特許第6180991号(P6180991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6180991-画像形成装置 図000002
  • 特許6180991-画像形成装置 図000003
  • 特許6180991-画像形成装置 図000004
  • 特許6180991-画像形成装置 図000005
  • 特許6180991-画像形成装置 図000006
  • 特許6180991-画像形成装置 図000007
  • 特許6180991-画像形成装置 図000008
  • 特許6180991-画像形成装置 図000009
  • 特許6180991-画像形成装置 図000010
  • 特許6180991-画像形成装置 図000011
  • 特許6180991-画像形成装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180991
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20170807BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20170807BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20170807BHJP
   G03G 15/23 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G03G15/00 401
   B65H11/00 J
   G03G21/00 384
   G03G15/23
   G03G21/00 386
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-91210(P2014-91210)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-210354(P2015-210354A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】市橋 隆雄
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−282157(JP,A)
【文献】 特開平8−91643(JP,A)
【文献】 特開2004−246283(JP,A)
【文献】 特開2012−8331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B65H 11/00 − 11/02
G03G 15/23
G03G 15/36、21/00、21/02、21/14、21/20
B41J 29/00 − 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙カセットおよび手差しトレイを有し、当該用紙カセットに収容された用紙および当該手差しトレイにセットされた用紙を給紙する給紙部と、
前記用紙の表裏を反転する用紙反転機構を備え、前記給紙部が給紙した前記用紙を搬送する用紙搬送部と、
画像形成に関する指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた指示に示される画像データに基づく画像を前記用紙に形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された用紙が排出される排出トレイと、
前記給紙部、前記用紙搬送部、および前記画像形成部の動作を制御する動作制御部と、を備え、
前記動作制御部は、前記受付部が前記用紙の両面に画像を形成すべき旨の指示を受け付けた場合に、前記給紙部に、前記受付部が受け付けた指示に示される前記用紙カセットに収容された用紙を給紙させ、前記画像形成部に、前記受付部が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの一方の画像データに基づく画像を前記用紙の片面に形成させ、前記用紙搬送部に、前記画像形成部により片面に画像が形成された用紙を前記排出トレイに排出させ、
前記受付部は、前記排出トレイに排出された用紙が未使用紙の片面に画像が形成されたものであるか、または、裏紙の片面に画像が形成されたものであるかを示す指示をユーザーから受け付け、
前記動作制御部は、前記受付部が前記排出トレイに排出された用紙が未使用紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、前記排出トレイに排出された用紙が前記手差しトレイにセットされたことを検出した場合に、前記給紙部に、前記手差しトレイにセットされた用紙を給紙させ、前記画像形成部に、前記受付部が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの他方の画像データに基づく画像を前記手差しトレイにセットされた用紙の画像が形成されていないほうの面に形成させ、前記用紙搬送部に、前記画像形成部により画像が形成された用紙を前記排出トレイに排出させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記動作制御部は、前記受付部が前記排出トレイに排出された用紙が裏紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、前記排出トレイに排出された用紙が前記手差しトレイにセットされたことを検出した場合に、前記給紙部に、前記用紙カセットに収容された用紙と前記手差しトレイにセットされた用紙とを交互に給紙させ、前記給紙部により前記用紙カセットに収容された用紙が給紙された時には、画像形成部に、その用紙に前記受付部が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの他方の画像データに基づく画像を形成させ、前記用紙搬送部に、前記画像形成部により画像が形成された用紙を前記排出トレイに排出させ、前記給紙部により前記手差しトレイにセットされた用紙が給紙された時には、前記画像形成部に、その用紙に画像を形成させず、前記用紙搬送部に、前記画像形成部により画像が形成されなかった用紙を前記排出トレイに排出させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記動作制御部は、前記受付部が前記用紙の両面に画像を形成すべき旨の指示を受け付けた場合に、前記画像形成部に、前記偶数ページの画像データに基づく画像を前記用紙の片面に形成させ、前記受付部が前記排出トレイに排出された用紙が未使用紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