【実施例】
【0015】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示可能な表示装置17(
図3参照)が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明部材13aを窓部に備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
前記表示装置17は、後述する始動入賞口29,30へのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部17aに変動表示させる図柄変動演出を行うよう構成される。また表示装置17では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出(リーチ演出、予告演出、報知演出等)を表示部17aに表示し得るようになっている。実施例では、前記表示装置17として、各種図柄や表示演出に係る画像を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、有機EL(Electro-Luminescence)を用いた表示装置、あるいはドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を用いることができる。
【0017】
前記前枠13には、
図1に示す如く、前記下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1経路28a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2経路28b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。また、前枠13の前部には、LED等の発光体による発光演出が可能なランプ装置18や、音声や効果音を出力可能なスピーカ19が配設されており、前記表示装置17での図柄変動演出に合わせてランプ装置18で発光演出を行ったりスピーカ19で音声演出を行い得るよう構成されている。
【0018】
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏面に後述する装飾フィルム61(
図13参照)が重ねられている。遊技盤20の前側には、
図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール23によりパチンコ球が流下可能な遊技領域28が画成されている。また、遊技盤20(具体的には装飾フィルム61の裏側)に、
図3に示す如く、該遊技盤20との間に収容空間27を画成する設置部材(収容空間画成部材)22が配設されており、収容空間27には、発光により演出を行う発光演出装置や、可動体の動作により演出を行う可動演出装置等の各種演出手段Mが設置されている。なお、前記表示装置17は、設置部材22の裏側に取り付けられて、後述するように設置部材22に設けた開口部(可視部)22aおよび枠状装飾体42(後述)の開口部42aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。
【0019】
前記案内レール23は、
図2に示すように、遊技盤20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール24と、遊技盤20の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール25とから構成されている。前記内レール25は、外レール24の右上端部に連接して遊技盤20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された第1盤面飾り部材25aと、遊技盤20の下部から左上部に亘って配設されて第1盤面飾り部材25aの下端部に連接し、前記外レール24の右方(内側)に離間して位置するレール部材25bとから構成され、該外レール24およびレール部材25bにより1個のパチンコ球が通過可能な発射通路26が画成されている。ここで、前記内レール25を構成するレール部材25bは、前記遊技盤20の左上部に開放端が臨むよう配置されて、レール部材25bの開放端と外レール24との間に遊技領域28(第1経路28a)に開口する打出し口26aを画成するよう構成され、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路26の下方開口から飛翔して、当該打出し口26aから遊技領域28内に打ち出されるようになっている。
【0020】
前記遊技盤20の前面には、前記外レール24の左方(遊技領域28の外側)の上下位置に第2盤面飾り部材39が夫々が配設されている。前記第1および第2盤面飾り部材25a,39の夫々は、不透明(非光透過性)の合成樹脂材から形成されており、遊技盤20において該第1および第2盤面飾り部材25a,39が配設された部分を除いた領域(すなわち遊技領域28)では裏側で行われる発光演出を認識可能に構成される一方で、該第1および第2盤面飾り部材25a,39の配設領域では遊技盤20が見えないようになっている。
【0021】
前記遊技盤20には、
