特許第6180567号(P6180567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6180567応力解放式画像センサパッケージ構造及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180567
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】応力解放式画像センサパッケージ構造及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20170807BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20170807BHJP
   H04N 5/335 20110101ALI20170807BHJP
【FI】
   H01L27/146 A
   H01L27/146 D
   H01L31/02 B
   H04N5/335
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-32708(P2016-32708)
(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-157945(P2016-157945A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年4月25日
(31)【優先権主張番号】62/120,255
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/017,506
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515084100
【氏名又は名称】オプティツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーゲ オガネシアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンフア ルー
【審査官】 今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−206253(JP,A)
【文献】 特開2009−267049(JP,A)
【文献】 特開2001−127010(JP,A)
【文献】 特開2008−166692(JP,A)
【文献】 特表2009−507376(JP,A)
【文献】 特開2010−238729(JP,A)
【文献】 特開2010−040672(JP,A)
【文献】 特開2010−177568(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0169139(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/14
H01L 31/02
H04N 5/335
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1及び第2表面を有する第1基板と、
前記第1基板の前記第1表面の上又は下に形成され、かつ該第1基板の該第1表面上に入射する光に応答して1又は2以上の信号を生成するように構成された複数の光検知器と、
前記第1基板の前記第1表面に形成され、かつ前記複数の光検知器に電気的に結合された複数の導体パッドと、
各々が前記第1基板の前記第2表面の中へ形成され、かつ該第1基板を通って前記導体パッドのうちの1つに延びる複数の孔と、
各々が前記導体パッドのうちの1つから前記複数の孔のうちの1つを通って前記第1基板の前記第2表面に沿って延び、該第1基板から絶縁された導電リードと、
前記第1基板の前記第1表面上に形成され、かつ前記複数の光検知器の上ではなくその周りに形成されたダム構造と、
前記ダム構造上に配置され、かつ前記複数の光検知器の上を延びる第2基板であって、該ダム構造及び該第2基板が、該複数の光検知器の上に密封空洞を形成する前記第2基板と、
前記第1基板の周囲部分の中に形成され、各々が前記第2表面から前記第1表面に向かうが、該第1表面には到達しないで延びる1又は2以上の第1トレンチと、
前記1又は2以上の第1トレンチの1つから前記第1表面まで各々延び、かつ部分的に前記ダム構造内を延びるが、前記ダム構造を完全には貫通していない1又は2以上の第2トレンチであって、前記1又は2以上の第1トレンチの横寸法よりもより狭い横寸法を有する前記1又は2以上の第2トレンチと、
導電性材料が前記1又は2以上の第1トレンチ及び前記1又は2以上の第2トレンチ内に配置されないようにして、前記1又は2以上の第1トレンチ及び前記1又は2以上の第2トレンチ内に配置された絶縁材料と、
を含むことを特徴とするセンサパッケージ。
【請求項2】
各々が前記導電リードのうちの1つに電気的に接続された複数の電気コネクタ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサパッケージ。
