特許第6180835号(P6180835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180835
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】商品包装袋及び袋詰め商品
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/20 20060101AFI20170807BHJP
   B65D 77/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B65D33/20
   B65D77/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-154156(P2013-154156)
(22)【出願日】2013年7月25日
(65)【公開番号】特開2015-24829(P2015-24829A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2016年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100115369
【弁理士】
【氏名又は名称】仙波 司
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】後藤 文孝
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−059842(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3059248(JP,U)
【文献】 特開2003−341694(JP,A)
【文献】 特開平07−257642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
B65D77/00
B65D75/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を構成する側面の一部を延長してフラップ部が形成され、そのフラップ部の先端部に当該フラップ部を前記袋の口を閉じる方向に折り返して固定するための第1の粘着剤層が設けられた商品包装袋であって、
前記袋の口を開口した状態で当該袋の口を閉じる方向に前記フラップ部を折り返したときに、当該フラップ部の前記袋の口に対向する部分に設けられた第2の粘着剤層と、
前記第2の粘着剤層を保護する剥離可能な保護シートと、を備え、
前記袋に商品が収納された状態で、前記保護シートが剥離された前記第2の粘着剤層により当該商品が前記フラップ部に所定の向きで固定されることを特徴とする商品包装袋。
【請求項2】
袋を構成する側面の一部を延長してフラップ部が形成され、そのフラップ部の先端部に当該フラップ部を前記袋の口を閉じる方向に折り返して固定するための第1の粘着剤層が設けられ、
前記袋の口を開口した状態で当該袋の口を閉じる方向に前記フラップ部を折り返したときに、当該フラップ部の前記袋の口に対向する部分に設けられた第2の粘着剤層と、を備えた商品包装袋に、
商品が収納され、当該商品が前記第2の粘着剤層により前記フラップ部に所定の向きで固定されていることを特徴とする袋詰め商品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の小売販売において、比較的小型の商品を収納して、そのまま陳列販売する合成樹脂フィルム製の商品包装袋及びその商品包装袋に商品が収納された袋詰め商品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図9に示す商品包装袋が知られている。
【0003】
商品包装袋100は、2枚の透明な長方形状のフィルムシート101,102を貼り合わせて作成されている。一方のフィルムシート101の長さは他方のフィルムシート102の長さよりも長く設定されている。一方のフィルムシート101は、上部を折り返して他方のフィルムシート102の上辺に溶着されるとともに両側が他方のフィルムシート102の両側に溶着され、これにより商品を収納する袋部100Bが形成されている。一方のフィルムシート101の上部を折り返した折返部100Aは、商品ラベルの表示部や吊下陳列をする際のヘッダ部として機能する部分である。
【0004】
一方のフィルムシート101の下部は、他方のフィルムシート102の下端より長く延びており、その延びている部分が袋部100Bに商品を収納した後、開口部を閉じるフラップ部100Cとなっている。フラップ部100Cの先端部の内側には、下辺に沿って帯状の粘着剤層103が形成され、その粘着剤層103を覆って合成樹脂からなる保護シート104が貼着されている。
【0005】
例えば、商品包装袋100が3本のビン詰め商品を収納してスーパーマーケットなどの小売店に吊下陳列をする商品包装袋の場合、図10に示す、商品包装袋100に3本のビン詰め商品105の収納した袋詰め商品106は、下記の手順で手作業により製造される。
