特許第6180782号(P6180782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6180782変速機の制御方法およびこれを行う変速システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180782
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】変速機の制御方法およびこれを行う変速システム
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20170807BHJP
   F16H 61/06 20060101ALI20170807BHJP
   F16H 59/18 20060101ALI20170807BHJP
   F16H 59/20 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   F16H61/02
   F16H61/06
   F16H59/18
   F16H59/20
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-90220(P2013-90220)
(22)【出願日】2013年4月23日
(65)【公開番号】特開2014-62641(P2014-62641A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0104685
(32)【優先日】2012年9月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田 炳 ウク
【審査官】 西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−295663(JP,A)
【文献】 特開平05−332435(JP,A)
【文献】 特開2002−089694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/02−61/08
F16H 59/18−59/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速ペダルセンサで発生する作動信号を感知する段階、
現在のギヤ段から目標のギヤ段に設定した変速区間で設定した変速を行う段階、
前記作動信号の変化速度を感知する段階、
前記変化速度により変速中に解放油圧信号が一定に維持される一定値を調節する段階、
前記変化速度により変速が完了する前に結合油圧信号の増加の傾きを調節する段階、および
前記変化速度により変速が完了する前に解放油圧信号の減少の傾きを調節する段階、を含むことを特徴とする変速機の制御方法。
【請求項2】
前記変化速度が基準値を超える場合、前記一定値を下降させ、前記変化速度が基準値以下である場合、前記一定値を上昇させることを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項3】
前記変化速度が基準値を超える場合、変速が完了する前に結合油圧信号の増加の傾きを険しく増加させ、
前記変化速度が基準値以下である場合、変速が完了する前に結合油圧信号の増加の傾きを緩慢に減少させることを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項4】
前記変化速度が基準値を超える場合、変速が完了する前に解放油圧信号の減少の傾きを険しく増加させ、
前記変化速度が基準値以下である場合、変速が完了する前に解放油圧信号の減少の傾きを緩慢に減少させることを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項5】
前記設定した変速を行う段階で、前記設定した変速はキックダウン変速であることを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項6】
変速が完了する前に、
前記結合油圧信号が増加する時点および解放油圧信号が減少する時点は、同期が完了してタービンの回転数が目標速度に到達した時点であることを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項7】
前記変化速度により変速区間でエンジンの出力トルクを可変的に低減させる段階、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項8】
前記変化速度が基準値を超える場合、前記出力トルクの低減値を減少させ、
前記変化速度が基準値以下である場合、前記出力トルクの低減値を増加させることを特徴とする請求項7に記載の変速機の制御方法。
【請求項9】
前記変化速度により変速区間の長さを調節する段階、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御方法。
【請求項10】
前記変化速度が基準値を超える場合、前記変速区間の長さを減少させ、
前記変化速度が基準値以下である場合、変速区間の長さを増加させることを特徴とする請求項9に記載の変速機の制御方法。
【請求項11】
回転力を発生するエンジン、
前記エンジンから入力される回転力を増減して出力する変速機、および
前記変速機に入力される入力速度と出力される出力速度の比を制御する制御部、を含み、
