(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トリミング及び/又は穿刺処理を実施するように構成された第1ポストオペレーションツールを更に備え、前記第1ポストオペレーションツールは前記プレスツールの下流に配置され、
― 各金型は使用時に前記半加工品に対面する一又は複数の作業面を備える上部及び下部第1ポストオペレーションツール嵌合金型、及び
― 前記上部本体に締結された前記上部第1ポストオペレーションツール金型と前記下部本体に締結された前記下部第1ポストオペレーションツール金型、及び
― 前記作業面上に配置された一又は複数の切断ブレードを備える前記金型、及び
― 前記半加工品を前記プレスツールから前記第1ポストオペレーションツールまで移送するように更に構成された前記半加工品移送機構
を備える、請求項1に記載の装置。
トリミング及び/又は穿刺処理を実施するように構成された第2ポストオペレーションツールを更に備え、前記第2ポストオペレーションツールは前記第1ポストオペレーションツールの下流に配置され、
― 各金型は使用時に前記半加工品に対面する一又は複数の作業面を備える上部及び下部第2ポストオペレーションツール嵌合金型、及び
― 前記上部本体に締結された前記上部第2ポストオペレーションツール金型と前記下部本体に締結された前記下部第2ポストオペレーションツール金型、及び
― 前記作業面上に配置された一又は複数の切断ブレードを備える前記金型、及び
― 前記半加工品を前記第1オペレーションツールから前記第2ポストオペレーションツールまで移送するように更に構成された前記半加工品移送機構
を備える、請求項2に記載の装置。
前記第2ポストオペレーションツールは、上部金型と下部金型の各作業面に沿って、使用時に前記第2ポストオペレーションツールの位置に配置された前記半加工品を変形するために、前記上部金型と前記下部金型との間の距離を調整するように構成された調整装置を含み、前記調整装置は前記半加工品の厚みを検出するように構成されたセンサシステムに基づいて制御される、請求項3に記載の装置。
前記冷却金型の、及び/又は前記プレス金型の、及び/又は前記第1ポストオペレーションツール金型の、及び/又は前記第2ポストオペレーション金型の温度は、前記金型で測定された温度に基づいて調整されるように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
請求項14に記載の方法を含む熱間成形された構造コンポーネントを更に穿刺及び/又はトリミング並びに校正して成形するための方法であって、請求項3に従属するとき、
― 前記構造コンポーネントを前記第1ポストオペレーションツールから前記第2ポストオペレーションツールまで移送すること、
― 前記構造コンポーネントをプレスするための最終の所望位置に到達するまで、前記プレス固定式下部本体に対して前記プレス可動式上部本体の下向きプレス行程を与えること、
― 前記切断ブレードを使用して前記構造コンポーネントを切断及び/又は穿孔すること、
― 前記構造コンポーネントが上部金型と下部金型の各作業面に沿って変形されうるように、前記上部金型と前記下部金型との間の距離を調整すること
を更に備える方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、実施例による多段階プレスシステムを概略的に表わしている。システム1は、固定式下部本体2、可動式上部本体3、並びに固定式下部本体2に対して可動式上部本体3の上向き及び下向きプレス行程を与えるように構成された機構(図示せず)を備える。
【0021】
固定式下部本体2は、金属の大きなブロックでありうる。この具体例では、固定式下部本体2は据付型であってもよい。幾つかの実施例では、固定式下部本体2に組み込まれた金型クッション(図示せず)が提供されうる。このクッションは、半加工品ホルダの力を受け止めて制御するように構成されうる。可動式上部本体3はまた、中実の金属片となりうる。可動式上部本体3は、ストロークサイクル(上下運動)をもたらしうる。
【0022】
プレスシステムは毎分約30ストロークを実施するように構成されており、したがって各ストロークサイクルは約2秒となりうる。ストロークサイクルは、更なる例では異なりうる。
【0023】
プレスの機構は、機械的に、油圧的に、又はサーボ機構的に駆動されうる。固定式下部本体2に対する可動式上部本体3の行程は、この機構によって決定されうる。この具体例では、プレスはサーボ機構プレスであって、その結果、ストローク中に一定のプレス力がもたらされうる。サーボ機構プレスには、無制限のスライド(ram)速度及び位置制御が提供されうる。サーボ機構プレスにはまた、任意のスライド位置で充分に有効な範囲のプレス力が提供され、これによって、プレスの大きな柔軟性が実現されうる。サーボ駆動プレスは、金属成形時のプロセス条件及び生産性を改善する能力を有しうる。プレスは、例えば、2000Tnのプレス力を有しうる。
【0024】
幾つかの例では、プレスは機械プレスであってもよく、その結果、固定式下部本体2に向かうプレス力行程は、駆動及び蝶番系統に依存しうる。したがって、機械プレスは、単位時間あたり高いサイクルに到達しうる。別法として、油圧プレスも使用されうる。
【0025】
あらかじめ加熱された半加工品を冷却するように構成された冷却ツール10が
