(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180929
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】エッジ検出
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20170807BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
H05K3/00 P
H05K3/00 X
G02F1/13 101
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-512938(P2013-512938)
(86)(22)【出願日】2011年6月3日
(65)【公表番号】特表2013-539197(P2013-539197A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2011059215
(87)【国際公開番号】WO2011151453
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2014年5月12日
【審判番号】不服2016-7483(P2016-7483/J1)
【審判請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】1009404.3
(32)【優先日】2010年6月4日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】503430658
【氏名又は名称】フレックスエネーブル リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100162765
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐美 綾
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド リーデル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン リール
(72)【発明者】
【氏名】リナ コルテガ−カガラ
【合議体】
【審判長】
中村 達之
【審判官】
小関 峰夫
【審判官】
中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−194303(JP,A)
【文献】
特開2001−166121(JP,A)
【文献】
特開2006−186704(JP,A)
【文献】
特開2010−8455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/01
H01L 21/301
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の大きな基板から複数の小さな基板を、1つ以上の実体的な切断線マークによって案内される切断プロセスであって、該切断線マークからの所定の容認可能な範囲でずれがあり、該小さな基板において所定の変動範囲内で様々なサイズが存在し得る切断プロセスによって形成することと、
前記切断プロセスに先立って、前記1つ以上の大きな基板に1つ以上の検出マークを、前記1つ以上の切断線マークをも定めるパターン層の一部として設けることと、を含んでおり、
前記検出マークの大きさおよび位置が、前記切断プロセスが1つ以上の切断線マークからずれていても、かつ、前記小さな基板の実際のサイズが前記変動範囲内のいかなるサイズであっても、各々の検出マークの一部分が前記小さな基板の角において該小さな基板の一部として残りかつ該角を定める前記小さな基板の1対のエッジの少なくとも一部に一致する1対のエッジを有するように選択されている、方法。
【請求項2】
前記検出マークおよび前記切断線マークを、電子素子のアレイの一つのレベルの導電要素も定めるパターン層の一部として形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記小さな基板の1つ以上のエッジへのシーラント材料の配置を、前記1つ以上の検出マークに基づいて制御することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御の表示装置などの電子装置の製造において基板のエッジを検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子消費者装置の製造は、一般的には、基板の上面を処理した後に基板の外周部分を取り去ることによって切り出し基板を生成し、この切り出し基板を例えばテープ・キャリア・パッケージ(TCP)へと貼り付け、切り出し基板のエッジ部分において切り出し基板およびTCPの向かい合う表面の間にシール(seal)を生成することで、切り出し基板の中央のより近くに位置する素子を保護することを含む。
【0003】