前記制御部は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を行うことを特徴とする変速システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の制御方法に係り、より詳しくは、自動変速機の変速時における変速感の向上のため、エンジントルク低減制御または摩擦要素の油圧制御を行う変速機の制御方法およびこれを行う変速システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、自動変速機は、車両の走行速度、スロットルバルブの開度および諸般の検出条件により変速制御部が多数のソレノイドバルブを駆動し油圧を制御して、多数の作動要素を動作させて目標変速段へ変速を自動的に行うシステムである。
【0003】
自動変速機でソレノイドバルブを含む油圧システムは、トルクコンバーターに連結している多段変速ギヤメカニズムであるパワートレインの作動要素を選択的に作動させるためのものであって、オイルポンプから供給される油圧をソレノイドバルブのデューティー制御により制御されて、変速ギヤメカニズムの多くの作動要素を選択的に作動させて変速を行う。
【0004】
ここで、多数の作動要素に油圧を供給するためにはライン圧と制御圧が形成されるが、前記ライン圧は、オイルファンに貯蔵された変速機オイルがオイルポンプの動作により加圧されて制御圧を形成するソレノイドバルブに供給される圧力を意味し、ライン圧はVFSバルブ(Variable Force Solenoid Valve)により可変制御される。
【0005】
このような作動原理により動作する自動変速機は、各該当目標変速段への変速が実行される場合に、作動状態から作動解放される摩擦要素(解放要素)と、作動解放状態から作動状態に変換される摩擦要素(締結要素)を保有するようになり、これら摩擦要素の作動解放および作動開始タイミングにより自動変速機の変速性能が決定されるため、最近はより改善された変速性能のための変速制御方法の研究が活発に行われている。
【0006】
特に、最近、自動変速機の構造上、不可避に発生するトルク変動の問題とエンジンの高出力化および高回転化による変速性能不良の問題は、自動変速機のみの独立制御によってはそれ以上の改善が難しいため、変速時にエンジン制御と連係して制御が行われるようにしており、これに対する研究が続いている実情である。(例えば特許文献1参照。)
【0007】
基本的な制御形態として、変速時には、変速機内の解放(release)要素と締結(apply)要素の動作(クラッチの解放、結合)を行わせるための油圧制御を行うと共に、変速時の一部区間でエンジントルクの低減制御(統合制御)を同時に行い、変速中の動力状態の変更によって発生する変速衝撃を低減させる。
【0008】
一方、運転者が緩加速をする場合と急加速をする場合に、それらを考慮せずに同一の車速とトルクを通じて変速を行うと緩加速時には変速衝撃を感じ、急加速時には変速遅延感を感じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−340178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、運転者の感性を考慮して緩加速時と急加速時の場合を区別して変速を行うことにより、緩加速時には変速衝撃を低減させ、急加速時には変速遅延感を低減させる変速機の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するための、本発明の実施形態による変速機の制御方法は、加速ペダルセンサで発生する作動信号を感知する段階、現在のギヤ段から目標のギヤ段に設定した変速区間で設定した変速を行う段階、前記作動信号の変化速度を感知する段階、前記変化速度により変速中に解放油圧信号が一定に維持される一定値を調節する段階、前記変化速度により変速が完了する前に結合油圧信号の増加の傾きを調節する段階、および前記変化速度により変速が完了する前に解放油圧信号の減少の傾きを調節する段階を含むことを特徴とする。
【0012】
前記変化速度が基準値を超える場合、前記一定値を下降させ、前記変化速度が基準値以下である場合、前記一定値を上昇させることを特徴とする。
【0013】
前記変化速度が基準値を超える場合、変速が完了する前に結合油圧信号の増加の傾きを険しく増加させ、前記変化速度が基準値以下である場合、変速が完了する前に結合油圧信号の増加の傾きを緩慢に減少させることを特徴とする。
【0014】
前記変化速度が基準値を超える場合、変速が完了する前に解放油圧信号の減少の傾きを険しく増加させ、前記変化速度が基準値以下である場合、変速が完了する前に解放油圧信号の減少の傾きを緩慢に減少させることを特徴とする。
【0016】
前記設定した変速を行う段階で、前記設定した変速はキックダウン変速であることを特徴とする。
【0017】
変速が完了する前に、前記結合油圧信号が増加する時点および解放油圧信号が減少する時点は、同期が完了してタービンの回転数が目標速度に到達した時点であることを特徴とする。
【0018】
前記変化速度により変速区間でエンジンの出力トルクを可変的に低減させる段階をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
前記変化速度が基準値を超える場合、前記出力トルクの低減値を減少させ、前記変化速度が基準値以下である場合、前記出力トルクの低減値を増加させることを特徴とする。
