特許第6180622号(P6180622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180622
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】接触感応型容量性表面のための入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20170807BHJP
   B43K 27/08 20060101ALI20170807BHJP
   B43K 29/00 20060101ALI20170807BHJP
   B43K 7/02 20060101ALI20170807BHJP
   B43K 23/08 20060101ALI20170807BHJP
   B43K 23/12 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G06F3/03 400F
   B43K27/08
   B43K29/00 Z
   B43K7/02
   B43K23/08
   B43K23/12 110
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-512236(P2016-512236)
(86)(22)【出願日】2014年4月12日
(65)【公表番号】特表2016-522934(P2016-522934A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】EP2014000983
(87)【国際公開番号】WO2014180529
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2016年10月3日
(31)【優先権主張番号】102013008232.3
(32)【優先日】2013年5月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】314006226
【氏名又は名称】ステッドラー マルス ゲーエムーベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】STAEDTLER Mars GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー シュヴァープ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ヴァイス
(72)【発明者】
【氏名】リルケ ディクス
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン アードラー
(72)【発明者】
【氏名】アルノ カストナー
(72)【発明者】
【氏名】マクス ベルクマン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ヴィーナル
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0249870(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3176454(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/124280(WO,A1)
【文献】 特開2001−080261(JP,A)
【文献】 特開平07−276878(JP,A)
【文献】 特開2005−178857(JP,A)
【文献】 特開2004−146339(JP,A)
【文献】 特開2012−153087(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0266267(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0038579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
B43K 7/02
B43K 23/08
B43K 23/12
B43K 27/08
B43K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの塗布部材と少なくとも1つの接触素子とを備えた塗布装置によって少なくとも構成されている、
接触感応型容量性表面のための入力装置において、
前記塗布装置は、液状、ゲル状又はペースト状の塗布媒体が充填された保持部として形成されており、
前記塗布装置の保持部は、少なくともグリップ領域では非導電性で形成されており、
前記塗布媒体は導電性で形成されており、
前記少なくとも1つの接触素子と、前記液状、ゲル状又はペースト状の塗布媒体との間で、導電接続が形成されている
ことを特徴とする、接触感応型容量性表面のための入力装置。
【請求項2】
前記保持部内の液状の塗布媒体は、自由液体として設けられている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記液状の塗布媒体は、毛細管現象により拘束された液体として設けられている、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記ゲル状の塗布媒体は、チキソトロピック性の組成物として設けられている、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記ペースト状の塗布媒体は、ボールペンペーストとして設けられている、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記接触素子は、コンタクトエレメントとガイドエレメントとを備えている、
請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記接触素子は、塗布部分先端の端面とは反対側の端部に配置されている、
及び/又は、
前記接触素子は、保持部の塗布部材のための終端キャップに配置されている、
請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記接触素子は導電性材料として形成されている、
請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記ガイドエレメントは導電性材料として形成されている、
請求項6記載の装置。
【請求項10】
前記保持部を封止する終端キャップに前記接触素子が組み込まれており、
前記接触素子は、前記終端キャップの端面を貫通するガイドエレメントを有し、
当該ガイドエレメントは前記終端キャップ内に収容されている保湿エレメント中に含浸させられている、
