【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載される酸素含有ガスから酸素を分離する方法によって達成される。この目的は更に、請求項8に記載される酸素分離器によって達成される。好適な実施形態は、従属項に規定される。
【0009】
酸素含有ガスから酸素を分離する方法は、少なくとも、第1及び第2の酸素分離期間に行うステップと、第1酸素分離期間と第2の酸素分離期間との間の冷却期間に行うステップと、を含み、当該第1及び第2の酸素分離期間に行うステップは、それぞれ、酸素含有ガスを、酸素分離吸着剤を含む酸素分離デバイスの一次側に導くステップと、酸素分離デバイスの一次側と二次側との間に圧力差を作ることによって、酸素分離デバイスから出る酸素を豊富に含むガスの流れを生成するステップとを含み、当該冷却期間に行うステップは、フラッシング収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップと、冷却収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップと、を含み、フラッシング収着質は、酸素分離吸着剤に対し、吸着エネルギーe
1を有し、冷却収着質は、酸素分離吸着剤に対し、吸着エネルギーe
2を有し、吸着エネルギーe
2は、吸着エネルギーe
1よりも低い。
【0010】
本明細書において使用される酸素含有ガスとの用語は、少なくとも部分的に気体酸素を含む、又は、酸素から構成される任意のガスを指す。したがって、酸素を豊富に含むガスとは、具体的には、酸素含有ガスに比べて酸素の濃度が高いガスを意味し、究極の場合は、純酸素である。
【0011】
酸素分離デバイスとの用語は、具体的には、酸素分離器の能動部品を指す。酸素分離デバイスは、例えば酸素分離吸着剤を含み、当該酸素分離吸着剤は、酸素含有ガス又は酸素含有ガスの酸素以外の規定の所定の構成物質と相互作用し、したがって、酸素含有ガスの酸素以外の少なくとも1つの構成物質との相互作用によって、酸素含有ガスから酸素を分離する。この結果、このような酸素分離デバイス、又は、その酸素分離吸着剤は、具体的には吸着プロセスといった収着プロセスによって、酸素含有ガスから酸素を分離することができる。したがって、酸素分離デバイスは、吸着床としてデザインされるか、又は、シーブベッドを含む。
【0012】
酸素分離吸着剤は更に、酸素含有ガスから、酸素以外又は酸素より優れた少なくとも1つの物質を吸収(sorb)し、したがって吸着し又は吸収(absorb)する物質と理解される。
【0013】
更に、本明細書において使用される酸素分離デバイスの一次側との用語は、酸素含有ガスが酸素分離デバイスへと導かれる方向に向けられる酸素分離デバイスの側又は一部を指す。その一方で、本明細書において使用される酸素分離デバイスの二次側との用語は、反対側、即ち、生成された純酸素又は酸素が豊富に含まれるガスがある側に向かう酸素分離デバイスの側又は一部を指す。
【0014】
更に、酸素分離期間とは、酸素を豊富に含むガスを生成することを目的とする期間、したがって、酸素分離器をオンにしたことに応えて酸素分離プロセスを開始することと、酸素分離器をオフにしたことに応えて酸素分離プロセスを終了することとの間の期間と理解される。酸素分離器のオン及びオフは、したがって、例えばボタンを押すことによる、酸素分離器がオンモード及びオフモードに設定されるべきであるというユーザの指示と理解される。したがって、当該期間は、酸素を豊富に含むガスの流れを生成することを含むが、状況によっては、酸素分離の間に吸着された物質を脱着するために、再生ガスを、酸素分離デバイスのその二次側からその一次側を通り抜けるように導くことによって、酸素分離吸着剤を再生することも含む。酸素分離期間は、酸素分離ステップとしての加圧及びフィードフェーズで開始し、再生ステップとしての除圧及びパージフェーズで終了する、酸素生成の完全なサイクルとしても理解される。当然ながら、当業者には、2つの酸素分離デバイスが使用される場合、第2の酸素分離デバイスは、第1の酸素分離デバイスに対し、半サイクル分、遅延されることは明らかであろう。
【0015】
更に、フラッシング収着質は、規定の吸着エネルギーe
1で酸素分離吸着剤に結合する、ガスといった物質と理解される。対応して、冷却収着質は、具体的には、吸着エネルギーe
