(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に搭載され、前記車両の車速に対応する車速パルスを出力する車速センサに接続され、前記車速センサの故障を検出するための車速センサ故障検出装置の制御方法において、
前記車速センサから入力された前記車速パルスのパルス幅に対応するパルス幅データを記憶部に記憶させるステップと、
前記車速パルスよりも短い所定の演算周期で演算して前記車速センサの故障を演算部に判断させるステップとを備え、
前記演算部は、前記車速センサから新たに入力された前記車速パルスに基づく新たなパルス幅と、前記記憶部から読み出した前記パルス幅データに対応する前回入力された前記車速パルスに基づく前回のパルス幅とが同じときに、前記車速センサが故障したと判断することを特徴とする、車速センサ故障検出装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術による車速センサ故障検出装置では、断線等の故障が生じた場合、故障後は車速パルスの変化が無くなるが、演算部がパルス計測デバイスからの信号を受け取って処理する演算ステップでは、車速パルスの変化がないことが断線等の故障のためなのか車速が0(ゼロ)に近いためなのかの判断はできず、上述の例えば840msである所定の上限時間までは信号を変化させず、上限時間後の信号の異常な変化によって断線等の故障を検出していた。このため、この上限時間の経過よりも短時間で断線等の故障を検出することはできなかった。
【0006】
また、近年、アダプティブクルーズ制御等のクルーズ制御、ASL(Adjustable Speed Limitter)制御等の中速から高速の速度範囲での走行中に、その走行を自動で高度に制御する機能が登場しており、これらの制御に車速センサからの車速パルスに基づく車速情報が用いられているが、これらの機能に用いられる車速情報として、より高精度な車速情報が求められている。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、車速センサの故障を短時間で検出することのできる車速センサ故障検出装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両に搭載され、前記車両の車速に対応する車速パルスを出力する車速センサに接続され、前記車速センサの故障を検出するための車速センサ故障検出装置において、前記車速センサから入力された前記車速パルスのパルス幅に対応するパルス幅データを記憶する記憶部と、前記車速パルスよりも短い所定の演算周期で演算して前記車速センサの故障を判断する演算部とを備え、前記演算部は、前記車速センサから新たに入力された前記車速パルスに基づく新たなパルス幅と、前記記憶部から読み出した前記パルス幅データに対応する前回入力された前記車速パルスに基づく前回のパルス幅とが同じときに、前記車速センサが故障したと判断することを特徴とする。
【0009】
この場合において、前記演算部は、前記車速センサの故障検出が誤検出でないと判断可能な所定の回数の前記演算周期にわたって、前記新たなパルス幅と前記前回のパルス幅とが同じときに、前記車速センサが故障したと判断してもよい。前記所定の回数は、前記車両の速度に相当するパルス幅の時間を前記所定の演算周期で割った値以上の回数であってもよい。前記所定の回数は、前記車両の速度に相当するパルス幅の時間を前記所定の演算周期で割った値の2倍以上の回数であってもよい。前記車速センサは、前記車両の車速を自動で制御する車速自動制御に用いられるセンサであり、前記演算部は、前記車両の速度が、前記車速自動制御を実行可能な所定の車速以上の速度である場合のみに、前記車速センサの故障を判断してもよい。前記車速センサは、前記車両の車速を自動で制御する車速自動制御に用いられるセンサであり、前記演算部は、前記車速自動制御が実行されている場合のみに、前記車速センサの故障を判断してもよい。
【0010】
また、本発明は、車両に搭載され、前記車両の車速に対応する車速パルスを出力する車速センサに接続され、前記車速センサの故障を検出するための車速センサ故障検出装置の制御方法において、前記車速センサから入力された前記車速パルスのパルス幅に対応するパルス幅データを記憶部に記憶させるステップと、前記車速パルスよりも短い所定の演算周期で演算して前記車速センサの故障を演算部に判断させるステップとを備え、前記演算部は、前記車速センサから新たに入力された前記車速パルスに基づく新たなパルス幅と、前記記憶部から読み出した前記パルス幅データに対応する前回入力された前記車速パルスに基づく前回のパルス幅とが同じときに、前記車速センサが故障したと判断することを特徴とする。
【0011】
