(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本実施形態に係る対基板作業システムの概略構成を示す斜視図であり、
図2は対基板作業システムの主制御構成を示すブロック図である。この
図1及び
図2に示すように対基板作業システム1には、図示しない基板に対して所定の作業を施す対基板作業装置2と、対基板作業装置2に対して基板を搬送する基板搬送装置3とが備えられている。
【0013】
対基板作業装置2としては、例えば基板に電子部品を実装する電子部品実装装置、基板にクリーム半田を印刷する半田印刷装置、基板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置などが挙げられる。対基板作業装置2には、対基板作業装置2の各駆動源を直接制御するとともに、基板搬送装置3を通信により間接的に制御する主制御部21が設けられている。この主制御部21には、CPU22、RAM23、ROM24を備えて構成されており、CPU22がROM24中の制御プラグロムをRAM23に展開し実行することにより、対基板作業装置2及び基板搬送装置3の各部を制御するようになっている。
【0014】
基板搬送装置3は、対基板作業装置2の作業領域を形成する中央搬送ユニット4と、中央搬送ユニット4の一側方(
図1では左側)に配置された第一搬送ユニット5と、中央搬送ユニット4の他側方(
図1では右側)に配置された第二搬送ユニット6とを備えている。各搬送ユニット4,5,6には、互いに対向した一対のコンベアレール41,51,61が設けられており、各対のコンベアレール41,51,61は基板の大きさに応じてその間隔が調整自在となっている。各コンベアレール41,51,61には、基板を下方から支持し搬送するコンベアベルト(図示省略)が備えられており、各搬送ユニット4,5,6のコンベアベルトはそれぞれ独立した駆動モータ42,52,62によって駆動するようになっている。これら駆動モータ42,52,62のうち、中央搬送ユニット4の駆動モータ42にはエンコーダ44が設けられている。
また、各搬送ユニット4,5,6には基板を検出するための基板位置センサ43,53,63が設けられている。具体的には、第一搬送ユニット5の基板位置センサ53は、第一搬送ユニット5の外側端部に配置されている。同様に、第二搬送ユニット6の基板位置センサ63は、第二搬送ユニット6の外側端部に配置されている。そして、中央搬送ユニット4の基板位置センサ43は、中央搬送ユニット4の中央に配置されている。
【0015】
また、基板搬送装置3には、主制御部21からの通信により受信した制御信号に基づいて、基板搬送装置3の各部を制御する副制御部31と、主制御部21から受信した制御信号に基づいて基板搬送装置3の各部を制御させるための従動指示か、独立して基板搬送装置3の各部を制御させるための独立指示のいずれか一方を副制御部31に入力する指示入力部35と、対基板作業システム1の左側の外部装置(図示省略)が電気的に接続される第一SMEMAインターフェース7と、対基板作業システム1の右側の外部装置(図示省略)が電気的に接続される第二SMEMAインターフェース8とが設けられている。
図2に示すように前記副制御部31は、前記基板搬送装置3に搭載されている。
副制御部31には、中央搬送ユニット4の駆動モータ42、基板位置センサ43及びエンコーダ44と、第一搬送ユニット5の駆動モータ52及び基板位置センサ53と、第二搬送ユニット6の駆動モータ62及び基板位置センサ63とが電気的に接続されている。また、副制御部31は、対基板作業システム1の右側及び左側に配列される外部装置に対し、電子回路9を介してSMEMAインターフェース7,8により接続されている。さらに、副制御部31は、CPU32、RAM33、ROM34を備えて構成されており、CPU32がROM34中の制御プラグロムをRAM33に展開し実行することにより、基板搬送装置3の各部を制御するようになっている。具体的には、指示入力部35から従動指示が入力されている場合には、副制御部31は、主制御部21からの制御信号に基づく制御プログラムをROM34から選択し、その制御プログラムをRAM33に展開し実行するようになっている。一方、指示入力部35から独立指示が入力されている場合には、副制御部31は、独立指示用の制御プログラムをROM34から選択し、その制御プログラムをRAM33に展開し実行するようになっている。
【0016】
指示入力部35は、ユーザーからの操作に基づく指示を副制御部31に出力するものならばいかなるものでもよく、例えばスイッチ、ジャンパコネクタ、ショートコネクタ等が挙げられる。本実施形態では、指示入力部35としてショートコネクタを用いた場合を例示して説明する。
図3は、ショートコネクタからなる指示入力部35の一例を示す説明図である。
【0017】
