(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は実施形態に係る半導体装置の平面図であり、(b)は(a)のA−A´断面図である。
【
図2】
図1(b)の一部を拡大した構造を模式的に示す図である。
【
図3】配線基板の第2面における外部端子のレイアウトを示すための図である。
【
図4】半導体チップにおける電極の配置を説明するための図である。
【
図5】(a)は第1領域における第1開口及びその上の導体柱の相対位置を説明するための図であり、(b)は(a)のうち点線で囲んだ領域を拡大した図である。
【
図6】(a)は第2領域における開口及びその上の導体柱の相対位置を説明するための図であり、(b)は(a)のうち点線で囲んだ領域を拡大した図である。
【
図7】第3領域における開口及びその上の導体柱の相対位置を説明するための図である。
【
図8】配線基板の開口の形状を説明するための図である。
【
図9】開口内における第1端子の配置の一例を示す図である。
【
図11】半導体装置に発生する応力について説明するための図である。
【
図12】半導体チップの導体柱と配線基板の第1端子の接続構造を説明するための断面図である。
【
図13】半導体チップのうち導体柱を形成する方法を示す断面図である。
【
図14】半導体チップを配線基板に実装する方法の一例を説明するための断面図である。
【
図16】変形例1に係る半導体装置が有する半導体チップの構成を示す断面図である。
【
図17】変形例2に係る半導体装置が有する半導体チップの構成を示す断面図である。
【
図18】変形例3に係る半導体装置が有する半導体チップの構成を示す断面図である。
【
図19】半導体チップの第1領域における開口と導体柱の相対位置の変形例を示す断面図である。
【
図20】半導体装置を有する電子装置の第1例を示す断面図である。
【
図21】半導体装置を有する電子装置の第2例を示す断面図である。
【
図22】半導体装置を有する電子装置の第3例を示す断面図である。
【
図23】半導体装置を有する電子装置の第4例を示す断面図である。
【
図24】半導体装置を有する電子装置の第5例を示す断面図である。
【
図25】半導体装置を有する電子装置の第6例を示す断面図である。
【
図26】半導体装置を有する電子装置の第7例を示す断面図である。
【
図27】半導体装置を有する電子装置の第8例を示す断面図である。
【
図28】第9例に係る電子装置が有する半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
(実施形態)
図1(a)は、実施形態に係る半導体装置SDの平面図である。
図1(b)は、
図1(a)のA−A´断面図である。
図1(a)では、説明のため封止樹脂MDRを省略している。
【0012】
半導体装置SDは、配線基板IP及び半導体チップSCを備えている。半導体チップSCは複数の電極を有しており、これら複数の電極が配線基板IPの第1面に対向する向きで、配線基板IPの第1面に搭載されている。半導体チップSCの電極EL(後述)と配線基板IPの端子は、導体柱MEPを用いて互いに接続されている。また、半導体チップSCと配線基板IPの間の空間は、封止材RLによって封止されている。封止材RLは、例えばNCF(Non Conductive Film)であるが、後述するようにNCP(Non Conductive Paste)や、アンダーフィル樹脂であっても良い。
【0013】
そして配線基板IPの第1面及び半導体チップSCは、封止樹脂MDRによって封止されている。
図1(b)に示す例において、平面視において、封止樹脂MDRの縁は配線基板IPの内側に位置している。ただし、封止樹脂MDRの縁と配線基板IPの縁は同一面を形成していてもよい。
【0014】
また、配線基板IPのうち第1面とは逆側の面である第2面には、複数の外部端子SB、例えばはんだボールが設けられている。外部端子SBは、半導体装置SDを回路基板(例えばマザーボード)に搭載する際に用いられる。
【0015】
