特許第6180914号(P6180914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180914
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】通帳取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20170807BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20170807BHJP
   G06K 7/08 20060101ALI20170807BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G07D9/00 436A
   G07D9/00 416Z
   G06K7/00 004
   G06K7/08 040
   G06K7/14 013
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-257591(P2013-257591)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2015-114925(P2015-114925A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】石田 卓資
(72)【発明者】
【氏名】田辺 真三
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−119470(JP,A)
【文献】 特開2011−243062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
B42D 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冊子状媒体の挿入を受ける挿入口と、
挿入された前記冊子状媒体を搬送するための複数の搬送ローラを備える搬送路と、
前記冊子状媒体について複数が重なって搬送される重送を検知するための重送検知センサと、
捲りローラと、
制御部とを有し、
前記制御部は、
前記冊子状媒体を前記搬送路上の前記捲りローラの近傍位置へ搬送させる処理と、
前記冊子状媒体が前記捲りローラの近傍位置に搬送されたときに、前記複数の搬送ローラの少なくとも一部を前記冊子状媒体を挟持する状態から挟持を開放する状態へ切り替える処理と、
前記複数の搬送ローラの少なくとも一部が前記挟持を開放する状態に切り替わるときに、前記捲りローラを前記冊子状媒体に接触させかつ回転させる処理と、
前記重送検知センサから受信する、前記冊子状媒体の存在の検知に関する信号に基づいて前記重送の有無を判定する処理とを制御し、
前記搬送ローラは、駆動ローラと前記駆動ローラの回転に従動して回転する従動ローラとを有し、前記制御部は、前記挟持を開放する状態の前記搬送ローラの少なくとも一部について、前記駆動ローラと前記従動ローラとの距離を広げるように制御し、
一の前記冊子状媒体が前記近傍部位に搬送される場合、前記重送検知センサは前記冊子状媒体の存在を検知しない状態を継続し、前記制御部は前記信号に基づいて前記重送なしと判断し、
複数の前記冊子状媒体が前記近傍部位に搬送される場合、前記重送検知センサは前記冊子状媒体の存在を検知しない状態から検知する状態へ遷移し、前記制御部は前記信号に基づいて前記重送ありと判断することを特徴とする冊子状媒体処理装置。
【請求項2】
前記捲りローラの前記冊子状媒体に接する領域と前記搬送ローラの前記冊子状媒体に接する領域とは、前記冊子状媒体よりも摩擦係数が高い素材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の冊子状媒体処理装置。
【請求項3】
前記捲りローラの前記冊子状媒体に接する領域と前記搬送ローラの前記冊子状媒体に接する領域とは、摩擦係数が異なることを特徴とする請求項1に記載の冊子状媒体処理装置。
【請求項4】
前記捲りローラは、前記搬送ローラの少なくとも一部が前記挟持を開放する状態であるときに、前記冊子状媒体を繰り出すように回転することを特徴とする請求項1に記載の冊子状媒体処理装置。
【請求項5】
