特許第6180493号(P6180493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6180493半導体加工装置へのエラストマリング装着方法と同装置へのエラストマリング装着用ガイドシート及び治具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180493
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】半導体加工装置へのエラストマリング装着方法と同装置へのエラストマリング装着用ガイドシート及び治具
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/02 20060101AFI20170807BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B23P19/02 C
   H01L21/302 101G
【請求項の数】19
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-239321(P2015-239321)
(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公開番号】特開2016-107399(P2016-107399A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年12月9日
(31)【優先権主張番号】103142914
(32)【優先日】2014年12月9日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】104126947
(32)【優先日】2015年8月19日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503156219
【氏名又は名称】麥豐密封科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】張祐語
(72)【発明者】
【氏名】黄俊堯
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−076037(JP,A)
【文献】 特開平09−272068(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0290020(US,A1)
【文献】 実開平02−126730(JP,U)
【文献】 実開昭59−046679(JP,U)
【文献】 実開昭54−106578(JP,U)
【文献】 実開平03−029269(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00−21/00
B25B 25/00−29/02
B25B 33/00
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有するサセプタ体と当該上面に取付けられた支持要素とを有するとともに、当該サセプタ体の当該上面と、当該支持要素の上部と、当該支持要素の接続部分との間に溝が形成されてなる半導体加工装置へのエラストマリング装着方法であって、
前記エラストマリングを前記サセプタ体の側面における前記上面寄りに取付ける暫定配置工程と、
前記エラストマリングを、ガイドシートに形成された切欠部の内部に配置して当該ガイドシートによって前記溝の外周に向かって移動させた後、当該エラストマリングを当該溝に対し位置合わせする位置決定工程と、
部分嵌着治具によって、前記エラストマリングを押圧して前記溝の内部に配置して、当該溝を当該エラストマリングで部分嵌着する部分嵌着工程と、
完全嵌着治具によって、前記溝が前記エラストマリングに完全嵌着されるまで当該エラストマリングを押圧する完全嵌着工程と、
を備えたことを特徴とする、半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項2】
前記部分嵌着工程では、
前記エラストマリングの上の複数の点を、当該エラストマリングの外面に沿って、前記部分嵌着治具によって所定の順序で押圧する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項3】
前記部分嵌着工程では、
前記エラストマリングの前記外面を、各々が第1の端点及び第2の端点からなる2つの端点と、当該2つの端点の中間にある1つの中点と、当該中点及び当該第2の端点の中間にある第1の中継点と当該中点及び当該第1の端点の中間にある第2の中継点とからなる2つの中継点と、を有する複数の円弧に均等に画成し、
当該複数の円弧の各々を前記部分嵌着治具により、前記第1の端点、前記第2の端点、前記中点、前記第1の中継点、前記第2の中継点の順に押圧することによって、
前記複数の円弧の全てが前記所定の順序で徐々に押圧されたこととなり、当該部分嵌着工程が完了する
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項4】
前記完全嵌着工程では、
前記エラストマリングの上の複数の点及び当該エラストマリングの複数のセグメントを、当該エラストマリングの外面に沿って前記完全嵌着治具によって所定の順序で押圧及びローリングする
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項5】
前記完全嵌着工程では、
前記エラストマリングの前記外面を、各々が第1の末端点及び第2の末端点からなる2つの末端点と、当該2つの末端点の中間にある1つの中間点と、当該中間点及び当該第1の末端点との間である第1のローリングセグメントと当該中間点及び当該第2の末端点の間である第2のローリングセグメントとからなる2つのローリングセグメントと、を有する複数の円弧に均等に画成し、
