特許第6180980号(P6180980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180980
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】画像形成システム及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20170807BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20170807BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170807BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G06F3/12 392
   G06F3/12 356
   G06F3/12 305
   H04N1/00 107Z
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 E
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-64391(P2014-64391)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-187762(P2015-187762A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】奥田 真也
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】守谷 友里
(72)【発明者】
【氏名】松木 良臣
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−197257(JP,A)
【文献】 特開2014−186679(JP,A)
【文献】 特開2014−11614(JP,A)
【文献】 特開2012−38067(JP,A)
【文献】 特開2012−216195(JP,A)
【文献】 特開2006−27017(JP,A)
【文献】 特開2013−218405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/00
B41J 29/38
H04N 1/00
G06F 3/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と携帯端末を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
画像データからプレビュー画像データを作成するプレビュー画像データ作成手段と、
前記携帯端末に前記プレビュー画像データを送信するプレビュー画像データ送信手段とを備え、
前記携帯端末は、
前記画像形成装置から前記プレビュー画像データを受信するプレビュー画像データ受信手段と、
前記プレビュー画像データの画像を表示するプレビュー画像表示手段と、
前記プレビュー画像データの画像の向きにより原稿の上側を上にするかまたは原稿の上側を左にするかの原稿の向きを設定する原稿向き設定手段とを備え
ることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、
本体が縦向きであるか横向きであるかを検出する向き検出手段を備え、
前記本体の縦向きまたは横向きに応じて前記プレビュー画像データの画像を縦向きまたは横向きとすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、
前記プレビュー画像データの印刷設定を行う印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、
前記印刷設定画面から設定された印刷設定データを前記画像形成装置に送信する印刷設定データ送信手段と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記印刷設定データを前記携帯端末から受信する印刷設定データ受信手段と
を備え
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置と前記携帯端末は、ネットワークにより接続することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置と前記携帯端末は、近距離無線通信により接続することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置と前記携帯端末は、インターネットにより接続することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
画像データを画像形成装置から受信する画像データ受信手段と、
前記画像データからプレビュー画像データを作成するプレビュー画像データ作成手段と、
前記プレビュー画像データの画像を表示するプレビュー画像表示手段と、
前記プレビュー画像データの画像の向きにより原稿の上側を上にするかまたは原稿の上側を左にするかの原稿の向きを設定する原稿向き設定手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
本体が縦向きであるか横向きであるかを検出する向き検出手段を備え、
前記本体の縦向きまたは横向きに応じて前記プレビュー画像データの画像を縦向きまたは横向きとすることを特徴とする請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記プレビュー画像データの印刷設定を行う印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、
