特許第6180460号(P6180460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180460
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20170807BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20170807BHJP
   B29C 65/48 20060101ALN20170807BHJP
   B32B 27/30 20060101ALN20170807BHJP
   C08F 2/50 20060101ALN20170807BHJP
   C08F 290/06 20060101ALN20170807BHJP
【FI】
   G02F1/1333 500
   G09F9/00 342
   !B29C65/48
   !B32B27/30 A
   !C08F2/50
   !C08F290/06
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-94117(P2015-94117)
(22)【出願日】2015年5月1日
(62)【分割の表示】特願2015-24906(P2015-24906)の分割
【原出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2015-187734(P2015-187734A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2015年5月8日
(31)【優先権主張番号】特願2011-231465(P2011-231465)
(32)【優先日】2011年10月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004086
【氏名又は名称】日本化薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 大祐
(72)【発明者】
【氏名】本橋 隼
(72)【発明者】
【氏名】松尾 雄一朗
【審査官】 藤本 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−129159(JP,A)
【文献】 特開2004−077887(JP,A)
【文献】 特開2012−073533(JP,A)
【文献】 特開2008−281997(JP,A)
【文献】 特開2009−186954(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/027041(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G09F 9/00
B29C 65/48
B32B 27/30
C08F 2/50
C08F 290/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示ユニットと、
遮光部を有する透明基板とを、
紫外線硬化型樹脂組成物の塗布層を介して貼り合わされた表示装置であって、
該紫外線硬化型樹脂組成物は、(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有し、
該紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、(メタ)アクリレート(A)を25〜90重量%、光重合開始剤(B)を0.2〜5重量%、柔軟化成分を10〜80重量%の割合で含有し、
前記紫外線硬化型樹脂組成物の塗布層が、塗布層の下部部(表示ユニット側又は透明基板側の一方)に存在する硬化部分と、塗布層の上部部(表示ユニット側又は透明基板側の他方)に存在する未硬化部分とを有する硬化物層である表示装置。
【請求項2】
前記紫外線硬化型樹脂組成物の塗布層の硬化物が、400〜800nmの波長領域における透過率が90%以上である請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記柔軟化成分が、下記一般式(1)の構造を有する化合物であるか、又は一般式(1)化合物以外に、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものである、請求項又はに記載の表示装置。
【化1】

(式中、nは0〜40の整数、mは10〜50の整数を示し、RおよびRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R及びRは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基又は炭素数6〜18のアリール基である。)
【請求項4】
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ポリC2−C4アルキレングリコール、ジイソシアネート及びヒドロキシC2−C4アルキル(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート、及び、
(ii)(メタ)アクリレートモノマー、
の両者を含む請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が7000〜25000である請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記紫外線硬化型樹脂組成物の塗布層の硬化物の硬化収縮率が2%未満である請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記紫外線硬化型樹脂組成物の塗布層の硬化物のデュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光部を有する光学基材と他の光学基材を貼り合わせた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置の表示画面に、タッチパネルを貼り合わせ、画面入力を可能とした表示装置が広く利用されている。このタッチパネルは、透明電極が形成されたガラス板又は樹脂製フィルムが僅かなすき間を空けて向き合って貼り合わされており、必要に応じて、そのタッチ面の上に、ガラス又は樹脂製の透明保護板を貼り合わせた構造を有している。
【0003】
タッチパネルにおける透明電極が形成されたガラス板又はフィルムと、ガラス又は樹脂製の透明保護板との貼り合わせ、又は、タッチパネルと表示体ユニットとの貼り合わせには、両面粘着シートを用いる技術がある。しかしながら、両面粘着シートを用いると気泡が入りやすいという問題があった。両面粘着シートに代わる技術として、柔軟性のある紫外線硬化型樹脂組成物でそれらを貼り合わせる技術が提案されている。
【0004】
一方で、透明保護板には表示画像のコントラストを向上させるために最外の縁に帯状の遮光部が形成されている。遮光部が形成された透明保護板を紫外線硬化型樹脂組成物で貼り合わせた場合、該遮光部によって紫外線硬化型樹脂のうち該遮光部の陰になる遮光領域に充分な紫外線が到達せず、該遮光領域の樹脂の硬化が不十分になる。樹脂の硬化が不十分であると、遮光部付近の表示画像における表示ムラ等の問題が発生する。
【0005】
遮光領域における樹脂の硬化を向上させる技術として、特許文献1では、有機過酸化物を紫外線硬化型樹脂に含有させ、紫外線照射後に加熱することにより、遮光領域の樹脂を硬化する技術が開示されている。しかしながら、加熱工程は液晶表示装置等にダメージを与えることが懸念される。さらに、樹脂を十分に硬化させるために通常60分間以上の加熱工程を必要とするため、生産性に乏しいという問題があった。また、特許文献2では、遮光部の形成面の外方側面側から紫外線を照射して、遮光領域の樹脂を硬化する技術が開示されている。しかしながら、液晶表示装置の形状によっては、側面から紫外線を照射することが困難であるため、該方法には制限があった。また、特許文献3では、カチオン重合性の紫外線硬化型樹脂の遅効性を利用した技術が開示されているが、硬化後の樹脂は柔軟性が劣るものだった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4711354号
【特許文献2】特開2009−186954号公報
【特許文献3】特開2010−248387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、光学基材へのダメージが少なく、且つ、生産性が良好で、硬化性及び密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材を得ることができ、遮光部での樹脂の硬化度が高く、信頼性の高い光学部材を得ることができる紫外線硬化型樹脂組成物を用いた光学部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意研究の結果、紫外線硬化型樹脂組成物を用いて、遮光部を有する光学基材と他の光学基材を、特定の工程を有する方法で製造することにより、上記課題を解決できることを見出だし、本発明を完成した。即ち、本発明は、下記(1)〜(20)に関する。
【0009】
(1) 貼り合わされる少なくとも一つの光学基材が遮光部を有し、かつ、下記工程1〜工程3を有する少なくとも2つの光学基材が貼り合わされた光学部材の製造方法、
工程1:少なくとも一つの光学基材に対して、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を塗布して、塗布層を形成し、該塗布層に、紫外線を照射することにより、該塗布層における光学基材側に存在する硬化部分と、光学基材側と反対側に存在する未硬化部分を有する硬化物層を有する光学基材を得る工程、
工程2:工程1で得られた光学基材の硬化物層の未硬化部分に対して、他の光学基材を貼り合わせるか、又は、工程1により得られた他の光学基材の硬化物層の未硬化部分を貼り合わせる工程、
工程3:貼り合わされた光学基材における未硬化部分を有する硬化物層に、遮光部を有する光学基材を通して、紫外線を照射して、該硬化物層を硬化させる工程。
(2) 前記工程1における紫外線照射量が5〜200mJ/cmである上記(1)に記載の光学部材の製造方法。
(3) 工程1において、紫外線を照射する際に、前記塗布層の光学基材側と反対側の表面に酸素又はオゾンを吹きかける上記(1)又は(2)に記載の光学部材の製造方法。
【0010】
(4) 前記光学基材が、遮光部を有する透明ガラス基板、遮光部を有する透明樹脂基板、遮光部と透明電極が形成してあるガラス基板、液晶表示ユニット、プラズマ表示ユニットおよび有機EL表示ユニットからなる群から選ばれる少なくとも一つの表示体ユニットである上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