なお、配線基板IP及び半導体チップSCは、いずれも長方形又は正方形である。また、半導体チップSCは、配線基板IPよりも小さい。配線基板IPの一辺は、例えば8mm以上15mm以下である。半導体チップSCの一辺は、例えば3mm以上10mm以下である。また、配線基板IPの厚さは、例えば0.2mm以上0.6mm以下である。半導体チップSCの厚さは、例えば0.05mm以上0.4mm以下である。
【0016】
図2は、
図1(b)の一部を拡大した構造を模式的に示す図である。本図に示す例において、配線基板IPはビルトアップ基板であり、配線層を4層有している。最も第2面側(図中下側)に位置している配線層は、複数の第2端子LND(例えばランド)を有している。複数の第2端子LNDには、それぞれ外部端子SBが取り付けられている。
【0017】
また、配線基板IPのうち最も第1面側(図中上側)に位置している配線層は、絶縁層IL上に位置しており、複数の第1端子FNGを有している。複数の第1端子FNGは、互いに異なる導体柱MEPに接続している。また、配線基板IPの第1面には、絶縁層SR2、例えばソルダーレジスト層が設けられている。絶縁層SR2には、開口SROが形成されている。開口SRO内には、複数の第1端子FNGが位置している。
【0018】
図3は、配線基板IPの第2面における外部端子SBのレイアウトを示すための図である。平面視において、外部端子SBは、配線基板IPの中央側の領域と、配線基板IPの縁側の領域のそれぞれに設けられている。なお、中央側の領域のうち最も外側に位置する外部端子SBと、縁側の領域のうち最も内側に位置する外部端子SBの距離は、中央側の領域内における外部端子SBの間隔、及び縁側の領域内における外部端子SBの間隔よりも大きい。ただし、外部端子SBのレイアウトは、本図に示す例に限定されない。例えば外部端子SBは、配線基板IPの縁側の領域にのみ設けられていてもよいし、配線基板IPの全面に設けられていても良い。
【0019】
図4は、半導体チップSCにおける電極ELの配置を説明するための図である。電極ELは、半導体チップSCの4辺(第1辺SID1、第2辺SID2、第3辺SID3、及び第4辺SID4)に沿って複数列(本図に示す例では2列)設けられている。半導体チップSCのうち電極ELが設けられている面には、絶縁層SR1(後述)が設けられている。絶縁層SR1には開口OPが設けられている。開口OPは、複数の電極ELそれぞれの上に形成されている。そして複数の開口OPそれぞれの上には、導体柱MEPが形成されている。なお、開口OPは、等間隔で配置されていなくても良い。例えば開口OPの大部分は等間隔で配置されているが、一部の開口OPの間隔は、他よりも広くなっていてもよい。また開口OPが成す列は、正方格子を形成していても良いし、千鳥状になっていてもよい。
【0020】
また、本図に示す例では、半導体チップSCの中央部にも、複数の電極EL及び複数の開口OPが形成されている。これら複数の開口OPの上にも、導体柱MEPが形成されている。ただし、半導体チップSCの中央部における導体柱MEPの配置密度は、半導体チップSCの縁における導体柱MEPの配置密度よりも低い。
【0021】
そして、平面視において、導体柱MEPは、開口OPよりも大きい。このため、導体柱MEPの縁は、絶縁層SR1上に乗り上げている。本図に示す例では、導体柱MEPの縁は、全周にわたって絶縁層SR1上に乗り上げている。
【0022】
平面視において、導体柱MEPの中心と開口OPの中心の相対位置は、半導体チップSC内における開口OPの位置によって異なる。例えば最外周に位置する開口OP及び導体柱MEPにおいては、導体柱MEPの中心は、その導体柱MEPが重なっている開口OPの中心から、半導体チップSCの外側に向かう方向にずれている。そのずれの方向は、平均的には、例えば半導体チップSCの中心CEN1を基準とした場合、放射状と見なすことができる。
【0023】
以下、第1領域AR1、第2領域AR2、及び第3領域AR3を例にとって説明を行う。第1領域AR1は、半導体チップSCの第1辺SID1の一端に最も近い開口OP(第1開口OP1)を含んでいる。第2領域AR2は、第1辺SID1の中心に最も近い開口OPを含んでいる。また第3領域AR3は、半導体チップSCの中央部の開口OPを含んでいる。
