特許第6180814号(P6180814)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180814
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】水晶デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20170807BHJP
   H03B 5/32 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H03H9/02 A
   H03H9/02 K
   H03H9/02 N
   H03B5/32 H
   H03B5/32 A
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-130074(P2013-130074)
(22)【出願日】2013年6月21日
(65)【公開番号】特開2015-5882(P2015-5882A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和
(72)【発明者】
【氏名】社本 勝哉
【審査官】 角張 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−005117(JP,A)
【文献】 特開2009−010671(JP,A)
【文献】 特開2013−005099(JP,A)
【文献】 特開2009−302701(JP,A)
【文献】 特開2005−198237(JP,A)
【文献】 実開平07−016422(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/54
23/00−23/04
23/06−23/10
23/16−23/26
H03B5/30−5/42
H03H3/007−3/06
9/00−9/135
9/15−9/24
9/30−9/40
9/46−9/62
9/66
9/70
9/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の振動数で振動し、一対の励振電極及び前記一対の励振電極から引き出された引出電極が形成された水晶振動片と、
矩形形状に形成された底部及び前記底部の一方の面を囲むように形成された側面から成り、一対の接続電極が形成され、前記一対の接続電極に前記一対の引出電極が導電性接着剤を介して接合されることにより前記水晶振動片が載置される第1凹部が形成されるセラミック製のパッケージと、
前記第1凹部を密閉し、金属材料により形成されるリッド板と、を有し、
前記セラミック製のパッケージは、前記第1凹部の一方の側に、前記水晶振動片を載置し前記接続電極が形成された一対の載置部と、前記第1凹部の他方の側に、前記アース端子に電気的に接続される金属膜が形成された保持部とを含み、
前記セラミック製のパッケージの前記側面の四方のそれぞれには前記底部から前記保持部の前記金属膜を介して前記リッド板まで貫通する貫通電極が形成され、さらに前記セラミック製のパッケージの下面には、前記リッド板及び前記貫通電極に電気的に接続されるアース端子が形成されている水晶デバイス。
【請求項2】
所定の振動数で振動し、一対の励振電極及び前記一対の励振電極から引き出された引出電極が形成された水晶振動片と、
温度を測定する温度センサと、
矩形形状に形成された底部及び前記底部の一方の面を囲むように形成される第1側面から成り、一対の接続電極が形成され、前記一対の接続電極に前記一対の引出電極が導電性接着剤を介して接合されることにより前記水晶振動片が載置される第1凹部と、前記底部及び前記底部の他方の面を囲むように形成される第2側面から成り、前記温度センサが配置される第2凹部と、が形成されるセラミック製のパッケージと、
前記第1凹部を密閉し、金属材料により形成されるリッド板と、を有し、
前記セラミック製のパッケージは、前記第1凹部の一方の側に、前記水晶振動片を載置し前記接続電極が形成された一対の載置部と、前記第1凹部の他方の側に、前記アース端子に電気的に接続される金属膜が形成された保持部とを含み、
前記セラミック製のパッケージの前記第1側面の四方にはそれぞれ前記底部の法線方向に前記第1側面を貫通し前記保持部の前記金属膜を介して貫通電極が形成され、さらに前記パッケージの下面には、前記リッド板及び前記貫通電極に電気的に接続されるアース端子が形成されている水晶デバイス。
【請求項3】
前記リッド板及び前記貫通電極には前記アース端子を介して熱が伝えられて加熱され、前記水晶振動片が前記リッド板及び前記貫通電極からの放射熱により加温される請求項1又は請求項2に記載の水晶デバイス。
【請求項4】
温度を測定する温度センサと、
発熱するヒーター回路と、
前記温度センサ、前記ヒーター回路、及び前記水晶振動片を制御する集積回路と、を更に有し、
前記パッケージの前記第1凹部には更に前記ヒーター回路及び前記集積回路が載置され、
前記リッド板及び前記貫通電極が前記ヒーター回路に熱的に接続されており、前記水晶振動片が前記リッド板及び前記貫通電極からの放射熱により加温される請求項1に記載の水晶デバイス。
【請求項5】
発熱するヒーター回路と、
前記温度センサ、前記ヒーター回路、及び前記水晶振動片を制御する集積回路と、を更に有し、