、前記排出トレイに排出された用紙が前記手差しトレイにセットされたことを検出した場合には、前記用紙反転機構を用いて前記用紙搬送部に前記手差しトレイにセットされた用紙の表裏を反転させた後に、前記画像形成部に、前記奇数ページの画像データに基づく画像を前記用紙に形成させ、前記受付部が前記排出トレイに排出された用紙が裏紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、前記排出トレイに排出された用紙が前記手差しトレイにセットされたことを検出した場合において、前記給紙部により前記用紙カセットに収容された用紙が給紙された時には、前記用紙搬送部に前記用紙の表裏を反転させずに、その用紙に前記奇数ページの画像データに基づく画像を形成させ、前記給紙部により前記手差しトレイにセットされた用紙が給紙された時には、前記用紙搬送部に前記用紙の表裏を反転させずにその用紙を前記排出トレイに排出させる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
表示部及び当該表示部による表示動作を制御する表示制御部を更に備え、
前記表示制御部は、前記用紙搬送部により片面に画像が形成された用紙が前記排出トレイに排出された後に、前記表示部に、前記受付部が前記排出トレイに排出された用紙が未使用紙の片面に画像が形成されたものであるか、または、裏紙の片面に画像が形成されたものであるかを示す指示を受け付けるための指示受付画面を表示させる、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記排出トレイに排出された用紙を裏返して前記手差しトレイにセットすべき旨を報知する報知画面を前記表示部に表示させる、請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に両面印刷時におけるミス印刷により不要に消耗される用紙を削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
資源再利用やコスト削減等の観点から、画像形成装置に設けられた複数の用紙カセットのうち特定の用紙カセットに片面印刷済みの用紙(裏紙)を収容し、この裏紙の未印刷面に印刷することが広く行われている。しかしながら、両面が未印刷の用紙(未使用紙)に印刷する必要がある両面印刷時において、誤って裏紙が収容された用紙カセットを選択して印刷してしまう場合がある。この場合、裏紙の印刷済みの面に重ねて印刷することになり、用紙が不要に消耗される。
【0003】
上記の問題に関し、特許文献1には、各用紙カセットに未使用紙が収容されているか、または、裏紙が収容されているかを予め設定しておき、両面印刷をすべき旨の指示を受け付けた場合において、当該指示に示される用紙カセットに裏紙が収容されている旨が設定されている時には、両面印刷ではなく片面印刷を行う技術が開示されている。これにより、誤って裏紙の印刷済みの面に重ねて印刷される事態を回避することができ、両面印刷時におけるミス印刷により不要に消耗される用紙を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−191873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に開示される技術では、予め各用紙カセットに未使用紙が収容されているか、または、裏紙が収容されているかを設定しておく必要がある。このため、用紙カセットに収容する用紙を入れ替えた場合には、その都度設定を切り替える必要があり煩雑となる。また、用紙カセットの設定を誤った場合には、裏紙の印刷済みの面に印刷される事態が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、用紙カセットに収容される用紙の種類を設定することなく、両面印刷時におけるミス印刷により不要に消耗される用紙を削減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面にかかる画像形成装置は、複数の用紙カセットおよび手差しトレイを有し、当該用紙カセットに収容された用紙および当該手差しトレイにセットされた用紙を給紙する給紙部と、前記用紙の表裏を反転する用紙反転機構を備え、前記給紙部が給紙した前記用紙を搬送する用紙搬送部と、画像形成に関する指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に示される画像データに基づく画像を前記用紙に形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成された用紙が排出される排出トレイと、前記給紙部、前記用紙搬送部、および前記画像形成部の動作を制御する動作制御部と、を備え、前記動作制御部は、前記受付部が前記用紙の両面に画像を形成すべき旨の指示を受け付けた場合に、前記給紙部に、前記受付部が受け付けた指示に示される前記用紙カセットに収容された用紙を給紙させ、前記画像形成部に、前記受付部が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの一方の画像データに基づく画像を前記用紙の片面に形成させ、前記用紙搬送部に、前記画像形成部により片面に画像が形成された用紙を前記排出トレイに排出させ、前記受付部は、前記排出トレイに排出された用紙が未使用紙の片面に画像が形成されたものであるか、または、裏紙の片面に画像が形成されたものであるかを示す指示をユーザーから受け付け、前記動作制御部は、前記受付部が前記排出トレイに排出された用紙が未使用紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、前記排出トレイに排出された用紙が前記手差しトレイにセットされたことを検出した場合に、前記給紙部に、前記手差しトレイにセットされた用紙を給紙させ、前記画像形成部に、前記受付部が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの他方の画像データに基づく画像を前記手差しトレイにセットされた用紙の画像が形成されていないほうの面に形成させ、前記用紙搬送部に、前記画像形成部により画像が形成された用紙を前記排出トレイに排出させる、画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記の本発明の一局面にかかる画像形成装置によれば、用紙カセットに収容される用紙の種類を設定することなく、両面印刷時におけるミス印刷により不要に消耗される用紙を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の構造を示す図である。