図4に示す如く、前後に貫通する装着口21a,21b,21cが前記遊技領域28内の適宜位置に開設されて、各装着口21a,21b,21cに対して各種の遊技盤設置部品が配設されている。なお、実施例の遊技盤20には、遊技盤設置部品として枠状装飾体42、始動入賞装置31、特別入賞装置33、複数の普通入賞部材52,53,54等を設置する装着口21a,21b,21cが形成されている。そして、前記遊技盤20において遊技領域28の最下部位置に、該遊技領域28の最下部位置まで流下したパチンコ球を遊技盤20の外部に排出するアウト口36が開設されている。すなわち、前記打球発射装置から発射されて遊技領域28を流下するパチンコ球が前記遊技盤設置部品に設けられた入球口(始動入賞口29,30、特別入賞口32、複数の普通入賞口55等)に入球することにより、入球した入球口に応じた賞球の払い出しや図柄変動演出の実行等の所定の遊技が行われ、遊技領域28の最下部まで流下したパチンコ球がアウト口36を介して機外に排出されるよう構成される。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる遊技盤設置部品の配設位置や配設数等に応じて適宜に決定される。
【0022】
また、前記遊技盤20には、
図2,
図4に示す如く、前記遊技領域28内に多数の遊技釘37が設けられると共に、後述する枠状装飾体42の左側方に、遊技領域28を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材38が回転自在に支持されており、遊技釘37や回転案内部材38との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材38は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材38の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。
【0023】
(装飾フィルム61について)
前記遊技盤20の裏面に配設された前記装飾フィルム61は、裏側を透視可能な透明領域61aと、裏側が透けて見えない光の透過率に設定された非透明領域61bとが形成された樹脂フィルムであって、遊技盤20の裏面に貼着されている。この装飾フィルム61には、遊技盤20に形成された前記各装着口21a,21b,21c、アウト口36および後述するゲート部用の切欠部21dに合わせて通孔が形成されており、各種遊技盤設置部品の取り付けやパチンコ球の後側への排出が許容されるよう構成される。なお、樹脂フィルムとしては、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム等の各種樹脂フィルムが用いられる。
【0024】
前記装飾フィルム61は、
図13に示す如く、無色透明な樹脂フィルムに透光性の白色インクによりベース印刷が施されたベース層62と、該ベース層62の前側に重ねて各種色の透光性インクにより絵柄が印刷された装飾層63とを備え、該装飾層63の前側に重ねて設けられた貼着層64を介して当該装飾フィルム61が遊技盤20の裏面全体に貼着されている。また、ベース層62には、白色インクにより印刷が施されている印刷部分と、白色インクによる印刷が施されていない非印刷部分とが設けられて、該非印刷部分は透明になっている。また、装飾層63には、透光性インクにより印刷が施されている印刷部分と、透光性インクにより印刷が施されていない非印刷部分とが設けられると共に、金色や銀色の非透光性インクによって鏡面となるように所要の意匠65,97a(
図6参照)の輪郭を表わす輪郭表示部66が形成されており、該輪郭表示部66における光の透過率は0%となっている。すなわち、装飾フィルム61において、ベース層62および装飾層63の非印刷部分の重なり部分における光の透過率が100%になるのに対し、装飾層63における輪郭表示部66の形成部分における光の透過率が0%となるよう構成されている。また、ベース層62および装飾層63の印刷部分(輪郭表示部66を除く印刷部分)の重なり部分における光の透過率は、ベース層62の非印刷部分と装飾層63における輪郭表示部66を除く印刷部分との重なり部分における光の透過率より低くなるよう構成される。実施例では、ベース層62および装飾層63の非印刷部分の重なり部分が透明領域61aであって、ベース層62の印刷部分と装飾層63における輪郭表示部66を除く印刷部分との重なり部分および輪郭表示部66の形成領域が非透明領域61bとなっている。なお、ベース層62の印刷部分と装飾層63における輪郭表示部66を除く印刷部分との重なり部分について、第1の非透明領域61bと指称すると共に、ベース層62の印刷部分と装飾層63における輪郭表示部66の形成部分との重なり部分について第2の非透明領域61bと指称して区別する場合がある。
【0025】
実施例では、前記装飾フィルム61に形成される意匠65として、
図6に示す如く、パチンコ機10のモチーフとなる蝶や花が透光性インクにより表示されると共に、該意匠65の輪郭が非透光性インクにより表示されている。装飾フィルム61の装飾層63には、前記枠状装飾体42に設けられた後述する第2装飾部105とによって後述する一連の意匠97を形成する第1部分意匠97aが形成されている。この第1部分意匠97aについては、後述する第1装飾部96を説明する際に併せて説明する。なお、