(5) 一方の光学基材が遮光部を有する保護基材であり、それと貼り合わされる他の光学基材がタッチパネル又はタッチパネルを有する表示体ユニットであり、少なくとも2つの光学基材が貼り合わされた光学部材が、遮光部を有する保護基材を有するタッチパネル又はそれを有する表示体ユニットであり、工程1において、遮光部を有する保護基材のいずれかの面、又は、タッチパネルのタッチ面の、何れか一方、又は、その両者に、前記の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布する上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
(6) 一方の光学基材が遮光部を有する光学基材であり、それと貼り合わされる他の光学基材が表示体ユニットであり、少なくとも2つの光学基材が貼り合わされた光学部材が遮光部を有する光学基材を有する表示体ユニットであり、工程1において、遮光部を有する光学基材の遮光部が設けられた面、又は、表示体ユニットの表示面の何れか一方、又は、その両者に、前記の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布する上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
【0011】
(7) 遮光部を有する光学基材が、表示体ユニットにおける表示画面を保護するための保護基材であるか、又は、タッチパネルであり、工程1において、保護基材の遮光部を有する側の面、又は、タッチパネルのタッチ面とは反対の基材面、及び、表示体ユニットの表示面の何れか一方、又は、その両者に、前記の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布する上記(6)に記載の光学部材の製造方法。
(8) 前記(メタ)アクリレート(A)がウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選ばれる少なくとも一つの(メタ)アクリレートである上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
(9) 前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方、及び、
(ii)(メタ)アクリレートモノマー、の両者を含む紫外線硬化型樹脂組成物である上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
【0012】
(10) 前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ポリC2−C4アルキレングリコール、ジイソシアネート及びヒドロキシC2−C4アルキル(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート、及び、
(ii)(メタ)アクリレートモノマー、の両者を含む紫外線硬化型樹脂組成物である上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
(11) ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が7000〜25000である上記(9)又は(10)に記載の光学部材の製造方法。
(12) 光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
(13) アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である上記(12)に記載の光学部材の製造方法。
【0013】
(14) 上記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法により得られた光学部材。
(15) 上記(5)に記載の光学部材の製造方法により得られたタッチパネル。
(16) 上記(6)に記載の光学部材の製造方法により得られた表示体ユニット。
(17) 上記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法により光学部材を製造するための、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物の使用。
(18) 光重合開始剤(B)がアシルフォスフィンオキサイド化合物である上記(17)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物の使用。
(19) 上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法に使用するための、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物。
(20) 光重合開始剤(B)がアシルフォスフィンオキサイド化合物である上記(19)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光学基材へのダメージが少なく、且つ、生産性が良好で、硬化性及び密着性のよい貼り合わせ光学部材、例えば、遮光部を有する光学基材を有するタッチパネル又は同表示体ユニット等を得ることができる。さらに、遮光部での樹脂の硬化度が高く、遮光部付近における表示画像の表示ムラ等の問題が生じず、信頼性の高い光学部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の製造方法の実施形態の一つ(第1の実施形態)を示す工程図である。
図2】本発明の製造方法の他の実施形態の一つ(第2の実施形態)を示す工程図である。
図3】比較例1に係る製造工程を示す工程図である。
図4】本発明により得られる光学部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用する光学部材の製造方法について説明する。
本発明の光学部材の製造方法においては、貼り合わされる光学基材の少なくとも一つが遮光部を有し、かつ、下記(工程1)〜(工程3)により、少なくとも2つの光学基材を貼り合わせることを特徴とする。
(工程1)
少なくとも一つの光学基材に対して、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を塗布して、塗布層を形成し、該塗布層に、紫外線を照射することにより、該塗布層における光学基材側(塗布層の下部側)に存在する硬化部分(以下、「硬化物層の硬化部分」又は単に「硬化部分」と言う。)と、光学基材側と反対側(塗布層の上部側、通常は大気側)に存在する未硬化部分(以下、「硬化物層の未硬化部分」又は単に「未硬化部分」と言う。)とを有する硬化物層を有する光学基材を得る工程。
(工程2)
工程1で得られた光学基材の硬化物層の未硬化部分に対して、他の光学基材を貼り合わせるか、又は、工程1により得られた他の光学基材の硬化物層の未硬化部分を貼り合わせる工程。
(工程3)
貼り合わされた光学基材における未硬化部分を有する硬化物層に、遮光部を有する光学基材を通して、紫外線を照射して、該硬化物層を硬化させる工程。
【0017】
以下に工程1〜工程3を経由する本発明の光学部材の製造方法の具体的な実施の形態について、液晶表示ユニットと遮光部を有する透明基板とを貼り合わせる場合を例に、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用する光学部材の製造方法の第1の実施形態を示す工程図である。
この第1の実施形態は、液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2を貼り合わせることにより光学部材(遮光部を有する液晶表示ユニット)を得る方法である。
液晶表示ユニット1は、電極を形成した一対の基板間に液晶材料が封入されたものに偏光板、駆動用回路、信号入力ケーブルおよびバックライトユニットが備わったものを言う。
遮光部を有する透明基板2は、ガラス板、ポリメチルメタクリレート(PMMA)板、ポリカーボネート(PC)板又は脂環式ポリオレフィンポリマー(COP)板等の透明基板3の貼り合わせ面の表面上に、黒色枠状の遮光部4が形成されたものである。
ここで、遮光部4はテープの貼付や塗料の塗布又は印刷等によって形成されている。
【0019】
(工程1)
まず、図1(a)に示すように、(メタ)アクリレート(A)および光重合開始剤(B)を含む紫外線硬化型樹脂組成物を、液晶表示ユニット1の表示面と遮光部を有する透明基板2の遮光部が形成されている面のそれぞれの表面に塗布する。塗布の方法としては、スリットコーター、ロールコーター、スピンコーター、スクリーン印刷法等が挙げられる。ここで、液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2の表面に塗布する紫外線硬化型樹脂組成物は、同一であってもよいし、異なる紫外線硬化型樹脂組成物を用いても構わない。通常は両者が同じ紫外線硬化型樹脂組成物組成物であることが好ましい。
各紫外線硬化型樹脂の硬化物の膜厚は、貼り合わせた後の樹脂硬化物層7が50〜500μm、好ましくは50〜350μm、更に好ましくは100〜350μmとなるように調整される。ここで、遮光部を有する透明基板2の表面上に存在する紫外線硬化型樹脂の硬化物層の膜厚は、その膜厚にもよるが、通常、液晶表示ユニット1の表面上に存在する紫外線硬化型樹脂の硬化物層の膜厚と同じ程度か又はそれよりも厚い方が好ましい。後記工程3において、紫外線を照射した後も、未硬化のまま残る部分を最小限にして、硬化不良のおそれを無くすためである。
【0020】
塗布後の紫外線硬化型樹脂組成物層5に紫外線8を照射して、塗布層の下部側(紫外線硬化型樹脂組成物からみて液晶表示ユニット側または透明基板側)に存在する硬化部分(図では未表示)と塗布層の上部側(液晶表示ユニット側と反対側または透明基板側と反対側)(大気中で行うときは大気側)に存在する未硬化部分(図では未表示)とを有する硬化物層6を得る。このときの紫外線の照射量は5〜200mJ/cmが好ましく、特に好ましくは、10〜100mJ/cmである。照射量が少な過ぎると、最終的に貼り合わせた光学部材の遮光領域にある樹脂の硬化度が不十分となるおそれがあり、照射量が多過ぎると未硬化部分が少なくなり、液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2の貼り合わせが不良となるおそれがある。紫外〜近紫外の紫外線照射に使用する光源については、紫外〜近紫外の光線を照射するランプであれば光源の種類は問わない。例えば、低圧、高圧若しくは超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、(パルス)キセノンランプ、または無電極ランプ等が挙げられる。