図1に示されている。冷却ツール10は、上部嵌合金型11及び下部嵌合金型12を備えうる。各金型は、使用時に熱間成形される半加工品(図示せず)に対面する上部作業面15及び下部作業面16を備えうる。
【0026】
下部金型12は、下部金型12を下部本体2から所定の第1の距離にある位置へ付勢するように構成された、第1下部バイアスエレメント13及び第2下部バイアスエレメント14によって、下部本体2に接続されうる。幾つかの例では、単一の下部バイアスエレメントが提供されてもよく、或いは2つ以上の下部バイアスエレメントが提供されうる。バイアスエレメントは、例えば、機械ばねやガススプリングなどのばねを含みうるが、油圧機構などのその他のバイアスエレメントも可能でありうる。
【0027】
ここに示されていない他の例では、上部金型11はまた、上部金型を上部本体から所定の第2の距離にある位置へ付勢するように構成された、一又は複数の上部バイアスエレメントによって、上部本体3に接続されうる。
【0028】
上部及び/又は下部バイアスエレメントの挿入により、上部金型11と下部金型12との間の接触時間は、ストロークサイクル(下部本体2に対する可動式上部本体3の上下運動)中に調整され増加しうる。
【0029】
冷却ツール内のバイアスエレメントにより、成形ツール(及び下流に配置された更なるツール)のプレス金型との接触の前に、上部冷却金型と下部冷却金型との間の接触がもたらされうる。その結果、ストロークサイクル中の冷却金型間の接触時間が増し、更なる冷却が可能になりうる。
【0030】
上部嵌合金型11と下部嵌合金型12は、例えば、チャネル(図示せず)を通って金型に供給される水及び/又は低温の圧縮空気などの、低温流体で満たされたチャネルを備えうる。
【0031】
加えて、冷却ツール10は、一又は複数の電気ヒーター又は高温の流体を導くチャネル、並びに金型の温度を制御するための温度センサを備えうる。金型を高温で動作するように適合させる他の代替手段は、例えば、予測される埋め込み型カートリッジヒーターであってもよい。これにより、厚みの異なる半加工品で、例えば、極めて急速に冷却されうる非常に薄い半加工品で作業することが可能になり、その結果、冷却ツールの柔軟性が改善されうる。センサは熱電対であってもよい。
【0032】
更に、上部嵌合金型11及び/又は下部嵌合金型12には、各金型に対応して配置される冷却システムを備える上部作業面15及び/又は下部作業面16に対向する面に配置される冷却プレート(図示せず)がそれぞれ提供されうる。冷却システムは、冷却ツールの加熱を防止するため、又は少なくとも低減するため、或いは冷却ツールを更に冷却するため、冷水又は他の任意の冷却液を順次循環するための冷却チャネルを備えうる。
【0033】
実施例では、冷却ツールには、例えばピン及び/又は案内装置などのセンタリングエレメントが提供されうる。
【0034】
この例では、半加工品を成形する、又は引き込むように構成されたプレスツール20も提供される。プレスツール20は、冷却ツール10の下流に配置される。プレスツール20は、上部嵌合金型21及び下部嵌合金型22を備える。
【0035】
上部金型21は、使用時に熱間成形される半加工品に対面する上部作業面23を備えうる。下部金型22は、使用時に熱間成形される半加工品に対面する下部作業面24を備えうる。上部作業面23に対向する上部金型の側面は、上部本体3に締結され、下部作業面22に対向する下部金型の側面は、下部本体2に締結されうる。
【0036】
上部嵌合金型21及び下部嵌合金型22は、例えば、チャネルを通って金型に供給される水及び/又は低温の空気などの、低温流体で満たされたチャネルを備えうる。水チャネルの場合、チャネルでの水の循環速度は高速なことがあり、これにより水の蒸発は回避されうる。制御システムが更に提供されうるため、金型の温度は制御されうる。
【0037】
実施例では、プレスシステム20には、半加工品を保持し、半加工品を下部金型22の上に位置決めするように構成された半加工品ホルダが提供されうる。半加工品ホルダにはまた、半加工品ホルダを下部金型22から所定の距離にある位置へ付勢するように構成された一又は複数のバイアスエレメントが提供されうる。
【0038】
トリミング及び/又は穿刺処理を実施するように構成された第1ポストオペレーションツール30が提供されうる。第1ポストオペレーションツール30は、プレスツール20の下流に配置されうる。第1ポストオペレーションツール30は、上部嵌合金型32及び下部嵌合金型31を含みうる。上部嵌合金型32は上部作業面33を備え、下部嵌合金型31は下部作業面34を備えうる。両作業面は使用時に半加工品に対面する。
【0039】
上部作業面33に対向する上部金型32の側面は上部本体3に締結され、下部作業面34に対向する下部金型31の側面は下部本体2に締結されうる。金型は、作業面上に配置された一又は複数のナイフ或いは切断ブレード(図示せず)を備えうる。
【0040】
第1ポストオペレーションツール30は、一又は複数の電気ヒーター或いは高温流体を導くチャネル、並びに金型の温度を制御するための温度センサを備えうる。センサは熱電対であってもよい。幾つかの実施例では、使用時に上部金型と下部金型との間に配置される半加工品の温度は、所定の温度、例えば200℃超に維持することが望ましい。
【0041】
200℃又はこれに近い値では、0.22%のC、1.2%のSi、2.2%のMn及び更なる元素を含有する亜鉛被覆を有する半加工品の強度は約800MPaで、これはブレードでの損傷を防止するための限界となりうる。このように、温度を200℃超に保つことは切断ブレードでの損傷を防止しうる。この制御はオン・オフ制御であってもよいが、温度を維持するため他の何らかの制御も実装されうる。