前記パッケージの前記第2凹部には更に前記ヒーター回路、及び前記集積回路が配置され、
前記リッド板及び前記貫通電極が前記ヒーター回路に熱的に接続されており、前記水晶振動片が前記リッド板及び前記貫通電極からの放射熱により加温される請求項2に記載の水晶デバイス。
【請求項6】
所定の振動数で振動し、一対の励振電極及び前記一対の励振電極から引き出された引出電極が形成された水晶振動片と、
温度を測定する温度センサと、
発熱するヒーター回路と、
前記温度センサ、前記ヒーター回路、及び前記水晶振動片を制御する集積回路と、
矩形形状に形成された底部及び前記底部の一方の面を囲むように形成される第1側面から成り、一対の接続電極が形成され、前記一対の接続電極に前記一対の引出電極が導電性接着剤を介して接合されることにより前記水晶振動片が載置され、さらに前記温度センサ及び前記ヒーター回路が形成される第1凹部と、前記底部及び前記底部の他方の面を囲むように形成される第2側面から成り、前記集積回路が配置される第2凹部と、が形成されるセラミック製のパッケージと、
前記第1凹部を密閉し、金属材料により形成されるリッド板と、を有し、
前記セラミック製のパッケージは、前記第1凹部の一方の側に、前記水晶振動片を載置し前記接続電極が形成された一対の載置部と、前記第1凹部の他方の側に、前記アース端子に電気的に接続される金属膜が形成された保持部とを含み、
前記セラミック製のパッケージの前記第1側面の四方にはそれぞれ前記底部の法線方向に前記第1側面を貫通し前記保持部の前記金属膜を介して貫通電極が形成され、さらに前記水晶デバイスが実装される実装面となる前記セラミック製のパッケージの下面には、前記リッド板及び前記貫通電極に電気的に接続されるアース端子が形成されており、
前記リッド板及び前記貫通電極が前記ヒーター回路に熱的に接続されており、前記水晶振動片が前記リッド板及び前記貫通電極からの放射熱により加温される水晶デバイス。
【請求項7】
前記水晶振動片は、前記金属膜上に形成される前記導電性接着剤に接触して保持される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の水晶デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の周波数で振動する水晶振動片が載置された水晶デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の周波数で振動する水晶振動片は、温度変化によりその周波数が変化する。このような水晶振動片の周波数変化を防ぐために、水晶振動片を所定の温度に制御する恒温槽付水晶発振器(OCXO)が知られている。例えば、特許文献1では、サーミスタ及び加熱抵抗と共に温度制御回路が形成されて水晶振動片の温度制御がなされる恒温型の水晶発振器が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−77963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示されるような水晶発振器においても、さらに水晶振動片の温度の安定性を高めること及び温度が安定に至るまでの時間を短くすることが求められている。また、このように水晶振動片の温度を安定に保ち、水晶振動片の周波数変化を防ぐことは、水晶発振器に限らず他の様々な水晶デバイスにも求められている。
【0005】
本発明は、水晶振動片の温度の安定性が高く、水晶振動片の温度が安定に至るまでの時間が短い水晶デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の水晶デバイスは、所定の振動数で振動し、一対の励振電極及び一対の励振電極から引き出された引出電極が形成された水晶振動片と、矩形形状に形成された底部及び底部の一方の面を囲むように形成された側面から成り、一対の接続電極が形成され、一対の接続電極に一対の引出電極が導電性接着剤を介して接合されることにより水晶振動片が載置される第1凹部が形成されるパッケージと、第1凹部を密閉し、金属材料により形成されるリッド板と、を有する。また、パッケージの側面の四方のそれぞれには底部からリッド板まで貫通する貫通電極が形成され、さらにパッケージの下面には、リッド板及び貫通電極に電気的に接続されるアース端子が形成されている。
【0007】
第2観点の水晶デバイスは、所定の振動数で振動し、一対の励振電極及び一対の励振電極から引き出された引出電極が形成された水晶振動片と、温度を測定する温度センサと、矩形形状に形成された底部及び底部の一方の面を囲むように形成される第1側面から成り、一対の接続電極が形成され、一対の接続電極に一対の引出電極が導電性接着剤を介して接合されることにより水晶振動片が載置される第1凹部と、底部及び底部の他方の面を囲むように形成される第2側面から成り、温度センサが配置される第2凹部と、が形成されるパッケージと、第1凹部を密閉し、金属材料により形成されるリッド板と、を有する。また、パッケージの第1側面の四方にはそれぞれ底部の法線方向に第1側面を貫通する貫通電極が形成され、さらにパッケージの下面には、リッド板及び貫通電極に電気的に接続されるアース端子が形成されている。
【0008】
第3観点の水晶デバイスは、第1観点及び第2観点において、リッド板及び貫通電極にはアース端子を介して熱が伝えられて加熱され、水晶振動片がリッド板及び貫通電極からの放射熱により加温される。
