(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180531
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ビームガイド装置およびレーザビームの開き角を調整する方法
(51)【国際特許分類】
H05G 2/00 20060101AFI20170807BHJP
H01S 3/10 20060101ALI20170807BHJP
G02B 17/06 20060101ALI20170807BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
H05G2/00 K
H01S3/10 Z
G02B17/06
G03F7/20 503
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-533479(P2015-533479)
(86)(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公表番号】特表2016-502228(P2016-502228A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】EP2013002872
(87)【国際公開番号】WO2014048563
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】102012217520.2
(32)【優先日】2012年9月27日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515041332
【氏名又は名称】トルンプフ レーザーシステムズ フォー セミコンダクター マニュファクチャリング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Lasersystems for Semiconductor Manufacturing GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ランベアト
【審査官】
伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−135769(JP,A)
【文献】
特表2013−513930(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/075346(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/001131(US,A1)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動レーザ装置(2)からレーザビーム(5)を、EUV放射線を発生させるためのターゲット位置(6)に向けてガイドするためのビームガイド装置(3)であって、
該ビームガイド装置(3)が、レーザビーム(5)のビーム直径(d1)を拡径または縮径するための装置(14)を有しており、
該装置(14)が、凸面状に湾曲させられた第1の反射表面(15a)を備えた第1の軸外し放物面鏡(15)と、凹面状に湾曲させられた第2の反射表面(16a)を備えた第2の軸外し放物面鏡(16)と、
第2の軸外し放物面鏡(16)からの反射光を所定方向(Y)に反射する変向ミラー(9)と、
を備えているビームガイド装置において、
該ビームガイド装置(3)が、第1の反射表面(15a)と第2の反射表面(16a)との間の間隔(A,A’)を変えてレーザビーム(5)の開き角(α)を変化させるように構成された運動装置(20)を有し、
運動装置(20)は、第2の軸外し放物面鏡(16)を第1の軸外し放物面鏡(15)に向かう方向にまたは離れる方向に、前記所定方向(Y)と非平行な変位軸線(21)に沿って動かし、
変向ミラー(9)は、第2の軸外し放物面鏡(16)と互いに運動連結されており、第2の軸外し放物面鏡(16)が前記変位軸線(21)に沿って動かされたときに、前記所定方向(Y)に沿って動かされることを特徴とする、ビームガイド装置。
【請求項2】
運動装置(20)が、両放物面鏡(15,16)の焦点位置(F1,F2)が互いに合致する基本位置を起点として少なくとも一方の放物面鏡(16)を運動させるように構成されている、請求項1記載のビームガイド装置。