【請求項3】
前記第1基板の前記第2表面の上に配置され、かつ前記導電リードを前記複数の電気コネクタと電気的に接触するその導体パッド部分を除いて覆う絶縁材料の層、
を更に含むことを特徴とする請求項に記載のセンサパッケージ。
【請求項4】
前記複数の孔の各々が、漏斗形状断面を有することを特徴とする請求項1に記載のセンサパッケージ。
【請求項5】
センサパッケージを形成する方法であって、
対向する第1及び第2表面を有する第1基板と、該第1基板の該第1表面の上又は下に形成され、かつ該第1基板の該第1表面上に入射する光に応答して1又は2以上の信号を生成するように構成された複数の光検知器と、該第1基板の該第1表面に形成され、かつ該複数の光検知器に電気的に結合された複数の導体パッドとを含むセンサチップを与える段階と、
前記第1基板の前記第2表面の中に各々が該第1基板を通って前記導体パッドのうちの1つに延びる複数の孔を形成する段階と、
各々が前記導体パッドのうちの1つから前記複数の孔のうちの1つを通って前記第1基板の前記第2表面に沿って延びる複数の導電リードを形成する段階と、
前記第1基板の前記第1表面上に、かつ前記複数の光検出器の上ではなくその周りにダム構造を形成する段階と、
第2基板を前記ダム構造上に装着する段階であって、該第2基板が、前記複数の光検出器の上を延び、該ダム構造及び該第2基板が、該複数の光検出器の上に密封空洞を形成する前記装着する段階と、
前記第1基板の周囲部分の中に各々が前記第2表面から前記第1表面に向かうが、前記第1表面に到達しない1又は2以上の第1トレンチを形成する段階と、
前記1又は2以上の第1トレンチの1つから前記第1表面まで各々延び、かつ部分的に前記ダム構造内を延びるが、前記ダム構造を完全には貫通しない1又は2以上の第2トレンチを形成する段階であって、前記1又は2以上の第1トレンチの横寸法よりもより狭い横寸法を有する前記1又は2以上の第2トレンチを形成する段階と、
導電性材料が前記1又は2以上の第1トレンチ内及び前記1又は2以上の第2トレンチ内に配置されないようにして、前記1又は2以上の第1トレンチ及び前記1又は2以上の第2トレンチ内に絶縁材料を形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記1つ又は2つ以上の第1トレンチを形成する段階が、プラズマエッチングを使用して達成され、
前記1つ又は2つ以上の第2トレンチを形成する段階が、機械的ダイスカット機又はレーザを使用して達成される、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
各々が前記導電リードのうちの1つに電気的に接続された複数の電気コネクタを形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1基板の前記第2表面の上にあり、前記導電リードを前記複数の電気コネクタと電気的に接触するその導体パッド部分を除いて覆う絶縁材料の層を形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記導電リードの各々と前記第1基板との間に絶縁材料の層を形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の孔の各々が、漏斗形状断面を有することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
複数のセンサパッケージを形成する方法であって、
対向する第1及び第2表面を有する第1基板と、そこに形成された複数のセンサであって、各センサが、該第1基板の該第1表面の上又は下に形成されて該第1基板の該第1表面上に入射する光に応答して1又は2以上の信号を生成するように構成された複数の光検知器と、該第1基板の該第1表面に形成され、かつ該複数の光検知器と電気的に結合された複数の導体パッドとを含む前記複数のセンサとを含むセンサチップを与える段階と、
前記第1基板の前記第2表面の中に各々が該第1基板を通って前記導体パッドのうちの1つに延びる複数の孔を形成する段階と、
各々が前記導体パッドのうちの1つから前記複数の孔のうちの1つを通って前記第1基板の前記第2表面に沿って延びる複数の導電リードを形成する段階と、
前記第1基板の前記第1表面上に、かつ前記複数の光検知器の上ではなくその周りにダム構造を形成する段階と、
第2基板を前記ダム構造上に装着する段階であって、該第2基板が、前記複数の光検知器の上を延び、該ダム構造及び該第2基板が、前記センサの各々に対して該複数の光検知器の上に密封空洞を形成する前記装着する段階と
前記センサの各々の周囲部分において前記第1基板の中に前記第2表面から前記第1表面に向かうが、前記複数の光検出器表面には到達しない1又は2以上の第1トレンチを形成する段階と、
前記1又は2以上の第1トレンチの1つから前記第1表面まで各々延び、かつ部分的に前記ダム構造内を延びるが、前記ダム構造を完全には貫通しない1又は2以上の第2トレンチを形成する段階であって、前記1又は2以上の第1トレンチの横寸法よりもより狭い横寸法を有する前記1又は2以上の第2トレンチを形成する段階と、