【0042】
幾つかの実施例では、上部嵌合金型32及び下部嵌合金型31は、例えば、チャネルを通って金型に供給される水及び/又は低温の空気などの、低温流体で満たされたチャネルを備えうる。
【0043】
実施例では、第1ポストオペレーションツール30には、半加工品を保持し、半加工品を下部金型31の上に位置決めするように構成された半加工品ホルダ(図示せず)が提供されうる。半加工品ホルダにはまた、半加工品ホルダを下部金型から所定の距離にある位置へ付勢するように構成された一又は複数のバイアスエレメントが提供されうる。
【0044】
第2ポストオペレーションツール40が提供される。第2ポストオペレーションツール40はまた、更なるトリミング及び/又は穿刺処理を実施するように構成されうる。第2ポストオペレーションツール40は、第1ポストオペレーションツール30の下流に配置されうる。第2ポストオペレーションツール40は、上部嵌合金型42及び下部嵌合金型41を備えうる。上部嵌合金型42は上部作業面43を備え、下部嵌合金型41は下部作業面44を備えうる。両作業面は使用時に、熱間成形される半加工品に対面しうる。作業面は平たんでないことがあり、例えば、作業面は突出部分又は凹部を含みうる。
【0045】
プレスツール40での金型は、熱間成形される半加工品とは異なる温度を有することがあり、そのため、膨張が考慮されうる。このように、金型は、均衡を保つために、熱間成形される半加工品よりも2%高温になりうる。
【0046】
作業面43に対向する上部金型42の側面は、上部本体3に締結されうる。作業面44に対向する下部金型41は下部本体2に締結されている。
【0047】
金型は、作業面上に配置された一又は複数のナイフ或いは切断ブレードを備えうる。
【0048】
幾つかの実施例では、上部金型42と下部金型41との間の距離を調整するように構成された、調整装置(図示せず)が提供されうる。このように、使用時に上部金型42と下部金型41との間に配置された半加工品は、上部金型と下部金型の各々の作業面に沿って変形されうる。
【0049】
変形(及びその結果として、半加工品の校正)を行うために上部金型42と下部金型41との間の距離の調整が実施されると、熱間成形される半加工品の許容誤差が改善されうる。幾つかの実施例では、熱間成形される半加工品は、最適化されていない厚みの領域、例えば、半加工品の他の部分よりも大きな厚みの領域を有することがあるため、厚みは最適化されなければならない。
【0050】
平坦でない作業面のこの配置により、作業面の選択された部分(例えば、半加工品の湾曲部分の近傍)での距離は、最適化されていない厚みの領域又はその近傍で調整されることがあり、これにより、材料は変形されうる。すなわち、最適化されていない厚みの領域に隣接するゾーンに強制的に送られ、その結果、半加工品に沿って一定の厚みが実現されうる。
【0051】
実施例では、調整装置は、半加工品の厚みを検出するように構成されたセンサシステムに基づいて制御されうる。
【0052】
幾つかの実施例では、第2ポストオペレーションツール40には、半加工品を保持し、半加工品を下部金型41の上に位置決めするように構成された半加工品ホルダ(図示せず)が提供されうる。半加工品ホルダにはまた、半加工品ホルダを下部金型から所定の距離にある位置へ付勢するように構成された一又は複数のバイアスエレメントが提供されうる。
【0053】
更なる実施例では、ツールの金型がより低い或いはより高い温度で動作するように適合する他の方法が予想されうる。
【0054】
形状が実質的に正方形又は長方形を有する金型を表わしていても、ブロックは他の任意の形状を有すること、部分的に丸い形状を有することもありうることを理解されたい。
【0055】
自動移送装置(図示せず)、例えば、複数の産業用ロボット或いはコンベアはまた、ツール間で半加工品の移送を実施するように提供されうる。
【0056】
すべての実施例で、温度を制御するための温度センサ及び制御システムが、任意のツール又は移送システムに提供されうる。これらのツールにはまた、更なる冷却システム、半加工品ホルダなどが提供されうる。
【0057】
図2aから
図2dは、実施例に従って半加工品を冷却するための方法を実施する間の一連の状況を概略的に示している。同一の参照番号は同一のエレメントを示す。本方法は、
図2aから
図2dによって示される一連の状況を参照して、以下で説明される。
【0058】
簡略化するため、角度への言及が
図2a(及び以降の図)に関連する記述に含まれる場合もある。角度への言及は、下部本体に対する上部本体のおおよその位置を示すために使用されうる。したがって、例えば、上部本体が下部本体に対して0度の位置にあるという言及は、上部本体が下部本体に対して最高位置にあることを示し、また、180度は上部本体が下部本体に対して最低位置(完全に接触する位置)にあることを示す。360度は、上部本体が再び最高位置にあることを意味する。
【0059】
図2aでは、亜鉛被覆を有する超高硬度鋼(UHSS)から熱間成形される半加工品100が提供されうる。幾つかの実施例では、UHSSは、例えば、約0.22%のC、1.2%のSi、2.2%のMnを含有しうる。Si及びMnの量によって、室温での半加工品の硬化を可能にしうるため、クエンチングが回避されうる(また、その結果、半加工品の製造プレス時間が短縮されうる)。しかも、クエンチング段階での追加冷却の金型は冷却中に閉じられたままになっていないため、プレスストロークサイクルも短縮されうる。材料は、Mn、Al、Ti、B、P、S、Nを種々の比率で更に含みうる。