【請求項3】
レーザビーム(5)のビーム直径(d1)を拡径または縮径するための装置(14)が、基本位置において、ビーム直径(d1)の1.01〜10倍の拡径または縮径を発生させるように構成されている、請求項2記載のビームガイド装置。
【請求項4】
運動装置(20)が、両放物面鏡のうちの少なくとも一方の放物面鏡(16)を変位軸線(21)に沿って変位させるように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のビームガイド装置。
【請求項5】
前記変位が、両放物面鏡(15,16)の焦点位置(F1,F2)が位置する変位軸線(21)に沿って行われるようになっている、請求項4記載のビームガイド装置。
【請求項6】
運動装置(20)が、少なくとも一方の放物面鏡(16)を少なくとも10mmの区間にわたって変位させるように構成されている、請求項4または5記載のビームガイド装置。
【請求項7】
ビームガイド装置(3)が、さらに、少なくとも一方の放物面鏡(15,16)の変位時のレーザビーム(5)のビームオフセットを補償するための少なくとも1つの変位可能なかつ/または傾倒可能な変向ミラー(9,10)を有している、請求項4から6までのいずれか1項記載のビームガイド装置。
【請求項8】
少なくとも1つの変向ミラー(9,10)が、少なくとも一方の放物面鏡(15,16)に運動連結されており、これによって、当該変向ミラー(9,10)と当該放物面鏡(15,16)とが、一緒に変位させられるようになっている、請求項7記載のビームガイド装置。
【請求項9】
ビームガイド装置(3)が、CO2レーザビーム(5)をガイドするように構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のビームガイド装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載のビームガイド装置(3)によってレーザビーム(5)の開き角(α)を調整する方法において、
放物面鏡(15,16)の第1の反射表面(15a)と第2の反射表面(16a)との間の間隔(A,A’)を調整してレーザビーム(5)の所望の開き角(α)を発生させることを特徴とする、レーザビームの開き角を調整する方法。
【請求項11】
出射して収束するレーザビーム(5)を発生させるために、第1の反射表面(15a)と第2の反射表面(16a)との間の間隔(A)を基本位置を起点として増加させる、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動レーザ装置からレーザビームを、EUV放射線を発生させるためのターゲット位置に向けてガイドするためのビームガイド装置であって、該ビームガイド装置が、レーザビームのビーム直径を拡径または縮径するための装置を有しており、該装置が、凸面状に湾曲させられた第1の反射表面を備えた第1の軸外し放物面鏡と、凹面状に湾曲させられた第2の反射表面を備えた第2の軸外し放物面鏡とを備えているビームガイド装置に関する。本発明は、対応する方法にも関する。
【0002】
米国特許出願公開第2011/0140008号明細書に基づき、EUVビーム発生装置に用いられるビームガイド装置が公知である。この公知のビームガイド装置は、ビーム直径を拡径する(ビーム拡幅する)ための装置を備えている。この装置は、公知例では2つの軸外し放物面鏡を有している。同明細書に記載されているビームガイド装置は、駆動レーザシステム内で発生かつ増幅させられたレーザ放射線をガイドするために用いられる。ビームガイド装置は、駆動レーザシステムからレーザビームを、このレーザビームをターゲット位置に集束させるために役立つ集束素子もしくは集束装置へとガイドする。ターゲット位置には、レーザビームの照射時にプラズマ状態へと移行して、その際にEUV放射線を発するターゲット材料が提供される。
【0003】
典型的に、レーザビームの照射時には、ターゲット材料(たとえばスズ)の、ターゲット位置の近くに配置された光学素子の光学表面に堆積する部分が蒸発させられる。この問題に対処するために、駆動レーザとして、一般的にCO
2レーザが使用される。CO
2レーザ放射線は、約10.6μmの高い波長に基づき、スズ堆積物により生じるような比較的粗い光学表面を有する光学素子によっても反射させられる。さらに、CO
