(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、説明する。
図1は、実施の形態にかかる可動接点7を説明する図であり、(A)は、斜視図、(B)は、側面図、(C)は、固定接点8側から見た底面図であり、(D)は、正面図であり、(E)は、(D)におけるA−A断面図である。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、
図1の(B)における上側を上方、下方として表記する。
【0017】
図1の(A)、(B)に示すように、可動接点7は、一枚の金属板をU字形状に折り曲げた基本形状を有しており、可動接点7の摺動方向(移動方向)に間隔を開けて互いに平行に配置された一対の側壁部71、71の間に、固定接点8上を摺動する摺動部72が位置している。
側面視において摺動部72は、側壁部71、71の固定接点8側の端部同士を接続するように設けられており、この摺動部72の外形は、可動接点7の摺動方向における中心点(下端72a)を、最も固定接点8側の下方に位置させた円弧状を成している。
【0018】
図1の(C)に示すように、固定接点8側の下方から見て、摺動部72は、略矩形形状を有しており、この摺動部72の固定接点8側の下面には、摺動部72の長手方向(図中左右方向)に間隔を空けて、ふたつの切欠き721、721が設けられている。
切欠き721、721は、摺動部72の長手方向(可動接点7の摺動方向の直交方向)の中央を通ると共に、当該摺動部72の幅方向(可動接点7の摺動方向)に延びる直線Yaを挟んで対称となる位置に設けられており、摺動部72では、これら切欠き721、721の直線Yaとは反対側が、固定接点8との当接部722、722となっている。
【0019】
図1の(B)に示すように、側壁部71、71は、摺動部72に対して直交する向きで設けられており、それぞれ同じ厚みWaを有している。
側面視において側壁部71、71は、摺動部72から離れる方向に直線状に延びており、摺動部72の下端72aからの高さh1は、それぞれ同じ高さとなっている。
【0020】
図1の(D)に示すように、可動接点7の側壁部71、71には、長手方向における中央部に切欠部710が形成されている。この切欠部710は、側壁部71、71における摺動部72とは反対側の上端711aから摺動部72側の下方に延びており、切欠部710の幅W3は、摺動部72側の下方に向かうにつれて狭くなっている。
【0021】
側壁部71における切欠部710を挟んだ両側部(後記する規制部711、711)は、切欠部710とは反対側の側縁711bが、長手方向における途中位置から、可動接点7の長手方向における中心を通る中心線(軸線Xa)に近づく方向に傾斜しており、規制部711は、その長手方向の幅W4が、上端711aに向かうにつれて狭くなっている。
【0022】
切欠部710の摺動部72側の下部には、スプリングSpの当接部73が、切欠部710の下辺710aから上方に突出して設けられている。
この当接部73は、切欠部710の下辺710aの長手方向における中央部から、上方に延びる基部731を有しており、この基部731の上端側は、可動接点7の摺動方向に折り曲げられて突出部732を形成している。
【0023】
実施の形態では、一方の側壁部71の突出部732と、他方の側壁部71の突出部732とが、可動接点7の摺動方向で対向する向きで設けられており、その先端面732a、732aは、互いに平行な平坦面となっている。
可動接点7において突出部732、732は、可動接点7の摺動方向で間隔をあけて配置された側壁部71、71の間で、互いの先端面732a、732aを当接させており(
図1の(E)参照)、可動接点7における摺動部72側の剛性強度が、これら互いに当接させた突出部732、732により高められている。
これにより、側壁部71、71の摺動部72側の剛性強度もまた、高められているので、固定接点8上を可動接点7が摺動する際に、固定接点8との当接部722、722に、摺動による応力が作用しても、側壁部71、71が、かかる応力により互いに近づく方向に簡単に傾かないようになっている。
【0024】
ここで、可動接点7は、
図1の(B)における左右方向(摺動方向における一方側と他方側)に摺動するようになっている。そのため、可動接点7が一方側と他方側のどちらに摺動した場合でも、摺動により作用する応力で可動接点7が変形しないようにするために、一方の側壁部71の突出部732と、他方の側壁部71の突出部732は、可動接点7の摺動方向における中心を通り、可動盤5の回動中心軸(軸線X)に対して平行な軸線Xa上で、互いの先端面732a、732aを当接させている。
