【実施例1】
【0044】
本発明に係る手動液体供給装置を自動液体供給装置に変換する変換装置の一例である手動液体供給装置である手動ビールディスペンサを自動ビールディスペンサに変換する変換装置(以下、自動ビールディスペンサ変換装置100とする。)について
図1〜
図16を用いて説明する。
図1に、自動ビールディスペンサ変換装置100を手動ビールディスペンサM100に取り付けた状態を示す。自動ビールディスペンサ変換装置100は、手動ビールディスペンサM100に後付けし、所定位置にビールジョッキを配置すると自動的にビールを供給する自動ビールディスペンサに変換するものである。
【0045】
第1 自動ビールディスペンサ変換装置100の全体構成
自動ビールディスペンサ変換装置100の全体構成について
図2を用いて説明する。自動ビールディスペンサ変換装置100は、変換装置本体101、固定リング103及び取付ベース105を有している。変換装置本体101は、手動ビールディスペンサM100のビールコックK100(
図1参照)に配置される操作レバーT100を自動的に操作するためのものである。固定リング103及び取付ベース105は、変換装置本体101を、手動ビールディスペンサM100に固定するためのものである。
【0046】
なお、操作レバーT100は、ビール及び泡の吐出、停止を操作するために、使用者が手動で操作するものである。
【0047】
以下において、変換装置本体101、固定リング103及び取付ベース105の構成について説明する。
【0048】
1.変換装置本体101の構成
変換装置本体101の構成について、
図2〜
図7を用いて説明する。
図2に示すように、変換装置本体101は、上部にレバー操作部101a、下部にジョッキ傾動部101bを有している。レバー操作部101aは、上部カバー111aを有している。レバー操作部101aは、内部に主としてレバー操作機構を有している。レバー操作部101aは、従来同様、所定のレール(図示せず)に沿って上下に移動できるように構成されている。
【0049】
ジョッキ傾動部101bは、下部カバー111bを有している。ジョッキ傾動部101bは、内部に主としてジョッキ傾動機構を有している。ここで、レバー操作機構は、手動ビールディスペンサM100の操作レバーT100を操作するための機構である。ジョッキ傾動機構は、ジョッキ傾動部101bのジョッキ載置プレートを傾動させるための機構である。
【0050】
(1)レバー操作部101aの構成
図3に、
図1における変換装置本体101から上部カバー111a(
図2参照)及び下部カバー111b(
図2参照)を取り外した状態を示す。レバー操作部101aは、動力源であるモータ113を、一つ、有している。また、後述する各種ギアの固定軸を固定するギア保持板114を有している。
【0051】
図4に、レバー操作部101aからモータ113及びギア保持板114を取り外した状態を示す。レバー操作部101aは、動力ギア121、中間ギア123、水平動作ギア125、垂直動作ギア127、溝カム131、垂直動作ラック133、垂直動作プレート135、カムフォロア141(
図5参照)、水平動作ラック143、カムフォロア固定プレート145、水平動作プレート147を有している。
【0052】
ここで、溝カム131、垂直動作ラック133、及び垂直動作プレート135によって、垂直動作部151が形成される。また、カムフォロア141、水平動作ラック143、カムフォロア固定プレート145、及び水平動作プレート147によって、水平動作部153が形成される。
【0053】
動力ギア121は、モータ113に接続されている。動力ギア121は、モータ113の回転に合わせて動作する。中間ギア123は、動力ギア121と噛み合うように、動力ギア121に対して斜め下に配置されている。水平動作ギア125は、中間ギア123と噛み合うように、中間ギア123に対して斜め下に配置されている。垂直動作ギア127は、中間ギア123と噛み合うように、中間ギア123に対してほぼ真横に配置されている。動力ギア121、中間ギア123、水平動作ギア125、及び垂直動作ギア127は、正面から見て垂直に配置されている。
【0054】
図5に、各ギアを取り除いた状態のレバー操作部101aを示す。溝カム131は、カムフォロア141の移動を制限する溝131aを有している。溝131aは、下部水平溝131b、下部中間接続溝131c、中間垂直溝131d、上部中間接続溝131e、及び上部水平溝131fを有している。下部水平溝131b、下部中間接続溝131c、中間垂直溝131d、上部中間接続溝131e、及び上部水平溝131fは、S字状に配置されている。
【0055】
溝カム131及び垂直動作ラック133は、垂直動作プレート135に固定されている。垂直動作プレート135は、L字形状を有し、正面から平面状に見えるラック固定面135a、ラック固定面135aに対して垂直なカム固定面135bを有している。ラック固定面135aには、垂直動作ラック133が、垂直動作ギア127と噛み合うように配置される。垂直動作ラック133は、垂直動作ギア127と噛み合う一連の歯を有している。カム固定面135bには、溝カム131が配置されている。
【0056】
垂直動作プレート135は、左右に形成されるレール(図示せず)に沿って、上下に移動可能に構成されている。垂直動作プレート135の外観を
図5aに示す。
図5aに示すように、垂直動作プレート135には、押圧ロッド139が、固定されている。押圧ロッド139は、垂直動作プレート135のラック固定面135aの左右の端部に、それぞれ固定されている。つまり、押圧ロッド139は、垂直動作プレート135の動作に合わせて、上下動する。
【0057】