【0006】
(1)フィルムシート102を上にし、開口側を手前にして商品包装袋100を作業台上に用意する。
【0007】
(2)商品包装袋100の袋部100Bを開口し、3本のビン詰め商品105を商品ラベル105Aが貼付された側面を上にして開口から順に袋部100Bに収納する。
【0008】
(3)保護シート104を剥がしてフラップ部100Cをほぼ垂直に折り返した後、更にフィルムシート102側に折り返し、粘着剤が塗布された粘着剤層103をフィルムシート102に押し付けてフラップ部100Cをそのフィルムシート102に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−280081号公報
【特許文献2】特開平10−194244号公報
【特許文献3】特開昭64−84868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の商品包装袋100は、フラップ部100Cの先端部だけを粘着剤層103で固定するだけで、袋部100Bに収納されたビン詰め商品105を固定する構成になっていないので、袋詰め商品106の搬送中にビン詰め商品105が回転すると、図10に示すように、袋部100Bに収納された3本のビン詰め商品105の商品ラベル105Aが揃わなくなるという不都合が生じる。袋部100Bにビン詰め商品105が1本だけ収納される場合でも袋詰め商品106の製造時には商品ラベル105Aが正面に表れていたのが、袋詰め商品106の搬送中にビン詰め商品105が回転して商品ラベル105Aが正面に表れない場合が生じる。
【0011】
従って、小売店等で袋詰め商品106を吊下陳列した場合、商品の顔である商品ラベル105Aが消費者から見えない、複数本のビン詰め商品105の商品ラベル105Aが不揃いになるという不具合が生じる。
【0012】
また、袋部100Bの中でビン詰め商品105が自由に動くため、袋部100B内でのビン詰め商品105の動きをできるだけ制限しようとすると、袋部100Bのサイズを可及的に収納するビン詰め商品105のサイズに合わせる必要があるが、そのようにすると、袋詰め商品106を製造する際の袋部100Bにビン詰め商品105を収納する作業が難しくなるという不都合が生じる。
【0013】
上記の不具合や不都合を解消する方法として、複数のビン詰め商品105を相互に固定して袋部100Bに収納する方法がある。例えば、特開平10−194244号公報には、複数の電池の向きを揃えて並べ、各電池が回転しないようにそれらの電池の側面にラベルを添付した後、シュリンクラベルで包装する技術が記載されている。また、特開昭64−84868号公報には、複数の商品の向きを揃えて並べ、それらの商品の底面を結束用テープで固定した後、シュリンクラベルで包装する技術が記載されている。
【0014】
しかしながら、上記の結束技術を袋詰め商品106の製造に適用した場合、複数のビン詰め商品105を商品ラベルや結速用テープなどで一体的に固定した後、商品包装袋100の袋部100Bに収納する作業となるため、複数のビン詰め商品105を結束するための部材が必要になるとともに、複数のビン詰め商品105を結束する工程が増加し、これらによって製造コストが増大するという問題が生じる。
【0015】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、従来の袋詰め商品の製造工程を殆ど変えることなく、ビン詰め商品等を袋部分に固定的に収納することができる商品包装袋及びその商品包装袋に商品が収納された袋詰め商品を提供することを目的とする。
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の側面によって提供される商品包装袋は、袋を構成する側面の一部を延長してフラップ部が形成され、そのフラップ部の先端部に当該フラップ部を前記袋の口を閉じる方向に折り返して固定するための第1の粘着剤層が設けられた商品包装袋であって、前記袋の口を開口した状態で当該袋の口を閉じる方向に前記フラップ部を折り返したときに、当該フラップ部の前記袋の口に対向する部分に設けられた第2の粘着剤層と、前記第2の粘着剤層を保護する剥離可能な保護シートと、を備え、前記袋に商品が収納された状態で、前記保護シートが剥離された前記第2の粘着剤層により当該商品が前記フラップ部に所定の向きで固定されることを特徴とする(請求項1)。
【0018】
好ましい実施形態によれば、前記袋は、平袋若しくはガセット袋であるとよい。
【0019】