図13では、装飾フィルム61における遊技盤20の断面表示されている部分との重なり部分において、印刷が施されている部分にハッチングを付すと共に、印刷が施されていない部分(透明部分)にハッチングを付さないようにして、両部分を区別して表示してある。また、装飾層63における輪郭表示部66の形成部分については、他の印刷部分と区別するためにハッチングの形態を変えて表示してある。ここで、前記非透光性インクにより形成される輪郭表示部66は、意匠65,97aにおける最外縁部を象るように形成されたものに限らず、1つの意匠を構成する各パーツの輪郭を表わすように形成されたものも含んでいる。例えば、花の意匠の場合では、花全体の輪郭を表す輪郭表示部66と、花を構成する各花弁の輪郭を表す輪郭表示部66とが形成されて、これら複数の輪郭表示部66が組み合わさることで1つの意匠が表示されるようになっているものであってもよい。
【0026】
実施例の前記遊技盤20には、
図2,
図3に示すように、前記案内レール23で囲まれた遊技領域28の略中央の大部分が開口する第1装着口21a(
図4参照)に、前後に開口する枠状に形成された枠状装飾体42が取り付けられ、該枠状装飾体42の開口部42aの後方に、前記設置部材22の開口部22aが位置するようになっている。すなわち、前記枠状装飾体42の開口部42aの後方に前記表示装置17の表示部17aが位置するよう構成されている。
【0027】
また、前記遊技盤20には、
図3に示す如く、前記枠状装飾体42の下方位置(アウト口36の直上位置)に形成された第2装着口21bに、遊技領域28を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口29および第2始動入賞口30が設けられた始動入賞装置31および特別入賞口32が設けられた特別入賞装置33が配設されている。第1始動入賞口29は、パチンコ球が入賞可能に遊技領域28内で常に上方開口した常時開放型の入賞口とされており、遊技盤20の遊技領域28を流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで第1始動入賞口29にパチンコ球が入球(入賞)し得るよう構成されている。また、第2始動入賞口30は、該第2始動入賞口30を駆動手段(図示せず)の駆動に伴って開放可能に開閉部材30aで閉鎖する開閉型の入賞口とされており、遊技盤20の遊技領域28を流下するパチンコ球の流下態様および駆動手段の駆動による開閉部材30aの開放動作タイミングに応じて第2始動入賞口30にパチンコ球が入賞し得るよう構成されている。
【0028】
前記特別入賞装置33の特別入賞口32は、該特別入賞口32を駆動手段(図示せず)の駆動に伴って開放可能に開閉部材32aで閉鎖する開閉型の入賞口とされており、遊技盤20の遊技領域28を流下するパチンコ球の流下態様および駆動手段の駆動による開閉部材32aの開放動作タイミングに応じて特別入賞口32にパチンコ球が入賞し得るよう構成されている。
【0029】
前記始動入賞装置31は、第1始動入賞口29および第2始動入賞口30に入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出スイッチ(図示せず)を備え、該始動入賞検出スイッチによるパチンコ球の検出(第1始動入賞口29または第2始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて、特別入賞装置33の開閉部材32aを開放するか否かに係る特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17において図柄変動演出が実行され、該表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17の表示部17aに所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な大当り遊技(当り遊技)が付与され、大当り遊技の発生に伴って特別入賞装置33の特別入賞口32を所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
【0030】
前記遊技盤20には、前記枠状装飾体42の左側をパチンコ球が流下する遊技領域28(第1経路28a)に、
図4に示す如く、前後に貫通する複数の第3装着口(貫通孔)21cが上下に離間して開設されており、各第3装着口21cに普通入賞部材(入賞部材)52,53,54が配設されている。また、遊技盤20には、最上部の第3装着口21cの上側に、前記第1装着口21aに連通して左方向に延在する切欠部21dが形成されており、該切欠部21dに、枠状装飾体42に設けられた後述するゲート部69が臨むようになっている。
【0031】
(設置部材22について)
前記設置部材22は、前記遊技盤20の外郭形状より小さな略矩形状に形成された背面板49と、該背面板49の外周縁部から前方に突出する画壁部50とから前方に開口した箱状に形成される(