【0020】
前記変化速度により変速区間の長さを調節することを特徴とする。
【0021】
前記変化速度が基準値を超える場合、前記変速区間の長さを減少させ、前記変化速度が基準値以下である場合、変速区間の長さを増加させることを特徴とする。
【0022】
本発明の実施形態による変速システムは、回転力を発生するエンジン、前記エンジンで発生される回転力を増減させる変速機、および前記変速機を通じて変速を制御する制御部を含み、前記制御部は、前記変速機の制御方法を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
前述のように本発明の実施形態による変速機の制御方法は、キックダウン変速時に緩加速を行う場合には、解放油圧信号および結合油圧信号などを制御して変速期間を増加させ運転者がスムーズな変速感を感じることができるようにし、キックダウン変速時に急加速を行う場合には、解放油圧信号および結合油圧信号などを制御して変速期間を減少させ運転者が迅速な変速感を感じることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態による変速システムの概略的な構成図である。
図2】本発明の実施形態による変速システムが緩加速キックダウン変速を行う際に制御する信号のグラフである。
図3】本発明の実施形態による変速システムが急加速キックダウン変速を行う際に制御する信号のグラフである。
図4】本発明の実施形態による変速システムが変速を行う方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態による変速システムの概略的な構成図である。
【0027】
図1を参照すると、変速システムは、変速機100、エンジン110、変速制御部120、およびエンジン制御部130を含む。前記変速制御部120と前記エンジン制御部130は一つの制御部として称することもできる。
【0028】
前記変速機100は、前記エンジン110で出力される回転力を入力する入力軸と、入力した回転力を増減して出力する出力軸を含み、ここで変速とは、入力軸の回転速度と出力軸の回転速度の比を可変させることをいう。
【0029】
使用者が加速ペダルを押すと、前記エンジン制御部130は、前記加速ペダル(図示せず)から作動信号を感知して前記エンジン110の燃焼室に噴射する燃料量を増加させ、前記変速制御部120は、前記変速機100を通じて変速を行う。
【0030】
前記変速機100が変速を行う方法/構造については公知技術を参考にすることとし、詳細な説明は省略する。
【0031】
本発明の実施形態による変速法は、前記変速制御部120および前記エンジン制御部130により行い、これらの制御部は変速方法を行うための一連のプログラムを実施する。
【0032】
図2は、本発明の実施形態による変速システムが緩加速キックダウン変速を行う際に制御する信号のグラフである。
【0033】
図2を参照すると、使用者である運転者が加速ペダルを一定速度で押すと、加速ペダルセンサー(APS)の作動信号が一定の傾きで増加する。ここで、制御部は前記作動信号の変化速度を感知する。
【0034】
前記作動信号により変速のためのギヤ信号が変わり、変速のための解放要素(図示せず)の解放油圧信号と結合要素(図示せず)の結合油圧信号が変わる。
【0035】
前記解放油圧信号の変化を説明すると、前記ギヤ信号が下降する時点で前記解放油圧信号は急激に下降し、再び緩慢に下降し、また再び緩慢に増加し、一定区間で一定した一定値を維持する。
【0036】
そして、一定値が維持された後に再び解放油圧信号を緩慢に減少させる。ここで、減少する傾きはdPr1で、既存の傾きより緩慢に可変する。
【0037】
前記結合油圧信号の変化を説明すると、前記ギヤ信号が下降する時点で前記解放油圧信号は急激に上昇し、一定区間で一定した一定値を維持する。
【0038】
そして、一定値が維持された後に再び結合油圧信号を緩慢に増加させる。ここで、増加する傾きはdPa1で、既存の傾きより緩慢に可変する。
【0039】
全般的に説明すると、既存のキックダウン変速時における変速区間より本発明によるキックダウン変速時における変速区間は長くなる。つまり、前記解放油圧信号と前記結合油圧信号が維持される時間が既存と比較して長くなり、この要因は増加または下降する傾きを緩慢にするためである。
【0040】
タービン回転数を説明すると、ギヤ信号が下降してから徐々に増加させるが、増加する傾きがより緩慢であり、前記タービン回転数の目標値は同一である。
【0041】
同時に、車両加速度を説明すると、変速が完了する時点で加速度値が徐々に増加することにあり、スムーズさが強調される。
【0042】
図3は、本発明の実施形態による変速システムが急加速キックダウン変速を行う際に制御する信号のグラフである。
【0043】
図3を参照すると、使用者である運転者が加速ペダルを一定速度で押すと、加速ペダルセンサー(APS)の作動信号が一定の傾きで増加する。ここで、制御部は前記作動信号の変化速度を感知する。
【0044】
前記作動信号により変速のためのギヤ信号が変わり、変速のための解放要素の解放油圧信号と結合要素の結合油圧信号が変わる。
【0045】
前記解放油圧信号の変化を説明すると、前記ギヤ信号が下降する時点で前記解放油圧信号は急激に下降し、再び緩慢に下降し、また再び緩慢に増加し、一定区間で一定した一定値を維持する。
