(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着用者の腹側に配される腹側部及び背側に配される背側部とそれらの間に位置する股下部とを有すると共に、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、且つ
吸収体及び該吸収体の肌対向面側に配された表面シートを有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置して該吸収性本体を固定している外装体とを有し、前記腹側部における該外装体及び前記背側部における該外装体それぞれの縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、
前記外装体は、前記吸収性本体から相対的に遠い側に位置する外層シートと、該吸収性本体から相対的に近い側に位置する内層シートとを含んで構成され、且つ前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、横方向に伸縮性を有する伸縮部を有し、
前記伸縮部における前記外層シートと前記内層シートとの間に、複数の胴回り弾性部材が横方向に伸長した状態で縦方向に間欠的に配されており、それら複数の胴回り弾性部材のうちの一部は、平面視において前記吸収体の縦方向端部と重なる部分を通って該縦方向端部を横方向に横断しており、
前記伸縮部の前記胴回り弾性部材の収縮により、該伸縮部が横方向に収縮した外装体収縮領域が形成され、該外装体収縮領域の肌対向面側に、縦方向に延びる畝部と溝部とが横方向に交互に配された凹凸構造が形成されており、
前記外装体収縮領域における前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方は、前記吸収体の縦方向端部より縦方向外方に存する前記溝部に、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、
前記表面シートの肌対向面に、着用者の肌側に向かって突出する凸部が複数形成されていると共に、横方向において隣り合う該凸部どうしの間に位置して縦方向に延びる凹部が複数形成されており、複数の該凹部の少なくとも一部は、前記外装体収縮領域の前記溝部と横方向において同位置に存しているパンツ型使い捨ておむつ。
前記吸収体は、吸収性材料を含む吸収性コアを有し、前記表面シートは、該吸収性コアの縦方向端部より縦方向外方に延出する部分を有し、平面視においてその表面シートの延出部と前記胴回り弾性部材とが重なる請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
前記貫通孔は、複数の前記胴回り弾性部材のうちで平面視において前記吸収体の縦方向端部と重ならず且つ該吸収体の縦方向端部に最も近接する弾性部材と、該吸収体の縦方向端部との間に存している請求項1〜3の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
前記外層シート及び前記内層シートの双方が前記貫通孔を複数有し、双方の貫通孔の少なくとも一部どうしが重なっている請求項1〜4の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
前記外装体収縮領域において、前記外層シート及び前記内層シートは、縦方向及び横方向の両方向において間欠的に配置された複数の外装体接合部にて互いに接合され、前記胴回り弾性部材は、該外装体接合部を通らないように配されている請求項1〜5の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
前記外装体収縮領域において、前記外層シート及び前記内層シートは、縦方向及び横方向の両方向において間欠的に配置された複数の外装体接合部にて互いに接合され、前記貫通孔は、該外装体接合部を厚み方向に貫通している請求項5又は6に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1〜
図7には、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1の概略構成及び要部の構成が示されている。おむつ1は、着用者の腹側に配される腹側部1A及び背側に配される背側部1Cとそれらの間に位置する股下部1Bとを有すると共に、腹側部1Aから股下部1Bを介して背側部1Cに延びる縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。
【0012】
おむつ1は、吸収体23及び該吸収体23の肌対向面側に配された表面シート21を有する吸収性本体2と、該吸収性本体2の非肌対向面側に位置して該吸収性本体2を固定している外装体3とを有し、腹側部1Aにおける外装体3及び背側部1Cにおける外装体3それぞれの縦方向Xに沿う両側縁部どうしが接合されて、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
【0013】
本明細書において、「肌対向面」は、使い捨ておむつ又はその構成部材(例えば表面シート)における、おむつの着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、使い捨ておむつ又はその構成部材における、おむつの着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該使い捨ておむつの正しい着用位置が維持された状態を意味し、おむつが該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
【0014】
腹側部1A及び背側部1Cは、何れも縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分であり、おむつ1の着用時に着用者の胴回りに配される胴回り部である。股下部1Bは、外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部にレッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部が形成されている領域である。股下部1Bは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有しており、該排泄部対向部は通常、おむつ1の縦方向Xの中央部又はその近傍に位置している。
【0015】
吸収性本体2は、
図2に輪郭線で示したように平面視長方形形状をなし、その長手方向を展開且つ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体3の横方向Yの中央部に固定されている。外装体3は、
図2に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形作っており、外装体3の周縁は、その状態のおむつ1の輪郭線を形成している。おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
【0016】
吸収性本体2は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された液保持性の吸収体23を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。吸収体23は、おむつ1(外装体3)の横方向Yの中央部に位置している。表面シート21及び裏面シート22としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