図5に戻って、カムフォロア141は、カムフォロア固定プレート145に固定されている。カムフォロア固定プレート145は、垂直動作プレート135のカム固定面135bと平行に配置されている。カムフォロア固定プレート145及び水平動作ラック143は、水平動作プレート147に固定されている。水平動作ラック143は、水平動作ギア125と噛み合う歯が形成される第1歯部143a及び第2歯部143b、さらに、歯が形成されていない中間歯部143cを有している。中間部143cは、第1歯部143aと第2歯部143bとの間に形成されている。水平動作プレート147は、手動ビールディスペンサM100におけるビールコックK100の操作レバーT100が配置されるレバー操作開口A147を有している。
【0058】
(2)ジョッキ傾動部101bの構成
次に、
図6を用いてジョッキ傾動部101bの構成について説明する。ジョッキ傾動部101bは、ジョッキ載置プレート回転支持部161、ジョッキ載置プレート傾動部163、傾動回転支持部165、傾動操作部167、及びジョッキ載置プレート169(図示せず)を有している。なお、
図6には、
図3に示すジョッキ傾動部101bから、ジョッキ載置プレート169を取り外した状態を示している。
【0059】
ジョッキ載置プレート回転支持部161は、ジョッキ傾動部101bを正面から見て左右に一つずつ配置されている。ジョッキ載置プレート回転支持部161は、ジョッキ載置プレート169(
図9a参照)の回転軸169aを受ける回転軸受け開口161aを有している。回転軸受け開口161aは、上側が開放されているU字形状を有している。ジョッキ載置プレート169の回転軸を、回転軸受け部161aに載置することによって、ジョッキ載置プレート169は、ジョッキ傾動部101bに対して回転可能な状態で保持される。なお、ジョッキ載置プレート169は、ジョッキ載置プレート回転支持部161に対して取り外し可能であり、ひいてはジョッキ傾動部101bに対して取り外し可能である。
【0060】
ジョッキ載置プレート傾動部163は、下端が開放されたコの字形状を有している。ジョッキ載置プレート傾動部163は、水平部163a、ジョッキ載置プレート支持部163cによって形成されている。
【0061】
水平部163aは、傾動操作ロッド167a(後述)からの下向きの押圧力を受ける圧力受領部163bを、両端部に有している。圧力受領部163bは、傾動操作ローラ167b(後述)と対向する位置に設けられる。
【0062】
ジョッキ載置プレート支持部163cは、水平部163aのそれぞれの両端部から連続して位置する。また、ジョッキ載置プレート支持部163cは、J字形状を有している。ジョッキ載置プレート支持部163cは、水平部163aから遠い端部にジョッキ載置プレート支持ローラ163dを有している。一方、ジョッキ載置プレート支持部163cは、水平部163aに近い端部には、回転軸163eを有している。
【0063】
傾動回転支持部165は、ジョッキ傾動部101bを正面から見て左右に一つずつ、ジョッキ載置プレート回転支持部161の下方に配置されている。なお、
図6においては、左右の傾動回転支持部165は、一体として構成されている。傾動回転支持部165は、ジョッキ載置プレート傾動部163の回転軸163eを受ける回転軸受け開口165aを有している。回転軸受け開口165aは、円孔形状を有している。ジョッキ載置プレート傾動部163の回転軸163eを回転軸受け開口165aに配置することによって、ジョッキ載置プレート傾動部163は、ジョッキ傾動部101bに対して回転可能な状態で保持される。
【0064】
傾動操作部167は、ジョッキ載置プレート傾動部163の上側に配置される。傾動動作部167は、傾動操作ロッド167a(後述)の動きに合わせて、上下動する。
【0065】
傾動操作部167の外観を
図6aに示す。傾動操作部167は、傾動動作ロッド167a、傾動操作ローラ167bを有している。傾動操作ロッド167aは、傾動操作部167を正面から見て左右の端部に一つずつ配置されている。なお、本実施形態においては、傾動操作ロッド167aは、左右、一体として動作するように構成されている。傾動操作ロッド167aは、上下に可動なように構成されている。
【0066】
傾動操作ロッド167aは、細長い角柱形状を有している。傾動操作ロッド167aの下側の端部には傾動操作ローラ167bが配置されている。傾動操作ローラ167bは、傾動操作ロッド167aの動きに合わせて、上下動する。
【0067】
ここで、垂直動作プレート135、押圧ロッド139、ジョッキ載置プレート傾動部163及び傾動操作部167の配置位置について
図6bを用いて説明する。
図6bは、自動ビールディスペンサ変換装置100を手動ビールディスペンサM100に取り付けた状態で、垂直動作プレート135、押圧ロッド139、傾動回転支持部165及び傾動操作部167のみを示した図である。
【0068】
垂直動作プレート135の下部には傾動操作部167が配置される。このとき、押圧ロッド139からの押圧力を受けることができるように、傾動操作ロッド167aが、押圧ロッド139の下部に、押圧ロッド139に近接して配置される。
【0069】
傾動操作部167の下部にはジョッキ載置プレート傾動部163が配置される。このとき、ジョッキ載置プレート傾動部163は、傾動操作ロッド167aの端部に位置する傾動操作ローラ167bからの下向きの押圧力を受けることができるように配置される。
【0070】
2.固定リング103の構成
固定リング103の構成について、
図2を用いて説明する。固定リング103は、2つの分割固定リング103a、103b、分割固定リング結合ボルト103c、及び固定リング取付開口103dを有している。なお、分割固定リング103a及び分割固定リング103bが一体となることによって、固定リング取付開口103dが形成される。
【0071】