図2】(A)は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の給紙部および用紙搬送部の構造を示す図であり、(B)は、通常両面印刷モードにおける用紙の動きを示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】(A)および(B)は、本発明の一実施形態にかかるミス印刷確認両面印刷モードにおいて裏紙が収容された用紙カセットが選択された場合の裏紙の動きを示す図である。
図6】(A)および(B)は、本発明の一実施形態にかかるミス印刷確認両面印刷モードにおいて未使用紙が収容された用紙カセットが選択された場合の未使用紙の動きを示す図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の表示部に表示される選択画面を示す図である。
図8】(A)は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の表示部に表示される指示受付画面を示す図であり、(B)および(C)は、報知画面を示す図である。
図9】(A)は、補足1にかかる画像形成装置において裏紙が収容された用紙カセットが選択された場合に、ユーザーが排出トレイに排出された用紙を裏返さずに手差しトレイにセットした時の未使用紙の動きを示す図であり、(B)は、未使用紙が収容された用紙カセットが選択された場合に、ユーザーが排出トレイに排出された用紙を裏返さずに手差しトレイにセットした時の裏紙および未使用紙の動きを示す図である。
図10】(A)および(B)は、補足2にかかる画像形成装置において裏紙が収容された用紙カセットが選択された場合の裏紙の動きを示す図である。
図11】(A)および(B)は、補足2にかかる画像形成装置において未使用紙が収容された用紙カセットが選択された場合の未使用紙の動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の構造を示す図である。
【0011】
本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着部13、給紙部14、用紙搬送部19、原稿読取部5、および原稿給送部6等を備えて構成されている。
【0012】
画像形成装置1が原稿読取動作を行う場合、原稿給送部6により給送されてくる原稿または原稿載置ガラス161に載置された原稿の画像を原稿読取部5が光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0013】
画像形成装置1が画像形成動作を行う場合、上記の原稿読取動作により生成された画像データやネットワーク接続されたコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙され用紙搬送部19により搬送される用紙Pに画像を形成する。
【0014】
給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能な用紙カセット142を備えている。図1に示す例では、用紙カセット142は、3つの用紙カセット142A、142B、142Cを有している。用紙カセット142A、142B、142Cの上方には、それぞれ給紙ローラー145が設けられており、当該給紙ローラー145により用紙カセット142A、142B、142Cに収容された用紙Pが搬送路190へ向けて繰り出される。また、給紙部14は、装置本体11の壁面に開閉自在に設けられた手差しトレイ141を備えている。手差しトレイ141にセットされた用紙Pは、給紙ローラー146により搬送路190へ向けて繰り出される。
【0015】
用紙搬送部19は、搬送路190の適所に設けられた搬送ローラー対191、192を備えている。給紙部14から給紙された用紙Pは、搬送ローラー対191、192により搬送路190内を搬送される。
【0016】
画像形成部12の画像形成ユニット12M、12C、12Y、及び12Bkは、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、1次転写ローラー126とをそれぞれ備えている。
【0017】
カラー印刷を行う場合、画像形成部12のマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン用の画像形成ユニット12C、イエロー用の画像形成ユニット12Y、及びブラック用の画像形成ユニット12Bkは、それぞれに、画像データを構成するそれぞれの色成分からなる画像データに基づいて、帯電、露光及び現像の工程により感光体ドラム121上にトナー像を形成し、トナー像を1次転写ローラー126により、駆動ローラー125A及び従動ローラー125Bに張架されている中間転写ベルト125上に転写させる。
【0018】
中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125Aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125Aと従動ローラー125Bとの間を無端走行する。
【0019】
中間転写ベルト125上に転写される各色のトナー画像は、中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。2次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125Aとのニップ部Nにおいて、搬送ローラー対191により搬送されてきた用紙Pに転写させる。この後、定着部13が、用紙P上のトナー像を熱定着により用紙Pに定着させる。定着処理の完了した画像形成済みの用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路194(搬送路190の一部)を通って、排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。
【0020】
ここで画像形成装置1は、用紙Pの両面に画像を形成する両面印刷動作に関し、通常両面印刷モードとミス印刷確認両面印刷モードとの2つの動作モードを有する。動作モードの切り替えは、後述する制御ユニット10の受付部103(図3参照)が受け付けたユーザー指示に基づいて行われる。通常両面印刷モードは、一般の画像形成装置における両面印刷と同様の方法により両面印刷を行う動作モードである。また、ミス印刷確認両面印刷モードは、偶数ページまたは奇数ページの一方の画像データに基づく画像を片面に形成した用紙Pを排出トレイ151に排出し、その用紙Pが未使用紙であるか裏紙であるかをユーザーに確認させ、その確認結果に応じて偶数ページまたは奇数ページの他方の画像データに基づく画像を未使用紙または裏紙に形成する動作モードである。ミス印刷確認両面印刷モードの詳細は後述するため、ここでは、通常両面印刷モードにおける動作について説明する。
