(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部が、前記情報抽出部により抽出された前記利用権限が付与されている前記登録宛先情報を含む情報を、インターフェース部を介して表示手段に表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子アドレス帳記憶装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の電子アドレス帳記憶装置及び電子アドレス帳記憶方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
第1の実施形態は、例えば、画像処理装置に組み込まれる電子アドレス帳記憶装置に本発明を適用する場合を例示する。
【0012】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置1の制御系の構成を示す構成図である。
図1において、第1の実施形態に係る画像処理装置1は、電子アドレス帳記憶装置10、操作表示部11、画像制御部12、CPU13、印刷部14、読
み取
り部15、FAX機能部16を有する。
【0013】
画像処理装置1は、通信機能を有し、読み取った画像を含む情報をFAXや電子メール等で宛先に送信するものである。例えば、画像処理装置1は、印刷機能、スキャナ機能(画像読み取り機能)、FAX機能、通信機能(例えば電子メール機能、電話機能等)を有するマルチファンクションペリフェラル(MFP)を適用することができる。なお、この実施形態では、画像形成装置1がMFPである場合を例示するがファクシミリ装置等の他の画像処理装置に広く適用することができる。
【0014】
操作表示部11は、ユーザ操作により入力されたデータを受け付けたり、操作画面や確認メッセージや入力情報等を表示したりするものである。操作表示部11は、画像処理装置1のオペレーションパネルに相当するものであり、液晶表示部やボタンキーやタッチパネル方式の操作表示部等を適用することができる。
【0015】
CPU13は、画像処理装置1の機能を司るものである。CPU13は、ROMに格納されている処理プログラムに基づいて、RAMや記憶装置としての電子アドレス帳記憶装置10に格納されている情報を用いて画像処理装置1の機能を実現する。
【0016】
画像制御部12は、機能選択画面、印刷機能、FAX送受信機能、スキャナ機能等で扱う画像情報を制御するものである。
【0017】
印刷部14は、CPU13の制御の下、印刷処理を実行するものである。
【0018】
読み取り部15は、CPU13の制御の下、画像の読み取り処理を実行するものである。
【0019】
FAX機能部16は、データや画像を含む情報のFAX送受信を行うものである。
【0020】
電子アドレス帳記憶装置10は、送信情報としての画像を含む情報を送信するための宛先情報を、当該画像処理装置1のユーザ毎に記憶するものである。また、電子アドレス帳記憶装置10は、入力されたユーザ識別情報に関連付けて宛先情報を記憶しており、ユーザの利用権限を認証するため、ユーザ識別情報に基づく認証が成功した場合に、当該ユーザ識別情報に関連付けられた宛先情報を操作表示部11に表示する。
【0021】
ここで、画像処理装置1は複数のユーザで共用されることがある。例えば同一の名前・名称を宛先としてファックスや電子メールを送信する場合でも、電子メールやFAX番号等の具体的な宛先情報(例えば、ファクス番号や電子メールアドレス等)がユーザ毎に異なることがある。また、既に登録されている宛先情報に他のユーザが使用する別の宛先情報を追加する場合、あるユーザが自身のユーザ識別情報に関連付けられた宛先情報を表示する際に、他のユーザが登録した宛先情報も表示させてしまい、秘匿性が問題となる。そこで、この実施形態では、秘匿化を向上させるために、後述するように、利用権限を有するユーザ毎に関連付けられた宛先情報を表示できるようにする。
【0022】
図1において、電子アドレス帳記憶装置10は、受信部100、ユーザ識別情報判
断部101、利用権限作成部102、宛先情報利用権限判断部103、表示情報抽出部104、表示制御部105、ユーザ識別情報記憶部106、アドレス帳記憶部107、インターフェース部108を有する。
【0023】
なお、「登録宛先情報記憶部」は、アドレス帳記憶部107を含むものである。また「情報抽出部」は、宛先情報利用権限判断部103と表示情報抽出部104とを含むものである。「ユーザ認証部」は、ユーザ識別情報判
断部101とユーザ識別情報記憶部106とを含むものである。「宛先情報取得部」は、受信部100を含むものである。
【0024】
ユーザ識別情報記憶部106は、ユーザ認証のために、1又は複数のユーザ識別情報を記憶するものである。
図2は、第1の実施形態に係るユーザ識別情報記憶部106に記憶されるユーザ識別情報リストの構成を示す構成図である。
図2に示すように、ユーザ識別情報記憶部106には、「ユーザ名」及び「識別情報」を項目とし、「ユーザ名」及び「識別情報」を対応付けて記憶される。例えば、
図2において、「ユーザ名:UserA」のユーザ識別情報として「識別情報:mZk739」が対応付けられている。なお、「識別情報」には、ユーザにより任意の番号や文字列等を設定するようにしても良い。
【0025】
アドレス帳記憶部107は、画像処理装置1で利用される宛先情報を記憶するものである。なお、アドレス帳記憶部107に記憶されている宛先情報を登録宛先情報ともいう。
【0026】
図3〜
図6は、アドレス帳記憶部107に記憶されるアドレス帳の構成を説明する構成図である。
図3に示すように、アドレス帳記憶部107には、1又は複数の宛先情報が記憶される。
図3の例では、例えば8個の宛先情報として「宛先情報1」〜「宛先情報8」がアドレス帳記憶部107に記憶されている。なお、登録される宛先情報の数は、特に限定されるものではない。
【0027】