前記搬送ローラの前記冊子状媒体に接する領域は、前記捲りローラの前記冊子状媒体に接する領域よりも大きい摩擦力を前記冊子状媒体との間で生じ、
前記重送検知センサは、前記搬送路方向において前記捲りローラよりも前記挿入口側と反対の方向よりに配置されることを特徴とする請求項1に記載の冊子状媒体処理装置。
【請求項6】
一の前記冊子状媒体が前記近傍部位に搬送される場合、一の前記冊子状媒体は前記捲りローラが回転するときに実質的に移動せず、
複数の前記冊子状媒体が前記近傍部位に搬送される場合、複数の前記冊子状媒体のうちの前記捲りローラに接する冊子状媒体は、前記捲りローラが回転するときに前記重送検知センサ側へ繰り出され、複数の前記冊子状媒体のうちの前記捲りローラに接しない第2の媒体は、実質的に移動しないことを特徴とする請求項5に記載の冊子状媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行などの金融機関で使用され通帳に取引情報の印字を行う通帳取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現金自動預払い機(ATM)における通帳印字では、一般に、挿入された通帳の磁気ストライプなどの記憶手段に記憶された次印字行、通帳取扱装置の頁マーク検出手段で検出した挿入頁、および印字行検出手段で検出した最終印字済行に基づいて、挿入されたページが妥当である場合に、処理を受け付ける。
【0003】
このような通帳取扱装置に利用者が通帳を挿入する際に利用者が誤って二冊あるいはそれ以上の通帳を開いた状態で挿入(重送)する場合、印字面側の通帳に磁気面側の通帳の口座情報に基づく印字がなされる可能性がある。この可能性を回避する策として、挿入された通帳の厚さに応じて搬送する通帳が一冊か複数冊かを判定する技術がある(例えば特許文献1乃至3)また、通帳の捲り処理により通帳をずらして分離し、分離後の通帳の長さを検出して重走検知を行う技術がある(例えば特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−241013号公報
【特許文献2】特開平 8− 26528号公報
【特許文献3】特開昭60−250490号公報
【特許文献4】特開2011−243062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
重送検知については、重なった冊子状媒体(通帳)をずらして媒体の長さを検出する場合、媒体の重なりを検出するために長さ検知用の媒体の搬送が必要となり、取扱時間が増加する課題がある。
【0006】
また、挿入された媒体の厚さに応じて重なりを判定する方式においては、高精度の厚み検知センサが追加で必要となり、通帳処理装置の大型化やコストアップの課題がある。
【0007】
本発明は、媒体の重なりを検出するための長さ検知向けの媒体搬送を行わない媒体の重送検知により、重送検知による取扱時間増加を低減し、簡易な構成で確実に重送を検知することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による冊子状媒体処理装置は一例として、冊子状媒体の挿入を受ける挿入口と、挿入された前記冊子状媒体を搬送するための複数の搬送ローラを備える搬送路と、前記冊子状媒体について複数が重なって搬送される重送を検知するための重送検知センサと、捲りローラと、制御部とを有し、前記制御部は、前記冊子状媒体を前記搬送路上の前記捲りローラの近傍位置へ搬送させる処理と、前記冊子状媒体が前記捲りローラの近傍位置に搬送されたときに、前記複数の搬送ローラの少なくとも一部を前記冊子状媒体を挟持する状態から挟持を開放する状態へ切り替える処理と、前記複数の搬送ローラの少なくとも一部が前記挟持を開放する状態に切り替わるときに、前記捲りローラを前記冊子状媒体に接触させかつ回転させる処理と、前記重送検知センサから受信する、前記冊子状媒体の存在の検知に関する信号に基づいて前記重送の有無を判定する処理とを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