前記印刷設定画面から設定された印刷設定データを前記画像形成装置に送信する印刷設定データ送信手段と
を備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から受信した画像の印刷イメージ(以下、「プレビュー」という)を携帯端末に表示し、携帯端末から画像形成装置の印刷設定を行う画像形成システム及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、又は複合機(Multifunction Peripheral)である画像形成装置は、読み取った原稿の画像データやプレビューの画像データ(以下、「プレビュー画像データ」という)を携帯電話、スマートフォン、またはタブレット端末などの携帯端末に無線通信により送信することができる。また、携帯端末が画像形成装置からプレビュー画像データを受信し、携帯端末の操作パネルにプレビュー画像を表示することで、ユーザーは手元のプレビュー画像から印刷設定を確認することができる。例えば、特許文献1の可変型の端末装置(携帯端末)に搭載される制御装置では、Webサーバーから取り出したWebデータのプレビュー画像を作成して端末装置のディスプレイに表示することで、ユーザーは手元のプレビュー画像から印刷設定を確認できるようにしている。また、端末装置が縦向き状態(端末装置の短辺が上)のときには、原稿の長辺の上から下の方向に印刷するポートレート印刷、端末装置が横向き状態(端末装置の長辺が上)のときには、原稿の短辺の上から下の方向に印刷するランドスケープ印刷にプリンター(画像形成装置)を切り替えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−038067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の端末装置は、本体を縦向き状態または横向き状態とすることで、プリンターをポートレート印刷またはランドスケープ印刷に切り替えることができるが、他の設定を行うことができない。特に、穴あけ、ホチキス、または冊子の綴じなどのステープルを行う機器(以下、「フィニッシャー」という)を備えた画像形成装置においては、原稿の上側を上(Top Edge on Top)にするか、または原稿の上側を左(Top Edge on Left)にするかの原稿の向きの設定により、ステープルの位置が決定される。例えば、原稿の上側を上(Top Edge on Top)にすると、原稿の上側に対して左側にステープルが設けられる。また、原稿の上側を左(Top Edge on Left)にすると、原稿の上側にステープルが設けられる。また、縦方向と横方向の拡大率や縮小率を別々に設定できる場合において、原稿の向きにより縦方向と横方向が異なる。例えば、原稿の上側を上(Top Edge on Top)にすると、縦方向は原稿の上側の辺に対して直角の方向となり、横方向は原稿の上側の辺に平行となる。また、原稿の上側を左(Top Edge on Left)にとすると、縦方向は原稿の上側の辺に平行となり、横方向は原稿の上側の辺に対して直角の方向となる。この原稿の上側を上(Top Edge on Top)にするか、または原稿の上側を左(Top Edge on Left)にするかの原稿の向きは、原稿を用紙に印刷するときにはどちらの向きに設定されていても問題ないが、ステープルや拡大縮小の機能を動作させるときには正しく設定する必要がある。つまり、原稿の向きによりステープルの位置、拡大縮小の縦方向と横方向が変わるため、ユーザーがイメージ通りのステープルや拡大縮小を行うための原稿の向きを容易に設定できないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる画像形成システム及び携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、画像形成装置と携帯端末を有する画像形成システムであって、前記画像形成装置は、画像データからプレビュー画像データを作成するプレビュー画像データ作成手段と、前記携帯端末に前記プレビュー画像データを送信するプレビュー画像データ送信手段とを備え、前記携帯端末は、前記画像形成装置から前記プレビュー画像データを受信するプレビュー画像データ受信手段と、前記プレビュー画像データの画像を表示するプレビュー画像表示手段と、前記プレビュー画像データの画像の向きにより原稿の上側を上にするかまたは原稿の上側を左にするかの原稿の向きを設定する原稿向き設定手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成システムの前記携帯端末は、本体が縦向きであるか横向きであるかを検出する向き検出手段を備え、前記本体の縦向きまたは横向きに応じて前記プレビュー画像データの画像を縦向きまたは横向きとすることを特徴としている。
また、本発明の画像形成システムの前記携帯端末は、前記プレビュー画像データの印刷設定を行う印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、前記印刷設定画面から設定された印刷設定データを前記画像形成装置に送信する印刷設定データ送信手段とを備え、前記画像形成装置は、前記印刷設定データを前記携帯端末から受信する印刷設定データ受信手段と
を備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成システムの前記画像形成装置と前記携帯端末は、ネットワークにより接続することを特徴としている。
また、本発明の画像形成システムの前記画像形成装置と前記携帯端末は、近距離無線通信により接続することを特徴としている。