【0017】
吸収体23は、
図2に示す如き平面視において縦方向Xに略長方形形状をなし、腹側部1Aから背側部1Cにわたって延在している。吸収体23は、吸収性材料を含む液保持性の吸収性コア24と、該吸収性コア24の肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシート25とを含んで構成されている。吸収性コア24とコアラップシート25との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。
【0018】
吸収性コア24は単層構造であり、吸収性材料を含むコア形成材料が積繊されてなる。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマー粒子が挙げられる。即ち、吸収性コア24は、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマー粒子を担持させたものであり得る。コアラップシート25としては、透水性のシート材を用いることができ、例えば、紙、不織布等を用いることができる。
【0019】
図2及び
図5に示すように、吸収性本体2の肌対向面における縦方向Xに沿う左右両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のシート材から構成された一対の防漏カフ28,28が設けられている。各防漏カフ28の自由端部の近傍には糸状の防漏カフ形成用弾性部材29が1本以上(本実施形態では1本)伸長状態で配されている。防漏カフ28は、伸長状態で配された弾性部材29がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下部1Bで起立し、それによって尿等の排泄液の横方向Yの外方への流出を阻止する。
【0020】
外装体3は、
図2に示すように、前身頃の胴回り部である腹側部1A、及び後身頃の胴回り部である背側部1C、腹側部1Aと背側部1Cとに挟まれた股下部1Bにわたって配されており、その縦方向Xに沿う両側縁が股下部1Bにおいて内向きの円弧状に湾曲して一対のレッグ縁部を形成しており、
図2に示す如き平面視において、縦方向Xの中央域が横方向Yの内方に向けて括れた砂時計状の形状を有している。外装体3は、腹側部1Aにおける縦方向Xに沿う両側縁部A1,A2と背側部1Cにおける縦方向Xに沿う両側縁部C1,C2とが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されており、その接合によって、
図1に示すように、おむつ1に一対のサイドシール部S,Sが形成され、さらにウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。外装体3におけるレッグ開口部LHの開口縁部を構成する部位には、レッグギャザーを形成するレッグ弾性部材4が伸長状態で配されている。レッグ弾性部材4は、糸状又は帯状であり、外装体3を構成する外層シート31と内層シート32との間に接着剤により挟持固定されている。
【0021】
外装体3は、
図3〜
図5に示すように、吸収性本体2から相対的に遠い側に位置する外層シート31と、吸収性本体2から相対的に近い側に位置する内層シート32とを含んで構成されている。おむつ1の着用状態において、内層シート32は着用者の身体に近い側に位置して、おむつ1の肌対向面(内面)を形成し、外層シート31は着用者の身体から遠い側に位置して、おむつ1の非肌対向面(外面)を形成する。外層シート31と内層シート32とは、所定の部位において接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
【0022】
外層シート31は、内層シート32と同形状・同寸法の部分に加えて更に、両シート31,32を積層した際に内層シート32の腹側部1A側の縦方向Xの端部から外方に延出する腹側延出部31Eと、内層シート32の背側部1C側の縦方向Xの端部から外方に延出する背側延出部31Eとを有している。外層シート31の両延出部31E,31Eは、それぞれ、
図2に示すように、内層シート32上に配置固定された吸収性本体2の縦方向Xの両端部を覆うように、内層シート32側に折り返され、接着剤によって、両延出部31E,31Eと対向するおむつ1の他の構成部材(内層シート32、吸収性本体2、防漏カフ28)に固定されている。この外層シート31の延出部31Eは、後述する疎水性シートとして機能する。
【0023】
外装体3は、腹側部1A及び背側部1Cの少なくとも一方に、横方向Yに伸縮性を有する伸縮部を有している。ここでいう「外装体の伸縮部」とは、外装体3における横方向Yに伸縮性を有する部位であり、本実施形態においては、外装体3における腹側部1A及び背側部1Cに位置する部分が伸縮部である。さらに説明すると、本実施形態においては、外装体3を構成する外層シート31及び内層シート32は、何れも伸縮性を有していない非伸縮性シートであるが、腹側部1A及び背側部1Cそれぞれにおける両シート31,32間には後述するように、複数の胴回り弾性部材5が横方向Yに伸長した状態で配されており、その複数の胴回り弾性部材5の横方向Yの伸縮性によって、「外装体3における腹側部1Aに位置する部分」及び「外装体3における背側部1Cに位置する部分」が、それぞれ、その全域にわたって横方向Yに伸縮性を有し、前記「伸縮部」となっている。
【0024】
図2〜
図4に示すように、前記「伸縮部」即ち外装体3の腹側部1A及び背側部1Cに位置する部分における、外層シート31と内層シート32との間には、複数の胴回り弾性部材5が横方向Yに伸長した状態で縦方向Xに間欠的に配されており、それら複数の胴回り弾性部材5のうちの一部は、平面視において吸収体23の縦方向端部230と重なる部分を通って該縦方向端部230を横方向Yに横断している。より具体的には、腹側部1A及び背側部1Cには、外装体3の縦方向端3X(即ちウエスト開口部WHの開口縁)より縦方向Xの内方位置に、吸収性本体2の縦方向端2Xが存しており、つまり腹側部1A及び背側部1Cは、それぞれ、縦方向Xの最外方に位置する吸収性本体非存在領域10と、該領域10より縦方向Xの内方に位置する吸収性本体存在領域11とに縦方向Xに区分されるところ、胴回り弾性部材5は両領域10,11の両方に配されている。尚、吸収体23の縦方向端部230は、吸収体23の輪郭の一部を形成する縦方向端及びその近傍を含む部位であり、また、本実施形態においては、吸収体23の縦方向端は
図4に示すように、吸収性本体2の縦方向端2Xと縦方向Xにおいて同位置にある。
【0025】
そして、おむつ1の自然状態又は着用状態においては、
図6及び
図7に示すように、前記「伸縮部」即ち外装体3の腹側部1A及び背側部1Cに位置する部分の胴回り弾性部材5の収縮により、該「伸縮部」が横方向Yに収縮した外装体収縮領域35が形成され、該外装体収縮領域35の肌対向面側に、縦方向Xに延びる畝部36と溝部37とが横方向Yに交互に配された凹凸構造が形成される。つまり、外装体収縮領域35は前記「伸縮部」である。尚、
図6及び
図7では腹側部1Aのみを示しているが、背側部1Cにおいても腹側部1Aと同様に外装体収縮領域35が形成される。尚、
図6と同じ部位を示す
図5は、
図2に示す展開且つ伸長状態のおむつ1の一部を示す図であるところ、