2レーザの形態の駆動レーザの使用によって、規定のターゲット材料、たとえばスズにおいて、駆動レーザの入射出力とEUV放射線の出射出力との間で高い変換効率が可能となる。
【0004】
EUV放射線を発生させるために使用されるCO
2レーザ放射線は、高い放射出力(たとえば1kKよりも大きい)を有している。この放射出力は、光学表面に対するレーザ放射の強さを過度に大きくしないようにするために、典型的には、比較的大きなビーム直径を発生させる。大きなビーム直径を有するレーザ放射線へのビーム拡幅時には、放物面鏡の使用が有利であると判った。なぜならば、ビーム拡幅のために球面鏡を使用すると、大きなビーム直径に基づき、球面収差が比較的大きくなってしまうからである。これに対して、放物面鏡を使用すると、鏡が互いに適切に位置決めされていれば、理論的に誤差なしの結像が可能となる。米国特許出願公開第2011/0140008号明細書に記載されているように、たとえば3.6の係数だけビーム拡幅するかもしくはレーザビームのビーム直径を拡径することによって、レーザビームの発散度を低下させることができる。このことは、EUV放射線の発生に有利な影響を与える。
【0005】
発明の課題
本発明の課題は、冒頭で述べたビームガイド装置および方法を改良して、EUV放射線の発生をより効果的に行うことができるようにすることである。
【0006】
発明の対象
この課題は、本発明によれば、上述したようなビームガイド装置が、さらに、第1の反射表面と第2の反射表面との間の間隔を変えてレーザビームの開き角を変化させるように形成された運動装置を有していることによって解決される。
【0007】
発明者は、ビーム直径を拡径(もしくは縮径)するための上述した装置において、反射表面同士の間の間隔を変えることによって、レーザビームの発散度(もしくは収束度)に意図的に影響を与えることが可能となることを認識した。レーザビームの収束度もしくは発散度の変化は、ターゲット位置でのEUV放射線の発生に有利な影響を与える。なぜならば、装置とターゲット位置との間のビーム路が極めて長い(一般的には10mよりも長い)からである。特に光学構成部材の動的な熱的な特性によって規定されている温度条件の変化時でも、レーザビームがビーム路内の全ての光学構成部材を通過することを確保するために、上述した装置によって、開き角、すなわち、レーザビームの収束度もしくは発散度に意図的に影響を与えることができる。レーザ放射線の収束度もしくは発散度は、2つの軸外し放物面鏡が使用されている場合、反射表面相互の間隔を変えることによって変化させることができる。なお、その際に、与えられている用途のために典型的に必要となる変位幅範囲内で結像誤差が過度に増加することはない。本発明では、有利な結果として、長いビーム路に基づき、開き角の(たとえば約10〜20mradのオーダ内の)ほんの僅かな変化が、ターゲット位置の領域に生じるビーム直径に大きな効果を与える。間隔を変えるためには、運動装置が、適切なアクチュエータ(モータまたはこれに類するもの)によって第1の放物面鏡および/または第2の放物面鏡に作用することができ、これによって、両放物面鏡の位置が互いに相対的に変化させられ、ひいては、両放物面鏡の間隔が変化させられる。
【0008】
典型的には、運動装置が、両放物面鏡の焦点位置が互いに合致する基本位置を起点として少なくとも一方の放物面鏡を運動させるように形成されている。両放物面鏡が同一の焦点位置を有する(かつ両放物面鏡の回転対称軸線が互いに重なり合う)基本位置では、少なくとも理論的に結像誤差は生じない。基本位置から軸外し放物面鏡同士の間隔が変わると、結像誤差が増加してしまう。
【0009】
基本位置では、視準されて第1の放物面鏡に衝突したレーザビームから、第2の放物面鏡へと、視準されて出射するレーザビームが発生させられる。間隔を変えると、ビーム直径はほんの僅かしか変化しないが、特にレーザビームの開き角には影響が与えられるので、基本位置において発生させられるような視準されたレーザビームから、ほんの僅かに収束もしくは発散するレーザビームが形成される。基本位置からの間隔の増加によって、典型的には、視準されて出射するレーザビームから、(ほんの僅かに)収束するレーザビームが発生させられる。基本位置からの間隔の減少時には、典型的に、(ほんの僅かに)発散して出射するレーザビームが発生させられる。