2で酸素分離吸着剤に結合する収着質を意味する。吸着エネルギーに関して、e
2は、e
1よりも低く、これにより、冷却収着質が酸素分離吸着剤に結合して、フラッシング収着質を置換すると冷却効果がもたらされる。
【0016】
したがって、酸素含有ガスから酸素を分離する方法は、特に、当該方法を行うために使用される酸素分離器が、少なくとも一時的に高温で格納される、又は、高温で使用される場合に、向上された分離効率を提供する。特に、本発明に係る方法は、酸素分離デバイスの酸素純度といった性能に対する高作業温度及び酸素分離吸着剤の格納温度の影響に対処する。
【0017】
詳細には、本発明に係る方法は、物質を酸素分離吸着剤に少なくとも部分的に結合する又は吸着することによって、したがって、酸素分離吸着剤に、規定の吸着エネルギーを有する物質(フラッシング収着質)を完全に又はある程度だけロードすることによって、酸素分離吸着剤は、フラッシング収着質を、低結合エネルギー又は吸着エネルギーを有する冷却収着質によって置換することによって冷却されるという研究成果に基づいている。これは、この場合では、強力に結合されるフラッシング収着質を除去することは、冷却収着質との弱い結合を形成することよりも多くのエネルギーを必要とするため、酸素分離吸着剤の瞬間的な冷却をもたらす。したがって、エネルギー差が、冷却効果をもたらす。
【0018】
冷却効果によって、酸素分離効率は、著しく向上される。これは、酸素分離吸着剤の吸着特性は、主に、その温度に強く依存することによる。詳細には、温度性能は、等温線から推定される。ほんの例示的な値として、酸素分離吸着剤としてのLi−LSXゼオライト材料から窒素及び酸素の温度依存等温線を使用して、必要な酸素分離吸着剤の最小量の増加M%(ΔT)が、シーブ温度の空気から、85%以上濃縮された純度を有する毎分1リットルの酸素流量を得るために必要である量について、計算される。室温動作(〜23℃)と比較して、ΔT=+20℃の酸素分離吸着剤の温度増加は、約40%のM%(ΔT=20℃)の(最小)必要材料の増加をもたらす。ΔT=+30℃の酸素分離吸着剤の温度増加は、約65%のM%(ΔT=30℃)をもたらす。ΔT=40℃では、約2倍の量の吸着剤が必要である。
【0019】
結果として、酸素分離デバイス内といった所与の量の吸着剤材料を有する場合、大抵の場合、特異的特性は、規定温度範囲内でのみ確実である。温度範囲が超過したままにされる場合、規定特性は、変動し、これは、特定の状況下では、酸素分離能力の望ましくない劣化、したがって、酸素を豊富に含むガスの品質の劣化につながる。
【0020】
これは、特に、携帯可能な酸素分離器について言えることである。これは、この種のデバイスは、酸素分離吸着剤の量が限られているため、高温での作業に非常に敏感なためである。例えば酸素分離デバイスは、たった200gの質量に相当する300cm
3のLiシーブ材料を含む。このような限られた量の酸素分離吸着剤は、通常、費用、サイズ及び重量に関して利点を提供し、したがって、当該システムの快適さを提供する。特に、携帯可能なデバイスについては、本発明に係る方法は、酸素純度仕様を満たすことを確実に実現するために、高い質量の酸素分離吸着剤を提供しないようにする。
【0021】
上記は、酸素濃縮器が、通常の室温よりもかなり高い温度で単に格納され、約室温(T〜25℃)においてオンにされる場合についても言えることである。この理由としては、周囲ガスの容量に対するゼオライトといった酸素分離吸着剤の高い熱容量と、特に、酸素分離吸着剤がシーブビード(sieve bead)としてデザインされる場合に、酸素分離デバイス内の低い熱伝導性がある。したがって、通常の動作条件(通常の空気フィードフロー)下のシステムの動作であっても、迅速な冷却をもたらさないが、酸素分離材料を流れるガス流の数分の範囲内にある。
【0022】
これに対し、本発明に従って、フラッシング収着質及び冷却収着質を、特に、それらの吸着エネルギー又は吸着エネルギー比によって適切に選択することによって、酸素分離吸着剤は、効果的かつ瞬間的に冷却される。これは、酸素分離吸着剤の温度の高速低下、及び、酸素分離性能の高速増加をもたらす。つまり、本発明によれば、高温での格納後であっても、酸素分離吸着剤を迅速に冷却し、また、所望の酸素分離仕様、又は、酸素純度を迅速に提供することが可能となる。したがって、特に酸素分離器が高温で使用される場合、2つの作業期間の間の通常の作業手順の間に、本発明に係る方法を使用することが可能となる。