【0060】
発明者らは、このような亜鉛被覆を有する超高硬度鋼(UHSS)は、860℃〜870℃の間にAc3変態点(オーステナイト変態点、これ以降「Ac3点」と呼ぶ)を有し、例えば、上述の鋼組成のAc3は約867℃となりうることを明らかにした。Ms変態点(マルテンサイト開始温度、これ以降「Ms点」と呼ぶ)は、380℃〜390℃の間にありうる。上述の鋼組成では、Msは約386℃となりうる。Mf変態点(マルテンサイト終了温度、これ以降「Mf点」と呼ぶ)は、270℃又はこれに近い値となりうる。
【0061】
種々の鋼組成が使用されうる。特に、欧州特許EP2735620A1に記載された鋼組成は好適とみなされうる。具体的な言及は、EP2735620の表1及び段落0016から段落0021、並びに段落0067から段落00790の考察部分を参照されたい。
【0062】
半加工品100は、少なくともオーステナイト形成温度に到達するように加熱されうる。加熱は、炉などの加熱装置(図示せず)で実施されうる。この具体的な実施例では、半加工品を加熱する最大温度は、被覆によって決定されうる。亜鉛の融点(及び、結果的に蒸発温度)は910℃又はこれに近い値になりうるため、加熱装置で半加工品100を加熱する最大温度は、約910℃未満に設定されうる。このように、半加工品100は、Ac3よりも高いが、亜鉛の蒸発温度である910℃又はこれに近い値よりも低い温度まで加熱されうる。したがって、加熱は867℃から910℃の間、好ましくは890℃又はこれに近い値で実施されうる。加熱される時間は約6分間となることもあるが、半加工品の厚みに依存する。
【0063】
半加工品100がこの図には示されていない所望の温度まで加熱されると、半加工品100は冷却ツール10まで移送される。これは、自動移送装置(図示せず)、例えば、複数の産業用ロボット又はコンベアによって実施されうる。炉(図示せず)と冷却ツール10との間で半加工品を移送する時間は2〜3秒となりうる。
【0064】
幾つかの実施例では、冷却ツールの上流にピン及び/又は案内装置などのセンタリングエレメントが提供され、これによって半加工品は適切にセンタリングされうる。
【0065】
プレス上部本体3は、プレス機構を使用して開放位置(0度の位置)に配置されうる。半加工品100は、上部金型11と下部金型12との間に配置されうる。幾つかの実施例では、半加工品は半加工品ホルダ上に配置されうる。下部金型12は、第1下部バイアスエレメント13及び第2下部バイアスエレメント14を使用して、下部本体2に対して所定の距離で変位されうる。
【0066】
上述のように、バイアスエレメントは、例えば、機械ばねやガススプリングなどのばねを含みうるが、油圧機構などのその他のバイアスエレメントも可能でありうる。油圧機構は受動機構であってもよく、或いは能動機構であってもよい。
【0067】
このように、下部金型12(及び、結果的に下部金型12上に配置された半加工品100)は、下部本体2から第1の所定の位置(下部金型が上部金型に対して90度から150度の間で接触しうる位置)に配置されうる。
【0068】
図2bでは、プレスには、固定式下部本体に対する可動式上部本体の下向きプレス行程が与えられ、その結果、上部金型11は下部金型12に向かって移動されうる(また、結果的に、半加工品は下部金型上に配置される)。
【0069】
上部金型11は、第1の所定の位置(90度から150度の間の位置)で、冷却ツール上部金型11と冷却ツール下部金型12との間に配置された半加工品100に接触しうる。
【0070】
図2cでは、半加工品に90度から150度の間で接触すると、上部金型11は半加工品100の冷却を開始しうる。半加工品をプレスすることによって、第1下部バイアスエレメント及び第2下部バイアスエレメントは、半加工品100をプレスして冷却する最終の所望位置(180度の位置)に到達するまで、変形されうる。
【0071】
図2dでは、最終の所望位置(180度の位置)に到達すると、プレス機構によって、上部本体の上向きプレス行程が与えられうる。上部金型と半加工品との間の最終接触は、下部本体に対して上部本体(及び、結果的に上部金型)が210度の位置と270度の位置との間になりうる。第1下部バイアスエレメント13及び第2下部バイアスエレメント14は、元の位置に戻りうる、すなわち、伸長されうる。このように、半加工品100が上部金型にはじめて接触してから接触を終えるまでの時間、すなわち、半加工品が冷却される時間は、0.33〜1秒となりうる。
【0072】
既に述べたように、半加工品100がプレスされる間、半加工品は冷却機器を使用して冷却されうる。亜鉛被覆を有する超高硬度鋼(UHSS)は、プレスツールでの温度が600℃を超えると微小亀裂を示すことがありうることが明らかにされている。このように、半加工品は、プレスツールへ移送される前に600℃未満の温度まで、好ましくは550℃又はこれに近い値まで冷却されてもよく、その結果、微小亀裂は低減されうる。
【0073】