図4は、アドレス帳記憶部107に記憶される各宛先情報の構成を示す構成図である。
図4に示すように、アドレス帳記憶部107に記憶される各宛先情報は、「宛先情報種別」及び「利用権限」が関連付けられている。
【0028】
図5は、第1の実施形態に係る宛先情報種別の構成を説明する説明図である。
図5に示すように、宛先情報種別は、ある名前・名称の宛先についての具体的な宛先情報の種類である。
図5に例示するように、宛先情報種別は、宛先の名前・名称を示す「NAME(名前)」、1又は複数の「MAIL(電子メールアドレス)」、1又は複数の「TEL(電話番号)」、1又は複数の「FAX(FAX番号)」、1又は複数の「MEMO(メモ)」等を有する。なお、登録される「MAIL(電子メールアドレス)」、「TEL(電話番号)」、「FAX(FAX番号)」、「MEMO(メモ)」の数は特に限定されるものではなく、必要に応じて増減することができる。また、宛先情報種別の種類は、「NAME(名前)」、「MAIL(電子メールアドレス)」、「TEL(電話番号)」、「FAX(FAX番号)」、「MEMO(メモ)」に限定されるものではなく、必要に応じて種類を増減することができる。
【0029】
つまり、
図3に示す各宛先情報は、
図5に例示する通り、「名前」、1又は複数の「電子メールアドレス」や「電話番号」や「FAX番号」や「メモ」等の具体的な内容である宛先情報種別を有して構成されており、
図4に示す通り、それぞれの宛先情報種別毎に利用権限が対応付けられている。
【0030】
また、
図6に例示する通り、宛先情報種別に関連付けられている利用権限は、「ユーザ名」及び「項目番号」を有してなるものである。ここで、「ユーザ名」は、画像処理装置1を使用するユーザの名前であって、ユーザ識別情報記憶部106に記憶されているユーザ識別情報の「ユーザ名」である。また、「項目番号」は、当該ユーザのアドレス帳において宛先情報が表示される順番を示す番号である。例えば、利用権限が「UserA1」の場合、「UserA」がユーザ名を示し、ユーザ名に続く「1」が項目番号を示す。
【0031】
受信部100は、インターフェース部108を介して、操作表示部
11から入力された宛先情報やユーザ識別情報を取得するものである。受信部100は、入力された宛先情報を取得する宛先情報受信部1000と、入力されたユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報受信部1001とを有する。
【0032】
ここで、ユーザ識別情報受信部1001は、ユーザ識別情報の登録時には、ユーザ名及び識別情報を取得し、そのユーザ名及び識別情報をユーザ識別情報記憶部106に記憶させる。また、ユーザ識別情報の登録後のユーザ認証のときには、ユーザ識別情報受信部1001は、ユーザ識別情報のうち識別情報のみを取得するようにしても良いし、又はユーザ名及び識別情報を取得するようにしても良い。
【0033】
宛先情報受信部1000は、宛先情報として、例えば、宛先の名前、電子メールアドレス、電話番号、FAX番号、メモに記載する情報等の一部又は全部の情報を取得する。
【0034】
ユーザ識別情報判断部101は、ユーザ認証を行うために、受信部100から入力されたユーザ識別情報と、ユーザ識別情報記憶部106に記憶されるユーザ識別情報のうち識別情報とが一致するか否か判断するものである。入力されたユーザ識別情報が、ユーザ識別情報記憶部106の「識別情報」と一致する場合、ユーザ識別情報判断部101はユーザ認証成功と判断し、不一致の場合、ユーザ識別情報判断部101はユーザ認証失敗と判断する。
【0035】
利用権限作成部102は、ユーザのアドレス帳を作成する際に、受信部100の宛先情報受信部1000により取得された宛先情報種別に対して、利用権限に関する情報を関連付けて、宛先情報の利用権限を作成や編集を行い、その宛先情報の利用権限をアドレス帳に記憶するものである。
【0036】
ここで、利用権限に関する情報は、
図6に例示したように、ユーザ名及び当該ユーザのアドレス帳の項目番号である。項目番号は、当該ユーザのアドレス帳に表示される順番を示す番号であり、例えば、当該ユーザのアドレス帳において宛先情報が登録される順に従った連番としても良い。
【0037】
宛先情報利用権限判断部103は、当該ユーザのアドレス帳を表示する際、ユーザ識別情報判断部101によるユーザ認証結果を取得して、そのユーザ認証結果に基づいて、当該ユーザ名のアドレス帳を表示するか否かを判断するものである。宛先情報利用権限判断部103は、ユーザ認証が成功した場合に利用権限あると判断してアドレス帳を表示するようにし、ユーザ認証が失敗した場合に利用権限がないと判断してアドレス帳を表示しないようにする。
【0038】
表示情報抽出部104は、宛先情報利用権限判断部103によりアドレス帳の表示可能と判断されたときに、アドレス帳記憶部107に記憶されているアドレス帳から、当該ユーザの利用権限に関連付けられている宛先情報を抽出するものである。このとき、表示情報抽出部104は、利用権限に関連付けられている宛先情報種別のみを抽出し、その抽出した宛先情報種別を表示制御部105に与える。
【0039】
なお、この実施形態では、宛先情報利用権限判断部103及び表示情報抽出部104を区別して説明しているが、利用権限が付与されている宛先情報種別情報を抽出することができれば、宛先情報利用権限判断部103及び表示情報抽出部104を含む機能部を備えるようにしても良い。
【0040】
表示制御部105は、表示情報抽出部104により抽出された宛先情報種別を、インターフェース部108を介して、操作表示部11に表示するものである。
【0041】
インターフェース部108は、操作表示部11と、受信部100又は表示制御部105との間でデータのやり取りを行うものである。
【0042】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る画像処理装置1におけるアドレス帳の表示処理及びアドレス帳の宛先情報の作成・編集処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