【0021】
図2(A)は、給紙部14および用紙搬送部19の構造を示す図である。また、図2(B)は、通常両面印刷モードにおける用紙Pの動きを示す図である。図2(A)および図2(B)に示す例では、用紙カセット142Aには裏紙P1が収納され、用紙カセット142Bには未使用紙P2が収容されている。通常両面印刷モードでは、後述する制御ユニット10の動作制御部101(図3参照)の制御のもと、受付部103が受け付けた画像形成すべき旨の指示に示される用紙カセット142(図2(B)に示す例では用紙カセット142B)に収容される用紙P(図2(B)に示す例では未使用紙P2)を、給紙ローラー145が搬送路190へ向けて繰り出す(図2(B)の矢印(1))。その後、画像形成部12が、受付部103が受け付けた画像形成すべき旨の指示に示される画像データのうち偶数ページの画像データに基づく画像を未使用紙P2の片面に形成し、定着処理後に当該未使用紙P2を排出トレイ151側に設けられた排出ローラー対159にニップされた状態とする(図2(B)の矢印(2))。用紙搬送部19には、用紙の表裏を反転する用紙反転機構20が設けられており、当該用紙反転機構20の一部である排出ローラー対159が未使用紙P2をスイッチバックさせる(図2(B)の矢印(3))。搬送路190には搬送分岐ガイド193が設けられており、当該搬送分岐ガイド193により、排出ローラー対159によりスイッチバックされた用紙P2が、排紙搬送路194から分岐して搬送路190の一部として設けられている反転搬送路195に送られる(図2(B)の矢印(4))。そして、反転搬送路195の各部に設けられた搬送ローラー対196、197により、上記ニップ部N及び定着部13に対する搬送方向上流域に未使用紙P2が再度搬送され、画像形成部12により未使用紙P2の他方の面に画像が形成される(図2(B)の矢印(5))。両面印刷済みの未使用紙P2は、排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。
【0022】
続いて、画像形成装置1の内部構成について説明する。図3は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
操作部47は、複数の指示キー471および表示部473を備え、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理ついて、ユーザーからの指示を受け付ける。表示部473は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを含んで構成され、後述の制御ユニット10の表示制御部102により描画されたメニュー画面等を表示する。
【0024】
指示キー471は、例えば、メニューを呼び出すメニューキー、メニューを構成するGUIのフォーカスを移動させる矢印キー、メニューを構成するGUIに対して確定操作を行う決定キー、文字入力を行うための文字入力キー、数値入力を行うための数値入力キー等を備え、表示部473に表示されるメニューに対する操作をユーザーから受け付ける。
【0025】
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の予め定められた画像処理を行う。
【0026】
画像メモリー32は、原稿読取部5による読取で得られた画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存する領域である。
【0027】
HDD(Hard disk drive)33は、原稿読取部5から出力された画像データ等の保存に利用される。
【0028】
ネットワークインターフェース部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェース部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内のコンピューター等と種々のデータの送受信を行う。
【0029】
制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御ユニット10は、上記のROMやHDD33等に記憶された両面印刷制御プログラム等の制御プログラムが上記のCPUによって実行されることにより、制御部100、動作制御部101、表示制御部102、および受付部103として機能する。なお制御ユニット10の制御部100、動作制御部101、表示制御部102、および受付部103は、上記の制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0030】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な制御を司る。
【0031】
動作制御部101は、画像形成部12、給紙部14、用紙搬送部19等の動作を制御して、受付部103が受け付けた画像形成指示(ジョブ)に示される画像データに基づく画像を用紙Pに形成させる。動作制御部101による処理の詳細は後述する。
【0032】
表示制御部102は、表示部473による表示動作を制御する。
【0033】
受付部103は、ユーザーにより操作部47を介して入力された画像形成に関する指示を受け付ける。
【0034】
続いて上記の構成を備える画像形成装置1の動作について説明する。図4は、画像形成装置1の動作の流れを示すフローチャートである。図5(A)および図5(B)は、ミス印刷確認両面印刷モードにおいて裏紙P1が収容された用紙カセット142Aが選択された場合の裏紙P1の動きを示す図である。図6(A)および図6(B)は、ミス印刷確認両面印刷モードにおいて未使用紙P2が収容された用紙カセット142Bが選択された場合の未使用紙P2の動きを示す図である。なお、以下では、6ページ分の画像データに基づく画像を両面印刷する場合を例にして説明する。
【0035】
受付部103は、用紙Pの両面に画像を形成すべき旨の指示(両面印刷実行指示)を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。
【0036】
両面印刷実行指示を受け付けた場合(ステップS10においてYES)、動作制御部101は、現在の両面印刷に関する動作モードが通常両面印刷モードであるか、または、ミス印刷確認両面印刷モードであるかを判定する(ステップS11)。両面印刷に関する動作モードは、操作部47を介して入力されるユーザー指示に基づいて予め設定される。表示制御部102による制御のもと、表示部473には、例えば、図7に示す選択画面D1が表示される。受付部103は、当該選択画面D1に基づき入力されるユーザー指示に基づいて、両面印刷に関する動作モードの設定を受け付ける。
