特許第6181009号(P6181009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181009プリンタ及びそのファームウェア更新制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181009
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】プリンタ及びそのファームウェア更新制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/00 20060101AFI20170807BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20170807BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G06F9/06 630A
   G06F3/12 325
   G06F13/00 530B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-156696(P2014-156696)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33762(P2016-33762A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2016年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モエイ ジュン ジット
(72)【発明者】
【氏名】原田 範昭
【審査官】 多胡 滋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−127152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/00
G06F 3/12
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータから最新ファームウェアをダウンロードするダウンロード部と、
前記ダウンロード部においてダウンロードされた前記最新ファームウェアが自機の機種IDに対応しているか否かにより現ファームウェアの更新可否を判定する更新可否判定部と、
前記判定の結果が前記現ファームウェアの更新可の場合に、前記最新ファームウェアにより前記現ファームウェアを更新する更新処理部と、
前記更新可否判定部における判定の結果が前記現ファームウェアの更新不可の場合に、前記ダウンロード部においてダウンロードされた前記最新ファームウェアのバージョン番号を抽出し、バックアップ領域へ記憶するバージョン番号抽出部と、
前記最新ファームウェアにより前記現ファームウェアが更新されなかった場合に、前記現ファームウェアのバージョン番号として前記バックアップ領域に記憶されているバージョン番号を前記ホストコンピュータへ通知させる更新擬装部と、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記更新可否判定部は、前記最新ファームウェアから抽出された対応機種IDに前記自機の機種IDが含まれていなかった場合に、更新不可の判定を行う請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記ホストコンピュータから対応済みの前記機種IDを含む対応機種情報をホスト情報として取得するホスト情報取得部を更に備え、
前記更新可否判定部は、前記ホスト情報取得部で取得された前記対応機種情報と前記自機の機種IDとを比較して前記更新可否を判定する請求項1記載のプリンタ。
【請求項4】
ホストコンピュータにネットワークを介して接続されたプリンタに内蔵されるコンピュータにインストールされるファームウェア更新制御プログラムであって、
前記ホストコンピュータから最新ファームウェアをダウンロードするダウンロードステップと、
前記ダウンロードステップにおいてダウンロードされた前記最新ファームウェアが自機の機種IDに対応しているか否かにより現ファームウェアの更新可否を判定する更新可否判定ステップと、
前記判定の結果が前記現ファームウェアの更新可の場合に、前記最新ファームウェアにより前記現ファームウェアを更新する更新処理ステップと、
前記更新可否判定ステップにおける判定の結果が前記現ファームウェアの更新不可の場合に、前記ダウンロードステップにおいてダウンロードされた前記最新ファームウェアのバージョン番号を抽出し、バックアップ領域へ記憶するバージョン番号抽出ステップと、
前記最新ファームウェアにより前記現ファームウェアが更新されなかった場合に、前記現ファームウェアのバージョン番号として前記バックアップ領域に記憶されているバージョン番号を前記ホストコンピュータへ通知させる更新擬装ステップと、
を前記コンピュータに実行させるプリンタのファームウェア更新制御プログラム。
【請求項5】