この指示入力部35は、3つのショートコネクタ351a,352a,353aを備えている。ショートコネクタ351a,352a,353aは、それぞれ独立して副制御部31に接続された第一コネクタ351b、第二コネクタ352b、第三コネクタ353bに接続されている。なお、図中の番号はピンアサインの一例を示している。第一コネクタ351b、第二コネクタ352b、第三コネクタ353bからショートコネクタ351a,352a,353aを着脱することで、副制御部31に異なる指示が入力されるようになっている。
【0018】
例えば、第一コネクタ351bでは、ショートコネクタ351aの装着時であると従属指示が副制御部31に入力され、ショートコネクタ351aの取り外し時であると独立指示が副制御部31に入力される。
また、第二コネクタ352bでは、ショートコネクタ352aの装着時であると、基板搬送装置3の搬送方向を第一搬送ユニット5から第二搬送ユニット6に向けた第一方向とする第一方向指示が副制御部31に入力され、ショートコネクタ352の取り外し時であると、基板搬送装置3の搬送方向を第二搬送ユニット6から第一搬送ユニット5に向けた第二方向とする第二方向指示が副制御部31に入力される。
そして、第三コネクタ353bでは、ショートコネクタ353aの装着時であると、SMEMA(Surface Mount Equipment Manufacturers Association)を適用するSMEMA適用指示が副制御部31に入力され、ショートコネクタ353aの取り外し時であると、SMEMAを適用しないSMEMA不使用指示が副制御部31に入力される。ここで、SMEMAとは、表面実装基板の製造で使用される設備のインターフェースを容易にするために開発された規格であり、このSMEMAを適用することで、対基板作業システム1の上流側或いは/及び下流側の外部装置(例えば製造装置等)との連携をスムーズに行うことができるようになっている。つまり、SMEMAを適用する場合には、副制御部31自体が上流側或いは/及び下流側の外部装置と通信可能とする必要がある。
【0019】
図4は、電子回路9の回路構成を示す回路図である。
図4に示すように、対基板作業システム1の左側に配列された外部装置及び右側に配列された外部装置のそれぞれのコネクタ10,11は、SMEMA規格に対応している。具体的には、コネクタ10,11の14極の端子のうち4つの端子が対基板作業システム1に対する入出力用端子である。第一SMEMAインターフェース7の4端子のうち、第一端子71、第二端子72が左側の外部装置におけるコネクタ10の第一端子101、第二端子102に接続されている。第一SMEMAインターフェース7の4端子のうち、第三端子73、第四端子74が左側の外部装置におけるコネクタ10の第三端子103、第四端子104に接続されている。
一方、第二SMEMAインターフェース8の4端子のうち、第一端子81、第二端子82が左側の外部装置におけるコネクタ11の第一端子111、第二端子112に接続されている。第二SMEMAインターフェース8の4端子のうち、第三端子83、第四端子84が左側の外部装置におけるコネクタ10の第三端子113、第四端子114に接続されている。
【0020】
電子回路9には、左側の外部装置用の第一回路部91と、右側の外部装置用の第二回路部92とが設けられている。なお、第一回路部91及び第二回路部92は同じ構成となっているので、以下の説明においては第一回路部91について詳述し、第二回路部92の同一部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0021】
第一回路部91は、第一SMEMAインターフェース7の各端子71,72,73,74に接続された複数のリレー93からなる切替回路94を備えている。なお、第二回路部92の複数のリレー93は、第二SMEMAインターフェース8の各端子81,82,83,84に接続されている。
また、第一回路部91は、副制御部31の出力回路が接続された第一フォトカプラ95と、副制御部31の入力回路が接続された第二フォトカプラ96とを備えている。第一フォトカプラ95及び第二フォトカプラ96のそれぞれの受光素子側には、保護回路としての発光ダイオード97が接続されている。
【0022】
SMEMAインターフェース7,8の第一端子71,81に接続された第一リレー931のa接点931a及びSMEMAインターフェース7,8の第三端子73,83に接続された第三リレー933のa接点933aは、第一フォトカプラ95の受光側の陽極に接続されている。また、SMEMAインターフェース7,8の第一端子71,81に接続された第一リレー931のb接点931b及びSMEMAインターフェース7,8の第三端子73に接続された第三リレー933のb接点933bは、第二フォトカプラ96の発光側の陽極に接続されている。SMEMAインターフェース7,8の第二端子72,82に接続された第二リレー932のa接点932a及びSMEMAインターフェース7,8の第四端子74に接続された第四リレー934のa接点934aは、第一フォトカプラ95の受光側の陰極に接続されている。また、SMEMAインターフェース7,8の第二端子72に接続された第二リレー932のb接点932b及びSMEMAインターフェース7,8の第四端子74に接続された第四リレー934のb接点934bは、第二フォトカプラ96の発光側の陰極に接続されている。