当該複数の円弧の各々を前記完全嵌着治具により、先ず前記中間点を押圧する前に前記第1の末端点を押圧し、次に前記第1のローリングセグメントを前記中間点から前記第1の末端点までローリングし、最後に前記第2の末端点を押圧した後に前記第2のローリングセグメントを前記第2の末端点から前記中間点までローリングすることによって、
前記複数の円弧の全てが前記所定の順序で徐々に押圧及びローリングされたこととなり、当該完全嵌着工程が完了する
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項6】
前記エラストマリングのリング軸線に直交する断面は矩形をなし、当該エラストマリングの径方向幅と高さとの比は0.5よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項7】
前記エラストマリングは、前記溝寄りの側に、面取り縁をなす2つの縁を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1つに記載の前記半導体加工装置に対し前記エラストマリングを装着するためのガイドシートであって、
本体部分と、
当該本体部分に対し180度以外の角度をなすように接続されるとともに、当該本体部分とは反対側に前記エラストマリングのリング軸線に直交する断面の形状に対応する凹形状をなすように形成された切欠部を有する屈曲部分と、
を備えたことを特徴とする、半導体加工装置へのエラストマリング装着用ガイドシート。
【請求項9】
請求項1に記載の前記半導体加工装置に対し前記エラストマリングを装着するための部分嵌着治具であって、
各々についてその両端に2つの突起が外側に向かってそれぞれ形成され、且つ、双方についてそれぞれの内側どうしが対向した状態で当該内側が前記エラストマリングに対応する形状をなすように形成された2つの半円構造と、
当該2つの半円構造に対し、それぞれの一対の前記内側どうしが対向した状態で隣り合う一対の前記突起にそれぞれ取付けられる2つのパッキンアセンブリと、
を備えたことを特徴とする、半導体加工装置へのエラストマリング装着用部分嵌着治具。
【請求項10】
前記2つのパッキンアセンブリの各々は、互いに対応するねじ及びナットを有し、
当該2つのパッキンアセンブリの各々が有するねじは、前記2つの半円構造どうしが対向した状態で隣り合う一対の突起の双方に形成された固定孔を、当該一対の突起における一方側から貫通し、
当該2つのパッキンアセンブリの各々が有するナットは、当該一対の突起における当該一方の側とは反対側である他方側から当該ねじにねじ込まれて取付けられる
ことを特徴とする請求項9に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着用部分嵌着治具。
【請求項11】
請求項1乃至7の何れか1つに記載の前記半導体加工装置に対し前記エラストマリングを装着するための完全嵌着治具であって、
円弧形状をなすローリング面を有する本体を備えたことを特徴とする、半導体加工装置へのエラストマリング装着用完全嵌着治具。
【請求項12】
前記本体は、各々が前記ローリング面において凹形状をなす少なくとも2つの凹部を有し、
複数の限られたローリング面は、当該ローリング面を当該少なくとも2つの凹部によって分割して形成される
ことを特徴とする請求項11に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着用完全嵌着治具。
【請求項13】
前記本体は、その幾何学的中心に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項11または12の何れかにに記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着用完全嵌着治具。
【請求項14】
上面を有するサセプタ体と当該上面に取付けられた支持要素とを有するとともに、当該サセプタ体の当該上面と、当該支持要素の上部と、当該支持要素の接続部分との間に溝が形成されてなる半導体加工装置へのエラストマリング装着方法であって、
前記エラストマリングを前記サセプタ体の側面における前記上面寄りに取付ける暫定配置工程と、
前記溝を前記エラストマリングで覆い、シートを当該溝と当該エラストマリングとの隙間に挿入して、当該エラストマリングを当該溝の内部に一様に配置して、当該溝を当該エラストマリングによって部分嵌着する被覆・部分嵌着工程と
前記溝が前記エラストマリングによって完全嵌着されるまで完全嵌着治具によって当該エラストマリングを押圧する完全嵌着工程と、
を備えたことを特徴とする、半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項15】
前記完全嵌着工程では、
前記エラストマリングの上の複数の点及び当該エラストマリングの複数のセグメントを、当該エラストマリングの外面に沿って、前記完全嵌着治具によって所定の順序で押圧及びローリングする
ことを特徴とする、請求項14に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項16】
前記完全嵌着工程では、
前記エラストマリングの前記外面を、各々が第1の末端点及び第2の末端点からなる2つの末端点と、当該2つの末端点の中間にある1つの中間点と、当該中間点及び当該第1の末端点との間である第1のローリングセグメントと当該中間点及び当該第2の末端点の間である第2のローリングセグメントとからなる2つのローリングセグメントと、を有する複数の円弧に均等に画成し、