【0010】
1つの改良態様では、レーザビームのビーム直径を拡径または縮径するための装置が、基本位置において、ビーム直径の1.01〜10倍の拡径または縮径を発生させるように形成されている。このことを達成するためには、基本位置での両反射表面の間の間隔と、両反射表面の曲率とが、適切に選択されなければならない。
【0011】
1つの態様では、運動装置が、両放物面鏡のうちの少なくとも一方の放物面鏡を変位軸線に沿って変位させるように形成されている。間隔の変化時に反射表面が互いにその向きを維持している、すなわち、間隔を変えるために、変位しか行われず、放物面鏡の回動は行われないと有利である。変位軸線に沿った変位のためには、該当する放物面鏡が、典型的には、ガイドに線形に可動に支承され、アクチュエータ、たとえばリニアモータによって変位方向に沿って変位させられる。
【0012】
1つの改良態様では、変位が、両放物面鏡の焦点が位置する変位軸線もしくは基本位置において共通の焦点位置が位置する変位軸線に沿って行われる。発明者は、このような変位軸線に沿った変位時には、結像が、著しく大きな変位幅範囲にわたって低収差のままであり、これによって、収束度/発散度を比較的大きな範囲(最大約10〜20mrad)にわたって変化させることができることが判った。適応ミラー(すなわち、可変の曲率を有するミラー)を使用してビーム収束度もしくはビーム発散度に影響を与える際に生じる収差は、典型的には極めて大きい。
【0013】
1つの別の改良態様では、運動装置が、少なくとも一方の放物面鏡を少なくとも10mm、好適には少なくとも50mm、特に少なくとも100mmの区間にわたって変位させるように形成されている。ビーム直径の拡径/縮径を所望の限度の範囲内で行うためには、通常、このような変位で十分である。第2の放物面鏡の焦点距離が約500mmの場合には、約50mmだけの変位によって、たとえば約5mradの収束度変化(開き角の変化)が生じ、約100mmだけの変位によって、約10mradの収束度変化が生じる。
【0014】
1つの別の態様では、ビームガイド装置が、少なくとも一方の放物面鏡の変位時のビームオフセットを補償するための少なくとも1つの傾倒可能なかつ/または変位可能な変向ミラーを有している。ビームオフセットを補償するためには、特に2つの傾倒可能なもしくは変位可能な変向ミラーが使用されてよい。両変向ミラーは、変位に起因したレーザビームのビームオフセットを補償することができるような角度を成してもしくは距離だけ互いに傾倒させられるかもしくは変位させられる。
【0015】
1つの改良態様では、(少なくとも1つの)変向ミラーが、(少なくとも一方の)放物面鏡に運動連結されており、これによって、当該変向ミラーと当該放物面鏡とが、一緒に変位させられるようになっている。運動連結によって、放物面鏡と変向ミラーとの共同の運動のために、運動装置に設けられた共通の駆動装置を使用することができ、これによって、放物面鏡の変位運動と変向ミラーの運動とを調和もしくは同期させるための付加的な制御を省略することができる。変向ミラーの変位運動は、必ずしも放物面鏡に対する変位軸線に沿って行われる必要はない。すなわち、運動連結は、変向ミラーが、変位軸線と異なる方向に変位させられるように設計されてよい。このことは、たとえば適切な(強制)ガイドを用いた放物面鏡の強制連結された運動によって達成することができる。
【0016】
好適には、ビームガイド装置が、CO
2レーザビームをガイドするように形成されている。CO
2レーザビーム、すなわち、約10.6μm付近の波長を有するレーザビームをガイドするために、好適には、反射性の光学素子が使用される。この光学素子の少なくとも表面の領域は、典型的には、一般的に高反射性のコーティングが被着された金属材料、たとえば銅から成っている。CO
2レーザ放射線をビームガイドするためには、透過性の光学素子が使用されてもよい。しかしながら、CO
2レーザ放射線に対して透過性である少ない種類の材料しか存在していない。このような材料は、特にレンズ製造のために使用することができるセレン化亜鉛である。
【0017】