半加工品100は、890℃又はこれに近い値まで、例えば、炉であらかじめ加熱されうることは、既に述べたとおりである。半加工品は冷却ツール10へ移送されることがあり、その結果、移送期間中に温度は750℃から850℃まで低減されうる。このアレンジメントにより、半加工品100は、750℃から850℃の間で冷却ツール10に配置されうる。次いで、半加工品は、570℃又はこれに近い値まで冷却されうる。これにより、冷却速度は200〜800℃/秒となり、幾つかの実施例では、500℃/秒又はこれに近い値になる。
【0074】
プレスシステム3に組み込まれた冷却ツール10により、半加工品を外部の冷却ツールから移送するための余分な動きが回避されうるため、半加工品を冷却するための時間が最適化されうる。これはまた、時間も節約する。更に、ツール間での半加工品の動きは制限されうるため、冷却速度は容易に制御される。
【0075】
図2eから
図2hは、実施例に従って半加工品を引き込むための方法を実施する間に起こる、一連の状況を概略的に示している。同一の参照番号は同一のエレメントを示す。本方法は、
図2eから
図2hによって示される一連の状況を参照して、以下で説明される。
【0076】
図2eでは、半加工品100は既に冷却されているため、半加工品100は冷却ツール10からプレスツール20まで移送される準備が整っている。移送は、自動移送装置(図示せず)、例えば、複数の産業用ロボット又はコンベアによって実施されうる。上述のように、半加工品は、570℃又はこれに近い温度で移送されうる。移送時間により、半加工品100は、成形ツールに到達するときには、550℃又はこれに近い温度まで冷却されうる。半加工品100は、移送装置によって、半加工品ホルダを使用する下部金型22上に位置決めされうる。幾つかの実施例では、プレス下部金型22に対する半加工品ホルダの距離は一又は複数のバイアスエレメントを使用して調整されうる。
【0077】
移送装置は同一のプレスシステムに組み込まれているため、移送時間はより短く、温度制御はより良好である。
【0078】
半加工品100が下部金型22へ移送される、又はその上に位置決めされる間、半加工品200を冷却ツール10へ提供するため、自動移送システムが動作されうる。その結果、冷却ツール10は、半加工品を冷却するため、処理を開始しうる。この処理は、前述のように実施されうる。更に、この処理は、プレスツール20の処理と同時に実施されうる。
【0079】
このように、プレス上部本体3は、プレス機構を使用して開放位置(0度の位置)に再度配置されうる。半加工品100は、プレスツール上部金型21とプレスツール下部金型22との間に配置されうる。
【0080】
図2fでは、プレス1には、固定式下部本体2に対して、可動式上部本体3の下向きプレス行程が与えられ、その結果、上部金型21は下部金型22に向かって移動されうる。
【0081】
図2gでは、上部金型21は、プレスツール上部金型21とプレスツール下部金型22との間に、約180度の位置で配置された半加工品100に接触しうる。半加工品に接触すると、上部金型21は半加工品100のプレスと引き込みを開始しうる。
【0082】
図2hでは、最終の所望位置に到達すると、上向きのプレス行程が与えられる。成形ツールの上部金型の作業面と半加工品との間の最後の完全な接触(及び、結果的に引き込み処理の終わり)は、180度から210度の間の位置になりうる。半加工品と半加工品ホルダとの間の最後の接触は、例えば、210度から270度の間になりうる。
【0083】
半加工品100の温度は、300℃又はこれに近い温度に到達するまで、低減されうる。プレスツールには冷却システムが備えられうる。冷却ツールはコントローラによって制御されてもよく、その結果、半加工品100の温度は所望の温度まで低減され維持されうる。
【0084】
同時に、半加工品200は、冷却システム10を使用して、プレスされ冷却されうる。半加工品200を有する冷却ツール10の処理は、上述と同じになりうる。
【0085】
図2iから
図2lは、実施例による同一の半加工品を穿刺及び/又はトリミングするための方法を実施する間に発生する、一連の状況を概略的に示している。同一の参照番号は同一のエレメントを示す。本方法は、
図2iから
図2lによって示されている一連の状況を参照して、以下で説明される。
【0086】
図2iでは、半加工品100はまた、既に引き込まれており、その結果、半加工品はプレスツール20から第1ポストオペレーションツール30、例えば、穿刺又はトリミングオペレーションツールへ移送される準備が整っている。移送は、自動移送装置(図示せず)、例えば、複数の産業用ロボット又はコンベアによって実施されうる。既に述べたように、半加工品100はプレスツール20を離れ、300℃又はこれに近い温度で移送されうる。移送時間があるため、半加工品100は280℃又はこれに近い温度まで冷却されることがあり、その結果、この温度で第1ポストオペレーションツールに配置される。半加工品100は、下部金型31の上、並びに下部金型31と上部金型32との間に配置されうる。
【0087】
図2jでは、半加工品100が下部金型31の上に移送又は位置決めされると、半加工品200をプレスツール20に供給するため、並びに半加工品300を冷却ツール10に供給するため、自動移送システムが操作されうる。その結果、冷却ツール10は、上述ように半加工品300をプレスして冷却するため、処理を開始しうる。同時に、プレスツール20はまた、上述のように半加工品300を引き込んで冷却するため、処理を開始しうる。
【0088】
このように、プレス上部本体32は、プレス機構を使用して、開放位置(0度の位置)に配置されうる。プレス1には、固定式下部本体2に対する可動式上部本体3の下向きプレス行程が与えられ、その結果、上部金型32は下部金型31に向かって移動されうる。