【0024】
なお、以下の説明において、半導体チップSCの中心CEN1は、例えば半導体チップSCの対角線の交点として定義される。また、
図5,6,7を用いて説明する内容は、第1辺SID1以外の他の3辺(第2辺SID2、第3辺SID3、及び第4辺SID4)についても同様に適用できる。
【0025】
図5(a)は、第1領域AR1における第1開口OP1及びその上の導体柱MEP(第1導体柱MEP1)の相対位置を説明するための図である。
図5(b)は、
図5(a)のうち点線で囲んだ領域を拡大した図である。
【0026】
図4を用いて説明したように、開口OP及び導体柱MEPは、第1辺SID1に沿って複数列設けられている。そして最外周以外の開口OPの中心は、その上に位置する導体柱MEPの中心とほぼ重なっている。これに対して最外周に位置する開口OPの中心は、その上に位置する導体柱MEPの中心からずれている。
【0027】
具体的には、
図5(a)に示すように、最外周の開口OPにおいて、開口OP上に位置する導体柱MEPの中心は、開口OPの中心よりも、半導体チップSCの中心CEN1から離れる方向にずれている。特に、第1開口OP1の位置と第1導体柱MEP1の位置とを比較してみる。第1開口OP1の中心CEN3を始点として半導体チップSCの中心CEN1(半導体チップSCの基板の中心)を終点とした直線を第1直線STL1とする。そして、導体柱MEPと絶縁層SR1が重なった領域を、重複領域とする。第1直線STL1上に位置する重複領域の幅(第1幅)は、第1直線STL1を半導体チップSCの外側に向けて延長した延長線EXL(すなわち第1導体柱MEP1の中心を突き抜ける方向に第1直線STL1を延長した線)上における重複領域の幅(第2幅)よりも小さい。いいかえると、第1開口OP1よりも半導体チップSCの中心側に位置する重複領域の幅は、第1開口OP1よりも第1辺SID1側に位置する重複領域の幅よりも小さい。
【0028】
そして、
図5(b)に示すように、第1導体柱MEP1の中心CEN2は、第1開口OP1の中心CEN3よりも、半導体チップSCの中心CEN1から離れている。さらに、中心CEN2及び中心CEN3を通る直線(第2直線STL2)と、第1辺SID1とがなす角度θ
1は、90度以外(図の定義によれば90度未満)である。
【0029】
図6(a)は、第2領域AR2における開口OP及びその上の導体柱MEPの相対位置を説明するための図である。
図5(b)は、
図5(a)のうち点線で囲んだ領域を拡大した図である。第2領域AR2においても、最外周以外の開口OPの中心は、その上に位置する導体柱MEPの中心とほぼ重なっている。これに対して最外周に位置する開口OPの中心は、その上に位置する導体柱MEPの中心から、第1辺SID1に近づく方向にずれている。このため、第2領域AR2において、開口OPよりも半導体チップSCの中心側に位置する重複領域の幅は、開口OPよりも第1辺SID1側に位置する重複領域の幅よりも小さい。
【0030】
また、
図6(b)に示すように、第1辺SID1の中心に最も近い導体柱MEP(第2導体柱MEP2)の中心CEN5は、第2導体柱MEP2と重なっている開口OP(第2開口OP2)の中心CEN4よりも、半導体チップSCの中心CEN1から離れている。そして、第2導体柱MEP2の中心CEN5と第2開口OP2の中心CEN4を通る直線(第3直線STL3)と第1辺SID1がなす角度θ
2は、90度、またはθ
1よりも90度に近い。
【0031】
図5及び
図6から、第1辺SID1のうち一端側の1/3における導体柱MEPの配置ピッチの平均値(例えば第1領域AR1を含む領域における導体柱MEPの配置ピッチ)は、第1辺SID1の次の1/3における導体柱MEPの配置ピッチ(例えば第2領域AR2を含む領域における導体柱MEPの配置ピッチ)の平均値よりも大きいことがわかる。いいかえると、半導体チップSCの中心CEN1からの距離が大きくなるにつれて、開口OPに対する導体柱MEPの中心は、半導体チップSCの外側にずれている。このようにすると、後述する応力緩和効果が大きくなる。