本明細書において「未硬化」とは、硬化が全く進行していないか、硬化の進行が少なく、塗布当初と同程度の流動性を有し、溶剤によって洗い流すことができる状態を示すものとする。
工程1において、紫外線の照射は、通常大気中で、塗布層の上部側表面(紫外線硬化型樹脂組成物から見て、液晶表示ユニット側と反対側または透明基板側と反対側)(通常大気側面)から照射するのが好ましい。また、真空にした後に硬化阻害性の気体を塗布層の上部表面に噴霧しながら紫外線の照射を行っても構わない。大気中で樹脂組成物を硬化した場合には、液晶表示ユニット側と反対側または透明基板側と反対側は大気側となる。
【0021】
紫外線照射時に、紫外線硬化型樹脂層(塗布層)表面に酸素又はオゾンを吹きかけることにより、未硬化部分の状態や未硬化部分の膜厚を調整することができる。
即ち、塗布層の表面に酸素又はオゾンを吹きかけることにより、その表面において、紫外線硬化型樹脂組成物の硬化の酸素阻害が生じるため、その表面の未硬化を確実にしたり、また、未硬化部分の膜厚を厚くすることができる。
【0022】
(工程2)
次に、未硬化部分同士が対向する形で、図1(b)に示すように、液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2を貼り合わせる。貼り合わせは、大気中及び真空中のいずれでもできる。
ここで、貼り合わせの際に気泡が生じることを防ぐためには、真空中で貼り合わせることが好適である。
このように、液晶表示ユニット及び透明基板の各々に硬化部分及び未硬化部分を有する紫外線硬化型樹脂の硬化物を得てから貼り合わせると、接着力の向上を期待することができる。
【0023】
(工程3)
次に、図1(c)に示すように、透明基板2及び液晶表示ユニット1を貼り合わせて得た光学部材に、遮光部を有する透明基板2側から紫外線8を照射して、紫外線硬化型樹脂組成物層(塗布層)を硬化させる。
紫外線の照射量は約100〜4000mJ/cm2が好ましく、特に好ましくは、200〜3000mJ/cm2程度である。紫外〜近紫外の光線照射による硬化に使用する光源については、紫外〜近紫外の光線を照射するランプであれば光源の種類は問わない。例えば、低圧、高圧若しくは超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、(パルス)キセノンランプ、または無電極ランプ等が挙げられる。
こうして、図4に示すような光学部材を得ることができる。
【0024】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用する光学部材の製造方法の第2の実施形態を示す工程図である。
なお、上述した第1の実施形態における構成部材と同じ部材については図中で同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0025】
(工程1)
まず、図2(a)に示すように、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含む紫外線硬化型樹脂組成物を、液晶表示ユニット1の表面に塗布した。その後、紫外線硬化型樹脂組成物層5に紫外線8を照射して、塗布層の下部側(前記紫外線硬化型樹脂組成物からみて透明基板側)に存在する硬化部分と、塗布層の上部側(透明基板側と反対側)に存在する未硬化部分とを有する硬化物層6を得る。
(工程2)
次に、図2(b)に示すように、得られた硬化物層6の未硬化部分と遮光部を有する透明基板2上の遮光部が設けられた面が対向する形で、液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2を貼り合わせる。貼り合わせは、大気中及び真空中のいずれでもできる。
(工程3)
次に、図2(c)に示すように、透明基板2及び液晶表示ユニット1を貼り合わせて得た光学部材に、遮光部を有する透明基板2側から紫外線8を照射して、紫外線硬化型樹脂組成物の未硬化部分を有する硬化物層6を硬化させる。
こうして、図4に示された光学部材を得ることが出来る。
【0026】
(第3の実施形態)
前記第1の実施形態、第2の実施形態に加えて、次のような変形した第3の実施形態により本発明の光学部材を製造しても構わない。
【0027】
(工程1)
まず、紫外線硬化型樹脂組成物を、遮光部を有する透明基板2上の遮光部4が形成された面に塗布した後、得られた塗布層(紫外線硬化型樹脂組成物層5)に紫外線8を照射して、塗布層の下部側(前記紫外線硬化型樹脂組成物からみて透明基板側)に存在する硬化部分と塗布層の上部側(透明基板側と反対側)に存在する未硬化部分とを有する硬化物層6を得る。
(工程2)
次に、得られた硬化物層の未硬化部分と液晶表示ユニット1の表示面が対向する形で液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2を貼り合わせる。貼り合わせは、大気中及び真空中のいずれでもできる。
(工程3)
次に、透明基板2及び液晶表示ユニット1を貼り合わせて得た光学部材に、遮光部を有する透明基板2側から紫外線8を照射して、紫外線硬化型樹脂組成物の未硬化部分を有する硬化物層6を硬化させる。
こうして、図4に示された光学部材を得ることが出来る。
【0028】
上記各実施形態は本発明の光学部材の製造方法の実施態様のいくつかを一つの具体的な光学基材例で説明したものである。各実施形態では液晶表示ユニット及び遮光部を有する透明基板を用いて説明したが、本発明の製造方法においては、液晶表示ユニットに代えて光学基材として後述する各種部材を使用することができ、透明基板についても、光学基材として後述する各種部材を使用することができる。
それだけでなく、液晶表示ユニット及び透明基板等の光学基材としては、これら各種基材に、更に、他の光学基材層(例えば、紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物層で貼りあわされたフィルム又はその他の光学基材層)を積層したものを使用しても構わない。
さらに、第1の実施形態の項で記載した、紫外線硬化型樹脂組成物の塗布方法、樹脂硬化物の膜厚、紫外線照射の際の照射量及び光源、及び、紫外線硬化型樹脂層表面に酸素又はオゾンを吹きかけることによる未硬化部分の膜厚調整方法等はいずれも、上記実施形態にのみ適用されるものでは無く、本発明に含まれるいずれの製造方法にも適用できる。
【0029】
上記液晶表示ユニットも含め、上記の第1〜第3の実施形態で製造し得る光学部材の具体的態様を下記に示す。
(i) 遮光部を有する光学基材が、遮光部を有する透明ガラス基板、遮光部を有する透明樹脂基板、及び遮光部と透明電極が形成してあるガラス基板からなる群から選ばれる少なくとも一つの光学基材であり、それと貼りあわされる光学基材が液晶表示ユニット、プラズマ表示ユニットおよび有機EL表示ユニットからなる群から選ばれる少なくとも一つの表示体ユニットであり、得られる光学部材が、該遮光部を有する光学基材を有する表示体ユニットである態様。
(ii) 一方の光学基材が遮光部を有する保護基材であり、それと貼り合わされる他の光学基材がタッチパネル又はタッチパネルを有する表示体ユニットであり、少なくとも2つの光学基材が貼り合わされた光学部材が、遮光部を有する保護基材を有するタッチパネル又はそれを有する表示体ユニットである態様。
この場合、工程1においては、遮光部を有する保護基材の遮光部が設けられた面、又は、タッチパネルのタッチ面の、何れか一方の面又はその両者に、前記の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布するのが好ましい。
(iii) 一方の光学基材が遮光部を有する光学基材であり、それと貼り合わされる他の光学基材が表示体ユニットであり、少なくとも2つの光学基材が貼り合わされた光学部材が遮光部を有する光学基材を有する表示体ユニットである態様。
この場合、工程1において、遮光部を有する光学基材の遮光部が設けられた側の面、又は、表示体ユニットの表示面の何れか一方、又は、その両者に、前記の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布するのが好ましい。
遮光部を有する光学基材の具体例としては、例えば、遮光部を有する表示画面用の保護板、又は、遮光部を有する保護基材を設けたタッチパネル等を挙げることが出来る。
遮光部を有する光学基材の遮光部が設けられた側の面とは、例えば、遮光部を有する光学基材が遮光部を有する表示画面用の保護板であるときは、該保護板の遮光部が設けられた側の面である。また、遮光部を有する光学基材が、遮光部を有する保護基材を有するタッチパネルであるときには、遮光部を有する保護基材は遮光部を有する面がタッチパネルのタッチ面に貼りあわされることから、遮光部を有する光学基材の遮光部が設けられた側の面とは、該タッチパネルのタッチ面とは反対のタッチパネルの基材面を意味する。
遮光部を有する光学基材の遮光部は、光学基材の何れにあっても良いが、通常透明板状又はシート状の光学基材の周囲に、枠状に作製され、その幅は、0.5〜10mm程度であり、好ましくは1〜8mm程度、より好ましくは2〜8mm程度である。
【0030】
次に、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物について説明する。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する。また、任意成分として、光学用に使用する紫外線硬化型樹脂組成物に添加可能なその他の成分を含有することができる。
なお、「光学用に使用する紫外線硬化型樹脂組成物に添加可能」とは、硬化物の透明性を、光学用に使用出来ない程度に低下させる添加物が含まれないことを意味する。
本発明に使用する紫外線硬化型樹脂組成物で、硬化後の厚さが200μmとなる硬化物のシートを作製したとき、該シートの、400〜800nmの波長の光での好ましい平均透過率は、少なくとも90%である。
該紫外線硬化型樹脂組成物の組成割合としては、該紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、(メタ)アクリレート(A)が25〜90重量%、光重合開始剤(B)が0.2〜5重量%、その他の成分が残部である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において、光重合開始剤(B)としては、通常使用されている光重合開始剤は何れも使用出来る。それらの中で、好ましい重合開始剤の一つとして、アシルフォスフィンオキサイドを挙げることができる。アシルフォスフィンオキサイドを使用すると、硬化部分と未硬化部分の両方を有する硬化物層をよりよく形成出来る。