図5に示す形態においては、外装体3及び胴回り弾性部材5が横方向Yに伸長状態であるため、外装体収縮領域35は形成されていない。
【0026】
外装体収縮領域35は、腹側部1A及び背側部1Cそれぞれにおいて、少なくとも胴回り弾性部材5の配置領域に形成される。本実施形態において外装体収縮領域35は、吸収性本体非存在領域10及び吸収性本体存在領域11それぞれの全域に形成され、
図6に示すように、吸収性本体存在領域11における平面視において吸収性本体2と重なる部位にも形成される。腹側部1A及び背側部1Cにおいて外装体収縮領域35が形成される、換言すれば、腹側部1A及び背側部1Cに存する外装体3即ち前記「伸縮部」が横方向Yに収縮すると、
図6に示すように、外装体3と直接又は間接に一体化されている他のおむつ構成部材(裏面シート22、吸収体23、表面シート21、外層シート31の延出部31E)も横方向Yに収縮する。
図7には、この外層シート31の延出部31Eの横方向Yの収縮状態が模式的に示されているところ、斯かる延出部31Eの収縮状態は外装体3の収縮状態と実質的に同じであり、延出部31Eには
図7に示すように、横方向Yに収縮状態の外装体3が有する凹凸構造(
図8参照)と同様の凹凸構造が形成される。
【0027】
図8には、おむつ1の自然状態又は着用状態における外装体収縮領域35の一部が示されている。
図6及び
図8に示すように、本実施形態において外装体収縮領域35は、肌対向面即ち吸収性本体2の配置面側のみならず非肌対向面にも、縦方向Xに延びる畝部36と溝部37とが横方向Yに交互に配された凹凸構造が形成される。肌対向面側の畝部36と非肌対向面側の畝部36とは横方向Yにおいて同位置にあり、また、肌対向面側の溝部37と非肌対向面側の溝部37とも横方向Yにおいて同位置にある。
【0028】
本実施形態においては、少なくとも腹側部1A及び背側部1Cにおける外装体3は、
図8及び
図9に示すように、外層シート31及び内層シート32が、縦方向X及び横方向Yの両方向において間欠的に配置された複数の外装体接合部38にて互いに接合され、胴回り弾性部材5は、外装体接合部38を通らないように配されている。複数の胴回り弾性部材5は、それぞれ、その長さ方向の両端部、具体的にはサイドシール部S又はその近傍に位置する部分のみにおいて両シート31,32に接合されており、それ以外の部分では両シート31,32に接合されていない。このような構成の外装体3において、外層シート31及び内層シート32それぞれは、おむつ1の自然状態又は着用状態において、複数の胴回り弾性部材5に跨って縦方向Xに連続して延びる複数本の襞を形成する。そして、この襞が外装体収縮領域35における畝部36となり、襞と襞との間が外装体収縮領域35における溝部37となる。尚、以上のような襞を有する外装体としては、例えば、本出願人の先の出願に係る特開2009−118986号公報に記載の複合伸縮部材を適用することができる。
【0029】
本実施形態においては、吸収体23の縦方向端部230の配置領域及びその近傍、特に、吸収体23における縦方向端及びその近傍(吸収性本体2における縦方向端2X及びその近傍)において、外装体収縮領域35がより確実に形成されるような工夫がなされている。
即ち、
図4に示すように、表面シート21は、吸収性コア24の縦方向端部より縦方向Xの外方に延出する延出部21Eを有し、
図2に示す如き平面視においてその延出部21Eと胴回り弾性部材5とが重なっている。より具体的には、本実施形態においては
図4に示すように、表面シート21のみならず、裏面シート22及びコアラップシート25も、吸収性コア24の縦方向端部より縦方向Xの外方に延出する延出部を有している。そして、それら各シート21,22,25の延出部の延出方向先端は縦方向Xにおいて互いに同位置にあり、吸収性本体2の縦方向端2Xを形成している。また、吸収体23の縦方向端は、吸収体23の構成部材のうちで最も縦方向Xの外方に位置するコアラップシート25の縦方向端であり、これは吸収性本体2の縦方向端2Xに一致する。つまり、吸収体23における縦方向端及びその近傍(吸収性本体2における縦方向端2X及びその近傍)には、剛性の高い吸収性コア23が配されていない領域があるところ、その吸収性コア非配置領域を胴回り弾性部材5が横方向Yに横断している。斯かる構成により、吸収体23における縦方向端及びその近傍は、おむつ1の自然状態又は着用状態において胴回り弾性部材5が横方向Yに収縮したときに、同方向により一層収縮しやすくなるため、吸収体23の縦方向端部230の配置領域及びその近傍に、畝部36及び溝部37の高低差がよりはっきりした凹凸構造を有する外装体収縮領域35が形成されやすくなる。そして、そのような凹凸構造の高低差が明確な外装体収縮領域35の形成は、後述する表面シート21の肌対向面の凸部210及び凹部211からなる凹凸構造と相俟って、おむつ1の通気性の一層の向上に寄与し得る。
【0030】
図4及び
図7に示すように、外装体収縮領域35における外層シート31及び内層シート32は、吸収体23の縦方向端部230(吸収性本体2の縦方向端2X)より縦方向Xの外方に存する溝部37に、両シート31,32を厚み方向に貫通する貫通孔33を有している。本実施形態においては
図7に示すように、1個の溝部37に複数の貫通孔33が縦方向Xに所定間隔を置いて間欠的に配置されている。尚、両シート31,32は、外装体収縮領域35において畝部36には貫通孔33を有していない。
【0031】
貫通孔33は、おむつ1の着用中におけるムレの原因となる、尿等の排泄液由来の水蒸気の排出孔として機能する。斯かる貫通孔33の蒸気排出機能を考慮すると、外層シート31及び内層シート32の双方が貫通孔33を複数有している場合に、双方の貫通孔33の少なくとも一部どうしが重なっていることが好ましく、双方の貫通孔33の全部が1対1で互いに重なっていることがより好ましい。貫通孔33の平面視形状は特に限定されず、円形状、三角形以上の多角形形状等、適宜選択し得る。また、外層シート31と内層シート32とで、貫通孔33の平面視形状、寸法は同じでも良く、異なっていても良い。外層シート31の貫通孔33と内層シート32の貫通孔33とが互いに平面視同形状同寸法の場合、両貫通孔33の重なり程度は、必ずしも完全に一致している必要は無く、部分的に重なっているのでも構わない。
【0032】
本実施形態においては、貫通孔33は
図4に示すように、外層シート31と内層シート32とを接合する外装体接合部38を厚み方向に貫通している。つまり、本実施形態においては、外層シート31及び内層シート32の双方が貫通孔33を複数有し、且つ外層シート31の1個の貫通孔33と内層シート32の1個の貫通孔33とが外装体接合部38位置にて重なっているとも言える。斯かる構成により、貫通孔33の保形性が向上するため、おむつ1内の蒸気を貫通孔33によって外部に排出することがより確実になされるようになり、ムレを効果的に防止し得る。
【0033】
本実施形態においては、