2つの分割固定リング103a、103bによって、手動ビールディスペンサM100のビールコック取付部C101を左右から挟み込み、ビールコック取付部C101を固定リング取付開口103dに配置した後、分割固定リング結合ボルト103cによって、分割固定リング103a、103bを一体に結合するとともに、両者をビールコック取付部C101に固定する。
【0072】
3.取付ベース105の構成
取付ベース105の構成について、
図2を用いて説明する。取付ベース105は、ベースプレート105a及びベースプレート固定ボルト105cを有している。
【0073】
ベースプレート105aは、金属製の板によって形成されている。また、ベースプレート105aは、ベースプレート取付開口105b、及び、本体取付開口105dを有している。ベースプレート取付開口105bは、ベースプレート105aのほぼ中央に形成されている。ベースプレート取付開口105bは、ベースプレート105aを手動ビールディスペンサM100のビールコック取付部C101に取り付けるためのものである。ベースプレート取付開口105bは、手動ビールディスペンサM100のビールコック取付部C101の外径と同様、又はそれ以上の径を有している。
【0074】
本体取付開口105dは、ベースプレート取付開口105bを取り囲むように、複数、ベースプレート105aに形成されている。本体取付開口105dは、変換装置本体101を取り付けるためのものである。
【0075】
ベースプレート固定ボルト105cは、ベースプレート取付開口105bを取り囲むように、複数、ベースプレート105aに配置される。ベースプレート固定ボルト105cは、ベースプレート105aと螺合することによって、ベースプレート105aから突出する量を調整することができる。複数のベースプレート固定ボルト105cを配置することによって、ベースプレート105aを確実に手動ビールディスペンサM100の筐体C100に固定することができる。
【0076】
第2 動作
レバー操作機構及びジョッキ載置プレート傾動機構の動作について、
図7〜
図16を用いて説明する。
図7、
図8、
図10〜
図16は、レバー操作部101aを真横から見た図である。また、
図7、
図8、
図10〜
図16では、溝カム131、カムフォロア141、水平動作ラック143、垂直動作ラック133の位置関係を明確に示すために、各ギアを点線で示している。また、手動ビールディスペンサM100の操作レバーT100とレバー操作開口A147との関係を示し、操作レバーT100の動作を明確にするために、水平動作プレート147の断面を示している。
【0077】
図7に、ビールをビールジョッキに注ぐ前のレバー操作部101aの初期状態を示す。初期状態においては、水平動作ギア125と水平動作ラック143の第1の歯部143aの右端部近くとが噛み合っている。一方、垂直動作ギア127と垂直動作ラック133とは噛み合っていない。また、カムフォロア141は、溝カム131の下部水平溝131bの左側端部の近くに位置している。さらに、操作レバーT100は、レバー操作開口A147の左端に位置する。
【0078】
初期状態において、ビールを注ぐことを開始する信号を与えると、モータ113が動作する。このとき、モータ113は動力ギア121を右回りに回転させる。これにより、中間ギア123が左回りに回転し、水平動作ギア125及び垂直動作ギア127が右回りに回転する。水平動作ギア125の右回りの回転にともない、水平動作ギア125が水平動作ラック143を左側に押し出すので、水平動作部153が左側に移動する。
【0079】
カムフォロア141が左に移動し溝カム131の下部水平溝131bを左側に到達するまでは、カムフォロア141は、水平方向に移動しているため、垂直動作部151は、垂直方向へ移動することはない。このため、垂直動作部151は、そのままの位置を維持する。
【0080】
モータ113による右回りの回転を続けると、カムフォロア141が溝カム131の下部水平溝131bの左端に到達し、さらに、下部中間接続溝131cを移動し始める。このときのレバー操作部101aの状態を
図8に示す。カムフォロア141が下部中間接続溝131cを移動し始めると、垂直動作プレート135が下方へ移動し始める。そして、垂直動作ギア127と垂直動作ラック133とが噛み合いはじめる。これにより、垂直動作部151が下方へ押し出されるように移動する。そして、やがて垂直動作ギア127と垂直動作ラック133とが噛み合い始める。これにより、垂直動作プレート135が下方へ押し出され、さらに、押圧ロッド139を下方へ押し出す。
【0081】
ここで、押圧ロッド139の下側への移動にともなうジョッキ傾動機構の動作について
図6b及び
図9を用いて説明する。
図6bに示すように、押圧ロッド139が下側へ移動すると、傾動操作ロッド167aが下側へ移動し、合わせて傾動操作ローラ167bも下側へ移動する。そして、
図9に示すように、傾動操作ローラ167bは、下側への移動にともない、ジョッキ載置プレート傾動部163の水平部163aに形成されている圧力受領部163bに当接する。そして、ジョッキ載置プレート傾動部163を、回転軸163eを中心に回転させる。ジョッキ載置プレート傾動部163の回転にともない、ジョッキ載置プレート169(
図9a参照)が回転軸169a(
図9a参照)を中心に回転する。これにより、ジョッキ載置プレート169に載置していたビールジョッキを傾けることができる。
図9aに、ジョッキ載置プレート回転支持部161にジョッキ載置プレート169を配置し、ジョッキ載置プレート169を傾けた状態を示す。
【0082】
なお、以上のジョッキ傾動機構の動作は、後述する
図10〜
図16に示す垂直動作部151の下側への移動に合わせて行われる。
【0083】