【0032】
また、複数の導体柱MEPの配置ピッチの平均値は、複数の開口OPの配置ピッチの平均値よりも大きくなっているのが分かる。このため、後述するように、配線基板IPの第1端子FNGの配置ピッチを、開口OPの配置ピッチよりも広くすることができる。
【0033】
なお、
図5及び
図6に示すように、外側から2列目の導体柱MEPの中心は、その導体柱MEPと重なっている開口OPの中心とほぼ重なっている。
【0034】
図7は、第3領域AR3における開口OP及びその上の導体柱MEPの相対位置を説明するための図である。本図に示すように、第3領域AR3においては、導体柱MEPの中心は、開口OPの中心とほぼ重なっている。ただし、第3領域AR3においても、導体柱MEPの中心は、開口OPの中心から、半導体チップSCの中心から離れる方向、例えば放射状にずれていても良い。
【0035】
図8は、配線基板IPの開口SROの形状を説明するための図である。本図は、配線基板IPのうち半導体チップSCが搭載される面を示している。開口SROは、半導体チップSCの導体柱MEPに対向する領域に設けられている。
【0036】
具体的には、導体柱MEPは、まず、半導体チップSCの縁に沿って配置されている。このため、開口SROは、半導体チップSCの縁に沿った形状を有している。また導体柱MEPは、半導体チップSCの中央部にも配置されている。このため、開口SROは、半導体チップSCの中央部にも形成されている。なお、開口SRO内には、複数の第1端子FNG(本図では図示を省略)が配置されている。第1端子FNGは、複数の導体柱MEPのそれぞれに対応した位置に配置されている。
【0037】
また、上記したように、半導体チップSCの縁に位置する導体柱MEPの中心は、その導体柱MEPに対応する開口OPの中心からずれている。このため、第1端子FNGの配置ピッチは、開口OPの配置ピッチよりも広くなっている。
【0038】
図9は、開口SRO内における第1端子FNGの配置の一例を示す図である。上記したように、第1端子FNGの配置ピッチは、半導体チップSCの開口OPの配置ピッチよりも広くなっている。このため、一部の第1端子FNGの間を通るように、配線INC1を配置することができる。なお、配線INC1は、第1端子FNGと同一層に形成されている。配線INC1のうち開口SRO内に位置する部分は、直線であっても良いし、一部が折れ曲がっていても良い。
【0039】
図10は、導体柱MEPの構成を示す断面図である。本図に示す例において、半導体チップSCは、基板SUB上に多層配線層MILを有している。最上層の配線層は、電極ELを有している。多層配線層MILの最上層は保護絶縁膜PSL、例えば酸化シリコンと窒化シリコンの積層膜である。電極ELの一部は、保護絶縁膜PSLに形成された開口内に位置しているため、保護絶縁膜PSLから露出している。また、電極ELの下には、バリアメタル層BRM2が形成されている。
【0040】
保護絶縁膜PSL上には、絶縁層SR1が形成されている。絶縁層SR1は、例えばソルダーレジスト層である。絶縁層SR1には、電極EL上に位置する開口OPが形成されている。そしてこの開口OP内に位置する電極EL上、及びその周囲に位置する絶縁層SR1の上には、バリアメタル層BRM1が形成されている。バリアメタル層BRM1は、例えばTiN層、Ti層、及びTiW層の少なくとも一つを含んでいる。
【0041】
バリアメタル層BRM1上には、導体柱MEPが形成されている。導体柱MEPは、例えば柱状のCuである。導体柱MEPの高さは、例えば15μm以上50μm以下である。そして導体柱MEPの上には、Ni層NIL及びはんだ層SLDがこの順に形成されている。Ni層NILの厚さは、導体柱MEPの高さよりも小さい。なお、Ni層NILと導体柱MEPの界面、及びNi層NILとはんだ層SLDの界面の少なくとも一方には、合金層が形成されている場合もある。本図においては、Ni層NILとはんだ層SLDの界面に合金層ALLが形成されている。
【0042】