導電性材料が前記1又は2以上の第1トレンチ内及び前記1又は2以上の第2トレンチ内に配置されないようにして、前記1又は2以上の第1トレンチ及び前記1又は2以上の第2トレンチ内に絶縁材料を形成する段階と、
前記1又は2以上の第1トレンチ及び前記1又は2以上の第2トレンチにおいて前記第1基板を各ダイが前記センサのうちの1つを含む個別のダイに単体化する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記単体化の前に、
各々が前記導電リードのうちの1つに電気的に接続された複数の電気コネクタを形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記単体化の前に、
前記第1基板の前記第2表面の上にあり、かつ前記導電リードを前記複数の電気コネクタと電気的に接触するその導体パッド部分を除いて覆う絶縁材料の層を形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記単体化の前に、
前記導電リードの各々と前記第1基板との間に絶縁材料の層を形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の孔の各々が、漏斗形状断面を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ又は2つ以上の第1トレンチを形成する段階が、プラズマエッチングを使用して達成され、
前記1つ又は2つ以上の第2トレンチを形成する段階が、機械的ダイスカット機又はレーザを使用して達成される、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、引用により本明細書に組み込まれている2015年2月24日出願の米国特許仮出願第62/120,255号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、画像センサに関し、より具体的には、誘起応力を低減する方式でパッケージ化された画像センサに関する。
【背景技術】
【0003】
シリコンウェーハは、硬く、壊れやすく、かつ安定である。しかし、シリコンウェーハは、それが集積回路をその上に形成するために処理される(例えば、ドーピング、加工、薄厚化、材料/構造の層がそれに追加されることなど)前に安定であるだけである。その後には、ウェーハは、不安定になることになり、特にウェーハが非常に薄くて不均衡な構造的支持を有する時に激しく反る可能性があり、ウェーハを極端に脆弱にし、かつ機械的応力損傷を受けやすくする。
【0004】
ウェーハ直径が生産率/効率を高めるために大きくなり、熱放散、ダイスタック、電気抵抗の低減、及び薄型デバイスに対する要件を満たすためにチップが薄くなると、大きいウェーハ上のこのように薄いチップは、これまでより一層大きい応力を受けることになる。これらの機械的応力の問題は、画像センサウェーハ(すなわち、画像センサがその上に形成されたウェーハ)に対して特に厳しいものになる。画像センサウェーハの活性側には、不動態化、低k誘電体層、マイクロレンズ、カラーフィルタ、導電回路、光学強化、光シールドなどを含むことができる材料及び構造の層が形成される。これらの層及び構造は、シリコンウェーハを不安定にするだけでなく、それら自体が、同じ機械的応力により一層敏感であり、かつ損傷を受ける可能性がある。
【0005】
これに加えて、画像センサウェーハの活性側は、それをウェーハから離間させるスタンドオフ(ダム)を含む保護基板を用いてカプセル封入される可能性がある。スタンドオフは、表層に結合され、かつウェーハ薄厚化及びダイスカット段階中の莫大な量の機械的応力の蓄積と共に表層に機械的応力を導入し、これは、表層及び/又はシリコン基板上の亀裂、層間剥離、及び多くの他の欠陥を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機械的応力蓄積を避ける/解放するためにプレカット(部分ダイスカット)を行うことが当業技術で公知である。研削前ダイスカット(DBG)のような処理は、部分的に切断してシリコンウェーハにする段階、ウェーハの他方の側を薄くする段階、ウェーハに蓄積された応力を除去するためにプラズマエッチを用いる段階、その後に最終単体化切断を行う段階を含む。しかし、DBG処理又は類似の処理の限界は、そのような処理が非パッケージ化半導体シリコンウェーハのためのものであるということである。必要とされるのは、ウェーハレベルパッケージ化(WLP)処理(すなわち、ウェーハ単体化の前の集積回路のパッケージ化)に適合し、かつその一部である機械的応力除去のための方法及び構造である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の問題及び必要性は、対向する第1及び第2の表面を有する第1基板と、第1基板の第1表面の上又は下に形成され、かつ第1基板の第1表面上に入射する光に応答して1又は2以上の信号を生成するように構成された複数の光検知器と、第1基板の第1表面に形成され、かつ複数の光検知器に電気的に結合された複数の導体パッドと、各々が第1基板の第2表面の中へ形成され、かつ第1基板を通って導体パッドのうちの1つに延びる複数の孔と、各々が導体パッドのうちの1つから複数の孔のうちの1つを通って第1基板の第2表面に沿って延びる導電リードとを含むセンサパッケージによって対処される。導電リードは、第1基板から絶縁されている。1又は2以上のトレンチが、第1基板の周囲部分の中に形成され、各々は、第2表面から第1表面まで延びている。絶縁材料が、1又は2以上のトレンチの側壁を覆っている。
