特許第6180670号(P6180670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新電元工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6180670-半導体装置 図000002
  • 特許6180670-半導体装置 図000003
  • 特許6180670-半導体装置 図000004
  • 特許6180670-半導体装置 図000005
  • 特許6180670-半導体装置 図000006
  • 特許6180670-半導体装置 図000007
  • 特許6180670-半導体装置 図000008
  • 特許6180670-半導体装置 図000009
  • 特許6180670-半導体装置 図000010
  • 特許6180670-半導体装置 図000011
  • 特許6180670-半導体装置 図000012
  • 特許6180670-半導体装置 図000013
  • 特許6180670-半導体装置 図000014
  • 特許6180670-半導体装置 図000015
  • 特許6180670-半導体装置 図000016
  • 特許6180670-半導体装置 図000017
  • 特許6180670-半導体装置 図000018
  • 特許6180670-半導体装置 図000019
  • 特許6180670-半導体装置 図000020
  • 特許6180670-半導体装置 図000021
  • 特許6180670-半導体装置 図000022
  • 特許6180670-半導体装置 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6180670
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/28 20060101AFI20170807BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H01L21/28 301B
   H01L21/28 301R
   H01L29/44 S
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-571172(P2016-571172)
(86)(22)【出願日】2016年9月21日
(86)【国際出願番号】JP2016077803
【審査請求日】2016年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐介
【審査官】 河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−016017(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/183677(WO,A1)
【文献】 特開2015−162534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/28
H01L 29/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化ケイ素を主成分として構成されたN型半導体の半導体層と、
前記半導体層にオーミック接触され、炭化チタンを主成分として構成されたオーミック層と、
少なくとも前記オーミック層の一部に、前記半導体層と前記オーミック層との接触面に発生する応力を緩和する応力緩和部と、
を備え、
前記応力緩和部は、前記接触面に、前記半導体層と前記オーミック層との接触面積が増大するように凹凸形状に形成された第1の凹凸部を有し、
前記オーミック層の厚み方向における前記凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差は、前記応力緩和部が設けられる面内の中央部の方が当該中央部の外周側に比べて大きい、
半導体装置。
【請求項2】
前記応力緩和部は、前記オーミック層のうちの一面であって、前記接触面に対向する面に、前記オーミック層の厚み方向において凹凸形状に形成された第2の凹凸部を有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記応力緩和部は、自身が設けられる面内の中央部に配置されている
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記応力緩和部には、前記接触面が不連続になるように配置された前記オーミック層が含まれる、
請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、炭化ケイ素(SiC)の半導体基板を使用した半導体装置は、バンドギャップが広く高温動作が可能であるため、広く普及している。従来の炭化ケイ素の半導体基板を使用した半導体装置は、半導体基板が有する半導体層の面上に、ニッケル(Ni)とシリコン(Si)との合金を形成して、半導体層とオーミック接触するオーミック層を構成していた(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−201413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の半導体装置では、オーミック層として、ニッケルとシリコンとの合金を形成すると、ニッケルとシリコンとの様々な組成の合金が形成されて、オーミック層の抵抗が不均一になる場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、オーミック層の抵抗が不均一になることを低減することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、炭化ケイ素を主成分として構成されたN型半導体の半導体層と、前記半導体層にオーミック接触され、炭化チタンを主成分として構成されたオーミック層と、少なくとも前記オーミック層の一部に、前記半導体層と前記オーミック層との接触面に発生する応力を緩和する応力