また、本発明の画像形成システムの前記画像形成装置と前記携帯端末は、インターネットにより接続することを特徴としている。
本発明の携帯端末は、画像データを画像形成装置から受信する画像データ受信手段と、前記画像データからプレビュー画像データを作成するプレビュー画像データ作成手段と、前記プレビュー画像データの画像を表示するプレビュー画像表示手段と、前記プレビュー画像データの画像の向きにより原稿の上側を上にするかまたは原稿の上側を左にするかの原稿の向きを設定する原稿向き設定手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明の携帯端末は、本体が縦向きであるか横向きであるかを検出する向き検出手段を備え、前記本体の縦向きまたは横向きに応じて前記プレビュー画像データの画像を縦向きまたは横向きとすることを特徴としている。
また、本発明の携帯端末は、前記プレビュー画像データの印刷設定を行う印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、前記印刷設定画面から設定された印刷設定データを前記画像形成装置に送信する印刷設定データ送信手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成システム及び携帯端末は、ユーザーが原稿の印刷を行うときに携帯端末から原稿の向きを直感的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
図2図1に示す画像形成システムの画像形成装置と携帯端末の機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る携帯端末から原稿の向きを設定するユーザーの操作手順を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る携帯端末の原稿向き設定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。実施形態は、ユーザーが携帯端末にプレビュー画像を表示し、プレビュー画像を表示しているときに携帯端末の本体を縦向または横向にすることで、原稿の向きを設定するものである。
【0010】
まず、本実施形態の画像形成システム10のシステム構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、画像形成システム10は、複数の画像形成装置100、複数の携帯端末200、アクセスポイント300、ネットワーク400、ルーター500、インターネット600、及びアクセスポイント700により構成されている。画像形成装置100とアクセスポイント300はネットワーク400に接続され、ネットワーク400はルーター500を経由してインターネット600に接続されている。
【0011】
画像形成装置100は、プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、または複合機であり、近距離無線通信、ネッワーク400、またはインターネット600により携帯端末200とデータの送受信を行うことができる。
【0012】
携帯端末200は、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット端末等であり、近距離無線通信、ネットワーク400のアクセスポイント300、またはインターネット600のアクセスポイント700により画像形成装置100とデータの送受信を行うことができる。
【0013】
アクセスポイント300は、ネットワーク400に接続され、無線通信によりアクセスポイント300に対して接続要求を行っている携帯端末200をネットワーク400に接続する。
【0014】
ネットワーク400は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク(イントラネット等)であり、複数の画像形成装置100と、アクセスポイント300が接続されている。
【0015】
ルーター500は、ネットワーク400に接続され、ネットワーク400をインターネット600に接続する。
【0016】
インターネット600は、インターネットやイントラネット等のIPネットワークであり、複数の携帯端末200がアクセスポイント700を経由して接続する。
【0017】
次に、画像形成システム10の画像形成装置100と携帯端末200の機能構成について、図2を用いて説明する。図2に示す画像形成装置100と携帯端末200は、図1に示す画像形成システム10において、ネットワーク400に接続する1台の画像形成装置100と、アクセスポイント300によりネットワーク400に接続する1台の携帯端末200の機能構成を示す。また、図1に示す他の画像形成装置100及び携帯端末200についても同様の機能構成である。
【0018】
まず、画像形成装置100の機能構成について、説明する。図2に示す画像形成装置100は、制御部110、メモリー部120、記憶部130、操作パネル140、操作パネル処理部150、原稿読取部160、画像処理部170、近距離無線通信部180、及びネットワーク通信部190を備え、これら各部はバスなどにより接続される構成となっている。制御部110には、プレビュー画像作成処理部110aとプレビュー画像送信処理部110bが設けられている。メモリー部120には、画像データ記憶エリア120aとプレビュー画像データ記憶エリア120bが設けられている。記憶部130には、ドキュメントボックスエリア130aが設けられている。
【0019】