【0023】
上記は、更に、吸着剤材料が瞬間的、したがって、非常に迅速に冷却することによって、非常に限られた時間規模で実現される。この冷却ステップは更に、酸素分離吸着剤の外にある冷却デバイスとの相互作用に基づいておらず、対照的に、冷却効果は、例えば吸着剤材料床の表面及び内部から実現される。これは、冷却収着質が、酸素分離デバイス内に含まれているすべての吸着剤粒子と非常に均一に相互作用することによる。上記以外に、フラッシング収着質及び冷却収着質を、酸素分離吸着剤を通り抜けるように導くステップは、数秒の時間規模で実現され、更に一層迅速な冷却手順、したがって、生成された酸素の品質の迅速な増加を示す。ほんの例示的な値として、100gの酸素分離吸着剤について、所望の温度低下を達成するために、冷却収着質をその中を通り抜けるように導くには、5乃至10秒の時間規模が適切である。
【0024】
一実施形態によれば、フラッシング収着質は、窒素を含み、及び/又は、冷却収着質は、酸素又はアルゴン若しくはヘリウムといった希ガスを含む。これらの収着質材料は、入手が特に簡単で費用を節約でき、また更には、取扱いが簡単である。上記以外に、すべての収着質は、同じ吸着剤に結合し、酸素分離デバイス又はその酸素分離吸着剤の非常に簡単で費用を節約できる構成をもたらす。更に、これらの収着質は、複数の吸着剤において各自の吸着エネルギーを有し、当該エネルギーは、広い範囲で変化するので、例えば酸素によってほんの少量の窒素を置換しても、非常に効率的及び迅速な冷却効果が提供され、特に有利な酸素分離性能がもたらされる。
【0025】
更なる実施形態によれば、フラッシング収着質及び/又は冷却収着質は、酸素分離期間の間及び/又は冷却期間の間に生成される。本実施形態は、対応するフラッシング収着質及び/又は冷却収着質を有する、存在する可能性のある容器又はタンクを外部から再充填する必要なく、本発明に係る方法を行うために酸素分離器を構成することを可能にする。本実施形態によって、本発明に係る方法の特に費用を節約する性能を可能にする。更に、フラッシング収着質及び/冷却収着質が保存される必要がない、又は、空になる可能性がないため、非常に安全な方法が行われる。本実施形態は、フラッシング収着質が窒素を含み、及び/又は、冷却収着質が酸素を含む場合に特に適している。詳細には、酸素は、いずれの場合にも、本発明に係る方法によって生成される。したがって、生成された酸素は、容器へと導かれ、フラッシング収着質を適用するために、そこから使用される。当該容器は、選択した応用に生成された酸素を適用するために使用される容器と同じであっても、又は、別箇の容器であってもよい。更に、窒素は、酸素を生成するために標準的な作業手順の間に、酸素分離吸着剤にほとんど吸着される。したがって、例えば、酸素分離デバイスからガス容器に、酸素分離吸着剤の再生ステップに使用されるガスを導くことによって、この窒素を捕捉することによって、窒素は生成され、酸素分離吸着剤を冷却するために使用される。例えばフラッシング収着質及び/又は冷却収着質は、酸素分離器をオフにしたとき又はオフにした後に生成される。これは、例えば酸素分離器をオフにした後に、追加の酸素分離ステップを行うことによって実現される。
【0026】
更なる実施形態によれば、フラッシング収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップは、本発明に係る方法に使用される酸素分離器をオフにした直後に行われる。本実施形態によれば、酸素分離吸着剤は、ユーザが酸素分離器はオフにされるべきであると指示した後、したがって、酸素分離期間後かつ(例えば酸素分離器をオフモードで格納するために)酸素分離器がオフモードに切り替えられる前の最後の手段として、例えば空気といった窒素でフラッシングされる。したがって、これは、例えばユーザが酸素分離器はオフにされなければならないことを指示した後、したがって、通常の酸素分離期間が終了した後の追加のステップにおいて実現される。したがって、この手段は、例えば圧力スイング吸着システムについて一般的に知られている手順に厳密に対抗する。これらの既知の手順によれば、例えば酸素分離期間の終わりにおいて、酸素分離吸着剤を窒素でロードする又は更には飽和させることは厳密に回避されるべきである。というのも、この手段は、後続のサイクルにおける酸素分離能力を減少するからである。このため、既知の手段は、しばしば、再生のために、酸素を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップを含む。しかし、本発明によれば、酸素分離器は、後続の酸素分離期間を始める前に、酸素分離吸着剤を冷却する準備が整っている。