緩和部と、を備え、前記応力緩和部は、前記接触面に、前記半導体層と前記オーミック層との接触面積が増大するように凹凸形状に形成された第1の凹凸部を有し、前記オーミック層の厚み方向における前記凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差は、前記応力緩和部が設けられる面内の中央部の方が当該中央部の外周側に比べて大きい、半導体装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の半導体装置において、前記応力緩和部は、前記オーミック層のうちの一面であって、前記接触面に対向する面に、前記オーミック層の厚み方向において凹凸形状に形成された第2の凹凸部を有してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の半導体装置において、前記応力緩和部は、自身が設けられる面内の中央部に配置されていてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の半導体装置において、前記応力緩和部には、前記接触面が不連続になるように配置された前記オーミック層が含まれてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、半導体装置は、炭化ケイ素を主成分として構成されたN型半導体の半導体層と、当該半導体層にオーミック接触され、炭化チタン(TiC)を主成分として構成されたオーミック層とを備える。これにより、本発明による半導体装置は、N型半導体の炭化ケイ素の半導体層の面上に、炭化チタンのオーミック層が形成される構成であるため、オーミック層を形成するにあたり、ニッケルとシリコンとの合金を形成する必要がない。そのため、本発明による半導体装置は、ニッケルとシリコンとの合金により、オーミック層の抵抗が不均一になることがない。よって、本発明による半導体装置は、オーミック層の抵抗が不均一になることを低減することができる。なお、炭化ケイ素の半導体層と、炭化チタンのオーミック層との間においても、従来のニッケルとシリコンとのように様々な組成の合金が形成されないため、様々な組成の合金による抵抗の不均一が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図2】第2の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図3】第3の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図4】第4の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図5】第5の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図6】第6の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図7】第7の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図8】第8の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図9】第9の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図及び平面構成図である。
図10】第9の実施形態による半導体装置の第1変形例を示す断面構成図である。
図11】第9の実施形態による半導体装置の第2変形例を示す断面構成図である。
図12】第9の実施形態による半導体装置の第3変形例を示す断面構成図である。
図13】第9の実施形態による半導体装置の第4変形例を示す断面構成図である。
図14】第9の実施形態による半導体装置の第5変形例を示す断面構成図である。
図15】第9の実施形態による半導体装置の第6変形例を示す断面構成図である。
図16】第9の実施形態による半導体装置の第7変形例を示す断面構成図である。
図17】第10の実施形態による半導体装置の一例を示す断面構成図である。
図18】第10の実施形態による半導体装置の第1変形例を示す断面構成図である。
図19】第10の実施形態による半導体装置の第2変形例を示す断面構成図である。
図20】第10の実施形態による半導体装置の第3変形例を示す断面構成図である。
図21】第10の実施形態による半導体装置の第4変形例を示す断面構成図である。
図22】第10の実施形態による半導体装置の第5変形例を示す断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態による半導体装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1に示すように、第1の実施形態による半導体装置100は、半導体層10と、オーミック層20とを備える。半導体装置100は、炭化ケイ素(以下、SiCと表記することがある)の半導体基板を用いた半導体素子であり、例えば、サイリスタ、トランジスタ、ダイオードなど、オーミック接触を必要とする半導体素子である。
なお、図1図22において、特段の説明がない限りにおいては、紙面上の左右方向をX軸方向、紙面に直角な方向をY軸方向、紙面上の上下方向(半導体層10の厚み方向)をZ軸方向とする。
【0017】
半導体層10は、半導体基板の一部であり、例えば、SiCにより構成される。また、半導体層10は、N型半導体である。
【0018】
オーミック層20は、半導体層10にオーミック接触される金属層であり、例えば、炭化チタン(以下、TiCと表記することがある)を主成分として構成される。オーミック層20は、例えば、半導体層10の裏面(Z軸方向の−(マイナス)方向側の主面)に形成されている。オーミック層20は、研磨して平坦化された半導体層10の主面(平坦面)にTiCを形成して加熱することで、TiCと半導体層10のSiCとをオーミック接触させて形成される。オーミック層20は、例えば、スパッタリングなどの製造技術を利用して形成されてもよい。
【0019】