【0008】
センサパッケージを形成する方法は、対向する第1及び第2の表面を有する第1基板と、第1基板の第1表面の上又は下に形成され、かつ第1基板の第1表面上に入射する光に応答して1又は2以上の信号を生成するように構成された複数の光検知器と、第1基板の第1表面に形成され、かつ複数の光検知器に電気的に結合された複数の導体パッドとを含むセンサチップを与える段階を含む。複数の孔が、第1基板の第2表面の中へ形成され、複数の孔の各々は、第1基板を通って導体パッドのうちの1つに延びる。複数の導電リードが形成され、各々は、導体パッドのうちの1つから複数の孔のうちの1つを通って第1基板の第2表面に沿って延びる。1又は2以上のトレンチが、第1基板の周囲部分の中に形成され、各々は、第2表面から第1表面に延びる。1又は2以上のトレンチの側壁を覆う絶縁材料が形成される。
【0009】
複数のセンサパッケージを形成する方法は、対向する第1及び第2の表面を有する第1基板と、そこに形成された複数のセンサであって、各センサが、第1基板の第1表面の上又は下に形成されて第1基板の第1表面上に入射する光に応答して1又は2以上の信号を生成するように構成された複数の光検知器と、第1基板の第1表面に形成され、かつ複数の光検知器に電気的に結合された複数の導体パッドとを含む上記複数のセンサとを含むセンサチップを与える段階を含む。複数の孔が、第1基板の第2表面の中に形成され、複数の孔の各々は、第1基板を通って導体パッドのうちの1つに延びる。複数の導電リードが形成され、各々は、導体パッドのうちの1つから複数の孔のうちの1つを通って第1基板の第2表面に沿って延びる。ダム構造が、第1基板の第1表面上に、かつ複数の光検知器の上ではなくその周りに形成される。第2基板が、ダム構造上に形成され、第2基板は、複数の光検知器の上を延び、ダム構造及び第2基板は、センサの各々に対して複数の光検知器の上に密封空洞を形成する。1又は2以上のトレンチが、センサの各々の周囲部分において第1基板の中に形成され、第2表面から第1表面に、かつダム構造の中に延びる。1又は2以上のトレンチの側壁を覆う絶縁材料が形成される。第1基板は、トレンチにおいて個別のダイに単体化され、各ダイは、センサのうちの1つを含む。
【0010】
本発明の他の目的及び特徴は、本明細書、特許請求の範囲、及び添付図面の精査によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図2】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図3】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図4】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図5】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図6A】シリコン基板の中に形成されたトレンチの代替構成を説明する側面断面図である。
図6B】シリコン基板の中に形成されたトレンチの代替構成を説明する側面断面図である。
図6C】シリコン基板の中に形成されたトレンチの代替構成を説明する側面断面図である。
図6D】シリコン基板の中に形成されたトレンチの代替構成を説明する側面断面図である。
図6E】シリコン基板の中に形成されたトレンチの代替構成を説明する側面断面図である。
図6F】シリコン基板の中に形成されたトレンチの代替構成を説明する側面断面図である。
図7A】シリコン基板の中へのビア孔の代替構成を説明する側面断面図である。
図7B】シリコン基板の中へのビア孔の代替構成を説明する側面断面図である。
図8】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図9】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図10】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図11】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図12】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図13】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