【0027】
更なる実施形態によれば、酸素分離吸着剤には、3wt‰よりも多い量のフラッシング収着質がロードされる。本実施形態は、十分な量のフラッシング収着質があり、冷却収着質によって置換されることによって、十分な冷却効果を確実に生成する。したがって、酸素分離吸着剤を、フラッシング収着質で完全にロードしないことが有利である。これは、新しい酸素分離期間をすぐに開始すること、又は、フラッシング収着質を冷却収着質によって置換し、したがって、酸素分離吸着剤を冷却することが可能となる。どの手順が続くかは、対応する要件に依存する。本実施形態によれば、特に幅広い応用が提供され、保守管理及び快適さが特に向上される。
【0028】
更なる実施形態によれば、冷却収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップは、本発明に係る方法に使用される酸素分離器を
オンにした直後に行われる。具体的には、冷却収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップは、オフタイム後に酸素分離デバイスをオンにするというユーザの指示に応えて、したがって、酸素分離器のオフタイムと酸素分離期間の開始との間の全く最初のステップとして行われる。本実施形態は、酸素生成期間の開始直前に、したがって、それが厳密に必要であるときに、酸素分離吸着剤を冷却することを可能にする。酸素分離能力、したがって、生成された酸素の品質は、本発明によれば、特に効果的に向上される。したがって、酸素分離期間が続く冷却期間の始まりは、具体的には、酸素分離器の長いオフタイムの後に、及び、高温での格納の後に、又は、高温で酸素分離方法を行う際の酸素分離手順の間の規定サイクルの前に、開始する。
【0029】
したがって、冷却期間、又は、後者の各ステップは、酸素分離器のオフ期間によって区切られ、したがって、次々にすぐに行われる必要がないことは明白である。
【0030】
更なる実施形態によれば、フラッシング収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップ、及び/又は、冷却収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導くステップは、酸素分離吸着剤の温度に依存して行われる。本実施形態は、必要な場合にのみ、酸素分離吸着剤を冷却することを可能にする。例えば温度センサによって検出される温度が、使用される酸素分離器又は酸素分離吸着剤の酸素分離仕様の制限内である場合、冷却は行われず、特に効果的な酸素生成を可能にする。しかし、例えば温度が、例えば高過ぎて、規定値を超える場合、酸素分離吸着剤は、必要な温度に迅速に到達するために、選択的に冷却される。本実施形態は、具体的には、例えば酸素分離吸着剤にフラッシング収着質を部分的にしかロードしないことと組み合わせて行われる。というのも、これは、特に、酸素生成ステップであっても冷却ステップであっても必要なステップから開始することを可能にするからである。更に、本実施形態は、酸素分離期間の開始の直前に、したがって、具体的には、酸素分離器をオンにしたとき又はした後に、冷却ステップを任意選択的に行うことと組み合わせて使用される。というのも、この場合、酸素分離吸着剤にある温度がリアルタイムで検出され、当該方法を特に効果的にするからである。本発明に係る方法による冷却ステップを作動させる例示的な温度は、40℃以上の範囲にある。したがって、規定温度は、使用される酸素分離吸着剤及び吸着される物質に依存して選択される。
【0031】
酸素を生成する方法の更なる利点及び技術的特徴については、酸素分離器の説明、図面及び図面の説明を参照されたい。
【0032】