【0009】
第4観点の水晶デバイスは、第1観点において、温度を測定する温度センサと、発熱するヒーター回路と、温度センサ、ヒーター回路、及び水晶振動片を制御する集積回路と、を更に有する。また、水晶デバイスは、パッケージの第1凹部には更にヒーター回路及び集積回路が載置され、リッド板及び貫通電極がヒーター回路に熱的に接続されており、水晶振動片がリッド板及び貫通電極からの放射熱により加温される。
【0010】
第5観点の水晶デバイスは、第2観点において、発熱するヒーター回路と、温度センサ、ヒーター回路、及び水晶振動片を制御する集積回路と、を更に有する。パッケージの第2凹部には更にヒーター回路、及び集積回路が配置され、リッド板及び貫通電極がヒーター回路に熱的に接続されており、水晶振動片がリッド板及び貫通電極からの放射熱により加温される。
【0011】
第6観点の水晶デバイスは、所定の振動数で振動し、一対の励振電極及び一対の励振電極から引き出された引出電極が形成された水晶振動片と、温度を測定する温度センサと、発熱するヒーター回路と、温度センサ、ヒーター回路、及び水晶振動片を制御する集積回路と、矩形形状に形成された底部及び底部の一方の面を囲むように形成される第1側面から成り、一対の接続電極が形成され、一対の接続電極に一対の引出電極が導電性接着剤を介して接合されることにより水晶振動片が載置され、さらに温度センサ及びヒーター回路が形成される第1凹部と、底部及び底部の他方の面を囲むように形成される第2側面から成り、集積回路が配置される第2凹部と、が形成されるパッケージと、第1凹部を密閉し、金属材料により形成されるリッド板と、を有する。また、パッケージの第1側面の四方にはそれぞれ底部の法線方向に第1側面を貫通する貫通電極が形成され、さらに水晶デバイスが実装される実装面となるパッケージの下面には、リッド板及び貫通電極に電気的に接続されるアース端子が形成されており、リッド板及び貫通電極がヒーター回路に熱的に接続されており、水晶振動片がリッド板及び貫通電極からの放射熱により加温される。
【0012】
第7観点の水晶デバイスは、第1観点から第6観点において、第1凹部の一方の側には水晶振動片を載置し、接続電極が形成された一対の載置部が形成され、第1凹部の他方の側には、アース端子に電気的に接続される金属膜が形成された保持部が形成され、水晶振動片が、金属膜上に形成される導電性接着剤に接触して保持される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の水晶デバイスによれば、水晶振動片の温度の安定性が高く、安定に至るまでの時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】水晶デバイス100の分解斜視図である。
図2】プリント基板150上に形成される電極150a及び電極150bが示されている。
図3】(a)は、水晶振動片110が載置されたパッケージ120の上面図である。 (b)は、第2層120b及び第3層120cの上面図である。
図4】(a)は、LSI140が載置されたパッケージ120の上面図である。 (b)は、水晶デバイス200の回路図である。
図5】(a)は、水晶デバイス300の断面図である。 (b)は、水晶デバイス400の断面図である。
図6】水晶デバイス500の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0016】
(第1実施形態)
<水晶デバイス100の構成>
図1は、水晶デバイス100の分解斜視図である。水晶デバイス100は、表面実装型の水晶デバイスであり、プリント基板等に実装されて使用される。水晶デバイス100は主に、水晶振動片110と、パッケージ120と、リッド板130と、により形成されている。水晶振動片110には、例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、水晶デバイス100において水晶デバイス100の長手方向をX軸方向、水晶デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X軸方向及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
【0017】
水晶振動片110は、+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面に励振電極111が形成されており、各励振電極111からは水晶振動片110の−X軸側の辺に引出電極112が引き出されている。+Y’軸側の面に形成されている励振電極111から引き出される引出電極112は−X軸側の辺の+Z’軸側に引き出され、+Z’軸側の側面を介して−Y’軸側の面に引き出されている。−Y’軸側の面に形成されている励振電極111から引き出されている引出電極112は、−X軸側の辺の−Z’軸側に引き出され、−Z’軸側の側面を介して+Y’軸側の面に引き出されている。
【0018】