(A−2−1)アドレス帳の表示処理
図7は、第1の実施形態に係る画像処理装置1におけるアドレス帳の表示処理の動作を示すフローチャートである。
【0044】
まず、画像処理装置1の操作表示部11において、ユーザ操作によりアドレス帳の表示指示が入力されると、CPU13が電子アドレス帳記憶装置10にその旨を通知する。電子アドレス帳記憶装置10では、ユーザ認証を行うために、ユーザ識別情報判断部101が、表示制御部105及びインターフェース部108を介して、ユーザ認証情報の入力を要求する画面を操作表示部11に表示する(S1−1)。
【0045】
ユーザ操作により認証情報として入力された識別情報は、インターフェース部108を通じて受信部100のユーザ識別情報受信部1001に与えられる。ユーザ識別情報受信部1001は入力された識別情報をユーザ識別情報判断部101に与えて、ユーザ識別情報判断部101が認証処理を行う(S1−2)。
【0046】
ユーザ識別情報判断部101は、ユーザ識別情報記憶部106に記憶されるユーザ識別情報と、入力された認証情報としての識別情報とを比較する(S1−3)。
【0047】
入力された識別情報がユーザ識別情報記憶部106のユーザ識別情報と一致する場合S1−4に移行し、入力された識別情報がユーザ識別情報記憶部06のユーザ識別情報と一致しない場合S1−5に移行する。
【0048】
S1−5では、ユーザ識別情報判断部101から認証失敗を示す認証結果が表示制御部105に通知され、表示制御部105が、インターフェース部108を通じて操作表示部11に認証エラーを表示して、処理を終了する。
【0049】
S1−4では、ユーザ識別情報判断部101から認証成功を示す認証結果が、宛先情報利用権限判断部103に通知され、宛先情報利用権限判断部103が個別アドレス帳の表示処理を行い、処理を終了する。
【0050】
図8は、第1の実施形態に係る画像処理装置1における個別アドレス帳の表示処理を示すフローチャートである。
【0051】
図7のS1−3において、ユーザ識別情報判断部101により認証成功と判断されると、宛先情報利用権限判断部103は、アドレス帳記憶部107に記憶されているユーザに利用権限のある宛先情報を表示情報抽出部104に通知する(S2−1)。
【0052】
表示情報抽出部104は、アドレス帳記憶部107に記憶されているアドレス帳から、当該ユーザに利用権限のある宛先情報を利用権限内の項目番号に従って抽出して表示制御部105へ渡す(S2−2)。
【0053】
表示制御部105は、インターフェース部108を通じて操作表示部11に抽出したユーザ向けのアドレス帳を表示する(S2−3)。
【0054】
ここで、アドレス帳記憶部107には、
図9〜
図11に示す「宛先情報1」〜「宛先情報3」が記憶されているものとする。
【0055】
図9に示す「宛先情報1」は、宛先情報種別として、「NAME(名前):X」、「MAIL1(電子メールアドレス1):aaa□×@abc.com」、「MAIL2(電子メールアドレス2):a-△◇@mail.ne.jp」、「TEL1(電話番号1):×××-△△△−○○○○」、「TEL2(電話番号2):×××-△△△−○○○×」、「FAX1(FAX番号1):×××−△△△−○○○△」、「MEMO1(メモ1):会社アドレス」、「MEMO2(メモ2):登録日:2015/10/2」が登録されているものとする。
【0056】
図9において、「NAME(名前):X」、「MAIL1(電子メールアドレス1):aaa□×@abc.com」、「TEL1(電話番号1):×××-△△△−○○○○」、「MEMO1(メモ1):会社アドレス」は、利用権限「UserA1」と関連付けられているものとする。同様に、「NAME(名前):X」、「MAIL2(電子メールアドレス2):a-△◇@mail.ne.jp」、「TEL1(電話番号1):×××−△△△−○○○○」、「FAX1(FAX番号1):×××−△△△−○○○△」は、利用権限「UserB5」と関連付けられており、さらに、「NAME(名前):X」、「TEL2(電話番号2):×××−△△△−○○○×」、「MEMO2(メモ2):登録日:2015/10/2」は、利用権限「UserC2」と関連付けられているものとする。
【0057】
なお、
図10の宛先情報2及び
図11の宛先情報3に関しても、
図9の宛先情報1の場合と同様に、各宛先情報種別が利用権限に関連付けられているものとする。
【0058】
図9〜
図11に示すような宛先情報1〜宛先情報3がアドレス帳記憶部107に記憶されているものとする。この場合、表示情報抽出部104は、
図9〜
図11の宛先情報1〜宛先情報3から、利用権限に関連付けられている宛先情報種別を抽出して操作表示部11に表示する。
【0059】
図12は、操作表示部11に表示されるユーザA(UserA)向けのアドレス帳の表示画面を示す図である。
図13は、操作表示部11に表示されるユーザC(UserC)向けのアドレス帳の表示画面を示す図である。
【0060】
アドレス帳を使用するためにユーザ認証を行ったユーザがユーザAの場合、表示情報抽出部104は、
図12に示すように、
図9の宛先情報1のうち、利用権限「UserA1」に関連付けられている、「NAME(名前)」、「MAIL1(電子メールアドレス1)」、「TEL1(電話番号1)」、「MEMO1(メモ1)」を、ユーザAのアドレス帳の「項目番号:No.1」に表示する。また、
図12に示すように、
図10の宛先情報2のうち、利用権限「UserA2」に関連付けられている、「NAME(名前)」、「MAIL1(電子メールアドレス1)」、「FAX1(FAX番号2)」、「MEMO1(メモ1)」を、ユーザAのアドレス帳の「項目番号:No.2」に表示し、
図11の宛先情報3のうち、「NAME(名前)」、「MAIL1(電子メールアドレス1)」を、ユーザAのアドレス帳の「項目番号:No.3」に表示する。