図4において符号33’で示す貫通孔は、同図に示すように、複数の胴回り弾性部材5のうちで平面視において吸収体23の縦方向端部230と重ならず且つ吸収体23の縦方向端部230(吸収性本体2の縦方向端2X)に最も近接する胴回り弾性部材5’と、吸収体の縦方向端部230との間に存している。貫通孔33’は、斯かる特定位置に配されていることで、貫通孔33’より吸収体23から遠い位置に配されている他の貫通孔33に比して、特に保形性に優れており、そのためおむつ1の着用中において蒸気排出機能を安定的に発揮し得る。即ち、貫通孔33が配されている外装体収縮領域35では、おむつ1の着用中において胴回り弾性部材5の収縮により外装体3(腹側延出部31E)が肌と密着するところ、その密着部位に位置する貫通孔33は、外装体3の変形により閉塞して通気が妨げられるおそれがあるのに対し、貫通孔33’は、該密着部位よりも吸収体23に近い位置に配されていることで、高剛性で変形し難い吸収体23の影響により閉塞し難く、それ故に通気が妨げられにくい。そのため、前述したムレ防止効果がより一層向上し得る。貫通孔33’は、図示の形態では1個であるが、複数個あっても良い。尚、貫通孔33’は、配置位置以外の点は貫通孔33と同じである。
【0034】
貫通孔33による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。
貫通孔33の平面視における最大長さ(貫通孔33が平面視円形状の場合は直径)は、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。
外装体収縮領域35における貫通孔33の単位面積当たりの数は、平面視10mm四方の正方形形状の領域の面積を基準とした場合に、好ましくは1個以上、さらに好ましくは2個以上、そして、好ましくは15個以下、さらに好ましくは12個以下である。
【0035】
以上のように、外装体3は、おむつ1の自然状態又は着用状態において、腹側部1A及び背側部1Cに位置する部分(前記伸縮部)が横方向Yに収縮して、肌対向面側に畝部36及び溝部37からなる凹凸構造を有する外装体収縮領域35を形成するのに対し、表面シート2も、これに対応する凹凸構造を肌対向面に有している。
【0036】
即ち、
図6及び
図7に示すように、表面シート21の肌対向面には、着用者の肌側に向かって突出する凸部210が複数形成されていると共に、横方向Yにおいて隣り合う凸部210,210どうしの間に位置して縦方向Xに延びる凹部211が複数形成されている。本実施形態における表面シート21においては、縦方向Xに延びる凸部210と縦方向Xに延びる凹部211とが横方向Yに交互に配されることによって、該表面シート21の肌対向面に凹凸構造が形成されている。凸部210及び凹部211は、何れも表面シート21の縦方向Xの全長に亘って連続している。尚、表面シート21は、少なくとも肌対向面にこのような凹凸構造が形成されていれば良く、表面シート21の非肌対向面については、本実施形態のように凹凸構造が形成されていても良く、あるいは形成されていなくても良い。
【0037】
尚、表面シート21の凸部210及び凹部211からなる凹凸構造は、おむつ1の展開且つ伸長状態、即ち外装体3における胴回り弾性部材5が横方向Yに伸長した状態では、
図5に示すように小凸部210’と小凹部211’とが横方向Yに交互に並ぶことで、表面シート21全体として規則的な凹凸を有する波状をなしているが、おむつ1の自然状態又は着用状態、即ち胴回り弾性部材5が横方向Yに収縮した状態では、
図6に示すように、外装体3と一体化されている他の構成部材と共に横方向Yに収縮し、それによって1個以上の小凸部210’と1個以上の小凹部211’とが組み合わされて1個の凸部210を形成すると共に、複数の小凹部211’の一部が、凸部210とは逆方向(吸収体23側)に突出した凹部211となる。つまり、自然状態又は着用状態のおむつ1における表面シート21の凸部210は、小凸部210’と小凹部211’との集合体であり、凸部210の外面(肌対向面)には、小凸部210’と小凹部211’とからなる比較的微細な凹凸が形成されている。そのため、凸部210とその外面を覆う後述する疎水性シート31Eとは完全に密着せず、両者間には空間部が形成される。尚、小凹部211’と凹部211とは通常、形状及び/又は寸法が互いに異なるが、実質的に同じ場合もあり得る。
【0038】
そして、本実施形態のおむつ1においては、
図7に示すように、表面シート21の複数の凹部211の少なくとも一部が、外装体収縮領域35の溝部37と横方向Yにおいて同位置に存している。即ち、表面シート21の複数の凹部211の少なくとも一部については、凹部211の縦方向Xの延長線上に外装体収縮領域35の溝部37が存している。
図7の形態では、表面シート21の肌対向面の複数の凹部211それぞれが、外装体収縮領域35の複数の溝部37と1対1で対応しており、即ち、対応する1個の溝部37と横方向Yにおいて同位置に存している。斯かる構成により、おむつ1の通気性が向上し、おむつ1の着用中に内部がムレた状態になり難く、そのため、かゆみ、カブレ等の肌トラブルの発生が効果的に防止される。
【0039】
即ち、おむつ1においては、収縮状態の外装体3(外装体収縮領域35)の溝部37が、表面シート21の凹部211と横方向Yにおいて同位置に存していることにより、吸収性本体2から外装体3の縦方向端3X(即ちウエスト開口部WHの開口縁)にかけて、横方向Yにおいて互いに同位置にある凹部211と溝部37とからなる、「縦方向Xに延びる通気路」が形成されるため、通気性が高められており、おむつ1の着用中に内部がムレた状態になり難い。つまり、おむつ1の着用中において、吸収性本体2の吸収体23(吸収性コア24)に吸収保持された尿や汗等の排泄液が着用者の体温によって蒸発し、表面シート21から水蒸気として着用者の肌側に排出されても、その水蒸気は、凹部211及び溝部37を通ってウエスト開口部WHからおむつ1の外部に排出され、あるいはその途中の溝部37に設けられた貫通孔33からおむつ1の外部に排出されるため、おむつ1の着用中によってムレは生じにくく、着用者の肌トラブルを引き起こし難い。尚、通常、表面シート21における凸部210と凹部211との間隔(凹凸ピッチ)は、外装体3における畝部36と溝部37との間隔(畝溝ピッチ)に比して小さいため、相対的に横方向Yの長さ即ち幅が大きい溝部37は必ず、相対的に横方向Yの長さ即ち幅が短い凹部211と横方向Yにおいて同位置に存するが、逆の関係は必ずしも成り立たず、複数の凹部211の少なくとも一部が、溝部37と横方向Yにおいて同位置に存するに留まる。具体的には、3個の凹部211のうちの1個が溝部37と同位置に存することが好ましい。
【0040】
ここでいう、「表面シート21の凹部211が、外装体収縮領域35(外装体3)の溝部37と横方向Yにおいて同位置に存している」とは、凹部211を横方向Yに二分して縦方向Xに延びる仮想中心線を基準線として、その1本の基準線から横方向Yに1mm以内の領域を、溝部37を横方向Yに二分して縦方向Xに延びる仮想中心線が通る場合を意味する。
【0041】
また、おむつ1においては、胴回り弾性部材5が、平面視において吸収体23の縦方向端部230と重なる部分を通ってこれを横方向Yに横断しているため、おむつ1の着用状態において外装体3(外装体収縮領域35)が横方向Yに収縮したときに、吸収体23即ち吸収性本体2が外装体3から浮き上がり難く、それによっても通気性の向上、ムレ防止、液漏れ防止が図られている。
【0042】
また仮に、おむつ1の着用状態において、吸収性本体2が横方向Yに収縮することによって着用者の肌に接触し、あるいは吸収性本体2が外装体3から浮き上がって着用者の肌に接触したとしても、その肌との接触面である表面シート21の肌対向面には、凸部210及び凹部211からなる凹凸構造が形成されているため、表面シート21の肌対向面と着用者の肌とが全面的に隙間なく密着することがなく、それによっても通気性の向上、ムレ防止が図られている。表面シートの肌対向面が凹凸構造の無い平坦面では、その平坦面が着用者の肌に全面的に隙間なく密着するおそれがあり、ムレを防止できないおそれがある。