パッケージ120は、X軸方向に伸びる長辺、及びZ’軸方向に伸びる短辺を有している。また、パッケージ120の下面であり水晶デバイス100が実装される実装面には外部端子125が形成されており、パッケージ120の+Y’軸側の面である上面にはリッド板130に接合される接合面122a及び接合面122aから−Y’軸方向に凹んだ第1凹部121が形成されている。接合面122aには第1凹部121を囲むように枠状金属膜127aが形成されており、第1凹部121には水晶振動片110が載置される載置部123及び水晶振動片110を支える保持部128が形成されている。載置部123の+Y’軸側の面には、水晶振動片110の引出電極112に導電性接着剤152(図3参照)を介して電気的に接続される接続電極124が形成されており、保持部128の+Y’軸側の面には金属膜127bが形成されている。
【0019】
パッケージ120は、例えばセラミックを基材としており、第1層120a、第2層120b、及び第3層120cの3つの層が重ね合わされることにより形成されている。第1層120aは、パッケージ120の+Y’軸側に配置され、第1層120aの+Y’軸側の面には接合面122aが形成されている。第2層120bは、第1層120aの−Y’軸側の面に接合されて配置されている。第2層120bは載置部123及び保持部128を含む層である。第3層120cは、第2層120bの−Y’軸側の面に配置されている。第3層120cの−Y’軸側の面には、外部端子125が形成されている。外部端子125の一部は接地されるアース端子125aであり、アース端子125aには枠状金属膜127a及び金属膜127bが電気的に接続されている。また、パッケージ120では、パッケージ120をY’軸方向に貫通する貫通電極126a及び貫通電極126bが第1凹部121の四方を囲むように形成されている。さらに、パッケージ120の四隅の側面にはパッケージ120の内側に凹んだキャスタレーション129が形成されている。
【0020】
リッド板130は、平板状に形成されており、パッケージ120の接合面122aにシームリング151(図2参照)を介して接合されて、パッケージ120の第1凹部121を密封する。また、リッド板130は金属材料により形成されており、アース端子125aに電気的に接続されている。
【0021】
図2は、図1のA−A断面図である。また、図2図3(a)及び図3(b)のA−A断面も含んでいる。図2では、水晶デバイス100がプリント基板150に実装された状態として示されている。水晶デバイス100のパッケージ120の第1凹部121には、水晶振動片110が載置されている。水晶振動片110の引出電極112は、載置部123に形成される接続電極124に導電性接着剤152aを介して電気的に接続される。図2では、接続電極124が第2層120b及び第3層120cを貫通する貫通電極126cを介して第3層120cの−Y’軸側の面に形成される水晶端子125bに電気的に接続されている。また、保持部128に形成される金属膜127b上には導電性接着剤152bが形成されており、水晶振動片110の+X軸側の端がこの導電性接着剤152b上に接触している。導電性接着剤152bは水晶振動片110の基材となる水晶材料には接触しているが、励振電極111及び引出電極112には、電気的に接続されていない。水晶デバイス100のパッケージ120の第1凹部121は、リッド板130がシームリング151を介して接合面122aに接合されることにより密封されている。シームリング151は接合面122a上に配置されるように矩形形状に形成された環状のリングであり、電気を伝導する金属材料で形成されている。そのため、シームリング151は枠状金属膜127aとリッド板130とを熱的、電気的に接続する。
【0022】
また、水晶デバイス100のパッケージ120には貫通電極126a及び貫通電極126bが形成されている。貫通電極126aは、枠状金属膜127aから第1層120a、第2層120b、及び第3層120cを貫通してアース端子125aに熱的、電気的に接続される。また、貫通電極126aは、金属膜127bにも熱的、電気的に接続されている。貫通電極126bは、枠状金属膜127aから第1層120a及び第2層120bを貫通して第3層120cの+Y’軸側の面にまで貫通している。また、貫通電極126aと貫通電極126bとは、枠状金属膜127aを介して互いに熱的、電気的に接続されている。そのため、貫通電極126bも、貫通電極126aを介してアース端子125aに熱的、電気的に接続される。また、第1層120a及び第2層120bは、第1凹部121の側面を形成し、第3層120cは第1凹部121の底部を形成している。すなわち、第1凹部121は、底部となる第3層120cと、底部となる第3層120cの+Y’軸側の面を囲むように形成される側面となる第1層120a及び第2層120bと、に囲まれて形成されている。
【0023】
図2では、プリント基板150上に形成される電極150a及び電極150bが示されている。水晶デバイス100のアース端子125aはハンダ153を介して電極150aに接合されている。また、水晶デバイス100の水晶端子125bはハンダ153を介して電極150bに接合されている。図2に示される電極150aは接地されており、これにより、電極150aにハンダ153を介して接合されている水晶デバイス100のアース端子125aも接地される。また、プリント基板150には電極150aに熱的に接続されたヒーター回路(不図示)が載置されており、ヒーター回路で発生した熱が電極150aに伝わるように形成されている。すなわち、水晶デバイス100では、アース端子125aが電極150a及びハンダ153を介して加温される。加温されたアース端子125aの熱は、アース端子125aから貫通電極126aに伝わり、さらに金属膜127b、貫通電極126b、及びリッド板130に送られて、これらを加温する。さらに、加温された貫通電極126a、加温された貫通電極126b、及び加温されたリッド板130からは水晶振動片110に熱が放射熱として伝えられ、水晶振動片110が加温される。