本発明の第2の側面によって提供される袋詰め商品は、袋を構成する側面の一部を延長してフラップ部が形成され、そのフラップ部の先端部に当該フラップ部を前記袋の口を閉じる方向に折り返して固定するための第1の粘着剤層が設けられ、前記袋の口を開口した状態で当該袋の口を閉じる方向に前記フラップ部を折り返したときに、当該フラップ部の前記袋の口に対向する部分に設けられた第2の粘着剤層と、を備えた商品包装袋に、商品が収納され、当該商品が前記第2の粘着剤層により前記フラップ部に所定の向きで固定されていることを特徴とする(請求項2)。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、商品包装袋の開口から商品を収納した後、保護シートを剥離してフラップ部を折り曲げ、開口を閉じると、第2の粘着剤層が商品の袋の開口から露出する面に貼着されるため、袋に収納された商品が周方向に回転したり、上下に移動したりすることがない。この状態でフラップ部の先端部をフィルムシートに押し付けると第1の粘着剤層により当該フラップ部が袋の外側に固定され、商品包装袋に商品を収納した袋詰め商品が完成する。
【0021】
袋の口を閉じるためにフラップ部を折り返して袋の外側に押し付ける一連の動作中に袋に収納した商品が固定されるので、袋内の商品の向きが指定される袋詰め商品を従来の袋詰め商品を製造する作業と略同様の作業によって簡単かつ容易に製造することができる。特に、袋内に複数の商品を収納する場合、それらの商品に添付された商品ラベルを容易に揃えることができる。
【0022】
また、袋詰め商品を小売店に搬送したり、当該小売店で吊下陳列をしたりした場合でも袋内で商品が容易に回転したり、移動したりしないので、小売店で綺麗な商品陳列を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る商品包装袋の構造を示す斜視図である。
図2図1のX−X線断面図である。
図3図1に示す商品包装袋を用いて製造された袋詰め商品を示す斜視図である。
図4】袋詰め商品を製造する作業工程の第1の工程(作業台に商品包装袋をセットする工程)を示す図である。
図5】袋詰め商品を製造する作業工程の第2の工程(商品包装袋にビン詰め商品を収納する工程)を示す図である。
図6】袋詰め商品を製造する作業工程の第3の工程(袋部に収納されたビン詰め商品の底面をラップ部で固定する工程)を示す図である。
図7】袋詰め商品を製造する作業工程の第4の工程(ビン詰め商品が収納された商品包装袋にラップ部を固定して袋詰め商品を完成させる工程)を示す図である。
図8】本発明に係る商品包装袋の他の構造を示す斜視図である。
図9】従来の商品包装袋の構造を示す図である。
図10】従来の商品包装袋の不具合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る商品包装袋の構造を示す斜視図、図2は、図1のX−X線断面図、図3は、商品包装袋を用いて製造された袋詰め商品を示す斜視図である。なお、図2では、商品包装袋の素材の厚みを表現するため、実際の厚みよりも大きいサイズで記載している。従って、商品包装袋の大きさを示すサイズに対する厚みのサイズの比率は実際の比率とは異なっている。
【0026】
図1図2に示す商品包装袋1は、ガラス瓶に清涼飲料水等の液体商品を充填したビン詰め商品2を3本セットにした袋詰め商品3(図3参照)を製造するための袋材である。
【0027】
商品包装袋1は、縦長長方形をなし、上部に袋詰め商品3の商品ラベルを表示する表示部や吊下陳列するための支持部として機能するヘッダ部1Aが設けられ、中部に3本のビン詰め商品2を収納する平袋タイプの袋部1Bが設けられ、下部に袋部1Bの下側に形成された開口(ビン詰め商品2を袋部12に収納するための開口)を閉じるためのフラップ部1Cが設けられている。
【0028】
商品包装袋1は、幅寸法が同一で長手方向のサイズが異なる2枚のフィルムシート11,12を貼り合わせて作成されている。フィルムシート11,12には、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等の熱可塑性の透明な合成樹脂製フィルムが用いられている。なお、熱可塑性の合成樹脂製フィルムであれば、他の材質のフィルムであってもよい。
【0029】
フィルムシート12(以下、フィルムシート11と区別するため、「第2のフィルムシート12」という。)は、商品包装袋1に収納されたビン詰め商品2の商品ラベル2Aを見せるために透明若しくは透過性の高い半透明であるが、フィルムシート11(以下、フィルムシート12と区別するため、「第1のフィルムシート11」という。)は、半透明若しくは不透明であってもよい。また、フィルムシート11側を袋詰め商品3の正面とする場合は、フィルムシート11を透明若しくは透過性の高い半透明にし、フィルムシート12を半透明若しくは不透明にしてもよい。もちろん、フィルムシート11及びフィルムシート12の両方を透明にしてもよい。
【0030】
商品包装袋1のヘッダ部1Aは、第1のフィルムシート11の上部が折り返され、その折り返し部分に芯材のシート板13を挿入して形成されている。シート板13には、例えば、硬紙や腰のある合成樹脂シートが用いられる。第1のフィルムシート11の折り返された上部の上辺は、第2のフィルムシート12の上辺と重ね合わされて熱溶着されている。また、第2のフィルムシート12の長手方向の両側も第1のフィルムシート11の両側にそれぞれ熱溶着され、これにより下側に開口が形成された袋部1Bが形成されている。
【0031】