図14】本発明の画像センサパッケージを形成する際の段階を説明する側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、パッケージの側面に急峻な特徴部を有するセンサパッケージである。急峻な特徴部は、センサウェーハ(例えば、画像センサ、光センサ、生体識別センサなど)の表側(活性側)からではなく裏側からプレカットが行われた結果である。急峻な特徴部は、シリコン及び/又は不動態化層が外部要素に露出されないようにカプセル材料の層によってカプセル封入される。画像センサの結合パッドが、相互接続バンプが形成される画像センサの裏側に経路変更される。画像センサの表側は、センサ活性区域の上に空洞を形成するダム構造を用いて永久保護基板によってカプセル封入される。
【0013】
図1−14は、画像センサアセンブリを形成する処理を説明している。処理は、図1に示すように、半導体基板10と、複数の結合パッド12と、光検知器(すなわち、フォトダイオード)14及びフォトダイオードの作動をサポートする回路層16を備えた活性区域とを有する画像センサウェーハ1を与えることによって始まる。フォトダイオード14は、センサ活性区域上に入射する光に応答して電気信号を生成する。それらの信号は、最終的にチップ外への信号伝達のために結合パッド12に結合される。
【0014】
画像センサ1は、好ましくは、不動態化、低k誘電体層、マイクロレンズ及びカラーフィルタ20、導電回路、光学強化、光シールドなどを含むことのできる表層18を含む。図2に示すような多くの画像センサ22(各々がそれ独自のフォトダイオード、回路層、結合パッド、及び表層を備えた)を収容する画像センサウェーハは、当業技術で公知であり、本明細書で更に説明はしない。
【0015】
センサ活性区域は、ダム構造26によって基板に装着された永久保護基板24によってカプセル封入される。保護基板24は、好ましくは光学透明である。ダム26は、好ましくは、ポリマー材料の堆積とポリマー材料の選択的除去とによって光学透明材料上に形成される。接着剤が、ダム26に塗布され、ダムは、次に、画像センサウェーハに結合される。ダム26及び基板24は、図3に示すように、画像センサ22の活性区域の上に密封空洞28を形成する。画像センサウェーハ基板10の裏面上のシリコンは、図4に示すように、機械研削、化学機械研磨(CMP)、湿式エッチング、大気圧下流プラズマ(ADP)、乾式化学エッチング(DEC)、又はあらゆる他の適切なシリコン薄厚化方法によって薄くすることができる。薄厚化処理の後に、ウェーハに蓄積された応力を解放するために、任意的なプラズマ−エッチング段階を行うことができる(しかし、これは、表層18上に蓄積した全ての応力を解放することにはならない)。
【0016】
画像センサウェーハ基板10の裏側のシリコンの各部分は、図5に示すように、画像センサ22を分離するスクライビング線30において選択的に除去される(基板10を少なくとも部分的に貫通して延びるトレンチ32と基板10を通って延びて結合パッド12を露出させるビア孔34とを形成する)。シリコンは、リソグラフィ及びプラズマエッチング方法、又は当業技術で公知のあらゆる他のシリコンエッチング方法を用いて選択的に除去される。画像センサ結合パッド12は、ウェーハ裏面から結合パッド12のうちの1つまで完全に各々が延びるビア孔34によって画像センサウェーハの裏側から露出させる必要がある。ビア孔34は、先細又は非先細にすることができる。トレンチ32は、図6A−6Fに様々な構成に示すように、先細又は非先細が可能であり、かつ先細又は非先細であってウェーハ基板10を部分的に又は完全に貫通して延びることができる任意的な2次トレンチ部分32aを有することができる。具体的には、図6A及び6Bは、シリコンウェーハを部分的に貫通してエッチングされ、表層18まで完全には延びずに表層18を露出させないそれぞれ先細及び非先細トレンチ32を説明している。図6C−6Fは、トレンチ先細部の異なる変形を説明しており、その各々は、ウェーハを部分的に貫通するトレンチ32と、表層18まで完全に延びて表層18を露出させるトレンチ32の2次トレンチ部分32aとを含む。図6C−6Fの構成の全てにおいて、トレンチ32は、トレンチ部分32aが始まるそのシリコン側壁に段差(すなわち、肩部)を有する。図7A及び7Bは、それぞれ先細及び非先細ビア孔構成を示している。
【0017】
図8に示すように、表層18を通って部分的にダム26の中にトレンチ32/32aを延ばす(すなわち、トレンチをシリコンウェーハ及び表層を完全に貫通してスクライビング線30に沿ってダムの中へ部分的に入れる)ために、機械的ダイスカット機又はレーザが使用される。それによって表層上の物理的応力が除去され、後の処理でダイ単体化段階中の亀裂を防止することになる。図9は、基板10を貫通する2次トレンチ部分32aが先細であることを除いて同じ構成を示している。
【0018】
二酸化珪素、窒化珪素、又はあらゆる他の適切な不動態化/絶縁層36は、物理気相成長(PVD)のような方法を用いて又はスピン/スプレーコーティングシステムによってシリコンウェーハの裏面の上に共形的に堆積させることができる。図10に示すように、結合パッド18をビア孔34の端部で露出したままにしておくことを除き、不動態化/絶縁層36は、それがトレンチ32及び孔34を埋めるように形成されるか又は選択的にエッチングされる。
