特許第6180847号(P6180847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180847
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   G01G19/387 D
   G01G19/387 G
   G01G19/387 F
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-172763(P2013-172763)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2014-41129(P2014-41129A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2016年6月6日
(31)【優先権主張番号】1215051.2
(32)【優先日】2012年8月23日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】506315310
【氏名又は名称】イシダ ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ISHIDA EUROPE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100149825
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 順子
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【弁理士】
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス マーティン クラーク
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−51754(JP,A)
【文献】 特許第3793450(JP,B2)
【文献】 特許第4884179(JP,B2)
【文献】 特許第2551422(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を保持し排出する複数のヘッドと、
複数のヘッドの個別の第1および第2サブセットから排出された商品を受け取るように配置され、それぞれが前記商品を第1の場所または第2の場所に選択的に搬送可能な第1および第2の排出シュートと、
商品を保持する複数のヘッドの前記第1および第2サブセットから、組合せ時に目標基準を満たす、ヘッドの組合せを判定し、前記判定されたヘッドの組合せから、それらの個別の排出シュートを介して、前記第1の場所に商品を排出する、組合せ計量判定システムと、
を備え、さらに、ここで、
前記組合せ計量判定システムは、複数のヘッドの一つで所定の状態が発生した時期を判定するよう機能し、
前記組合せ計量判定システムは、もし所定の状態が発生した場合には、所定の状態が発生したヘッドから、そのヘッドからの商品を受け取るように配置された前記排出シュートを介して、前記排出シュートが商品を前記第1の場所に搬送するために使用されていないときに、前記第2の場所に商品を排出し、かつ、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せを、前記所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから判定するようさらに機能する、
複数ヘッドの計量器。
【請求項2】
前記組合せ計量判定システムは、もし所定の状態が発生した場合には、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せが、前記所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから判定されるまで、前記所定の状態が発生したヘッド内に商品を保持するようにさらに機能する、
請求項1に記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項3】
前記組合せ計量判定システムは、もし所定の状態が発生した場合には、もし前記判定された組合せが、前記所定の状態が発生なかったヘッドのサブセットからであれば、前記判定された一以上のヘッドの組合せから商品を排出するのと同時に、前記所定の状態が発生したヘッドからの商品を排出するように機能する、
請求項1または2に記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項4】
もし所定の状態が発生した場合には、前記所定の状態が発生したヘッドからの商品は、前記判定された一以上のヘッドの組合せからの排出された商品とは異なるシュートを介して、排出される、
請求項1から3のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項5】
前記第1および第2の排出シュートは、第1および第2のタイミングホッパをそれぞれ備え、前記タイミングホッパは、前記第1および第2の排出シュートからの商品を受け取り保持するように配置されており、ここで、
前記第1および第2のタイミングホッパのそれぞれは、第1のモードで、商品を第1の場所に排出し、第2のモードで、商品を第2の場所に排出し、
前記組合せ計量判定システムは、前記判定されたヘッドの組合せから前記第1の場所に商品を排出する際に、前記第1モードを選択し、前記所定の状態が発生したヘッドから商品を排出する際に、前記第2のモードを選択する、
請求項1から4のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項6】
前記第1および第2のタイミングホッパのそれぞれは、前記第1のモードで、排出された商品を前記第1の場所に案内する第1の方向に開き、前記第2のモードで、排出された商品を前記第2の場所に案内する第2の方向に開く、2ウェイハッチを備える、
請求項5に記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項7】
前記ヘッドは、個別のヘッドで保持される前記商品の重量を判定する計量ヘッドであり、前記目標基準は、少なくとも目標重量基準を含む、
請求項1から6のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項8】
前記ヘッドは、個別のヘッドで保持される商品に関するサイズ情報を判定し、前記目標基準は、少なくとも前記目標サイズ基準を含む、