カムフォロア141が下部中間接続溝131cを、ある程度、移動すると、水平動作ラック143の第1の歯部143aの右端が水平動作ギア125の位置に到達する。このときのレバー操作部101aの状態を
図10に示す。この状態以降、モータ113の右回り回転が続いても、水平動作ギア125と水平動作ラック143とが噛み合わなくなるため、水平動作ラック143は水平動作ギア125から押し出す力を受けることはなくなる。なお、下部中間接続溝131cは斜め左上に向かって形成されているため、水平動作部153は、カムフォロア141の移動にともない、水平動作ギア125から押し出しの力を受けないものの、左側へ移動する。一方、垂直動作ラック133が垂直動作ギア127から押し出す力を受けるため、垂直動作プレート135及び押圧ロッド139は、下方へ押し出され続ける。
【0084】
モータ113が右回りの回転を続けると、カムフォロア141が溝カム131の下部中間接続溝131cの左端に到達し、以降、水平動作部153は移動しなくなる。一方、垂直動作ギア127と垂直動作ラック133は噛み合い続けるため、垂直動作部151は、下方へ移動し続ける。このため、カムフォロア141は、相対的に、中間垂直溝131dを移動することになる。このときのレバー操作部101aの状態を
図11に示す。
【0085】
さらに、モータ113が右回りの回転を続けると、カムフォロア141が中間垂直溝131dの上端に到達する。このときの状態を
図12に示す。この状態まで、水平動作部153は停止している。
【0086】
さらに、モータ113が右回りの回転を続けると、垂直動作ギア127と垂直動作ラック133とが噛み合っているため、垂直動作部151は、下方へ移動し続ける。これにより、カムフォロア141は、上部中間接続溝131eを移動する。このときのレバー操作部101aの状態を
図13に示す。上部中間接続溝131eは斜め左上に向かって形成されているため、水平動作部153は、カムフォロア141の移動にともない、再び、左側へ移動する。
【0087】
モータ113が右回りの回転を続けると、さらに垂直動作部151は下方へ、水平動作部153は左側へ移動する。結果として、カムフォロア141が、相対的に、溝カム131の上部中間接続溝131eの左端に到達する。このときのレバー操作部101aの状態を
図14に示す。この状態で、垂直動作ギア127と垂直動作ラック133とが噛み合わなくなる。よって、以降、垂直動作部151は、移動を停止する。つまり、ジョッキ傾動部101bにおけるジョッキ載置プレートの傾動動作が終了する(
図9a参照)。
【0088】
また、カムフォロア141が、溝カム131の上部中間接続溝131eの左端に到達した段階で、手動ビールディスペンサM100の操作レバーT100が、レバー操作開口A147の右端部に接触する。
【0089】
一方、カムフォロア141が、溝カム131の上部中間接続溝131eの左端に到達する前に、水平動作ギア125と水平動作ラック143とが、再び、噛み合い始める。これにより、水平動作部153が左側に移動し、ひいては水平動作プレート147が左側に移動し、操作レバーT100を左側に移動させる。これにより、斜めに傾いてジョッキ載置プレートに載置されているビールジョッキに、ビールコックK100(
図1参照)から、ビールが注ぎ込まれ始める。
【0090】
さらに、モータ113が右回りの回転を続けると、水平動作ギア125と水平動作ラック143とが噛み合っているため、水平動作部151は、左側へ移動し続け、カムフォロア141は、上部水平溝131fの左端に到達する。このときのレバー操作部101aの状態を
図15に示す。水平動作部153が左側へ移動するため、水平動作プレート147も左側に移動する。結果として、水平動作プレート147は、操作レバーT100を、さらに、左側へと移動させるので、ビールがビールジョッキに注がれている状態が継続する。
【0091】
カムフォロア141が上部水平溝131fの左端に到達すると、モータ113を、これまでとは反対の左回りに反転させる。これにより、これまでとは反対の経路を辿って、レバー操作部101aは初期状態に戻る。操作レバーT100は右側に移動するので、ビールの注ぎ込みは終了するとともに、傾いたジョッキ載置プレートは垂直の位置まで戻る(
図6参照)。
【0092】
図10に示す初期状態から、さらに、モータ113が左回りの回転を続けると、水平動作ギア125と水平動作ラック143とが噛み合っているため、水平動作部151は、右側へ移動する。初期状態において、操作レバーT100はレバー操作開口A147の左端に位置するため、水平動作部153が右方向へ移動すると、操作レバーT100が右方向へ移動する。これにより、垂直に位置するビールジョッキに対して、操作レバーT100から泡が注ぎ込み始める。
【0093】
図16に示すように、モータ113が左回りの回転を続け、カムフォロア141が下部水平部131bの右端に到達すると、モータ113を、再び、逆回転、つまり右回りに回転させる。これにより、水平動作部153が左側に移動する。そして、カムフォロア141が初期状態の位置まで戻ると、モータ113の回転を停止させる。これにより、ビールジョッキへの泡の注ぎ込みが終了する。
【0094】
このように本実施例に係る自動ビールディスペンサ変換装置100では、動力源であるモータ113によって一つの動力ギア121を動作させるだけで、手動ビールディスペンサM100において、自動的にビールジョッキを傾動させ、ビールを注ぎ込み、さらに泡を注ぎ込ませることができる。
【0095】
第3 自動ビールディスペンサ変換装置100の取り付け方法
次に、自動ビールディスペンサ変換装置100を手動ビールディスペンサM100に取り付ける方法について、
図17〜
図29を用いて説明する。
【0096】
(1)
