方、ハンドル108及びディスプレイ110は多数回再使用されるように構成される。従って、ヒステロスコープ5000は結合型ヒステロスコピー及び生検装置100と同一の利点の多くからの同一の特徴及び利点の多くを包含している。
【0059】
図51図50に示されているようなヒステロスコープ用の遠位先端部の詳細を示している。遠位先端部組立体5020は、2個の前方に面した流体ポート620及び622、2個のLED630及び632、及びカメラ組立体640を含む先端部ボディ5022と共に示されている。
【0060】
図52は、いくつかの実施例に基づいて、使い捨て可能な套管と再使用可能なハンドル及びディスプレイとを具備しているヒステロスコピー装置の例示的な使用を例示したフローチャートである。ステップ5210において、例えば図1において又は図50において示した如くに套管102、流体ハブ104、及びコネクタ106を含んでいる未使用の套管組立体を殺菌パッケージから取り出し且つ、ステップ5121において、コネクタを、例えば図1において又は図50において示した如くにハンドル108及びディスプレイ110を含んでいる前に使用したハンドル組立体へ取り付ける。ハンドル組立体は前に使用されたものであるが、例えば、アルコール又はCidex等のその他の殺菌剤で摺擦するなど既知の標準の方法に従ってクリーニング及び殺菌されている。注意すべきことであるが、図52に示した例は前に使用したハンドル組立体に対してのものであるが、同じステップは全く新しいハンドル組立体に対しても適用することが可能である。ステップ5214において、上述したポート620及び622等の前方に面したポートから流体を流しながら、套管を子宮頸を介して子宮内に挿入する。注意すべきであるが、幾つかの実施例によれば、ステップ5210においては、殺菌パッケージは開封されているが、套管組立体から取り除かれてはいない。この場合には、該パッケージは套管の近位端部、即ちコネクタをハンドルに取り付けることが可能であるようにコネクタとの端部、が開封されるに過ぎない。次いで、使用する直前に、該パッケージの残部が套管から取り除かれる。ステップ5216において、ユーザーはディスプレイ110上のライブ画像を見ることによって子宮内膜組織を視覚的に検査する。例えばハンドル上の制御ボタンを使用して照明を調節することが可能である。ユーザーが希望する場合には、ハンドル上の制御ボタンを使用して静止及び/又はビデオ画像をキャプチャすることが可能である。ステップ5220において、本装置が結合型ヒステロスコピー及び子宮内膜生検用である場合には、套管を引き抜く必要性無しに側部に面したサンプリングポート(ポート610等)を使用して組織を収集することが可能である。幾つかの場合には、ステップ5216,5218,5220は必要に応じて繰り返すことが可能である。注意すべきであるが、幾つかの実施例によれば、共通に譲渡され組み込まれた出願の幾つかにも記載されているような流体により誘起される広がり及び収縮が実施されて検査及び組織回収を助ける。ステップ5224において、套管を引き抜く。ステップ5226において、コネクタをハンドルから取り外すことによって套管組立体を離脱させ、且つ套管組立体全体を廃棄する。ステップ5228において、例えば上述した如くにタッチスクリーンインターフェースを使用して、格納した画像をディスプレイ上でプレイバックさせる。ステップ5230において、バッテリ再充電のため及び/又は画像及び患者情報をハンドルから他の格納/処理施設へ転送するために、ハンドル組立体をベースステーションへドッキングさせる。幾つかの実施例によれば、ベースステーションへドッキングさせる前に、ハンドルに関して標準のクリーニング手順が実施される。注意すべきであるが、画像をプレイバックするステップ5228はステップ5218におけるキャプチャーの後に任意の時間に行うことが可能である。例えば、ステップ5226における套管の取り外しの前であるが引き抜きの後に、ステップ5220において、サンプルの収集の前に、又は、ステップ5228及び5230が並列的に実施されるようにハンドル組立体がベースステーションにドッキングされている間に、プレイバックを行うことが可能である。ベースステーションにドッキングされている間にプレイバック画像を見る場合には、図1に関連して説明したように、ディスプレイ110を傾斜させることが幾つかの場合において有用であることが判明している。
【0061】
前述したことは明確性の観点から幾らか詳細に説明しているが、その原理から逸脱すること無しに或る変更及び修正を行うことが可能であることは明らかである。注意すべきであるが、本書に記載したプロセス及び装置の両方を実現する多数の代替的態様が存在しており、それは、説明した装置又はその或る側面を子宮内膜生検に対してではなくヒステロスコピーに対して使用すること、又はヒステロスコピーに対してではなく子宮内膜生検に対して使用すること、又は内視鏡検査及び/又は子宮以外の生検に対して使用すること、包含している。例えば、幾つかの適用例においては、図50−51に示した装置は前方に面した流体ポートを介して流体及び/又は流体/組織子宮内膜サンプルを採取するために使用することも可能である。従って、本実施例は制限的なものではなく例示的なものとして考慮されるべきであり、且つ本書に記載されている内容は本書に記載されている詳細に制限されるものではなく、それは特許請求の範囲及び均等物内において修正することが可能なものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45A
図45B
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52