当該複数の円弧の各々を前記完全嵌着治具により、先ず前記中間点を押圧する前に前記第1の末端点を押圧し、次に前記第1のローリングセグメントを前記中間点から前記第1の末端点までローリングし、最後に前記第2の末端点を押圧した後に前記第2のローリングセグメントを前記第2の末端点から前記中間点までローリングすることによって、
前記複数の円弧の全てが前記所定の順序で徐々に押圧及びローリングされたこととなり、当該完全嵌着工程が完了する
ことを特徴とする請求項15に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項17】
前記エラストマリングのリング軸線に直交する断面は矩形をなし、当該エラストマリングの径方向幅と高さとの比は0.5よりも小さいことを特徴とする請求項14乃至16の何れか1つに記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項18】
前記エラストマリングは、前記溝寄りの側に、面取り縁をなす2つの縁を有することを特徴とする請求項17に記載の半導体加工装置へのエラストマリング装着方法。
【請求項19】
請求項14乃至18の何れか1つに記載の前記半導体加工装置に対し前記エラストマリングを装着するためのシートであって、
一方側が当該エラストマリングの内側に対応する、互いに反対側の2つの表面
を備えたことを特徴とする半導体加工装置へのエラストマリング装着用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体加工装置へのエラストマリング装着方法に関し、より詳細には、エラストマリングを、半導体加工装置の溝内に精度及び適合性を伴って装着する方法に関する。加えて、本発明はまた、エラストマリングを半導体加工装置に装着するためのガイドシート及び治具を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体加工装置が図18及び図19に示されている。
従来の半導体加工装置はチャンバ100を備え、サセプタ110、流体供給ユニット120、支持要素130及び延在するカバー140がチャンバ100内に取付けられる。ウェハ150が支持要素130上に配置され、ウェハ150はエッチングガス170によってエッチングされる。支持要素130はサセプタ110上に配置される。流体供給ユニット120はサセプタ110及び支持要素130内に配置され、流体121を提供する。エッチングプロセスでは、流体121は流体供給ユニット120からウェハ150に向かって流れる。ウェハ150は支持要素130上で浮き、ウェハ150はエッチングガス170によってエッチングされる。エッチングガス170によってサセプタ110と支持要素130との間にスリットが形成される。流体121は、サセプタ110と支持要素130との間の溝160に流れ込む可能性がある。サセプタ110と延在するカバー140との間に通路がある。流体121は、スリットを通って通路にも流れ込み、従来の半導体加工装置に損傷を与える可能性がある。加えて、流体121は環境汚染を誘発する可能性がある。
【0003】
上記の問題を解決するために、図20に示されているように、エラストマリング180を使用して、サセプタ110と支持要素130との間の溝160を封止する。サセプタ110と支持要素130との間のスリットもエラストマリング180によってブロックされる。流体121は溝160及び通路に流れ込まず、エッチングガス170は溝160を腐食しない。
【0004】
サセプタ110と支持要素130との間の溝160のサイズが非常に小さいという別の問題がある。エラストマリング180を溝160内に装着することは簡単ではない。エラストマリング180がサセプタ110と延在するカバー140との間の通路に突出する場合、従来の半導体加工装置は動作を突然停止する可能性がある。
【0005】
さらに、エラストマリング180は、流体121及びエッチングガス170によって腐食され、徐々に薄くなる。エラストマリング180を溝160に一様に配置できない場合、ユーザは、エラストマリング180の寿命をほとんど推定できない。エラストマリングが流体121及びエッチングガス170を突然ブロックできなくなる場合、溝160の腐食及び汚染が誘発される。エラストマリング180を半導体加工装置に装着するときに多くの問題が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、エラストマリングを溝内にスムーズかつ一様に配置することを補助する方法及びツールを提供することである。本発明の方法及びツールは、エラストマリングが半導体加工装置の動作に影響を与えるように通路に突出しないことを確実にできる。さらに、エラストマリングは、エラストマリングの寿命が切れるまで溝160を保護する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、サセプタ体及び支持要素を備える半導体加工装置にエラストマリングを装着する方法を提供する。
サセプタ体は上面を更に含み、支持要素はサセプタ体の上面に配置される。支持要素は上部及び接続部分を含む。溝が、上面と、上部と、接続部分との間に形成される。エラストマリングを上記半導体加工装置に装着する方法は以下のステップを含む。
予め配置するステップ:エラストマリングをサセプタ体の側面に、サセプタ体の上面の近くに取付ける。
位置決めするステップ:エラストマリングを、ガイドシートに形成される切欠部の内部に配置し、エラストマリングを、ガイドシートによって溝の外周に向かって移動させるとともに、次に、エラストマリングを溝と位置合わせする。
部分嵌着ステップ:部分嵌着治具によってエラストマリングを押圧し、エラストマリングを溝内に配置するとともに溝をエラストマリングによって部分嵌着する。
完全嵌着ステップ:溝がエラストマリングによって完全に嵌着されるまで、完全嵌着治具を用いてエラストマリングを押圧する。