請求項1から7のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項9】
前記ヘッドは、個別のヘッドで保持される商品に関する総数情報を判定し、前記目標基準は、少なくとも総数基準を含む、
請求項1から8のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項10】
前記所定の状態は、エラー状態、総数状態、重量状態、およびバルク状態のうち、少なくとも一つである、
請求項1から9のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項11】
前記所定の状態は、エラー状態であり、ヘッド内の商品が、少なくとも一つの他のヘッドとの組合せたとき、目標基準を満たさない場合に、そのヘッド内に発生する、
請求項1から10のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項12】
前記第1の場所は、バッチングテーブルである、
請求項1から11のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項13】
前記第2の場所は、バルクビンである、
請求項1から12のいずれかに記載の複数ヘッドの計量器。
【請求項14】
複数ヘッドの計量器を動作させるための方法であって、
前記複数ヘッドの計量器は、商品を保持および排出する複数のヘッドと、複数のヘッドの個別の第1および第2のサブセットから排出された商品を受け取るように配置され、それぞれが第1の場所または第2の場所に前記商品を選択的に搬送する、第1および第2の排出シュートとを有し、
前記方法は、
(a)組合せ時に目標基準を満たす商品を保持する複数のヘッドの前記第1および第2サブセットから一以上のヘッドの組合せを判定する判定するステップと、
(b)判定されたヘッドの組合せから、それらの個別の排出シュートを介して前記第1の場所に商品を排出するステップと、
(c)所定の状態が複数のヘッドの一つで発生した時期を判定するステップと、および
(d)所定の状態が複数のヘッドの一つで発生したことを判定すると、前記所定の状態が発生したヘッドから、前記第2の場所に、そのヘッドからの商品を受け取るように配置された排出シュートを介して、前記排出シュートが前記第1の場所に商品を搬送するために使用されていないときに、商品を排出し、かつ、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せを、前記所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから判定するステップと、
を備える、
方法。
【請求項15】
所定の状態が複数ヘッドの一つで発生したことを判定すると、前記所定の状態が発生したヘッド内の商品を、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せが、前記所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから判定されるまで、保持するステップをさらに備える、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
所定の状態が複数ヘッドの一つで発生したことを判定すると、もし前記判定された組合せが所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットからである場合、前記判定された一以上のヘッドの組合せから商品を排出するのと同時に、所定のエラーが発生した前記ヘッドから商品を排出するステップをさらに備える、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
所定の状態が複数ヘッドの一つで発生したことを判定すると、前記判定された一以上のヘッドの組合せから商品を排出するために使用されたシュートとは異なるシュートを介して、前記所定の状態が発生したヘッドから商品を排出するステップをさらに備える、
請求項14から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
機械によって実行されたとき、前記機械に、請求項14から17のいずれかによる方法を実行するように機能させる、実行可能な指示を備える機械で読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置に関し、特に、しかし、排他的ではないが、複数ヘッドの組合せ計量装置および製品についての重量計量を行うための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装済みの商品を製造する際、包装システムにおいて、商品を計量し、商品を容器に排出する効率的な手段を有することは重要である。シールされた容器(例えば、トレイ)は、一般的に、所定のトレイ重量を生成するために組合せる複数の部分からなる商品が、各容器に配置された状態で製造される。トレイは、それらが分配の準備が整ってシールされる場所であるトレイシーリングユニットに搬送される。目標重量を形成するために組み合わせる部分を搬送するために、複数の計量ヘッドを備えた計量装置が使用される。複数の計量ヘッドからの商品の組合せは、目標重量またはサイズを有する商品を搬送するために使用される。作動中、計量ヘッドのそれぞれは、ヘッド内で計量される商品の一群(batch)を受け取る。計量ヘッド内で保持される重量の組合せは、目標基準に一致するものが判定され、商品は、組合せを生成すると判定されたこれらのヘッドから、排出される。
【0003】
イシダヨーロッパリミティッドによって製造された組合せ計量器のモデルCCW−R220Wは、そのような計量装置の一例である。
【0004】
しかしながら、計量ヘッドで受け取られた商品は、そのヘッド内で生じるエラー状態の原因を引き起こす可能性がある。例えば、そのヘッド内の商品が最大重量またはサイズを超える場合である。一般的に、もし、エラー状態が判定されると、アラームが鳴り、エラー商品がオペレータによって手作業で取り除かれる。これは、非常に非効率的で、実質的に処理能力を低下させる。代替的に、エラー状態が判定されると、エラー商品は、その計量サイクル内に排出される。これが生じると、オペレーションのサイクルは、エラー商品をエラーポジションに排出させるために使用されなければならない。エラー商品が排出される間、他のヘッドからの組合せは生成されず、通常のオペレーションは、次のサイクルのオペレーションで再開できるのみである。