【0024】
図3(a)は、水晶振動片110が載置されたパッケージ120の上面図である。第1凹部121内の−X軸側の+Z’軸側及び−Z’軸側の角にはそれぞれ載置部123が形成されており、各載置部123の+Y’軸側の面には接続電極124が形成されている。また、第1凹部121内の+X軸側の端の中央には保持部128が形成されており、保持部128の+Y’軸側の面には金属膜127bが形成されている。水晶振動片110は、導電性接着剤152aにより引出電極112が接続電極124に電気的に接続されることにより接続電極124上に載置される。また、水晶振動片110は、保持部128上に形成される導電性接着剤152b上に載置される。
【0025】
一方、パッケージ120に形成される貫通電極126a及び貫通電極126bは、水晶振動片110の四方、すなわち、水晶振動片110の+X軸側、−X軸側、+Z’軸側、及び−Z’軸側に水晶振動片110を囲むように配置されている。また、貫通電極126a及び貫通電極126bは、互いに枠状金属膜127aを介して熱的、電気的に接続されている。
【0026】
図3(b)は、第2層120b及び第3層120cの上面図である。図3(b)では、第2層120bの+Y’軸側の面及び第1凹部121内に露出した第3層120cの+Y’軸側の面が示されている。また、図3(b)では、パッケージ120の−Y’軸側の面である実装面に形成される外部端子125がパッケージ120を透過して点線で示されている。パッケージ120の実装面の四隅には外部端子125が形成されている。実装面の+X軸側の+Z’軸側及び−X軸側の−Z’軸側に形成される外部端子125は接地されるアース端子125aである。また、実装面の−X軸側の+Z’軸側及び+X軸側の−Z’軸側に形成される外部端子125は、接続電極124を介して水晶振動片110の引出電極112に電気的に接続される水晶端子125bである。+Z’軸側に形成されている接続電極124は、パッケージ120をY’軸方向に貫通する貫通電極126cを介して−X軸側の+Z’軸側に形成される水晶端子125bに導通している。また、−Z’軸側に形成されている接続電極124は第2層120bを貫通する貫通電極126dを介して第3層120cの+Y’軸側の面に引き出され、さらに第3層120cの+Y’軸側の面を+X軸側の−Z’軸側に伸び、第3層120cを貫通する貫通電極126eを介して+X軸側の−Z’軸側に形成される水晶端子125bに導通している。また、貫通電極126aはパッケージ120の+X軸側の+Z’軸側の角及び−X軸側の−Z’軸側の角に形成され、第1層120a、第2層120b、及び第3層120cを貫通してアース端子125aに熱的、電気的に接続される。貫通電極126bは、第1層120a及び第2層120bを貫通して第3層120cの+Y’軸側の面にまで導通している。一方、保持部128に形成されている金属膜127bは、第2層120bの+Y’軸側の面を介して第2層120bの+X軸側の+Z’軸側の角に引き出され、さらに貫通電極126aを介して実装面の+X軸側のアース端子125aに導通する。
【0027】
図2及び図3(a)に示されるように、水晶デバイス100では、水晶デバイス100の外部に配置されるヒーター回路(不図示)からアース端子125aを介して水晶デバイス100に熱が伝えられることにより、水晶振動片110が加温される。また、水晶振動片110は、四方の側面を貫通電極126a及び貫通電極126bに囲まれるように載置されていることにより水晶振動片110への単位時間あたりの伝熱量が多くなる。これにより水晶振動片110の温度上昇速度を上げることができ、水晶振動片110を目的の温度にまで早く上げることができる。すなわち、水晶デバイス100では、水晶振動片110を早く安定な温度状態に置くことができ、これによって水晶振動片110を早く安定な周波数を発振する状態に置くことができる。
【0028】
また、水晶振動片110の+Y’軸側に配置されるリッド板130からの放射熱、及び金属膜127bから導電性接着剤152を介して水晶振動片110が直接加温されることによっても、水晶振動片110の振動周波数が安定に至るまでの時間が短くされるため好ましい。
【0029】
(第2実施形態)
水晶デバイスでは、水晶デバイスに温度センサ等を配置することにより水晶振動片の温度が調節されても良い。また、水晶デバイスにはさらにヒーター回路が配置されることにより、水晶デバイス内に熱を発生させて水晶振動片を加温しても良い。以下にこのような様々な構成要素を有する水晶デバイスについて説明する。また、以下の説明では第1実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0030】
<水晶デバイス200の構成>