【0061】
同様に、アドレス帳を使用するためにユーザ認証を行ったユーザがユーザCの場合、表示情報抽出部104は、
図13に示すように、
図10の宛先情報2のうち、利用権限「UserC1」に関連付けられている、「NAME(名前)」、「MAIL2(電子メールアドレス2)」、「MEMO2(メモ2)」を、ユーザCのアドレス帳の「項目番号:No.1」に表示する。また、
図13に示すように、
図9の宛先情報1のうち、利用権限「UserC2」に関連付けられている、「NAME(名前)」、「TEL2(電話番号2)」、「FAX1(FAX番号1)」、「MEMO2(メモ2)」を、ユーザCのアドレス帳の「項目番号:No.2」に表示する。
【0062】
ユーザは、操作表示部11に表示された各ユーザのアドレス帳画面(
図12、
図13参照)から所望の宛先情報を選択して使用することができる。
【0063】
(A−2−2)宛先情報の作成・編集処理
図14は、第1の実施形態に係る画像処理装置1における宛先情報の作成処理を示すフローチャートである。
【0064】
ユーザは、操作表示部11に表示される宛先情報の作成画面において、例えばユーザが宛先追加ボタンを選択し、宛先情報の作成が開始する。
【0065】
ここで、宛先情報の作成処理の前に、ユーザ操作により認証情報としての識別情報が入力されており、ユーザ識別情報判断部101によりユーザ認証成功の認証結果が得られているものとする。宛先情報の作成は、例えば、ユーザがユーザ毎の個別の宛先情報を表示した際に、表示画面上に宛先情報の宛先追加ボタンが表示されるようにしても良い。また例えば、機能を選択するためのメニュー画面上に宛先情報の作成するための選択ボタンが表示され、この選択ボタンの押下により宛先情報の作成を開始するようにしても良い。
【0066】
なお、この動作説明では、
図8によるユーザ毎の個別のアドレス帳が操作表示部11に表示されている状態から宛先情報を追加する場合を例示する。
【0067】
作成画面には名前データの入力欄が表示され、名前が入力されるか否かを判断する(S3−1)。このとき、宛先の名前が入力されない場合には処理が終了し、操作表示部11に宛先の名前が入力されると、その入力情報が受信部100の宛先情報受信部1000に取得されて、利用権限作成部102に通知される。
【0068】
利用権限作成部102では、入力された情報に基づいて、宛先情報の名前データが作成される(S3−2)。
【0069】
S3−3では、操作表示部11の表示画面の電子メールアドレスの入力欄に電子メールアドレスが入力されると、同様に利用権限作成部102が、電子メールアドレスデータを作成し(S3−4)、処理がS3−5に移行する。なお、S3−3で、電子メールアドレスの入力欄に電子メールアドレスが入力されないとき、処理がS3−5に移行する。
【0070】
S3−5で、操作表示部11の表示画面の電話番号の入力欄に電話番号が入力されると、同様に利用権限作成部102が、電話番号データを作成し(S3−6)、処理がS3−7に移行する。なお、S3−5において電話番号の入力欄に電話番号が入力されないとき、処理がS3−7に移行する。
【0071】
S3−7で、操作表示部11の表示画面のFAX番号の入力欄にFAX番号が入力されると、同様に利用権限作成部102が、FAX番号データを作成し(S3−8)、処理がS3−9に移行する。なお、S3−7においてFAX番号の入力欄にFAX番号が入力されないとき、処理がS3−9に移行する。
【0072】
S3−9で、操作表示部11の表示画面のメモ入力欄に情報が入力されると、同様に利用権限作成部102が、メモデータを作成し(S3−6)、処理がS311に移行する。なお、S3−9においてメモ入力欄に情報が入力されないとき、処理がS3−11に移行する。
【0073】
なお、S3−3〜S3−9では、電子メールアドレス、電話番号、FAX番号、メモのうち一部又は全部の情報の入力を受け付けるものである。そのため、電子メールアドレス、電話番号、FAX番号、メモのうち全部の情報が入力されない場合でも、宛先情報が作成されることができる。また、S3−3〜S3−9では、電子メールアドレス、電話番号、FAX番号、メモの順に入力の有無を判断するように表現しているが、判断の順序はこれに限定されるものではない。
【0074】
S3−11では、利用権限作成部102が、操作表示部11の表示画面に表示される登録ボタンが選択されたか否かを判断する。登録ボタンが選択されると、利用権限作成部102は、ユーザのアドレス帳に宛先情報を追加する「項目番号」を取得し(S3−12)、当該ユーザの「ユーザ名」及び「項目番号」を含む利用権限を、S3−2〜S3−10で取得した宛先情報種別の情報と対応付けて宛先情報データを作成する(S3−13)。このようにして、利用権限を関連付けた宛先情報を作成する。
【0075】
なお、利用権限作成部102は、当該ユーザのアドレス帳において、使用していない項目番号のうち一番小さい数字の項目番号を取得する。
【0076】
図15は、第1の実施形態に係る画像処理装置1における宛先情報の登録処理を示すフローチャートである。
【0077】
次に、宛先情報を作成する際に、同一の宛先情報が既に登録されていた場合に、その登録されている宛先情報に新たに利用権限を付与する処理の動作を説明する。
【0078】
ユーザ操作により宛先情報が操作表示部11に入力され、その入力された宛先情報がインターフェース部108を通じて宛先情報受信部1000に取得されて、利用権限作成部102に与えられる。
【0079】
利用権限作成部102では、
図14に例示した手順で宛先情報データが作成される。
【0080】
このとき、利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107に記憶されるアドレス帳の宛先情報と同一の宛先情報がアドレス帳に存在するか否かを判断する(S4−1)。
【0081】