【0005】
発明者によって認識されたように、エラー商品を排出する際に失われた計量サイクルは、計量器および包装システム全体の非効率性につながる。それゆえ、エラーが生じた際にエラーをより効果的に処理する計量装置を有することが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1観点によると、複数ヘッドの計量器が提供される。複数ヘッドの計量器は、商品を保持し、排出する複数のヘッドと、複数のヘッドのうち個別の第1および第2サブセットから排出された商品を受け取るように配置され、それぞれが前記商品を第1の場所または第2の場所に選択的に搬送可能な第1および第2の排出シュートと、組合せ時に目標基準を満たす商品を保持する複数のヘッドから一以上のヘッドの組合せを判定し、判定された一以上のヘッドの組合せから、それらの個々の排出シュートを介して、第1の場所に、商品を排出する組合せ計量判定システムとを備える。さらに、ここで、組合せ計量判定システムは、所定の状態が複数ヘッドのうちの一つで発生した時期を判定する。また、組合せ計量判定システムはさらに、もし所定の状態が発生した場合に、商品を、所定の状態が発生したヘッドから、そのヘッドから商品を受け取るように配置された排出シュートを介して、前記排出シュートが、第1の場所に商品を送るために使用されていないときに、第2の場所に排出する。
【0007】
通常のオペレーションの間、計量器は、一般的に、「サイクル」で動作する。ここで、商品は、各サイクルにおいて、第1の場所および第2の場所のいずれか、または、第1の場所および第2の場所の両方に送られる。目標基準を満たす組合せは、ヘッドのいずれかにある商品から生成され、商品のその組合せは、(組合せを生成するために選択されたヘッドに応じて)排出シュートのいずれか、または両方を介して、第1の場所に排出される。一旦組合せが第1の場所に搬送されると、複数ヘッドの計量器におけるヘッドに対して、次の分量の商品が搬送される。これによって、次のサイクルが始まる。商品は、一般的に、規則的な時間間隔で計量器から排出される。時折、商品の組合せは、一のサイクルで生成されず、そのサイクル中に、いかなる商品も第1の場所に搬送されない。
【0008】
複数ヘッドの計量器は、一般的に、複数群の商品、例えば、鶏の胸肉のような食品の群、を計量し(連続処理にも用いられてよいが)、シールされるトレイに詰める後続の工程のために用いられる。そのような場合には、第1の場所は、バッチングテーブル(batching table)であってもよく、それによって、オペレータは、その後、その一群を、シールされるトレイに入れて包装する。代替的に、第1の場所は、トレイであってもよい。この場合、商品は、直接トレイに搬送され、包装プロセスを加速する。第2の場所は、バルクビン(bulk bin)であってもよい。それによって、特定の群に適していない(すなわち、所定の状態が「エラー」状態である)商品は、別の群に再度使用されるか、廉価で販売される。代替的に、第2の場所は、ゴミ箱(waste bin)であってもよい。
【0009】
複数のヘッドは、それぞれのヘッドで保持される商品の重量を判定する計量ヘッドであってもよく、前記基準は、少なくとも目標重量基準を含む。これによって、例えば、鶏のもも肉1000gまたは鶏の胸肉800gのように、特定の重量群の計量が可能になる。第1の場所に搬送される一群は、一般的に、複数ヘッドのうち3つまたは4つのヘッドからの商品によって生成される。
【0010】
代替的に、または追加的に、複数のヘッドは、それぞれのヘッドで保持される商品に関するサイズ情報を判定し、前記基準は、少なくとも目標サイズ基準を含む。代替的に、または追加的に、複数のヘッドは、それぞれのヘッドで保持されている商品に関する総数情報を判定し、前記基準は少なくとも総数基準を含む。例えば、複数のヘッドからの商品を含む最終的な群(final batch)は、4つの鶏のもも肉であってもよい。一般的に、複数のヘッドは、上述した基準よりも多くの基準の一つを用いて、組合せを判定することができる。
【0011】
本発明は、複数のヘッドについての個別の第1および第2サブセットから排出される商品を受け取るように配置され、それぞれが前記商品を、第1の場所または第2の場所に選択的に搬送する、第1および第2の排出シュートを備える。複数のヘッドについての各サブセットは、全てのヘッドよりは少ない数を含み、好ましくは、複数のサブセットのうち少なくとも一つが、最も好ましくは、各サブセットが、二つ以上のヘッドを含む。さらに、各ヘッドは、好ましくは、たった一つのサブセットのメンバーである。すなわち、サブセット間で重複は無く、各ヘッドは、関連するサブセットにのみ専用のシュートに、商品を排出できる。第1および第2の排出シュートの特徴は、「所定の状態」(例えば、エラー)が複数ヘッドの計量器によって処理される方法についての柔軟性を、有利に向上させる。上記のように、複数ヘッドの一つに所定の状態を検出すると直ぐに、商品は、所定の状態が発生したヘッドから、そのヘッドから商品を受け取るように配置された排出シュートを介して、前記排出シュートが第1の場所に商品を搬送するために使用されていないときに、第2の場所に排出される。
【0012】
これは、複数ヘッドの計量器から所定の状態の商品を排出することが、判定された商品群の排出とは独立しており、それにより、所定の状態の商品の排出は、複数ヘッドの計量器の通常のオペレーションに悪影響を与えない。例えば、所定の状態の商品は、複数サイクルの間に排出されてもよい。
【0013】
好ましくは、組合せ計量判定システムは、もし所定の状態が発生した場合、所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せをさらに判定する。もし、目標基準を満たすヘッドの組合せが、所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットに見つかれば、所定の状態の商品によって、複数ヘッドの計量器の通常のオペレーションに与える混乱や稼働停止時間を最小限にするように、第1および第2の排出シュートについて、効果的な使用が可能になる。
【0014】