図17に示すように、自動ビールディスペンサ変換装置100を取り付けようとする使用者は、手動ビールディスペンサM100の筐体C100からビールコックK100(
図1参照)を取り外す。
図18に、ビールコックK100を取り外した手動ビールディスペンサM100を横から見た状態を示す。
【0097】
そして、
図19に示すように、使用者は、筐体C100に設けられており、筐体C100から突出しているビールコック取付部C101に、取付ベース105を取り付ける。取り付ける際には、
図20に示すように、ベースプレート105aの中央部に形成されているベースプレート取付開口105bにビールコック取付部C101が位置するようにし、ベースプレート105aを、筐体C100の取付面P100に沿うように配置する。ここで、取付面P100とは、ビールコック取付部C101が設置されている筐体C100の面をいう。なお、ビールコック取付部C101の外形に比して、ベースプレート取付開口105bが大きめに形成されている場合には、ベースプレート105aがビールコック取付部C101にぶら下がる状態となる。
【0098】
(2)
図21に示すように、使用者は、固定リング103(図示せず)を形成する一つの分割固定リング103aをビールコック取付部C101に取り付ける。このとき、
図22に示すように、ベースプレート105aを取付面P100に沿わせて配置しておく。また、分割固定リング103aをできるだけベースプレート105aの近くに配置する。
【0099】
使用者は、
図23に示すように、もう一つの分割固定リング103bをビールコック取付部C101に取り付ける。これにより、ビールコック取付部C101は、分割固定リング103a、103bによって形成される固定リング取付開口103dに配置される。
【0100】
さらに、
図24に示すように、使用者は、分割固定リング結合ボルト103cを用いて、分割固定リング103aと分割固定リング103bとを一体に結合するとともに、ビールコック取付部C101に固定する。これにより、
図25に示すように、ベースプレート105は、筐体C100の取付面P100及び固定リング103によって挟まれた状態で手動ビールサーバM100に対して取り付けられる。
【0101】
(3)さらに、
図26に示すように、使用者は、取付ベース105のベースプレート固定ボルト105cを、ベースプレート105aから筐体C100の方向へ進むように、回転させる。ベースプレート固定ボルト105cを回転させることによって、ベースプレート固定ボルト105cが筐体C100に接し、さらに、ベースプレート固定ボルト105cを回転させると、ベースプレート固定ボルト105cは筐体C100と接する位置で固定されるので、ベースプレート105aが、筐体C100から固定リング103の方向へ移動しようとする。その一方、ベースプレート105aは、固定リング103の配置位置で、固定リング103によって移動が制限される。このため、ベースプレート固定ボルト105cが突っ張り棒のように機能して、結果的に、ベースプレート105aは固定リング103付近では固定リングに圧着し、ベースプレート固定ボルト105c付近では取付面P100に対して突っ張った状態となるので、ベースプレート105aはしっかりと手動ビールディスペンサM100に固定される。
【0102】
(4)次に、
図27に示すように、使用者は、手動ビールサーバM100に固定されたベースプレート105aの本体取付開口105d(
図19参照)に、変換装置本体101の取付突起(図示せず)を嵌め込む。これにより、変換装置本体101をベースプレート105aに、ひいては手動ビールサーバM100に取り付けることができる。なお、変換装置本体101を取り付ける際には、変換装置本体101のレバー操作部101aを上側に位置させておき、操作レバーT100に干渉しないようにしておく。
【0103】
(5)その後、
図28に示すように、使用者は、取り外しておいたビールコックK100を手動ビールサーバM100に取り付ける。
【0104】
(6)そして、
図29に示すように、使用者は、ベースプレート105aに変換装置本体101を取り付けた後、レバー操作部101aを下側(矢印a16方向)に移動させて、操作レバーT100がレバー操作部101aの所定の位置に納まるようにする(
図4参照)。
【実施例2】
【0105】
前述の自動ビールディスペンサ変換装置100には、水平に移動し、ビールコックK100の操作レバーT100を操作する水平動作プレート147が配置されている。また、水平動作プレート147は、手動ビールディスペンサM100におけるビールコックK100の操作レバーT100が配置されるレバー操作開口A147を有している。
【0106】
ここで、自動ビールディスペンサ変換装置100を取り付ける手動ビールディスペンサM100には、
図34に示すように、筐体C100の取付面P100(
図19参照)から、力がかかっていない状態におけるビールコックK100の操作レバーT100までの距離L1、所定の高さにおけるビールコックK100の倒し込み方向の移動距離L3及び引き込み方向の移動距離L5が異なる複数の形状が存在する。このため、手動ビールディスペンサM100の形状毎に、それに合わせた異なる形状の水平動作プレート147を用意する必要があるため、製造コストがかかる。また、取り付けの為の、時間的コスト、作業の手間が発生する。
【0107】
本実施例における自動ビールディスペンサ変換装置200は、レバー操作用アダプタプレート247A及びアダプタ固定プレート247Fを有する水平動作プレート247を配置している。これにより、自動ビールディスペンサ変換装置200は、複数の形状の手動ビールディスペンサM100に低コストかつ簡単に対応できる。
【0108】
本実施例における自動ビールディスペンサ変換装置200について、
図35〜
図38を用いて説明する。なお、実施例1と同様の構成については、同様の番号を付すと共に、詳細な記述を省略する。