ここで、利用権限作成部102による判断方法は、利用権限作成部102が、作成した宛先情報を構成する宛先情報種別と、アドレス帳記憶部107のアドレス帳に記憶される宛先情報を構成する宛先情報種別とを比較し、宛先情報種別が一致するものがあるか否かを判断する方法を適用することができる。
【0082】
例えば、宛先情報種別「NAME(名前)」と同一の「NAME(名前)」の宛先情報がアドレス帳に存在するかを確認するようにしても良い。また、宛先情報種別「NAME(名前)」の同一性のみの判断に限定されるものではなく、「NAME(名前)」以外の宛先情報種別を用いて同一の宛先情報が存在するか否かを判断する方法としても良い。これは、宛先の「NAME(名前)」が必ずしも同一に登録されないこともあり、そのような場合でも、「NAME(名前)」以外の宛先情報種別が同一のものがあれば、その同一の宛先をアドレス帳から読み出すことができるからである。これにより、例えば、宛先情報種別「TEL(電話番号)」や「FAX(FAX番号)」が同一の宛先情報が存在するか否かを判断し、同一の宛先情報をアドレス帳から読み出すことができる。
【0083】
なお、利用権限作成部102は、アドレス帳の宛先情報の「NAME(名前)」と、作成した宛先情報の「NAME(名前)」との完全同一のものを検索するようにしても良いし、又は、作成された宛先情報の「NAME(名前)」の文字列データを一部に含むものを検索するようにしても良い。後者の場合、宛先情報の「NAME(名前)」の登録の仕方は、ユーザによって異なる場合もあるため、完全同一の場合に限定されるものではなく、「NAME(名前)」の一部を含む宛先情報も検索する意図である。
【0084】
「NAME(名前)」が同一の宛先情報が既に登録されている場合、S4−3に移行し、「NAME(名前)」が同一の宛先情報が既に登録されていない場合、S4−2に移行する。
【0085】
S4−2では、ユーザにより入力された宛先情報をアドレス帳記憶部107のアドレス帳に追加し、S4−4に移行する。
【0086】
S4−3では、「NAME(名前)」が同一の宛先情報がアドレス帳に登録されている場合、利用権限作成部102は、アドレス帳に登録されている宛先情報を構成する宛先情報種別のうち、今回作成された宛先情報を構成する宛先情報種別と同一のものが存在するか否かを判断する。つまり、今回、ユーザが登録しようとする宛先情報種別が、アドレス帳の宛先情報に登録されているか否かを利用権限作成部102は判断する。そして、宛先情報種別がアドレス帳に登録されている宛先情報に登録されている場合、S4−5に移行し、宛先情報種別がアドレス帳に登録されている宛先情報に登録されていない場合、S4−4に移行する。
【0087】
S4−4では、今回作成された宛先情報種別が、アドレス帳に登録されている宛先情報に登録されていない場合、利用権限作成部102は、今回作成された宛先情報種別を、既にアドレス帳に登録されている宛先情報に追加して、S4−5に移行する。
【0088】
S4−5では、今回作成された宛先情報種別が、アドレス帳に登録されている宛先情報に登録されている場合、又は、S4−4で新たに追加された場合、利用権限作成部102は、「ユーザ名」及び「項目番号」を含む利用権限を、当該宛先情報種別に関連付けて宛先情報を作成する。
【0089】
ユーザが宛先情報を登録する場合、
図14及び
図15の処理手順例に示すようにして、アドレス帳の表示を行い、ユーザが操作表示部11を操作して、所望の宛先情報を作成する。
【0090】
図16は、第1の実施形態に係る画像処理装置1における宛先情報の削除処理を示すフローチャートである。
【0091】
ユーザが宛先情報を削除する場合、上述したようにユーザ識別情報判断部101によるユーザ認証が行なわれ、ユーザ認証成功のときに、各ユーザの宛先情報が操作表示部11に表示される。
【0092】
ユーザは、操作表示部11を操作して、削除を希望する宛先情報を選択して、表示画面上の削除ボタンを選択する。このとき、宛先情報の選択は、例えば、「項目番号」の選択であっても良いし、又は、タッチパネル方式の操作表示部11の場合には、表示画面に表示されている宛先情報の選択を行うようにしても良い。
【0093】
ユーザにより選択された宛先情報及び削除指示は、インターフェース部108を通じて宛先情報受信部1000に与えられ、利用権限作成部102に通知される。
【0094】
利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107のアドレス帳から、今回選択された宛先情報を読み出し、その読み出した宛先情報から、当該ユーザの利用権限が付与されている宛先情報種別を抽出する。そして、利用権限を有する他のユーザが利用できなくなることを回避するために、利用権限作成部102は、宛先情報種別に他のユーザの利用権限が存在しているか否かを判断する(S5−1)。
【0095】
他のユーザの利用権限が存在する場合、利用権限作成部102は、当該宛先情報種別に付与されている当該ユーザの利用権限を削除する(S5−3)。
【0096】
他のユーザの利用権限が存在しない場合、利用権限作成部102は、今回削除対象の宛先情報種別が「NAME(名前)」であるか否かを判断する(S5−2)。
【0097】
そして、削除対象の宛先情報種別が「NAME(名前)」である場合、利用権限作成部102は、当該宛先情報種別を含む宛先情報を削除する(S5−4)。
【0098】
また、削除対象の宛先情報種別が「NAME(名前)」でない場合、利用権限作成部102は、当該宛先情報に「NAME(名前)」以外の宛先情報種別が存在するか否かを判断する(S5−5)。そして、「NAME(名前)」以外の宛先情報種別が存在しない場合、S5−4に移行して、利用権限作成部102は、当該宛先情報種別を含む宛先情報を削除する(S5−4)。一方、「NAME(名前)」以外の宛先情報種別が存在する場合、S5−5に移行して、利用権限作成部102は、ユーザにより選択された当該宛先情報種別を宛先情報から削除する(S5−5)。