【0043】
このような、おむつ1による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。
表面シート21の肌対向面において、横方向Yにおいて隣り合う凸部210,210それぞれの頂部(凸部において最も着用者の肌側に突出している部分)間の離間距離は、好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4.5mm以下である。斯かる凸部210の頂部の横方向Yにおける離間距離は、凹部211の横方向Yの長さ即ち幅に密接に関係するものである。
凹部211の縦方向Xの長さは、好ましくは7mm以上、さらに好ましくは10mm以上、そして、好ましくは60mm以下、さらに好ましくは50mm以下である。
おむつ1の自然状態又は着用状態において、吸収性本体2の縦方向端2X位置での表面シート21の凹部211の数は、好ましくは15本以上、さらに好ましくは20本以上、そして、好ましくは50本以下、さらに好ましくは40本以下である。
【0044】
腹側部1A又は背側部1Cに存する胴回り弾性部材5の数は、好ましくは10本以上、さらに好ましくは12本以上、そして、好ましくは35本以下、さらに好ましくは30本以下である。
腹側部1A又は背側部1Cにおいて、平面視において吸収体23と重なる部分を通って該吸収体23を横方向Yに横断する胴回り弾性部材5の数は、好ましくは1本以上、そして、好ましくは15本以下、さらに好ましくは12本以下である。
【0045】
本実施形態のおむつ1においては、
図2、
図4及び
図5に示すように、表面シート21は、平面視において外装体収縮領域35(吸収性本体非存在領域10及び吸収性本体存在領域11)に存する吸収体23の縦方向端部230と重なり、且つ外装体収縮領域35において表面シート21の肌対向面が疎水性シート31Eで被覆されている。本実施形態における疎水性シート31Eは、前述したように、外層シート31の一部である延出部31Eである。
【0046】
疎水性シート31Eは、主として通気性の向上の観点から採用された、表面シート21の肌対向面の凹凸構造に起因する弊害を除去し得るものである。即ち、表面シート21の肌対向面に縦方向Xに延びる凹部211が形成されていると、通気性の点では有効である反面、凹部211が水蒸気の導通路としてのみならず、尿等の排泄液の導通路としても機能するおそれがあるため、排泄液が凹部211を通って外部へ漏れ出すおそれがあり、液漏れが懸念される。これに対し、
図2、
図4及び
図5に示す如く、表面シート21の凹凸構造の肌対向面が疎水性シート31Eで被覆されていると、凹部211を通って縦方向Xに流れる排泄液を疎水性シート31Eで堰き止めることが可能となり、液漏れが効果的に防止される。
【0047】
疎水性シート31Eは、表面シート21に対し、凸部210より好ましくは凸部210の頂部で接合部6にて接合され、凹部211では接合されていない。斯かる構成により、表面シート21の肌対向面が疎水性シート31Eで被覆されても、表面シート21の肌対向面における凹部211位置では疎水性シート31Eとの間に空間が形成されるため、凹部211による通気路としての機能が阻害されるおそれが無い。疎水性シート31Eと表面シート21との接合は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により実施可能である。本実施形態においては、接合部6は接着剤塗布部である。
【0048】
本実施形態においては、
図4に示すように、疎水性シート31Eと表面シート21との接合部6は、縦方向Xに間欠的に配されている。より具体的には接合部6は、
図5に示すように、疎水性シート31Eと表面シート21との重なり部分の横方向Yの全長にわたって連続する、平面視において横方向Yに延びる直線状をなしているところ、その直線状の接合部6が、縦方向Xに所定間隔を置いて複数(
図4では3本)形成されている。接合部6は、それ自体で尿等の排泄液の堰き止め効果を奏し得るものであるところ、そのような機能を有する接合部6がこのように配置されていることにより、疎水性シート31Eによる液漏れ防止効果と相俟って、液漏れが一層効果的に防止され得る。
【0049】
また、本実施形態においては、
図4に示すように、疎水性シート31Eの縦方向Xの内方側の端部31EXは、表面シート21と接合されておらず、自由端部となっている。斯かる構成により、疎水性シート31Eの縦方向Xの内方側の端部31EXが肌側に立ち上がり、より尿等の排泄液の堰き止めやすいという効果が奏される。
【0050】
本発明において、シートあるいはその一部の領域が親水性であるか疎水性であるかは、下記方法で測定される繊維の接触角に基づき判断される。具体的には、繊維の接触角が90度未満であれば親水性、90度以上であれば疎水性である。下記方法で測定される繊維の接触角が小さいほど親水性が高く(疎水性が低く)、該接触角が大きいほど親水性が低い(疎水性が高い)。本実施形態における疎水性シート31Eは、その全域が、下記方法で測定される繊維の接触角が90度以上である。
【0051】
<接触角の測定方法>
測定対象のシート(不織布)の厚み方向に沿う断面が上面となるようにセットし、シートの厚み方向へシートの最表面から厚みの1/10までの区間の繊維をランダムに複数サンプリングし、水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角の測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を15ピコリットルに設定して、水滴を、それぞれの繊維の中央の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msecごとに画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。繊維は、繊維長1mm程度に裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第1桁で四捨五入)を接触角と定義する。接触角の低いものほど親水性が高いことを意味する。測定環境は、室温22±2℃、湿度65±2%RHとする。
【0052】
尚、本実施形態における疎水性シート31Eは、外層シート31の一部であるが、本発明に係る疎水性シートはこれに限定されず、おむつ1の他の構成部材とは別体の疎水性シートであっても良い。本発明に係る疎水性シートとしては、横方向Yに伸縮性を有する不織布が好ましく用いられる。そのような伸縮性シートからなる疎水性シート31Eを用いることによって、表面シート21に対し、凸部210の頂部で接合部6にて接合され、凹部211では接合されず、表面シート21の肌対向面における凹部211位置で、疎水性シート31Eとの間に空間が形成されやすくなり、より凹部211による通気路としての機能が阻害されにくいという効果が奏される。
【0053】
本明細書において「伸縮性シート」は、所定方向(例えば横方向)に伸縮性を有しているシートであり、より具体的には、所定方向(例えば横方向)の最大伸度が100%以上で、該シートを該所定方向に伸度100%まで伸長させた後、収縮させたときの伸長回復率(100%伸長時の伸長回復率)が、少なくとも70%以上のシートである。
【0054】