なお、保護絶縁膜PSL(第2絶縁膜)は、電極ELの縁に沿って凸部を有している。そして導体柱MEPの一部(具体的には図中左側の部分)は、保護絶縁膜PSLの凸部の外側に位置している。また、本図に示す例では、導体柱MEPの他の一部(具体的には図中右側の部分)は、電極ELの内側に位置している。ただし、図中右側に部分も、平面視で電極ELの外側に位置していても良い。
【0043】
図11は、半導体装置SDに発生する応力について説明するための図である。配線基板IPは、樹脂を用いて形成されている。このため、配線基板IPの線膨張係数は半導体チップSCの線膨張係数よりも大きい。従って、半導体装置SDの温度が下がった場合は、
図11(a)に示すように、半導体チップSCの裏面には圧縮応力が加わる。逆に、半導体装置SDの温度が上がった場合は、
図11(b)に示すように、半導体チップSCの裏面には引張応力が加わる。半導体チップSCの裏面に圧縮応力が加わる場合の対策については、いろいろ検討されている。これに対して本発明者は、半導体装置SDの温度が上がった場合、すなわち半導体チップSCの裏面に引張応力が加わる場合においても、対策を施す必要があることを見出した。これについて、
図12を用いて説明する。
【0044】
図12は、半導体チップSCの導体柱MEPと配線基板IPの第1端子FNGの接続構造を説明するための断面図である。本図において、左側が半導体チップSCの縁(例えば第1辺SID1)になっている。
【0045】
本図に示すように、導体柱MEPと第1端子FNGは、はんだ層SLDを介して接続している。そして半導体装置SDの温度が加わった場合、導体柱MEPのうちはんだ層SLDとの接続面(上面)には、導体柱MEPを半導体チップSCの縁に移動させる方向(図中右側から左側)の力が加わる。この場合、導体柱MEPの下面のうち半導体チップSCの縁に近い側の端部が支点となって、導体柱MEPを半導体チップSCの電極ELから引き剥がす方向の力が加わる。
【0046】
これに対して本実施形態では、導体柱MEPの中心を、開口OPの中心よりも、半導体チップSCの縁に近づけている。このため、力点から支点までの距離に対する、支点から作用点までの距離を大きくすることができる。従って、導体柱MEPが半導体チップSCから剥離することを抑制できる。
【0047】
また、多層配線層MILの少なくとも一部が、酸化シリコン膜よりも誘電率が低い低誘電率膜(例えばポーラス膜)である場合、低誘電率膜のうち導体柱MEPの下に位置する部分にも剥離などの不具合が生じる可能性がある。本実施形態では、この不具合の発生も抑制できる。
【0048】
次に、
図13を用いて、半導体チップSCの製造方法を説明する。
図13は、半導体チップSCのうち導体柱MEPを形成する方法を示す断面図である。なお、
図13においては、説明のため、導体柱MEPの中心と第1開口OP1の中心を重ねている。
【0049】
まず、基板SUB(例えばシリコンウェハ)に素子分離膜を形成する。これにより、素子形成領域が分離される。素子分離膜は、例えばSTI法を用いて形成されるが、LOCOS法を用いて形成されても良い。次いで、素子形成領域に位置する基板SUBに、ゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する。ゲート絶縁膜は酸化シリコン膜であってもよいし、酸化シリコン膜よりも誘電率が高い高誘電率膜(例えばハフニウムシリケート膜)であってもよい。ゲート絶縁膜が酸化シリコン膜である場合、ゲート電極はポリシリコン膜により形成される。またゲート絶縁膜が高誘電率膜である場合、ゲート電極は、金属膜(例えばTiN)とポリシリコン膜の積層膜により形成される。また、ゲート電極がポリシリコンにより形成される場合、ゲート電極を形成する工程において、素子分離膜上にポリシリコン抵抗を形成しても良い。
【0050】
次いで、素子形成領域に位置する基板SUBに、ソース及びドレインのエクステンション領域を形成する。次いでゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する。次いで、素子形成領域に位置する基板SUBに、ソース及びドレインとなる不純物領域を形成する。このようにして、基板SUB上にMOSトランジスタが形成される。