前記更新可否判定ステップにおいて、前記最新ファームウェアから抽出された対応機種IDに前記自機の機種IDが含まれていなかった場合に、更新不可の判定を行う請求項4記載のプリンタのファームウェア更新制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、プリンタ及びそのファームウェア更新制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの電子機器には、内蔵されている各種の装置や部品を制御するためにファームウェアが組み込まれている。また、電子機器がホストコンピュータに接続されると、ホストコンピュータが保有するファームウェアのバージョン番号が電子機器にインストールされているファームウェアのバージョン番号よりも大きく、新しいバージョンの場合には、最新のファームウェアへの更新処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−50779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンタなどの電子機器では、旧型の機種を使い続ける場合も多いため、ホストコンピュータが旧型の機種について保有するファームウェアのバージョン番号はアップグレード実施回数に応じて大きくなる。旧型の機種にのみ対応しているホストコンピュータに対して新型の機種の電子機器が接続されると、新型の機種の電子機器にインストールされているファームウェアのバージョン番号が相対的に小さいために、バージョン番号の比較だけでは旧型の機種に対応するファームウェアによって書き換えられてしまい、不具合が発生してしまう可能性がある。このような場合、バージョン番号だけでなく、機種IDをファームウェアの更新判定条件に含めることで誤った更新を防止することができるが、新型の機種の電子機器の接続時においてホストコンピュータ側に通知されるファームウェアのバージョン番号は小さいままのため、電子機器とホストコンピュータ間の問い合わせ時間が長くなり、システムの立ち上がりが遅くなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、ホストコンピュータが保有する最新ファームウェアが自機に適合しない場合でも、最新のファームウェアがインストールされたように擬装できるプリンタ及びそのファームウェア更新制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプリンタは、ホストコンピュータから最新ファームウェアをダウンロードするダウンロード部と、前記ダウンロード部においてダウンロードされた前記最新ファームウェアが自機の機種IDに対応しているか否かにより現ファームウェアの更新可否を判定する更新可否判定部と、前記判定の結果が前記現ファームウェアの更新可の場合に、前記最新ファームウェアにより前記現ファームウェアを更新する更新処理部と、前記更新可否判定部における判定の結果が前記現ファームウェアの更新不可の場合に、前記ダウンロード部においてダウンロードされた前記最新ファームウェアのバージョン番号を抽出し、バックアップ領域へ記憶するバージョン番号抽出部と、前記最新ファームウェアにより前記現ファームウェアが更新されなかった場合に、前記現ファームウェアのバージョン番号として前記バックアップ領域に記憶されているバージョン番号を前記ホストコンピュータへ通知させる更新擬装部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態1に係るプリンタが接続されるシステムの全体構成例を示す図である。
図2図1に示すプリンタのハードウェア構成例を示す図である。
図3図1に示すプリンタの制御系の機能ブロック図である。
図4図1に示すプリンタにおけるファームウェア更新制御処理の具体例を示すフローチャートである。
図5】新型の機種IDに対応していないホストコンピュータに対して新型の機種IDのプリンタを接続した場合の動作を説明する図である。
図6】新型および旧型の両方の機種IDに対応しているホストコンピュータに対して新型の機種IDのプリンタを接続した場合の動作を説明する図である。
図7】本発明の実施形態2に係るプリンタの制御系の機能ブロック図である。
図8図7に示すプリンタにおけるファームウェア更新制御処理の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係るプリンタについて図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタ1が接続されるシステムの全体構成例を示す図である。同図に示されるシステムは、N台のプリンタ1がホストコンピュータ2に対してネットワーク3を介してそれぞれ接続されて構成されており、ホストコンピュータ2がプリンタ1に現時点でインストールされているファームウェアよりも新しいファームウェアを保有する場合にはダウンロードして更新することを示している。
【0010】
図2は、図1に示すプリンタ1のハードウェア構成例を示す図である。同図に示されるように、制御部50は、ホストコンピュータ2との連係および用紙搬送、印字、用紙切断、用紙排出の各種の制御の実行を行う、例えばマイクロコンピュータで構成されており、中央処理装置(MPU)51、ROM53、RAM54、FROM60を有している。
【0011】
MPU51で実行する制御プログラムや制御または演算途上のデータ等を格納する主記憶手段としてROM53およびRAM54が設置されている。ROM53は、制御プログラムやテーブル等を持つ読出し専用メモリである。また、RAM54は、演算途上のデータ等を随時格納する書込み用のメモリである。FROM(FlashROM)60は、ファームウェアを記憶させる領域として用いられるメモリである。ホストコンピュータ2から適合する最新のファームウェアがダウンロードされると、FROM60の記憶内容が更新される。