この場合において、前記演算部は、前記車速センサの故障検出が誤検出でないと判断可能な所定の回数の前記演算周期にわたって、前記新たなパルス幅と前記前回のパルス幅とが同じときに、前記車速センサが故障したと判断してもよい。前記所定の回数は、前記車両の速度に相当するパルス幅の時間を前記所定の演算周期で割った値以上の回数であってもよい。前記所定の回数は、前記車両の速度に相当するパルス幅の時間を前記所定の演算周期で割った値の2倍以上の回数であってもよい。前記車速センサは、前記車両の車速を自動で制御する車速自動制御に用いられるセンサであり、前記演算部は、前記車両の速度が、前記車速自動制御を実行可能な所定の車速以上の速度である場合のみに、前記車速センサの故障を判断してもよい。前記車速センサは、前記車両の車速を自動で制御する車速自動制御に用いられるセンサであり、前記演算部は、前記車速自動制御が実行されている場合のみに、前記車速センサの故障を判断してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、車速センサの故障を短時間で検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る車速センサ故障検出装置及び車速センサを示すブロック図である。この車速センサ故障検出装置100は、自動車等の車両に搭載されて車速センサ1と接続され、入力処理部2、車速センサ診断演算部3、記憶部4、クルーズ制御部5、及びASL(Adjustable Speed Limitter)制御部6とを備えている。
【0015】
車速センサ1は、車両の車軸等の回転に伴って回転するように構成されて回転に応じたパルス信号を出力するように設けられている。これにより、車速センサ1は、車両の車速に対応する車速パルスを出力するようになっている。
【0016】
入力処理部2は、車速センサ1が出力した車速パルスが入力されるようになっており、入力された車速パルスからパルス幅を算出し、算出したパルス幅を車速センサ診断演算部3に出力するようになっている。
【0017】
車速センサ診断演算部3は、車速パルスよりも短い所定の演算周期で演算して車速センサ1が故障したか否かを判断するための演算処理を実行可能に設けられている。この車速センサ診断演算部3は、入力処理部2から入力されたパルス幅に基づいて車両の車速を算出し、算出した車速を車速情報としてクルーズ制御部5やASL制御部6に出力可能に設けられている。また、車速センサ診断演算部3は、入力処理部2から入力された車速パルスに基づき、車速パルスのパルス幅に対応するデータをパルス幅データとして記憶部4に記憶させたり、記憶部4に記憶されたパルス幅データを読み出し、読み出したパルス幅データに対応する過去の車速パルスのパルス幅を取得したりすることができるようになっている。
【0018】
記憶部4は、メモリ等の記憶媒体であり、車速センサ診断演算部3による制御により、車速センサから入力された車速パルスのパルス幅に対応するパルス幅データ等の各種データを記憶できるように設けられている。
【0019】
クルーズ制御部5は、車両のクルーズ制御を実行可能に設けられている。クルーズ制御が実行されることにより、車両のドライバーは、アクセルペダルを踏み続けることなくセットした速度を維持できるようになっている。クルーズ制御部5は、車速センサ診断演算部3から取得した車速情報に基づいてクルーズ制御を実行するようになっている。
【0020】
ASL制御部6は、車両のASL制御を実行可能に設けられている。ASL制御が実行されることにより、車両は、ドライバーがアクセルペダルを踏み込み過ぎてもセットした速度を超えないようになっている。ASL制御部6は、車速センサ診断演算部3から取得した車速情報に基づいてASL制御を実行するようになっている。
【0021】
なお、本実施形態では、車速センサ診断演算部3が車速センサ1から入力された車速パルスに基づいて車速を演算しているが、これに限られない。例えば、
図1(b)に示すように、車速センサ1と車速センサ故障検出装置100との間、すなわち、車速センサ1と入力処理部2との間に、車速検出ECU7を設け、この車速検出ECU7によって車速を算出してもよい。
【0022】
図2は、車速センサ故障検出装置による車速センサ断線の検出の様子を示すグラフである。この図では、車両が11km/h(キロメートル毎時)の速度で走行中に車速センサ1が断線した時の車速センサ故障検出装置100の内部処理について示している。
図2(a)は、時間とパルス幅との関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸にパルス幅をμs(マイクロセカンド)で示している。
図2(b)は、時間と車速との関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸に車両の速度をkm/hで示している。
図2(c)は、時間とデバンス時間との関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸にデバンス時間をms(ミリセカンド)で示している。
図2(d)は、時間とエラー検出フラグとの関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸にエラー検出フラグを示している。これら