【0099】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、ユーザにより入力された情報(宛先情報種別)にユーザ識別情報と関連づけた利用権限を付与することで、アドレス帳の表示の際に、利用権限のある情報のみを表示することができ、他のユーザに登録した情報を見られなくすることができ、秘匿性を向上することが可能となる。
【0100】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の電子アドレス帳記憶装置及び電子アドレス帳記憶方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0101】
(B−1)第2の実施形態の構成
図17は、第2の実施形態に係る画像処理装置1Aの制御系の構成を示す構成図である。
図17において、第2の実施形態に係る画像処理装置1Aは、電子アドレス帳記憶装置10、操作表示部11、画像制御部12、CPU13、印刷部14、読
み取
り部15、FAX機能部16を有する。
【0102】
第2の実施形態では、電子アドレス帳記憶装置10Aが、第1の実施形態と異なり、それ以外の構成要素は第1の実施形態と同一又は対応するものである。そのため、
図17では、第1の実施形態と同一又は対応する構成要素に、第1の実施形態に係る
図1と同一符号を付している。
【0103】
電子アドレス帳記憶装置10Aは、受信部100、ユーザ識別情報判
断部101、利用権限作成部102、宛先情報利用権限判断部103、表示情報抽出部104、表示制御部105、ユーザ識別情報記憶部106、アドレス帳記憶部107、インターフェース部108、確認メッセージ作成部109、宛先情報更新制御部110を有する。
【0104】
宛先情報更新制御部110は、宛先情報の更新通知に関する処理を制御するものである。具体的には、宛先情報更新制御部110は、宛先情報の更新(変更)がなされたときに、更新前の宛先情報(宛先情報種別情報)に利用権限が関連付けられている他のユーザとの間で、更新後の宛先情報(宛先情報種別情報)を共有するか否かの処理を制御するものである。また、宛先情報更新制御部110は、現在のユーザが更新後の宛先情報(宛先情報種別情報)に利用権限を追加する処理を行うものである。
【0105】
図18は、第2の実施形態に係る宛先情報種別に関連付けられる利用権限の構成を示す構成図である。第2の実施形態において、宛先情報種別に関連付けられている利用権限は、「ユーザ名」、「項目番号」、「−(ハイフン)」、「更新通知フラグ」、更新後の宛先情報種別情報を特定する特定情報としての「更新後宛先情報種別情報」を有する。
【0106】
第2の実施形態に係る利用権限は、他のユーザが宛先情報を更新したことを通知するか否かを示す更新通知フラグと、他のユーザによって更新された更新後の宛先情報種別の情報を示す更新後宛先情報種別情報とが追加された構成となっている。
【0107】
また、利用権限は、追加された情報(更新通知フラグ及び更新後宛先情報種別情報)を認識しやすくするため、「−(ハイフン)」を、「項目番号」と「更新通知フラグ」との間に挿入している。更新通知フラグは、更新後に宛先情報の更新通知がなされたか否かを示すフラグであり、この実施形態では「更新フラグ:1」が通知有りとし、「更新フラグ:0」が通知無しとして説明する。
【0108】
なお、情報を区別することができれば、「−(ハイフン)」に限定されるものではなく、その他の記号、文字等としても良い。
【0109】
確認メッセージ作成部109は、宛先情報の更新通知や更新の共有を確認するための確認メッセージを作成して表示制御部105に通知するものである。
【0110】
(B−2)第2の実施形態の動作
第2の実施形態に係る画像処理装置1Aにおけるアドレス帳の表示処理は、第1の実施形態に係る
図7のフローチャートと同様の処理を用いることができる。
【0111】
図7において、まず、画像処理装置1Aの操作表示部11において、ユーザ操作によりアドレス帳の表示指示が入力されると、CPU13が電子アドレス帳記憶装置10Aにその旨を通知する。電子アドレス帳記憶装置10Aでは、ユーザ認証を行うために、ユーザ識別情報判断部101が、表示制御部105及びインターフェース部108を介して、ユーザ認証情報の入力を要求する画面を操作表示部11に表示する(S1−1)。
【0112】
ユーザ操作により認証情報として入力された識別情報は、インターフェース部108を通じて受信部100のユーザ識別情報受信部1001に与えられる。ユーザ識別情報受信部1001は入力された識別情報をユーザ識別情報判断部101に与えて、ユーザ識別情報判断部101が認証処理を行う(S1−2)。
【0113】
ユーザ識別情報判断部101は、ユーザ識別情報記憶部106に記憶されるユーザ識別情報と、入力された認証情報としての識別情報とを比較する(S1−3)。
【0114】
入力された識別情報がユーザ識別情報記憶部106のユーザ識別情報と一致する場合S1−4に移行し、入力された識別情報がユーザ識別情報記憶部106のユーザ識別情報と一致しない場合S1−5に移行する。
【0115】
S1−5では、ユーザ識別情報判断部101から認証失敗を示す認証結果が表示制御部105に通知され、表示制御部105が、インターフェース部108を通じて操作表示部11に認証エラーを表示して、処理を終了する。
【0116】
S1−4では、ユーザ識別情報判断部101から認証成功を示す認証結果が、宛先情報利用権限判断部103に通知され、宛先情報利用権限判断部103が個別アドレス帳の表示処理を行い、処理を終了する。
【0117】
図19は、第2の実施形態に係る画像処理装置1Aにおけるアドレス帳の表示処理の動作を示すフローチャートである。
【0118】
S1−3で認証可能と判断した場合、ユーザ識別情報判断部101は、認証成功の旨を宛先情報利用権限判断部103に通知する。宛先情報利用権限判断部103は、アドレス帳記憶部107に記憶されているユーザに利用権限のある宛先情報を表示情報抽出部104に通知する(S6−1)。
