特許第6180928号(P6180928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180928
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】走行細長通路を求める方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-509447(P2013-509447)
(86)(22)【出願日】2011年5月6日
(65)【公表番号】特表2013-533990(P2013-533990A)
(43)【公表日】2013年8月29日
(86)【国際出願番号】DE2011001039
(87)【国際公開番号】WO2011141018
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年3月25日
【審判番号】不服2016-1507(P2016-1507/J1)
【審判請求日】2016年2月2日
(31)【優先権主張番号】10401067.3
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503355292
【氏名又は名称】コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
(73)【特許権者】
【識別番号】399023800
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】リユーケ, シユテフアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴアルトバウエル, デイルク
(72)【発明者】
【氏名】ダルムス, ミヒアエル
(72)【発明者】
【氏名】ベルトルト, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】コーマル, マテイアス
【合議体】
【審判長】 藤井 昇
【審判官】 中川 真一
【審判官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−8281(JP,A)
【文献】 特開2004−310525(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/103692(WO,A2)
【文献】 国際公開第2008/145543(WO,A2)
【文献】 特開2010−23721(JP,A)
【文献】 特開2009−75933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G1/00−99/00
B60R21/00
B60W10/00−10/30、30/00 − 50/16
B62D6/00−6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行すべき車道の境界を示すための、車道上に設置されかつ前記車両が乗り越え可能な車線標識と、前記車両が乗り越え不可能な隆起した車道境界とが複数存在する自動車道路における建築現場おいて、前記車両運転者を支援する方法であって、
前記車両には、周辺センサと、評価装置と、自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置とが搭載されており、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記車両が走行可能な走行細長通路を求めて評価するステップにおいて、乗り越えが推奨されない前記車線標識が低い重み付けを付与されており、乗り越えが禁止される前記車線標識が中位の重み付けを付与されており、乗り越えが不可能な前記隆起した車道境界が高い重み付けを付与されており、前記車両を進行させるために乗り越えなければならない異なる前記車線標識が検出された場合、それらの検出された前記車線標識の重み付けに応じて、前記車両が走行可能な走行細長通路を求めて評価するステップと、
前記車両を進行させるために乗り越えなければならない前記車線標識に最も低い重み付けを付与された前記走行可能な走行細長通路を、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択するステップと、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入するステップであって、前記選択をした走行細長通路の左右の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入するステップと、
を備えた車両の運転者を支援する方法。
【請求項2】
車両が走行すべき車道の境界を示すための、車道上に設置されかつ前記車両が乗り越え可能な車線標識と、前記車両が乗り越え不可能な隆起した車道境界とが複数存在する自動車道路における建築現場おいて、前記車両運転者を支援する方法であって、
前記車両には、周辺センサと、評価装置と、自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置とが搭載されており、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記車両が走行可能な走行細長通路を求めるステップと、
前記走行可能な走行細長通路が複数検出された場合、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路の幅に応じてそれら走行可能な走行細長通路を評価するステップと、