【0031】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物における(メタ)アクリレート(A)としては、特に限定されないが、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択されるいずれかを使用することが好ましい。より好ましくは、(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方、及び、(ii)(メタ)アクリレートモノマーの両者を含む態様である。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートのいずれか一方又は両者を意味する。「(メタ)アクリル酸」等についても同様である。
【0032】
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの3者を反応させることによって得られる。
【0033】
多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等の炭素数1〜10のアルキレングリコール;トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等のトリオール;トリシクロデカンジメチロール及びビス−〔ヒドロキシメチル〕−シクロヘキサン等の環状骨格を有するアルコール等;及び、これら多価アルコールと多塩基酸(例えば、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸及びテトラヒドロ無水フタル酸等)との反応によって得られるポリエステルポリオール;多価アルコールとε−カプロラクトンとの反応によって得られるカプロラクトンアルコール;ポリカーボネートポリオール(例えば1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネートとの反応によって得られるポリカーボネートジオール等);又は、ポリエーテルポリオール(例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びエチレンオキサイド変性ビスフェノールA等)等が挙げられる。他の(A)成分との相溶性の観点から、上記多価アルコールとしてはポリプロピレングリコールが好ましく、基材への密着性の観点から重量平均分子量が2000以上のポリプロピレングリコールが特に好ましい。このときの重量平均分子量の上限は特に限定されないが、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート又はジシクロペンタニルイソシアネート等が挙げられる。
【0034】
又、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシC2〜C4アルキル(メタ)アクリレート;ジメチロールシクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート;ヒドロキシカプロラクトン(メタ)アクリレート;及び、ヒドロキシ基末端ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等を使用することができる。
【0035】
上記ウレタン(メタ)アクリレートを得るための前記反応は、例えば、以下のようにして行う。即ち、多価アルコールの水酸基1当量に対する有機ポリイソシアネートのイソシアネート基が好ましくは1.1〜2.0当量、さらに好ましくは1.1〜1.5当量になるように、上記多価アルコールと上記有機ポリイソシアネートを混合し、好ましくは70〜90℃で、反応させることにより、ウレタンオリゴマーを合成する。次いで、得られたウレタンオリゴマーのイソシアネート基1当量に対してヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物の水酸基が、好ましくは1〜1.5当量となるように、得られたウレタンオリゴマーとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を混合し、70〜90℃で反応させることにより、目的とするウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
【0036】
上記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量としては7000〜25000程度が好ましく、10000〜20000がより好ましい。重量平均分子量が7000より小さいと収縮が大きくなるおそれがあり、重量平均分子量が25000より大きいと硬化性が乏しくなるおそれがある。
【0037】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物におけるウレタン(メタ)アクリレートについては、1種のみを使用することができ、また、2種以上を任意の割合で混合して使用することもできる。ウレタン(メタ)アクリレートの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は通常20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。
【0038】
上記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートは、ポリイソプレン分子の末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートは、例えば、「UC−203」(株式会社クラレ製)として入手することができる。ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートはポリスチレン換算の数平均分子量が10000〜50000が好ましく、25000〜45000程度がより好ましい。
上記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。
【0039】
上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、好適には分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを使用することができる。
ここで、(メタ)アクリレートモノマーとは、上記ウレタン(メタ)アクリレート、下記エポキシ(メタ)アクリレート及び上記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートを除いた(メタ)アクリレートを示す。
【0040】
分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的にはイソオクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレート等の炭素数5〜20のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、1−アダマンチルメタクリレート、ポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタジエンオキシエチル(メタ)アクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する炭素数1〜5のアルキル(メタ)アクリレート;エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;及び、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ブトキシ化リン酸(メタ)アクリレート及びエチレンオキシド変性オクチルオキシ化リン酸(メタ)アクリレート等のリン酸(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0041】
分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、中でも、炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、アクリロイルモルホリン、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる化合物を使用することが好ましい。特に、樹脂の柔軟性の観点から、炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる化合物、より好ましくは炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレート、更に好ましくはラウリル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
一方、ガラスへの密着性を向上させる観点からは、上記(メタ)アクリレートモノマーとして、水酸基を有する炭素数1〜5のアルキル(メタ)アクリレート、及びアクリロイルモルホリンの少なくとも一つを使用することが好ましく、アクリロイルモルホリンを使用することが特に好ましい。
上記(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数10〜20のアルキル(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有する炭素数1〜5のアルキル(メタ)アクリレート又はアクリロイルモルホリンの両者を含有することが好ましく、ラウリル(メタ)アクリレート及びアクリロイルモルホリンの両者を含有することが好ましい。
【0042】
本発明の組成物は、本発明の特性を損なわない範囲で、(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することができる。
例えば、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及びエチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールC2〜C10アルカントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールC2〜C10アルカンポリアルコキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクロイルオキシエチル]イソシアヌレ−ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及び、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びプロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のアルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート;及び、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明においては、上記多官能(メタ)アクリレートを併用する場合は、硬化収縮を抑えるために、2官能の(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