請求項1に記載の接触感応型容量性表面のための入力装置用の終端キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触感応型容量性表面のための入力装置に関する。この入力装置は、塗布媒体が充填された筆記用具、製図用具及び/又は絵画用具、又は化粧用具として構成されている。
【背景技術】
【0002】
この種の表面/ディスプレイのための入力装置は、基本的には公知である。
【0003】
例えば、導電性の胴部から成る入力用スタイラスペンが知られており、この場合、一方の端部に、ディスプレイもしくはディスプレイ表面のために弾性に形成された柔らかい導電性のコンタクトストッパが設けられている。
【0004】
この種の入力ペンの欠点は、純然たる入力ペンとしては値段が高すぎ、しかも筆記機能及び/又は塗布機能を果たせないことである。
【0005】
さらに、一方の端部に筆記機構又はアプリケータを備え、他方の端部にコンタクトストッパの形式の導電性装置を備えた入力ペンもあり、これは容量性ディスプレイと接触したときに入力機能を実現し、もしくはトリガする。
【0006】
しかしながら公知の上述の入力ペンは、多くの欠点を有している。つまりこの種のペンは、胴部を導電性に構成することはこれまで慣用の塗布装置では不要であったのに、そのように構成されていることから、製造コストが高い。さらにこれらの入力ペンは、従来技術によればほとんどすべてがボールペンとして形成されており、このことでユーザは筆記用具の選定にあたり制約を受けることになる。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0266267号明細書には、実質的に純然たるスタイラスエレメントから成る入力用保持部が公知である。このスタイラスエレメントは、胴部が導電性であることから入力部材として機能する汎用の保持部であり、この場合、この入力部材にオプションとして、様々な表示装置や塗布装置等をドッキングさせることができるが、それらは本来の機能とは何ら関係しない。このような解決手法において欠点としてみなせるのは、入力用保持部の製造コストが高いことである。しかも、入力用保持部に配設された表示装置及び/又は塗布装置は紛失しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0266267号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の課題は、上述の欠点を生じさせない接触感応型容量性表面のための入力装置を提供することにあり、さらにその際に入力装置が、入力機能のほかに塗布機能も備えるようにすることにある。さらに本発明の課題は、既に知られている塗布装置に、費用のかかる構造的な変更を加えることなく、入力機能を組み込むことである。
【0010】
なお、塗布装置とは、以下では、筆記用具、製図用具及び/又は絵画用具のことであり、例えばフェルトペン、ジェルインクペン又はボールペンなどのことである。さらに塗布装置を、例えばマスカラペン又は液状アイライナーとして形成された化粧用具のことであると捉えてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、独立請求項に記載された特徴によって解決される。従属請求項には有利な実施形態が記載されている。
【0012】
接触感応型容量性表面のための本発明による入力装置は、少なくとも1つの塗布部材と、接触感応型容量性ディスプレイ用の少なくとも1つの接触素子とを備えた塗布装置によって少なくとも構成されている。塗布装置は、液状、ゲル状又はペースト状の塗布媒体が充填された保持部として形成されており、この場合、塗布部材の保持部もしくは胴部は非導電性であり、少なくともユーザのグリップ領域においては導電性に形成する必要がない。これに対し塗布媒体は導電性で形成されており、これによって少なくとも1つの接触素子と、液状、ゲル状又はペースト状の塗布媒体との間で、導電接続が形成されている。
【0013】
この場合、驚くべきことに、入力装置の保持部は導電性で形成しなくてもよいことが判明した。非導電性の保持部に関する具体例として、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)などのような熱可塑性プラスチックから成る胴部が挙げられる。
【0014】
さらに驚くべき点は、非固体の物質もしくは塗布媒体が、本願発明によれば液状、ゲル状又はペースト状の物質が、入力装置の機能部材として形成されている、ということである。
【0015】
液状の塗布媒体を保持部内において、自由液体即ち自由に移動可能な液体として設けてもよいし、あるいは貯蔵体内で毛細管現象により拘束された液体として設けてもよい。液状の塗布媒体をここでは、インク、塗料系、又は製図用インクとして設けることができる。この場合、塗布媒体が水性であるか非水性であるかは重要ではない。入力装置を機能させるために重要であるのは、対応する塗布媒体が導電性であることだけである。
【0016】
ゲル状の塗布媒体である場合には、慣用のゲルペンによって知られているように、この媒体をチキソトロピック性組成物、又はずり流動化組成物として設けることができる。具体例として慣用のゲル調合を挙げることもできるが、従来技術から知られているように、当然ながらメタリックエフェクトを有するゲルも挙げられる。
【0017】
塗布媒体がペースト状である場合には、塗布媒体は例えばボールペンペーストである。そして添加剤もしくは導電剤によって、この種のペーストを導電性にする。
【0018】
塗布媒体の実現形態には関係なく絶対に必要とされるのは、接触素子と導電性塗布媒体との間で導電接続が形成される、ということである。接触素子は通常、可塑性のコンタクトエレメントとガイドエレメントとから成り、この場合、少なくともガイドエレメントは導電性に形成されている。コンタクトエレメントを、導電性で形成してもよいし、非導電性で形成してもよい。コンタクトエレメントが非導電性で形成されており、例えば薄いゴム層であるならば、タブレット表面とガイドエレメントとの間で容量素子が形成され、それによってタブレット表面において電荷の移動が生じることになる。
【0019】
別の選択肢として、接触素子を一体型として形成することも可能であり、この場合、一体型の素子の一方の端部を貯蔵体内の塗布媒体と接触させ、それによって導電接続が形成されるようにする。この場合、接触素子全体が導電性で形成される。
【0020】
さらにこの場合、接触素子を、塗布部分先端の端面とは反対側の装置端部に配置することができ、及び/又は、保持部の塗布部材のための終端キャップのところに配置することができる。
【0021】