【0023】
切替回路94の各リレー931,932,933,934は、図示しないコイルによって接触する接点が切り替わるようになっている。コイルに対しては、主制御部21から副制御部31に入力された搬送方向決定指示に基づいて電流が印加されるようになっている。なお、コイルに対する電流の印加は上述した指示入力部35のようにスイッチ、ジャンパコネクタ、ショートコネクタ等で切り替えてもよい。
ここで、SMEMA規格であると、対基板作業システム1に対して上流側の外部装置に接続されたSMEMAインターフェース7,8の第一端子71,81及び第二端子72,82からなる第一端子部が出力端子となり、第三端子73,83及び第四端子74,84からなる第二端子部が入力端子となる。他方、対基板作業システム1に対して下流側の外部装置に接続されたSMEMAインターフェース7,8の第一端子部が入力端子となり、第二端子部が出力端子となる。
このため、外部装置が対基板作業システム1の上流側にあるか下流側になるかで、第一端子部に接続される副制御部の入出力回路を切り替えなければならない。この切替を切替回路94が実行している。
【0024】
図5は、対基板作業システム1の上流側に外部装置がある場合のリレーの接点を示す回路図である。この
図5に示すように、第一リレー931はa接点931aに接続され、第二リレー932はa接点932aに接続され、第三リレー933はb接点933bに接続され、第四リレー934はb接点934bに接続されている。これにより、副制御部31の出力回路は、SMEMAインターフェース7,8の第一端子部(第一端子71,81及び第二端子72,82)に通信可能な状態となる(
図5中、一点鎖線参照)。他方、副制御部31の入力回路は、SMEMAインターフェース7,8の第二端子部(第三端子73,83及び第四端子74,84)に通信可能な状態となる(
図5中、二点鎖線参照)。
【0025】
図6は、対基板作業システム1の下流側に外部装置がある場合のリレーの接点を示す回路図である。この
図6に示すように、第一リレー931はb接点931bに接続され、第二リレー932はb接点932bに接続され、第三リレー933はa接点933aに接続され、第四リレー934はa接点934aに接続されている。これにより、副制御部31の出力回路は、SMEMAインターフェース7,8の第二端子部(第三端子73,83及び第四端子74,84)に通信可能な状態となる(
図6中、二点鎖線参照)。他方、副制御部31の入力回路は、SMEMAインターフェース7,8の第一端子部(第一端子71,81及び第二端子72,82)に通信可能な状態となる(
図6中、二点鎖線参照)。
【0026】
このため、
図5の場合では、対基板作業システム1に対して左側の外部装置が上流側であり、右側の外部装置が下流側となっている場合が例示されている。
【0027】
次に、本実施形態の作用について
図7〜
図10に示すフローチャートに基づき説明する。なお、以下の説明においては、副制御部31を主体にして説明する。
搬送処理が開始されると、
図7に示すように、副制御部31は、第一コネクタ351bからの指示が従属指示であるか独立指示であるかを判断し、従属指示である場合にはステップS2に移行し、独立指示である場合にはステップS3に移行する。
【0028】
副制御部31は、ステップS2に移行すると
図8に示す従動モードを実行する。従動モードの実行時は、主制御部21と副制御部31間に通信異常が発生していない場合であり、この場合、主制御部21からの指示に基づいて基本的な制御が行われるため、第二コネクタ352bや第三コネクタ353bからの入力指示は考慮しないようになっている。したがって、基板搬送装置3の搬送方向は事前に決まっている。以下の説明においては、上流側を第一搬送ユニット5とし、下流側を第二搬送ユニット6とした場合を例示して説明するが、搬送方向が反転する場合ももちろんある。
【0029】
ステップS21では、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の基板位置センサ53がONであるか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONである場合にはステップS22に移行する。
【0030】
ステップS22では、基板が第一搬送ユニット5に搬入可能な状態となっているので、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の駆動モータ52と、中央搬送ユニット4の駆動モータ42とをONとして、基板を第一搬送ユニット5から中央搬送ユニット4まで搬送する。
【0031】
ステップS23では、副制御部31は、中央搬送ユニット4の基板位置センサ43がONであるか否かを判断し、ONでない場合にはそのまま基板の搬送を継続し、ONである場合にはステップS24に移行する。
【0032】