これらのシールは、製造プロセスの他の段階にも使用される
図1に示されている種類の一式の整列マークを参照してシーラント材料の付着の位置を制御することによって自動的に設けられている。
【0004】
本発明の発明者らは、そのような整列マークの使用が、必要とされる場所以外の場所へのシーラント材料の付着につながりかねないことを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電子装置の製造において切り出し基板のエッジにシーラント材料を自動的に付着させるための改良された技術を提供することにあり、エッジへのシーラント材料の正確な付着を促進する切り出し基板を製造するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1つ以上の大きな基板から複数の小さな基板を、該小さな基板において一定の変動範囲内で様々なサイズが存在し得るようにする縮小化プロセスによって形成することと、前記縮小化プロセスに先立って、前記1つ以上の大きな基板に1つ以上の検出マークを設けることと、を含んでおり、前記1つ以上の検出マークの大きさおよび位置が、前記縮小化プロセスの後に各々の小さな基板が前記1つ以上の検出マークのうちの少なくとも1つの検出マークの一部分を含むように選択され、該一部分が、前記小さな基板が前記変動範囲内のいかなる実際のサイズを有しても、前記小さな基板の1つ以上のエッジの少なくとも一部に一致する1つ以上のエッジを有する方法を提供する。
【0007】
一実施形態においては、この方法が、前記大きな基板のエッジ部分を除去する除去プロセスであって、基板間において除去されるエッジ部分のサイズに変動範囲内でばらつきを生じさせることができる除去プロセスによって、前記小さな基板の各々を該当の大きな基板から形成することと、前記除去プロセスに先立って、各々の大きな基板に1つ以上の検出マークを設けることと、をさらに含み、前記1つ以上の検出マークの大きさおよび位置が、前記除去されるエッジ部分が前記変動範囲内のいかなる実際のサイズを有しても、各々の検出マークの一部分が前記小さな基板の一部として残りかつ前記小さな基板の1つ以上のエッジの少なくとも一部に一致する1つ以上のエッジを有するように選択される。
【0008】
一実施形態においては、前記検出マークの大きさおよび位置が、前記除去されるエッジ部分が前記変動範囲内のいかなるサイズであっても、各々の検出マークの一部分が前記小さな基板の角において該小さな基板の一部として残りかつ該角を定める前記小さな基板の1対のエッジの少なくとも一部に一致する1対のエッジを有するように選択される。
【0009】
一実施形態においては、この方法が、前記検出マークを、電子素子のアレイの一レベルの導電要素も定めるパターン層(patterned layer)の一部として形成することをさらに含む。
【0010】
一実施形態においては、この方法が、電子装置の基板の1つ以上のエッジへのシーラント材料の選択的な配置を、該基板の前記1つ以上のエッジのうちの少なくとも1つのエッジの一部に一致する少なくとも1つのエッジを各々が有する1つ以上の検出可能なマークにもとづいて制御することをさらに含む。
【0011】
一実施形態においては、各々の検出可能なマークが、前記基板の角に位置しており、前記基板のうちの該角を定める該当の1対のエッジの一部に一致する1対のエッジを有する。
【0012】
以下で、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、あくまでも例として詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】シーラント材料の付着の位置を制御するための一式の整列マークを示す。
【
図2】切り出し基板のエッジ部分とテープ・キャリア・パッケージとの間に機械的なシールをもたらすためのシーラント材料の付着を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による切り出し基板の角への検出マークの配置を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による切り出し前の基板の角部分への新種の検出マークの配置の例を示す図である。
【
図5】切り出しプロセスの後の基板を示しており、たとえ基板の切り出しプロセスにある程度のばらつきが存在しても、どのようにして
図4の新規な検出マークが切り出し基板の角のエッジに整列した部位を有するのかを示す図である。
【
図6】切り出しプロセスの後の基板を示しており、たとえ基板の切り出しプロセスにある程度のばらつきが存在しても、どのようにして
図4の新規な検出マークが切り出し基板の角のエッジに整列した部位を有するのかを示す図である。
【
図7】切り出しプロセスの後の基板を示しており、たとえ基板の切り出しプロセスにある程度のばらつきが存在しても、どのようにして