【0019】
導電材料は、物理気相成長及びメッキ又はあらゆる他の適切な導電材料堆積方法を用いて不動態化層36の上に堆積される。導電層は、チタン、銅、ニッケル及び金、又はあらゆる他の適切な導電材料のスタックとすることができる。フォトリソグラフィ及びエッチング処理を用いて導電層が選択的に除去され、導電材料の導電リード38を残すが、その各々は、図11に示すようにビア孔34を通って画像センサの裏面に結合パッド12を経路変更するように、結合パッド12からビア孔側壁に沿い、基板10の裏面に沿って延びる。
【0020】
カプセル材料40は、ウェーハ裏面を覆ってトレンチ32及び孔34を充填しながら基板10の裏面上に堆積される。カプセル材料は、ポリマー又は他の誘電材料とすることができる。図12に示すように、導電リード38の選択部分38a(経路変更導体パッドとして言及する)を露出させるためにフォトリソグラフィ処理を用いてカプセル材料が選択的に除去される。裏面のトレンチ/孔の全てを完全に充填するようにカプセル材料を示しているが、これに代えて、カプセル材料は、トレンチ/孔を完全には充填しない裏面構造の上の薄い共形層とすることができるであろう。カプセル材料は、スプレーコーティングによって堆積させることができる。
【0021】
電気的相互接続42が、経路変更された導体パッド38a上に形成される。電気的相互接続42は、ボールグリッドアレイ(BGA)、メッキバンプ、導電性接着剤バンプ、金スタッドバンプ、又はあらゆる他の適切な相互接続方法とすることができる。好ましくは、相互接続バンプは、半田ボールグリッドアレイである。トレンチ32を通って延びるスクライビング線を通る構成要素のウェーハレベルダイスカット/単体化が、次に、機械的ブレードダイスカット機器、又はカプセル材料40、ダム26の一部、及び透明基板24を通って延びるあらゆる他の適切な処理を用いて行われる。この単体化は、図13に示すようにシリコン基板を通る切断を伴わず、ダム26を通る部分的なものを伴うだけである。
【0022】
最終の単体化されたダイセンサパッケージを図14に示している。センサダイの側面は、基板10のシリコンが一切露出しないようにカプセル封入される(すなわち、基板10の側面部分が、絶縁層36又はカプセル封入材料40で保護/密封される)。更に、センサ活性区域は、ダム26及び透明基板24が処理の早期にそこに形成された状態で、露出することは決してない。
【0023】
本発明は、上述した本明細書に説明する実施形態に必ずしも限定されず、特許請求の範囲に入るいずれか及び全ての変形を包含することは理解されるものとする。例えば、ダム構造は省略することができ、その場合に空洞は、基板材料のエッチングにより保護基板の底面の中に形成される。本明細書での本発明への言及は、いずれの特許請求の範囲又は特許請求の範囲の条項の範囲も限定するものではなく、むしろ1又は2以上の特許請求の範囲によって包含される1又は2以上の特徴に単に言及するだけであるように意図している。上述の材料、処理、及び数値的な例は、単に例示に過ぎず、何らかの最終的な特許請求の範囲を限定するものと見なすべきではない。更に、方法段階の全てを説明した順番通りに実行する必要はなく、むしろパッケージ化された画像センサの適切な形成を可能にするあらゆる順番で実行することができる。最後に、材料の単層は、そのような又は類似の材料から構成される複数の層として形成することができ、その逆も同様である。
【0024】
本明細書に使用するように用語「の上に」又は「上に」は、共に「直接的に上に」(その間に中間的な材料、要素、又は空間が一切配置されない)及び「間接的に上に」(その間に中間的な材料、要素、又は空間が配置される)を包含的に含む。同様に、用語「隣接する」は、「直接的に隣接する」(それらの間に中間的な材料、要素、又は空間が一切配置されない)及び「間接的に隣接する」(それらの間に中間的な材料、要素、又は空間が配置される)を含み、「に装着される」は、「直接的に装着される」(それらの間に中間的な材料、要素、又は空間が一切配置されない)及び「間接的に装着される」(それらの間に中間的な材料、要素、又は空間が配置される)を含み、「電気的に結合する」は、「直接的に電気的に結合する」(両要素間に両要素を電気的に接続する中間的な材料又は要素が一切ない)及び「間接的に電気的に結合する」(両要素間に両要素を電気的に接続する中間的な材料又は要素がある)を含む。例えば、「基板の上に」要素を形成することは、それらの間に中間的な材料/要素を一切含まずに直接的に基板の上に要素を形成することと共に、それらの間に1又は2以上の中間的な材料/要素を含んで間接的に基板の上に要素を形成することを含む。
【符号の説明】
【0025】
1 画像センサウェーハ
10 半導体基板
12 結合パッド
14 光検知器
16 回路層
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14