図2(a)乃至
図2(d)は、それぞれ時間軸がそろうように記載されている。
【0023】
図2(a)中、符号aは、パルス1個分の範囲aを示している。符号bは、パルス幅が変わってからのタイマカウントbを示しており、
図2(c)のデバンス時間に対応している。符号cは、車速センサ1が車速センサ故障検出装置から断線された断線位置cを示している。符号dは、車速センサ診断演算部3の内部処理の演算周期を示しており、本実施形態では20msとなっている。
【0024】
図2(b)からわかるように、車両は断線位置cに到達するまでは11km/hの一定速度で走行している。このとき、
図2(a)に示すように、車速パルスのパルス幅は、車両が一定速度で走行中であっても連続して同じ値になることはほとんど無く、微小な変動を続けている。
【0025】
図2では、車速センサから新たに入力された速度パルスに基づく新たなパルス幅の値が、車速センサ1から前回入力された速度パルスに基づく前回のパルス幅の値と同じ値になってから、120msのデバンス時間が経過すると、エラーを検出し、車速センサが断線したと判断する。これにより、車速センサ故障検出装置100は、
図2(d)に示すように、実際の車速センサ1の断線が発生してから、140ms後に車速センサ1の断線を検出することができる。このため、車速センサ故障検出装置100は、車速センサ1が断線してから150ms以内に断線を検出することができる。
【0026】
なお、
図2では、車速センサ診断演算部3の内部処理の演算周期が20msであり、車速センサ1の断線が実際に発生してから140ms後に車速センサ1の断線を検出するように設定されている。
図2における実施形態では、車速センサ1の断線を検出可能な車両の最低速度は例えば約10.084km/hとなっている。
【0027】
新たなパルス幅の値と前回のパルス幅の値との差が0(ゼロ)の状態が続いたときに断線であると判断するための時間は演算周期の倍数となるが、この倍数の値、すなわち演算周期の回数は、車速の逆数である、車両の速度に相当するパルス幅の時間を、演算周期で割った値以上の回数となり、例えば、その2倍以上の回数であってもよい。
【0028】
図3は、誤検出しないように設定された車速センサ故障検出装置による車速センサ断線の検出の様子を示すグラフである。この図では、車両が25.5km/hの速度で走行中に車速センサ1が断線した時の車速センサ故障検出装置100の内部処理について示している。
図3(a)は、時間とパルス幅との関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸にパルス幅をμsで示している。
図3(b)は、時間と車速との関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸に車両の速度をkm/hで示している。
図3(c)は、時間とデバンス時間との関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸にデバンス時間をmsで示している。
図3(d)は、時間とエラー検出フラグとの関係を示す図であり、横軸に時間tを示しており、縦軸にエラー検出フラグを示している。これら
図3(a)乃至
図3(d)は、それぞれ時間軸がそろうように記載されている。
【0029】
図3(a)中、符号aは、パルス1個分の範囲aを示している。符号a1は、パルス3個分の範囲a1を示している。符号bは、パルス幅が変わってからのタイマカウントbを示しており、
図3(c)のデバンス時間に対応している。符号cは、車速センサ1が車速センサ故障検出装置から断線された断線位置cを示している。符号dは、車速センサ診断演算部3の内部処理の演算周期を示しており、本実施形態では20msとなっている。
【0030】
図3(b)からわかるように、車両は断線位置cに到達するまでは25.5km/hの一定速度で走行している。このとき、
図3(a)に示すように、車速パルスのパルス幅は、車両が一定速度で走行中であっても連続して同じ値になることはほとんど無く、微小な変動を続けている。
【0031】
図3では、運転席の速度メータで読み取った速度で30km/h以下で車両が走行しているときに車速センサ1の断線を検出することを目的としている。速度メータで読み取った速度が29km/hでASLを実行させて定常走行するときの制御車速は例えば25km/hから26km/hの間である。
図3における実施形態では、誤検出を防止可能な最低車速を25km/hとしており、このときのパルス幅は例えば約56.45msとなっている。
【0032】
図3では、