【0008】
本発明の利点は、ガイドシート及び部分嵌着治具を使用して、エラストマリングを溝内に段階的に移動させることである。エラストマリングは、半導体加工装置が良好に動作することを確実にするように、手動の操作によって溝内に一様に配置される。エラストマリングの寿命を正確に予測でき、サセプタ体と接続部分との間のスリットからの流体の漏れが効果的に防止される。
【0009】
特に、エラストマリング上の複数の点が、エラストマリングの外面に沿って、部分嵌着治具によって所定の順序で押圧される。
方法は、エラストマリングの外面を複数の円弧に均等に画成することを更に含む。次に、部分嵌着治具は、複数の円弧のそれぞれ1つを徐々に押圧する。複数の円弧のそれぞれ1つは、2つの端点、1つの中点及び2つの中継点をそれぞれ含む。2つの端点は第1の端点及び第2の端点であり、2つの中継点は第1の中継点及び第2の中継点である。中点は、第1の端点と第2の端点との間の中間にある。第1の中継点は、第2の端点と中点との間の中間にあり、第2の中継点は第1の端点と中点との間の中間にある。所定の順序は、部分嵌着治具が、第2の端点を押圧する前に第1の端点を押圧し、次に、部分嵌着治具が中点を押圧することである。最後に、部分嵌着治具は、第1の中継点を押圧した後で第2の中継点を押圧する。部分嵌着ステップは、複数の円弧が所定の順序によって全て嵌着されると完了する。
本発明の利点は、エラストマリングの外面を、部分嵌着治具によって所定の順序で押圧できることである。次に、エラストマリングは、溝内にスムーズかつ一様に移動する。加えて、エラストマリングは溝内で回転しない。エラストマリングは、溝から突出して半導体加工装置の動作を妨げることがないものとすることができる。
【0010】
より詳細には、エラストマリング上の複数の点及びエラストマリングの複数のセグメントが、エラストマリングの外面に沿って、完全嵌着治具によって所定の順序で押圧及びローリングされる。
方法は、エラストマリングの外面を最初に複数の円弧に均等に画成することを更に含む。完全嵌着治具は、複数の円弧の各円弧を徐々に押圧する。複数の円弧の各円弧は、2つの末端点、1つの中間点及び2つのローリングセグメントをそれぞれ含む。2つの末端点は第1の末端点及び第2の末端点であり、2つのローリングセグメントは第1のローリングセグメント及び第2のローリングセグメントである。中間点は第1の末端点と第2の末端点との間の中間にある。第1のローリングセグメントは第1の末端点と中間点との間であり、第2のローリングセグメントは第2の末端点と中間点との間である。所定の順序は、完全嵌着治具が、中間点を押圧する前に第1の末端点を押圧し、次に、完全嵌着治具が、第1のローリングセグメントを中間点から第1の末端点までローリングすることである。最後に、完全嵌着治具は、第2の末端点を押圧した後で、第2のローリングセグメントを第2の末端点から中間点までローリングする。完全嵌着ステップは、複数の円弧が所定の順序によって全て押圧及びローリングされると完了する。
本発明の利点は、エラストマリングの外面を、完全嵌着治具によって所定の順序で押圧できることである。次に、エラストマリングは、完全嵌着治具によって規則的に押圧した後で溝内に更に移動する。溝はエラストマリングによって完全に嵌着される。エラストマリングは、溝内に精度及び適合性を伴って据え付けられた後で、所定の寿命を有する。ユーザは、漏れ及び腐食が生じる前にエラストマリングを適時に交換できる。
【0011】
完璧には、エラストマリングの断面は矩形である。エラストマリングは、径方向幅及び高さを有する。径方向幅と高さとの比は0.5よりも大きい。エラストマリングの、溝に向かう側は2つの縁を有する。2つの縁はそれぞれ面取り縁である。
本発明の利点は、径方向幅及び高さの所定の比を有するエラストマリングが、2つの面取り縁の設計によって溝内に容易に移動できることである。
【0012】
本発明は、エラストマリングを半導体加工装置に装着するガイドシートを更に提供する。ガイドシートは、本体部分及び屈曲部分を含む。本体部分は屈曲部分に接続する。本体部分と屈曲部分との間に角度が形成される。切欠部が、屈曲部分の側において凹んでおり、屈曲部分のその側は本体部分とは反対側である。切欠部は、形状がエラストマリングに対応する。
本発明の利点は、エラストマリングをガイドシートの切欠部によって覆って収容できることである。エラストマリングは、溝と位置合わせするようにガイドシートによって移動されることができる。ガイドシートは、エラストマリングを、部分嵌着治具によって押圧する前に、溝に位置合わせするようにガイドする。次に、エラストマリングを溝内にスムーズかつ一様に押圧できる。
【0013】
本発明は、エラストマリングを半導体加工装置に装着する、部分嵌着治具を更に提供する。部分嵌着治具は、2つの半円構造及び2つのパッキンアセンブリを備える。2つの半円構造の内側は互いに対向し、2つの半円構造の内側は、形状がエラストマリングに対応する。2つの半円構造のそれぞれ1つは2つの端を含み、2つの突起が2つの半円構造のそれぞれ1つの2つの端にそれぞれ形成される。2つの突起は、2つの半円構造のそれぞれ1つの外側に向かってそれぞれ突出する。2つのパッキンアセンブリは、各半円構造の2つの突起にそれぞれ取付けられる。
本発明の利点は、2つの半円構造を、各半円構造の2つの端のパッキンアセンブリによって接続できることである。2つの半円構造を接続することによって円形のスペースが形成される。円形のスペースの面積をパッキンアセンブリによって調節でき、エラストマリングを円形のスペースに制限できる。円形のスペースの面積がパッキンアセンブリによってより小さくなる場合、エラストマリングは2つの半円構造によってより強く押圧される。次に、エラストマリングは溝内に一様に移動できる。
【0014】