搬送路に沿って搬送する冊子状媒体の重送を精度良く判定することができる。また、重送検知にあたり冊子状媒体(通帳)の長さの検出が不要であるため、取引時間の増加をおさえつつも取引明細の誤印字の機会を極小化し、冊子状媒体を用いた取引処理の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】通帳処理ユニットの主要部の構成を示すブロック図である。
図2】通帳処理ユニットの内部構成を示す概略図である。
図3】通帳がページ捲り位置に位置する状態を示している。
図4】通帳が重送検査位置に位置する状態を示している。
図5】ページ捲り処理を説明する図である。
図6】ページ捲り処理を説明する図である。
図7】ページ捲り処理を説明する図である。
図8】ページ捲り処理を説明する図である。
図9】ページ捲り処理を説明する図である。
図10】繰出処理を説明する図である。
図11】繰出処理を説明する図である。
図12】繰出処理を説明する図である。
図13】繰出処理を説明する図である。
図14】繰出処理を説明する図である。
図15】通帳処理ユニットの動作を示すフローチャートである。
図16】別の実施形態の繰出処理を説明する図である。
図17】別の実施形態の繰出処理を説明する図である。
図18】別の実施形態の繰出処理を説明する図である。
図19】別の実施形態の繰出処理を説明する図である。
図20】別の実施形態の繰出処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、通帳媒体処理装置である通帳処理ユニットの主要部の構成を示すブロック図である。図2は、この通帳処理ユニットの内部構成を示す概略図である。この通帳処理ユニット1は、図1に示すように、制御部2と、搬送部3と、検知部4と、磁気データ処理部5と、印字部6と、バーコード読取部7と、ページ捲りローラ駆動部8と、通信部9と、を備えている。
この通帳処理ユニット1は、銀行等の金融機関に設置される現金自動預け払い機(ATM)や、記帳機等の自動機に組み込むことができる。この通帳処理ユニット1は、通帳を受け付けると、その通帳に対応する口座に対して行われた取引であって、その時点で取引内容を当該通帳に印字していない取引(このとき、同時に行う取引も含む。)があれば、その取引の取引内容を受け付けた通帳に印字する。
図1、および図2を参照しながら、通帳処理ユニット1の各部の構成について説明する。制御部2は、通帳処理ユニット1本体各部の動作を制御する。制御部2は、CPUやメモリ(不揮発性メモリ、および揮発性メモリ)を有する。この制御部2が、本実施例におけるページ捲り処理部、繰出処理部、および重送判定部にかかる構成を有する。
搬送部3は、搬送路に沿って通帳を搬送する。搬送路は、一対の搬送ローラ31〜36を並べて形成している。一対の搬送ローラ31〜36は、一方がパルスモータ(不図示)により回転駆動される駆動ローラであり、他方が駆動ローラの回転に従動して回転する従動ローラである。隣接する搬送ローラ31〜36の間隔は、ページを開いた通帳の搬送方向の長さよりも短い。搬送部3は、通帳を、駆動ローラと従動ローラとで挟持して搬送する。搬送路は、通帳処理ユニット1本体正面に設けた通帳挿入口12と、後述するページ捲り位置とを結んでいる。また、搬送路における通帳挿入口12とページ捲り位置との間に、後述する磁気データ読取位置、印字位置、光学データ読取位置、重送検査位置等を設定している。
また、搬送部3は、制御部2からの指示にしたがって駆動ローラを回転駆動する。また、搬送部3は、制御部2からの指示にしたがって駆動ローラの回転方向を切り替えることで、通帳を通帳挿入口12から通帳処理ユニット1本体内部に取り込む方向(図2に示す左方向)、および通帳処理ユニット1本体内部から通帳挿入口12に排出する方向(図2に示す右方向)に搬送することができる。ここでは、搬送路における通帳の搬送方向にかかわらず、通帳挿入口12側を通帳の後端といい、搬送路での通帳挿入口12側と反対の側を通帳の先端という。
なお、ここでは、搬送路を6つの搬送ローラ31〜36で構成した例を示しているが、搬送路を形成する搬送路ローラの個数については、6つに限定されることはなく、いくつであってもよい。
検知部4は、通帳の有無を検知する搬送路の検知点毎に、光学センサ41〜45を有している。光学センサ41は、反射型であってもよいし、透過型であってもよい。ここでは、反射型の光学センサ41〜45を用いた場合を例にしている。検知部4は、光学センサ41〜45毎に、その光学センサ41〜45の検知位置における通帳の先端(ページ捲り位置側)、または後端(通帳挿入口12側)の通過を検知する。