図2と同様に、この車速パルスのパルス幅が全く変化しなくなったら断線等の故障が発生したと判断することにより、車速センサの故障検出を行っている。また、同じパルス幅の3つの車速パルスがたまたま連続して入力されたとしても車速が0(ゼロ)km/hであると誤検出しないように、新たに入力された車速パルスに基づく新たなパルス幅の値が前回入力された車速パルスに基づく前回のパルス幅と同じ値になってからのデバンス時間を、車速センサの故障検出が誤検出でないとある程度の確実性を持って判断できるように、160msに設定している。すなわち、車速センサ1が断線等していない通常走行時において4回連続同じパルス幅の車速パルスが入力されることはないものと想定している。具体的には、車速が25km/hのときの車速パルスのパルス幅3つ分の時間は1つのパルス幅が約56.45msであることから約168.35msとなる。従って、演算周期が20msであることから、車速センサから入力されたパルス信号のパルス幅の値が、前回のパルス幅の値と同じ値になってから160msのデバンス時間が経過すると、エラーを検出し、車速センサが断線したと判断することにより、車速センサ故障検出装置100は、実際の車速センサ1の断線が発生してから、180ms後に車速センサ1の断線を検出することができる。これにより、車速センサ故障検出装置100は、車速センサ1が断線してから190ms以内に断線を検出することができる。
【0033】
図4は、車速センサ故障検出装置による車速センサ断線の検出処理を示すフローチャートである。なお、
図4のフローチャートは、
図3のグラフにおける処理と対応している。
車速センサ1は、20msごとに車速パルスを出力している。
【0034】
車速センサ1が出力した車速パルスが入力処理部2に入力されると、入力処理部2は車速パルスからパルス幅を算出して車速センサ診断演算部3に出力する(ステップS1)。このとき、入力処理部2は、新たな車速パルスの入力がない場合は、前回の車速パルスのパルス幅の値を車速センサ診断演算部3に出力するようになっている。
【0035】
パルス幅が入力されると、車速センサ診断演算部3は、車速パルスのパルス幅が所定のパルス幅以下であるか否かを判断する(ステップS2)。これにより、車速センサ診断演算部3は、車速センサ1が車速を検出可能な下限値以上の車速である場合のみに、車速センサの故障を判断するようになっている。このとき用いられる所定のパルス幅の値は、例えば時速3km/hに相当するパルス幅である。
【0036】
ステップS2において、車速パルスのパルス幅が所定のパルス幅以下であると判断すると(ステップS2:Yes)、車速センサ診断演算部3は、一連の処理に用いる車速パルスのパルス幅として入力処理部2から入力された値を設定し(ステップS3)、ステップS5の処理に移行する。
【0037】
一方、ステップS2において、車速パルスのパルス幅が所定のパルス幅以下でないと判断すると(ステップS2:No)、車速センサ診断演算部3は、一連の処理に用いる車速パルスのパルス幅として0(ゼロ)μsを設定し(ステップS4)、ステップS5の処理に移行する。ここで、車速パルスのパルス幅として0(ゼロ)μsを用いることにより、車速センサ診断演算部3は、車速が0(ゼロ)km/hであると判断することができる。
【0038】
ステップS3またはステップS4の処理を実行すると、車速センサ診断演算部3は、車速を計算し(ステップS5)、車速センサ故障診断処理を開始し(ステップS6)、故障が検出されたか否かを判断する(ステップS7)。
【0039】
ステップS7において、故障が検出されていないと判断すると(ステップS7:No)、車速センサ診断演算部3はステップS9の処理に移行する。
【0040】
一方、ステップS7において、故障が検出されたと判断すると(ステップS7:Yes)、車速センサ診断演算部3はフェールセーフ処理を実行してクルーズ制御やASL制御を停止させたり、故障が検出された旨をドライバーに報知したりする(ステップS8)。
【0041】
ステップS7またはステップS8の処理を実行すると、車速センサ診断演算部3は、車速センサ1から新たに入力された車速パルスに基づく新たなパルス幅の値が車速センサ1から前回入力された速度パルスに基づく前回のパルス幅の値と違うか否かを判断する(ステップS9)。なお、車速センサ1から前回入力された速度パルスに基づく前回のパルス幅は、車速センサ診断演算部3が記憶部4から読み出したパルス幅データに基づいている。
【0042】
ステップS9において、新たに車速センサ1から入力された車速パルスに基づく新たなパルス幅の値が前回車速センサ1から入力された速度パルスに基づく前回のパルス幅の値と違うと判断すると(ステップS9:Yes)、車速センサ診断演算部3は、タイマカウンタをクリアして0(ゼロ)にする(ステップ11)。
【0043】
一方、ステップS9において、新たに車速センサ1から入力された車速パルスのパルス幅の値が前回車速センサ1から入力された速度パルスのパルス幅の値と違わない、すなわち同じであると判断すると(ステップS9:No)、車速センサ診断演算部3は、新たに車速センサ1から入力された車速パルスのパルス幅から算出した車速が車速自動制御を実行可能な所定の車速よりも小さいか否かを判断する(ステップS10)。これにより、車速センサ診断演算部3は、車速パルスから算出した速度が、クルーズ制御やASL制御等の車速自動制御を実行可能な所定の車速以上の速度である場合のみに、車速センサの故障を判断するように一連の処理を実行することができる。