【0037】
現在の両面印刷に関する動作モードが通常両面印刷モードである場合(ステップS11においてNO)、動作制御部101は通常の両面印刷処理を実行する(ステップS12)。当該処理については、公知の技術であるため説明を略する。
【0038】
現在の両面印刷に関する動作モードがミス印刷確認両面印刷モードである場合(ステップS11においてYES)、動作制御部101は、給紙部14に、ステップS10の処理で受け付けた指示に示される用紙カセット142に収容された用紙Pを給紙させ、次に用紙搬送部19に搬送路190に沿って用紙Pを搬送させ、さらに、画像形成部12に、ステップS10の処理で受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページの画像データに基づく画像を当該用紙Pの片面に形成させる(ステップS13)。図5(A)に示す例では、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1が給紙ローラー145により給紙され(図5(A)の矢印(1))、偶数ページ(ページ2、ページ4、ページ6)の画像データに基づく画像が裏紙P1の未印刷面に形成され(図5(A)の矢印(2))、画像が形成された面を下向きに裏紙P1が排出トレイ151に排出される(所謂、フェイスダウン排紙)。また、図6(A)に示す例では、用紙カセット142Bに収容された未使用紙P2が給紙ローラー145により給紙され(図6(A)の矢印(1))、偶数ページ(ページ2、ページ4、ページ6)の画像データに基づく画像が未使用紙P2の一方の面に形成され(図6(A)の矢印(2))、画像が形成された面を下向きに未使用紙P2が排出トレイ151に排出される。
【0039】
裏紙P1または未使用紙P2の排出後、表示制御部102は、排出トレイ151に排出された用紙が未使用紙P2の片面に画像が形成されたものであるか、または、裏紙P1の未印刷面に画像が形成されたものであるかを示す指示を受け付けるための指示受付画面D2(図8(A)参照)を表示部473に表示させる(ステップS14)。
【0040】
指示受付画面D2の表示後、受付部103は、排出トレイ151に排出された用紙が未使用紙P2の片面に画像が形成されたものであるか、または、裏紙P1の未印刷面に画像が形成されたものであるかを示す指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS15)。
【0041】
上記の指示を受け付けた場合(ステップS15においてYES)、表示制御部102は、排出トレイ151に排出された用紙を裏返して手差しトレイ141にセットすべき旨を報知する報知画面D3または報知画面D4(図8(B)、図8(C)参照)を表示部473に表示させる(ステップS16)。報知画面D3は、ステップS15の処理において、排出トレイ151に排出された用紙が未使用紙P2の片面に画像が形成されたものであることを示す指示を受付けた場合に、表示部473に表示される画面である。一方、報知画面D4は、ステップS15の処理において、排出トレイ151に排出された用紙が裏紙P1の未印刷面に画像が形成されたものであることを示す指示を受付けた場合に、表示部473に表示される画面である。
【0042】
報知画面D3または報知画面D4の表示後、動作制御部101は、排出トレイ151に排出された用紙が手差しトレイ141にセットされたか否かを判定する(ステップS17)。具体的には、報知画面D3や報知画面D4には、用紙を手差しトレイ141にセット後に「OK」ボタンを押すべき旨の文言が表示されている。動作制御部101は、当該「OK」ボタンがユーザーにより選択された場合に、排出トレイ151に排出された用紙が手差しトレイ141にセットされたことを検知する。なお、手差しトレイ141の上方に手差しトレイ141に載置される用紙の有無を検知するセンサーを設け、動作制御部101が当該センサーから出力される信号を参照することで、排出トレイ151に排出された用紙が手差しトレイ141にセットされたことを検知してもよい。
【0043】
排出トレイ151に排出された用紙が手差しトレイ141にセットされたことを検知した場合(ステップS17においてYES)、ステップS10の処理で受け付けた指示に示される画像データのうち奇数ページの画像データに基づく画像を形成する処理を行う(ステップS18、ステップS19、ステップS20)。
【0044】
ステップS15の処理において排出トレイ151に排出された用紙が裏紙P1の未印刷面に画像が形成されたものであるかを示す指示を受け付けた場合(ステップS18においてNO)、動作制御部101は、給紙部14に、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1と手差しトレイ141にセットされた裏紙P1とを交互に給紙させて、画像形成部12に、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1に画像を形成させる(ステップS19)。具体的には、動作制御部101は、給紙部14により用紙カセット142Aに収容された裏紙P1が給紙された時には、画像形成部12に、奇数ページの画像データに基づく画像を形成させ、用紙搬送部19に、画像形成部12により画像が形成された裏紙P1を排出トレイ151に排出させる。また、給紙部14により手差しトレイ141にセットされた裏紙P1が給紙された時には、画像形成部12に、その裏紙P1に画像を形成させず、用紙搬送部19に、画像形成部により画像が形成されなかった裏紙P1を排出トレイ151に排出させる。
【0045】
図5(B)に示す例では、排出トレイ151に排出された裏紙P1がユーザーにより裏返されて手差しトレイ141にセットされる(図5(B)の矢印(1))。排出トレイ151に排出された裏紙P1は、画像が形成された面を下向きに排出されているため、裏返されて手差しトレイ141にセットされた結果、手差しトレイ141には画像が形成された面を上向きに裏紙P1が載置される。その後、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1が給紙ローラー145により給紙され(図5(B)の矢印(2))、画像形成部12により奇数ページ(ページ1)の画像データに基づく画像が裏紙P1の未印刷面に形成され(図5(B)の矢印(3))、画像(ページ1)が形成された面を下向きに裏紙P1が排出トレイ151に排出される。ページ1の画像データに基づく画像が形成された裏紙P1が排出トレイ151に排出後、手差しトレイ141にセットされた偶数ページ(ページ2)の画像データに基づく画像が形成された裏紙P1が給紙ローラー146により給紙される(図5(B)の矢印(4))。その後、手差しトレイ141から給紙された裏紙P1は、画像形成部12により画像が形成されずに(図5(B)の矢印(5))、画像(ページ2)が形成された面を下向きに裏紙P1が排出トレイ151に排出される。上記の処理を繰り返し行うことで、画像が形成された面を下向きに、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように裏紙P1を排出トレイ151に排出することができる。