第1のフィルムシート11の袋部1Bよりも下側に延びる部分がフラップ部1Cとなっており、そのフラップ部1Cの先端部に下辺に沿って帯状の粘着剤層14が塗布されている。粘着剤層14には、剥離可能なアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤等が用いられている。また、粘着剤層14には、袋詰め商品3を製造するまで当該粘着剤層14を保護するための保護シート16が貼付されている。保護シート16は、第1のフィルムシート11の幅寸法と同一の長さを有し、粘着剤層14の幅寸法Wn1よりも広い幅寸法Ws1を有している。保護シート16は、粘着剤層14に対して第1のフィルムシート11の先端側に位置をずらせて貼付されている。
【0032】
また、フラップ部1Cの基端部であって、袋部1Bの開口に近接した部分に粘着剤層14と平行に帯状の粘着剤層15が塗布されている。具体的には、ビン詰め商品2の底面の直径をR[mm]とすると、フラップ部1Cの基端(第1のフィルムシート11の第2のフィルムシート12の下端が位置する位置)から凡そR/2の位置に粘着剤層15が塗布されている。粘着剤層15には、粘着剤層14と同一の材質の粘着剤層が用いられている。また、粘着剤層15にも粘着剤層14と同様に保護シート17が貼付されている。保護シート17も、第1のフィルムシート11の幅寸法と同一の長さを有し、粘着剤層15の幅寸法Wn2よりも広い幅寸法Ws2を有している。また、保護シート17も粘着剤層15に対して第1のフィルムシート11の先端側に位置をずらせて貼付されている。
【0033】
粘着剤層14と粘着剤層15を区別するため、以下では、粘着剤層14を「第1の粘着剤層14」と表記し、粘着剤層15を「第2の粘着剤層15」と表記する。また、保護シート16と保護シート17を区別するため、以下では、保護シート16を「第1の保護シート16」と表記し、保護シート17を「第2の保護シート17」と表記する。
【0034】
第1の保護シート16の第1のフィルムシート11の先端側に延びる第1の粘着剤層14から食み出た部分は、当該第1の保護シート16の剥離操作をする際の引き出し部として機能する部分である。第2の保護シート17の第1のフィルムシート11の先端側に延びる第2の粘着剤層15から食み出た部分も同様である。本実施形態では、第1,第2の保護シート16,17の剥離操作をし易くするために第1,第2の保護シート16,17の幅方向の片側全体を引き出し部にしているが、第1,第2の保護シート16,17の一部に引き出し部を設けるようにしてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、第1,第2の粘着剤層14,15を帯状に形成しているが、その形状は帯状に限定されるものではない。第1,第2の粘着剤層14,15を点線状にしてもよく、水玉状に形成してもよい。また、第2の粘着剤層15は、後述するように、袋部1Bに3本のビン詰め商品2を収納してフラップ部1Cを開口を閉じるように折り曲げた時に当該フラップ部1Cを各ビン詰め商品2の底面に貼着させるためのものであるから、フラップ部1Cの各ビン詰め商品2の底面に対応する部分に離散的に設けるようにしてもよい。更には、商品は容器に限らず、正面に位置合わせをしたい円筒型筆記具等の他の物品であってもよい。
【0036】
次に、商品包装袋1を用いて図3に示す袋詰め商品3を製造する作業について、図4図7を用いて説明する。
【0037】
図4図7は、作業者が手作業によって商品包装袋1の袋部1Bに3本セットのビン詰め商品2を収納し、フラップ部1Cで袋部1Bの開口を封止することによって図3に示す袋詰め商品3を製造する工程を示した図である。袋詰め商品3は、以下の作業工程によって製造される。
【0038】
(1)作業台上にヘッダ部1Aを上側にして商品包装袋1を置く(図4)。
【0039】
(2)商品包装袋1の袋部1Bの開口を開き、商品ラベル2Aを上にして3本のビン詰め商品2を順番に袋部1B内に収納する(図5)。この収納時には、第1の粘着剤層14と第2の粘着剤層15がそれぞれ保護シート16と保護シート17に覆われており、ビン詰め商品2が第1の粘着剤層14と第2の粘着剤層15に粘着することがないので、作業性が良い。
【0040】
(3)第2の保護シート17を剥離した後、フラップ部1Cを袋部1Bの開口に向けてほぼ垂直に折り上げ、フラップ部1Cの第2の粘着剤層15を3本のビン詰め商品2の底面に押し付ける(図6)。これにより、第2の粘着剤層15によってフラップ部1Cが3本のビン詰め商品2の底面に貼着され、各ビン詰め商品2は周方向に回転しなくなる。すなわち、3本のビン詰め商品2は商品ラベル2Aの向きが袋詰め商品3の正面に固定される。
【0041】
(4)最後に、第1の保護シート16を剥離した後、フラップ部1Cを第2のフィルムシート12側に折り上げ、フラップ部1Cの第1の粘着剤層14が塗布された部分を第2のフィルムシート12に押し付ける(図7)。これにより、袋部1Bの開口を封止したフラップ部1Cが開口しないように第2のフィルムシート12に貼着され、図3に示す袋詰め商品3が製造される。