【0012】
また、制御部50には、ホストコンピュータ2からの各種の入力データの取込みや、ホストコンピュータ2への制御部50の制御出力の取出しを行う入出力ユニット(I/O)55が設けられている。
【0013】
また、I/O55には、制御出力を取り出すための手段として、第1〜第5のドライバ52、56、57、58、59が接続されている。第1のドライバ52は、ホストコンピュータ2とネットワーク(図示省略する)を介して通信を行う通信部20を制御する。第2のドライバ56は、サーマルヘッド9およびプラテンローラ6の駆動を制御する。第3のドライバ57は、カッタ15の駆動を制御する。第4のドライバ58は、フィードローラ16の駆動を制御する。第5のドライバ59は、表示部19における表示制御を行う。
【0014】
図3は、図1に示すプリンタ1の制御系の機能ブロック図である。同図に示されるように、制御部50は、プリンタ情報記憶部50a、プリンタ情報通知部50b、ホスト情報取得部50c、ダウンロード部50d、更新可否判定部50e、更新処理部50f、ファームウェア記憶部50g、バージョン番号抽出部50h、バックアップ領域50i、および更新擬装部50jを備えている。
【0015】
プリンタ情報通知部50bは、ホストコンピュータ2へのプリンタ接続時に、自機の機種IDおよびインストール済みの現ファームウェアのバージョン番号を含むプリンタ情報をプリンタ情報記憶部50aから取得してホストコンピュータ2へ通知する。
【0016】
ホスト情報取得部50cは、ホストコンピュータ2側から送信された各種のホスト情報を取得する。ホスト情報の具体例としては、ファームウェア更新後のプリンタ1の再起動コマンドやファームウェアのダウンロードコマンドなどが挙げられる。
【0017】
ダウンロード部50dは、ホストコンピュータ2側で最新ファームウェアのバージョン番号がプリンタ情報に含まれる現ファームウェアのバージョン番号よりも大きく、新しいバージョンであると判定された場合に、ホストコンピュータ2からの指令に基づいて最新ファームウェアをダウンロードする。
【0018】
更新可否判定部50eは、ダウンロード部50dにおいてダウンロードされた最新ファームウェアが自機の機種IDに対応しているか否かにより現ファームウェアの更新可否を判定する。本実施形態では、ファームウェアの属性情報(例えば、ファームウェアID等)に当該ファームウェアが対応する機種IDが含まれているため、この対応機種IDと自機の機種IDとの比較によって更新可否を判定するものとする。なお、ファームウェアのIDにバージョン番号と対応機種IDの両方を含ませることもできる。対応機種IDの取得方法は任意に設計変更可能である。
【0019】
更新処理部50fは、更新可否判定部50eにおける判定の結果が現ファームウェアの更新可の場合に、最新ファームウェアにより現ファームウェアを更新(アップグレード)する。ファームウェア記憶部50gは、プリンタ1の構成機器を制御する現ファームウェアを記憶する記憶装置であり、上述のFROM60に相当する。
【0020】
バージョン番号抽出部50hは、更新可否判定部50eにおける判定の結果が現ファームウェアの更新不可の場合に、ダウンロード部50dにおいてダウンロードされた最新ファームウェアのバージョン番号を抽出し、バックアップ領域50iへ記憶する。
【0021】
更新擬装部50jは、最新ファームウェアにより現ファームウェアが更新されなかった場合に、プリンタ情報通知部50bに現ファームウェアのバージョン番号に代えてバックアップ領域に記憶されているバージョン番号をホストコンピュータ2へ通知させる。すなわち、実際にインストールされているファームウェアとは異なるバージョン番号によってファームウェアがあたかも更新されたかのように擬装する。
【0022】
以下、上記のように構成されたプリンタ1の動作を説明する。図4は、図1に示すプリンタ1におけるファームウェア更新制御処理の具体例を示すフローチャートである。
先ず、プリンタ1がホストコンピュータ2に接続されると(Act101)、ホストコンピュータ2はプリンタ1に対してプリンタ情報の通知要求を行う(Act102)。
【0023】
次に、プリンタ1のプリンタ情報通知部50bがプリンタ情報記憶部50a内のプリンタ情報を取得してホストコンピュータ2側へ通知すると(Act103)、ホストコンピュータ2はそのプリンタ情報を取得する(Act104)。
【0024】
次に、ホストコンピュータ2は、プリンタ1の現ファームウェアよりも新しいファームウェアの有無を判定する(Act105)。ここで、現ファームウェアよりも新しいファームウェアが有ると判定された場合(Act105:YES)は、ダウンロード部50dはホストコンピュータ2からの指令に基づいて最新ファームウェアのダウンロードを行い(Act106)、Act107へ進む。これに対し、ホストコンピュータ2内にプリンタ1の現ファームウェアよりも新しいファームウェアは無いと判定された場合(Act105:NO)は、処理を終了する。
【0025】
Act107において、プリンタ1の更新可否判定部50eは、ダウンロード済みの最新ファームウェアの属性情報を解析して対応機種IDを取得する。