また、オーミック層20において、オーミック接触している接触面は、半導体層10の主面に沿った平坦面である。また、オーミック層20のオーミック接触している接触面の反対側の面は、半導体層10の主面に平行な平坦面に形成されている。
【0020】
以上説明したように、半導体装置100は、半導体層10と、オーミック層20とを備える。半導体層10は、炭化ケイ素(SiC)を主成分として構成されたN型半導体の層である。オーミック層20は、半導体層10にオーミック接触され、炭化チタン(TiC)を主成分として構成されている。
【0021】
これにより、本実施形態による半導体装置100は、N型半導体のSiCの半導体層の面上に、TiCのオーミック層20が形成される構成であるため、オーミック層20を形成するにあたり、ニッケルとシリコンとの合金(ニッケルシリサイド)を形成する必要がない。すなわち、本実施形態による半導体装置100は、オーミック層20にニッケルとシリコンとの合金(ニッケルシリサイド)を使用しない。そのため、本実施形態による半導体装置100は、ニッケルとシリコンとの合金(ニッケルシリサイド)により、オーミック層20の抵抗が不均一になることがない。よって、本実施形態による半導体装置100は、オーミック層20の抵抗が不均一になることを低減することができる。
【0022】
なお、SiCの半導体層10と、TiCのオーミック層20との間においても、従来のニッケルとシリコンとのように様々な組成の合金(ニッケルシリサイド)が形成されないため、様々な組成の合金(ニッケルシリサイド)による抵抗の不均一が生じることがない。そのため、本実施形態による半導体装置100は、オーミック層20の局所的な抵抗の不均一を低減することができる。また、本実施形態による半導体装置100は、ウェハ内、及びウェハ間のオーミック層20の抵抗のバラツキを低減することができる。
【0023】
[第2の実施形態]
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施形態による半導体装置101について説明する。
【0024】
図2に示すように、第2の実施形態による半導体装置101は、半導体層10と、オーミック層20とを備える。また、半導体装置101は、半導体層10とオーミック層20、又はオーミック層20により構成される応力緩和部30を備える。
なお、図2において、図1と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、半導体装置101が、応力緩和部30を備える点が、第1の実施形態と異なる。
【0025】
本実施形態におけるオーミック層20は、半導体層10とオーミック層20との接触面であるオーミック接触面CF1に対向する面(対向面OF1)に、凹凸形状に形成された凹凸部31(第2の凹凸部の一例)を有する。ここで、オーミック接触面CF1に対向する面(対向面OF1)は、オーミック接触面CF1の反対側の面である。また、オーミック層20は、研磨して平坦化された半導体層10の主面(裏面)にTiCを形成して、例えば、レーザを照射して加熱することにより半導体層10とオーミック接触させて形成される。また、オーミック層20の凹凸部31は、例えば、対向面OF1にレーザが照射されることにより形成される。
【0026】
応力緩和部30は、少なくともオーミック層20の一部に、半導体層10とオーミック層20とのオーミック接触面CF1(接触面)に発生する応力を緩和する。応力緩和部30は、オーミック層20のうちの一面であって、オーミック接触面CF1に対向する面(対向面OF1)に、凹凸形状に形成された凹凸部31(第2の凹凸部)を有する。
【0027】
凹凸部31は、オーミック層20の表面積を増大させて放熱効率を向上させることで、オーミック接触面CF1に発生する応力を緩和する。凹凸部31は、複数の凸部及び凹部を含んでいる。ここで、凹凸部31の凸部又は凹部の間隔W1は、例えば、凸部の高さH1(凹部と凸部との起伏の差)の5倍から50倍である。また、凹凸部31において、凸部の頂部及び凹部の底部は、丸みを帯びて形成されている。凹凸部31は、例えば、断面視で波状の面に形成されている。
【0028】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置101は、半導体層10と、オーミック層20とを備えるとともに、少なくともオーミック層20の一部に、半導体層10とオーミック層20とのオーミック接触面CF1(接触面)に発生する応力を緩和する応力緩和部30を備える。
これにより、本実施形態による半導体装置101は、第1の実施形態と同様に、オーミック層20の抵抗が不均一になることを低減することができる。
【0029】
また、例えば、オーミック層20に大電流が流れて発熱した場合に、上述した第1の実施形態による半導体装置101では、半導体層10のTiCの熱膨張率(約7.8×10−6/℃)と、オーミック層20のTiCの熱膨張率(約4.6×10−6/℃)との差が大きいため、オーミック接触面CF1に応力が発生して、オーミック接触面CF1の周辺にクラックが発生する場合がある。
これに対して、本実施形態による半導体装置101は、応力緩和部30を備えるため、半導体層10とオーミック層20との熱膨張率の違いにより発生するオーミック接触面CF1の応力を緩和(低減)することができる。よって、本実施形態による半導体装置101は、上述したオーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0030】
また、本実施形態では、応力緩和部30は、オーミック層20のうちの一面であって、オーミック接触面CF1に対向する面(対向面OF1)に、凹凸形状に形成された凹凸部31(第2の凹凸部)を有する。
これにより、例えば、オーミック層20に大電流が流れて発熱した場合に、凹凸部31が、オーミック層20の表面積を増大させて放熱効率を向上させるため、オーミック接触面CF1の温度を低減することができる。そのため、本実施形態による半導体装置101は、クラックの発生を低減することができる。
【0031】
[第3の実施形態]