図5参照)。また、画壁部50の前端部に、開口外側へ向けて延出するよう固定部51が形成されており、該固定部51の前端面を遊技盤20の裏面(具体的には装飾フィルム61の裏面)に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材22とがネジにより固定される。また、前記設置部材22の背面板49には、
図3に示す如く、前記枠状装飾体42の開口部42aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板49の裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部22aを介して表示装置17の表示部17aが設置部材22(遊技盤20)の前側に臨むようになっている。そして、前記設置部材22において開口部22aを囲繞する周囲に各種演出手段Mが設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。
【0032】
前記固定部51には、
図5,
図7に示す如く、該固定部51の最外側から内側(画壁部50側)に離間した位置から画壁部50の縁部までの間に、固定部51の前面から所定深さで凹む設置部51aが形成されている。すなわち、固定部51の前端面を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、設置部51aが遊技盤20の裏面に対して離間して対向するよう構成される。前記設置部51aは、画壁部50の左縁部、上縁部および下縁部に形成された固定部51の夫々に形成されており、これら設置部51aに後述する裏側部材70の外縁部が位置決め固定されるようになっている。
【0033】
(枠状装飾体42について)
次に、前記枠状装飾体42について詳細に説明する。前記枠状装飾体42は、
図2,
図3に示す如く、前記遊技盤20に開設された枠状装飾体42が配設される第1装着口21aの内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部43と、該枠状基部43に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域28と表示装置17の表示部17aを区切る庇状部44と、該庇状部44の後縁から外方に延出する薄板状の台板部45とを備える。そして、前記枠状基部43を第1装着口21aに挿入すると共に台板部45を遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部45をネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体42が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体42の外側、具体的には庇状部44と案内レール23との間にパチンコ球が流下する遊技領域28が画成されるようになっている。すなわち、枠状装飾体42の庇状部44によって、遊技領域28の内周を区画するよう構成されている。なお、枠状装飾体42を遊技盤20に取り付けた状態で、庇状部44の後端縁から外方に延出する台板部45が遊技盤20の前面に沿って延在して、該台板部45の前側をパチンコ球が通り得るよう構成される。また、枠状装飾体42は、全体が透明な合成樹脂製とされており、透明な遊技盤20の前側に台板部45を重ねた状態で、該台板部45および遊技盤20を介して裏側を透視可能に構成されている。
【0034】
前記枠状装飾体42の庇状部44は、枠状装飾体42(台板部45)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇状部44は、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域28に打ち出されたパチンコ球が庇状部44上で滞ることなく枠状装飾体42の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、枠状装飾体42の外側に画成される流下経路28a,28bは、
図2に示す如く、該枠状装飾体42の左側方をパチンコ球が流下する第1経路28a、および枠状装飾体42の右側方をパチンコ球が流下する第2経路28bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域28内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて枠状装飾体42およびレール部材25bの間に形成される第1経路28aか、或いは枠状装飾体42および第1盤面飾り部材25aの間に形成される第2経路28bの何れかを流下するよう構成される。
【0035】
前記枠状装飾体42には、
図2に示す如く、該枠状装飾体42の内周下縁部(開口部42aの下側)に、ステージ47が配設されると共に、該枠状装飾体42の左側部に、前記第1経路28a(遊技領域28)に開口して該第1経路28aを流下するパチンコ球を枠状装飾体42の内側(ステージ47)に取り込む球導入部48が設けられ、該球導入部48がステージ47に連通するよう構成される。そして、球導入部48からステージ47に通出されたパチンコ球は、ステージ47上を左右に転動した後に、前記始動入賞口29,30が設けられている遊技領域28に排出される。また、前記ステージ47の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁40(