【0046】
そして、一定値が維持された後に再び解放油圧信号は急激に減少するようになる。ここで、減少する傾きはdPr2で、既存の傾きより険しく変化させる。
【0047】
前記結合油圧信号の変化を説明すると、前記ギヤ信号が下降する時点で前記結合油圧信号は急激に上昇し、一定区間で一定した一定値を維持する。
【0048】
そして、一定値が維持された後に再び結合油圧信号は緩慢に増加する。ここで、増加する傾きはdPa2で、既存の傾きより険しく変化させる。
【0049】
全般的に説明すると、既存のキックダウン変速時における変速区間より本発明によるキックダウン変速時における変速区間は短くなる。つまり、前記解放油圧信号と前記結合油圧信号が維持される時間が既存と比較して減少し、この要因は増加または下降する傾きを険しく変化させるためである。
【0050】
タービン回転数を説明すると、ギヤ信号が下降してから急激に増加するが、増加する傾きをより険しく変化させる。ここで、前記タービン回転数の目標値は同一である。
【0051】
同時に、車両加速度を説明すると、変速が完了する時点で加速度値が急激に増加してから下降し、締結感と迅速な変速が強調される。
【0052】
図2および図3を参照すると、前記タービン回転数が目標値に到達した時、前記結合油圧信号は増加し始め、前記解放油圧信号は減少し始める。ここで、前記タービン回転数が目標値に到達したということは、同期が完全に完了したことを意味する。
【0053】
図4は、本発明の実施形態による変速システムが行う変速方法を示すフローチャートである。
【0054】
図4を参照すると、ステップS400で制御が始り、ステップS410で加速ペダルセンサー(図示せず)から伝送される作動信号の変化速度であるdAPS(%/s)を用いてキックダウン変速であるのか判断される。
【0055】
キックダウン変速でないと判断されると、ステップS480へ戻り、キックダウン変速であると判断されると、ステップS420が行われる。
【0056】
ステップS420で前記作動信号の変化速度であるdAPS(%/s)が感知され、ステップS430で250%/sを超えるか否かの判断がなされる。
【0057】
ステップS430で、dAPS(%/s)が250%/sを超えると判断されると、ステップS440が行われ、dAPS(%/s)が250%/s以下であると判断されると、ステップS490が行われる。
【0058】
ステップS440で、変速区間において前記解放油圧信号を一定に維持する一定値を下降させる。つまり、Pr=Pr0−Pr2である。
【0059】
そして、ステップS440で、同期が充足されるか否かの判断がなされる。ここで、同期が充足されるということは、タービン回転数が目標速度に到達することをいう。
【0060】
ステップS450で同期が充足されると、ステップS460で前記解放油圧信号を下降させるが、この時、傾きを険しくする。つまり、前記一定値が下降しただけ、傾きも険しくする。ここで、傾きdPr=dPr2である。
【0061】
同時に、ステップS450で同期が充足されると、ステップS460で前記結合油圧信号を増加させるが、この時、傾きを険しくする。ここで、傾きdPa=dPa2である。
【0062】
ステップS490で、変速区間において前記解放油圧信号を一定に維持する一定値を増加させる。つまり、Pr=Pr0+Pr1である。
【0063】
そして、ステップS492で同期が満たされるか否かの判断がなされる。ここで、同期が充足されるということは、タービン回転数が目標速度に到達することをいう。
【0064】
ステップS492で同期が充足されると、ステップS494で前記解放油圧信号を下降させるが、この時、傾きを緩慢にする。つまり、前記一定値が増加しただけ、傾きも緩慢にする。ここで、傾きdPr=dPr1である。
【0065】
同時に、ステップS492で同期が充足されると、ステップS494で前記結合油圧信号を増加させるが、この時、傾きを緩慢にする。ここで、傾きdPa=dPa1である。
【0066】
本発明の実施形態において、ステップS450およびステップS492で同期が充足されないと、ステップS440とステップS490が行われる。
【0067】
ステップS460とステップS494が行われ、ステップS470が行われて変速が完了したと判断され、ステップS480で緩加速キックダウンおよび急加速キックダウン変速制御を完了する。
【0068】
本発明の実施形態において、加速ペダルで発生する作動信号の変化速度により変速区間でエンジンの出力トルクを可変的に低減させる段階をさらに含むことができ、前記変化速度が基準値を超える場合、前記出力トルクの低減値を減少させ、前記変化速度が基準値以下である場合、前記出力トルクの低減値を増加することができる。
【0069】
以上で、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の実施形態の技術的範囲内で、当該発明が属する技術分野の当業者によって容易に変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、自動変速機の変速時における変速感向上のため、エンジントルク低減制御または摩擦要素の油圧制御を行う変速機の制御方法およびこれを行う変速システムの分野に適用できる。
【符号の説明】
【0071】
100…変速機
110…エンジン
120…変速制御部
130…エンジン制御部
図1
図2
図3
図4