【0089】
図2kでは、上部金型32は、最終の所望位置(180度又はその近傍)に到達するまで、プレスツール上部金型32とプレスツール下部金型31との間に配置された半加工品100に接触しうる。
【0090】
プレスが半加工品100に接触している間に、切断ブレード又は他の何らかの切断エレメントを使用して、穿刺処理が実施されうる。穿刺処理が終了すると、トリミング処理が実施されうる。代替的な実施例では、トリミング処理は最初に実施されてもよく、トリミング処理が一旦終了した後に実施されてもよい。
【0091】
半加工品100にポストオペレーションが行われている間に、半加工品は上述の加熱装置を使用することによって加熱されうる。亜鉛被覆を有する超高硬度鋼(UHSS)は、200℃又はこれに近い温度で、800MPa又はこれに近い値の強度を有しうる。これは、トリミング及び/又は穿刺処理などの処理を実施するために可能な最大強度となりうる。このように、温度制御システムを有する加熱システムが提供されるため、半加工品100の温度は200℃超に維持されうる。このアレンジメントにより、半加工品の強度は、穿刺及び/又はトリミングされるのに十分な値に維持されうる。
【0092】
図2lでは、最終の所望位置(180度の位置)に到達すると、上向きのプレス行程が与えられる。上部金型32の作業面と半加工品100との間の最後の完全な接触(及び、結果的に処理の終わり)は、180度から210度の間の位置になりうる。半加工品と半加工品ホルダとの間の最後の接触は210度から270度の間で起こりうる。
【0093】
図2mから
図2pは、実施例に従う半加工品の更なる穿刺及び/又はトリミングのための方法の実施中に起こる一連の状況を概略的に示している。同一の参照番号は同一のエレメントを示す。本方法は、
図2mから
図2pで示した一連の状況を参照して、以下で説明される。
【0094】
図2mでは、半加工品100は、第1ポストオペレーションツール30から第2ポストオペレーションツール40、例えば、穿刺、トリミング及び校正ツールへ移送されうる。移送は、自動移送装置(図示せず)、例えば、複数の産業用ロボット又はコンベアによって実施されうる。既に述べたように、半加工品100は第1ポストオペレーションツール30を離れ、200℃又はこれに近い温度で移送されうる。
【0095】
図2nでは、半加工品100は、例えば、半加工品ホルダを使用して、下部金型41の上に配置される。半加工品は、下部金型41と上部金型42との間に配置されうる。
【0096】
半加工品100が下部金型41の上に移送又は位置決めされる間に、半加工品200を第1ポストオペレーションツール30に、半加工品300をプレスツール20に、並びに半加工品400を冷却ツール10に供給するため、自動移送システムが操作されうる。その結果、冷却ツール10は、半加工品400をプレスして冷却するために、処理を開始しうる。同時に、プレスツール20及び第1ポストオペレーションツール30は、それぞれその処理を開始しうる。ツールの処理は、既に述べたように、同じであってもよい。
【0097】
図2oでは、プレス上部本体42は、プレス機構を使用して、開放位置(0度の位置)に配置されうる。プレス1には、固定式下部本体2に対する可動式上部本体3の下向きプレス行程が与えられ、その結果、上部金型42は下部金型41に向かって移動されうる。上部金型42は、最終の所望位置(下部本体に対して上部金型が180度又はその近傍)で、上部金型41と下部金型42との間に配置される半加工品に接触しうる。
【0098】
プレスが半加工品100に接触している間に、切断ブレードを使用して、穿刺処理が実施されうる。穿刺処理が終了すると、トリミング処理が実施されうる。代替的な実施例では、トリミング処理は最初に実施されてもよく、トリミング処理が一旦終了した後に実施されてもよい。
【0099】
加えて、校正処理が実施され、その結果、半加工品の許容誤差が改善されうる。このように、上部金型42と下部金型41との間の距離は、調整装置を使用して調整されうる。調整装置は、半加工品100の厚みを検出するように校正されたセンサシステム(図示せず)に基づいて制御されうる。実施例に従って、半加工品は上部金型42及び下部金型41によってプレスされ、その結果、一定の厚みの半加工品が実現されうる。
【0100】
第2ポストオペレーションツールの処理が終了すると、半加工品100は室温で移送されて硬化されうる。
【0101】
図2pでは、最終の所望位置(180度の位置)に到達すると、上向きのプレス行程が与えられる。上部金型32の作業面と半加工品100との間の最後の完全な接触(及び、結果的に第2の処理の終わり)は、180度から210度の間の位置になりうる。半加工品と半加工品ホルダとの間の最後の接触は210度から270度の間で起こりうる。
【0102】
プレスによって上向きの運動を適用することによって開放位置(0度の位置)に到達すると、半加工品100は移送されて室温で硬化されうる。同時に、半加工品500を冷却ツール10に、半加工品200を第2ポストオペレーションツール40に、半加工品300を第1ポストオペレーションツール30に、並びに半加工品400をプレスツール20に供給するために、自動移送システムが操作されうる。その結果、すべてのツールは既に述べたように操作を開始しうる。
【0103】