好ましくは、組合せ計量判定システムは、もし所定の状態が発生すると、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せが、所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから判定されるまで、所定の条件が発生したヘッド内に商品を保持するようにさらに動作する。計量器が目標基準の組合せを生成するために残りのヘッドを使用して通常モードのオペレーションを継続している間、商品はそのヘッド内に保持される。本発明に係る計量器は、一般的に、10以上の計量ヘッドを備えてもよく、したがって、例え、一つのヘッドが所定の状態であり、そのヘッド内の商品が複数サイクルの間保持されていたとしても、一般的に組合せを生成するために3つまたは4つのヘッドが使用されているため、残りの9つのヘッドから目標基準を満たす組合せを判定する可能性は、依然として、容認できる程度に高い。さらに好ましくは、計量器は、所定の状態がそのサブセットのヘッドに発生した後であっても、各サブセットに対して目標基準を満たす組合せの判定について高い可能性を維持するように、各サブセットにおいて、10以上の計量ヘッドを備える。
【0015】
組合せ計量判定システムは、もし、前記判定された組合せが、所定の状態が発生していないヘッドのサブセットからの組合せである場合、判定された一以上のヘッドの組合せから商品を排出するのと同時に、所定のエラーが発生している(複数の)ヘッドから、商品を排出することができる。
【0016】
そのような「並列排出(parallel discharging)」は、所定の状態の商品および判定された組合せが同一のサイクルにおいてそれらの個別の場所に排出されることを意味する。この配置によって、例え、所定の状態(例えば、エラー)が生じたとしても、複数ヘッドの計量器は、通常のオペレーションを維持することが、有利に、可能になる。これによって、所定の状態を満たす商品を排出するために、計量サイクルを損なう必要が無いため、より高い計量効率および商品計量の最適化をもたらす。
【0017】
上述したように、「並列排出」は、所定の状態の商品および判定された組合せが、同一の計量サイクルにおいて排出されることを意味する。一般的に、それらは同時に排出される。しかし、それらは、同一のサイクル内の異なる時間に排出されてもよい。
【0018】
好ましくは、所定の状態が発生した場合に、所定の状態が発生した(複数の)ヘッダからの商品は、一以上のヘッドのうち判定された組合せから排出された商品とは異なるシュートを介して、排出される。例えば、組合せは、所定の状態の商品が、第2の場所(例えば、バルクビン)に、その個別の排出シュートを介して排出される間に、第1の場所(例えば、バッチングテーブル)に、その個別のシュートを介して排出されてもよい。
【0019】
もし、一以上のヘッドに所定の状態が発生し、目標組合せが所定の状態が発生したヘッドを含まないヘッドのサブセットの中から判定された場合には、所定の状態が発生した複数のヘッドからの商品を、上述したものと同じ態様で同時に排出してもよい。代替的な方法として、もし、所定の状態が、異なる複数のサブセットのヘッド内で発生した場合には、その後、もし、複数ヘッドの計量器が目標組合せを生成できない場合(そして、さもなければサイクルを「失う」場合)には、これらのヘッドにある商品は、それらの個別の排出シュートを介して、同時に排出されてもよい。
【0020】
好ましくは、第1および第2の排出シュートは、第1および第2のタイミングホッパをそれぞれ備える。前記タイミングホッパは、第1および第2の排出シュートからの商品を受け取り保持するように構成されている。ここで、前記第1および第2のタイミングホッパのそれぞれは、商品を第1の場所に排出する第1のモードおよび商品を第2の場所に排出する第2のモードで動作可能である。前記組合せ計量判定システムは、さらに、判定された複数のヘッドの組合せから商品を第1の場所に排出する際に、第1モードを選択し、所定の状態が発生した(複数の)ヘッドから商品を排出する際に、第2モードを選択する。
【0021】
第1および第2のタイミングホッパは、個別のシュートから受け取られた商品を、第1または第2の場所に選択的に排出する効果的な手段を提供する。また、ホッパ内に商品を保持することによって、計量サイクルの同期を容易にする。
【0022】
タイミングホッパが用いられる場合、第1および第2の排出シュートは、一つの部材として形成されてもよい。これにより、複数ヘッドの計量器において、より少ないスペースしか要さないという点で有利である。
【0023】
タイミングホッパの代替手段として、第1および第2排出シュートは、シュートの出口ポートが、第1の場所および第2の場所の間で可動可能なように、可動可能に取り付けられていてもよい。シュートが、実質的に垂直に配置されれば、粘着性のある商品(例えば、鶏肉)について、シュート内での商品のくっつきを予防するのに特に有益である。
【0024】
第1および第2タイミングホッパは、それぞれ、第1モードで、排出された商品を第1の場所に誘導するように第1方向に開き、第2モードで、排出された商品を第2の場所に誘導するように第2方向に開くように配置された、2方向ハッチをさらに備えてもよい。これは、商品を適当な場所に案内するシンプルな機械的手段を提供する。そのような2方向ハッチは、機械的に単純である結果として、製造するのに信頼性があり、また、安価である。しかしながら、代替的に、タイミングホッパは、例えば、独立して動作可能な、二つのドアを有してもよい。
【0025】
一般的に、ヘッド内の商品が、処理が行われているバッチ(batch)に対して、目標基準を満たさなければ、所定の状態がヘッド内で発生する。そのような場合、所定の状態は、「エラー」状態である。しかしながら、所定の状態は、一以上の異なる状態であってもよい。例えば、所定の状態は、重量状態であってもよい。これは、目標基準が満たされない条件において、所定の状態が発生する場合の「マイナスの」エラー状態よりむしろ、「プラスの」状態である。所定の状態が重量状態である時、複数ヘッドの計量器は、上述したように、複数バッチの商品(例えば、500gの鶏の手羽肉)を検量し続けてもよい。しかしながら、もしヘッドが狭い重量範囲内で商品を検出した場合、そのヘッド内の商品はそれに応じて(包装されたり分配されたり)処理されるように、第2の場所に排出されうる。これは、厳しい重量許容範囲(tight weight tolerances)が必要とされる、例えば、ファストフードレストランの注文を生産する際に、特に有利である。このように、許容範囲内で所望の重量を満たす商品が検出されたとき、その商品は、その群の商品から分離させて、第2の場所に排出されてもよい。そのような場合、第2の場所はさらに、バッチングテーブル、またはシールされ分配されるためのトレイまたはクレートであってもよい。
【0026】