【0025】
突出部732、732の上面732b、732bは、スプリングSpの当接面となっており、スプリングSpの長手方向における一端が、軸線Xに対して平行な軸線Xa方向から当接するようになっている。
【0026】
実施の形態においてスプリングSpは、その長手方向における他端側を、接点保持部52の収容穴53に設けた円筒形状のスプリング保持部54(
図3参照)に外挿して取り付けられており、このスプリングSpの一端が当接する可動接点7は、軸線Xaの軸方向に進退移動可能とされている。
また、側壁部71では、その長手方向における切欠部710を挟んだ両側が、可動接点7の長手方向(
図1の(D)における左右方向)の移動を規制する規制部711、711となっており、可動接点7がその長手方向に移動すると、切欠部710内に位置するスプリングSpが規制部711、711に当接した時点で、可動接点7のそれ以上の移動が阻止されるようになっている。
【0027】
かかる構成の可動接点7によると、互いに当接させた突出部732、732により、可動接点7における摺動部72側の剛性強度が高められると共に、側壁部71、71の互いの間隔が狭まる方向への傾きが阻止される。
よって、摺動部72の厚みW1が薄くなって側壁部71、71の支持強度が低下しても、従来の可動接点7Xの場合よりも、側壁部71、71を互いに平行に配置した状態に保持することができ、側壁部71、71が互いに近づく方向に傾いて、可動接点7が大きく変形することを好適に防止できるので、可動接点7を固定接点8に対して適切な位置で接離させることができなくなることを好適に防止できる。
【0028】
以上の通り、実施の形態では、固定接点8に圧接させた可動接点7を摺動させて、可動接点7と固定接点8とが、可動接点7の位置に応じて接離するように構成されたインヒビタスイッチ用の可動接点7であって、
可動接点7を、可動接点7の摺動方向に間隔を開けて互いに平行に配置された一対の側壁部71、71と、一対の側壁部71、71の固定接点8側の端部同士を接続すると共に固定接点8上を摺動する摺動部72と、から構成すると共に、
側壁部71、71は、摺動方向の直交方向に所定幅を有すると共に、直交方向における中央部に、摺動部72とは反対側の端部から摺動部の近傍まで及ぶ切欠部710(切欠き)が設けられており、
切欠部710における摺動部72側の下辺710a側に、摺動方向に突出する突出部732を設けて、摺動方向における側壁部71、71の間で、突出部732、732同士を当接させた構成のスイッチ用の可動接点7とした。
【0029】
このように構成すると、一対の側壁部71、71の間で互いに当接させた突出部732、732により、可動接点7における摺動部72側の剛性強度が高められると共に、一対の側壁部71、71の互いの間隔が狭まる方向への傾きが阻止される。
よって、摩耗により摺動部72の厚みが薄くなって、側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71が傾いて可動接点7が変形することを防止できる。
これにより、摺動部72の厚みを厚くすることなく、可動接点7を固定接点8に対して適切な位置で接離させることができる期間(可動接点7の寿命)を延ばすことができる。
さらに、可動接点7が変形すると、変形した可動接点7が、接点保持部52に設けた収容穴53から脱落することがあるが、かかる事態の発生を好適に防止できる。
【0030】
突出部732は、切欠部710の下辺710aの長手方向における中央部から上方に延びる基部731の上端側を、可動接点7の摺動方向に折り曲げられて形成されており、
突出部732、732の先端面732a、732aは、互いに平行な平坦面となっており、突出部732、732は、可動接点7の摺動方向における中心を通り、可動盤5の回動中心軸(軸線X)に対して平行な軸線Xa上で、互いの先端面732a、732aを当接させている構成とした。
【0031】
このように構成すると、摺動時に応力が作用する可動接点7の摺動部72側の剛性強度が、互いに当接させた突出部732、732により高められるので、摩耗により摺動部72の厚みが薄くなって、側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71が互いに近づく方向に傾いて可動接点7が変形することを好適に防止できる。
【0032】
さらに、可動接点7は、一枚の金属板のプレス成形により形成される構成としたので、
断面が可動接点の形状を成す金属製の棒状部材を、所定幅で切断して可動接点を作成する場合より、可動接点を安価に作成できる。