【0119】
表示情報抽出部104は、アドレス帳記憶部107のアドレス帳に記憶されている宛先情報のうち、当該ユーザの利用権限が付与されている宛先情報を抽出する。そして、表示情報抽出部104は、抽出した宛先情報を利用権限に含まれる「項目番号」に従って並べ替え(S6−2)、宛先情報更新制御部110へ与える。
【0120】
宛先情報更新制御部110は、表示情報抽出部104から取得した宛先情報に付与されている利用権限の更新通知フラグが「1(通知有り)」であるか否か確認する(S6−3)。更新通知フラグが「1」の場合、S6−4に移行する。
【0121】
更新通知フラグが「0」の場合、S6−11に移行し、宛先情報更新制御部110は、表示情報抽出部104に通知して現在のユーザのアドレス帳の情報を表示制御部105に与える。そして、表示制御部105は、インターフェース部108を通じて操作表示部11にアドレス帳を表示する(S6−11)。
【0122】
S6−4では、更新通知フラグが「1」の場合、宛先情報更新制御部110がその旨を確認メッセージ作成部109に通知する。確認メッセージ作成部109は、現在のユーザに対して他のユーザが更新を行った情報を現在のユーザのアドレス帳に反映するか否かを問い合わせる確認メッセージを作成して表示制御部105に与える。そして、現在のユーザに対して更新有りの旨の通知及び更新内容を反映させるか否かを確認させるために、表示制御部105は、インターフェース部108を通じて操作表示部11に確認メッセージを表示する(S6−4)。
【0123】
図20は、第2の実施形態に係る更新反映確認メッセージの表示画面を示す画面図である。
図20に例示する更新反映確認メッセージ30は、宛先情報に更新があった旨をユーザに通知すると共に、更新内容を反映させるか否かをユーザに確認させるためのものである。
図20の更新反映確認メッセージ30は、例えば「:×××−△△△−○○○○→×××−△△△−○×○× 他のユーザがこの情報を変更しました。変更結果を反映してよろしいですか?」等のガイダンス表示部33と、「OK」ボタン31、「反映しない」ボタン32とを有する。
【0124】
現在のユーザが「反映しない」ボタン32を選択した場合(S6−5)、更新情報を反映しない旨の情報が、インターフェース部108を通じて受信部100に与えられ、宛先情報更新制御部110に通知される。宛先情報更新制御部110は、利用権限作成部102に現在のユーザの当該宛先情報種別に付与されている利用権限から更新情報を削除するよう通知する。利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107に記憶されている宛先情報の当該宛先情報種別から利用権限の更新情報を削除する(S6−9)。
【0125】
ここで、利用権限の更新情報の削除は、利用権限に含まれている更新通知フラグを「1」から「0」に変更して、利用権限に含まれている更新後宛先情報種別情報を削除することを指す。
【0126】
一方、現在のユーザが「OK」ボタン31を選択して更新を選択した場合(S6−5)、更新情報を反映する旨の情報が、インターフェース部108を通じて受信部100に与えられ、宛先情報更新制御部110に通知される。宛先情報更新制御部110は、更新後宛先情報種別に現在のユーザの利用権限を付与するために、利用権限作成部102に更新後宛先情報種別に現在のユーザの利用権限を追加するよう通知する。そして、利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107に記憶されている宛先情報の当該宛先情報種別の利用権限に含まれている更新後宛先情報種別情報を参照して、更新後宛先情報種別に現在のユーザの利用権限を追加する(S6−6)。
【0127】
図21は、第2の実施形態に係る更新後宛先情報種別に現在のユーザの利用権限を追加した宛先情報の構成を示す図である。
図21を用いて、更新後宛先情報種別に現在のユーザの利用権限を追加する処理を説明する。
【0128】
図21では、更新を反映することを選択したユーザが「UserA」とする。
図21に例示する宛先情報は、当該宛先情報種別が「TEL1(電話番号1)」であり、当該宛先情報種別の利用権限が「UserA1−1TEL3」であるとする。利用権限「UserA1−1TEL3」は「ユーザ名:UserA」及び「項目番号:1」、「更新通知フラグ:1」及び「更新後宛先情報種別情報:TEL3」という構成である。
【0129】
利用権限作成部102は、利用権限「UserA1−1TEL3」に含まれる「更新後宛先情報種別情報:TEL3」を参照して、更新後宛先情報種別が「TEL3(電話番号3)」であることを特定する。そして、その特定した更新後宛先情報種別「TEL3(電話番号3)」に、UserAの利用権限を追加する。
【0130】
次に、利用権限作成部102は、変更前の宛先情報種別に現在のユーザ以外の他のユーザの利用権限が存在するか判断する(S6−7)。
【0131】
そして、当該宛先情報種別に他のユーザの利用権限が存在しない場合、利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107の宛先情報から当該宛先情報種別を削除する(S6−10)。
【0132】
一方、当該宛先情報種別に他のユーザの利用権限が存在する場合、利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107の宛先情報の当該宛先情報種別に付与されている利用権限の中から、現在のユーザの利用権限を削除する(S6−8)。
【0133】
S6−8、S6−9、S6−10において、アドレス帳記憶部107において宛先情報の更新が完了すると、利用権限作成部102は宛先情報更新制御部110に通知し、宛先情報更新制御部110は表示情報抽出部104に通知する。表示情報抽出部104はアドレス帳記憶部107からユーザに利用権限のある宛先情報を利用権限内の項目番号に従って並べ替えて表示制御部105に与える。表示制御部105はインターフェース部108を通じて抽出したユーザ向けのアドレス帳を操作表示部11に表示する(S6−11)。