図3参照)が設けられ、ステージ47上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁40で防止している。また、透明壁40の上端縁に、前記前枠13における透明部材13aの裏面に近接する位置(透明部材13aとの間をパチンコ球が通過できない隙間となる位置)まで張り出す張出部40aが設けられており、遊技釘37に接触して跳ねてステージ47に飛び込むパチンコ球が表示部17a側に移動するのを該張出部40aで防止している。
【0036】
前記枠状装飾体42には、
図2に示す如く、パチンコ機10のモチーフとなる意匠が施された複数の装飾部品67,110が、前記庇状部44の内周縁部に設けられている。そして、本実施例では、装飾部品67,110、庇状部44および張出部40aによって、前記表示装置17の表示部17aを前側に臨ませる開口部42aが画成される。なお、装飾部品67,110について、枠状装飾体42に設けられる後述する第2装飾部105の前側に配設される装飾部品110を、意匠用装飾部品110と指称して他の装飾部品67と区別する場合がある。また、意匠用装飾部品110については、第2装飾部105を説明する際に併せて説明するものとする。
【0037】
(ゲート部69について)
図2に示す如く、前記枠状装飾体42における開口部42aの左側で前記球導入部48より上側に、前記台板部45から左方向に延出するゲート取付板68が形成されており、該ゲート取付板68にゲート部69が設けられている。ゲート部69は、パチンコ球が通過可能なゲート入口およびゲート出口が遊技領域28(第1経路28a)内で常に上下に開口する常時開放型の入球部とされ、遊技盤20の遊技領域28を流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングでゲート入口をパチンコ球が入球(通過)して、ゲート出口を介して遊技領域28に排出されるようになっている。ゲート部69は、前記切欠部21dを介して遊技盤20の裏側から取り付けられてゲート入口に入球したパチンコ球を検出可能な球通過検出センサ(図示せず)を備え、球通過検出センサは、図示しない制御手段に配線接続されている。そして、球通過検出センサから制御手段への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って、前記始動入賞装置31の開閉部材30aを開放するか否かに係る普図当り抽選が行われるよう構成される。また、球通過検出センサから導出する配線は、後述する裏側部材70および発光基板85に形成された切欠部や孔を介して該発光基板85の後方へ引き出されるように構成される。
【0038】
(裏側部材70について)
前記設置部材22の前端部に、前記遊技盤20の裏側に重なるように裏側部材70が配設されている。この裏側部材70は、
図7,
図8,
図9に示す如く、遊技盤20における前記第1経路28aの裏側の全体に対向する形状および大きさに形成された板状の基材71と、該基材71の前面に配設されて凹凸によって意匠を象った意匠部77,81,101が設けられた装飾部材73,74,100とを備える。実施例では、複数の装飾部材73,74,100が基材71の前面に配設されており、これらの装飾部材73,74,100が前記遊技盤20の裏面(具体的には前記装飾フィルム61)に対向して裏側部材70の前面を構成している(
図12,
図14,
図24参照)。また、基材71および装飾部材73,74,100は、何れも光透過性の合成樹脂材料で形成されたものであって、後述する発光基板85,86,87に実装された発光体88,98の光によって明輝することで、前記遊技盤20を裏側から照明し得るよう構成される。
【0039】
(基材71について)
前記基材71は、上、左、下の夫々の外縁部を前記設置部材22の固定部51に形成した設置部51aの前側に位置決された状態で、各外縁部をネジ等の固定手段によって対応する設置部51aに固定することで、該基材71は左側の画壁部50から右側の画壁部50に向けて前記背面板49と略平行な姿勢で延出する状態で設置部材22に位置決め固定される。基材71の前面には、
図9に示す如く、装飾部材73,74,100の外形形状の少なくとも一部に一致する形状で前側に突出する位置決め突部71aが設けられており、該位置決め突部71aに装飾部材73,74,100の対応する外縁を合わせることで、基材71に対する装飾部材73,74,100の位置決めがなされるよう構成される。
【0040】
前記基材71には、前記遊技盤20に形成された前記切欠部21dに対応する位置に前後に貫通する第1通孔71bが形成されると共に、該遊技盤20に形成された各第3装着口21cに対応する位置に前後に貫通する第2通孔71cが形成されている。また、
図9に示す如く、各第2通孔71cを挟む両側に、前側に開口するネジ孔75aが形成されたネジ固定ボス75,75が前側に向けて突設されており、該ネジ固定ボス75,75を介して前記普通入賞部材52,53,54が裏側部材70に位置決め固定されるようになっている(