図4(a)は、LSI140が載置されたパッケージ120の上面図である。水晶デバイス100(図1参照)は、パッケージ120の第1凹部121にLSI(Large Scale Integration)140が載置されて水晶デバイス200として形成することができる。すなわち、水晶デバイス200は主に、水晶振動片110と、パッケージ120と、リッド板130と、パッケージ120に載置されるLSI140と、により構成される。LSI140は、温度を測定する温度センサ、発熱するヒーター回路142、及び温度センサと、ヒーター回路142と、水晶振動片110と、を制御する集積回路を集積したものである。
【0031】
図4(a)に示されるようにLSI140は、第3層120cの+Y’軸側の面に載置される。LSI140からは各接続電極124にそれぞれ電極221が伸びており、LSI140と各接続電極124とが電気的に接続されている。また、LSI140からは電極222が伸びてパッケージ120の+Z’軸側の辺の中央の貫通電極126bに熱的、電気的に接続されている。これにより、LSI140内に配置されたヒーター回路142において発生した熱が、貫通電極126bを介して他の貫通電極126b、貫通電極126a、金属膜127b、及びリッド板130に伝えられる。また、LSI140は貫通電極(不図示)により、外部端子125とそれぞれ電気的に接続されている。
【0032】
図4(b)は、水晶デバイス200の回路図である。図4(b)では、水晶振動片110が示されており、水晶振動片110を囲む点線100が水晶デバイス100に相当する部分である。すなわち、図4(b)において、点線100の部分を除いた部分がLSI140に相当する部分となっている。水晶デバイス200では、接地されるアース端子125a、電源に接続されLSI140に電力を供給する電源端子125c、周波数信号が出力される出力端子125d、及び水晶振動片110に制御電圧を入力する入力端子125eの4つの外部端子125が形成されている。これらの端子は、例えば、アース端子125aが実装面の+X軸側の+Z’軸側、出力端子125dが実装面の+X軸側の−Z’軸側、入力端子125eが実装面の−X軸側の+Z’軸側、及び電源端子125cが実装面の−X軸側の−Z’軸側に形成される。入力端子125eから入力された制御電圧は、周波数制御回路及び周波数調整回路を経て水晶振動片110に加えられる。また、水晶振動片110で発生した周波数信号は、発振回路、増幅回路、及び出力回路を経て出力端子125dから出力される。また、LSI140は、ヒーター回路142及び温度センサ(不図示)を有している。ヒーター回路142は発熱することにより水晶振動片110を加温する。また、ヒーター回路142は電極222に熱的に接続されているため、ヒーター回路142で発生した熱が貫通電極126b、貫通電極126a、金属膜127b、及びリッド板130に伝わる。これにより、水晶デバイス100と同様に、貫通電極126b、貫通電極126a、金属膜127b、及びリッド板130を介して水晶振動片110が加温される。ヒーター回路142が発する熱は、温度センサにより測定された温度を基に温度制御回路で制御される。
【0033】
水晶デバイス200では、水晶デバイス100と同様に、貫通電極126b、貫通電極126a、及びリッド板130からの放射熱、及び金属膜127bに形成される導電性接着剤152bを介する水晶振動片110への伝熱により水晶振動片110を加温することで、水晶振動片110の温度を調整することができる。さらに、水晶デバイス200では、水晶振動片110の近くに配置されたLSI140に含まれる温度センサにより水晶振動片110の温度が測定されるため精度よく水晶振動片110の温度を測定することができる。また、貫通電極126b、貫通電極126a、金属膜127b、及びリッド板130の近くにLSI140に含まれるヒーター回路142が配置されることにより、貫通電極126b、貫通電極126a、金属膜127b、及びリッド板130の加温速度を早くすることができる。これらのことにより、水晶デバイス200では早く安定した温度状態に水晶振動片110を置くことができる。
【0034】
(第3実施形態)
水晶デバイスは、パッケージの+Y’軸側及び−Y’軸側の面にそれぞれ凹部が形成され、パッケージの断面の形状が「H」型となるように形成される水晶デバイスとして形成されても良い。以下にこのようなH型の水晶デバイスについて説明する。また、以下の説明では第1実施形態又は第2実施形態と同じ部分に関しては第1実施形態又は第2実施形態と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0035】
<水晶デバイス300の構成>
図5(a)は、水晶デバイス300の断面図である。水晶デバイス300は主に、水晶振動片110と、パッケージ320と、リッド板130と、温度センサ141と、により形成されている。
【0036】
パッケージ320は、X軸方向に長辺、Z’軸方向に短辺が形成されている。また、パッケージ320の+Y’軸側の面にはリッド板130がシームリング151を介して接合される接合面321a及び接合面321aから−Y’軸方向に凹んだ第1凹部321が形成されている。接合面321aには、枠状金属膜327aが形成されており、パッケージ320をY’軸方向に貫通する貫通電極326aを介してアース端子325aに導通している。また、第1凹部321内には一対の接続電極324が形成されている。接続電極324はパッケージ320をY’軸方向に貫通する貫通電極(不図示)を介して水晶端子325bに導通している。一対の接続電極324には導電性接着剤152aを介して水晶振動片110が載置される。