所定の状態の他の例は、特定数の商品の部分を有するヘッドが第2の場所に排出される、総数の状態と、第2の場所が特定の重量で満たされるクレートであり、第2の場所への複数の排出は、所望のクレート重量を生成するために実行される、バッチの状態と、第2の場所がバルクビンであり、計量器に商品を入れる速度が、計量器の動作(サイクル)速度に一致しない場合、過剰商品が第2の場所に排出される、バルク状態とを含む。
【0027】
好ましくは、所定の状態は、少なくとも、エラー状態、総数状態、重量状態、およびバルク状態のリストのうちの一つである。特に、複数のヘッドが3つ以上のサブセットに分かれており、それぞれが、個別の排出シュートおよび場所を備える場合には、所定の状態は、複数の状態であってもよい。
【0028】
本発明の第2の態様によると、複数ヘッドの計量器を操作する方法が提供され、前記複数ヘッドの計量器は、商品を保持し排出する複数のヘッドと、複数ヘッドの個別の第1および第2のサブセットから排出された商品を受け取るように配置され、それぞれが前記商品を第1の場所または第2の場所に選択的に搬送することができる第1および第2の排出シュートと、を有し、前記方法は、(a)組合せ時に目標基準を満たす商品を保持する複数のヘッドから一以上のヘッドの組合せを判定するステップと、(b)判定された一以上のヘッドの組合せから、それらの個別の排出シュートを介して第1の場所に商品を排出するステップと、(c)所定の状態が複数のヘッドの一つでいつ発生したかを判定するステップと、(d)所定の状態が複数のヘッドの一つで発生したことを判定した際に、商品を、所定の状態が発生したヘッドから、そのヘッドからの商品を受け取るように配置された排出シュートを介して、前記排出シュートが第1の場所に商品を搬送するために使用されていないとき、第2の場所に排出するステップと、を備える。
【0029】
さらに、方法は、複数のヘッドの一つに所定の状態が発生したことを判定した際、組合せ時に目標基準を満たす一以上のヘッドの組合せが、所定の状態が発生しなかったヘッドのサブセットから判定されるまで、所定の状態が発生したヘッド内で商品を保持するステップを含む。
【0030】
さらに、方法は、複数のヘッドの一つに所定の状態が発生したことを判定した際、もし前記判定された組合せが、所定の状態が発生しなかったヘッダのサブセットからの組合せである場合、一以上のヘッドの判定された組合せから商品を排出するのと同時に、所定のエラーが発生したヘッドから商品を排出するステップを含む。
【0031】
さらに、方法は、複数のヘッドの一つに所定の状態が発生したことを判定した際、所定の状態が発生したヘッドからの商品を、一以上のヘッドの判定された組合せから商品を排出するために使用されるシュートとは異なるシュートを介して、排出するステップを含む。
【0032】
本発明の第3の観点によると、機械で読み取り可能な媒体が提供され、機械で読み取り可能な媒体は、機械によって実行されたとき、機械を第2の観点の方法を実行するように運転可能にする、実行可能な命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
実施形態は、添付の図面を参照しながら説明する。図面では、次の内容が示されている。
図1a】複数ヘッドの計量器を有し、商品を搬送するように配置された、ツインレーンの生産ラインについて、上から見下ろした概略図である。
図1b】複数ヘッドの計量器を有し、商品を搬送するように配置された、ツインレーンの生産ラインについて、側面図である。
図2a図2aは、本発明による組合せ計量器の一例についての上からの概略図を示す。
図2b図2bは、本発明による組合せ計量器の一例についての側方概観図の概略図を示す。
図2c図2cは、組合せ計量器の各シュートの基礎に配置された電子タイミングホッパの斜視図を示す。
図3図3は、図2aおよび図2bの組合せ計量器を備える機能的構成要素を示すブロック図である。
図4図4は、組合せ計量器によって実行される処理ステップを設定するフローチャートである。
図5a図5aは、計量ヘッドの一つにエラーが検出されたときに組合せ計量器がどのように動作するかについての例を示す。
図5b図5bは、計量ヘッドの一つにエラーが検出されたときに組合せ計量器がどのように動作するかについての例を示す。
図5c図5cは、計量ヘッドの一つにエラーが検出されたときに組合せ計量器がどのように動作するかについての例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明は、「所定の状態」がエラー状態である場合に関連する。第1の場所は、良い場所としてみなされ、第2の場所は、エラーの場所としてみなされる。しかしながら、既に述べたように、所定の状態は、エラー状態とは異なるものであってもよい。
【0035】
図1aおよび図1bには、本発明の組合せ計量器の典型的な適用例が示され、ツイントレイデネスター(de-nester)1と、並列のコンベア2a,2bを含むツインレーンコンベア2とを備える食品包装システム100を示す。二つのコンピュータ組合せ計量器(CCW)3a,3bおよびトレイシーラー6は、搬送路に沿って配置されている。CCW3a,3bは、商品を計量および分配し、トレイシーラーは、搬送路に沿って搬送されたトレイをシールする。
【0036】
食品包装システム100は、トレイが沿って搬送され、充填され、そしてシールされる二つのレーンを有する。トレイは、一般的に、ネスト(nest)に供給され、ツイントレイデネスター1のそれぞれのトレイカセットに入れられる。使用されるトレイデネスターは、トレイの表面との接触を最小限にするためにスクロールデネスターであるが、当然のことながら、本分野において知られる他の従来のデネスターが代替的に使用されうる。トレイは、デネスターの第1および第2トレイカセット1a,1bから抜きだされ、一定間隔でコンベア2a,2bに供給される。抜き出されたトレイは、コンベア2a,2bに沿って互いに等しい間隔をあけて配置される。ツイントレイデネスター1は、第1および第2のトレイカセットにトレイを保持する。第1および第2のカセット内の前記トレイは、それぞれ等しいまたは異なる寸法を有する。
【0037】