図15参照)。なお、基材71における最下部に形成される第2通孔71cは、後述する第3普通入賞部材54の形状に合わせて2つの連通部58,58が挿通可能な形状に形成されている。
【0041】
(装飾部材73,74,100について)
前記基材71に配設される装飾部材73,74,100として、実施例では、
図9に示す如く、基材71の側部から下部に亘って前側に重なるように配設される大型の第1装飾部材73と、該第1装飾部材73の前側に全体または一部が重なるように配設される第2装飾部材74と、第1装飾部材73の配設位置の上側で基材71の前側に重なるように配設される第3装飾部材100とが設けられている。なお、第3装飾部材100は、後述する一連の意匠97を形成する第1装飾部96を構成することから、第3装飾部材100の詳細な構成については、第1装飾部96を説明する際に併せて説明することとする。
【0042】
(第1装飾部材73について)
前記第1装飾部材73は、
図7に示す如く、平板状の板材を本体76として、該本体76の外縁を、前記基材71に設けられている位置決め突部71aに合わせることで、該第1装飾部材73は基材71に対して位置決めされる。第1装飾部材73の本体76には、基材71の第1通孔71bと対応する位置に前後および右方に開放する切欠部76aが形成されると共に、基材71の各第2通孔71cと対応する位置に前後に貫通する挿通孔76bが形成されている。また、各挿通孔76bを挟む左右両側に、基材71の前記ネジ固定ボス75が挿通可能な通孔76cが形成されており、基材71の前側に第1装飾部材73を位置決め突部71aを介して位置決めした状態で、該第1装飾部材73の切欠部76aと基材71の第1通孔71bが前後に整列すると共に、第1装飾部材73の各挿通孔76bと基材71の第2通孔71cが前後に整列する状態で、各ネジ固定ボス75が対応する通孔76cに挿通されるよう構成される(
図15参照)。
【0043】
前記第1装飾部材73における本体76の前面に、
図9に示す如く、前記第2装飾部材74および第3装飾部材100の外形形状の少なくとも一部に一致する形状で前側に突出する位置決め突部76dが設けられており、該位置決め突部76dおよび基材71の前記位置決め突部71aに第2装飾部材74および第3装飾部材100の対応する外縁を合わせることで、第1装飾部材73および基材71に対する第2装飾部材74および第3装飾部材100の位置決めがなされるよう構成される(
図7,
図8参照)。
【0044】
前記第1装飾部材73に形成された第1意匠部(意匠部)77は、前記装飾フィルム61における装飾層63に印刷により表示された前記意匠65と関連しない形状で形成されている。また、第1意匠部77は、前記装飾フィルム61における非透明領域(第1の非透明領域)61bに対応して本体76の前面から突出するように設けられて該装飾フィルム61に対向する平坦面78aを装飾フィルム61における非透明領域(第1の非透明領域)61bの裏面に当接する第1支持部(支持部)78と、第1支持部78の平坦面78aより後側に凹んで装飾フィルム61における非透明領域(第1の非透明領域)61bと接触しない第1非接触部(非接触部)79が形成されている(
図12参照)。すなわち、第1装飾部材73において第1支持部78の平坦面78aが、当該第1装飾部材73の前端として構成されている。また、第1装飾部材73の本体76には、前記第1非接触部79に対応する凹凸状の第1レンズ部(レンズ部)80が設けられている。この第1レンズ部80は、
図12に示す如く、第1非接触部79の前面に形成されて凸部が湾曲形成された第1レンズ面80aと、該第1非接触部79の裏面に形成されて凸部が断面三角形状に形成された第2レンズ面80bとを備え、後述する発光体88からの光を拡散して広範囲を照明し得るよう構成される。実施例では、第1レンズ面80aにおける凸部の延在方向と、第2レンズ面80bにおける凸部の延在方向が交差するように形成されて、光をより広範囲に拡散し得るようになっている。特に、第2レンズ面80bの凸部は細かく(間隔が狭く)形成されて、光拡散機能が高く構成されている。
【0045】
ここで、前記第1装飾部材73では、前記第1意匠部77の全体が装飾フィルム61における非透明領域(第1の非透明領域)61bの裏側に対向するように臨んでいるが、第1非接触部79を装飾フィルム61における透明領域61aの裏側に対向するようにしてもよい。また、第1支持部78の平坦面78aが、装飾フィルム61における輪郭表示部66が形成されている非透明領域(第2の非透明領域)61bに当接する構成であってもよい。
【0046】
(第2装飾部材74について)
前記第2装飾部材74には、
図10,
図11に示す如く、該第2装飾部材74の大きさに応じて1つまたは複数の固定ボス74aが後方に向けて突出するように設けられると共に、該固定ボス74aには後方に開口するネジ孔が形成されている。前記基材71には、各第2装飾部材74の配設位置において固定ボス74aと対応する位置の夫々に有底筒状の位置決め凹部71dが設けられると共に、該位置決凹部71dの底部(実施例では後端部)には通孔が形成されている。また、前記第1装飾部材73には、当該第1装飾部材73の前側に重なるように配設される第2装飾部材74において第1装飾部材73に重なる位置に設けられる固定ボス74aと対応する位置に貫通孔76eが形成されている(