次に、本発明による解決手段の理解を深めるために、本発明について図1及び図2を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】入力装置1の第1の実現可能な実施形態を示す図
図2】入力装置1の第2の実現可能な実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、入力装置1の実現可能な第1の実施形態が示されており、この実施形態によれば塗布装置10は、塗布部材103と貯蔵体107と端部ストッパ102とを備えた保持部101として形成されている。保持部101もしくは塗布部材103は、着脱可能な終端キャップ30によって封止されている。導電性ガイドエレメント202と、ドーピングされたゴムチップの形態の導電性コンタクトエレメント201とから成る接触素子20が、端部ストッパ102内に、もしくは端部ストッパ102のところに、組み込まれている、及び/又は取り付けられている。導電性ガイドエレメント202は端部ストッパ102を貫通しており、ガイドエレメント202と、導電性塗布媒体105を含浸させた貯蔵体107との間において、導電接続が形成されているように、貯蔵体107中に挿入されている。マッシュルーム状に形成されたガイドエレメント202のアンダーカットされている部分で、弾性かつ導電性に形成されたコンタクトエレメント201が保持されている。このようにして、導電性コンタクトエレメント201と貯蔵体107との間で、連続的に導電性の接続が形成されている。通常、グリップ領域を含む保持部もしくは胴部の材料は、非導電性で形成されている。
【0024】
タブレット、タッチスクリーン又は容量性ディスプレイ上で、図示されていない使用アクションもしくは入力アクションが行われると、コンタクトエレメント201がタブレット表面に接触し、これによって、インキを含浸させた貯蔵体との導電接続が形成される。驚くべきことに、このようにすれば保持部/胴部が電気的絶縁体として設けられていても、「入力」機能が働くことが判明した。この場合、ユーザの指と貯蔵体との間で容量素子が形成され、そのことによりタブレットにおいて電荷の移動が行われ、したがって入力をうまく行えるようになる。
【0025】
図示されていない変形実施形態によれば、保持部(101)内部に貯蔵体(107)を配置せず、塗布媒体(105)を、インク、製図用インク又は塗料の形態の、自由液体/自由塗布媒体即ち自由に移動する液体/自由に移動する塗布媒体として存在させる。
【0026】
図2には、入力装置1の実現可能な第2の実施形態が示されており、この実施形態によれば、塗布装置10は、塗布部材103と貯蔵体107と端部ストッパ102とを備えた保持部101として形成されている。保持部101もしくは塗布部材103は、着脱可能な終端キャップ30によって封止されている。終端キャップ30には、接触素子20が組み込まれている、及び/又は取り付けられている。接触素子20は、導電性コンタクトエレメント201と導電性ガイドエレメント202とから成る。金属により形成された、又はドーピングされたプラスチックとして形成されたガイドエレメント202は、終端キャップ30の端面を貫通して、内側キャップ302内に収容されている保湿エレメント303中に含浸させられている。
【0027】
保湿エレメント/プライマー303は通常、やはり保持部101もしくは貯蔵体107内に貯蔵された塗布媒体105によって浸されており、したがって同様に導電性である。保湿エレメント303はやはり、塗布部材103を介して貯蔵体107と導電接続を形成している。このようにして、ガイドエレメント202と、導電性塗布媒体105を含浸させた貯蔵体107との間で、導電接続が形成される。マッシュルーム状に形成されたガイドエレメント202のアンダーカットされている部分で、弾性かつ導電性に形成されたコンタクトエレメント201が保持されている。
【0028】
当然ながら、接触素子を一体型で形成することもでき、即ちこの場合、コンタクトエレメントとガイドエレメントとが1つの導電性材料によって形成される。
【0029】
図1及び図2に示されているように、塗布媒体を導電性で形成しておく必要がある。1つの材料又は混合材料の導電率は、可動性の電荷の可用度に左右される。液体中で可動の電荷は、例えばイオンである。以下では具体例として、導電性という基準を満たす調合例を挙げておく。
【0030】
調合例1:独国特許第4320959号明細書の実施例8.1
水 470g
ラノリン−スルホサクシナート 20g
ベンズイソチアゾリノン 2g
ペンタグリセリン 100〜150g
ベーシックイエロー40(500%) 6.5g
ルベントイエロー43 0.5g
樹脂分散液 (40〜42%) 420g
+さらに別のステップ 独国特許第4320959号明細書参照
独国特許第4320959号明細書には、同様に導電性という基準を満たし、本発明による入力装置に使用可能な多数のインク例が示されている。
【0031】
調合例2:黒色のパーマネントインク
n−プロパノール 89.3重量%
水 0.3重量%
結合剤 3.5重量%
3−メチル安息香酸 0.2重量%
パラフィンワックス 0.2重量%
ソルベントブルー129 5.5重量%
ソルベントバイオレット9 1.0重量%
調合例2は、独国特許出願公開第19626842号明細書から公知である。さらに別のインクとして、それらの組成に基づき同様に導電性である上記文献中の調合例1.1〜2.0を参照されたい。
【0032】
調合例3:フェルトペン用の赤色インク
水 61.8重量%
防腐剤 0.2重量%
密蝋 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.3重量%
乳化剤 1.4重量%
アラビアゴム 0.1重量%
ジエチレングリコール 32.1重量%
着色剤 3.8重量%
調合例3は、独国実用新案第29714594号明細書から公知である。さらに別のインクとして、それらの組成に基づき同様に導電性である上記文献中の調合例1〜9を参照されたい。
【0033】
図1及び図2に例示しながら説明した解決手段の利点は、市販の筆記用具をスタイラスペンに変更する場合、そもそも変更が必要だとしても、基本構造にごくわずかな変更を加えるだけでよく、そのような変更によっても筆記媒体の放出に影響を及ぼすことがない、ということである。この場合、変更該当個所は通常、接触素子が装備される端部ストッパと終端キャップだけである。
【符号の説明】
【0034】
1 入力装置
10 塗布デバイス
101 保持部
102 端部ストッパ
103 塗布部材
105 塗布媒体
107 貯蔵体
20 接触素子
201 コンタクトエレメント
202 ガイドエレメント
30 終端キャップ
302 内側キャップ
303 保湿エレメント
図1
図2