デネスター1の傍に置かれたトレイは、ツインレーンコンベア2のコンベア2a,2bによって個別のCCW3a,3bに向けて搬送される。コンベア2のレーンは、それぞれのCCW3a,3bの下を通る。各CCW3a,3bは、所定量(所定バッチ)の商品を計量および排出するように構成されている。バッチの目標のプロパティは、一般的に、重量および/またはサイズおよび/または総数に関し、商品が置かれることになるトレイの寸法に対応して選択される。CCW3a,3bの下には、個別の往復分配システム4a,4bが配置される。各分配システムは、対応するCCW3a,3bの下に配置され、CCW3a,3bから搬送された商品が分配システムの搬送ヘッド5a,5b内で受け取られるように配置されている。分配システムは、商品がトレイに均等に分配されるように、通過していくトレイの上のヘッド5a,5bの位置を、反復的に行ったり来たりさせる。この態様において、ツインレーン上を通過する全てのトレイは、それぞれのレーンで使用されるトレイサイズに対応する量の商品で、等しく満たされる。
【0038】
CCW3a,3bの下を通り過ぎた後、充填されたトレイは、シールおよび分配のため、トレイシーラー6に向けて搬送される。
【0039】
図1に示す生産ラインにおいて、CCWの効率が重要である。CCWの計量ヘッドの一つに発生したエラーに起因して、CCWからの商品を配置するのが遅れると、処理能力の低下につながる。
【0040】
図2aおよび図2bに、本発明に係るシングルCCWの例を示す。示されるように、CCW200は、第1および第2のシュート201a,201bを備える。第1および第2のシュート201a,201bの上方には、計量ヘッド203a,203bの第1および第2のグループ(すなわち、サブセット)が配置されている。本実施形態では、ヘッド203aの第1のグループがヘッド1−10を備え、ヘッド203bの第2のグループがヘッド11−20を備える。したがって、各グループは、10個の計量ヘッドを備え、第1および第2のグループ203a,203bのヘッドから排出された商品は、下にある個別のシュート201a,201bに搬送される。しかしながら、当然のことながら、より多い、あるいは、より少ない数のヘッドが可能であり、さらに、いくつかの実施形態では、第1および第2のグループ203a,203bが等しい数の計量ヘッドを有さなくてもよい。一般的に、ヘッドの各グループまたは「サブセット」は、全ヘッドより少ない数のヘッドを含み、好ましくは、少なくともサブセットの一つ、より好ましくは各サブセットが、二つ以上のヘッドを含む。
【0041】
第1および第2のシュート201a,201bの排出ポイントには、個別の第1および第2のエラー迂回タイミングホッパ(EDTH)202a,202bが配置されている。計量ヘッドの第1グループ203aから第1のシュート201aに排出された商品は、第1のEDTH202aに搬送される。同様に、計量ヘッドの第2グループ203bから第2のシュート201bに排出された商品は、第2のEDTH202bに搬送される。通常のオペレーションに関し、以下により詳細に説明されるように、ヘッド1−20に保持される商品の組合せは、目標基準(例えば、目標重量または総数)を生成するためにどれを組合せるかが判定される。その組合せの構成要素が含まれるヘッドは、それらの個別のシュートに排出され、EDTH202a,202bに搬送される。オペレーションの次のサイクルの際、EDTH202a,202bの内容物は、出口に向けて排出される。
【0042】
EDTH202a,202bの構造が、図2cに示される。EDTH202a,202bのそれぞれは、商品が排出される際に二つの出口のいずれかに向かって案内されるように、第1の回転軸2022a,2022bおよび第2の回転軸2023a,2023bを基準に解放可能な2ウェイハッチ2021a,2021bを有するホッパを備える。EDTH202a,202bの各2ウェイハッチは、好ましくは、3つのポジションのうちいずれか一つに電気的に制御可能であることが好ましい。閉鎖ポジションでは、ハッチが閉じられ、商品がホッパ内に保持される。第1の開放ポジションでは、ハッチが第1の回転軸で開放され、ハッチが時計回りの動きで下方に揺れて開く。そして、第2の開放ポジションでは、ハッチが第2の回転軸で開放され、ハッチが反時計回り動きで下方に揺れて開く。ホッパは、第1および第2の開放ポジションから閉鎖ポジションに戻るように作動可能である。
【0043】
したがって、第1の開放ポジションで、商品は、ホッパから出て第1の方向に案内され、第2の開放ポジションで、商品は、異なる方向に案内される。開放ポジションは、第1のポジションで排出された商品が良い場所に向かって案内され、第2のポジションのとき、エラーの場所に向けて排出されるように構成される。
【0044】
したがって、EDTH202a,202bのそれぞれは、その中に保持される商品を、良品の出口およびエラー商品の出口のそれぞれにつながる2つの経路のいずれかに、選択的に排出するための手段を提供する。
【0045】
良い場所は、例えば、バッチングテーブル、または、包装システムにおいて、コンベア上で充填されるトレイであってもよい。一方、エラー場所は、バルク商品または廃棄容器であってもよい。
【0046】
図3に、組合せ計量装置を制御するために共に協働する機能的構成要件を示すブロック図が示される。ヘッド203a,203bおよびEDTH202a,202bを有する計量器200は、組合せ計量判定システム300(CWDS)に接続されている。CWDS300は、制御ユニット301および判定ユニット302を備える。判定ユニット302は、計量器200からの電子信号、特に、計量ヘッド203a,203bからの計量データを受け取り、その受け取ったデータに基づいて判定を実行するように構成されている。具体的に、計量ヘッド 203a,203bに何らかのエラーが発生したか否か、および目標基準を満たすいくつかの適切な組合せが存在するか否かを判定するように構成されている。制御ユニット301は、判定ユニット302によってなされた判定の結果を受け取り、計量器200の計量ヘッド203a,203bおよびEDTH202a,202bに/から、制御信号を送信し受け取る。好ましくは、制御ユニットもまた、EDTH202a,202bおよびそれらが含むもの(すなわち、エラー商品または有効な組合せの全てまたは一部を構成する商品)に関連するステータスデータを格納するためのメモリを備える。
【0047】
CWDS300および計量器200は、図3において、分離された機能的ユニットとして示されているが、当然のことながら、CWDSは、計量器200それ自身の一部に含まれていても、分配システムにおける構成要素として独立していてもよい。例えば、CWDS内の制御ユニット301および判定ユニット302は、ハードウェア要素、または、計量器と通信するコンピュータで動作するソフトウェアモジュールを備えることができる。さらに、それらの機能は、判定処理および制御信号の生成が一つの機能的構成要素によって実行されるように組み合わせることができる。