【0043】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物においては、これら(メタ)アクリレートモノマー成分については、1種のみを使用することができ、また、2種以上を任意の割合で混合して使用することもできる。(メタ)アクリレートモノマーの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は通常5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。5重量%より少ないと硬化性が乏しくなるおそれがあり、70重量%より多いと収縮が大きくなるおそれがある。
該紫外線硬化型樹脂組成物における(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方、及び、(ii)(メタ)アクリレートモノマーの両者を含む態様においては、(i)及び(ii)の両者の合計含量が、該樹脂組成物の総量に対して、通常、25〜90重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
【0044】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、本発明の特性を損なわない範囲で、前記(メタ)アクリレート(A)としてエポキシ(メタ)アクリレートを使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、硬化性の向上や硬化物の硬度や硬化速度を向上させる機能がある。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、グリシジルエーテル型エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られたものであればいずれも使用できる。
好ましく使用されるエポキシ(メタ)アクリレートを得るためのグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールF或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、及び、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0045】
エポキシ(メタ)アクリレートは、これらグリシジルエーテル型エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸を、下記のような条件で反応させることにより得られる。
【0046】
グリシジルエーテル型エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して、(メタ)アクリル酸を0.9〜1.5モル、より好ましくは0.95〜1.1モルの比率でそれらを反応させる。反応温度は80〜120℃が好ましく、反応時間は10〜35時間程度である。反応を促進させるために、例えばトリフェニルフォスフィン、TAP、トリエタノールアミン及びテトラエチルアンモニウムクロライド等の触媒を使用するのが好ましい。又、反応中、重合を防止するために重合禁止剤として、例えば、パラメトキシフェノール及びメチルハイドロキノン等を使用することもできる。
【0047】
本発明において好適に使用することができるエポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型のエポキシ化合物より得られた、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。本発明において使用することができるエポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は500〜10000が好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレートの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は通常1〜80重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0048】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物における(メタ)アクリレート(A)の含有割合としては、紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、25〜90重量%、好ましくは40〜90重量%であり、より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において、(メタ)アクリレート(A)として、前記ウレタン(メタ)アクリレート、前記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレート及び前記(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも一つを含有することが好ましく;前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有割合が20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%であり;前記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有割合が20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%であり;前記(メタ)アクリレートモノマーの含有割合が5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%であるとき、より好ましい。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において、(メタ)アクリレート(A)として、前記ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有し、その含有割合が20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%であり、且つ、(メタ)アクリレート(A)として前記(メタ)アクリレートモノマーを含有し、その含有割合が5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%であるとき、更に好ましい。
【0049】
本発明の組成物に含有される光重合開始剤(B)としては、公知の光重合開始剤であればいずれも使用できる。
光重合開始剤(B)としては、アシルフォスフィンオキサイド化合物を使用することが好ましい。紫外線硬化型樹脂組成物にアシルフォスフィンオキサイドを含有させることで、樹脂硬化物層の透明性の向上が期待できるためである。アシルフォスフィンオキサイド化合物の具体例としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
塗布後の紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して、硬化部分と未硬化部分を有する硬化物層を得る際の、未硬化部分の形成しやすさ及び樹脂硬化物層の透明性の観点から、光重合開始剤(B)としては2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが特に好ましい。
【0050】
アシルフォスフィンオキサイド化合物以外の、光重合開始剤(B)として使用できる化合物としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア(登録商標、以下同じ)184;BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー(エサキュアONE;ランバルティ社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア2959;BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュア127;BASF社製)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(イルガキュア651;BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(登録商標)1173;BASF社製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュア907;BASF社製)、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物(イルガキュア754;BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、及び、イソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0051】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物においては、これら光重合開始剤(B)は、1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。光重合開始剤(B)の本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は通常0.2〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。5重量%より多いと、硬化部分と未硬化部分の両方を有する硬化物層を製造する際に、未硬化部分が形成できなかったり、樹脂硬化物層の透明性が悪くなったりするおそれがある。また、光重合開始剤(B)が少なすぎると、樹脂組成物を十分に硬化させることができない。
【0052】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、前記(メタ)アクリレート(A)及び上記光重合開始剤(B)以外に、その他の成分として、下記する光重合開始助剤、後記する一般式(1)で示される構造を有する化合物、後記する柔軟化成分、及び、後記する添加剤等を含むことができる。本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対する該その他の成分の含有割合は、該総量から、前記(メタ)アクリレート(A)及び上記光重合開始剤(B)の合計量を減じた残部である。具体的には該その他の成分の総量で、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して0〜74.8重量%、好ましくは5〜70重量%程度である。