詳細には、2つの半円構造のそれぞれ1つの2つの突起は、固定孔をそれぞれ含む。パッキンアセンブリはねじ及びナットである。ねじはナットに対応する。ねじ及びナットは、2つの突起のそれぞれ1つの2つの反対の側に取付けられる。ねじは固定孔を貫通し、ナットはねじによってねじ留めされる。
本発明の利点は、パッキンアセンブリがねじ及びナットを含むことである。円形のスペースの面積は、ねじ留め状態によって調節でき、エラストマリングは、ねじ留め状態に従って強く又は部分的に押圧されることができる。
【0015】
本発明は、エラストマリングを半導体加工装置に装着する、完全嵌着治具を更に提供する。完全嵌着治具は、本体であって、本体の周りのローリング面を有する、本体を含む。ローリング面は円弧形状である。
本発明の利点は、エラストマリングを、エラストマリングの外面上で完全嵌着治具を前後にローリングさせることによって押圧及びローリングされることができることである。次に、エラストマリングは、完全嵌着治具をエラストマリングの外面上でローリングさせた後で溝に配置される。
【0016】
詳細には、完全嵌着治具の本体は少なくとも2つの凹部を含む。少なくとも2つの凹部はローリング面において凹んでいる。複数の限られたローリング面が、少なくとも2つの凹部によってローリング面を分割することから形成される。
本発明の利点は、限られたローリング面を有する完全嵌着治具が、操作者がエラストマリングの外面でのみ連続的にローリングさせることを防止できることである。操作者の怠惰によって生じる問題を、完全嵌着治具を用いることによって解決できる。
【0017】
より詳細には、本体の幾何学的中心に貫通孔が形成される。
本発明の利点は、完全嵌着治具の重量を貫通孔によって低減できることである。さらに、本体の幾何学的中心にある貫通孔は、操作者が、貫通孔に指を入れることによって完全嵌着治具を安定して保持するための簡便性も提供する。
【0018】
本発明は、以下のステップを含むエラストマリングを半導体加工装置に装着する別の方法を、更に提供する。
予め配置するステップ:エラストマリングをサセプタ体の側面に、上面の近くに取付ける。
覆うとともに部分嵌着ステップ:溝をエラストマリングで覆うとともに、シートを溝とエラストマリングとの間の隙間に挿入し、エラストマリングを溝内に一様に配置し、溝をエラストマリングによって部分嵌着する。
完全嵌着ステップ:溝がエラストマリングによって完全に嵌着されるまで、完全嵌着治具によってエラストマリングを押圧する。
【0019】
この方法の利点は、位置決めするステップが省かれることである。シートは、エラストマリングを溝内にスムーズに移動させるようにガイドする。エラストマリングは、手動の操作によって溝内に一様に配置され、エラストマリングは溝内で回転しない。エラストマリングの寿命を予期でき、サセプタ体と接続部分との間のスリットからの流体の漏れを効果的に防止できる。
【0020】
詳細には、エラストマリング上の複数の点及びエラストマリングの複数のセグメントが、エラストマリングの外面に沿って、完全嵌着治具によって所定の順序で押圧及びローリングされる。
方法は、エラストマリングの外面を最初に複数の円弧に均等に画成することを更に含む。完全嵌着治具は、複数の等しい円弧のそれぞれ1つを徐々に押圧する。複数の等しい円弧のそれぞれ1つは、2つの末端点、1つの中間点及び2つのローリングセグメントをそれぞれ含む。2つの末端点は第1の末端点及び第2の末端点であり、2つのローリングセグメントは第1のローリングセグメント及び第2のローリングセグメントである。中間点は第1の末端点と第2の末端点との間の中間にある。第1のローリングセグメントは第1の末端点と中間点との間であり、第2のローリングセグメントは第2の末端点と中間点との間である。所定の順序は、完全嵌着治具が、中間点を押圧する前に第1の末端点を押圧し、次に、完全嵌着治具が、第1のローリングセグメントを中間点から第1の末端点までローリングすることである。最後に、完全嵌着治具は、第2の末端点を押圧した後で、第2のローリングセグメントを第2の末端点から中間点までローリングする。完全嵌着ステップは、複数の円弧が所定の順序によって全て押圧及びローリングされると完了する。
本発明の利点は、エラストマリングの外面が多くの円弧部分に分割されることである。各円弧部分を、完全嵌着治具によって所定の順序で押圧できる。次に、エラストマリングは溝内に規則的に更に移動する。溝はエラストマリングによって完全に嵌着される。エラストマリングは、溝内に精度及び適合性を伴って据え付けられた後で、所定の寿命を有する。ユーザは、漏れ及び腐食が生じる前にエラストマリングを適時に交換できる。
【0021】
完璧には、エラストマリングの断面は矩形である。エラストマリングは、径方向幅及び高さを有する。径方向幅と高さとの比は0.5よりも小さい。エラストマリングの、溝に向かう側は2つの縁を有する。2つの縁はそれぞれ面取り縁である。
本発明の利点は、径方向幅及び高さの所定の比を有するエラストマリングが、2つの面取り縁によって溝内に容易に配置されることができることである。
【0022】
本発明は、エラストマリングを半導体加工装置に装着するシートを更に提供する。シートは2つの反対側の表面を含み、2つの反対側の表面のうちの一方は、エラストマリングの内側に対応する。
本発明の利点は、エラストマリングの内側をシートによってスムーズにできることである。エラストマリングは、溝内に移動する前に回転できず、エラストマリングは溝内に容易に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による、サセプタ体の側面に配置されるエラストマリングの概略図である。
図2】本発明による、溝と位置合わせするようにガイドシートによって移動されるエラストマリングの概略図である。