【0048】
図3の計量装置のオペレーションを、図4に示される処理フローチャートを参照して説明する。ステップ401で、判定ユニット302は、計量器200の計量ヘッド203a,203bから重量データを受け取り、そのデータから、いずれかのヘッドで計量エラーが発生したか否かを判定する。例えば、計量ヘッド203a,203bの一つにある商品の重量が所定の重量範囲から外れるか、所定の総数が満たされない場合、エラーが発生したと示す。
【0049】
もし、いかなるエラーも検出されなければ、その後、処理はステップ402に続き、判定ユニットが、計量ヘッド203a,203b内で保持されている商品から目標重量基準を満たす組合せが生成可能か否かを判定する。一旦組合せが発見されると、判定ユニットは、ヘッドの組合せを特定するためのデータを制御ユニット301に受け渡す。その後、制御ユニット301は、ステップ403で、計量器に対して、計量器200の次の排出サイクルを開始させる適切な制御信号を送信する。制御信号は、EDTH202a,202bの先の内容物を排出し、組合せを生成すると判定されたヘッドを、それらの個別のシュートに排出させるための、計量器200に対する指令を含む。EDTH202a,202bの内容物は、前のサイクルにおいて計量ヘッド203a,203bから受け取った商品がエラー商品を含まなかった場合に、良い場所に排出される。反対に、EDTH202a,202bのいずれか一つが、前のサイクルで受け取ったエラー商品を含む場合、制御ユニット301は、それをメモリに記憶し、関連するEDTHに、エラー側へ排出するように指示することを知っている。排出後、EDTH202a,202bは、制御ユニットによって、それらの保持位置に戻される。制御ユニットは、その後、組合せを生成する計量ヘッド203a,203bに、それらの個別のシュートに排出するように指示する。EDTH202a,202bは、これらのシュートから商品を受け取る。二つのEDTH202a,202bに保持される商品重量の組合せは、目標重量を生成するために組み合わせられる。それによって、次の排出サイクル時に、EDTH202a,202bの両方は、制御ユニット301からの指示があった際に、良い場所に排出される。
【0050】
その後、処理は、ステップ401に戻り、計量ヘッド203a,203bにおいてエラーが発生したか否かに関し、新規の判定がなされる。もし、いかなるエラーも発生しなかった場合には、計量器200は、ステップ402および403を繰り返すことによって、組合せを生成しEDTH202a,202bから良い出口に商品を排出し続ける。
【0051】
しかしながら、エラーが発生すると、処理は、その後、ステップ404に分岐する。判定ユニット302は、エラーが発生したこと、および、どのヘッドにエラー商品があるのかを知る。ステップ404では、制御ユニットは、エラー商品がその個別の計量ヘッドに保持されていることを確認する。ステップ405では、判定ユニット302が、エラーが発生したヘッドを含まないヘッドのいずれかから(グループ203aまたはグループ203bのいずれかから)、組合せが生成されうるかどうかを判定する。もし、適切な組合せがそのとき生成できなければ、その後、エラー(もしくは、複数のエラー)が、ステップ406で排出され、プロセスは、ステップ401に戻る。これにより、いかなるサイクルも「無駄」でないことを保証する。例えそうであっても、代替的な実施形態では、もしいかなる組合せも生成されない場合に、プロセスは、ステップ404に戻り、エラーは、保持され続ける。エラー商品の排出は、全てのヘッドを解放するので、次のサイクルで生成される組合せの機会が増加する。一旦、利用可能な計量ヘッド203a,203bの残りから組合せが判定されると、その後、プロセスはステップ407に続く。
【0052】
ステップ407において、判定ユニット302は、エラーが発生したヘッドを含まないヘッドのグループのみから組み合わせが生成できるか否かを判定する。もし、上記があてはまらない場合(例えば、もし組合せがグループ203aの二つのヘッドおよび一つのヘッド203bの商品によって生成される場合)には、その後、組合せがそれぞれのシュートを介して、計量ヘッドからEDTH202a,202bに排出される(ステップ403)間ずっと、エラー商品は、保持され続ける。
【0053】
しかしながら、もし目標基準を満たす組合せが、エラーが発生しなかったヘッドのグループにあるヘッドから生成されうる場合(例えば、エラーがグループ203aにあり、一方組合せはグループ203bのみからで生成できる場合)、処理は、ステップ408に進む。ここで、EDTH202a,202bは、制御ユニット301からの指示を受けると、制御ユニットが、そのメモリから、それらがエラー商品、または、有効な組合せの少なくとも一部を生成する商品を、それぞれ含むことを呼び出すか否かによって、適切なよい場所またはエラーの場所に解放される。EDTH202a,202bは、保持位置に戻り、その後、エラー商品を有するヘッドは、その個別のシュートを介して、対応するEDTHに排出され、組合せを生成する他のグループからのヘッドは、それらのシュートを介して、他のEDTHに排出される。この段階で、一つのEDTHは、商品重量の有効な組合せを生成する商品を含み、他のEDTHは、エラー商品を含む。したがって、次の排出サイクル時、エラー商品を有するEDTHは、エラー場所に排出され、有効な組合せを有するEDTHは、よい場所に排出される。ヘッドの他のグループから組合せを迅速に探す確率は、少なくとも各グループのヘッドの数および目標重量によって決まる。例えば、何回かの実施において、同一のグループから2つのヘッドを選択することによって組合せを生成する機会は、2回に1回の可能性であり、3つのヘッドから生成する機会は、4回に1回である。したがって、このような確率を有するため、少ない数のサイクルで組合せを生成する可能性は高い。
【0054】
図5aから図5cを参照して、計量器200のオペレーションの例を説明する。この例において、計量器200は、二つのサイド203a,203bを有し、それぞれが10の計量ヘッド1−10,11−20のグループを有する。
【0055】
図5aでは、ヘッド15において計量エラーが検出された場合の状況を示す。両方のサイド203a,203bから、残りのヘッド1〜14,16〜20の全てが組合せを生成するために利用可能である。図示されているように、ヘッド2,5,12が、目標重量基準に満たす組合せとして判定される。選択されたヘッド2,5は、シュート1に排出され、選択されたヘッド12は、シュート2に排出される。一方、エラーは、ヘッド15に保持される。EDTH1およびEDTH2は、初めは空であり、それゆえ、ヘッド2,5,12からの商品を受け取るように保持状態で留まる。このサイクルの最後には、したがって、EDTH1およびEDTH2は、共に、組合せ時に、目標重量基準を満たす商品を含む。