【0134】
図22は、第2の実施形態に係る画像処理装置1Aにおける宛先情報の変更処理を示すフローチャートである。
【0135】
ユーザが宛先情報を変更する場合、上述したユーザ認証及び操作表示部11にユーザのアドレス帳を操作表示部11に表示する。
【0136】
例えば、操作表示部11の表示画面に表示されているアドレス帳から変更対象の宛先情報の選択及び宛先編集ボタンが選択される。これら宛先情報及び宛先編集指示の情報が入力されると、宛先情報はインターフェース部108を通じて電子アドレス帳記憶装置10Aの受信部100の宛先情報受信部1000に受信され、宛先情報が利用権限作成部102に与えられる。
【0137】
利用権限作成部102はアドレス帳記憶部107の宛先情報の当該宛先情報種別に現在のユーザ以外の他のユーザの利用権限が存在するか確認する(S7−1)。
【0138】
他のユーザの利用権限が存在しない場合(S7−1)、利用権限作成部102は、当該宛先情報種別の情報を変更する(S7−6)。
【0139】
他のユーザの利用権限が存在する場合(S7−1)、利用権限作成部102はその旨を宛先情報更新制御部110に通知し、宛先情報更新制御部110が確認メッセージ作成部109に通知する。確認メッセージ作成部109は更新情報を現在のユーザ以外の他のユーザに通知するか否かの確認メッセージを作成して表示制御部105に与える。表示制御部105はインターフェース部108を通じて操作表示部11に確認メッセージを表示する(S7−2)。
【0140】
図23は、第2の実施形態に係る更新情報共有確認メッセージの表示画面を示す画面図である。
図23に例示する更新情報共有確認メッセージ40は、他のユーザに更新情報を通知するか否かを問い合わせる確認メッセージである。
図23の更新情報共有確認メッセージ40は、例えば「3:×××−△△△−○×○× 同じ宛先情報を使用している他のユーザにこの更新情報を通知してもよろしいですか?」等のガイダンス表示部43と、「OK」ボタン41、「通知しない」ボタン42とを有する。
【0141】
現在のユーザが他のユーザに更新情報を共有しない場合(すなわち、現在のユーザが更新情報を通知しない場合)、操作表示部11において、「通知しない」ボタン42が選択される。更新情報を通知しない旨の情報が、操作表示部11からインターフェース部108を通じて受信部100に与えられ、宛先情報更新制御部110に通知される。宛先情報更新制御部110は更新情報を通知しない旨を利用権限作成部102に通知する。利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107の宛先情報の当該宛先情報種別から現在のユーザの利用権限を削除して、変更後の宛先情報種別を追加し、変更後宛先情報種別に現在のユーザの利用権限を追加する(S7−5)。
【0142】
現在のユーザが他のユーザに更新情報を共有する場合(すなわち、現在のユーザが更新情報を通知する場合)、操作表示部11において、「OK」ボタン41が選択される。更新情報を通知する旨の情報が、操作表示部11からインターフェース部108を通じて受信部100に与えられ、宛先情報更新制御部110に通知される。宛先情報更新制御部110は利用権限作成部102に更新情報を通知する旨を与える。利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107の宛先情報の当該宛先情報種別の現在のユーザ以外の利用権限に更新情報を追加する(S7−4)。
【0143】
ここで、利用権限に更新情報を追加するとは、利用権限に含まれる更新通知フラグを「0」から「1」に変更すると共に、更新後宛先情報種別情報を追加することを指す。
【0144】
その後、利用権限作成部102は、アドレス帳記憶部107の宛先情報の当該宛先情報種別から現在のユーザの利用権限を削除して、変更後の宛先情報種別を追加し、変更後宛先情報種別に現ユーザの利用権限を追加する(S7−5)。
【0145】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、情報の更新時に他のユーザとの間で更新後の情報を共有するか否かを選択することができ、更新後の情報を共有する場合も更新前の情報を知っているユーザ間でのみ行われるため、秘匿性を維持したまま効率的に情報変更を行うことができる。
【0146】
(C)他の実施形態
上述した各実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は以下の変形実施形態にも適用可能である。
【0147】
(C−1)上述した各実施形態では、画像処理装置としてのMFPに本発明を適用した場合を例示した。しかし、本発明の電子アドレス帳記憶装置は、アドレス帳を備え、複数のユーザが共有で使用する装置であれば広く適用することができ、例えば、ファクシミリ装置やスキャナ装置等に搭載される電子アドレス帳記憶装置にも適用可能である。
【0148】
(C−2)上述した各実施形態では、装置上の操作表示部(パネル)に画面を表示し、パネル上のボタンで情報入力を行う場合を例示した。しかし、本発明は、表示装置及び入力装置は本体の画像処理装置と通信可能に接続されていれば良く、表示装置及び入力装置は外部PC上にあってネットワークを通じて操作を行うのでも良い。さらに、表示装置及び入力装置が携帯端末上にあって無線ネットワークを通じて操作を行うのであっても良い。
【0149】
(C−3)上述した各実施形態では、宛先情報を「NAME(名前)」を基準にして、宛先情報種別の追加や削除を行うものとして説明したが、宛先情報は、基準は他の情報でも良い。具体的には、「MAIL(電子メールアドレス)」、「TEL(電話番号)」、「FAX(FAX番号)」等を基準として同一の宛先情報の検索を行うようにしても良い。