制御部2は、光学センサ41〜45による先端、または後端の検知、および搬送部3による通帳の搬送量(駆動ローラの回転量)に基づき、搬送路における通帳の位置を推定する。光学センサ41の検知位置と、光学センサ44の検知位置との距離は、搬送路に沿って搬送するページを開いた状態の通帳の搬送方向の長さよりも長いものとする。差は数十mm(30〜40mm程度)であってもよい。したがって、光学センサ41と光学センサ44とが同時に通帳を検出したときには、何らかの異常が生じている。
なお、ここでは、搬送路に沿って配置した5つの光学センサ41〜45を例示しているが、その個数については、5つに限定されることはなく、いくつであってもよい。
磁気データ処理部5は、搬送路を搬送されている通帳に貼付されている磁気ストライプに当接し、この磁気ストライプに対する磁気データの読取や記録を行う磁気ヘッド51を有している。この磁気ストライプには、対応する口座の口座番号等が記録されている。この磁気ヘッド51を配置している位置が、磁気データ読取位置である。
印字部6は、搬送路を搬送されている通帳に対して取引内容を印字する印字ヘッド61を有している。この印字ヘッド61を配置している位置が、印字位置である。
バーコード読取部7は、搬送路を搬送されている通帳の開かれている頁に印刷されているバーコード(頁番号等)を読み取るバーコードリーダ71を有している。このバーコードリーダ71を配置している位置が、光学データ読取位置である。
ページ捲りローラ駆動部8は、搬送路を搬送されている通帳の頁を捲るページ捲りローラ81を回転駆動する。ページ捲りローラ駆動部8は、制御部2からの指示にしたがってページ捲りローラ81を回転する。ページ捲りローラ81の回転方向は1方向であってもよい(図2において、右回りである。)。ページ捲りローラ81を回転したときに、通帳がページ捲り位置にあれば、本実施例におけるページ捲り処理が行われ、通帳が重送検査位置にあれば、本実施例における繰出処理が行われる。
さらに、通信部9は、この通帳処理ユニット1を組み込んだATMや記帳機等の上位装置の主制御部(不図示)との間における通信を行う。
ここでページ捲り位置と、重送検査位置とについて説明する。図3は、通帳がページ捲り位置に位置する状態を示している。図4は、通帳が重送検査位置に位置する状態を示している。図3、および図4に示すように、ページ捲り位置と、重送検査位置とでは、ページ捲りローラ81に対する、通帳の背山の位置が異なる。ページ捲りローラ81は、図3、および図4に矢示する方向に回転する。ページ捲りローラ81は、偏心ローラであり、回転したときに、周面の一部が搬送路に位置している通帳の開かれているページに当接する。ページ捲り位置では、ページ捲りローラ81を回転させたとき、このページ捲りローラ81が当接したページが通帳の背山側に捲り上げられる方向に摩擦力が生じる。図3に示すように、ページ捲り位置では、通帳の背山がページ捲りローラ81よりも先端側に位置している。
一方、重送検査位置では、ページ捲りローラ81を回転させたとき、このページ捲りローラ81が当接したページが通帳の背山側に捲り上げられる方向ではなく、通帳を先端側に繰り出す方向に摩擦力が生じる。図4に示すように、重送検査位置では、通帳の背山がページ捲りローラ81よりも後端側に位置している。
次に、図5図9を参照しながら、ページ捲り処理について説明する。図5は、通帳をページ捲り位置に搬送し、停止した状態を示している。制御部2は、ページ捲りローラ駆動部8に対して、ページ捲りローラ81の回転駆動を指示する。ページ捲りローラ駆動部8は、この指示にしたがって、ページ捲りローラ81を1回転する。このページ捲りローラ81の回転により、ページ捲りローラ81が当接したページが通帳の背山側に捲り上げられる(図6図7参照)。
制御部2は、搬送部3に対して通帳を印字位置側に搬送することを指示する。搬送部3が、この指示にしたがって、通帳を印字位置側に搬送すると、ページ捲りローラ81により捲り上げられたページが、通帳の搬送にともなって、反対側に倒れる(図8図9参照)。これにより、通帳のページが捲られた状態になる。