【0053】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物においては、上記その他の成分の一つとして、光重合開始助剤となりうるアミン類等を上記の光重合開始剤(B)と併用することもできる。使用しうるアミン類等としては、安息香酸2−ジメチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルまたはp−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等が挙げられる。該アミン類等の光重合開始助剤を使用する場合、本発明の接着用樹脂組成物中の含有量は通常0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。
【0054】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、一般式(1)で示される構造を有する化合物を含有させることができる。
【0055】
【化1】
【0056】
(式中、nは0〜40の整数、mは10〜50の整数を示す。RおよびRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。RおよびRは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルケニル基、炭素数1〜18のアルキニル基、炭素数5〜18のアリール基である。)
【0057】
一般式(1)で示される構造を有する化合物は、例えば、日油株式会社製ユニセーフPKA−5017(製品名、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルブチルエーテル)等として入手することができる。
一般式(1)で示される構造を有する化合物を使用する際の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%である。
【0058】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて上記以外の柔軟化成分を使用することができる。本発明における上記以外の柔軟化成分としては、紫外線硬化型樹脂において通常使用されている公知の柔軟化成分及び可塑剤が使用できる。使用できる柔軟化成分の具体例としては、前記(メタ)アクリレート又は後記一般式(1)で示される構造を有する化合物を除くポリマー又はオリゴマー、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂等が挙げられる。上記ポリマー又はオリゴマーの例としては、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物を例示することができ、場合により、ポリブタジエン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物を使用することが好ましい。ポリブタジエン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物の具体例としては、ブタジエンホモポリマー、エポキシ変性ポリブタジエン、ブタジエン−スチレンランダムコポリマー、マレイン酸変性ポリブタジエンおよび末端水酸基変性液状ポリブタジエンが挙げられる。
かかる柔軟化成分を使用する場合の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%である。
【0059】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、有機溶剤、カップリング剤、重合禁止剤、レベリング剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、蛍光増白剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン化合物等)、充填剤等の添加剤を更に加えてもよい。
【0060】
酸化防止剤の具体例としては、例えば、BHT、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル−O−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、及び、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
【0061】
有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。
【0062】
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、及び、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0063】
チタン系カップリング剤の具体例としては、例えば、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、及び、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等が挙げられる。
ジルコニウム系カップリング剤及びアルミニウム系カップリング剤の具体例としては、例えば、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、及び、Al−プロピオネート等が挙げられる。
【0064】
重合禁止剤の具体例としては、パラメトキシフェノール及びメチルハイドロキノン等が挙げられる。
【0065】
光安定剤の具体例としては、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアルコール、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアルコール、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート(アデカ株式会社製、製品名LA−82)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−(メタ)アクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N”,N”’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダードアミン系化合物、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられる。特に好ましい光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物である。
【0066】
充填剤の具体例としては、例えば、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア及びタルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられる。
【0067】
上記の必要に応じて添加される添加剤の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対する含量は、上記添加剤の総計で0〜3重量%程度である。該添加剤を使用する場合、各種添加剤の該組成物の総量に対する含有割合は、0.01〜3重量%、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.02〜0.5重量%である。
【0068】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、前記(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)、更に必要に応じて、上記その他の成分を、常温〜80℃で混合溶解して得ることができる。また、必要により夾雑物をろ過等の操作により取り除いてもよい。
本発明の接着用樹脂組成物は、塗布性を考え、25℃の粘度が300〜15000mPa・sの範囲となるように、成分の配合比を適宜調節することが好ましい。
【0069】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、前記(工程1)〜(工程3)により、少なくとも一つが遮光部を有する光学基材である少なくとも2つの光学基材を貼り合わせて、光学部材を製造する方法に使用される。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化収縮率は、3.0%以下であることが好ましく、2.0%以下であることが特に好ましい。これにより、紫外線硬化型樹脂組成物が硬化する際に、樹脂硬化物に蓄積される内部応力を低減することができ、基材と紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層との界面に歪みができることを有効に防止することができる。
また、ガラス等の基材が薄い場合には、硬化収縮率が大きい場合には硬化時の反りが大きくなるころから、表示性能に大きな悪影響を及ぼす。当該観点からも、硬化収縮率は少ない方が好ましい。
【0070】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物は、400nm〜800nmの波長領域における透過率が90%以上であることが好ましい。当該透過率が90%未満である場合、光が透過し難く、該硬化物を表示装置に使用した場合に表示画像の視認性が低下してしまうおそれがあるためである。
また、硬化物の400〜450nmの波長領域における透過率が高いと、表示画像の視認性の向上が一層期待できる。そのため、当該400〜450nmの波長領域における透過率が90%以上であることが好ましい。
【0071】
本発明の製造方法に用いる、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物について、いくつかの好ましい態様を下記に記載する。各成分の含有量における「重量%」は、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対する含有割合を示す。
(A1)
前記(メタ)アクリレート(A)がウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選ばれる少なくとも一つの(メタ)アクリレートである前記(19)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A2)