図9参照)。すなわち、基材71の位置決め凹部71dに前側から固定ボス74aを直接または第1装飾部材73の貫通孔76eを介して挿入し、位置決め凹部71dの通孔に裏側から挿通したネジを固定ボス74aのネジ孔に螺挿することで、第2装飾部材74が基材71や第1装飾部材73の前面に位置決め固定される。そして、基材71を前記設置部51aに固定した状態で、該基材71の前面に固定された第1装飾部材73の第1意匠部77における第1支持部78の平坦面78aおよび第2装飾部材74の後述する第2意匠部81における第2支持部82の平坦面82aが、固定部51の前面に取り付けられた遊技盤20の裏面に貼着されている装飾フィルム61の裏面に当接する位置に臨むようになっている(
図12,
図15参照)。なお、基材71および第1装飾部材73の前面に突設された位置決め突部71a,76dの前面は、各支持部78,82の平坦面78a,82aより前側に突出しないよう設定される。実施例では、第2装飾部材74を基材71にネジ止め固定することで、基材71と第2装飾部材74とで第1装飾部材73が挟持された状態で、該第1装飾部材73が基材71に対して固定されるようになっている。
【0047】
前記第2装飾部材74に形成された第2意匠部(意匠部)81は、前記装飾フィルム61における装飾層63に印刷により表示された前記意匠65と対応する形状で形成されている。実施例では、蝶や花が第2意匠部81として形成されており、第2装飾部材74の蝶の第2意匠部81が、装飾フィルム61の蝶の意匠65の裏側に対向すると共に、第2装飾部材74の花の第2意匠部81が、装飾フィルム61の花の意匠65の裏側に対向している。そして、第2装飾部材74が後述する発光体88の光により明輝することで、遊技盤20(装飾フィルム61)に表示されている意匠65を裏側から照明し得るよう構成される。
【0048】
前記第2意匠部81は、
図13に示す如く、前記装飾フィルム61における非透明領域(第2の非透明領域)61bに対応して第2装飾部材74の本体部から前側に突出するように設けられて該装飾フィルム61に対向する平坦面82aを装飾フィルム61における非透明領域(第2の非透明領域)61bの裏面に当接する第2支持部(支持部)82と、装飾フィルム61における透明領域61aに対応して設けられて第2支持部82の平坦面82aより後側に凹んで装飾フィルム61における透明領域61aと接触しない第2非接触部(非接触部)83とを備える。具体的に、蝶の第2意匠部81では、
図10(a)に示す如く、該蝶の羽根および触覚等の輪郭を象るように第2支持部82が形成され、花の第2意匠部81では、
図11(a)に示す如く、該花の花弁の輪郭を象るように第2支持部82が形成される。そして、各第2支持部82で囲われた領域が第2非接触部83として形成されている。すなわち、第2装飾部材74において第2支持部82の平坦面82aが、当該第2装飾部材74の前端として構成されている。また、第2装飾部材74の裏面における第2意匠部81の第2非接触部83と対応する領域に、
図10(b),
図11(b)に示す如く、凹凸状の第2レンズ部(レンズ部)83aが形成されており、後述する発光体88からの光を広範囲に拡散し得るよう構成されている。すなわち、実施例の第2レンズ部83aは、光拡散機能を有している。
【0049】
実施例では、前記第1装飾部材73の前面に第2装飾部材74を配設した状態で、
図8,
図15に示す如く、両装飾部材73,74によって、第1装飾部材73の挿通孔76bおよび通孔76cの形成領域を内側に臨ませて、当該装飾部材73,74の前面端(支持部78,82の平坦面78a,82a)から後側に凹む嵌凹部84が形成される。この嵌凹部84は、後述する普通入賞部材52,53,54に形成される取付部57を収容可能な形状および寸法で形成されており、該取付部57を嵌凹部84に前側から嵌め込んだ状態で、該取付部57が前記ネジ固定ボス75にネジ止め固定されるようになっている。また、嵌凹部84の深さは、取付部57の厚み寸法と略同一に設定されており、該嵌凹部84に取付部57を嵌め込んだ状態で、該取付部57の前端が支持部78,82の平坦面78a,82aと略同一平面に臨むよう構成される(
図15参照)。言い替えると、嵌凹部84に取付部57を嵌め込んだ状態で、該取付部57の前端が支持部78,82の平坦面78a,82aより前側に突出しないようになっている。
【0050】
ここで、実施例の第2装飾部材74は、該第2装飾部材74自体が1つの第2意匠部81を形成する第1種第2装飾部材(
図10)と、板材の前面に部分的に前記第2意匠部81が形成される第2種第2装飾部材(
図11)とが設けられており、第1種第2装飾部材においては、前記第2支持部82によって第1種第2装飾部材自体の輪郭が形成されている。実施例では、
図7〜
図9に示す如く、前記基材71の側部に2つの第1種第2装飾部材74が配設されると共に、該基材71の側部から下部にかけて3つの第2種第2装飾部材74が配設される。具体的に、実施例では第1種第2装飾部材74は、第2意匠部81として蝶が象られているのに対し、第2種第2装飾部材74は、第2意匠部81として花が象られている。
【0051】
前記基材71の下部側に配設された第2装飾部材74の一部は、