次に、図3を参照して、本発明の第3の実施形態による半導体装置101aについて説明する。
【0032】
図3に示すように、第3の実施形態による半導体装置101aは、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部30aを備える。
なお、図3において、図2と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、オーミック層20に形状された応力緩和部30aが異なる点が、第2の実施形態と異なる。
【0033】
本実施形態におけるオーミック層20は、複数の山型形状(例えば、断面視で三角形状)のTiCの金属層が、半導体層10の平坦な主面に配置されて形成されている。オーミック層20の複数の山型形状は、間隔を開けて不連続に配置されている。ここで、半導体層10の主面上の山型形状の間隔W2は、例えば、半導体層10の厚み方向における山型形状の高さH2の5倍から50倍である。
【0034】
応力緩和部30aは、上述した山型形状のオーミック層20を有している。応力緩和部30aは、オーミック層20がない(又は、オーミック層20が厚み方向(Z軸方向)の厚さが、上述の高さH2の1/1000以下である)不連続部分33を有している。すなわち、応力緩和部30aには、オーミック接触面CF1が不連続になるように配置されたオーミック層20が含まれる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置101aには、オーミック層20に応力緩和部30aが設けられている。
これにより、本実施形態による半導体装置101aは、第2の実施形態と同様に、オーミック層20の抵抗が不均一になることを低減することができるとともに、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0036】
本実施形態では、応力緩和部30aには、接触面が不連続になるように配置されたオーミック層20が含まれる。
これにより、本実施形態による半導体装置101aでは、例えば、オーミック層20に大電流が流れて発熱した場合に、不連続部分33が、オーミック層20の熱膨張により発生する応力を緩和する。そのため、本実施形態による半導体装置101aでは、クラックの発生を低減することができる。
【0037】
また、本実施形態では、オーミック層20が、山型形状(例えば、断面が三角形状)であるため、第2の実施形態と同様に、オーミック層20の表面積を増大させて放熱効率を向上させることができる。よって、本実施形態による半導体装置101aでは、クラックの発生をさらに低減することができる。
【0038】
[第4の実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第4の実施形態による半導体装置101bについて説明する。
【0039】
図4に示すように、第4の実施形態による半導体装置101bは、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部30bを備える。
なお、図4において、図2と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、応力緩和部30bが、オーミック接触面CF1の凹凸部32を備える点が、第2の実施形態と異なる。
【0040】
本実施形態における半導体層10は、オーミック層20と接触する面(オーミック接触面CF1)が、凹凸形状に形成されている。オーミック層20は、この凹凸形状に沿って形成されている。すなわち、オーミック層20は、オーミック接触面CF1に、半導体層10とオーミック層20とのオーミック接触面CF1の面積(接触面積)が増大するように凹凸形状に形成された凹凸部32(第1の凹凸部の一例)を有する。また、オーミック層20は、オーミック接触面CF1の対向面OF1に、凹凸形状に形成された凹凸部31(第2の凹凸部の一例)を有する。
なお、凹凸部31及び凹凸部32における凸部又は凹部の間隔は、上述した第2の実施形態と同様であり、例えば、凸部の高さの5倍から50倍である。
【0041】
このように、応力緩和部30bは、上述した凹凸部31及び凹凸部32を有している。
凹凸部32(第1の凹凸部の一例)は、オーミック接触面CF1に、半導体層10とオーミック層20とのオーミック接触面CF1の面積(接触面積)が増大するように凹凸形状に形成されている。凹凸部32は、凹凸形状によりオーミック接触面CF1の面積(接触面積)を増大させることで、オーミック接触面CF1に発生する応力を分散させて緩和する。凹凸部32は、複数の凸部及び凹部を含んでいる。凹凸部32は、例えば、断面視で波状の面に形成されている。
【0042】
また、凹凸部32は、オーミック層20の表面積を増大させて放熱効率を向上させることで、オーミック接触面CF1に発生する応力を緩和する。凹凸部31は、複数の凸部及び凹部を含んでいる。凹凸部31は、例えば、断面視で波状の面に形成されている。
【0043】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置101bは、半導体層10の一部と、オーミック層20とに、応力緩和部30bが設けられている。
これにより、本実施形態による半導体装置101bは、第2の実施形態と同様に、オーミック層20の抵抗が不均一になることを低減することができるとともに、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0044】
また、本実施形態では、応力緩和部30bは、オーミック接触面CF1に、半導体層10とオーミック層20とのオーミック接触面CF1の面積(接触面積)が増大するように凹凸形状に形成された凹凸部32(第1の凹凸部)を有する。
これにより、例えば、オーミック層20に大電流が流れて発熱した場合に、凹凸部32が、オーミック接触面CF1の面積(接触面積)を増大させて、オーミック接触面CF1に発生する応力を分散させる。そのため、本実施形態による半導体装置101bは、クラックの発生を低減することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、応力緩和部30bは、凹凸部32(第1の凹凸部)と、凹凸部31(第2の凹凸部)とによって構成される。