前記走行可能な走行細長通路の幅が隣接する走行可能な走行細長通路の幅と同じである場合、そのような隣接する走行可能な走行細長通路の幅と同じ幅を有する走行可能な走行細長通路の中の一つを、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択するステップと、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入するステップであって、前記選択をした走行細長通路の左右の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入するステップと、
を備えた車両の運転者を支援する方法。
【請求項3】
車両が走行すべき車道の境界を示すための、車道上に設置されかつ前記車両が乗り越え可能な車線標識と、前記車両が乗り越え不可能な隆起した車道境界とが複数存在する自動車道路における建築現場おいて、前記車両運転者を支援する方法であって、
前記車両には、周辺センサと、評価装置と、自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置とが搭載されており、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記車両が走行可能な走行細長通路を求めるステップと、
前記走行可能な走行細長通路が複数検出された場合、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路が、左右の少なくとも一方に交差している前記車線標識又は交差している前記隆起した車道境界を有するか否かに応じてそれら走行可能な走行細長通路を評価するステップと、
前記走行可能な走行細長通路が、左右の少なくとも一方に交差している前記車線標識又は交差している前記隆起した車道境界を有さない場合、そのような左右の少なくとも一方に交差している前記車線標識又は交差している前記隆起した車道境界を有さない走行可能な走行細長通路の中の一つを、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択するステップと、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入するステップであって、前記選択をした走行細長通路の左側と右側の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入するステップと、
を備えた車両の運転者を支援する方法。
【請求項4】
車両が走行すべき車道の境界を示すための、車道上に設置されかつ前記車両が乗り越え可能な車線標識と、前記車両が乗り越え不可能な隆起した車道境界とが複数存在する自動車道路における建築現場おいて、前記車両運転者を支援する方法であって、
前記車両には、周辺センサと、評価装置と、自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置とが搭載されており、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記車両が走行可能な走行細長通路を求めるステップと、
前記走行可能な走行細長通路が複数検出された場合、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路に従って前記車両を進行させるために実施すべき操縦に応じてそれら走行可能な走行細長通路を評価するステップと、
前記実施すべき操縦が、最も穏やかである前記走行可能な走行細長通路を、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択するステップと、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入するステップであって、前記選択をした走行細長通路の左右の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入するステップと、
を備えた車両の運転者を支援する方法。
【請求項5】
前記選択をした走行細長通路の左側と側に同じ種類の前記車線標識又は前記隆起した車道境界有るか、前記選択をした走行細長通路が直線的に延び場合、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて前記車両が、前記選択をした走行細長通路の中央に保たれることを特徴とする、請求項1〜の1つに記載の方法。
【請求項6】
周辺検出センサ評価装置、運転者に走行細長通路を出力する表示装置、及び自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を備えた自動車道路における建築現場おいて、車両が走行可能な走行細長通路を求める装置であって、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路を求めて評価し、その際、乗り越えが推奨されない前記車線標識が低い重み付けを付与されており、乗り越えが禁止される前記車線標識が中位の重み付けを付与されており、乗り越えが不可能な前記隆起した車道境界が高い重み付けを付与されており、前記車両を進行させるために乗り越えなければならない異なる前記車線標識が検出された場合、それらの検出された前記車線標識の重み付けに応じて、前記車両が走行可能な走行細長通路を求めて評価し、
前記車両を進行させるために乗り越えなければならない前記車線標識に最も低い重み付けを付与された前記走行可能な走行細長通路を、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択し、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入し、前記選択をした走行細長通路の左側と右側の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入する、