ステップS24では、基板が中央搬送ユニット4内に搬入されているが作業領域内の正確な位置までは位置調整がされていないので、副制御部31は、エンコーダ44からの検出結果に基づいて中央搬送ユニット4の駆動モータ42を制御する。具体的には、副制御部31は、エンコーダ44の検出結果が所定値未満、つまり正確な位置まで基板が達していない場合は駆動モータ42の駆動を継続し、前記検出結果が所定値に達した場合、つまり正確な位置まで基板が到着した場合にはステップS25に移行する。
【0033】
ステップS25では、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の駆動モータ42と、中央搬送ユニット4の駆動モータ42とをOFFとして、基板の搬送を停止する。その後、副制御部31は、図示しないロック機構を駆動して基板をロックし、主制御部21に対して作業要求信号を出力する。これにより主制御部21は、対基板作業装置2の各部を制御することで基板に対する作業を実施する。
【0034】
ステップS26では、主制御部21から作業完了指示が入力されると、副制御部31は、ロック機構による基板のロックを解除してから、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62とをONとして、基板を中央搬送ユニット4から第二搬送ユニット6まで搬送する。
【0035】
ステップS27では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサ63がONであるか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONである場合にはステップS27に移行する。
【0036】
ステップS28では、基板が第二搬送ユニット6から搬出可能な状態となっているので、副制御部31は、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62とをOFFとし、従動モードを終了する。
従動モードの終了後には、主制御部21が下流側の外部装置に基板搬出許可指示を出力する。
【0037】
そして、
図7に示すステップS3に移行すると、副制御部31は第三コネクタ353bからの指示がSMEMA不使用指示であるかSMEMA適用指示であるかを判断し、SMEMA不使用指示である場合にはステップS4に移行し、SMEMA適用指示である場合にはステップS5に移行する。
【0038】
副制御部31は、ステップS4に移行すると
図9に示すSMEMA不使用モードを実行する。SMEMA不使用モードの実行時は、主制御部21と副制御部31間に通信異常が発生している場合であり、第二コネクタ352bからの指示に基づいて基板搬送装置3の搬送方向を決定する。
【0039】
ステップS41では、副制御部31は、第二コネクタ352bからの指示に基づいて搬送方向を決定する。具体的には、第二コネクタ352bから第一方向指示が入力されている場合に搬送方向を第一方向とし、第二方向指示が入力されている場合に第二方向とする。以下の説明においては、第一方向指示が入力された場合を挙げ、上流側を第一搬送ユニット5とし、下流側を第二搬送ユニット6として説明する。
【0040】
ステップS42では、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の基板位置センサ53がONであるか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONである場合にはステップS43に移行する。
【0041】
ステップS43では、基板が第一搬送ユニット5に搬入可能な状態となっているので、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の駆動モータ52と、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62とをONとして、基板を第一搬送ユニット5から中央搬送ユニット4を介して第二搬送ユニット6まで搬送する。
【0042】
ステップS44では、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサ63まで基板が達すると、当該基板位置センサ63がONとなる。
ステップS45では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサがOFFになったか否かを判断し、OFFでない場合にはそのまま基板の搬送を継続し、OFFである場合にはステップS46に移行する。
【0043】
ステップS46では、下流側である第二搬送ユニット6から基板が搬出されたとみなし、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の駆動モータ52と、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62とをOFFとして、SMEMA不使用モードを終了する。
【0044】
また、
図7に示すステップS5に移行すると、副制御部31は
図10に示すSMEMA適用モードを実行する。SMEMA適用モードの実行時は、主制御部21と副制御部31間に通信異常が発生している場合であり、第二コネクタ352bからの指示に基づいて基板搬送装置3の搬送方向を決定する。