これにより、本実施形態による半導体装置101bは、クラックの発生をさらに低減することができる。
【0046】
[第5の実施形態]
次に、図5を参照して、本発明の第5の実施形態による半導体装置101cについて説明する。
【0047】
図5に示すように、第5の実施形態による半導体装置101cは、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部30cを備える。
なお、図5において、図4と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、応力緩和部30cが、凹凸部31及び凹凸部32の形状が異なる点が、第4の実施形態と異なる。
【0048】
本実施形態では、凹凸部31及び凹凸部32が、山型形状(例えば、断面視で三角形状)に形成されている。例えば、半導体層10は、オーミック層20と接触する面(オーミック接触面CF1)が、断面視で山型形状の凹凸形状に形成されている。また、オーミック層20は、半導体層10の山型形状に沿って形成され、山型形状の凹凸部31及び凹凸部32を有する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置101cは、応力緩和部30cを備え、応力緩和部30cは、断面視で山型形状の凹凸部31及び凹凸部32を有している。
これにより、本実施形態による半導体装置101cは、第4の実施形態と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0050】
[第6の実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第6の実施形態による半導体装置101dについて説明する。
【0051】
図6に示すように、第6の実施形態による半導体装置101dは、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部30dを備える。
なお、図6において、図3及び図5と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、半導体層10及びオーミック層20の形状が異なる、第3の実施形態の変形例について説明する。
【0052】
本実施形態における半導体層10は、第5の実施形態と同様の形状であり、オーミック層20と接する面(オーミック接触面CF1)が、断面視で山型形状の凹凸形状に形成されている。
また、本実施形態におけるオーミック層20は、半導体層10の凹凸形状の凹部分(谷部分)を埋めるように形成されている。なお、オーミック層20は、半導体層10の凹凸形状の凸部分(山部分)が、不連続になるように、形成されている。すなわち、応力緩和部30dは、オーミック層20の不連続部分33を有している。なお、オーミック層20は、半導体層10の凹部分の形状に対応するように、半導体層10側に凹む凹形状が形成されている。
【0053】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置101dは、応力緩和部30dを備え、応力緩和部30dは、断面視で山型形状のオーミック接触面CF1を有している。
これにより、本実施形態による半導体装置101dは、第3の実施形態と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0054】
また、本実施形態では、応力緩和部30dは、オーミック接触面CF1に、断面視で山型形状の凹凸形状に形成された凹凸部32を有する。
これにより、本実施形態による半導体装置101dは、クラックの発生をさらに低減することができる。
【0055】
[第7の実施形態]
次に、図7を参照して、本発明の第7の実施形態による半導体装置101eについて説明する。
【0056】
図7に示すように、第7の実施形態による半導体装置101eは、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部30eを備える。
なお、図7において、図6と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、オーミック層20の形状が異なる、第6の実施形態の変形例について説明する。
【0057】
本実施形態における半導体層10は、オーミック層20と接する面(オーミック接触面CF1)が、断面視で山型形状の凹凸形状に形成されている。
また、本実施形態におけるオーミック層20は、半導体層10の凹凸形状の凹部分(谷部分)の最も凹んだ部分に対応する位置において、不連続部分33を有するように形成されている。なお、オーミック層20は、半導体層10の凹凸形状の凸部分(山部分)及び凹部分(谷部分)が、不連続になるように形成されている。
【0058】
このように、本実施形態では、オーミック層20に設けられた応力緩和部30eは、不連続部分33を有している。
これにより、本実施形態による半導体装置101eは、第6の実施形態と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0059】
[第8の実施形態]
次に、図8を参照して、本発明の第8の実施形態による半導体装置101fについて説明する。
【0060】
図8に示すように、第8の実施形態による半導体装置101fは、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部30fを備える。
なお、図8において、図6と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
本実施形態では、オーミック層20の形状が異なる、第6の実施形態の変形例について説明する。
【0061】
本実施形態における半導体層10は、第5の実施形態と同様の形状であり、オーミック層20と接する面(オーミック接触面CF1)が、断面視で波状の凹凸形状に形成されている。