【0109】
第1 自動ビールディスペンサ変換装置200の全体構成
自動ビールディスペンサ変換装置200の全体構成について
図35を用いて説明する。自動ビールディスペンサ変換装置200は、変換装置本体201、固定リング103及び取付ベース105を有している。変換装置本体201は、手動ビールディスペンサM100のビールコックK100(
図1参照)に配置される操作レバーT100を自動的に操作するためのものであり、自動ビールディスペンサ変換装置100における変換装置本体101と同様の機能を有している。
【0110】
1.変換装置本体201の構成
変換装置本体201の構成について、
図35を用いて説明する。
図35に示すように、変換装置本体201は、上部にレバー操作部201a、下部にジョッキ傾動部101bを有している。レバー操作部201aは、正面パネル、左右パネル、上蓋、及び下蓋からなる外装カバー211aを有している。レバー操作部201aは、内部に主としてレバー操作機構を有している。なお、レバー操作部201aは、自動ビールディスペンサ変換装置100におけるレバー操作部101aと同様の機能を有している。
【0111】
ただし、レバー操作部201aは、
図36に示すように、取り外し可能に構成されている。
図36に、取り外されたレバー操作部201aを、操作レバーT100方向から見た状態を示す。なお、
図36においては、仮想的に操作レバーT100を表示している。レバー操作部201aは、外装カバー211aの一部である裏蓋211a1を有している。裏蓋211a1は、操作レバーT100が移動できるようにするためのレバー移動用開口211a3を有している。
【0112】
(1)レバー操作部201aの構成
レバー操作部201aの構成は、水平動作プレート247を除き、自動ビールディスペンサ変換装置100におけるレバー操作部101aと同様である。
【0113】
水平動作プレート247について、
図37を用いて説明する。水平動作プレート247は、レバー操作用アダプタプレート247A及びアダプタ固定プレート247Fを有している。レバー操作用アダプタプレート247Aは、所定の取付ネジ等の取付手段(図示せず)によって、アダプタ固定プレート247Fに固定される。つまり、レバー操作用アダプタプレート247Aは、アダプタ固定プレート247Fに対して取り外し可能であり、また、交換可能である。これにより、取り付ける手動ビールディスペンサM100の種類に合わせて、レバー操作用アダプタプレート247Aを用意するだけで、自動ビールディスペンサ変換装置200を複数種類の手動ビールディスペンサM100に取り付けることができる。
【0114】
レバー操作用アダプタプレート247Aは、樹脂製の薄い板状部材である。レバー操作用アダプタプレート247Aは、レバー操作用開口247A1を有している。レバー操作用アダプタプレート247Aにおけるレバー操作用開口247A1の形成位置、形成形状を調整することによって、自動ビールディスペンサ変換装置200を複数の手動ビールディスペンサM100に対応させることができる。なお、レバー操作用アダプタプレート247Aを樹脂により形成することによって、レバー操作用開口247A1の形成位置、形成形状が異なるレバー操作用アダプタプレート247Aを、容易に、特に金属によって形成する場合に比して容易に、加工、形成することができる。同様に、安価にレバー操作用アダプタプレート247Aを形成できる。
【0115】
例えば、操作レバーT100が手動ビールディスペンサM100の取付面C100から距離L11の位置にあり、倒し込み方向の移動距離L31、引き込み方向の移動距離L51を有する手動ビールディスペンサM100の場合、
図38Aに示すように、L31+L51の長さを有するレバー操作用開口247A1を、自動ビールディスペンサ変換装置200の初期状態において、レバー操作用開口247A1の一端がL11+L51の位置となるように、レバー操作用アダプタプレート247Aに形成すればよい。また、操作レバーT100が手動ビールディスペンサM100の取付面C100から距離L13(<L11)の位置にあり、倒し込み方向の移動距離L33(<L31)、引き込み方向の移動距離L53(>L51)を有する手動ビールディスペンサM100の場合、
図38Bに示すように、L33+L53の長さを有するレバー操作用開口247A1を、自動ビールディスペンサ変換装置200の初期状態において、レバー操作用開口247A1の一端がL13+L53の位置となるように、レバー操作用アダプタプレート247Aに形成すればよい。さらに、操作レバーT100が手動ビールディスペンサM100の取付面C100から距離L15(<L11)の位置にあり、倒し込み方向の移動距離L35(<L31)、引き込み方向の移動距離L55(>L51)を有する手動ビールディスペンサM100の場合、
図38Cに示すように、L35+L55の長さを有するレバー操作用開口247A1を、自動ビールディスペンサ変換装置200の初期状態において、レバー操作用開口247A1の一端がL15+L55の位置となるように、レバー操作用アダプタプレート247Aに形成すればよい。なお、
図38A〜Cにおいて、取付面P100からの操作レバーT100の位置を示すために、操作レバーT100の外形を点線で示している。
【0116】
アダプタ固定プレート247Fは、金属製のコの字形状部材である。アダプタプレート247Aは、上部に固定される水平動作ラック143、及び、下部に固定されるレバー操作用アダプタプレート247Aと一体となって、移動する。
【0117】
なお、レバー操作用アダプタプレート247Aを交換する際には、レバー操作部201aを取り外した後、外装カバー211aの裏蓋211a1を取り外して、レバー操作用アダプタプレート247Aを交換する。