【0044】
ステップS10において、新たに車速センサ1から入力された車速パルスのパルス幅から算出した車速が車速自動制御を実行可能な所定の車速よりも小さいと判断すると(ステップS10:Yes)、車速センサ診断演算部3は、ステップS11の処理に移行する。
【0045】
一方、ステップS10において、新たに車速センサ1から入力された車速パルスのパルス幅から算出した車速が車速自動制御を実行可能な所定の車速よりも小さくないと判断すると(ステップS10:No)、車速センサ診断演算部3は、タイマカウンタの値に1を加える(ステップS12)。これにより、車速センサ診断演算部3は、新たに入力された車速パルスのパルス幅が前回のパルス幅と同じだった回数が1回増えたことがわかる。ステップS12の処理を実行すると、車速センサ診断演算部3は、ステップS13の処理に移行する。
【0046】
ステップS11またはステップS12の処理を実行すると、車速センサ診断演算部3は、タイマカウンタの値が2以下であるか否かを判断する(ステップS13)。これにより、車速センサ診断演算部3は、連続して同じパルス幅の車速パルスが入力された回数が3回以下か否かを判断することができる。
【0047】
ステップS13において、タイマカウンタの値が2以下であると判断すると(ステップS13:Yes)、車速センサ診断演算部3は、ステップS15の処理に移行する。
【0048】
一方、ステップS13において、タイマカウンタの値が2以下でないと判断すると(ステップS13:No)、車速センサ診断演算部3は、タイマカウンタの値が3以上である、すなわち連続して同じパルス幅の車速パルスが入力された回数が4回以上であるため、車速センサが故障したことを検出し(ステップS14)、ステップS15の処理に移行する。
【0049】
ステップS13またはステップS14の処理を実行すると、車速センサ診断演算部3は、故障が検出されたか否かを判断する(ステップS15)。このとき、車速センサ診断演算部3は、ステップS14において故障を検出した場合は故障が検出されたと判断し、その他の場合は故障が検出されていないと判断する。
【0050】
ステップS15において、故障が検出されていないと判断すると(ステップS15:No)、車速センサ診断演算部3は、一連の処理を終了する。
【0051】
一方、ステップS15において、故障が検出されたと判断すると(ステップS15:Yes)、車速センサ診断演算部3は、フェールセーフ処理を実行してクルーズ制御やASL制御を停止させたり、故障が検出された旨をドライバーに報知したり(ステップS16)し、一連の処理を終了する。
【0052】
以上の処理により、車速センサ診断演算部3は、新たに入力された車速パルスのパルス幅の値が前回入力された車速パルスのパルス幅の値と異なる場合は、車速センサ1に断線等の故障が生じていないことを検出し、3回以上連続して同じパルス幅の車速パルスが入力された場合は、車速センサ1に断線等の故障が生じたことを検出することができる。
【0053】
また、車速センサ診断演算部3は、同じパルス幅の車速パルスが入力された回数を3回以上とすることにより、車速センサ1の故障検出が誤検出でないと判断することができる。
【0054】
なお、車速センサ1の故障の判断は、クルーズ制御やASL制御等の車速自動制御が実行されている場合のみに実行するようにしてもよい。
【0055】
本実施形態では、車速センサ1から入力された車速パルスのパルス幅に対応するパルス幅データを記憶する記憶部4と、車速パルスよりも短い所定の演算周期で演算して車速センサ1の故障を判断する車速センサ診断演算部3とを備え、車速センサ診断演算部3は、車速センサ1から新たに入力された車速パルスに基づく新たなパルス幅と、記憶部4から読み出したパルス幅データに対応する前回入力された車速パルスに基づく前回のパルス幅とが同じときに、車速センサ1が故障したと判断するようになっている。これにより、車速センサ1の断線等の故障の判断に、例えば、840ms等の予め設定された時間が経過するまで待つ必要がないため、演算周期20msの5回分であれば100ms等、車速センサ1の故障を短時間で検出することができる。
【0056】
また、本実施形態では、新たなパルス幅の値と前回のパルス幅の値との差が0(ゼロ)の状態が続いたら断線と判断するための時間は演算周期の倍数となるが、この倍数の値、すなわち演算周期の回数は、車速の逆数である車両の速度に相当するパルス幅の時間を、演算周期で割った値以上の回数としている。このため、車速センサ1の故障を短時間で検出することができる。
【0057】
さらに、本実施形態では、新たなパルス幅の値と前回のパルス幅の値との差が0(ゼロ)の状態が続いたら断線と判断するための時間は演算周期の倍数となるが、この倍数の値、すなわち演算周期の回数は、車速の逆数である車両の速度に相当するパルス幅の時間を、演算周期で割った値の2倍以上の回数としている。これにより、誤検出を防止することができるため、車速センサ1の故障を短時間で確実に検出することができる。