幾つかの実施例では、半加工品100の形状に応じて、引き込み及び他の処理、例えば、穿刺及び/又はトリミングなどの処理が提供されうる。更なる実施例では、ポストオペレーションの順序は交換可能である(例えば、最初に切断して次に校正する、或いはその逆)。
【0104】
完全を期すべく、本開示の様々な態様を、以下の付記に記載する。
【0105】
付記1. 熱間成形構造コンポーネントを製造するためのプレスシステムであって、前記システムは、固定式下部本体、可動式上部本体、並びに前記固定式下部本体に対して前記可動式上部本体の上向き及び下向きプレス行程を与えるように構成された機構を備え、
― あらかじめ加熱された半加工品を冷却するように構成された冷却ツールであって、
― 各冷却金型は使用時に前記半加工品に対面する一又は複数の作業面を備える上部及び下部嵌合冷却金型、及び
― 前記下部冷却金型を前記下部本体から所定の第1の距離にある位置へ向かって付勢するように構成された一又は複数の下部バイアスエレメントによって前記下部本体に接続された前記下部冷却金型、及び/又は、前記上部冷却金型を前記上部本体から所定の第2の距離にある位置へ向かって付勢するように構成された一又は複数の上部バイアスエレメントによって前記上部本体に接続された前記上部冷却金型
を備える冷却ツールと、
― 前記半加工品を引き込むように構成されたプレスツールであって、前記冷却ツールの下流に配置され、
― 各プレス金型は使用時に前記半加工品に対面する一又は複数の作業面を備える上部及び下部嵌合プレス金型、及び
― 前記上部本体に締結された前記上部プレス金型及び前記下部本体に締結された前記下部プレス金型
を備えるプレスツールと、
― 前記半加工品を前記冷却ツールから前記プレスツールまで移送する半加工品移送機構と
を備えるプレスシステム。
【0106】
付記2. トリミング及び/又は穿刺処理を実施するように構成された第1ポストオペレーションツールを更に備え、前記第1ポストオペレーションツールは前記プレスツールの下流に配置され、
― 各金型は使用時に前記半加工品に対面する一又は複数の作業面を備える上部及び下部第1ポストオペレーションツール嵌合金型、及び
― 前記上部本体に締結された前記上部第1ポストオペレーションツール金型と前記下部本体に締結された前記下部第1ポストオペレーションツール金型、及び
― 前記作業面上に配置された一又は複数の切断ブレードを備える前記金型、及び
― 前記半加工品を前記プレスツールから前記第1ポストオペレーションツールまで移送するように更に構成された前記半加工品移送機構
を備える、付記1に記載のシステム。
【0107】
付記3. トリミング及び/又は穿刺処理を実施するように構成された第2ポストオペレーションツールを更に備え、前記第2ポストオペレーションツールは前記第1ポストオペレーションツールの下流に配置され、
― 各金型は使用時に前記半加工品に対面する一又は複数の作業面を備える上部及び下部第2ポストオペレーションツール嵌合金型、及び
― 前記上部本体に締結された前記上部第2ポストオペレーションツール金型と前記下部本体に締結された前記下部第2ポストオペレーションツール金型、及び
― 前記作業面上に配置された一又は複数の切断ブレードを備える前記金型、及び
― 前記半加工品を前記第1オペレーションツールから前記第2ポストオペレーションツールまで移送するように更に構成された前記半加工品移送機構
を備える、付記2に記載のシステム。
【0108】
付記4. 前記第2ポストオペレーションツールは、上部金型と下部金型の各作業面に沿って、使用時に前記第2ポストオペレーションツールの位置に配置された前記半加工品を変形するために、前記上部金型と前記下部金型との間の距離を調整するように構成された調整装置を含み、前記調整装置は前記半加工品の厚みを検出するように構成されたセンサシステムに基づいて制御される、付記3に記載のシステム。
【0109】
付記5. 前記第1ポストオペレーションツールの前記金型は、一又は複数のヒーター又は高温流体を導くチャネルを備える、付記1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0110】
付記6. 前記ヒーター又は高温流体を導くチャネルは、前記金型で測定された温度に基づいて、前記半加工品の前記温度を200℃超に維持するように構成されている、付記5に記載のシステム。
【0111】
付記7. 前記冷却ツールの前記金型は、一又は複数のヒーター又は高温流体を導くチャネルを備える、付記1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0112】
付記8. 前記冷却ツールの前記金型は、冷却水を導くチャネルを備える、付記1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【0113】
付記9. 前記冷却ツールの前記金型は、空気を導くチャネルを備える、付記1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【0114】
付記10. 前記プレスツールの前記金型は、冷却水を導くチャネル及び/又は空気を導くチャネルを備える、付記1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【0115】
付記11. 前記第1ポストオペレーションツールの前記金型は、冷却水を導くチャネルを備える、付記1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【0116】