また、金属板を打ち抜く際に、従来廃棄していた切欠部710の部分の材料を利用して、基部731と突出部732を形成することができる。よって基部731と突出部732とを備える当接部73を形成するに当たり、新たな材料が必要とならないので、作成コストを増大させることなく、可動接点7の変形を好適に防止できる。
【0033】
以下、可動接点の変形例を説明する。
図2は、変形例にかかる可動接点7Aを説明する図であり、(A)は、斜視図であり、(B)は、側面図であり、(C)は、正面図であり、(D)は、摺動部72が摩耗して厚みW1’になった状態を説明する側面図である。
なお、この
図2では、前記した可動接点7と共通の部位について、同一の符号を用いて示しており、以下の説明においては、前記した可動接点7と共通の部位については、その具体的な説明を省略する。
【0034】
図2の(A)から(C)に示すように、変形例にかかる可動接点7Aでは、側壁部71、71において切欠部710を挟んで一方側に位置する規制部711と、他方側に位置する規制部711に、突出部74、74が設けられている。
【0035】
突出部74、74は、規制部711、711の上端711a、711aから、可動接点7Aの摺動方向に突出して設けられており、摺動部72を挟んで対向する規制部711、711の間では、各規制部711、711に設けた突出部74、74が、互いの先端面74a、74aを当接させている。
【0036】
そのため、可動接点7Aでは、側壁部71(規制部711)の上側の剛性強度が、互いに当接させた突出部74、74により高められて、摺動部72を挟んで対向する側壁部71、71の上側の互いに近づく方向への傾きが防止されるようになっている。
ここで、変形例にかかる可動接点7Aにおいても、可動接点7Aが摺動方向における一方側と他方側のどちらに摺動した場合でも、摺動により作用する応力で可動接点7Aが変形しないようにするために、一方の側壁部71の突出部74、74と、他方の側壁部71の突出部74、74は、可動接点7Aの摺動方向における中心を通り、可動盤5の回動中心軸(軸線X)に対して平行な軸線Xa上で、互いの先端面74a、74aを当接させている。
【0037】
なお、変形例にかかる可動接点7Aもまた、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。そのため、可動接点7Aの作成に際しては、折り曲げる前の金属板において、規制部711の長さを突出部74に相当する長さh2分だけ、前記した可動接点7よりも長く取り、この規制部711の先端側の長く取った部分(
図2の(B)、符号74’参照)を折り曲げて、突出部74を形成するようになっている。
【0038】
かかる構成の可動接点7Aによると、互いに当接させた突出部74、74により、可動接点7Aにおける摺動部72とは反対側(規制部711の上端711a側)の剛性強度が高められると共に、側壁部71、71(規制部711の、711)の互いの間隔が狭まる方向への傾きが阻止される。
よって、摺動部72の厚みW1が厚みW1’まで薄くなって、側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71を互いに平行に配置した状態に保持することができ、側壁部71、71(規制部711の、711)が互いに近づく方向に傾いて、可動接点7Aが大きく変形することを好適に防止できるので、可動接点7Aを固定接点8に対して適切な位置で接離させることができなくなることを好適に防止できる。
【0039】
以上の通り、変形例にかかる可動接点7Aでは、側壁部71、71は、摺動方向の直交方向に所定長さを有すると共に、直交方向における中央部に、摺動部72とは反対側の上端711aから摺動部72の近傍まで及ぶ切欠部710(切欠き)が設けられており、
突出部74、74は、可動接点7Aの長手方向(摺動方向の直交方向)で側壁部71の切欠部710を挟んで一方側の規制部711(側部)と他方側の規制部711(側部)に設けられており、突出部74、74は、規制部711における摺動部72とは反対側の上端側を、可動接点7Aの摺動方向に折り曲げて形成されている構成とした。
【0040】
側壁部71、71に切欠部710を設けると、この切欠部710を挟んで一方側の規制部711と他方側の規制部711が変形し易くなるので、この変形しやすい部分に突出部74を設けることで、可動接点7A全体の変形を抑えることができる。
さらに、互いに当接させた突出部74、74により、摺動部72を挟んで対向する規制部711、711が、互いの間隔を狭める方向に傾くことが阻止されるので、摩耗により摺動部72の厚みが薄くなって、側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71が互いに近づく方向に傾いて可動接点7が変形することを好適に防止できる。