制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部110は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラー等を含む総合的な画像形成装置100の制御を行う。
プレビュー画像作成処理部110aは、画像データ記憶エリア120aから画像データを取り出し、この画像データからプレビュー画像データを作成し、プレビュー画像データ記憶エリア120bに記憶する。
プレビュー画像送信処理部110bは、携帯端末200からプレビュー画像要求通知を受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア120bからプレビュー画像データを取り出し、携帯端末200に送信する。
【0020】
メモリー部120は、フラッシュメモリー等の補助記憶装置で、制御部110が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。
画像データ記憶エリア120aは、原稿読取部160から読み取った画像データや、ネットワーク通信部190を経由して他の画像形成装置100や携帯端末200から受信した画像データを記憶する。
プレビュー画像データ記憶エリア120bは、画像形成装置100が画像データから作成したプレビュー画像データを記憶する。
【0021】
記憶部130は、データやプログラムを記憶するハードディスクドライブである。
ドキュメントボックスエリア130aには、ユーザー毎の複数のドキュメントボックスが設けられている。各々のドキュメントボックスには、ユーザーが管理する画像データが記憶されている。
【0022】
操作パネル140は、操作画面、画像データの画像、及びプレビュー画像データのプレビュー画像の表示と、ユーザーによる操作受け付けを行う液晶パネルである。
【0023】
操作パネル処理部150は、画像形成装置100が備えている機能に対する操作項目を操作パネル140に表示する処理、画像及びプレビュー画像を操作パネル140に表示する処理、または操作パネル140からユーザーの操作を入力する処理を行う。
【0024】
原稿読取部160は、ユーザーが操作パネル140から読み取り操作を行うと、画像形成装置100の原稿台にセットされた原稿の読み取りを行い、読み取ったデータを画像処理部170に出力する。
【0025】
画像処理部170は、原稿読取部160から読み取ったデータを入力すると、印刷可能なイメージの画像データや、FAXやメールで送信可能なイメージの画像データに変換する。
【0026】
近距離無線通信部180は、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)や赤外線通信により携帯端末200と近距離での直接通信を行う。
【0027】
ネットワーク通信部190は、着脱可能なLANインターフェイスを備え、ネットワーク400に接続する。
【0028】
次に、携帯端末200の機能構成について、説明する。図2に示す携帯端末200は、制御部210、メモリー部220、操作パネル230、操作パネル処理部240、3軸加速度センサー部250、近距離無線通信部260、及びネットワーク通信部270を備え、これら各部はバスなどにより接続される構成となっている。制御部210には、プレビュー画像要求処理部210aと原稿向き設定処理部210bが設けられている。メモリー部220には、プレビュー画像データ記憶エリア220aと印刷設定データ記憶エリア220bが設けられている。
【0029】
制御部210は、RAMやROM等の主記憶手段、及びCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部210は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラー等を含む総合的な携帯端末200の制御を行う。
プレビュー画像要求処理部210aは、画像形成装置100に対してプレビュー画像要求通知を送信し、画像形成装置100からプレビュー画像データを受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶する。
原稿向き設定処理部210bは、携帯端末200の本体が縦向または横向であるかを検出することで原稿の向きを設定する。
【0030】
メモリー部220は、フラッシュメモリー等の補助記憶装置で、制御部210が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。
プレビュー画像データ記憶エリア220aは、画像形成装置100から受信するプレビュー画像データを記憶する。
印刷設定データ記憶エリア220bは、後述する印刷設定画面800により設定される印刷設定データを記憶する。
【0031】
操作パネル230は、操作画面、設定画面、画像データの画像、及びプレビュー画像データのプレビュー画像の表示と、ユーザーによる操作や設定の受け付けを行う液晶パネルである。
【0032】
操作パネル処理部240は、携帯端末200が備えている機能に対する操作項目や設定項目の画面を操作パネル230に表示する処理、画像及びプレビュー画像を操作パネル230に表示する処理、または操作パネル230からユーザーの操作や設定を入力する処理を行う。
【0033】
3軸加速度センサー部250は、XYZ軸方向それぞれの加速度を検出することで、携帯端末200の傾きなどの動きを検出するMEMS(Micro Electro Mechanical System)センサーである。
【0034】
近距離無線通信部260は、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)や赤外線通信により画像形成装置100と近距離での直接通信を行う。
【0035】