付記12. 前記第1ポストオペレーションツールの前記金型は、空気を導くチャネルを備える、付記1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【0117】
付記13. 前記冷却金型の、及び/又は前記プレス金型の、及び/又は前記第1ポストオペレーションツール金型の、及び/又は前記第2ポストオペレーションツール金型の温度は、前記金型で測定された温度に基づいて調整されるように構成されている、付記1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【0118】
付記14. 前記金型は、前記金型の前記温度を測定するように構成されている一又は複数の熱電対を備える、付記13に記載のシステム。
【0119】
付記15. 半加工品を冷却するための方法であって、
― 付記1から14のいずれか一項に記載のプレスシステムを提供すること、
― 亜鉛被覆を有する超高硬度鋼(UHSS)から熱間成形される半加工品を提供すること、
― 前記半加工品を加熱すること、
― 前記プレス機構を使用して開放位置に前記プレス上部本体を配置すること、
― 前記冷却ツールの上部嵌合金型と下部嵌合金型との間に前記半加工品を配置すること、
― バイアスエレメントを変形することによって前記半加工品をプレスするため、前記固定式下部本体に対する最終の所望位置に到達するまで、前記上部金型が前記下部金型に向かって移動されるように、前記固定式下部本体に対して前記可動式上部本体の下向きプレス行程を与えることによって、前記半加工品をプレスして冷却すること
を含む方法。
【0120】
付記16. 前記半加工品は、860℃から910℃の間のオーステナイト形成温度まで加熱される、付記15に記載の方法。
【0121】
付記17. 前記UHSSは、約0.22%のC、1.2%のSi、2.2%のMnを含む、付記15又は16に記載の方法。
【0122】
付記18. 前記UHSSは、Mn、Al、Ti、B、P、S、Nを更に含む、付記17に記載の方法。
【0123】
付記19. 前記半加工品は、500℃から600℃の間の温度まで冷却される、付記15から18のいずれか一項に記載の方法。
【0124】
付記20. 前記半加工品は、400℃/秒から600℃/秒の間の速度で冷却される、付記15から19のいずれか一項に記載の方法。
【0125】
付記21. 付記15から20のいずれか一項に記載の方法を含む半加工品を引き込む方法であって、
― 前記半加工品を前記冷却ツールから前記プレスツールまで移送すること、
― 前記半加工品を前記プレスツールの上部金型と下部金型との間に配置すること、
― 構造コンポーネントをプレスするため、前記プレス固定式下部本体に対する最終の所望位置に到達するまで、前記固定式下部本体に対して前記可動式上部本体の前向きプレス行程を与えることによって前記半加工品を引き込むこと
を更に含む方法。
【0126】
付記22. 引き込み中、前記半加工品を冷却することを更に含む、付記21に記載の方法。
【0127】
付記23. 前記半加工品は、320℃から280℃の間の温度まで冷却される、付記22に記載の方法。
【0128】
付記24. 付記21から23のいずれか一項に記載の方法を含む半加工品を穿刺及び/又はトリミングするための方法であって、付記2に従属するとき、
― 前記半加工品を前記プレスツールから前記第1ポストオペレーションツールまで移送すること、
― 成形される前記構造コンポーネントを前記第1ポストオペレーションツールの上部嵌合金型と下部嵌合金型との間に配置すること、
― 前記半加工品をプレスするため、前記プレス固定式下部本体に対する最終の所望位置に到達するまで、前記プレス固定式下部本体に対して前記プレス可動式上部本体の下向きプレス行程を与えること、
― 前記第1ポストオペレーションツールの前記切断ブレードを使用して前記半加工品を切断及び/又は穿孔すること
を更に含む方法。
【0129】
付記25. 前記第1ポストオペレーションツールに配置された前記半加工品の温度は、200℃超に維持される、付記24に記載の方法。
【0130】
付記26. 付記24又は25に記載の方法を含む熱間成形された構造コンポーネントを更に穿刺及び/又はトリミング並びに校正して成形するための方法であって、付記3に従属するとき、
― 前記構造コンポーネントを前記第1ポストオペレーションツールから前記第2ポストオペレーションツールまで移送すること、
― 前記構造コンポーネントをプレスするための最終の所望位置に到達するまで、前記プレス固定式下部本体に対して前記プレス可動式上部本体の下向きプレス行程を与えること、
― 前記切断ブレードを使用して前記構造コンポーネントを切断及び/又は穿孔すること、
― 前記構造コンポーネントが上部金型と下部金型の各作業面に沿って変形されうるように、前記上部金型と前記下部金型との間の距離を調整すること
を更に備える方法。
【0131】
付記27. 付記26に記載の方法によって入手可能である熱間成形構造コンポーネント。
【0132】
本明細書には幾つかの実施例のみが開示されているが、他の代替、修正、利用及び/又はこれらの均等物が可能である。更に、記載されている実施例の可能なすべての組み合わせも網羅される。したがって、本開示の範囲は特定の実施例によって限定されるべきではなく、これ以降の特許請求の範囲を正しく読むことによってのみ決定されるべきである。