本発明は更に、酸素含有ガスの流れを酸素分離デバイス内へと導くための一次側におけるガス注入口と、酸素を豊富に含むガスの流れを酸素分離デバイスから外に導くための二次側におけるガス排出口とを有し、酸素分離吸着剤を含む少なくとも1つの酸素分離デバイスと、少なくとも1つの酸素分離デバイスの一次側と二次側との間に圧力差を作る圧力調節デバイスとを含む、酸素分離器であって、当該酸素分離器は、2つの酸素生成期間の間に、フラッシング収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導き、2つの酸素生成サイクルの間に、冷却収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導く制御ユニットを含み、フラッシング収着質は、酸素分離吸着剤に対し、吸着エネルギーe
1を有し、冷却収着質は、酸素分離吸着剤に対し、吸着エネルギーe
2を有し、吸着エネルギーe
2は、吸着エネルギーe
1よりも低い、酸素分離器に関する。
【0033】
本明細書において使用される酸素分離器との用語は、具体的に、酸素含有ガスから酸素を分離可能なデバイスを指す。したがって、酸素分離器によって、酸素含有ガスから開始して、純粋又は基本的に純粋な酸素、したがって、酸素を豊富に含むガスが生成される。
【0034】
圧力調節デバイスとの用語は、酸素分離デバイスの一次側と二次側との間に圧力差を生成することが可能な任意のデバイスを指す。当該デバイスは、例えば、酸素分離デバイスの一次側に接続されているガス圧力デバイス、又は、酸素分離デバイスの二次側に接続されている真空ポンプである。
【0035】
酸素分離器は、特に、酸素分離期間の始まりにおいて、又は、酸素分離器をオンにした後に、酸素分離吸着剤の温度を迅速に冷却することを可能にする。詳細には、制御ユニットに、マイクロプロセッサといった制御システムが備えられる。当該制御システムは、フラッシング収着質又は冷却収着質を、酸素分離デバイスを通り抜けるように導く機能を果たす。これは、例えば充填されたガス容器及び導管の対応するバルブを制御することによって実現される。
【0036】
更に、単一の酸素分離デバイスが提供されていてもよいし、又は、2つ又は3つ以上の酸素分離デバイスが提供されていてもよい。詳細には、酸素分離器は、2つ以上の酸素分離デバイスを含む場合は、当技術分野において一般的に知られているように、圧力スイング吸着システム(PSAシステム)としてデザインされる。
【0037】
したがって、本発明に係る酸素分離器は、具体的には、高温での格納後、及び/又は、高温での酸素分離手順を有する酸素分離挙動を向上させる。
【0038】
一実施形態によれば、酸素分離器は、酸素分離吸着剤の温度を検出するセンサを含む。本実施形態は、必要な場合にのみ、酸素分離吸着剤を冷却することを可能にする。例えば温度が使用される酸素分離器又は酸素分離吸着剤の酸素分離仕様の制限内である場合、冷却は必要ではなく、特に効果的な酸素生成が可能となる。しかし、例えば、温度が、例えば高過ぎて、規定値を超える場合、酸素分離吸着剤は、必要な温度に迅速に到達するために、選択的に冷却される。
【0039】
更なる実施形態によれば、酸素分離器は、フラッシング収着質を収容する容器及び/又は冷却収着質を収容する容器を含む。本実施形態は、酸素分離器が自己充足であることを可能にし、したがって、固定されたデバイスへの任意の接続を不要とする。本実施形態は、電池又は発電機が設けられ、更に、空気が酸素含有ガスとして使用される場合に特に有利であることは明らかである。また、本実施形態は、携帯可能なデバイスに関して特に有利である。更に、本発明は、フラッシング収着質及び/又は冷却収着質が、酸素分離器を使用するステップの間に生成される場合に、特に有利である。
【0040】
更なる実施形態によれば、酸素分離吸着剤は、CECA社のSXSDM又はUOP社のOxySiv MDXという商標で購入可能であるものといった、Li−LSXゼオライトを含む。本実施形態によれば、特に高い吸着強度を有する酸素分離吸着剤が使用される。したがって、本実施形態によれば、特に効果的な冷却効果が使用され、本実施形態に係る酸素分離器の酸素分離挙動を特に効果的にする。Li−LSXゼオライトは、具体的には、Li置換された低シリカXゼオライト(LSX、Si/Al=1)である。これらは、例えば、イオン交換法を介して、Na−LSXゼオライトから調製される。したがって、ゼオライトXとは、1乃至1.5のSi/Al比を有するゼオライトを指す。
【0041】
酸素分離器の更なる利点及び技術的特徴については、酸素生成方法の説明、図面及び図面の説明を参照されたい。