ように構成された装置
【請求項7】
周辺検出センサ評価装置、運転者に走行細長通路を出力する表示装置、及び自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を備えた自動車道路における建築現場おいて、車両が走行可能な走行細長通路を求める装置であって、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路を求め、
前記走行可能な走行細長通路が複数検出された場合、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路の幅に応じてそれら走行可能な走行細長通路を評価し、
前記走行可能な走行細長通路の幅が隣接する走行可能な走行細長通路の幅と同じである場合、そのような隣接する走行可能な走行細長通路の幅と同じ幅を有する走行可能な走行細長通路の中の一つを、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択し、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入し、前記選択をした走行細長通路の左側と右側の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入する、
ように構成された装置
【請求項8】
周辺検出センサ評価装置、運転者に走行細長通路を出力する表示装置、及び自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を備えた自動車道路における建築現場おいて、車両が走行可能な走行細長通路を求める装置であって、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路を求め、
前記走行可能な走行細長通路が複数検出された場合、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路が、左右の少なくとも一方に交差している前記車線標識又は交差している前記隆起した車道境界を有するか否かに応じてそれら走行可能な走行細長通路を評価し、
前記走行可能な走行細長通路が、左右の少なくとも一方に交差している前記車線標識又は交差している前記隆起した車道境界を有さない場合、そのような左右の少なくとも一方に交差している前記車線標識又は交差している前記隆起した車道境界を有さない走行可能な走行細長通路の中の一つを、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択し、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入し、前記選択をした走行細長通路の左側と右側の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入する、
ように構成された装置
【請求項9】
周辺検出センサ評価装置、運転者に走行細長通路を出力する表示装置、及び自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を備えた自動車道路における建築現場おいて、車両が走行可能な走行細長通路を求める装置であって、
前記周辺センサを用いて、前記車線標識及び前記隆起した車道境界を検出し、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路を求め、
前記走行可能な走行細長通路が複数検出された場合、前記評価装置を用いて、前記走行可能な走行細長通路に従って前記車両を進行させるために実施すべき操縦に応じてそれら走行可能な走行細長通路を評価し、
前記実施すべき操縦が、最も穏やかである前記走行可能な走行細長通路を、前記車両が走行すべき走行細長通路として選択し、
前記選択をした走行細長通路を走行する際に、前記自動的なかじ取り介入又は制動介入を行う装置を用いて、前記車両の操縦に介入し、前記選択をした走行細長通路の左側と右側の一方が前記車線標識であり、他方が前記隆起した車道境界である場合には、前記隆起した車道境界と前記車両との間隔が、前記車線標識と前記車両との間隔よりも大きく維持されるように前記車両の操縦に介入する、
ように構成された装置
【請求項10】
請求項6〜9の1つに記載の装置を備えた車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な交通状況において路面車両用の走行細長通路を求める運転者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車線維持又は車線離脱警告のための運転者支援システムは、現在市販されている。センサシステムにより、車両の前の周辺が検出され、車線標識が確認される。確認される車線標識は(一般に車道上の破線又は線)は、将来の車線を区画する。複雑な交通状況特に多数の車線標識を持つ建築現場の範囲では、従来の運転者支援システムはもはや走行細長通路を確実に求めることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の課題は、複雑な交通状況において路面車両用の走行細長通路を求めるための改善された方法及び改善された装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項1及び10の特徴によって解決される。
【0005】