【0045】
ステップS51では、副制御部31は、第二コネクタ352bからの指示に基づいて搬送方向を決定する。以下の説明においては、第一方向指示が入力された場合を挙げ、上流側を第一搬送ユニット5とし、下流側を第二搬送ユニット6として説明する。また、以降のステップS52〜ステップS57までの工程と、ステップS58〜ステップS63までの工程は、ステップS51から並列に実行される。
【0046】
ステップS52では、副制御部31は、中央搬送ユニット4の基板位置センサ43がONであるか否かを判断し、ONである場合にはそのままの状態を維持し、ONでない場合にはステップS53に移行する。
【0047】
ステップS53では、副制御部31は、基板の搬出を要求する基板搬出要求信号を、上流側の外部装置に対して出力する。
ステップS54では、副制御部31は、上流側の外部装置から搬出許可信号が入力されたか否かを判断し、入力されていない場合にはそのままの状態を維持し、入力された場合にはステップS55に移行する。
ステップS55では、上流側の外部装置から基板が搬出されてくるので、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の駆動モータ52と、中央搬送ユニット4の駆動モータ42とをONにして、上流側の外部装置からの基板を搬入し、中央搬送ユニット4まで搬送する。
【0048】
ステップS56では、副制御部31は、中央搬送ユニット4の基板位置センサ43がONとなったか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONになった場合にはステップS57に移行する。
ステップS57では、副制御部31は、上流側である第一搬送ユニット5の駆動モータ52と、中央搬送ユニット4の駆動モータ42とをOFFにするとともに、上流側の外部装置に対する搬出要求信号もOFFとし、その後ステップS64に移行する。
【0049】
ステップS58では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサ63がONとなったか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONとなった場合にはステップS59に移行する。
ステップS59では、副制御部31は、下流側の外部装置に対して搬出の準備が完了したとして搬出許可信号を出力する。
【0050】
ステップS60では、副制御部31は、下流側の外部装置から搬出要求信号が入力されたか否かを判断し、入力されていない場合はそのままの状態を維持し、入力された場合にはステップS61に移行する。
ステップS61では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62をONとし、待機したままであった基板を下流側の外部装置に向けて搬出する。
【0051】
ステップS62では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサ63がOFFになったか否かを判断し、OFFでない場合にはそのままの状態を維持し、OFFになった場合にはステップS63に移行する。
ステップS63では、副制御部31は、下流側で待機中であった基板が搬出されたとみなし、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62とをONとする。これにより、中央搬送ユニット4で待機中であった基板が搬送される。同時に、副制御部31は、下流側の外部装置に対する搬出許可信号をOFFとする。その後、副制御部31は、ステップS64に移行する。
【0052】
ステップS64では、副制御部31は、中央搬送ユニット4の基板位置センサ43がONとなったか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONになった場合にはステップS65に移行する。
ステップS65では、副制御部31は、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ52とをONとする。
【0053】
ステップS66では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサ63がONとなったか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONになった場合にはステップS67に移行する。
ステップS67では、副制御部31は、中央搬送ユニット4で待機中であった基板が下流側に到着したとみなして、中央搬送ユニット4の駆動モータ42と、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62とをOFFとし、基板の搬送を停止する。同時に、副制御部31は、下流側の外部装置に対して搬出許可信号を出力する。
【0054】
ステップS68は、副制御部31は、下流側の外部装置から搬出要求信号が入力されたか否かを判断し、入力されていない場合はそのままの状態を維持し、入力された場合にはステップS69に移行する。