さらに、本発明は、上述したようなビームガイド装置によってレーザビームの開き角を調整する方法に関する。この方法では、放物面鏡の第1の反射表面と第2の反射表面との間の間隔を調整してレーザビームの所望の開き角が発生させられる。詳しく上述したように、間隔の調整によって、レーザビームの開き角に意図的に影響を与えることができる。すなわち、基本位置において視準されて出射するレーザビームを出発点として、(ほんの僅かに)収束するかまたは発散するレーザビームを発生させることができる。
【0018】
本発明に係る方法の1つの変化態様では、出射して収束するレーザビームを発生させるために、第1の反射表面と第2の反射表面との間の間隔が基本位置を起点として増加させられる。こうして、数ミリラジアンのオーダ内の収束度もしくは開き角を有するレーザビームを出射することができる。レーザビームの比較的少ない収束度は、ターゲット位置までのビーム路に沿ったレーザビームの拡幅を阻止する。
【0019】
本発明の更なる利点は、明細書および図面から明らかである。また、前述した特徴および引き続きさらに記載する特徴は、当然ながら、単独で使用されてもよいし、複数を任意に組み合わせて使用されてもよい。図説する実施の形態は、最終的な列挙として解釈すべきものではなく、むしろ、本発明を説明するための特徴の一例を有するものでしかない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】レーザビームのためのビームガイド装置と集束装置とを有するEUVビーム発生装置の概略図である。
【
図2a】基本位置における2つの軸外し放物面鏡を備えた、レーザビームをビーム拡幅するための装置の概略図である。
【
図2b】第2の軸外し放物面鏡が基本位置から変位軸線に沿って変位させられている、
図2aの装置の概略図である。
【
図3】出射したレーザビームの開き角、ビームオフセットの変化量ならびにビーム直径の変化量を変位距離に関連して示す線図である。
【0021】
図1には、EUV(極端紫外光)ビーム発生装置1が示してある。このEUVビーム発生装置1は、駆動レーザ装置2と、ビームガイド装置3と、CO
2レーザビーム5をターゲット位置6に集束させるための集束装置4とを有している。
図1に示したEUVビーム発生装置1は、米国特許出願公開第2011/0140008号明細書に記載されているような構造にほぼ相当している。なお、同明細書は引用により本願の内容に含まれるものとする。また、図面を見やすくするという理由から、レーザビーム5のビーム路を監視するための測定装置の図示は省略した。
【0022】
駆動レーザ装置2は、1つのCO
2ビーム源と、高い放射出力(>1kW)を有するレーザビーム5を発生させるための複数の増幅器とを有している。駆動レーザ装置2のあり得る構成の詳細な説明については、米国特許出願公開第2011/0140008号明細書に記載されている。駆動レーザ装置2から、レーザビーム5は、ビームガイド装置3の複数の変向ミラー7,8,9,10,11と、集束装置4の1つの別の変向ミラー12とを介して集束レンズ13に向かって変向させられる。この集束レンズ13はレーザビーム5をターゲット位置6に集束させる。このターゲット位置6には、ターゲット材料としてのスズが配置されている。集束させられたレーザビーム5がターゲット材料に命中し、その際、このターゲット材料が、EUV放射線(図示せず)を発生させるために役立つプラズマ状態へと移行される。ターゲット材料はターゲット位置6に提供装置(図示せず)によって供給される。この提供装置は、ターゲット位置6に交差する設定された経路に沿ってターゲット材料を案内する。ターゲット材料の提供の詳細についても、同じく米国特許出願公開第2011/0140008号明細書に記載されている。
【0023】
ビームガイド装置3内には、レーザビーム5のビーム直径を拡径するための装置14が設けられている。この装置14は、凸面状に湾曲させられた第1の反射表面15aを備えた第1の軸外し放物面鏡15と、凹面状に湾曲させられた第2の反射表面16aを備えた第2の軸外し放物面鏡16とを有している。軸外し放物面鏡15,16の反射表面15a,16aは、それぞれ放物面体の軸外しセグメントによって形成されている。「軸外し」という概念は、レーザビーム5のビーム直径を拡径するための、以下でビーム拡幅装置14とも略称する装置14を詳細図で示した
図2aおよび
図2bに示したように、反射表面15a,16aが放物面体の回転対称軸線を含まない(ひいては放物面体の頂点も含まない)ことを意味している。
【0024】
駆動レーザ装置2から約30〜50mmのオーダ内のビーム直径d