走行細長通路を求めるためここに紹介される方法では、周辺センサが車両の前の車道を検出するものであるが、この方法は、識別された車線標識及び隆起した車道境界に関係して走行細長通路が求められる点で、従来のシステムとは相違している。隆起した車道境界は例えばガードレール、道路標識、側方を走行する車両及び建築現場壁であり、これ以降、「車道境界」と称する。複雑な交通状況は、特に1つより多い車線標識又は車道境界が識別される時に存在する。
【0006】
本発明の特別な構成では、可能性のある走行細長通路を求めるため、車道境界が車線標識より強く重み付けされる。即ち走行細長通路が確率の考慮に基いて求められ、車線標識が、車道境界より大きい確率で乗り越えられてもよい。図1には、限定するため車線標識(線分)及びベリーシャ・ビーコン(点)を持つ交通状況が示されている。自己車両は、走行方向を意味する矢印を持つ長方形として示されている。可能性のある走行細長通路(暗いハッチングの範囲)は、この境界を車線標識より強く重み付けするベリーシャ・ビーコンに沿って延びている。
【0007】
本発明の現実的な構成では、最も有望な走行細長通路を求めるため、識別される車線標識及び車道境界がその種類に関係して重み付けされる。例えば重み付けの基準は、道路標識又は車道境界の特性である。特性は例えば乗越え可能性により規定することができる。3段階重み付けの例は、“乗越えが推奨されない”(低い重み付け)、“乗越えが禁止される”(中位の重み付け、“乗越えが不可能である”(高い重み付け)である。重み付けはもちろん任意の数の段階を含むことができる。
【0008】
本発明の好ましい構成では、可能性のある走行細長通路の車道幅が、1つ又は複数の典型的な車道特性に関係して評価される。典型的な車道特性の例が以下に列挙される。
a)典型的な車道は右及び左を車線標識及び/又は車道境界により限定されている。
b)車道の典型的な幅は2.0m〜3.75mである。特別な構成では、可能性のある車 道幅は、道路の形式(自動車道路、街道等)又は周辺情報(例えば建築現場の範囲) によって決定される。道路形式及び周辺情報は、例えばGPSシステムにより又は周 辺検出システムのデータに基いて利用可能にされる。
c)一般に車道の幅はほぼ一定である。
d)車道は車両の直前で始まり、その推移はセンサの検出範囲において追跡される。
【0009】
本発明の好ましい構成では、可能性のある走行細長通路の類似性が、可能性のある隣接走行細長通路に関係して評価される。判定基準は例えば車線の幅である。隣接する車線の幅は通常ほぼ同じである。例えば自動車道路における建築現場の状況では、左の車線が少し狭いことがある。このような交通状況を図2により説明する。ここには、隣接する走行細長通路を限定する4つの車線標識が見られる。自己車両は、走行方向を意味する矢印を持つ長方形として示されている。上の図では、上から2番目の車線標識が、隣接する走行細長通路の間の分離線として選ばれているので、同じ幅の2つの走行細長通路が生じる。走行細長通路は異なるハッチングによりわかるようにされている。下の図では、上から3番目の車線標識が、隣接する走行細長通路の間の分離線として選ばれる。その結果異なる幅の走行細長通路が生じる。この実施例では、それ以外の周辺情報(建築現場の範囲、車線が狭くなることを示す交通標識等)が、例えば図2の下の図に示されるような走行細長通路を生じる別のやり方を示すことを除いて、同じ幅の走行細長通路が好まれる。
【0010】
本発明の特別な構成では、車道境界が交差しているか否かの特性に関係して、可能性のある走行が評価される。通常車線標識の交差は、移行範囲(例えば建築現場範囲への乗入れ又はそこからの乗出し)においてのみ予想され、走行細長通路のそれ以外の推移ではもはや予想されない。移行範囲外の走行細長通路は、車線標識及び/又は車道境界の交差を持たず、従って車線標識及び/又は車道境界の交差を持つ走行細長通路よりも優先して選ばれるか又はそれに対応して重み付けされる。
【0011】
本発明の好ましい構成では、可能性のある走行細長通路が、この走行細長通路に従うために必要な実施すべき操縦に関係して評価される。走行細長通路を走行する。穏やかな操縦が走行細長通路を走行するのに十分であると、この走行細長通路が、自己の車両の速度及び方向の強い変化を要求する同様に可能な走行細長通路より一層確からしいとみなされる。
【0012】
路面車両用の走行細長通路を求める装置は、周辺検出センサを含んでいる。セッサはカメラ、ライダセンサ、レーダセンサとして構成することができる。センサは、物体認識、間隔テンポマット、交通標識認識又は道路形式認識のような別の機能のために構成することができる。更に前述した方法が記録されている評価装置が設けられている。更に自動かじ取り介入又は制動介入を行うため、運転者及び/又は装置に走行細長通路を表示する表示装置が設けられている。自動的な介入は、例えば次の制御の少なくとも1つが行われるように行われる。
直線的に延びる走行細長通路では、特に走行細長通路の両方の境界が同じ種類である時、車両がその中央に保たれる。
所定の種類の車道境界が、優先的に間隔を保持される。図3に示す状況では、走行細長通路(ハッチングを施した範囲)の左縁が車線標識1により限定され、右縁が他方の車両即ち他車両2により限定される。自己車両は、走行方向を意味する矢印を持つ長方形として示されている。他方の車両に対する間隔は、車線標識1に対するより大きく選ばれている。他の実施例では、他方の車両に対する間隔が他の隆起した車道境界に対するより大きい。更に隆起した車道境界に対する間隔が車線標識に対する間隔より大きいようにすることができる。
走行経済的制御、即ちかじ取り介入及び(負の)加速介入が最小に減少される。
図1
図2
図3