ステップS69は、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62をONとし、第二搬送ユニット6で待機中であった基板を下流側の外部装置に向けて搬出する。
【0055】
ステップS70では、副制御部31は、下流側である第二搬送ユニット6の基板位置センサ63がONとなったか否かを判断し、ONでない場合にはその状態を維持し、ONになった場合にはステップS71に移行する。
ステップS71では、副制御部31は、第二搬送ユニット6で待機中であった基板が搬出されたとみなして、下流側である第二搬送ユニット6の駆動モータ62をOFFとし、基板の搬送を停止する。同時に、副制御部31は、下流側の外部装置に対する搬出許可信号をOFFとし、SMEMA適用モードを終了する。
【0056】
このSMEMA適用モードであれば、下流側の外部装置が搬入困難な場合であっても、搬入許可が出力されるまで、下流側である第二搬送ユニット6や、中央搬送ユニット4で基板を待機させることができる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、指示入力部35から独立指示が副制御部31に入力されれば、副制御部31が独立して基板搬送装置3を制御させることができるので、主制御部21と基板搬送装置3との間に通信異常が発生したとしても、基板搬送装置3による基板搬送を実行することができ、生産ライン全体の停止を防止することが可能となる。したがって、生産ライン全体の停止を回避することができ、稼働率の低下を抑制することができる。
【0058】
ここで、従来の対基板作業システムにおいては、搬送方向がユーザの要望により異なるために、左から右に向かう搬送方向か、右から左に向かう搬送方向かのいずれかの方向が決定した後に、決定された搬送方向に対応するように各部の構成を調整する必要があった。つまり、対基板作業システムの組み立て中であっても出荷先の搬送方向の仕様が決まっていなければ、中途半端な状態で対基板作業システム1の組み立てを行わなければならない場合がある。
このため、搬送方向が確定していなくても、対基板作業システムの組み立てを完了させたいという要望がある。
【0059】
上述した本実施形態の対基板作業システム1であると、外部装置との接続がSMEMAインターフェース7,8を介して接続されているので、外部装置との接続の容易化を図ることができる。
なお、SMEMAインターフェース7,8では、外部装置が対基板作業システム1の搬送方向上流側になる場合には、第一端子部(第一端子71,81及び第二端子72,82)が出力端子、第二端子部(第三端子73,83及び第四端子74,84)が入力端子となって、外部装置が対基板作業システム1の搬送方向下流側になる場合には、第一端子部が入力端子、第二端子部が出力端子となるという、搬送方向の異なりにより第一端子部と第二端子部の用途が切り替わってしまう。そこで、本実施形態に係る対基板作業システム1では、副制御部31とSMEMAインターフェース7,8との間に介在する電子回路9に切替回路94を設けている。この切替回路94は、外部装置が対基板作業システム1に対して搬送方向上流側である場合に、副制御部31の出力回路を第一端子部に接続し、副制御部31の入力回路を第二端子部に接続する。他方、切替回路94は外部装置が対基板作業システム1に対して搬送方向下流側である場合に、副制御部31の出力回路を第二端子部に接続し、副制御部31の入力回路を第一端子部に接続する。このような切替回路94が設けられているために、搬送方向が決まっていなくとも対基板作業システム1の組み立てを完成段階まで進めることができる。そして、完成後であっても搬送方向が確定すれば、切替回路94を動作させることでSMEMA規格に応じた入出力端子の切替が容易に行うことができる。
【0060】
また、基板位置センサ43,53,63の検出結果に基づいて基板が搬送されているので、各搬送ユニット4,5,6間での基板の受け渡しを確実に行うことができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ユーザーが指示入力部35を操作することで、従動指示及び独立指示が副制御部31に入力される場合を例示して説明したが、通信異常を自動で検知する通信センサを設け、この通信センサが検出結果に基づいて従動指示及び独立指示を副制御部31に入力するようにしてもよい。この構成であれば、通信センサが指示入力部として機能するために、ユーザーの手を煩わさなくとも自動で、通信異常後の基板搬送装置による基板搬送を実行することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、上流側の搬送ユニットとして第一搬送ユニット5を、下流側の搬送ユニットとして第二搬送ユニット6を例示して説明したが、上流側の搬送ユニットを第二搬送ユニット6、下流側の搬送ユニットを第一搬送ユニット5とすることも可能である。この場合、上述した各ステップの制御対象が入れ替わることになる。