次に、更新可否判定部50eは、対応機種IDと自機の機種IDとの比較結果に基づいて最新ファームウェアによってファームウェア記憶部50g内の現ファームを更新できるか否かを判定する(Act108)。ここで、ファームウェアの更新が可能と判定された場合(Act108:YES)には、更新処理部50fで更新処理を実行(Act109)するとともに、バックアップ領域50i内をリセットして(Act110)、Act113へ進む。これに対し、ファームウェアの更新が不可と判定された場合(Act108:NO)には、バージョン番号抽出部50hはダウンロード済みの最新ファームウェアからバージョン番号のみを抽出して(Act111)、これをバックアップ領域50iへ格納し(Act112)、Act113へ進む。
【0026】
Act113において、プリンタ1の再起動が自動的に行われると、プリンタ1はホストコンピュータ2に再度接続する(Act114)。
次に、プリンタ1の更新擬装部50jは、バックアップ領域50iにバージョン番号が格納されているか否かを判定する(Act115)。ここで、バックアップ領域50iにバージョン番号が格納されていると判定された場合(Act115:YES)には、更新擬装部50jは、プリンタ情報通知部50bに対して実際にインストールされている現ファームウェアのバージョン番号に代えてバックアップ領域50i内のバージョン番号をホストコンピュータ2側に通知させ(Act116)、処理を終了する。これに対し、バックアップ領域50i内にバージョン番号が格納されていないと判定された場合(Act115:NO)、すなわち、ファームウェアの更新が実際に行われていた場合には、プリンタ情報通知部50bはインストールされている現ファームウェアのバージョン番号をホストコンピュータ2側に通知し(Act117)、処理を終了する。
【0027】
図5は、新型の機種IDに対応していないホストコンピュータ2に対して新型の機種IDのプリンタ1を接続した場合の動作を説明する図である。ここでは、ホストコンピュータ2における対応機種IDがmodel_A、最新ファームウェアのバージョン番号がVer_6.00であり、プリンタ1に係る機種IDがmodel_B、現ファームウェアのバージョン番号がVer_1.00の場合を示している。この例の場合には、ホストコンピュータ2側が新型の機種ID(model_B)に対応しておらず、更新を実行するとプリンタ1に不具合が生じてしまうと考えられる。このため、ホストコンピュータ2側からダウンロードしたファームウェアによりプリンタ1の現ファームウェアを更新することはせずに、そのバージョン番号(Ver_6.00)のみを抽出してバックアップ領域50iへ格納する。そして、プリンタ1の再起動に伴ってホストコンピュータ2へ再度接続されたときには、現ファームウェアのバージョン番号(Ver_1.00)の代わりにバックアップ領域50iに格納されているバージョン番号(Ver_6.00)をホストコンピュータ2側へ通知している。このため、ホストコンピュータ2側ではバージョン番号との比較結果が同一となり、あたかもファームウェアの更新が実行されたかのように処理される。
【0028】
これに対し、図6は、新型および旧型の両方の機種IDに対応しているホストコンピュータ2に対して新型の機種IDのプリンタ1を接続した場合の動作を説明する図である。ここでは、対応機種IDがmodel_A、最新ファームウェアのバージョン番号がVer_6.00のファームウェアと、対応機種IDがmodel_B、最新ファームウェアのバージョン番号がVer_1.10のファームウェアがホストコンピュータ2側で提供可能となっている。この例の場合には、ホストコンピュータ2側が新型の機種ID(model_B)にも対応しているため、更新を実行してもプリンタ1に不具合が生じることはない。このため、ホストコンピュータ2側からダウンロードしたファームウェアによりプリンタ1の現ファームウェアを更新している。そして、プリンタ1の再起動に伴ってホストコンピュータ2へ再度接続されたときには、現ファームウェアのバージョン番号(Ver_1.10)をホストコンピュータ2側へ通知している。
【0029】
このように、本実施形態に係るプリンタ1によれば、ホストコンピュータ2が保有する最新ファームウェアが自機に適合しない場合でも、最新のファームウェアがインストールされたかのように擬装できるため、ファームウェアの更新に伴う不具合の発生を回避できる。また、ファームウェアを実際に更新することなく、ホストコンピュータ2側に通知するバージョン番号のみを変えることができるため、プリンタ1とホストコンピュータ2間の問い合わせ時間を短縮し、システムの立ち上がりを速くすることもできる。
【0030】
<実施形態2>
図7は、本発明の実施形態2に係るプリンタの制御系の機能ブロック図である。同図において図1と共通する符号は同一の対象を示しているため、以下では実施形態1と異なる箇所を詳細に説明する。
【0031】
本実施形態において、ホスト情報取得部50cは、プリンタ情報に対する応答情報として、ホストコンピュータから対応済みの機種IDに係る対応機種情報と各ファームウェアの最新バージョン番号とを含むホスト情報を取得する。なお、実施形態1の場合と同様に、プリンタ1の再起動コマンドなどの各種コマンド情報などもホスト情報として取得される。