また、本実施形態におけるオーミック層20は、半導体層10の凹凸形状の凹部分を埋めるように形成されている。なお、オーミック層20は、半導体層10の凹凸形状の凸部分が、不連続になるように(例えば、隣接する凹部に埋め込まれたオーミック層20がつながらないように)、形成されている。すなわち、応力緩和部30fは、オーミック層20の不連続部分33を有している。
【0062】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置101fは、応力緩和部30fを備え、応力緩和部30fは、断面視で波状のオーミック接触面CF1を有している。
これにより、本実施形態による半導体装置101fは、第3の実施形態と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0063】
[第9の実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第9の実施形態による半導体装置102について説明する。
【0064】
図9に示すように、第9の実施形態による半導体装置102は、オーミック層20により構成される応力緩和部40を備える。
なお、図9に示す半導体装置102の断面図は、半導体装置102の平面図のAB線上の断面を示している。また、図9に示す半導体装置102の平面図は、半導体装置102を上方から見た平面図であり、厚み方向に直角な平面(XY平面)を示している。図9に示す平面図は、紙面上の左右方向をX軸方向、紙面に直角な方向(半導体層10の厚み方向)をZ軸方向、紙面上の上下方向をY軸方向とする。
本実施形態では、応力緩和部40が、半導体装置102のXY平面上の中央部CTRに設けられている場合の一例について説明する。
【0065】
オーミック層20は、XY平面上の中央部CTRの対向面OF1に断面視で山型形状の凹凸部41(第2凹凸部の一例)を有している。この凹凸部41は、一例として、オーミック層20の水平面(XY平面)における中心位置から所定の半径の円の領域内に形成されている。
【0066】
なお、本実施形態では、オーミック層20の対向面OF1の外周部OSは、凹凸形状を有さない平坦面により形成されている。凹凸部41は、外周部OSの平坦面から突出するように形成されている。ここで、中央部CTRは、例えば、対向面OF1を半導体装置102の裏面とした場合に、当該裏面と反対側の半導体装置102の表面に形成されている電極60に対応する範囲である。
すなわち、応力緩和部40は、自身が設けられる面内の中央部CTRに配置されている。
【0067】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置102は、応力緩和部40を備え、応力緩和部40は、自身が設けられる面内の中央部CTRに配置されている。
これにより、本実施形態による半導体装置102は、半導体装置102の電流が集中して流れる可能性が高い中央部CTRにおいて、オーミック接触面CF1に発生する応力を緩和できるため、上述した第2の実施形態と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0068】
次に、図10図16を参照して、本実施形態による半導体装置102の変形例について説明する。
図10図12に示す本実施形態の変形例は、オーミック層20の対向面OF1の中央部CTRに凹凸部41を備える場合の例である。
【0069】
図10に示す本実施形態の第1変形例の半導体装置102aは、オーミック層20の対向面OF1の中央部CTRに、断面視で波状の凹凸部41(第2凹凸部の一例)を有する応力緩和部40aを備えている。この凹凸部41は、対向面OF1の外周部OSの平坦面から突出するように形成されている。これにより、第1変形例の半導体装置102aは、凹凸部41が放熱効率を向上させるため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0070】
図11に示す本実施形態の第2変形例の半導体装置102bは、オーミック層20の対向面OF1の中央部CTRに、オーミック接触面CF1側に断面視で山型形状の凹凸形状となる凹凸部41を有する応力緩和部40bを備えている。この凹凸部41は、対向面OF1の外周部OSの平坦面から半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。これにより、第2変形例の半導体装置102bは、凹凸部41が放熱効率を向上させるため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0071】
図12に示す本実施形態の第3変形例の半導体装置102cは、オーミック層20の対向面OF1の中央部CTRに、オーミック接触面CF1側に断面視で山型形状の凹凸形状となる凹凸部41を有する応力緩和部40cを備えている。この凹凸部41は、対向面OF1の外周部OSの平坦面から半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。これにより、第3変形例の半導体装置102cは、凹凸部41が放熱効率を向上させるため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0072】
また、図13及び図14に示す本実施形態の変形例は、オーミック接触面CF1の中央部CTRに凹凸部42(第1凹凸部の一例)を備える場合の例である。
【0073】
図13に示す本実施形態の第4変形例の半導体装置102dは、オーミック層20のオーミック接触面CF1の中央部CTRに、断面視で山型形状の凹凸部42(第1凹凸部の一例)を有する応力緩和部40dを備えている。この凹凸部42は、オーミック接触面CF1の外周部OSの平坦面から半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。これにより、第4変形例の半導体装置102dは、凹凸部42が応力を分散させて緩和するため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0074】