図3A】本発明による部分嵌着治具によって押圧されるエラストマリングの概略図である。
図3B】本発明による部分嵌着治具によって押圧されるエラストマリングの上面図である。
図4】本発明による完全嵌着治具によって押圧されるエラストマリングの上面図である。
図5】本発明による完全嵌着治具によって押圧されるエラストマリングの概略図である。
図6】本発明によるガイドシートの概略図である。
図7A】本発明による部分嵌着治具の上面図である。
図7B図7Aの部分拡大図である。
図8】本発明による、部分嵌着治具がエラストマリングを押圧するところを示す概略図である。
図9】本発明による完全嵌着治具の好ましい実施形態の概略図である。
図10】本発明による完全嵌着治具の別の好ましい実施形態の概略図である。
図11】本発明による完全嵌着治具の別の好ましい実施形態の概略図である。
図12】本発明による別のエラストマリングがサセプタ体の側面に配置されるところを示す概略図である。
図13図12のエラストマリングがシートによって溝内に部分的に配置されるところを示す概略図である。
図14図12のエラストマリングがシートによって溝内に部分的に配置されるところを示す斜視図である。
図15図12のエラストマリングが完全嵌着治具によって押圧されるところの上面図である。
図16】本発明による完全嵌着治具によって押圧される図12のエラストマリングの概略図である。
図17】本発明によるシートの概略図である。
図18】従来の半導体加工装置の概略図である。
図19図18の部分拡大図である。
図20】従来の半導体加工装置に配置されるエラストマリングの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照する。半導体加工装置はサセプタ体10及び支持要素20を備える。サセプタ体10は上面11を有し、支持要素20は上部21及び接続部分22を更に有する。支持要素20はサセプタ体10の上面11に配置され、支持要素20の接続部分22はサセプタ体10及び支持要素20を接続する。溝221が接続部分22の外面に形成され、溝221は、上面11と、上部21と、接続部分22との間にある。
【0025】
本発明による、エラストマリング30を半導体加工装置に装着する方法の第1のステップは、エラストマリングを予め配置することである。エラストマリング30は、サセプタ体10の側面に取付けられ、上面11に近い。エラストマリング30は、取付けによって、サセプタ体10の側面の周り及び側面上で伸張される。
【0026】
エラストマリング30はゴムから作られる。エラストマリング30の断面は矩形であり、エラストマリング30は径方向幅W0及び高さT0を含む。径方向幅W0と高さT0との比は0.5よりも大きい。これは、高さT0が径方向幅W0の2倍未満であることを意味する。
【0027】
さらに、エラストマリング30の溝221に向かう側は2つの縁を有し、2つの縁はそれぞれ面取り縁31である。面取り縁31は、エラストマリング30を溝221内に容易に配置することを助ける。
【0028】
図2を参照する。ガイドシート40は切欠部41を有する。切欠部41は、形状がエラストマリング30に対応する。
本発明による、エラストマリング30を半導体加工装置に装着する方法の第2のステップは位置決めするステップである。ガイドシート40の切欠部41はエラストマリング30の外面を覆う。次に、エラストマリング30は、ガイドシート40によって溝221の外周に向かって移動し、次に、エラストマリング30は溝221と正確に位置合わせされる。
【0029】
図3Aを参照する。ガイドシート40は位置決めするステップの後で取り外される。
本発明による、エラストマリング30を半導体加工装置に装着する方法の第3のステップは、エラストマリング30を溝221内に部分的に押圧することである。エラストマリング30は部分嵌着治具50によって押圧される。部分嵌着治具50はエラストマリング30の外面に接触し、エラストマリング30を溝221内にゆっくりと移動させる。エラストマリング30は溝221によって押し出され、溝221は、部分嵌着治具50によって押した後でエラストマリング30によって部分的に嵌着される。
【0030】
図3Bを参照する。エラストマリング30の外面は、部分嵌着治具50によって所定の順序で押圧される。エラストマリング30の外面の複数の円弧60が、支持要素20に予め印を付けることによって画成される。
複数の円弧60のそれぞれ1つの長さは、エラストマリング30の直径によって調節できる。複数の円弧60のそれぞれ1つは、2つの端点61、1つの中点62及び2つの中継点63を有する。2つの端点61は第1の端点61A及び第2の端点61Bである。2つの中継点63は第1の中継点63A及び第2の中継点63Bである。中点62は、第1の端点61Aと第2の端点61Bとの間の中間にある。第1の中継点63Aは、第2の端点61Bと中点62との間の中間にあり、第2の中継点63Bは第1の端点61Aと中点62との間の中間にある。所定の順序は、部分嵌着治具50が、複数の円弧60のそれぞれ1つを、第1の端点61A、第2の端点61B、中点62、第1の中継点63A及び第2の中継点63Bから押圧することを含む。エラストマリング30を部分嵌着ステップは、エラストマリング30の複数の円弧60が部分嵌着治具50によって所定の順序に従って全て押圧されると完了する。
【0031】
図4を参照する。部分嵌着治具50は、部分的に嵌着した後で取り外される。
本発明による、エラストマリング30を半導体加工装置に装着する方法の第4のステップは、エラストマリング30を溝221内に全体的に押圧することである。エラストマリング30は、完全嵌着治具70によって押圧及びローリングされる。完全嵌着治具70は、エラストマリング30の外面に接触し、エラストマリング30を溝221内に完全に移動させる。溝221は、エラストマリング30によって、完全嵌着治具70により押圧及びローリングした後で完全に嵌着される。