図4の新規な検出マークが切り出し基板の角のエッジに整列した部位を有するのかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2は、基板1とテープ・キャリア・パッケージ10との間に機械的なシールを生成するための樹脂材料24の付着を示している。基板1は、光学的に透明であり、基板の切り出しプロセスに先立って、表示媒体の動作を制御するように機能する電子トランジスタ素子のアレイがその前側に設けられている。電子トランジスタ素子のアレイおよび表示媒体は、全体としてブロック6によって指し示されており、上側カプセル層26および基板1と上側カプセル層26との間のエッジシール28によって保護されている。上側カプセル層26およびエッジシール28は、電子トランジスタ素子および表示媒体に湿気および水分の進入に対する環境保護をもたらす。
【0015】
電子トランジスタ素子のアレイの一レベルの導電要素(例えば、電極、アドレス線)が、フォトリソグラフィおよびエッチングのプロセスによって、基板1を覆う平坦化層上に形成されたパターンTi/Au二重層によって定められている。上述のように、このパターンTi/Au層は、基板1の外周部分を取り去る前に形成されている。パターンTi/Au層は、電子トランジスタ素子においていかなる電子的機能も持たないマークも定めている。これらのマークが、切り出し前の基板の1つの角部分について、
図4に示されている。同じマークの組が、切り出し前の基板の他の角部分の各々にも設けられる。マークは、基準十字2、基板1の外周部分の切除のプロセスを案内するための切断線9、および後述される機能を有する正方形マーク4を含んでいる。
【0016】
上述のように、基板1の上面の処理の完了後に(すなわち、電子トランジスタ素子のアレイ、表示媒体、上側カプセル層26、およびエッジシール28などの形成が完了した後に)、基板1の外周部分が、例えばレーザ、刃、または水ジェットを使用して直角な切断5、6を行なうことによって取り除かれる。切断プロセスにおいては、切断線9が切断のための案内マークとして使用される。切断プロセスの性質は、直角な切断5、6の実際の位置が基板ごとに異なる可能性があるような性質である。例えば、直角な切断5、6が、(
図4および5に示されるように)切断線9に正確に一致する可能性があり、あるいは(
図6および7に示されるように)容認可能な公差の範囲内で切断線9からいくらかずれる可能性がある。
【0017】
上述の正方形マーク4の各々は、直角な切断5、6が前記公差の範囲内のどこで行なわれても、正方形マークの一部分7(以下、この部分を角マークと称する)が、エッジを切り出し基板1のそれぞれの角を定める2つのエッジ3に整列させて切り出し基板1のそれぞれの角に残るような寸法および位置を有している。
図2が、結果として切り出し基板1の4つの角の各々にもたらされた上述の角マーク7を示している。
【0018】
次いで、切り出し基板1のエッジ部分の前面が、異方性導電膜(ACF)ボンド22を使用してテープ・キャリア・パッケージへと貼り付けられる。次に、樹脂24が、ACFボンド22を保護するように機能する機械的なシールを切り出し基板1とテープ・キャリア・パッケージ10との間にもたらすために、切り出し基板1のエッジ3に沿って配置される。樹脂の配置のプロセスは、切り出し基板の角の角マーク7を自動認識システムによる基板のエッジ3の特定のための手段として使用して制御される。光学検出器(図示されていない)が、角マーク7を検出し、角マーク7の外縁から基板のエッジ3を特定し、樹脂配置針30の位置を調節するためのコントローラへの入力をもたらす。光学検出器は、基板1が光学的に透明な材料で作られているため、切り出し基板1の後ろ側(裏面)から角マーク7を検出することができる。
【0019】
上述の技術は、切り出し基板のエッジの正確な位置を、たとえ切断プロセスにある程度のばらつきが存在し、さらには/あるいは基板の処理の際に基板にある程度のひずみが生じても、精密に検出することができるという利点を有する。
【0020】
角マークの自動的な検出プロセスを促進するために、以下の方策がとられる。(i)すべての正方形マークが、同じ形状およびサイズを有する。(ii)すべての角マーク7が、たとえ大きさにある程度のばらつきが存在しても正方形または矩形のいずれかの形状を有するように、切断プロセスが設計される(これは、直角な切断が常に互いに90度で行なわれるように保証することで達成できる)。(iii)いかなる類似の形状のマークも、角マークを形成する正方形マークの付近の基板上には設けられない。(iv)切断プロセスが、角マーク7の欠けがないように設計される。
【0021】
切り出し基板をTCPへと貼り付ける例について、本発明の実施形態を説明したが、同じ実施形態を、チップ・オン・フィルム(COF)または可撓プリント基板(FPC)などといった他の構成要素への切り出し基板の貼り付けにも同様に適用することができる。
【0022】
以上で直接的に述べた変更の他に、本発明の範囲において上述の実施形態についてさまざまなその他の変更が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。