【0051】
次いで、素子分離膜上及びMOSトランジスタ上に、多層配線層MILを形成する。最上層の配線層には、電極ELが形成される。このとき、電極ELの下にはバリアメタル層BRM2(
図13では図示を省略)が形成される。次いで、多層配線層MIL上に、保護絶縁膜PSL及び開口を形成する。
【0052】
次いで、
図13(a)に示すように、保護絶縁膜PSL及び電極EL上に、絶縁層SR1及び絶縁層SR1の開口OPを形成する。絶縁層SR1は、例えば塗布法により形成される。また絶縁層SR1がソルダーレジスト膜などの感光性膜である場合、絶縁層SR1の開口OPは、露光及び現像によって形成される。次いで、絶縁層SR1上及び電極EL上に、バリアメタル層BRM1を形成する。
【0053】
次いで、
図13(b)に示すように、バリアメタル層BRM1上に、レジストパターンRS1を形成する。レジストパターンRS1は、導体柱MEPを形成すべき領域に開口を有している。
【0054】
次いで、
図13(c)に示すように、レジストパターンRS1から露出しているバリアメタル層BRM1をシードとしてめっきを行う。これにより導体柱MEP、Ni層NIL、及びはんだ層SLDがこの順に形成される。
【0055】
その後、
図13(d)に示すように、レジストパターンRS1を除去する。そして、バリアメタル層BRM1のうち導体柱MEPで覆われていない部分を、例えばウェットエッチングを用いて除去する。
【0056】
その後、はんだ層SLDを溶融し、その後凝固させる、このようにして、導体柱MEPが形成される。そして、導体柱MEPが形成された後、半導体チップSCは、ダイシングにより個片化される。
【0057】
図14は、半導体チップSCを配線基板IPに実装する方法の一例を説明するための断面図である。本図に示す方法は、封止材RLとしてNCFを使う方法である。まず、配線基板IPを準備する。
図15に示すように、配線基板IPは、複数が互いに繋がった状態になっている。
【0058】
また、配線基板IPの第1端子FNGの上面、側面、及び端面には、Ni層及びAu層が形成されている。Ni層とAu層の間には、Pd層が形成されていても良い。またこれらの面には、Sn又はSnAgなどのハンダ層が形成されていてもよいし、OSP処理(プリフラックス)がされていても良い。
【0059】
次いで、
図14(a)に示すように、複数の配線基板IPのそれぞれの上に、封止材RLとしてのNCFを配置する。
【0060】
次いで、
図14(b)に示すように、封止材RL上に半導体チップSCを、導体柱MEPが配線基板IPに対向する向きに配置する。次いで、半導体チップSCを封止材RL内に押し込む。これにより、配線基板IPの第1端子FNG(本図では図示を省略)と半導体チップSCの導体柱MEP上のはんだ層SLD(本図では図示を省略)は接触する。この状態で、半導体チップSC及び配線基板IPを加熱し、その後、冷却する。これにより、はんだ層SLDは第1端子FNGと接合する。
【0061】
次いで、
図14(c)に示すように、複数の配線基板IP及び複数の半導体チップSCを、封止樹脂MDRで個別に封止する。また、配線基板IPの第2面に外部端子SBを取り付ける。
【0062】
次いで、
図14(d)に示すように、配線基板IPをダイシングして、半導体装置SDを個片化する。
【0063】
なお、
図14(a)の工程において、NCFの代わりにNCP(Non Conductive Paste)を配線基板に塗布しても良いし、半導体チップSCを配線基板IPに搭載した後に、毛細管現象を利用して半導体チップSCと配線基板IPの間にアンダーフィル樹脂を浸透させても良い。また、NCFを配線基板IPではなく半導体チップSCに貼りつけても良い。
【0064】
以上、本実施形態によれば、導体柱MEPと絶縁層SR1が重なった領域を重複領域とした場合、第1開口OP1よりも半導体チップSCの中心側に位置する重複領域の幅は、第1開口OP1よりも第1辺SID1側に位置する重複領域の幅よりも小さい。従って、半導体装置SDの温度が上昇したときに、導体柱MEPが半導体チップSCから剥離することを抑制できる。
【0065】