【0032】
エラストマリング30の外面は、完全嵌着治具70によって所定の順序で押圧及びローリングされる。エラストマリング30の外面の複数の円弧80も、支持要素20に予め印を付けることによって画成される。複数の円弧80のそれぞれ1つは、2つの末端点81、1つの中間点82及び2つのローリングセグメント83を有する。2つの末端点81は第1の末端点81A及び第2の末端点81Bであり、2つのローリングセグメント83は第1のローリングセグメント83A及び第2のローリングセグメント83Bである。中間点82は第1の末端点81Aと第2の末端点81Bとの間の中間にある。
第1のローリングセグメント83Aは第1の末端点81Aと中間点82との間であり、第2のローリングセグメント83Bは第2の末端点81Bと中間点82との間である。所定の順序は、完全嵌着治具70が、中間点82を押圧する前に第1の末端点81Aを押圧し、次に、完全嵌着治具70が第1のローリングセグメント83Aを中間点82から第1の末端点81Aまでローリングすることを含む。次に、完全嵌着治具70は、第2の末端点81Bを押圧した後で、第2のローリングセグメント83Bを第2の末端点81Bから中間点82までローリングする。完全嵌着ステップは、エラストマリング30の複数の円弧80が完全嵌着治具70によって所定の順序で全て押圧及びローリングされると完了する。
【0033】
図5を参照する。エラストマリング30は、部分嵌着ステップ及び完全嵌着ステップの後で溝221内に全体的に配置される。
【0034】
図2及び図6を参照する。ガイドシート40は、本体部分42及び屈曲部分43を含む。本体部分42は屈曲部分43に接続する。本体部分42と屈曲部分43との間に角度が形成される。切欠部41が、屈曲部分43の、本体部分42とは反対の側において凹んでおり、切欠部41は、形状がエラストマリング30に対応する。
ガイドシート40は、エラストマリング30を、位置まで移動させて溝221と正確に位置合わせするようにガイドする。ガイドシート40は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のエンジニアリングプラスチックから作られる。エンジニアリングプラスチックの摩擦係数は通常のゴムよりも低い。
【0035】
図7A図7B及び図8を参照する。部分嵌着治具50Aの別の実施形態は2つの半円構造51である。2つの半円構造51の内側は互いに対向し、形状がエラストマリング30に対応する。2つの半円構造51のそれぞれ1つは2つの端を含み、2つの突起52が2つの半円構造51のそれぞれ1つの2つの端にそれぞれ形成される。2つの突起52は、2つの半円構造51のそれぞれ1つの外側に向かってそれぞれ突出する。2つの突起52のそれぞれ1つは固定孔521を含み、パッキンアセンブリ53が固定孔521を通して取付けられる。
【0036】
パッキンアセンブリ53はねじ531及びナット532を含み、ねじ531はナット532に対応する。2つの半円構造51が互いに対向するとき、2つの半円構造51のうちの一方の固定孔521が2つの半円構造51のうちの他方の固定孔521と位置合わせされる。ねじ531は固定孔521を貫通でき、ナット532はねじ531にねじ込まれる。ねじ531及びナット532は、固定孔521の2つの反対の側に取付けられる。
部分嵌着治具50Aによってエラストマリング30に印加される押圧力は、ねじ531とナット532との間のねじ留め状態を制御することによって調整できる。エラストマリング30の外面は、部分嵌着治具50Aによって一様に押圧されることができる。
【0037】
完全嵌着治具70は、本体であって、本体の周りのローリング面を有する、本体を含む。ローリング面は円弧形状である。
【0038】
図9を参照する。完全嵌着治具70Aの別の実施形態は、2つの凹部71を更に含む。2つの凹部71はローリング面において凹んでおり、複数の限られたローリング面73が、2つの凹部71によってローリング面を分割することから形成される。サブローリング面のうちのそれぞれ1つは円弧形状である。
完全嵌着治具70Aは、スタッフが、エラストマリング30を連続的に押圧及びローリングするステップにおいてエラストマリング30の周りでのみローリングすることを防止できる。スタッフが、完全嵌着ステップにおいて押圧する作業をとばし、所定の順序に従ってエラストマリング30を押圧及びローリングしない場合、エラストマリング30は溝221内に一様に配置されず、溝221に対し完全に嵌着しない可能性がある。半導体加工装置の動作は、エラストマリング30によって干渉される。製品の質もエラストマリング30によって影響を受ける可能性がある。したがって、スタッフの怠惰によって生じる問題を、完全嵌着治具70Aを用いることによって解決できる。
【0039】
図10を参照する。完全嵌着治具70Bの別の実施形態は、貫通孔72を更に含む。貫通孔72は、完全嵌着治具70Bの本体の幾何学的中心に形成される。この設計は、完全嵌着治具70Bの重量を低減するだけではなく、ユーザに簡便性も提供する。ユーザは、指を貫通孔72に入れることによって完全嵌着治具70Bを安定して操作できる。この設計は、完全嵌着治具70Bがプロセス中に滑ることも防止する。
【0040】
図11を参照する。完全嵌着治具70Cの別の実施形態は、6つの凹部71A及び貫通孔72を含む。6つの凹部71Aはローリング面において凹んでおり、貫通孔72は、完全嵌着治具70Cの本体の幾何学的中心に形成される。ローリング面は、6つの凹部71Aによって6つのセグメントに分割される。スタッフは、この設計によって、エラストマリング30を所定の順序でより力強く押圧及びローリングできる。完全嵌着治具70Cを用いることは、エラストマリング30が溝221内に一様かつ完全に配置されることを確実にする。