1で出射した視準されたレーザビーム5は、凸面状の第1の反射表面15aに命中し、この第1の反射表面15aにおいて凹面状の第2の反射表面16aに向かって変向させられる。この第2の反射表面16aでは、衝突して発散するレーザビーム5が変向させられて、視準され、これによって、ビーム拡幅装置14から出射するレーザビーム5の放射方向(X方向)が、入射するレーザビーム5の放射方向(X方向)に合致する。当然ながら、このことは、必ずしも必要な形態ではない。すなわち、出射するレーザビーム5の放射方向が、入射するレーザビーム5の放射方向に対して相対的に所定の角度、たとえば90°の角度を成して(すなわちY方向に)延びていてもよい。
図2aに同じく認めることができるように、レーザビーム5は、ビーム拡幅装置14からの出射時に、ビーム拡幅装置14への入射時のレーザビーム5のビーム直径d
1の約2〜3倍に相当するビーム直径d
2(すなわち、d
2=2.0〜3.0×d
1)を有している。
【0025】
図2aには、ビーム拡幅装置14が基本位置で示してある。この基本位置では、第1の軸外し放物面鏡15の回転対称軸線17と第2の軸外し放物面鏡16の回転対称軸線18とが重なり合っている。すなわち、両軸外し放物面鏡15,16の頂点S
1,S
2が、共通の回転対称軸線17,18上に位置している。レーザビーム5の(折り畳まれた)ビーム軸線19に沿って測定された両放物面鏡15,16の間の間隔Aは、基本位置では、両放物面鏡15,16の焦点位置F
1,F
2が重なり合うように選択されている。こうして、望遠鏡配置を成す両放物面鏡15,16による拡幅時に、(理論的に)収差なしの結像を達成することができる。
【0026】
EUV放射線を発生させるためには、レーザビーム5の発散度(もしくは収束度)を調整可能にすることが有利である。この目的のために、ビーム拡幅装置14は運動装置20を有している。この運動装置20は、
図2aに双方向矢印によって示してあり、第2の放物面鏡16を変位軸線21に沿って運動させるために設計されている。この変位軸線21には、レーザビーム軸線の、両放物面鏡15,16の間に位置する区分と、基本位置における第1の放物面鏡15および第2の放物面鏡16の焦点位置F
1,F
2とが含まれている。運動装置20は、ガイド手段(図示せず)、たとえばガイドレールまたはこれに類するものと、アクチュエータ(駆動装置、たとえばリニア駆動装置)とを有している。このアクチュエータは、第2の放物面鏡16を変位軸線21に沿って運動させるために、第2の放物面鏡16の保持手段(図示せず)に連結されている。
【0027】
変位軸線21に沿った第2の放物面鏡16の、両鏡15,16の間の間隔Aの最大の変位幅を規定する最大の運動距離Wは、本形態では、約100mmに設定されている。この場合には、
図2aに示した静止位置を起点として、運動距離の最初の半分(W/2)を間隔Aの減少のために利用することができ、残りの半分を間隔Aの増加のために利用することができる。すなわち、間隔Aは運動装置20によってA−W/2とA+W/2との間で変化させることができる。当然ながら、運動距離Aの可変の増減の配分が、上述した配分と異なる割合で行われてもよい。特に運動装置20は、場合により、
図2aに示した基本位置を起点として、間隔Aの短縮(または増加)しか可能とならないように設計されてもよい。
【0028】
図2bには、ビーム拡幅装置14が、第2の放物面鏡16が変位軸線21に沿って量W’だけ変位させられている位置で示してある。これによって、両放物面鏡15,16の間に距離A’が生じる。この距離A’は、基本位置における間隔AとA’=A+W’のような関係にある。
図2bに同じく認めることができるように、図示の位置では、放物面鏡15,16の回転対称軸線17,18同士がもはや重なり合っていない。第2の放物面鏡16の焦点位置F
2’と頂点S
2’とが相応に変位させられている。
【0029】
図3に認めることができるように、両反射表面15a,16aの間の増加させられた間隔A’によって、レーザビーム5がより大きく拡幅され、ビーム拡幅装置14からの出射時には、第2の放物面鏡16以降、
図2aに示した基本位置におけるビーム直径d
2に比べて、変位距離W’(=A’−A)に関連して、量Δd
2だけ拡径されたビーム直径を有している。当然ながら、間隔A(