次に、図10図14を参照しながら、繰出処理について説明する。図10は、通帳を搬送路上のページ捲りローラの近傍位置である重送検査位置に搬送し、停止した状態を示している。制御部2は、搬送部3に対して搬送ローラ31〜36の駆動ローラと従動ローラ(搬送路上の搬送ローラの少なくとも一部)との距離を広げる(挟持の開放)ことを指示する。搬送部3は、搬送ローラ31〜36の駆動ローラ、または従動ローラの少なくとも一方の回転軸を搬送路における通帳の搬送面に対して実質的に垂直方向に移動できる構成である。すなわち、搬送部3は、搬送ローラ31〜36が通帳を挟持する状態と、通帳の挟持を開放する状態との切り換えが行える。ここで、通帳の挟持を開放する状態とは、搬送ローラの少なくとも一部が通帳に接触しつつ通帳を挟む圧力を通帳を挟持する状態よりも弱めた状態をいう。
【0012】
搬送部3は、制御部2からの指示にしたがって、搬送ローラ31〜36の駆動ローラと従動ローラとの距離を広げて挟持を開放し、搬送ローラ31〜36が通帳を挟持を開放する状態に切り換える(図11参照)。
制御部2は、ページ捲りローラ駆動部8に対して、ページ捲りローラ81の回転駆動を指示する。ページ捲りローラ駆動部8は、この指示にしたがって、ページ捲りローラ81を1回転する。通帳は、このページ捲りローラ81の回転により、ページ捲りローラ81が当接したページとの間で生じた摩擦力により、先端側(図12に示す左側)に繰り出される。なお、ページ捲りローラと搬送ローラの通帳に接する領域とは、通帳よりも摩擦係数が高い素材で構成される。また、ページ捲りローラと搬送ローラの通帳に接する領域とは、摩擦係数が異なる構成とし、摩擦係数の違いにより、ページ捲りローラと搬送ローラとの間の通帳の動きを制御してもよい。本実施例では、搬送ローラの通帳に接する領域は、ページ捲りローラの通帳に接する領域よりも摩擦係数が高い素材を用いてもよい。この場合、後述する重送された通帳のうちの一の通帳の繰り出しをよりスムーズに行うことが可能である。
重送検査位置に搬送された通帳が一冊の場合、ページ捲りローラ81が当接した通帳面とページ捲りローラ81との間で生じる摩擦力は、搬送ローラ34と搬送ローラ34が当接した通帳面との間で生じる摩擦力よりも小さい。このため、ページ捲りローラ81の摩擦による通帳繰り出し力が弱くなり、図13に示すように、通帳は重送検査位置からほとんど移動しない。
【0013】
このとき、重送検知センサ45は、通帳によって検知範囲を遮られることがないために、通帳の存在を検知しない状態が継続する。この結果として、重送検知センサ45からの実質的に変化のない信号を受理する制御部2は重送なしと判断する。 一方、重送検査位置に搬送された通帳が複数(2冊)重なって重送となっていた場合、搬送ローラ34に当接している通帳は、搬送ローラ34と搬送ローラ34が当接した通帳面との間で生じる摩擦力が大きいことにより重送検査位置からほとんど移動しない。しかし、ページ捲りローラ81に当接している通帳は、搬送ローラ34に当接している通帳との接触面の摩擦力が通帳間の摩擦力であることから小さいため、ページ捲りローラ81の摩擦による通帳繰り出し力が強くなり、図14に示すように、ページ捲り位置側(通帳挿入口向き方向と逆の方向)に移動する。
【0014】
このとき、重送検知センサ45は、ページ捲りローラ81に当接している通帳によって検知範囲を遮られるために、通帳の存在を検知しない状態から検知する状態へと遷移する。この結果として、重送検知センサ45からの遷移を含む信号を受理する制御部2は重送ありと判断する。
【0015】
その後、制御部2は、搬送部3に対して搬送ローラ31〜36の駆動ローラと、従動ローラとの挟持の開放の解除を指示する。搬送部3は、制御部2からの指示にしたがって、搬送ローラ31〜36が通帳を挟持する状態に戻す。さらに、制御部2は、搬送部3に対して通帳を印字位置側に搬送することを指示する。搬送部3が、この指示にしたがって、通帳を印字位置側に搬送する。
次に、この通帳処理ユニット1の動作について説明する。図15は、通帳処理ユニットの動作を示すフローチャートである。
制御部2は、通帳挿入口12に通帳が挿入されるのを待つ(s1)。通帳処理ユニット1は、検知部4が光学センサ41により物体を検知すると、通帳挿入口12に通帳が挿入されたと判定する。