横方向Yに伸縮性を有する疎水性シート31Eは、横方向Yにおいて、縦方向Xよりも大きく伸長可能である。より具体的には外層シート31は、横方向Yにおいては、大きく伸長し且つ伸長後に収縮する(最大伸度100%以上且つ伸長回復率70%以上)が、縦方向Xにおいては、わずかにしか伸長しない(例えば、最大伸度50%以下)。シートの伸長回復率は、以下の測定方法により測定される。
【0055】
<伸長回復率の測定方法>
測定対象のシートから長さ50mm、幅25mmのサンプル片を用意する。引張試験機(株式会社オリエンテックの「テンシロン」RTC−1150A)のチャック間(チャック間隔K0)にサンプル片を固定し、引張速度300mm/minでチャック間を拡げることでサンプル片を引っ張り、サンプル片の100%伸長時の長さK2(=K0×2)まで伸長させた後、引張速度と同速度でチャック間を狭めていき、引張応力が0になった時点でのサンプル片の長さを伸長回復後の長さK1とする。次式により、測定対象のシートの100%伸長時の伸長回復率を算出する。
100%伸長時の伸長回復率(%)=〔(K2−K1)/(K2−K0)〕×100
【0056】
伸縮性の疎水性シート31Eとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性シート、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性シート、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸張可能な繊維層が一体化されている伸縮性シート、(4)互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されてなる伸縮性シート等を好ましく用いることができる。弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、これらを積層して水流交絡したり、エアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。
【0057】
図10には、伸縮性の疎水性シート31Eの好ましい一例が示されている。
図10に示す腹側外層シート32Aは、前記(4)の伸縮性シートに相当するもので、非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層の一面に糸状の弾性フィラメントが接合した構成を有し、該繊維層としての2枚の繊維シート310,311と、両シート310,311間に介在配置された該弾性フィラメントとしての弾性部材312とを含んで構成されている。斯かる構成を有する伸縮性の疎水性シート31Eは、例えば、特開2009−61743号公報に記載の方法に従って製造することができる。
【0058】
伸縮性の疎水性シート31Eを構成する2枚のシート310,311は、何れも伸長可能なものである。シート310,311は、弾性部材312の延びる方向(横方向Y)と同方向に伸長可能になっている。伸長可能とは、(イ)シート310,311の構成繊維自体が伸長する場合と、ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、シート310,311全体として伸長する場合とを包含する。
【0059】
伸縮性の疎水性シート31Eを構成する弾性部材312は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成された弾性フィラメントである。複数の弾性部材312は、それぞれ、シート31の全長(外装体3の横方向Yの全長)に亘って実質的に連続している。複数の弾性部材312は、互いに交差せずに一方向(横方向Y)に延びるように配列している。弾性部材312は、実質的に非伸長状態で2枚のシート310,311に接合されている。シート31における弾性部材312のシート310,311との接合は、シート310,311を構成する繊維(非弾性繊維)が弾性部材312中に埋没した状態で該弾性部材312に融着することによりなされたものであり、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いてなされたものではない。従って、シート310,311(非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層)とこれに接合されている弾性部材312との間には接着剤が存在しない。
【0060】
伸縮性の疎水性シート31Eは、弾性部材312の延びる方向(横方向Y)と同方向に伸縮可能になっている。シート31Eの伸縮性は、弾性部材312の弾性に起因して発現する。シート31Eを弾性部材312の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性部材312及びシート310,311が伸長する。そしてシート31Eの引き伸ばしを解除すると、弾性部材312が収縮し、その収縮に連れてシート310,311が引き伸ばし前の状態に復帰する。また、シート31Eにおいては、弾性部材312と直交した状態で結合している他の弾性部材は存在していないので、シート31を、弾性部材312の延びる方向(横方向Y)と同方向に引き伸ばしたときには、シート31Eが横方向Yに縮む、いわゆる幅縮みをほとんど起こさずに伸長する。
【0061】
伸縮性の疎水性シート31Eを構成する2枚のシート310,311は、それぞれ、短繊維の不織布であり得る。不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。シート310とシート311とは、同種のものでも良く、あるいは異種のものでも良い。ここで言う、「同種のシート」とは、シートの製造プロセス、シートの構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、シートの厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも1つが異なる場合には、「異種のシート」である。
【0062】
伸縮性の疎水性シート31Eを構成する弾性部材312(弾性フィラメント)は、例えば熱可塑性エラストマーやゴム等を原料とするものである。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた弾性フィラメントは熱融着させやすいので、シート32Aに好適である。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα−オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。
【0063】
一方、外装体3を構成する外層シート31及び内層シート32は、前述したように、何れも伸縮性を有していない非伸縮性シートである。本明細書において「非伸縮性シート」は、前記<伸長回復率の測定方法>により測定した伸長回復率が20%以下のシート、又は100%伸長する前に破断するシートである。
【0064】