【0046】
一般の画像形成装置では、上記のように両面印刷を実行する場合に誤って裏紙が収容された用紙トレイが選択された場合には、裏紙の印刷済みの面に重ねて画像を形成することになり、用紙が不要に消耗される。この点、本実施の形態にかかる画像形成装置1によれば、両面印刷を実行する場合に誤って裏紙が収容された用紙トレイが選択された場合においても、裏紙の印刷済みの面に重ねて画像が形成されず、用紙が不要に消耗されることがない。
【0047】
一方、ステップS15の処理において排出トレイ151に排出された用紙が未使用紙P2の片面に画像が形成されたものであるかを示す指示を受け付けた場合(ステップS18においてYES)、動作制御部101は、用紙搬送部19に手差しトレイ141にセットされた未使用紙P2の表裏を反転させた後に、画像形成部12に、奇数ページの画像データに基づく画像を未使用紙P2に形成させる(ステップS20)。
【0048】
図6(B)に示す例では、排出トレイ151に排出された未使用紙P2がユーザーにより裏返されて手差しトレイ141にセットされる(図6(B)の矢印(1))。排出トレイ151に排出された未使用紙P2は、画像が形成された面を下向きに排出されているため、裏返されて手差しトレイ141にセットされた結果、手差しトレイ141には画像が形成された面を上向きに未使用紙P2が載置される。その後、手差しトレイ141にセットされた偶数ページ(ページ2、ページ4、ページ6)の画像データに基づく画像が形成された未使用紙P2が給紙ローラー146により給紙される(図6(B)の矢印(2))。手差しトレイ141から給紙された未使用紙P2は、画像形成部12により画像が形成されずに(図6(B)の矢印(3))、排出ローラー対159によりスイッチバックさせられ(図6(B)の矢印(4))、反転搬送路195に送られる(図6(B)の矢印(5))。これにより、未使用紙P2の表裏が反転する。そして、未使用紙P2は、ニップ部N及び定着部13に対する搬送方向上流域に再度搬送され、画像形成部12により未使用紙P2の他方の面に奇数ページ(ページ1、ページ3、ページ5)の画像データに基づく画像が形成される(図6(B)の矢印(6))。両面印刷済みの未使用紙P2は、排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。
【0049】
上記の処理により、両面印刷を実行する場合に正しく未使用紙P2が収容された用紙トレイが選択された場合において、未使用紙P2に両面印刷を行うことができる。また、前のページの画像が形成された面を下向きに、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように未使用紙P2を排出トレイ151に排出することができる。
【0050】
<補足1>
上記では、ユーザーが排出トレイ151に排出された用紙を裏返して手差しトレイ141にセットした場合の処理について説明した。以下では、ユーザーが排出トレイ151に排出された用紙を裏返さずに手差しトレイ141にセットした場合の処理について説明する。
【0051】
図9(A)は、裏紙P1が収容された用紙カセット142Aが選択された場合において、ユーザーが排出トレイ151に排出された用紙を裏返さずに手差しトレイ141にセットした時の裏紙P1の動きを示す図である。
【0052】
図9(A)に示す例では、排出トレイ151に排出された裏紙P1がユーザーにより裏返されずに手差しトレイ141にセットされる(図9(A)の矢印(1))。排出トレイ151に排出された裏紙P1は、画像が形成された面を下向きに排出されているため、手差しトレイ141には画像が形成された面を下向きに裏紙P1が載置される。その後、手差しトレイ141にセットされた偶数ページ(ページ6)の画像データに基づく画像が形成された裏紙P1が給紙ローラー146により給紙される(図9(A)の矢印(2))。そして、手差しトレイ141から給紙された裏紙P1は、画像形成部12により画像が形成されずに(図9(A)の矢印(3))、画像(ページ6)が形成された面を上向きに裏紙P1が排出トレイ151に排出される。ページ6の画像データに基づく画像が形成された裏紙P1が排出トレイ151に排出後、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1が給紙ローラー145により給紙され(図9(A)中の矢印(4))、画像形成部12により奇数ページ(ページ5)の画像データに基づく画像が裏紙P1の未印刷面に形成される(図9(A)の矢印(5))。その後、裏紙P1は、排出ローラー対159によりスイッチバックさせられ(図9(A)の矢印(6))、反転搬送路195に送られる(図9(A)の矢印(7))。これにより、裏紙P1の表裏が反転する。そして、裏紙P1は、ニップ部N及び定着部13に対する搬送方向上流域に再度搬送され、画像形成部12により画像が形成されずに(図9(A)の矢印(8))、排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。これにより、画像(ページ5)が形成された面を上向きに裏紙P1が排出トレイ151に積載される。上記の処理を繰り返し行うことで、画像が形成された面を上向き(所謂フェイスアップ)に、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように裏紙P1を排出トレイ151に排出することができる。
【0053】
図9(B)は、未使用紙P2が収容された用紙カセット142Aが選択された場合において、ユーザーが排出トレイ151に排出された用紙を裏返さずに手差しトレイ141にセットした時の未使用紙P2の動きを示す図である。
【0054】