これにより、摺動部72の厚みを厚くすることなく、可動接点7Aを固定接点8に対して適切な位置で接離させることができる期間(可動接点7Aの寿命)をより延ばすことができる。
【0041】
図3は、可動接点の変形例を説明する図であり、(A)は、変形例にかかる可動接点7Bの斜視図であり、(B)は、変形例にかかる可動接点7Cの斜視図であり、(C)は、変形例にかかる可動接点7Dの斜視図である。
【0042】
図3の(A)に示すように、変形例にかかる可動接点7Bでは、側壁部71、71において切欠部710を挟んで一方側に位置する規制部711と、他方側に位置する規制部711に、突出部75が設けられている。
【0043】
突出部75は、規制部711の側縁711bから、当該規制部711の幅方向(可動接点7Bの摺動方向の直行方向)に延びる基部751を有しており、この基部751の先端側を可動接点7Bの摺動方向に折り曲げて突出部752を形成している。
【0044】
可動接点7Bにおいて突出部752、752は、可動接点7Bの摺動方向で間隔をあけて配置された側壁部71、71(規制部711、711)の間で、互いの先端面を当接させており、可動接点7Bにおける側壁部71(規制部711)の上側の剛性強度が、これら互いに当接させた突出部752、752により、高められている。
【0045】
かかる構成の可動接点7Bによると、互いに当接させた突出部752、752により、可動接点7Bにおける摺動部72とは反対側の剛性強度が高められると共に、側壁部71、71(規制部711、711)の互いの間隔が狭まる方向への傾きが阻止される。
よって、摺動部72の厚みW1が薄くなって側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71を互いに平行に配置した状態に保持することができる。
これにより、この側壁部71、71(規制部711、711)の互いに近づく方向への傾きが大きくなって、可動接点7が大きく変形することを好適に防止できるので、可動接点7を固定接点8に対して適切な位置で接離させることができなくなることを好適に防止できる。
【0046】
変形例にかかる可動接点7Bでは、側壁部71、71は、摺動方向の直交方向に所定長さを有すると共に、直交方向における中央部に、摺動部72とは反対側の上端711aから摺動部72の近傍まで及ぶ切欠部710(切欠き)が設けられており、
突出部752、752は、可動接点7Bの長手方向(摺動方向の直交方向)で側壁部71の切欠部710を挟んで一方側の規制部711(側部)と他方側の規制部711(側部)に設けられており、
突出部752、752は、規制部711における切欠部710とは反対側の側縁711bから、可動接点7Bの長手方向に突出する基部751の先端側を、可動接点7Bの摺動方向に折り曲げて形成されている構成とした。
【0047】
このように構成することによっても、互いに当接させた突出部752、752により、摺動部72を挟んで対向する側壁部71、71(規制部711、711)が、互いの間隔を狭める方向に傾くことが阻止されるので、摩耗により摺動部72の厚みが薄くなって、側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71が互いに近づく方向に傾いて可動接点7が変形することを好適に防止できる。
これにより、摺動部72の厚みを厚くすることなく、可動接点7Bを固定接点8に対して適切な位置で接離させることができる期間(可動接点7Bの寿命)をより延ばすことができる。
【0048】
なお、
図3の(B)、(C)に示すように、
図1に示した可動接点7の当接部73に設けた突出部732と、前記した可動接点7A、7Bの突出部74、75とを組み合わせた構成の可動接点7C、7Dとしても良い。
このように構成することによっても、摩耗により摺動部72の厚みが薄くなって、側壁部71、71の支持強度が低下しても、側壁部71、71が互いに近づく方向に傾いて可動接点7C、7Dが変形することを好適に防止できる。
これにより、摺動部72の厚みを厚くすることなく、可動接点7C、7Dを固定接点8に対して適切な位置で接離させることができる期間(可動接点7C、7Dの寿命)をより延ばすことができる。
【0049】
なお、実施の形態では、可動接点7が回動軸(軸線X)周りの周方向に移動するロータリ式のスイッチの場合を例示したが、可動接点が直線状に進退移動するスライド式のスイッチの可動接点にも、本願発明は好適に適用可能である。