非伸縮性の外層シート31及び内層シート32としては、各種製法による不織布が好ましく用いられ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等である。非伸縮性のシート31,32として用いる不織布の構成繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。非伸縮性のシート31,32として用いる不織布を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でも良く、親水性でも疎水性でも良い。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0065】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、前記実施形態では、表面シート21の肌対向面の凹凸構造を構成する凸部210及び凹部211は、表面シート21の縦方向Xの全長に亘って連続して畝溝構造をなしていたが、要は、横方向Yにおいて隣り合う凸部210,210どうしの間に位置して縦方向Xに延びる凹部211が複数形成されていれば良く、そのような畝溝構造に限定されない。
また前記実施形態では、表面シート21は、平面視において外装体収縮領域35に存する吸収体23の縦方向端部230と重なり、且つ外装体収縮領域35において表面シート21の肌対向面が疎水性シート31Eで被覆されていたが、本発明においては斯かる構成は必須ではない。しかしながら前述した通り、斯かる構成により、特に表面シート21の凹凸構造の肌対向面が疎水性シート31Eで被覆されることにより、尿などの排泄液がその凹凸構造を形成する凹部211を通って外部に漏れ出す不都合がより一層効果的に防止されるようになる。
また前記実施形態では、外層シート32は複数枚のシートが組み合わされて構成されていたが、内層シート31と同様に1枚の連続したシートから構成されていても良い。
また、外装体3は、腹側部に位置する外装体腹側領域及び背側部に位置する外装体背側領域とに分割されており、吸収性本体2は、前記外装体腹側領域及び前記外装体背側領域に架け渡して固定されていても良い。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0066】
<1>
着用者の腹側に配される腹側部及び背側に配される背側部とそれらの間に位置する股下部とを有すると共に、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、且つ
吸収体及び該吸収体の肌対向面側に配された表面シートを有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置して該吸収性本体を固定している外装体とを有し、前記腹側部における該外装体及び前記背側部における該外装体それぞれの縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであって、
前記外装体は、前記吸収性本体から相対的に遠い側に位置する外層シートと、該吸収性本体から相対的に近い側に位置する内層シートとを含んで構成され、且つ前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、横方向に伸縮性を有する伸縮部を有し、
前記伸縮部における前記外層シートと前記内層シートとの間に、複数の胴回り弾性部材が横方向に伸長した状態で縦方向に間欠的に配されており、それら複数の胴回り弾性部材のうちの一部は、平面視において前記吸収体の縦方向端部と重なる部分を通って該縦方向端部を横方向に横断しており、
前記伸縮部の前記胴回り弾性部材の収縮により、該伸縮部が横方向に収縮した外装体収縮領域が形成され、該外装体収縮領域の肌対向面側に、縦方向に延びる畝部と溝部とが横方向に交互に配された凹凸構造が形成されており、
前記外装体収縮領域における前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方は、前記吸収体の縦方向端部より縦方向外方に存する前記溝部に、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、
前記表面シートの肌対向面に、着用者の肌側に向かって突出する凸部が複数形成されていると共に、横方向において隣り合う該凸部どうしの間に位置して縦方向に延びる凹部が複数形成されており、複数の該凹部の少なくとも一部は、前記外装体収縮領域の前記溝部と横方向において同位置に存しているパンツ型使い捨ておむつ。
【0067】
<2>
前記表面シートは、平面視において前記外装体収縮領域に存する前記吸収体の縦方向端部と重なる前記<1>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<3>
前記吸収体は、吸収性材料を含む吸収性コアを有し、前記表面シートは、該吸収性コアの縦方向端部より縦方向外方に延出する部分を有し、平面視においてその表面シートの延出部と前記胴回り弾性部材とが重なる前記<1>又は<2>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<4>
前記貫通孔は、複数の前記胴回り弾性部材のうちで平面視において前記吸収体の縦方向端部と重ならず且つ該吸収体の縦方向端部に最も近接する弾性部材と、該吸収体の縦方向端部との間に存している前記<1>〜<3>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<5>
前記外層シート及び前記内層シートの双方が前記貫通孔を複数有し、双方の貫通孔の少なくとも一部どうしが重なっている前記<1>〜<4>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<6>
前記外装体収縮領域において、前記外層シート及び前記内層シートは、縦方向及び横方向の両方向において間欠的に配置された複数の外装体接合部にて互いに接合され、前記胴回り弾性部材は、該外装体接合部を通らないように配されている前記<1>〜<5>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<7>
前記外装体収縮領域において、前記外層シート及び前記内層シートは、縦方向及び横方向の両方向において間欠的に配置された複数の外装体接合部にて互いに接合され、前記貫通孔は、該外装体接合部を厚み方向に貫通している前記<5>又は<6>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0068】
<8>
前記外層シートは、前記内層シートと同形状・同寸法の部分に加えて更に、両シートを積層した際に該内層シートの前記腹側部側の縦方向端部から外方に延出する腹側延出部と、該内層シートの前記背側部側の縦方向端部から外方に延出する背側延出部とを有している前記<1>〜<7>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<9>
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、それぞれ、前記内層シート上に配置固定された前記吸収性本体の縦方向両端部を覆うように該内層シート側に折り返されて固定されている前記<8>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<10>
前記外装体収縮領域において前記表面シートの肌対向面が疎水性シートで被覆されており、
前記疎水性シートが前記腹側延出部及び前記背側延出部である前記<8>又は<9>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0069】
<11>
前記外装体収縮領域において前記表面シートの肌対向面が疎水性シートで被覆されている前記<1>〜<9>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<12>