【0056】
図5bは、オペレーションの次のサイクルを示す。このサイクルにおいて、ヘッド15のエラーは、依然として保持されているが、さらなるエラーは検出されていない。それゆえ、前のサイクルと同じように、残りのヘッド1〜14および16〜20は、組合せを生成するために利用可能である。このサイクルでは、ヘッド2,5,7が目標重量基準を満たす組合せに利用可能である。図5bからわかるように、ヘッド2,5,7は、全てヘッド203aのグループに含まれており、一方、エラーヘッドは、ヘッド203bに含まれている。EDTH1およびEDTH2は、両方ともそれらの良いサイドに開放されており、前のサイクルと同様、それらは両方とも、組み合わせて目標重量基準を生成するための商品を保持する。図5bに概略的に示されるように、EDTH1およびEDTH2の良いサイドは、互いに向き合って開いている。これによって、両方のEDTHからの商品が一つの場所で組み合わせることを保証する(例えば、EDTH間に配置されたコンベア上のトレイに分配される)。EDTH1およびEDTH2は、その後、それらの閉鎖ポジションに戻り、シュート1およびシュート2のそれぞれからの商品を受け取るために準備する。
【0057】
計量ヘッド2,5,7は、その後、シュート1からEDTH1に排出され、計量ヘッド15は、シュート2からEDTH2に排出される。このサイクルの最後に、EDTH1は、ヘッド2,5,7からの商品を含み、一方、EDTH2は、ヘッド15からのエラー商品を含む。EDTH1で保持される商品は、組合せ時、目標重量を生成する。
【0058】
図5cに示される次のサイクルでは、さらなるエラーが検出されないので、新しい組合せは計量ヘッド4,8,14,17から判定される。EDTH1は、良い場所に排出され、EDTH2は、エラー場所(例えば、バルク)に排出される。計量ヘッド4,8,14,17は、それらの個別のシュートからEDTH1およびEDTH2に排出される。このサイクルの最後に、EDTH1は、ヘッド4,8からの商品を含む。一方、EDTH2は、ヘッド14,17からの商品を含む。EDTH1およびEDTH2で保持される商品は、組合せ時、目標重量を生成する。
【0059】
計量ヘッドは、複数サイクルの間に新規商品で再び満たされながら、処理は、このような態様で続く。もしさらなるエラーが検出されると、それらは図5aから5cの態様で処理され、エラー商品を排出するためにサイクルを失う必要がない。これによって、計量器200を特に効率的にし、生産ラインまたは工場システムにおける処理能力を向上させる。
【0060】
この例では、良い組合せは、3つまたは4つの計量ヘッドから生成されるが、当然のことながら、目標重量は任意の数の利用可能なヘッドから満たされてもよい。代替的に、判定ユニットの処理を抑えるために、組合せを生成しうるヘッドの数は、組合せを生成しうる最小および/または最大数のヘッドを設定することによって制限することができる。
【0061】
同様に、計量器は、一つ以上のエラーが判定されたときの状況を処理することが可能である。もし、ヘッド203a,203bの両方のグループが同時にエラーを含む場合、その後、エラーを含むヘッドは、それらの個別のEDTHを介して、同時に省かれる。
【0062】
本分野の当業者によって理解されるように、制御ユニットおよび判定ユニットは、ハードウェアおよび組合せ計量器の構成要素と通信するために電子信号を処理するソフトウェアとの任意の適切な組合せにおいて、ここで説明したような処理を行うために実行されてもよい。さらに、制御および判定ユニットは、コンピュータを実行した際、実行可能な指示が、これらの処理を実行するために、組合せ計量器と協働して動作可能になる、プログラム可能な装置を備えてもよい。
【0063】
上記実施形態では、組合せ計量器のヘッドは、計量ヘッド203a,203bとして説明され、判定は、目標重量を満たす重量の適切な組合せ、および計量エラーがある場合に関してなされた。しかし、他の実施形態では、ヘッドはその中に保持されている商品の他の特性を判定するように構成されてもよく、組合せは、これらの特性に基づいた目標基準を満たし、エラーは、これらの特性に基づいて判定されたエラーである。例えば、目標基準は商品のサイズであってもよく、エラーは許容可能な境界を外れたサイズを有する商品に関するものであってもよい。さらなる例として、目標基準は、商品の総数であってもよく、エラーは許容可能な限界を外れた総数を有するものに関してもよい。代替的に、目標を満たすため、あるいは、エラーを判定するために、基準の組合せ、例えば、サイズおよび重量基準の組合せ、が必要とされてもよい。
【0064】
発明の概要のセクションで説明したように、図5aおよび図5bを参照すると、ヘッド15に見られる所定の状態は、エラーに代えて、所望する商品重量(例えば、ファストフードレストランに適する)であってもよい。このような状況では、ヘッド15内の商品は、図5aから図5cを参照して説明したものと同様、組合せから分離される。他の所定の状態がまた予想される。
【0065】
上記実施形態は、2ウェイハッチまたはフラップを有するEDTHを使用するが、商品をよい場所またはエラー場所に選択的に排出するために他の手段が用いられることができる。例えば、シュート201a,201bは、それらの出口ポートが良い場所およびエラー場所の間で移動するように移動可能に取り付けられてもよい。
【0066】
上述した実施形態は、ヘッド、シュート、および、ホッパについて第1および第2のグループを有する分割計量器(split weigher)を説明したが、さらなる実施形態では、ヘッド、シュート、および、ホッパの二つ以上のグループを用いることができる。例えば、計量器の計量ヘッドは、ヘッドの3つ以上のグループに分割し、各グループがそれ自体で個別のシュートおよびEDTHを有する。複数のヘッドの全体を3つ以上のグループに分割することは、もしエラーが検出された場合に、目標基準を満たす組合せが、エラーヘッドを含むグループ内にはないヘッドから生成される可能性を増加させる。これによって、組合せおよびエラーを同時に排出させることを可能にする。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図5c