制御部2は、搬送部3により、通帳挿入口12に挿入された通帳を重送検査位置に搬送する搬送処理を開始する(s2)。
通帳処理ユニット1は、重送検査位置に向かって搬送している通帳に対して、磁気データの読み取り(s3)、バーコードの読み取り(s4)を行う。<*6:10月打合せを踏まえ長さ算出を削除しました。>s3では、磁気データ処理部5が搬送路に沿って搬送されている通帳に貼付されている磁気ストライプに磁気ヘッド51を当接し、記録されている磁気データを読み取る。
s4では、バーコード読取部7が、搬送路に沿って搬送されている通帳の開かれているページに印刷されているバーコードを読み取るとともに、そのページの印字済最終行を検知する。
制御部2は、s3で読み取った磁気データ、s4で読み取ったバーコードに基づき、通帳が適正であるかどうかを判定する(s5)。s5では、今回通帳挿入口12に挿入されたものが、通帳以外のもの(異物)であった場合も、適正でないと判定する。
制御部2は、s5で通帳が適正でないと判定すると、s2で開始した重送検査位置への搬送処理を中止し、通帳(または異物)を通帳挿入口12に放出(返却)するエラー処理を行い(s6)、本処理を終了する。また、s6では、ATMや記帳機等の上位装置に対して警告報知を要求してもよい。
制御部2は、s5で通帳が適正であると判定すると、その通帳がページ捲りローラ81の近傍位置である重送検査位置に達するのを待つ(s7)。制御部2は、通帳が重送検査位置に達すると、上述した繰出処理を行う(s8)。制御部2は、重送検知センサ45の読み取りを開始する(s9)。
制御部2は、重送検知センサ45で通帳の存在を検知すると
重送検知センサ45が送信する、通帳の存在の検知に関する信号を受信する制御部2は当該信号に基づいて重送の発生の有無を判定(s10)し、発生している場合にはs6でエラー処理を行う。制御部2は、通帳の重送が生じていないと判定すると、この通帳を印字位置に搬送し、印字処理を行い(s11)、この印字処理が完了すると、通帳を通帳挿入口12に搬送し(s13)、本処理を終了する。
s11における印字処理では、取引内容を印字しているページの最終行に対する印字を行うと、この通帳をページ捲り位置に搬送し、上述したページ捲り処理を行った後に、取引内容を通帳に印字する印字処理を再開する。
このように、本実施例の通帳処理ユニット1は、重送判断の際に媒体の搬送が不要なので重送検知に伴う処理時間を大幅に削減することができ、また、重送の検知精度も十分に確保できる。
なお、本実施例に記載の発明は、上述の通帳処理ユニットに限らず、ページを開いた状態で冊子状媒体を送路に沿って搬送する機器に適用できる。
以上に示した実施例では重送検知センサ45をページ捲りローラ81と搬送ローラ35の間、すなわち搬送路方向においてページ捲りローラ81よりも通帳挿入口側と反対の方向よりに配置し、ページ捲りローラ81が当接した通帳との間で生じる摩擦力を、搬送ローラ34が当接した通帳との間で生じた摩擦力よりも小さくなるように構成し、通帳の繰り出しの有無から重送を検知している。以下に、さらに他の実施例を説明する。
【0016】
他の実施例では、重送検知センサ45を搬送ローラ33と搬送ローラ34の間、すなわち搬送路方向においてページ捲りローラ81よりも通帳挿入口側よりに配置し、ページ捲りローラ81が当接した通帳との間で生じる摩擦力を、搬送ローラ34が当接したページとの間で生じた摩擦力よりも大きくなるように構成し、1冊の通帳の場合には繰り出しにより重送センサの検知内容が変化することを検知する。
【0017】
なお、ページ捲りローラと搬送ローラの通帳に接する領域とは、通帳よりも摩擦係数が高い素材で構成される。また、ページ捲りローラと搬送ローラの通帳に接する領域とは、摩擦係数が異なる構成とし、摩擦係数の違いにより、ページ捲りローラと搬送ローラとの間の通帳の動きを制御する。
【0018】
本実施例では、ページ捲りローラの通帳に接する領域は、搬送ローラの通帳に接する領域よりも摩擦係数が高い素材を用いる。ページ捲りローラはページ捲りのために通帳と接する領域の摩擦係数が高くなるように構成されており、搬送ローラの通帳に接する領域の摩擦係数を特にページ捲りローラの通帳と接する領域よりも小さく構成することにより、ページ捲りローラと通帳との間の摩擦力を、搬送ローラと通帳との間の摩擦力より確実に大きくさせ、通帳の搬送をよりスムーズに実行することができる。