【0041】
図12を参照する。本発明による、エラストマリング30Aを半導体加工装置に装着する別の方法は3つのステップを含む。
第1のステップは同様に、エラストマリング30Aを予め配置することである。エラストマリング30Aはサセプタ体10の側面に取付けられ、上面11に近い。エラストマリング30Aは、取付けによって、サセプタ体10の側面の周り及び側面上で伸張される。エラストマリング30Aの断面は矩形であり、エラストマリング30Aは径方向幅W1及び高さT1を含む。径方向幅W1と高さT1との比は0.5よりも小さい。これは、高さT1が径方向幅W1の2倍よりも大きいことを意味する。
【0042】
さらに、エラストマリング30Aの、溝221に向かう側は2つの縁を有する。2つの縁はそれぞれ面取り縁31Aである。面取り縁31Aは、エラストマリング30Aを溝221内により容易に配置することを助ける。
【0043】
図13及び図14を参照する。第2のステップは、溝221を覆うとともにエラストマリング30Aを部分的に配置することである。エラストマリング30Aは、最初に溝221を覆うように移動される。シート40Aは、形状がエラストマリング30Aに対応する。シート40Aは、溝221とエラストマリング30Aとの間の隙間に挿入される。シート40Aは押されて溝221の周りで移動する。シート40Aは、エラストマリング30Aをスムーズにするのを助け、エラストマリング30Aは溝221内に一様に配置される。溝221は、エラストマリング30Aによって部分的に嵌着される。
図13及び図14の右側は、シート40Aが溝221に沿って移動する状態を示している。図13及び図14の左側は、スムーズにした後で溝221内に配置されたエラストマリング30Aの状態を示している。シート40Aも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のエンジニアリングプラスチックから作られる。エンジニアリングプラスチックの摩擦係数は従来のゴムよりも低い。
【0044】
図15を参照する。第3のステップはエラストマリング30Aを完全に押圧することである。エラストマリング30Aは、完全嵌着治具70によって押圧及びローリングされる。完全嵌着治具70は、エラストマリング30Aの外面に接触し、エラストマリング30を溝221内に完全に移動させる。溝221は、エラストマリング30Aによって、完全嵌着治具70により押圧及びローリングした後で完全に嵌着される。
【0045】
エラストマリング30Aの外面は、完全嵌着治具70によって所定の順序で押圧及びローリングされる。エラストマリング30Aの外面の複数の円弧90は、支持要素20に予め印を付けることによって画成される。複数の円弧90のそれぞれ1つは、2つの末端点91、1つの中間点92及び2つのローリングセグメント93を有する。2つの末端点91は第1の末端点91A及び第2の末端点91Bであり、2つのローリングセグメント93は第1のローリングセグメント93A及び第2のローリングセグメント93Bである。中間点92は、第1の末端点91Aと第2の末端点91Bとの間の中間にある。
第1のローリングセグメント93Aは第1の末端点91Aと中間点92との間であり、第2のローリングセグメント93Bは第2の末端点91Bと中間点92との間である。所定の順序は:完全嵌着治具70が、中間点92を押圧する前に第1の末端点91Aを押圧し、次に、完全嵌着治具70が、第1のローリングセグメント93Aを中間点92から第1の末端点91Aまでローリングすることを含む。次に、完全嵌着治具70は、第2の末端点91Bを押圧した後で、第2のローリングセグメント93Bを第2の末端点91Bから中間点92までローリングする。エラストマリング30Aを完全嵌着ステップは、エラストマリング30Aの複数の円弧90が完全嵌着治具70によって所定の順序で全て押圧及びローリングされると完了する。
図16を参照する。エラストマリング30Aは、完全嵌着ステップの後で溝221内に全体的に配置される。
【0046】
図13及び図17を参照する。シート40Aは矩形のボードである。シート40Aは2つの反対側の表面を有し、2つの反対側の表面のうちの一方はエラストマリング30Aの内側に対応する。シート40Aは、エラストマリング30Aが溝221内に容易かつ一様に移動することを助ける。
【0047】
要約すると、エラストマリング30、30Aを半導体加工装置に装着する方法は、エラストマリング30、30Aを、溝221と位置合わせして溝221内に部分的に配置するようガイドするようにガイドシート40又はシート40Aを使用する。
次に、方法は、エラストマリング30、30Aを溝221内に完全に配置する前に、エラストマリング30、30Aをその所定の順序でそれぞれ押圧及びローリングするように部分嵌着治具50又は完全嵌着治具70を更に使用し、次に、溝221はエラストマリング30、30Aによって完全に嵌着される。エラストマリング30、30Aは、サセプタ体10と接続部分22との間の隙間から半導体加工装置のガスが漏れることを防止できる。エラストマリング30、30Aはまた、溝221に向かうプラズマの侵入が環境汚染を誘発することを防止できる。
【0048】
加えて、ユーザは、エラストマリング30、30Aを完全に装着することによって、エラストマリング30、30Aの寿命を正確に推定できる。ユーザは、エラストマリング30、30Aを定期的に交換することもできる。
本発明は、エラストマリング30、30Aを装着するエラーを低減し、半導体加工装置は、エラストマリング30、30Aの突出によって動作が突然中断されることがないため、ウェハの品質及び半導体製造工場の発展を維持することを助ける。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20