図9(B)に示す例では、排出トレイ151に排出された未使用紙P2がユーザーにより裏返されずに手差しトレイ141にセットされる(図9(B)の矢印(1))。排出トレイ151に排出された未使用紙P2は、画像が形成された面を下向きに排出されているため、手差しトレイ141には画像が形成された面を下向きに未使用紙P2が載置される。その後、手差しトレイ141にセットされた偶数ページ(ページ2、ページ4、ページ6)の画像データに基づく画像が形成された未使用紙P2が給紙ローラー146により給紙される(図9(B)の矢印(2))。手差しトレイ141から給紙された未使用紙P2は、画像形成部12により奇数ページ(ページ1、ページ3、ページ5)の画像データに基づく画像が形成される(図9(B)の矢印(3))。その後、未使用紙P2は、排出ローラー対159によりスイッチバックさせられ(図9(B)の矢印(4))、反転搬送路195に送られ(図9(B)の矢印(5))、未使用紙P2の表裏が反転する。そして、未使用紙P2は、ニップ部N及び定着部13に対する搬送方向上流域に再度搬送され、画像形成部12により画像が形成されずに(図9(B)の矢印(6))排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。
【0055】
上記の処理により、前のページの画像が形成された面を上向き(フェイスアップ)に、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように未使用紙P2を排出トレイ151に排出することができる。
【0056】
<補足2>
上記では、偶数ページの画像データに基づく画像を用紙に形成した後に当該用紙をユーザーに確認させ、その確認後に奇数ページの画像データに基づく画像を用紙に形成することで両面印刷する場合を説明したが、以下では、奇数ページの画像データに基づく画像を用紙に形成した後に当該用紙をユーザーに確認させ、その確認後に偶数ページの画像データに基づく画像を用紙に形成することで両面印刷する場合について説明する。
【0057】
図10(A)および図10(B)は、補足2にかかるミス印刷確認両面印刷モードにおいて裏紙P1が収容された用紙カセット142Aが選択された場合の裏紙P1の動きを示す図である。
【0058】
図10(A)に示す例では、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1が給紙ローラー145により給紙され(図10(A)の矢印(1))、奇数ページ(ページ1、ページ3、ページ5)の画像データに基づく画像が裏紙P1の未印刷面に形成され(図10(A)の矢印(2))、画像が形成された面を下向きに裏紙P1が排出トレイ151に排出される。
【0059】
図10(B)に示す例では、排出トレイ151に排出された裏紙P1がユーザーにより裏返されずに手差しトレイ141にセットされる(図10(B)の矢印(1))。排出トレイ151に排出された裏紙P1は、画像が形成された面を下向きに排出されているため、手差しトレイ141には画像が形成された面を下向きに裏紙P1が載置される。そして、用紙カセット142Aに収容された裏紙P1が給紙ローラー145により給紙され(図10(B)の矢印(2))、画像形成部12により偶数ページ(ページ6)の画像データに基づく画像が裏紙P1の未印刷面に形成される(図10(B)の矢印(3))。その後、裏紙P1は、排出ローラー対159によりスイッチバックさせられ(図10(B)の矢印(4))、反転搬送路195に送られ(図10(B)の矢印(5))、裏紙P1の表裏が反転する。そして、裏紙P1は、ニップ部N及び定着部13に対する搬送方向上流域に再度搬送され、画像形成部12により画像が形成されずに(図10(B)の矢印(6))、排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。これにより、画像(ページ6)が形成された面を上向きに裏紙P1が排出トレイ151に積載される。ページ6の画像データに基づく画像が形成された裏紙P1が排出トレイ151に排出後、手差しトレイ141にセットされた奇数ページ(ページ5)の画像データに基づく画像が形成された裏紙P1が給紙ローラー146により給紙される(図10(B)の矢印(7))。そして、手差しトレイ141から給紙された裏紙P1は、画像形成部12により画像が形成されずに(図10(B)の矢印(8))、画像(ページ5)が形成された面を上向きに裏紙P1が排出トレイ151に排出される。すなわち、上記の処理では偶数ページの画像データを降順に印刷する。上記の処理を繰り返し行うことで、画像が形成された面を上向きに、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように裏紙P1を排出トレイ151に排出することができる。
【0060】
図11(A)および図11(B)は、補足2にかかるミス印刷確認両面印刷モードにおいて未使用紙P2が収容された用紙カセット142Bが選択された場合の未使用紙P2の動きを示す図である。
【0061】
図11(A)に示す例では、用紙カセット142Bに収容された未使用紙P2が給紙ローラー145により給紙され(図11(A)の矢印(1))、奇数ページ(ページ1、ページ3、ページ5)の画像データに基づく画像が未使用紙P2の片面に形成され(図11(A)の矢印(2))、画像が形成された面を下向きに未使用紙P2が排出トレイ151に排出される。
【0062】
図11(B)に示す例では、排出トレイ151に排出された未使用紙P2がユーザーにより裏返されずに手差しトレイ141にセットされる(図11(B)の矢印(1))。排出トレイ151に排出された未使用紙P2は、画像が形成された面を下向きに排出されているため、手差しトレイ141には画像が形成された面を下向きに未使用紙P2が載置される。その後、手差しトレイ141にセットされた奇数ページ(ページ1、ページ3、ページ5)の画像データに基づく画像が形成された未使用紙P2が給紙ローラー146により給紙される(図11(B)の矢印(2))。手差しトレイ141から給紙された未使用紙P2は、画像形成部12により偶数ページ(ページ2、ページ4、ページ6)の画像データに基づく画像が降順に形成され(図11(C)の矢印(3))、排出ローラー対159により排出トレイ151に排出される。上記の処理により、前のページの画像が形成された面を下向きに、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように未使用紙P2を排出トレイ151に排出することができる。
【0063】
<まとめ>