【0037】
一方、パッケージ320の−Y’軸側の面には水晶デバイス300が実装される実装面322a及び実装面322aから+Y’軸側に凹んだ第2凹部322が形成されている。第2凹部322内の+Y’軸側の面には、サーミスタ等により構成される温度センサ141が配置されている。また、実装面322aには、複数の外部端子325が形成されている。外部端子325は、接地されるアース端子325a及び接続電極324に導通する水晶端子325b等により構成される。
【0038】
パッケージ320は、セラミックを基材としており、第1層320a、第2層320b、及び第3層320cの3つの層が重ね合わされることにより形成されている。第1層320aはパッケージ320の+Y’軸側に配置されており、第1層320aの+Y’軸側の面には接合面321aが形成されている。第1層320aは、第1凹部321の側面を形成する層である。第2層320bは、第1層320aの−Y’軸側の面に配置されて、第1凹部321の底部を形成する。また、第3層320cは、第2層320bの−Y’軸側の面に配置されて、第2凹部322の側面を形成する。第3層320cの−Y’軸側の面は、実装面322aとなっている。貫通電極326aは第1層320a、第2層320b、及び第3層320cを貫通して枠状金属膜327aとアース端子325aとを熱的、電気的に接続している。また、貫通電極326bは枠状金属膜327aに熱的、電気的に接続し、第1層320aを貫通するように形成されている。
【0039】
水晶デバイスでは、水晶振動片110の温度を測定するために温度センサが水晶振動片110と同じパッケージ内に載置される場合がある。しかし、温度センサが接着剤により固定される場合には、接着剤から発生するガスにより水晶振動片110の振動が影響を受ける場合があった。水晶デバイス300では、温度センサ141が水晶振動片110の近くに配置されることにより水晶振動片110のより正確な温度を測定することができると共に、水晶振動片110とは異なる空間に配置されることで接着剤から発生するガスが水晶振動片110の振動に影響を及ぼすことがない。そのため、水晶デバイス300では、温度センサ141の温度を温度制御の参考とすることで水晶振動片110の温度を安定に保つことができ、水晶振動片110の周波数制御を安定したものとし、水晶振動片110が接着剤から出るガスの影響を受けることがないため水晶振動片110の長期周波数安定性を保つことができる。
【0040】
<水晶デバイス400の構成>
図5(b)は、水晶デバイス400の断面図である。水晶デバイス400は、主に水晶振動片110と、パッケージ320と、リッド板130と、温度センサ141と、ヒーター回路142と、集積回路143と、により構成され、水晶発振器として使用される。温度センサ141、ヒーター回路142、及び集積回路143は、パッケージ320の第2層320bの−Y’軸側の面である天井面322bに配置されている。ヒーター回路142は、例えば加熱抵抗又はパワートランジスタ等により構成される。ヒーター回路142は貫通電極326aを介してアース端子325a、貫通電極326b、及びリッド板130に電気的、熱的に接続される。そのため、ヒーター回路142で発生した熱は貫通電極326aを介して貫通電極326b及びリッド板130に伝えられる。集積回路143は、接続電極324に電気的に接続されて水晶振動片110の振動を制御する。また、集積回路143は温度センサ141及びヒーター回路142にも電気的に接続され、これらの構成部品を制御する。そのため、集積回路143は、温度センサ141が検出した温度に基づいてヒーター回路142の発熱量を調整することで水晶振動片110の温度を調整し、周波数が安定になるように調整することができる。
【0041】
水晶デバイス400はヒーター回路142を備えることにより、貫通電極326a、貫通電極326b、及びリッド板130の近くに熱源が配置されることになるため、貫通電極326a、貫通電極326b、及びリッド板130をより早く加温することができ、これにより水晶振動片110をより早く加温することができる。また、ヒーター回路142が貫通電極326a、貫通電極326b、及びリッド板130の近くに配置されることによりヒーター回路142の発熱量の制御結果が貫通電極326a、貫通電極326b、及びリッド板130に反映されやすくなる。そのため、貫通電極326a、貫通電極326b、及びリッド板130の温度制御を行い易く、その制御速度も早くすることができる。
【0042】
<水晶デバイス500の構成>
図6は、水晶デバイス500の断面図である。水晶デバイス500は主に、水晶振動片110と、パッケージ520と、リッド板130と、温度センサ141と、ヒーター回路142と、集積回路143と、により構成され、水晶発振器として使用される。
【0043】