【0019】
また、ページ捲りローラの通帳と接する領域は、搬送ローラの通帳に接する領域よりも可塑性が高い素材としてもよい。この場合、ページ捲りローラと通帳との接触の際の接触面が大きくなり、ページ捲りローラと通帳との間の摩擦力を、搬送ローラと通帳との間の摩擦力よりもさらに確実に大きくさせ、通帳の搬送をさらにスムーズに実行することができる。
【0020】
図16図20を参照しながら、この方式について説明する。図16は、通帳を重送検査位置に搬送し、停止した状態を示している。制御部2は、搬送部3に対して搬送ローラ31〜36の駆動ローラと従動ローラとの距離を広げる(挟持の開放)することを指示する。挟持の開放については、上記の実施例と同様である。搬送部3は、搬送ローラ31〜36の駆動ローラ、または従動ローラの少なくとも一方の回転軸を搬送路における通帳の搬送面に対して実質的に垂直方向に移動できる構成である。すなわち、搬送部3は、搬送ローラ31〜36が通帳を挟持する状態と、通帳の挟持を開放する状態との切り換えが行える。搬送部3は、制御部2からの指示にしたがって、搬送ローラ31〜36の駆動ローラと従動ローラとの距離を広げて挟持を開放し、搬送ローラ31〜36が通帳の挟持を開放する状態に切り換える(図17参照)。
制御部2は、ページ捲りローラ駆動部8に対して、ページ捲りローラ81の回転駆動を指示する。ページ捲りローラ駆動部8は、この指示にしたがって、ページ捲りローラ81を1回転する。通帳は、このページ捲りローラ81の回転により、ページ捲りローラ81が当接したページとの間で生じた摩擦力により、先端側(図18に示す左側)に繰り出される。
重送検査位置に搬送された通帳が一冊の場合、ページ捲りローラ81が当接した通帳面とページ捲りローラ81との間で生じる摩擦力は、搬送ローラ34が当接した通帳面との間で生じる摩擦力よりも大きいため<*7同様>、図19に示すように、通帳は、先端側(図18に示す左側)に繰り出され、通帳挿入口から遠ざかる方向に移動する。
【0021】
このとき、重送検知センサ45は、ページ捲りローラ81の回転前には検知範囲を遮っていた通帳が移動して検知範囲を遮らなくなるために、通帳の存在を検知する状態から検知しない状態へ遷移する。この結果として、重送検知センサ45からの遷移を含む信号を受理する制御部2は、重送なしと判断する。
【0022】
一方、重送検査位置に搬送された通帳が複数(2冊)重なって重送となっていた場合、搬送ローラ34に当接している通帳は、搬送ローラ34と搬送ローラ34が当接した通帳面との間で生じる摩擦力が大きいので重送検査位置から実質的に移動しない。しかし、ページ捲りローラ81に当接している通帳は、搬送ローラ34に当接している通帳との接触面の摩擦力が通帳間の摩擦力であることから小さいため、ページ捲りローラ81の摩擦による通帳繰り出し力が強くなり、図20に示すように、ページ捲り位置側(通帳挿入口向き方向と逆の方向)に移動する。
【0023】
このとき、重送検知センサ45は、ページ捲りローラ81の回転前には検知範囲を遮っていた重送通帳のうち搬送ローラ34に当接している通帳が実質的に移動しないために、通帳の存在を検知する状態が継続する。この結果として、重送検知センサ45からの実質的に変化しない信号を受理する制御部2は重送ありと判断する。
【0024】
以上では重送検知センサ45を独立したセンサとして実装した例を示したが、搬送制御センサが機能を兼ねる実装としても差支えない。
【0025】
また、以上では頁捲りローラ81を使用して繰り出しを実現しているが、繰り出し専用ローラを設ける方式としても差支えない。
【0026】
また、以上では頁捲りローラ81を使用して繰り出しを実現しているが、搬送ローラの一部に繰り出しローラの機能を持たせる方式としても差支えない。
【符号の説明】
【0027】
1…通帳処理ユニット
2…制御部
3…搬送部
4…検知部
5…磁気データ処理部
6…印字部
7…バーコード読取部
8…ローラ駆動部
9…通信部
31〜36…搬送ローラ
41〜45…光学センサ
51…磁気ヘッド
61…印字ヘッド
71…バーコードリーダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図20