【0032】
また、上記実施形態1においては、ダウンロード部50dは、ホストコンピュータ2がプリンタ1の現ファームウェアよりも新しいファームウェアが存在すると判定した場合は、プリンタ1側にダウンロードさせ、プリンタ1からのダウンロード要求は必要の無い構成としていたが、本実施形態のダウンロード部50dは、ホスト情報の解析結果に基づいて現ファームウェアよりも新しいファームウェアがホストコンピュータ2側に存在すると判定した場合に、ファームウェアのIDを指定してダウンロード要求を行うものとする。
【0033】
更に、上記実施形態1においては、更新可否判定部50eは、最新ファームウェアの属性情報(ファームウェアIDなど)の解析によって最新ファームウェアが対応している機種IDを取得する構成であったが、本実施形態の更新可否判定部50eは、ホスト情報取得部50cで取得されたホスト情報に含まれる対応機種情報と自機の機種IDとを比較し、その比較結果に基づいて更新可否を判定するものとする。
【0034】
図8は、図7に示すプリンタ1におけるファームウェア更新制御処理の具体例を示すフローチャートである。
先ず、プリンタ1がホストコンピュータ2に接続されると(Act301)、ホストコンピュータ2はプリンタ1に対してプリンタ情報の通知要求を行う(Act302)。
【0035】
次に、プリンタ1のプリンタ情報通知部50bがプリンタ情報記憶部50a内のプリンタ情報を取得してホストコンピュータ2側へ通知すると(Act303)、ホストコンピュータ2はプリンタ1側から受信(Act304)したプリンタ情報に対する応答情報として対応機種情報および各ファームウェアの最新バージョン番号を含むホスト情報を作成し(Act305)、プリンタ1へ送信する(Act306)。
【0036】
次に、プリンタ1のホスト情報取得部50cでホスト情報を取得すると(Act307)、ホストコンピュータ2側における自機の現ファームウェアよりも新しいファームウェアの有無を判定する(Act308)。ここで、ホストコンピュータ2側に自機の現ファームウェアよりも新しいファームウェアが有ると判定された場合(Act308:YES)は、ダウンロード部50dはホストコンピュータ2に対して最新ファームウェアのダウンロードを要求し(Act309)、ダウンロードして(Act310)、Act311へ進む。これに対し、ホストコンピュータ2側に自機の現ファームウェアよりも新しいファームウェアは無いと判定された場合(Act308:NO)は、処理を終了する。
【0037】
Act311において、プリンタ1の更新可否判定部50eは、Act307で取得されたホスト情報に含まれる対応機種情報を参照し、ダウンロード済みの最新ファームウェアによってファームウェア記憶部50g内の現ファームを更新できるか否かを判定する。ここで、ファームウェアの更新が可能と判定された場合(Act311:YES)には、更新処理部50fで更新処理を実行(Act312)するとともに、バックアップ領域50i内をリセットして(Act313)、Act316へ進む。これに対し、ファームウェアの更新が不可と判定された場合(Act311:NO)には、バージョン番号抽出部50hはダウンロード済みの最新ファームウェアの属性情報からバージョン番号のみを抽出して(Act314)、これをバックアップ領域50iへ格納し(Act315)、Act316へ進む。
【0038】
Act316において、プリンタ1の再起動が自動的に行われると、プリンタ1はホストコンピュータ2に再度接続する(Act317)。
次に、プリンタ1の更新擬装部50jは、バックアップ領域50iにバージョン番号が格納されているか否かを判定する(Act318)。ここで、バックアップ領域50iにバージョン番号が格納されていると判定された場合(Act318:YES)には、更新擬装部50jは、プリンタ情報通知部50bに対して実際にインストールされている現ファームウェアのバージョン番号に代えてバックアップ領域50i内のバージョン番号をホストコンピュータ2側に通知させ(Act319)、処理を終了する。これに対し、バックアップ領域50i内にバージョン番号が格納されていないと判定された場合(Act318:NO)、すなわち、ファームウェアの更新が実際に行われていた場合には、プリンタ情報通知部50bはインストールされている現ファームウェアのバージョン番号をホストコンピュータ2側に通知し(Act320)、処理を終了する。
【0039】
このように、本実施形態に係るプリンタ1によれば、ダウンロードした最新ファームウェアの属性情報の中に対応する機種IDの情報が含まれていない場合でも、上記実施形態1の場合と同様に、現ファームウェアの更新可否の判定を行い、その後の更新処理を制御することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1…プリンタ、
2…ホストコンピュータ、
3…ネットワーク、
50…制御部、
50a…プリンタ情報記憶部、
50b…プリンタ情報通知部、
50c…ホスト情報取得部、
50d…ダウンロード部、
50e…更新可否判定部、
50f…更新処理部、
50g…ファームウェア記憶部、
50h…バージョン番号抽出部、
50i…バックアップ領域、
50j…更新擬装部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8