パッケージ520は、X軸方向に長辺、Z’軸方向に短辺が形成されている。また、パッケージ520の+Y’軸側の面にはリッド板130がシームリング151を介して接合される接合面521a及び接合面521aから−Y’軸方向に凹んだ第1凹部521が形成されている。第1凹部521には、載置部523及び保持部528が形成されており、水晶振動片110が載置部523に形成される一対の接続電極524に導電性接着剤152aを介して載置される。また、保持部528の金属膜527bに形成される導電性接着剤152bに水晶振動片110の+X軸側の端が接している。また、第1凹部521内には温度センサ141及びヒーター回路142が配置されている。ヒーター回路142はパッケージ520をアース端子525aから枠状金属膜127aまで貫通する貫通電極526aを介してリッド板130、貫通電極526b、及び金属膜527bを加温する。他方、パッケージ520の−Y’軸側の面には水晶デバイス500が実装される実装面522a及び実装面522aから+Y’軸側に凹んだ第2凹部522が形成されている。第2凹部522内の+Y’軸側の面である天井面522bには、水晶振動片110、温度センサ141、及びヒーター回路142に接続されてこれらを制御する集積回路143が配置されている。また、実装面522aには、複数の外部端子525が形成されており、外部端子525は接地されるアース端子525a等を含んで構成される。
【0044】
パッケージ520は、セラミックを基材としており、第1層520a、第2層520b、第3層520c、及び第4層520dの4つの層が重ね合わされることにより形成されている。第1層520aはパッケージ520の+Y’軸側に配置されており、第1層520aの+Y’軸側の面には接合面521aが形成されている。第2層520bは、第1層520aの−Y’軸側の面に接合されており、第1凹部521内に形成される載置部523及び保持部528を構成する。第1層520a及び第2層520bは、第1凹部521の側面を形成している。また、貫通電極526bは第1層520a及び第2層520bを貫通して形成されている。第3層520cは、第2層520bの−Y’軸側に配置される。第3層520cは第1凹部521の底部を形成し、また第1凹部521と第2凹部522との間を仕切っている。第4層520dは第3層520cの−Y’軸側の面に配置されており、第2凹部522の側面を形成する層である。第4層520dの−Y’軸側の面は外部端子525が形成される実装面522aとなる。
【0045】
水晶デバイス500では、水晶振動片110が載置される第1凹部521内に温度センサ141が配置されている。そのため、水晶振動片110の温度をより直接的に測定することができるため、水晶振動片110のより正確な温度を測定することができ好ましい。また、水晶振動片110が載置される第1凹部521内にヒーター回路142が配置されていることにより、ヒーター回路142からの放射熱により直接水晶振動片110を加温することができると共に水晶振動片110の温度の制御速度を早くすることができ、より早く水晶振動片110を安定な温度にすることができるため好ましい。
【0046】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0047】
例えば、保持部が形成されていない水晶デバイス300等において保持部が形成されても良く、保持部が形成されている水晶デバイス100等において保持部が形成されていなくても良い。また、水晶デバイス100において、保持部128には導電性接着剤152を形成しなくても良く、金属膜127bの熱を放射熱として水晶振動片110に伝えるのみとしても良い。
【0048】
さらに、水晶デバイス400では、温度センサ141、ヒーター回路142、及び集積回路143がそれぞれ個別に配置されているが、これらの部品を水晶デバイス200に示されるようにLSI140として1つの構成部品として用いても良い。一方、水晶デバイス200ではLSI140を用いているが、水晶デバイス400に示されるように、温度センサ141、ヒーター回路142、及び集積回路143をそれぞれ個別に第1凹部121内に配置しても良い。
【符号の説明】
【0049】
100、200、300、400、500 … 水晶デバイス
110 … 水晶振動片
111 … 励振電極
112 … 引出電極
120、320、520 … パッケージ
120a、320a、520a … 第1層
120b、320b、520b … 第2層
120c、320c、520c … 第3層
121、321、521 … 第1凹部
122a、321a、521a … 接合面
123、523 … 載置部
124、324 … 接続電極
125、325、525 … 外部端子
125a、325a、525a … アース端子
125b、325b … 水晶端子
125c … 電源端子
125d … 出力端子
125e … 入力端子
126a、126b、126c、126d、126e、326a、326b、526a、526b … 貫通電極
127a、327a … 枠状金属膜
127b、527b … 金属膜
128、528 … 保持部
129 … キャスタレーション
130 … リッド板
140 … LSI(Large Scale Integration)
141 … 温度センサ
142 … ヒーター回路
143 … 集積回路
150 … プリント基板
150a、150b … 電極
151 … シームリング
152a、152b … 導電性接着剤
153 … ハンダ
221、222 … 電極
322、522 … 第2凹部
322a、522a … 実装面
322b、522b … 天井面
520d … 第4層

図1
図2
図3
図4
図5
図6