【0118】
このように、自動ビールディスペンサ変換装置200では、アダプタ固定プレート247F及びレバー操作用アダプタプレート247Aによって、水平動作プレート247を形成することによって、レバー操作用アダプタプレート247Aにおけるレバー操作用開口247A1の形状及び形成位置を変更するだけで、自動ビールディスペンサ変換装置200を複数の異なる形状の手動ビールディスペンサM100に適用させることができる。また、レバー操作用アダプタプレート247Aを交換するだけで、異なる形状の手動ビールディスペンサM100に適用させることができるため、短い時間で交換作業を完了できる。
【実施例4】
【0128】
前述の自動ビールディスペンサ変換装置100においては、取付ベース105は、ベースプレート固定ボルト105cをベースプレート105aに螺合し、ベースプレート105aから突出させることによって、ベースプレート105aに対してベースプレート固定ボルト105cを突っ張り状態として、ベースプレート105aを手動ビールディスペンサM100に取り付けるものであった。
【0129】
一方、本実施例における自動ビールディスペンサ変換装置400は、付勢手段であるバネc1−5(後述)を有するバネ式ストッパ405c1、及び、回転により突出する支持部c3−5(後述)を有する回転式ストッパ405c3を用いて、ベースプレート405aに対してバネ式ストッパ405c1及び回転式ストッパ405c3を突っ張り状態として、ベースプレート405aを手動ビールディスペンサM100に取り付けるものである。
【0130】
本実施例における自動ビールディスペンサ変換装置400について、
図44〜
図47を用いて説明する。なお、実施例1と同様の構成については、同様の番号を付すと共に、詳細な記述を省略する。
【0131】
第1 自動ビールディスペンサ変換装置400の全体構成
自動ビールディスペンサ変換装置400の全体構成について
図44を用いて説明する。自動ビールディスペンサ変換装置400は、変換装置本体101、固定リング103及び取付ベース405を有している。変換装置本体101は、手動ビールディスペンサM100のビールコックK100(
図1参照)に配置される操作レバーT100を自動的に操作するためのものである。
【0132】
1.取付ベース405の構成
取付ベース405の構成について、
図44を用いて説明する。取付ベース405は、ベースプレート405a、バネ式ストッパ405c1、及び、回転式ストッパ405c3を有している。
【0133】
ベースプレート405aは、金属製の板によって形成されている。また、ベースプレート405aは、ベースプレート取付開口105b、及び、本体取付開口105dを有している。
【0134】
(1)バネ式ストッパ405c1の構成
バネ式ストッパ405c1は、ベースプレート405aの下部に、複数、配置される。バネ式ストッパ405c1について、
図45を用いて説明する。
図45A、Bは、それぞれ、ベースプレート405aの下部から見たバネ式ストッパ405c1の外形、バネ式ストッパ405c1の内部構造を示している。なお、
図45A、B共に、向かって左側のバネ式ストッパ405c1がベースプレート405aを固定する前の状態を示し、向かって右側のバネ式ストッパ405c1がベースプレート405aを固定した後の状態を示している。
【0135】
図45Bに示すように、バネ式ストッパ405c1は、操作部c1−1、内部ロッドc1−3、バネc1−5、固定ブロックc1−7を有している。操作部c1−1は、操作部c1−1を右側(矢印a43方向:
図45A参照)に、所定角度、回転させると、圧縮されたバネが伸張し、固定ブロックc1−7を取付面C100に向かう方向(矢印a44方向)へ押し出す。なお、固定ブロックがc1−7が取付面P100に接した状態でも、バネc1−5は、ある程度圧縮された状態を維持する。固定した状態から固定していない状態にする場合には、操作部c1−1を左側(矢印a43方向と反対方向:
図45A参照)に、所定角度、回転させる。
【0136】
図45Aの左側に示すように、バネ式ストッパ405c1がベースプレート405aを固定していない状態では、固定ブロックc1−7は、ベースプレート405a内に収まっている。
【0137】
操作部c1−1を操作すると、
図45A、B、それぞれの右側に示すように、固定ブロックc1−7が、ベースプレート405aから突出した状態となる。このように、固定リング103によって固定されたベースプレート405aに対して、固定ブロックc1−7がベースプレート405aから突出することによって、バネ式ストッパ405c1をベースプレート405aと手動ビールディスペンサM100の取付面P100との間で突っ張り状態にできる。また、固定ブロックc1−7による摩擦力に加えて、バネc1−5の圧縮による反力も作用するため、ベースプレート405aを確実に手動ビールディスペンサM100の筐体C100に固定することができる。
【0138】
(2)回転式ストッパ405c3の構成
回転式ストッパ405c3は、ベースプレート405aの上部に配置される。回転式ストッパ405c3について、
図46を用いて説明する。
図46A、Cは、ベースプレート405aの上部から見た回転式ストッパ405c3の外形を示し、
図46B、Dは、回転軸(後述)での
図46A、Cに示す回転式ストッパ405c3の断面を示している。また、
図46A、Bは、回転式ストッパ405c3がベースプレート405aを固定する前の状態を示し、
図46C、Dは、回転式ストッパ405c3がベースプレート405aを固定した後の状態を示している。
【0139】