図14に示す本実施形態の第5変形例の半導体装置102eは、オーミック層20のオーミック接触面CF1の中央部CTRに、断面視で波状の凹凸部42(第1凹凸部の一例)を有する応力緩和部40eを備えている。この凹凸部42は、オーミック接触面CF1の外周部OSの平坦面から半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。これにより、第5変形例の半導体装置102eは、凹凸部42が応力を分散させて緩和するため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0075】
また、図15及び図16に示す本実施形態の変形例は、オーミック層20の中央部CTRに凹凸部42(第1凹凸部の一例)と凹凸部41(第2凹凸部の一例)とを備える場合の例である。
【0076】
図15に示す本実施形態の第6変形例の半導体装置102fは、応力緩和部40fを備えている。応力緩和部40fは、オーミック層20のオーミック接触面CF1の中央部CTRに配置された断面視で山型形状の凹凸部42(第1凹凸部の一例)と、対向面OF1の中央部CTRに配置された断面視で山型形状の凹凸部41(第2凹凸部の一例)とを有している。この凹凸部42は、オーミック接触面CF1の外周部OSの平坦面から半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。また、オーミック層20が、凹凸部42に沿って形成されることで、凹凸部41が形成されている。これにより、第6変形例の半導体装置102fは、凹凸部42が応力を分散させて緩和するとともに、凹凸部41が放熱効率を向上させるため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0077】
図16に示す本実施形態の第7変形例の半導体装置102gは、応力緩和部40gを備えている。応力緩和部40gは、オーミック層20のオーミック接触面CF1の中央部CTRに配置された断面視で波状の凹凸部42(第1凹凸部の一例)と、対向面OF1の中央部CTRに配置された断面視で波状の凹凸部41(第2凹凸部の一例)とを有している。この凹凸部42は、オーミック接触面CF1の外周部OSの平坦面から半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。また、オーミック層20が、凹凸部42に沿って形成されることで、凹凸部41が形成されている。これにより、第7変形例の半導体装置102gは、凹凸部42が応力を分散させて緩和するとともに、凹凸部41が放熱効率を向上させるため、図9に示す半導体装置102と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0078】
[第10の実施形態]
次に、図17を参照して、本発明の第10の実施形態による半導体装置103について説明する。
【0079】
図17に示すように、第10の実施形態による半導体装置103は、半導体層10及びオーミック層20により構成される応力緩和部50を備える。
本実施形態では、応力緩和部50において、凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差が、半導体装置103のXY平面上の外周部OSよりも中央部CTRを大きく形成されている場合の一例について説明する。
【0080】
オーミック層20は、対向面OF1に断面視で山型形状の凹凸部51(第2凹凸部の一例)を有している。この凹凸部51の中央部CTRは、外周部OSのよりも突出するように形成されている。ここで、凹凸部51において、オーミック層20の厚み方向における凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差は、XY平面上の中央部CTRの方が当該中央部CTRの外周側(外周部OS)に比べて大きい。例えば、中央部CTRの凹部と凸部との起伏の差(凸部の高さH3)は、例えば、外周部OSの凹部と凸部との起伏の差(凸部の高さH4)の3倍程度である。すなわち、中央部CTRの凸部の高さH3と、外周部OSの凸部の高さH4との比率は、例えば、3:1(3対1)である。
その他の構成は、上述した第9の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態による半導体装置103は、応力緩和部50を備え、応力緩和部50は、凹凸部51(第2凹凸部)を有している。凹凸部51において、オーミック層20の厚み方向における凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差は、応力緩和部50が設けられる面内の中央部CTRの方が当該中央部CTRの外周側(外周部OS)に比べて大きい。
これにより、本実施形態による半導体装置103は、半導体装置103の電流が集中して流れる可能性が高い中央部CTRにおいて、外周部OSよりも効率良くオーミック接触面CF1に発生する応力を緩和できるため、上述した第9の実施形態と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0082】
次に、図18図22を参照して、本実施形態による半導体装置103の変形例について説明する。
【0083】
図18に示す本実施形態の第1変形例の半導体装置103aは、オーミック層20の対向面OF1に、断面視で波状の凹凸部51(第2凹凸部の一例)を有する応力緩和部50aを備えている。この凹凸部51の中央部CTRは、外周部OSのよりも突出するように形成されている。断面視で波状の凹凸部51において、オーミック層20の厚み方向における凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差は、応力緩和部50aが設けられる面内の中央部CTRの方が外周部OSに比べて大きい。これにより、第1変形例の半導体装置103aは、凹凸部51が放熱効率を向上させるため、図17に示す半導体装置103と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0084】