図2a参照)の短縮によって、相応に縮径されたビーム直径が形成可能である。
【0030】
同じく
図3に基づき認めることができるように、基本位置からの光学表面15a,16a同士の間の間隔Aの増加によって、レーザビーム5のビーム伝搬方向に対するレーザビーム5の(半分の)開き角αの変化も生じる。すなわち、出射するレーザビーム5が、数ミリラジアンの範囲内にある開き角αで収束する。この開き角αは、明示のために、
図2bに誇張して大きく示してある。相応して、基本位置からの光学表面15a,16a同士の間の間隔Aの減少によって、出射して発散するレーザビーム5を発生させることができる。したがって、全体として、間隔の変更によって、レーザビーム5の発散度/収束度に意図的に影響を与えることができる。
【0031】
特にレーザビーム5の発散度/収束度は、目下EUVビーム発生装置1に存在している状況に関連して動的に調整することができる。この存在している状況は、1つには、(いわば静的な)設置条件によって与えられており、もう1つには、EUVビーム発生装置1の熱的な状態によって与えられている。この熱的な状態は、特に構成部材の動的な熱的な特性によって特徴づけられている。
【0032】
図2aと
図2bとの間の比較および
図3から明らかであるように、変位方向21に沿った第2の放物面鏡16の運動によって、変位距離W’に関連した量ΔYだけ、Y方向への、変向ミラー9に衝突するレーザビーム5のビームオフセットも生じる。このビームオフセットを補償するためには、変向ミラー9と、この変向ミラー9にビーム路内で続く後続の変向ミラー10とが、Z方向に延びる各傾倒軸線22,23を中心として旋回可能にかつ/またはY方向に変位可能に形成されてよい。両変向ミラー9,10の傾倒量もしくは変位量は、レーザビーム5が、さらに続く変向ミラー11に所望の位置で(かつX方向に対して平行に、すなわち、適正な角度に方向設定されて)衝突するように互いに調整される。当然ながら、レーザビーム5を所望のように集束レンズ13からターゲット位置6に集束させることが確保されているようにするために、ビームオフセットの補償は、択一的または付加的に、後続の変向ミラー11,12によって行われてもよいし、別の方法で行われてもよい。
【0033】
図2bに示した変向ミラー9をY方向に線形に変位させることができる形態では、変向ミラー9と放物面鏡16とが、有利には互いに(機械的に)運動連結されている。すなわち、変向ミラー9と放物面鏡16とが共通の駆動装置、しかも、典型的には、運動装置20の駆動装置もしくはアクチュエータによって運動させられる。相応のガイドアッセンブリによって、Y方向への変向ミラー9および放物面鏡16の運動と、変位方向21に沿ってのX方向ならびにY方向への放物面鏡16の強制連結された運動とが生じる。こうして、変向ミラー9と放物面鏡16との互いに独立し合った2種類の運動を調整するための制御装置を省略することができる。変向ミラー9が変位可能に支承されている形態では、この変向ミラー9が必ずしも付加的に傾倒軸線22を中心として旋回可能に支承される必要はない(逆に、変向ミラー9が変位可能に支承されていない形態では、この変向ミラー9が傾倒軸線22を中心として旋回可能に支承されていなければならない)。
【0034】
上述したようにして、レーザビーム5のビーム直径を縮径することもできる。この目的のためには、装置14の組込み時にレーザビーム5のビーム路を逆転させさえすればよい。これによって、基本位置において(不変の)縮径が生じる。この形態では、発散度/収束度を調整するために、第1の放物面鏡15が変位軸線21に沿って変位可能に配置される。当然ながら、ビーム直径を拡径するための装置だけでなく、縮径するための装置でも、場合により、両放物面鏡15,16が運動装置20によって変位軸線21に沿って運動させられてよい。ビーム直径を縮径するための装置は、ビーム直径を拡径するための上述した装置14に対して択一的または付加的にビームガイド装置3に配置することができる。
【0035】
当然ながら、ビーム直径を拡径するための光学装置14もしくは縮径するための光学装置は、レーザビーム5の収束度もしくは発散度を調整する上述した可能性と組み合わせて、EUVレーザ放射線を発生させるためのビームガイド装置だけでなく、別の光学アッセンブリ、特に極めて長いビーム路を有する光学アッセンブリのビームガイド装置にも有利に使用することができる。