ネットワーク通信部270は、アクセスポイント300を経由してネットワーク400に接続する。また、ネットワーク通信部270は、アクセスポイント700を経由してインターネット600に接続する。
【0036】
次に、実施形態における携帯端末200から原稿の向きを設定するユーザーの操作手順について、図3を用いて説明する。
まず、ユーザーが操作パネル230から印刷設定画面800を表示する操作を行うと、図3(1)に示すように操作パネル230に印刷設定画面800が表示される。次いで、ユーザーが印刷設定画面800の「原稿向き」ボタン810をポイントすると、図3(2)(a)に示すように操作パネル230に原稿のプレビュー画像と「確定」ボタン820が表示される。ユーザーが原稿の上側を上にするときには、図3(2)(a)に示すように携帯端末200の本体及びプレビュー画像が縦向の状態で「確定」ボタン820をポイントする。また、ユーザーが原稿の上側を左にするときには、図3(2)(b)に示すように携帯端末200の本体及びプレビュー画像が横向の状態で「確定」ボタン820をポイントする。なお、携帯端末200の本体を横向にすると、携帯端末200の自動回転機能が設定されている場合にはプレビュー画像が自動的に縦向きに回転するので、自動回転機能を無効に設定しておく。このような操作手順により、ユーザーは、原稿の上側を上にする(Top Edge on Top)設定または原稿の上側を左にする(Top Edge on Left)設定を行うことができる。
【0037】
次に、携帯端末200から原稿向きを設定する手順について、図4のフローチャートを用いて更に詳しく説明する。
【0038】
まず、ユーザーが携帯端末200の操作パネル230から印刷設定画面800を表示する操作を行うと、操作パネル処理部240が印刷設定画面800を操作パネル230に表示する。次に、ユーザーが印刷設定画面800から「原稿向き」810をポイントすると、操作パネル処理部240から原稿向きの設定要求通知が制御部210に出力される。制御部210は、原稿向きの設定要求通知を入力すると、プレビュー画像要求処理部210aを起動する。次に、プレビュー画像要求処理部210aは、画像形成装置100に対してプレビュー画像要求通知を送信し、画像形成装置100からプレビュー画像データを受信すると、プレビュー画像データ記憶エリア220aに記憶する。次に、制御部210は、プレビュー画像要求処理部210aがプレビュー画像要求処理を終了したことを検出すると、原稿向き設定処理部210bを起動する。次に、原稿向き設定処理部210bが原稿向き設定処理を開始する。以下、図4に示す原稿向きを設定処理のフローチャートのステップ順に説明する。
【0039】
(ステップS101)
まず、原稿向き設定処理部210bは、携帯端末200の操作パネル230に表示される画像が携帯端末200の向きに合わせて回転する自動回転機能を無効にする設定を行う。
【0040】
(ステップS102)
次いで、原稿向き設定処理部210bは、プレビュー画像データ記憶エリア220aからプレビュー画像データを取り出し、プレビュー画像と「確定」ボタン820を合成した画像を作成して操作パネル230に表示する。
【0041】
(ステップS103)
次いで、原稿向き設定処理部210bは、「確定」ボタン820がポイントされたことを操作パネル処理部240から通知されるまで待ち状態とし、「確定」ボタン820がポイントされたことを通知されるとステップS104に進む。
【0042】
(ステップS104)
次いで、原稿向き設定処理部210bは、3軸加速度センサー250により携帯端末200の本体が縦向き状態であるかを判定する。携帯端末200の本体が縦向き状態であるとき(ステップS104のYes)は、ステップS105に進む。携帯端末200の本体が横向きに回転して横向き状態であるとき(ステップS104のNo)は、ステップS106に進む。
【0043】
(ステップS105)
ステップS104のYesにおいて、原稿向き設定処理部210bは、表示されているプレビュー画像の印刷設定データに原稿の上側が上(Top Edge on Top)の設定を行うと、印刷設定データを印刷設定データ記憶エリア220bに記憶し、ステップS107に進む。
【0044】
(ステップS106)
ステップS104のNoにおいて、原稿向き設定処理部210bは、表示されているプレビュー画像の印刷設定データに原稿の上側が左(Top Edge on Left)の設定を行うと、印刷設定データを印刷設定データ記憶エリア220bに記憶し、ステップS107に進む。
【0045】
(ステップS107)
次いで、原稿向き設定処理部210bは、印刷設定データ記憶エリア220bの印刷設定データをネットワーク通信部270により画像形成装置100に送信する。
【0046】
(ステップS108)
次いで、原稿向き設定処理部210bは、操作パネル230に表示されているプレビュー画像と「確定」ボタン820を合成した画像を消去する。
【0047】
(ステップS109)
次いで、原稿向き設定処理部210bは、ステップS101で設定した自動回転機能の無効を解除する設定を行い、原稿向き設定処理を終了する。
【0048】