【0042】
上記のように、本実施形態に係る商品包装袋1によれば、袋部1Bにビン詰め商品2を収納した後、フラップ部1Cを袋部1Bの開口を閉じる方向に折り返す作業でフラップ部1Cを第2の粘着剤層15によりビン詰め商品2の底面に貼着させるので、袋詰め商品3の製造過程でビン詰め商品2が周方向に回転したり、上下に移動したりすることがない。このため、従来の手作業でビン詰め商品2の商品ラベル2Aを容易に袋詰め商品3の正面に位置合わせすることができる。
【0043】
また、袋詰め商品3を移動させたり、振動させたりしても袋部1B内でビン詰め商品2が動かないので、小売店等で多数の袋詰め商品3を吊下陳列した場合、各袋詰め商品3をほぼ同じ外観に揃えることができる。特に、ビン詰め商品2の底面にフラップ部1Cを貼着させるようにしているので、自重によりビン詰め商品2の底面がフラップ部1Cの第2の粘着剤層15に押し付けられ、ビン詰め商品2がフラップ部1Cから容易に外れることがない。また、小売店等に吊下陳列された場合、袋詰め商品3内のビン詰め商品2に回転及び移動の防止処理がされていることを消費者に気付かれにくい。
【0044】
上記実施形態では、商品包装袋1に円筒状の外形を有するビン詰め商品2を複数収納する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、商品包装袋1に商品を1つ収納する場合にも適用することができる。また、商品包装袋1に収納する商品の外形は円筒形に限るものではなく、商品を所定の向きで袋詰めすることが求められる外形のもの全て、例えば、水平断面が六角形等の多角形ものに本発明は適用することができる。
【0045】
商品包装袋1に収納する商品の断面形状が多角形の場合は、周方向に回転し難いので、フラップ部1Cによる周方向の回転防止効果は断面形状が円の場合よりも低いが、周方向以外の方向の移動がフラップ部1Cによって防止されるので、袋部1B内での商品の移動に基づく問題を低減することができる。
【0046】
また、上記実施形態では、ガラス容器に液体商品を充填したビン詰め商品2について説明したが、ビン詰め商品2は、この種のものに限定されるものではない。ペットボトル等の合成樹脂容器に液体商品や固形商品を充填したものでもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、第1,第2の粘着剤層14,15に対して第1,第2の保護シート16,17をそれぞれフラップ部1Cの先端側にずらせて貼付し、引き出し部をフラップ部1Cの先端側に形成するようにしたが、第1,第2の保護シート16,17をそれぞれフラップ部1Cの基端側にずらせて貼付するようにしてもよい。このようすると、第1,第2の保護シート16,17の引き出し部が袋部1Bの開口側に向くので、ビン詰め商品2を袋部1Bの開口から収納する際に第1,第2の保護シート16,17の引き出し部がビン詰め商品2と干渉することがない利点がある。
【0048】
また、上記実施形態では、平袋タイプ(2枚のフィルタシートを三方シールしたマチのないタイプ)の商品包装袋1について説明したが、例えば、図8に示すように、袋部1Bの両側辺にマチが形成されるようにフィルムシート18,19を折り畳み可能に追加したガセット袋タイプの商品包装袋1’のようにしてもよい。このように、横ガセット袋の形態にすると、嵩張る大径の商品を綺麗に袋に収納することができ、ガセット幅を円筒形状の商品の外径に合わせることで、袋への商品の収まりが良くなり、作業性と美観が向上する。
【0049】
また、上記実施形態では、ヘッダ部に吊下孔を設ける例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ヘッダ部に手提げ孔を設けたものにも適用することができる。更には、ヘッダ部に各種の孔を設けない構成のものにも適用することができる。
【0050】
また、上記の実施形態では、フラップ部1Cが第1の粘着剤層14で貼着される面を袋詰め商品3の正面とする場合について説明したが、反対側の面を袋詰め商品3の正面としてもよい。
【0051】
また、上記の実施形態では、袋に商品のみを収納する例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、商品と共に台紙や説明書等を同封する場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1,1’ 商品包装袋
1A ヘッダ部
1B 袋部
1C フラップ部
11 フィルムシート材(第1のフィルムシート材)
12 フィルムシート材(第2のフィルムシート材)
13 シート板(芯材)
14 粘着剤層(第1の粘着剤層)
15 粘着剤層(第2の粘着剤層)
16 保護シート(第1の保護シート)
17 保護シート(第2の保護シート)
2 ビン詰め商品(容器詰め商品)
2A 商品ラベル
3 袋詰め商品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10