(変形例1)
図16は、変形例1に係る半導体装置SDが有する半導体チップSCの構成を示す断面図である。本図に示す半導体チップSCは、導体柱MEPとはんだ層SLDの間にNi層NIL及び合金層ALLがない点を除いて、実施形態に係る半導体チップSCと同様の構成である。
本変形例によっても、実施形態に係る半導体装置SDと同様の効果を得ることができる。
【0066】
(変形例2)
図17は、変形例2に係る半導体装置SDが有する半導体チップSCの構成を示す断面図である。本図に示す半導体チップSCは、絶縁層SR1がない点を除いて、変形例1に係る半導体チップSCと同様の構成である。本変形例において、導体柱MEPの位置を定めるにあたり、保護絶縁膜PSLに設けられた開口は、変形例1における開口OPに相当している。
本変形例によっても、実施形態に係る半導体装置SDと同様の効果を得ることができる。
【0067】
(変形例3)
図18は、変形例3に係る半導体装置SDが有する半導体チップSCの構成を示す断面図である。本図に示す半導体チップSCは、少なくとも一部の導体柱MEPが、平面視で半導体チップSCのガードリングGDLと重なっている点を除いて、実施形態及び変形例1,2のいずれかに係る半導体装置SDと同様の構成である。
本変形例によっても、実施形態に係る半導体装置SDと同様の効果を得ることができる。
【0068】
(変形例4)
本変形例に係る半導体装置SDは、半導体チップSCの第1領域AR1における開口OPと導体柱MEPの相対位置を除いて、実施形態及び変形例1〜3のいずれかと同様である。
【0069】
図19(a)に示す例では、第1導体柱MEP1は、第1開口OP1に対して第2辺SID2と平行な方向にずれている。第1導体柱MEP1以外の導体柱MEPについても同様である。詳細には、第1辺SID1に沿った方向に配置された導体柱MEPのうち最外周に位置するものは、開口OPに対して第2辺SID2と平行な方向にずれている。そのずれ幅は、第1辺SID1の端に近づくにつれて大きくなっていても良い。
【0070】
図19(b)に示す例では、第1導体柱MEP1は、第1開口OP1に対して第1辺SID1と平行な方向にずれている。第1導体柱MEP1以外の導体柱MEPについても同様である。詳細には、第1辺SID1に沿った方向に配置された導体柱MEPのうち最外周に位置するものは、開口OPに対して第1辺SID1と平行な方向にずれている。そのずれ幅は、第1辺SID1の端に近づくにつれて大きくなっていても良い。
【0071】
図19(c)に示す例では、最外周に位置する導体柱MEPのみではなく、その一列内側に位置する導体柱MEPも、実施形態と同様の方向にシフトしている。
【0072】
図19(d)に示す例では、最外周に位置する導体柱MEPのみではなく、その一列内側に位置する導体柱MEPも、
図19(a)と同様の方向にシフトしている。
【0073】
図19(e)に示す例では、最外周に位置する導体柱MEPのみではなく、その一列内側に位置する導体柱MEPも、
図19(b)と同様の方向にシフトしている。
【0074】
なお、
図19(c)〜(e)において、外側から2列目の導体柱MEPのシフト量は、最外周に位置する導体柱MEPのシフト量よりも小さくなっている。ただし、これらのシフト量は互いに同じであってもよい。
【0075】
本変形例によっても、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0076】
(変形例5)
図20は、半導体装置SDを有する電子装置の第1例を示す断面図である。この電子装置は、半導体装置SDの上に半導体装置SD2を搭載した、所謂POP(Package on Package)構造を有している。
【0077】
詳細には、封止樹脂MDRは、配線基板IPの周辺部の少なくとも一部を覆っていない。そして配線基板IPの第1面のうち封止樹脂MDRで覆われていない部分には、半導体装置SD2の外部端子SB2に接続するための端子が設けられている。
【0078】