前記疎水性シートは、前記表面シートと前記凸部で接合され、前記凹部では接合されていない前記<10>又は<11>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<13>
前記疎水性シートと前記表面シートとの接合部は、縦方向に間欠的に配されている前記<12>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<14>
前記疎水性シートの縦方向内方側の端部は、前記表面シートと接合されておらず、自由端部となっている前記<10>〜<13>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<15>
前記疎水性シートは、横方向に伸縮性を有する不織布からなる前記<10>〜<14>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<16>
前記疎水性シートは、前記表面シートと前記凸部の頂部で接合され、前記凹部では接合されていない前記<10>〜<15>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0070】
<17>
前記腹側部及び前記背側部は、それぞれ縦方向において、前記吸収性本体が配されていない吸収性本体非存在領域と、該領域より縦方向内方に位置する吸収性本体存在領域とに区分され、前記胴回り弾性部材は両領域に配されている前記<1>〜<16>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<18>
前記外装体収縮領域は、前記吸収性本体非存在領域及び前記吸収性本体存在領域それぞれの全域に形成され、該吸収性本体存在領域における平面視において前記吸収性本体と重なる部位にも形成される前記<17>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0071】
<19>
前記外装体収縮領域の非肌対向面側に、縦方向に延びる畝部と溝部とが横方向に交互に配された凹凸構造が形成されている前記<1>〜<18>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<20>
前記外装体収縮領域においては、肌対向面側の前記畝部と非肌対向面側の前記畝部とが横方向において同位置にあると共に、肌対向面側の前記溝部と非肌対向面側の前記溝部とが横方向において同位置にある前記<19>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<21>
前記腹側部及び前記背側部それぞれにおける前記外装体の縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて一対のサイドシール部が形成されており、複数の前記胴回り弾性部材は、それぞれ、該サイドシール部又はその近傍に位置する部分のみにおいて、前記外層シート及び前記内層シートの両方に接合されており、それ以外の部分では両シートに接合されていない前記<1>〜<20>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<22>
前記外層シート及び前記内層シートは、それぞれ、自然状態又は着用状態において、複数の前記胴回り弾性部材に跨って縦方向に連続して延びる複数本の襞を形成し、該襞が前記畝部となり、横方向に隣り合う該襞どうしの間が前記溝部となる前記<1>〜<21>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0072】
<23>
1個の前記溝部に複数の前記貫通孔が縦方向に所定間隔を置いて間欠的に配置されている前記<1>〜<22>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<24>
前記外層シート及び前記内層シートの双方が前記貫通孔を複数有し、双方の該貫通孔の全部が1対1で互いに重なっている前記<1>〜<23>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<25>
前記外装体収縮領域において、前記外層シート及び前記内層シートは、縦方向及び横方向の両方向において間欠的に配置された複数の外装体接合部にて互いに接合され、両シートの双方が前記貫通孔を複数有し、該外層シートの1個の該貫通孔と該内層シートの1個の該貫通孔とが該外装体接合部位置にて重なっている前記<1>〜<24>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<25>
前記貫通孔の平面視における最大長さは、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である前記<1>〜<25>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<26>
前記外装体収縮領域における前記貫通孔の単位面積当たりの数は、平面視10mm四方の正方形形状の領域の面積を基準とした場合に、好ましくは1個以上、さらに好ましくは2個以上、そして、好ましくは15個以下、さらに好ましくは12個以下である前記<1>〜<25>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<27>
前記表面シートの複数の前記凹部の少なくとも一部については、該凹部の縦方向の延長線上に前記外装体収縮領域の前記溝部が存している前記<1>〜<26>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<28>
前記表面シートの肌対向面の複数の前記凹部それぞれが、前記外装体収縮領域の複数の前記溝部と1対1で対応しており、対応する1個の該溝部と横方向において同位置に存している前記<1>〜<27>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0073】
<29>
前記表面シートの肌対向面において、横方向において隣り合う前記凸部それぞれの頂部間の離間距離は、好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4.5mm以下である前記<1>〜<28>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<30>
前記凹部の縦方向長さは、好ましくは7mm以上、さらに好ましくは10mm以上、そして、好ましくは60mm以下、さらに好ましくは50mm以下である前記<1>〜<29>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<31>
前記腹側部又は前記背側部に存する前記胴回り弾性部材の数は、好ましくは10本以上、さらに好ましくは12本以上、そして、好ましくは35本以下、さらに好ましくは30本以下である前記<1>〜<30>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<32>
前記腹側部又は前記背側部において、平面視において前記吸収体と重なる部分を通って該吸収体を横方向に横断する前記胴回り弾性部材の数は、好ましくは1本以上、そして、好ましくは15本以下、さらに好ましくは12本以下である前記<1>〜<31>の何れか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。