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方、及び、(ii)(メタ)アクリレートモノマー、の両者を含む前記(19)又は上記(A1)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A3)
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ポリC2−C4アルキレングリコール、ジイソシアネート及びヒドロキシC2−C4アルキル(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート、及び、(ii)(メタ)アクリレートモノマー、の両者を含む前記(19)又は上記(A1)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【0072】
(A4)
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が7000〜25000である上記(A1)〜(A3)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A5)
(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物において、光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組成物、又は、光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する上記(A1)〜(A4)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A6)
アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である上記(A5)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【0073】
(A7)
(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物が、(A)成分及び(B)成分以外に、更に、その他の成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物、又は、上記(A1)〜(A6)の何れか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A8)
(メタ)アクリレート(A)が25〜90重量%、光重合開始剤(B)が0.2〜5重量%、その他の成分が残部である上記(A7)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A9)
(メタ)アクリレート(A)として、(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン(メタ)アクリレート少なくとも一方を20〜80重量%および(ii)(メタ)アクリレートモノマーを5〜70重量%含み、両者の合計が40〜90重量%である上記(A8)に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【0074】
(A10)
その他の成分として、一般式(1)で表される化合物を10〜80重量%含む上記(A7)〜(A9)の何れか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A11)
紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化収縮率が3%以下である(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物、又は、上記(A1)〜(A10)の何れか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
(A12)
200μmの厚さの紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物のシートの光透過率が、400〜450nmの波長域での平均透過率が少なくとも90%であり、且つ、400〜800nmの波長域での平均透過率が少なくとも90%である、(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物、又は、上記(A1)〜(A11)の何れか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【0075】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、前記(工程1)〜(工程3)により、複数の光学基材を貼り合わせて光学部材を製造するための接着剤として好適に使用することができる。
本発明の光学部材の製造方法において使用する光学基材としては、透明板、シート、タッチパネル及び表示体ユニット等を挙げることができる。
本明細書において「光学基材」とは、表面に遮光部を有さない光学基材と、表面に遮光部を有する光学基材の両者を意味する。本発明の光学部材の製造方法においては、複数用いられる光学基材のうち少なくとも一つが、遮光部を有する光学基材である。
上記の遮光部を有する光学基材における遮光部の位置は、特に限定されない。好ましい態様としては、該光学基材の周辺部に、幅0.05〜20mm、好ましくは0.05〜10mm程度、より好ましくは0.1〜6mm程度の幅を有する帯状の遮光部が形成される場合が挙げられる。光学基材上の遮光部は、テープの貼付や塗料の塗布又は印刷等によって形成することができる。
【0076】
本発明に用いる光学基材の材質としては、様々な材料が使用できる。具体的には、PET、PC、PMMA、PCとPMMAの複合体、ガラス、COC、COP及びアクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。本発明に用いる光学基材、例えば透明板又はシートとしては、偏光板等のフィルム又はシートを複数積層したシート又は透明板;積層していないシート又は透明板;及び、無機ガラスから作製された透明板(無機ガラス板及びその加工品、例えばレンズ、プリズム、ITOガラス)等を使用することができる。
また、本発明に用いる光学基材は、上記した偏光板などの他、タッチパネル(タッチパネル入力センサー)又は下記の表示体ユニット等の、複数の機能板又はシートからなる積層体(以下、「機能性積層体」とも言う。)を含む。
【0077】
本発明に用いる光学基材として使用することができるシートとしては、アイコンシート、化粧シート及び保護シートが挙げられる。本発明の光学部材の製造方法に使用することができる板(透明板)としては、化粧板及び保護板が挙げられる。これらのシートないし板の材質としては、上記透明板又はシートの材質として列挙したものが適用できる。
本発明に用いる光学基材として使用することができるタッチパネルの表面の材質としては、ガラス、PET、PC、PMMA、PCとPMMAの複合体、COC及びCOPが挙げられる。
透明板又はシート等の板状又はシート状の光学基材の厚さは、特に制限されず、通常は、5μm程度から5cm程度、好ましくは10μm程度から10mm程度、より好ましくは50μm〜3mm程度の厚さである。
【0078】
本発明の製造方法で得られる好ましい光学部材としては、遮光部を有する板状又はシート状の透明光学基材と、上記機能性積層体とが、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物で貼り合わされた光学部材を挙げることが出来る。
また、本発明の製造方法において、光学基材の一つとして液晶表示装置等の表示体ユニットを使用し、他の光学基材として光学機能材料を使用することにより、光学機能材料付き表示体ユニット(以下表示パネルともいう)を製造することができる。上記の表示体ユニットとしては、例えば、ガラスに偏光板を貼り付けてなるLCD、有機又は無機ELディスプレイ、EL照明、電子ペーパー、及び、プラズマディスプレイ等の表示装置が挙げられる。また、光学機能材料としては、アクリル板、PC板、PET板及びPEN板等の透明プラスチック板、強化ガラス、及び、タッチパネル入力センサーが挙げられる。
【0079】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を光学基材を貼り合わせるための接着剤として使用する場合、硬化物の屈折率が1.45〜1.55であるとき、表示画像の視認性がより向上するため、より好ましい。
硬化物の屈折率が当該範囲内であれば、光学基材として使用される基材との屈折率の差を低減させることができ、光の乱反射を抑えて光損失を低減させることが可能となる。
【0080】
本発明の製造方法で得られる光学部材の好ましい態様としては、下記(i)〜(vii)を挙げることができる。
(i)遮光部を有する光学基材と前記機能性積層体とを、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物を用いて貼り合わせた光学部材。
(ii)遮光部を有する光学基材が、遮光部を有する透明ガラス基板、遮光部を有する透明樹脂基板、及び、遮光部と透明電極が形成してあるガラス基板からなる群から選ばれる光学基材であり、機能性積層体が表示体ユニット又はタッチパネルである上記(i)に記載の光学部材。
(iii)表示体ユニットが液晶表示ユニット、プラズマ表示ユニット及び有機EL表示ユニットのいずれかである上記(ii)に記載の光学部材。
(iv)遮光部を有する板状又はシート状の光学基材を、タッチパネルのタッチ面側の表面に本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物を用いて貼り合わせたタッチパネル(又はタッチパネル入力センサー)。
(v)遮光部を有する板状又はシート状の光学基材を、表示体ユニットの表示画面上に本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物を用いて貼り合わせた表示パネル。
(vi)遮光部を有する板状又はシート状の光学基材が、表示体ユニットの表示画面を保護するための保護基材又はタッチパネルである、上記(v)に記載の表示パネル。
(vii)紫外線硬化型樹脂組成物が、前記(A1)〜(A12)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物である、上記(i)〜(vi)のいずれか一項に記載の光学部材、タッチパネル又は表示パネル。