以上のように、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、動作制御部101が、受付部103が用紙Pの両面に画像を形成すべき旨の指示を受け付けた場合に、給紙部14に、受付部103が受け付けた指示に示される用紙カセット142に収容された用紙Pを給紙させ、画像形成部12に、受付部103が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの一方の画像データに基づく画像を用紙の片面に形成させ、用紙搬送部19に、画像形成部12により片面に画像が形成された用紙Pを排出トレイ151に排出させる。受付部103は、排出トレイ151に排出された用紙Pが未使用紙の片面に画像が形成されたものであるか、または、裏紙の片面に画像が形成されたものであるかを示す指示をユーザーから受け付ける。そして、動作制御部101は、受付部103が排出トレイ151に排出された用紙Pが未使用紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、排出トレイ151に排出された用紙Pが手差しトレイ141にセットされたことを検出した場合に、給紙部14に、手差しトレイ141にセットされた用紙Pを給紙させ、画像形成部12に、受付部103が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの他方の画像データに基づく画像を手差しトレイ141にセットされた用紙Pの画像が形成されていないほうの面に形成させ、用紙搬送部19に、画像形成部12により画像が形成された用紙Pを排出トレイ151に排出させる。
【0064】
上記の構成によれば、画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの一方の画像データに基づく画像を用紙Pの片面に形成させた後に、当該用紙Pを排出させてユーザーに確認させるため、両面印刷を実行する場合に誤って裏紙が収容された用紙トレイ142が選択されたとしても、裏紙の印刷済みの面に重ねて画像が形成され用紙Pが不要に消耗される前に気づくことができる。また、両面印刷を実行する場合に正しく未使用紙が収容された用紙トレイ142が選択された場合には、未使用紙に両面印刷を行うことができる。
【0065】
また、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、動作制御部101が、受付部103が排出トレイ151に排出された用紙Pが裏紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、排出トレイ151に排出された用紙Pが手差しトレイにセットされたことを検出した場合に、給紙部14に、用紙カセット142に収容された用紙Pと手差しトレイ141にセットされた用紙Pとを交互に給紙させる。そして、給紙部14により用紙カセット142に収容された用紙Pが給紙された時には、動作制御部101は、画像形成部12に、その用紙Pに受付部103が受け付けた指示に示される画像データのうち偶数ページまたは奇数ページの他方の画像データに基づく画像を形成させ、用紙搬送部19に、画像形成部12により画像が形成された用紙Pを排出トレイ151に排出させる。給紙部14により手差しトレイ141にセットされた用紙Pが給紙された時には、動作制御部101は、画像形成部12に、その用紙Pに画像を形成させず、用紙搬送部19に、画像形成部12により画像が形成されなかった用紙Pを排出トレイ151に排出させる。
【0066】
上記の構成によれば、両面印刷を実行する場合に誤って裏紙が収容された用紙トレイ142が選択されたとしても、裏紙の印刷済みの面に重ねて画像が形成されず、裏紙の未印刷面に正しく画像を形成することができる。
【0067】
また、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、用紙搬送部19が、用紙の表裏を反転する用紙反転機構20を有する。動作制御部101は、受付部103が用紙Pの両面に画像を形成すべき旨の指示を受け付けた場合に、画像形成部12に、偶数ページの画像データに基づく画像を用紙Pの片面に形成させる。そして動作制御部101は、受付部103が排出トレイ151に排出された用紙Pが未使用紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、排出トレイ151に排出された用紙Pが手差しトレイ141にセットされたことを検出した場合には、用紙搬送部19に手差しトレイ141にセットされた用紙Pの表裏を反転させた後に、画像形成部12に、奇数ページの画像データに基づく画像を用紙Pに形成させる。また、動作制御部101は、受付部103が排出トレイ151に排出された用紙Pが裏紙の片面に画像が形成されたものである旨の指示を受け付け、かつ、排出トレイ151に排出された用紙Pが手差しトレイ141にセットされたことを検出した場合において、給紙部14により用紙カセット142に収容された用紙Pが給紙された時には、用紙搬送部19に用紙Pの表裏を反転させずに、その用紙Pに奇数ページの画像データに基づく画像を形成させる。給紙部14により手差しトレイ141にセットされた用紙Pが給紙された時には、動作制御部101は、用紙搬送部19に用紙Pの表裏を反転させずにその用紙Pを排出トレイに排出させる。
【0068】
上記の構成によれば、ユーザーにより排出トレイ151に排出された用紙Pが裏返して手差しトレイ141にセットされることにより、両面印刷を実行する際に誤って裏紙が収容された用紙トレイ142が選択された場合において、少ない処理工程で、画像が形成された面を下向きに、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように裏紙P1を排出トレイ151に排出することができる。また、両面印刷を実行する際に正しく未使用紙P2が収容された用紙トレイ142が選択された場合において、少ない処理工程で、前のページの画像が形成された面を下向きに、かつ、形成された画像のページ順が並ぶように未使用紙P2を排出トレイ151に排出することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として、プリンターを用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、他の画像形成装置、例えば、複合機、コピー機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、図1乃至図11を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
10 制御ユニット
12 画像形成部
14 給紙部
19 用紙搬送部
20 用紙反転機構
100 制御部
101 動作制御部
102 表示制御部
103 受付部
141 手差しトレイ
142 用紙カセット
151 排出トレイ
190 搬送路
195 反転搬送路
473 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11