図46Bに示すように、回転式ストッパ405c3は、回転軸c3−1、操作部c3−3、支持部c3−5、及び、軸固定ブロックc3−7を有している。回転軸c3−1は、軸固定ブロックc3−7を介して、ベースプレート405aの取付面P100(図参照)側の面に固定される。なお、軸固定ブロックc3−7は、ビス等、所定の固定手段によってベースプレート405aに取り付けられる。操作部c3−3及び支持部c3−5は、板状部であり、一体として構成されている。また、操作部c3−3及び支持部c3−5は、互いが垂直となるように位置する。さらに、操作部c3−3及び支持部c3−5は、回転軸c3−1を中心に回転できる。
【0140】
図46Aに示すように、回転式ストッパ405c3がベースプレート405aを固定していない状態では、操作部c3−3は、ベースプレート405aから突出する一方、
図46Bに示すように、支持部c3−5は、ベースプレート405a内に収まっている。
【0141】
このときの回転軸c3−1に垂直な断面を
図47Aに示す。
図47Aの状態から、操作部c3−3を矢印a46方向へ回転させると、支持部c3−5が矢印a46方向と同方向である矢印a48方向へ回転する。
【0142】
操作部c3−3を、ベースプレート405aの表面に接するまで回転させると、
図47Bに示すように、支持部c3−5が、取付面P100に対して垂直位置する。これにより、支持部c3−5をベースプレート405aと手動ビールディスペンサM100の取付面P100との間で突っ張り状態にできるので、ベースプレート405aを確実に手動ビールディスペンサM100の筐体C100に固定することができる。なお、このとき、
図46C、Dに示すように、支持部c3−5は、ベースプレート405aから突出した状態となる。
【0143】
なお、ベースプレート405aの固定を解除する際には、
図47Bの状態にある操作部c3−3を、矢印A46方向とは反対の方向へ回転させる。
【0144】
[他の実施例]
(1)液体:前述の実施例1においては、吐出する液体としてビールを例示したが、液体であれば例示のものに限定されない。例えば、炭酸飲料、清涼飲料水、水等であってもよい。
【0145】
(2)溝カム:前述の実施例1においては、溝カム131では、凸状部に溝131aを形成することとしたが、平板に穴を開けるように溝131aを形成するようにしてもよい。
【0146】
(3)各種ギア:前述の実施例1においては、4種類のギアを用いて、垂直動作部151、水平動作部153、及びジョッキ載置プレート傾動部163の動作を実現したが、それぞれの動作を実現できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、3つ、5つ以上のギアを用いるようにしてもよい。
【0147】
また、動力ギア121を最上部に配置したが、各ギアを動作させることができるものであれば、例示のものに限定されない。
【0148】
(4)押圧ロッド139、傾動操作ロッド167a:前述の実施例1においては、押圧ロッド139及び傾動操作ロッド167aを上下に配置して、ジョッキ載置プレート傾動部163を動作させるとしたが、一つのロッドを用いてジョッキ載置プレート傾動部163を動作させるようにしてもよい。
【0149】
(5)ビールコックK100の取り付け:前述の実施例1においては、手動ビールディスペンサM100では、ビールコックK100が、手動ビールディスペンサM100の筐体C100に形成されるビールコック取付部C101を介して、筐体C100に取り付けられていたが、ビールコックK100を筐体C100に取り付けることができるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、ビールコック取付部C101を介さずに、筐体C100に直接的に取り付けるものであってもよい。この場合、ベースプレート105aは、筐体C100から突出するビールコックK100に引っ掛けるように配置される。
【0150】
また、手動ビールディスペンサM100は、ビールコックK100が手動ビールディスペンサM100の筐体C100から分離できるものであったが、分離できないものであってもよい。この場合、ビールコック取付部C101に相当する部分が形成されていても、形成されていなくとも、ベースプレート105aをビールコックK100に取り付けることができるものであればよい。
【0151】
(6)バネ式ストッパ405c1:前述の実施例4においては、バネ式ストッパ405c1をベースプレート405aの下部に、複数、配置するとしたが、上部にも配置するようにしてよい。また、回転式ストッパ405c3を配置せずに、バネ式ストッパ405c1のみを所定位置に配置するようにしてもよい。
【0152】
(7)回転式ストッパ405c3:前述の実施例4においては、回転式ストッパ405c3をベースプレート405aの上部に配置するとしたが、下部にも配置するようにしてよい。また、バネ式ストッパ405c1を配置せずに、回転式ストッパ405c3のみを所定位置に配置するようにしてもよい。
【0153】
(8)固定リング103:前述の実施例1においては、固定リング103は、互い完全に分離した分割固定リング103a、103bによって構成されるとしたが、手動ビールディスペンサM100のビールコック取付部C101を左右から挟み込み、分割固定リング103a、103bを一体に結合するとともに、両者をビールコック取付部C101に固定するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、予め、分割固定リング103a、103bの一部を結合し、両者が完全に分離しない構成としてもよい。
【0154】
また、分割固定リング103a、103bを一体的に結合できるものであれば、分割固定リング結合ボルト103cに限定されない。例えば、分割固定リング103a、103bに互いに係合する係合部を設けて、それらを係合させることによって両者を一体的に結合するようにしてもよい。