半導体装置SD2は、配線基板IP2の上に半導体チップSC2を搭載し、半導体チップSC2と配線基板IP2とをボンディングワイヤWIRで接続した構成を有している。なお、半導体チップSC2及びボンディングワイヤWIRは、封止樹脂MDR2で封止されている。
【0079】
本図に示す例において、半導体装置SDの上に半導体装置SD2を搭載するとき、半導体装置SDには、外部端子SB2を溶融させるために熱が加わる。この熱によって、導体柱MEPには応力が加わる。本変形例では、実施形態で説明した作用によって、導体柱MEPが半導体チップSCから剥離することを抑制できる。
【0080】
図21は、半導体装置SDを有する電子装置の第2例を示す断面図である。本図に示す例は、半導体装置SDが封止樹脂MDRを有していない点を除いて、
図20に示した例と同様の構造を有している。
【0081】
図22は、半導体装置SDを有する電子装置の第3例を示す断面図である。本図において、半導体装置SDは、半導体チップSC上の半導体チップSC2を搭載した、所謂COC(Chip on Chip)構造を有している。半導体チップSC2と配線基板IPは、ボンディングワイヤWIRによって接続されている。そして半導体チップSC、半導体チップSC2、及びボンディングワイヤWIRは、封止樹脂MDRで封止されている。
【0082】
図23は、半導体装置SDを有する電子装置の第4例を示す断面図である。この変形例において、半導体チップSCの上には、樹脂層BNL1を介して金属体HSが搭載されている。金属体HSの縁は配線基板IPに近づく方向に折れ曲がっており、樹脂層BNL2を介して配線基板IPに接続している。すなわち本例では、半導体チップSCで発生した熱は、金属体HSを介して他の部分に放熱される。
【0083】
図24は、半導体装置SDを有する電子装置の第5例を示す断面図である。この変形例に係る電子装置は、以下の点を除いて、
図23に示した電子装置と同様の構成である。まず、金属体HSは平板である。そして金属体HSの縁は、樹脂層BNL2、リング状の金属板STF(例えばスティフナ)、及び樹脂層BNL3を介して配線基板IPに接続している。
【0084】
図25は、半導体装置SDを有する電子装置の第6例を示す断面図である。この変形例に係る電子装置は、金属体HS及び樹脂層BNL2を有していない点、及び樹脂層BNLが平面視で金属体HSと半導体チップSCの間にも形成されている点を除いて、
図24に示した例と同様の構成である。
【0085】
図26は、半導体装置SDを有する電子装置の第7例を示す断面図である。本変形例に係る電子装置は、以下の点を除いて、
図23に示した電子装置と同様の構成である。まず、金属体HSは平板上であり、が半導体チップSCの裏面上に搭載されている。そして、金属体HSの縁は配線基板IPに接続していない。
【0086】
図27は、半導体装置SDを有する電子装置の第8例を示す断面図である。本変形例に係る電子装置は、金属体HS及び樹脂層BNL1,BNL2を有していない点を除いて、
図23に示した電子装置と同様の構成である。
【0087】
図28は、半導体装置SDを有する電子装置の第9例を示す断面図である。本変形例に係る電子装置が有する半導体装置SDは、半導体チップSCの上に少なくとも一つの半導体チップSC2が積層されている点を除いて、実施形態に係る半導体装置SDと同様の構成である。
【0088】
詳細には、半導体チップSC2の側面は、封止材RL2によって封止されている。また、半導体チップSCには貫通電極TSV1が形成されており、半導体チップSC2には貫通電極TSV2が形成されている。半導体チップSC2は、貫通電極TSV2を介して半導体チップSCに接続している。本図に示す例では、平面視において、貫通電極TSV2は貫通電極TSV1に重なっている。半導体チップSC2は、例えばメモリチップであり、半導体チップSCはロジックチップである。
【0089】
なお、第1例〜第3例は、例えば携帯通信端末や携帯型ゲーム機器などの携帯型電子機器である。また、第4例〜第9例は、例えばナビゲーション装置やテレビなどの映像再生装置である。
【0090】
これらの変形例によっても、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。