【実施例】
【0034】
参考例1、実施例1、比較例1、比較例2
経糸として1100dtexのポリエステル嵩高フィラメント糸の2本撚り糸を用い、緯糸としてポリエステルフィラメント糸(1100dtex)の2本撚り糸を用いて、織り組織が2/1綾織りで、打ち込み本数を経糸210本/10cm、緯糸50本/10cmとして、呼び径d=65mmの消防ホース用の筒状織物(ホースジャケット)を製造した。ここまでは、
参考例1、実施例1、比較例1、比較例2で共通である。
【0035】
この共通の筒状織物を使用して、以下のように、本発明にかかる消防用ホース2種類(
参考例1、実施例1)、本発明以外の消防用ホース2種類(比較例1、比較例2)を製造した。
【0036】
いずれもホース1本の全長は、ホース部分で20.2mである。
【0037】
〔
参考例1〕
前記筒状織物の外周側の面に内面被覆層2を押出成形して、回転するダイスを通過させて外周面に、緯糸の螺旋方向と逆方向の螺旋方向で緩い螺旋状の突条3を形成した後に、該ホースの内外面を反転させて螺旋状の突条を有する内面被覆層を形成させた。
【0038】
突条3の高さh(mm)は0.5mm、突条の幅wは1.0mm、突条3はホースの全内周面に等間隔で30本存在するものであり、螺旋の程度は、緯糸の螺旋方向と同一方向の螺旋方向でホース長さ20m当たり1.5回(=0.075回転/m)である。
【0039】
内面被覆層の厚さt(mm)は、t=0.3mmであり、内面被覆層はウレタン樹脂で形成し、そのジャケットの単位面積当たりの付着量は450g/m
2 である。
【0040】
〔
実施例1〕
参考例1と同様の突条3の形状、本数、内面被覆層とし、ただし、螺旋の程度だけを、緯糸の螺旋方向と同一方向の螺旋方向でホース長さ20m当たり6回(=0.3回転/m)とした。
【0041】
〔比較例1〕
前記筒状織物の外周側の面に内面被覆層2を押出成形して、非回転の固定ダイスを通過させて外周面に、ストレートな突条を有する樹脂層を形成した後に、該ホースの内外面を反転させた。
【0042】
突条3の高さh(mm)は0.5mm、突条の幅wは1.0mm、突条3はホースの全内周面に等間隔で30本存在するものであり、この断面形状では
参考例1とほぼ同様であるが、該突条が、ホース長さ方向に平行して延びる非螺旋状のものである点で本発明外のものである。内面被覆層は
参考例1と同様である。
【0043】
〔比較例2〕
螺旋状に存在する突条3の螺旋方向のみを、緯糸の螺旋方向と逆方向の螺旋方向で形成した以外は、
参考例1と同一の仕様で消防用ホースを形成した。螺旋の程度は、緯糸の螺旋方向と逆方向であること以外は、
参考例1のものと同様であり、緯糸の螺旋方向と逆方向の螺旋方向でホース長さ20m当たり1.5回(=0.075回転/m)である。内面被覆層は
参考例1と同様である。
【0044】
〔比較例3〕
経糸としてポリエステル紡績糸20S/6を702本使用し、緯糸としてポリエステルフィラメント糸(1100dtex)/4(4本撚り糸)を用いて、織り組織が2/1綾織りで、打ち込み本数を経糸334本/10cm、緯糸50本/10cmとして、呼び径d=65mmの消防ホース用の筒状織物(ホースジャケット)を製造した。
【0045】
内面被覆層は、樹脂チューブを内周面に貼ったものであり、突条は設けていないホースである。このホースは、内周表面に織組織に基づく凹凸構造(主として経糸の存在に基づく、ホース長さ方向に稜線が延びるように形成された波形状のなだらかで且つ微細な凹凸構造(山谷構造)を42山/10cmで有するものであった。
【0046】
〔各消防用ホースの通水速度、圧力損失の試験方法〕
図4にモデル図を示したように、各試験消防用ホース11を3本つなぎ、実施例、比較例のそれぞれについて通水速度と圧力損失を求めた。ホースの接続は、
図4に示したように、ポンプ車のポンプ12に長さ3mのホース13をつなぎ、そこから先端側に向かって、流量計14、第1圧力計15、シャットオフバルブ16、1本目消防用ホース11a、2本目消防用ホース11b、3本目消防用ホース11c、第2圧力計17をつないだ。
【0047】
バルブの開閉操作は、ポンプ車の圧力計にて0.4MPaを確認した後、シャットオフバルブを開閉した。通水速度を測定した後、元圧を0.4MPaにしたままノズル側の圧力を読み取り流量計にて流量を測定した。
【0048】
測定は、各実施例、比較例ともに、n数=6で行い、最大値と最小値を除いた4つのデータから、通水速度、圧力損失のそれぞれの平均値を求めた。
【0049】
通水速度は、ホースを通過する時間を測定し、時間が長いほど通水速度が遅く良くないものである。
【0050】
〔結果〕
参考例1、実施例1、比較例1−3の消防用ホースについて、得られた結果は表1に示したとおりである。
【0051】
総合評価の基準は、「非常に良い」、「良い」、「普通並み」、「劣る」の4段階として、評価を行った。表1では、それぞれ「◎」、「○」、「△」、「×」と表記した。
【0052】
比較例1の消防用ホースは、現在、総合的に非常に優れた消防用ホースとして評価されているものであるが、本発明の
実施例1の消防用ホースは、その比較例1のものよりもさらに優れた総合特性を有している。比較例2の逆方向の螺旋のものは、通水抵抗がやや大きく本発明のものよりも劣るものの、比較例1よりは優れた結果だった。
【0053】
本発明の
実施例1と、比較例1および同2のものの差は僅かともみえるが、実際の消防活動の現場では、つながれるホース本数が3本を超える場合もあり、その性能差によって消防活動の結果に明らかな差異を及ぼすことがあり得るので、通水速度、圧力損失の点で少しでもバランス良く高性能な消防用ホースは有用なものである。
【0054】
比較例3の突条が何も設けていないものは、経糸が形成する凹凸構造では特別な整流効果も通水速度、圧力損失のいずれの点でも他のものより劣った。
【0055】
【表1】