以上により、ユーザーが操作パネル230に印刷設定画面800を表示し、「原稿向き」ボタン810をポイントすると、プレビュー画像と「確定」ボタン820が表示される。次に、ユーザーがプレビュー画像の原稿に対して上側を上(Top Edge on Top)とするときには、携帯端末200の本体を縦向きとする。また、ユーザーがプレビュー画像の原稿に対して上側を左(Top Edge on Left)とするときには、携帯端末200の本体を横向きとする。これにより、ユーザーは、操作パネル230に表示されている原稿のプレビュー画像を、画像形成装置100の原稿台に原稿をセットするときと同じ動作を行うことで、直感的に原稿の向きを設定することができる。この原稿の上側を上(Top Edge on Top)にするか、または原稿の上側を左(Top Edge on Left)にするかの原稿の向きは、原稿を用紙に印刷するときにはどちらの向きに設定されていても問題ないが、ステープルや拡大縮小の機能を動作させるときには正しく設定する必要がある。このように携帯端末200の本体を縦向きとするか横向きとすることで、ユーザーがイメージ通りのステープルや拡大縮小を行うための原稿の向きを設定できる。また、携帯端末200から印刷設定データを画像形成装置100に送信することで、画像形成装置100は、印刷設定データの印刷設定に基づいてプレビュー画像の元の画像データをユーザーのイメージ通りに印刷できる。
【0049】
なお、実施形態の図3(2)に示すようにユーザーが原稿の上側を上(Top Edge on Top)にするときには、携帯端末200の本体を縦向の状態で「確定」ボタン820をポイントし、また、ユーザーが原稿の上側を左(Top Edge on Left)にするときには、携帯端末200の本体を横向にした状態で「確定」ボタン820をポイントするようにしたが、これに限定されない。例えば、プレビュー画像が縦向の状態で「確定」ボタン820をポイントし、また、プレビュー画像自体を回転させて横向の状態で「確定」ボタン820をポイントして原稿の向きを決めることも可能である。
【0050】
また、実施形態においては、画像形成装置100と携帯端末200とをネットワーク400で接続し、ネットワーク400により携帯端末200と画像形成装置100はデータの送受信を行うようにしたが、これに限定されない。例えば、画像形成装置100の近距離無線通信部180と携帯端末200の近距離無線通信部260により、画像形成装置100と携帯端末200とを近距離無線通信で接続し、この近距離無線通信により携帯端末200と画像形成装置100がデータの送受信することも可能である。また、画像形成装置100と携帯端末200をインターネット600により接続し、インターネット600の通信プロトコルを用いて、携帯端末200と画像形成装置100がデータの送受信することも可能である。
【0051】
また、実施形態においては、画像形成装置100が画像データからプレビュー画像データを作成するようにしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末200が画像形成装置100から画像データを受信して、この画像データからプレビュー画像データを作成してプレビュー画像を表示することも可能である。
【0052】
また、実施形態においては、プレビュー画像と「確定」ボタン820を合成した画像を作成して操作パネル230に表示するようにしたが、これに限定されない。例えば、操作パネル230にはプレビュー画像だけを表示し、携帯端末200が備えている「決定」ボタンなどを「確定」ボタン820の代わりに用いることも可能である。
【0053】
また、実施形態においては、印刷設定データを印刷設定データ記憶エリア220bに記憶するようにしたので、画像形成装置100からの印刷設定データ送信要求を受信したときに、携帯端末200が印刷設定データ記憶エリア220bの印刷設定データを画像形成装置100に送信することも可能である。
【0054】
また、実施形態においては、携帯端末200は無線通信により画像形成装置100からプレビュー画像データを受信するようにしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末200を携帯可能なPC(パソコン)とし、このPCをネットワーク400に直接接続して画像形成装置100からプレビュー画像データを受信することも可能である。
【0055】
このような本発明の画像形成システム及び携帯端末は、ユーザーが原稿の印刷を行うときに携帯端末から原稿の向きを直感的に設定することができる。
【0056】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の画像形成システム及び携帯端末は、プレビュー画像データの画像が表示可能な携帯端末及びこのような携帯端末を備えるあらゆるシステムに適用できる。
【符号の説明】
【0058】
10・・・・・画像形成システム
100・・・・・画像形成装置
110・・・・・制御部
110a・・・・プレビュー画像作成処理部
110b・・・・プレビュー画像送信処理部
120・・・・・メモリー部
120a・・・・画像データ記憶エリア
120b・・・・プレビュー画像データ記憶エリア
130・・・・・記憶部
130a・・・・ドキュメントボックスエリア
140・・・・・操作パネル
150・・・・・操作パネル処理部
160・・・・・原稿読取部
170・・・・・画像処理部
180・・・・・近距離無線通信部
190・・・・・ネットワーク通信部
200・・・・・携帯端末
210・・・・・制御部
210a・・・・プレビュー画像要求処理部
210b・・・・原稿向き設定処理部
220・・・・・メモリー部
220a・・・・プレビュー画像データ記憶エリア
220b・・・・印刷設定データ記憶エリア
230・・・・・操作パネル
240・・・・・操作パネル処理部
250・・・・・3軸加速度センサー部
260・・・・・近距離無線通信部
270・・・・・ネットワーク通信部
300・・・・・アクセスポイント
400・・・・・ネットワーク
500・・・・・ルーター
600・・・・・インターネット
700・・・・・アクセスポイント
800・・・・・印刷設定画面
810・・・・・「原稿向き」ボタン
820・・・・・「確定」ボタン
図1
図2
図3
図4