【0081】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を用いて、前記工程1〜3に記載の方法で、上記の各光学基材から選ばれる複数の光学基材を貼り合わせることにより、本発明の光学部材が得られる。前記工程1において、紫外線硬化型樹脂組成物は、貼り合わせる2つの光学基材における、硬化物層を介して対向する面の一方のみに塗布しても良いし、両方の面に塗布しても良い。
例えば、前記機能性積層体がタッチパネル又は表示体ユニットである上記(ii)に記載の光学部材の場合、工程1において、遮光部を有する保護基材のいずれか一方の面、好ましくは遮光部が設けられた面、及び、タッチパネルのタッチ面又は表示体ユニットの表示面の何れか一方のみに該樹脂組成物を塗布しても良いし、その両方に塗布しても良い。
また、表示体ユニットの表示画面を保護するための保護基材又はタッチパネルを表示体ユニットと貼り合わせた上記(vi)の光学部材の場合、工程1において、保護基材の遮光部が設けられた面又はタッチパネルのタッチ面とは反対の基材面、及び、表示体ユニットの表示面の何れか一方のみに該樹脂組成物を塗布しても良いし、その両方に塗布しても良い。
【0082】
本発明の製造方法により得られた表示体ユニットと遮光部を有する光学基材とを含む表示パネルなどの光学部材は、例えば、テレビ、小型ゲーム機、携帯電話、パソコンなどの電子機器に組み込むことができる。
【実施例】
【0083】
以下、本発明を実施例により更・BR>ノ具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
【0084】
紫外線硬化型樹脂組成物の調製
ウレタンアクリレート(ポリプロピレングリコール(分子量3000)、イソホロンジイソシアネート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートの3成分をモル比1:1.3:2で反応させて得られた反応物)45重量部、ユニセーフPKA−5017(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルブチルエーテル、日油株式会社製)25重量部、ACMO(アクリロイルモルホリン、株式会社興人製)10重量部、LA(ラウリルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製)20重量部、スピードキュアTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、LAMBSON社製)0.5重量部を加熱混合して調製した(紫外線硬化型樹脂組成物A)。
【0085】
得られた本発明の紫外線硬化型樹脂組成物Aを用いて以下の評価を行った。
実施例1
図1(a)に示すように面積が3.5インチの液晶表示ユニット1の表示面、及び、遮光部4(幅5mm)を有する透明ガラス基板2の遮光部が設けられた面に、調製した紫外線硬化型樹脂組成物Aを、それぞれの膜厚が125μmとなるように塗布した。ついで、得られたそれぞれの塗布層5に、超高圧水銀ランプ(TOSCURE(登録商標、以下同じ)752、ハリソン東芝ライティング株式会社製)で、大気側から積算光量20mJ/cmの紫外線8を照射し、塗布層の下部側(表示体ユニット側又は透明基板側)に存在する硬化部分と大気側(塗布層の上部側)に存在する未硬化部分とを有する硬化物層6を形成した。
【0086】
次いで、未硬化部分(図では表示せず)が対向する形で、図1(b)に示すように、液晶表示ユニット1と遮光部を有する透明基板2を貼り合わせた。最後に、図1(c)に示すように、超高圧水銀ランプ(TOSCURE752、ハリソン東芝ライティング株式会社製)で、遮光部を有するガラス基板2側から積算光量2000mJ/cmの紫外線8を硬化物層6に照射することにより樹脂硬化物層を硬化させ、本発明の光学部材(遮光部を有する透明ガラス基板を有する液晶表示ユニット)を作製した。
【0087】
実施例2
図2(a)に示すように液晶表示ユニット1の表示面に、調製した紫外線硬化型樹脂組成物Aを、その膜厚が250μmとなるように塗布した。ついで、得られた塗布層5に、超高圧水銀ランプ(TOSCURE752、ハリソン東芝ライティング株式会社製)で、大気側から積算光量20mJ/cmの紫外線8を照射し、塗布層の下部側(表示体ユニット側)に存在する硬化部分と塗布層の上部側(大気側)に存在する未硬化部分とを有する硬化物層6を形成した。
【0088】
次いで、液晶表示ユニットの表示面上の塗布層の未硬化部分(図では表示せず)と遮光部を有する透明ガラス基板2の遮光部4が設けられた面が対向する形で、図2(b)に示すように、液晶表示ユニット1と遮光部4(幅5mm)を有する透明基板2を貼り合わせた。最後に、図2(c)に示すように、超高圧水銀ランプ(TOSCURE752、ハリソン東芝ライティング株式会社製)で、遮光部を有するガラス基板2側から積算光量2000mJ/cmの紫外線8を樹脂硬化物層6に照射することにより樹脂硬化物層を硬化させ、本発明の光学部材を作製した。
【0089】
比較例1
図3(a)に示すように液晶表示ユニット1の表示面、及び、遮光部4(幅5mm)を有する透明ガラス基板2の遮光部が設けられた面のそれぞれに、調製した紫外線硬化型樹脂組成物Aを、それぞれの膜厚が125μmとなるように塗布した。
【0090】
次いで、図3(b)に示すように、紫外線硬化型樹脂組成物Aの塗布層5が対向する形で、液晶表示ユニット1と遮光部4を有する透明基板2を貼り合わせた。最後に、図3(c)に示すように、超高圧水銀ランプ(TOSCURE752、ハリソン東芝ライティング株式会社製)で、遮光部を有するガラス基板2側から積算光量2000mJ/cmの紫外線8を該樹脂組成物Aの塗布層5に照射することにより該樹脂組成物Aを硬化させ、比較例1の光学部材を作製した。
【0091】
(硬化度測定)
得られた光学部材から透明基板を外して、遮光部により遮光された遮光領域にある樹脂硬化物層をイソプロピルアルコールで洗い流した。これにより、未硬化の樹脂組成物は除去される。その後、遮光領域にある樹脂硬化物層の硬化状態を確認することにより、硬化度を測定した。硬化度の評価は下記の基準に基づいて行った。
【0092】
硬化度:
○・・・硬化(未硬化の樹脂組成物が除去された形跡が確認できない。)
△・・・半硬化(硬化物が残存しているが、未硬化の樹脂組成物が除去された形跡も確認できる。)
×・・・全く硬化していない(硬化物が全く残存していない。)
【0093】
【表1】
【0094】
上記の結果より、本発明の製造方法により作製された光学部材においては、保護基板にある遮光部により紫外線が遮光されていても、その遮光領域にある樹脂硬化物層は高い硬化度を有していた。
【0095】
また、上記で得られた本発明の紫外線硬化型樹脂組成物Aを用いて以下の評価を行った。
【0096】
(硬化性)
厚さ1mmのスライドガラス2枚を用意し、そのうちの1枚に得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを膜厚が200μmとなるように塗布した。その塗布面に他方のスライドガラスを貼り合わせた。ガラス越しに高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cmの紫外線を該樹脂組成物に照射した。硬化物の硬化状態を確認したところ完全に硬化していた。
【0097】
(硬化収縮率)
フッ素系離型剤を塗布した厚さ1mmのスライドガラス2枚を用意し、そのうちの1枚の離型剤塗布面に、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を膜厚が200μmとなるように塗布した。その後、2枚のスライドガラスを、それぞれの離型剤塗布面が互いに向かい合うように貼り合わせた。ガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cmの紫外線を該樹脂組成物に照射し、該樹脂組成物を硬化させた。その後、2枚のスライドガラスを剥離し、膜比重測定用の硬化物を作製した。
JIS K7112 B法に準拠し、硬化物の比重(DS)を測定した。また、25℃での紫外線硬化型樹脂組成物の液比重(DL)を測定した。DS及びDLの測定結果から、次式より硬化収縮率を算出したところ、2.0%未満であった。
硬化収縮率(%)=(DS−DL)÷DS×100
【0098】
(接着性)
厚さ0.8mmのスライドガラスと厚さ0.8mmのアクリル板を用意し、一方に得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを膜厚が200μmとなるように塗布した後、その塗布面に他方を貼り合わせた。スライドガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cmの紫外線を該樹脂組成物に照射し、該樹脂組成物を硬化させ、接着性評価用サンプルを作製した。これを、85℃、85%RH環境下、250時間放置した。その評価用サンプルにおいて、目視にてスライドガラス又はアクリル板の樹脂硬化物からの剥がれを確認したが、剥がれはなかった。
【0099】
(柔軟性)
得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを充分に硬化させ、JIS K7215に準拠する方法により、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いてデュロメータE硬さを測定し、柔軟性を評価した。より具体的には、紫外線硬化型樹脂組成物Aを膜厚が1cmとなるように円柱状の型に流し込み、紫外線を照射して該樹脂組成物を十分に硬化させた。得られた硬化物の硬度をデュロメータ硬度計(タイプE)で測定した。その結果、測定値は10未満であり、柔軟性に優れていた。
【0100】
(透明性)
フッ素系離型剤を塗布した厚さ1mmのスライドガラス2枚を用意し、そのうちの1枚の離型剤塗布面に、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を硬化後の膜厚が200μmとなるように塗布した。その後、2枚のスライドガラスを、それぞれの離型剤塗布面が互いに向かい合うように貼り合わせた。ガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cmの紫外線を該樹脂組成物に照射し、該樹脂組成物を硬化させた。その後、2枚のスライドガラスを剥離し、透明性測定用の硬化物を作製した。得られた硬化物の透過性については、分光光度計(U−3310、日立ハイテクノロジーズ株式会社)を用いて、400〜800nm及び400〜450nmの波長領域における透過率を測定した。その結果、400〜800nmの透過率は90%以上であり、かつ、400〜450nmの透過率も90%以上であった。
【符号の説明】
【0101】
1 液晶表示ユニット、2 遮光部を有する透明基板、3 透明基板、4 遮光部、5 紫外線硬化型樹脂組成物の塗布層、6 未硬化部分を有する硬化物層、7 樹脂硬化物層、8 紫外線
図1
図2
図3
図4