また、図19図22に示す本実施形態の変形例は、オーミック接触面CF1に凹凸部52(第1凹凸部の一例)を備える場合の例である。
【0085】
図19に示す本実施形態の第2変形例の半導体装置103bは、オーミック層20のオーミック接触面CF1に、断面視で山型形状の凹凸部52(第1凹凸部の一例)を有する応力緩和部50bを備えている。この凹凸部52の中央部CTRは、外周部OSのよりも半導体層10がオーミック層20側に突出するように形成されている。これにより、第2変形例の半導体装置103bは、凹凸部52が応力を分散させて緩和するため、図17に示す半導体装置103と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0086】
図20に示す本実施形態の第3変形例の半導体装置103cは、オーミック層20のオーミック接触面CF1に、断面視で波状の凹凸部52(第1凹凸部の一例)を有する応力緩和部50cを備えている。この凹凸部52の中央部CTRは、外周部OSのよりも半導体層10がオーミック層20側に突出するように形成されている。これにより、第3変形例の半導体装置103cは、凹凸部52が応力を分散させて緩和するため、図17に示す半導体装置103と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0087】
図21に示す本実施形態の第4変形例の半導体装置103dは、オーミック層20のオーミック接触面CF1に、断面視で山型形状の凹凸部52(第1凹凸部の一例)を有する応力緩和部50dを備えている。この凹凸部52の中央部CTRは、オーミック接触面CF1の外周部OSよりも半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。なお、本実施形態の第4変形例では、オーミック層20の対向面OF1が、中央部CTR及び外周部OSを含む範囲において平坦になるように形成されている。
これにより、第4変形例の半導体装置103dは、凹凸部52が応力を分散させて緩和するため、図17に示す半導体装置103と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0088】
図22に示す本実施形態の第5変形例の半導体装置103eは、オーミック層20のオーミック接触面CF1に、断面視で波状の凹凸部52(第1凹凸部の一例)を有する応力緩和部50eを備えている。この凹凸部52の中央部CTRは、オーミック接触面CF1の外周部OSよりも半導体層10側に窪む(凹む)ように形成されている。なお、本実施形態の第5変形例では、オーミック層20の対向面OF1が、中央部CTR及び外周部OSを含む範囲において平坦になるように形成されている。
これにより、第5変形例の半導体装置103eは、凹凸部52が応力を分散させて緩和するため、図17に示す半導体装置103と同様に、オーミック接触面CF1の応力により発生するクラックを低減することができる。
【0089】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の第2〜第10の実施形態において、凹凸部(31、32、41、42、51、52)を説明したが、各実施形態の形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、凹凸部(31、32、41、42、51、52)は、凹凸形状がランダムに配置された構成であってもよい。
【0090】
また、上記の第3、第6〜第8の実施形態において、オーミック層20が、不連続部分33を有する例を説明したが、第6〜第8の実施形態において、オーミック層20が連続した一体の金属層として形成されるようにしてもよい。
【0091】
また、上記の第9の実施形態において、図9図16に示す凹凸部41又は凹凸部42の形状の変形例を説明したが、これに限定されるものではなく、中央部CTRに凹凸部41又は凹凸部42が配置される構成であれば、他の形状の凹凸部41又は凹凸部42であってもよい。例えば、第9の実施形態の半導体装置102(102a〜102g)は、第1〜第8の実施形態が備える凹凸部31又は凹凸部32の形状を適用してもよい。
【0092】
また、上記の第10の実施形態において、図17図22に示す凹凸部51又は凹凸部52の形状の変形例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の形状の凹凸部51又は凹凸部52が配置される構成であってもよい。例えば、第10の実施形態の半導体装置103(103a〜103e)は、第1〜第8の実施形態が備える凹凸部31又は凹凸部32の形状を適用してもよい。
【0093】
また、第10の実施形態の半導体装置103(103a〜103e)は、凹凸部51と凹凸部52との両方を有する応力緩和部50(50a〜50e)を備えてもよい。
【0094】
また、第10の実施形態の半導体装置103(103a〜103e)は、例えば、中央部CTRから外周部OSに向って、凹凸形状の凹部と凸部との起伏の差を複数段階に変更するようにしてもよい。
【0095】
また、上記の各実施形態は、単独で実施される例を説明したが、各実施形態の一部又は全部を組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0096】
100、101、101a〜101g、102、102a〜102g、103、103a〜103e 半導体装置
10 半導体層
20 オーミック層
30、30a〜30g、40、40a〜40g、50、50a〜50e 応力緩和部
31、32、41、42、51、52 凹凸部
33 不連続部分
CF1 オーミック接触面
OF1 対向面
CTR 中央部
OS 外周部
【要約】
半導体装置は、炭化ケイ素を主成分として構成されたN型半導体の半導体層と、半導体層にオーミック接触され、炭化チタンを主成分として構成されたオーミック層とを備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22