図14に示す如く、前記遊技盤20の前面に配設された遊技部品としての下側の前記第2盤面飾り部材39の裏側に重なるように構成されて、該第2盤面飾り部材39によって第2装飾部材74の一部が前側から見えないよう構成される。そして、この第2盤面飾り部材39で隠れる位置の第2装飾部材74の前記第2支持部82の平坦面82aが、前記装飾フィルム61の裏面に当接するよう構成される。すなわち、第2支持部82の平坦面82aは、第2盤面飾り部材39の後側に重なる部位において装飾フィルム61の裏面に当接する接触部として機能するよう構成されている。なお、
図14では、装飾フィルム61における輪郭表示部66とその他の部分とでハッチングの形態を異ならせて区別している。
【0052】
(発光基板85,86,87について)
前記基材71の裏側に、
図9に示す如く、複数の発光基板85,86,87が配設されている。基板71の上部から側部に亘って配設される第1発光基板85には、前記第1通孔71bと対応位置に前後に貫通する貫通孔85aが形成されており、該貫通孔85aを介して前記ゲート部69に配設された球通過検出センサから導出する配線が前記収容空間27に引き出されるようになっている。また、基材71の側部から下部に亘って配設される第2発光基板86には、基材71に形成された最上部の第2通孔71cに対応する位置に前後および上方に開口する上切欠部86aが形成されると共に、基材71に形成された最下部の第2通孔71cに対応する位置に前後および右下斜め方向に開口する下切欠部86bが形成されている。また、第2発光基板86には、基材71の中間に形成された第2通孔71cに対応する位置に、前後に開口する貫通孔86cが形成されている。すなわち、各第2通孔71cに対応して裏側部材70に配設された各普通入賞部材52,53,54の普通入賞口55に入球したパチンコ球を切欠部86a,86bや貫通孔86cを介して第2発光基板86の裏側に通出可能に構成されている(
図15参照)。なお、基材71の下部に配設される第3発光基板87は、基材71における第2通孔71cの形成位置から外れた位置に配設されており、該第3発光基板87には切欠部や貫通孔は形成されていない。
【0053】
前記各発光基板85,86,87の前面には、前記装飾部材73,74に設けられた各意匠部77,81におけるレンズ部80,83aの裏側に対応する位置に、前側に向けて光を照射するLED等の複数の発光体88が実装されており(
図15参照)、該発光体88を発光することで、対応するレンズ部80,83aに光を照射して意匠部77,81を明輝し得るよう構成される。なお、第1発光基板85には、前記第3装飾部材100に向けて光を照射する第1発光体98が配設されているが、該第1発光体98の機能については、第1装飾部96を説明する際に併せて説明する。
【0054】
(普通入賞部材52,53,54について)
前記普通入賞部材(入賞部材)52,53,54は、前記設置部材22の前端部に配設されて遊技盤20の裏側に位置する前記裏側部材70に着脱自在に配設されたものであって、該裏側部材70が配設された設置部材22に前側から遊技盤20を取り付けることで、各普通入賞部材52,53,54の前部が対応する第3装着口21cに挿通されて遊技盤前側に延出するよう構成される。各普通入賞部材52,53,54は、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口55が遊技領域28内で常に上方開口して、遊技盤20の遊技領域28(第1経路28a)を流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで普通入賞口55にパチンコ球が入球(入賞)し得るようになっている。実施例では、裏側部材70に3つの普通入賞部材52,53,54が配設されており、3つの普通入賞部材52,53,54について、上側から順に第1普通入賞部材52、第2普通入賞部材53、第3普通入賞部材54と指称して区別する場合もある。
【0055】
前記3つの普通入賞部材52,53,54の基本的な構成は同じであるので、第2普通入賞部材53の構成について説明し、第1および第3普通入賞部材52,54の同一部材や部位には同じ符号を付して詳細説明は省略する。但し、第3普通入賞部材54については、該第3普通入賞部材54に特有な構成を備えているので、該特有な構成については後述する。
【0056】
(第2普通入賞部材53について)
前記第2普通入賞部材53は、光透過性の合成樹脂材料により形成された光透過性部材であって、
図16に示す如く、上側に開口する樋状で前端部が前壁56aにより閉塞された本体部56と、該本体部56の後端に設けられて外方に延出する板状の取付部57と、本体部56の後端に連設されて後方に延在する上側に開口する樋状の連通部58とを備える。取付部57における本体部56から左右両側に延出する部位の前面に、後側に凹む凹部57aが夫々形成されると共に、該凹部57aに開口するように前後に貫通する通孔57bが取付部57に形成されている。そして、第2普通入賞部材53は、
図15に示す如く、通孔57bに前側から挿通したネジ59によって裏側部材70(第1装飾部材73)の前側に取り付けられるよう構成されている。具体的には、前記第1装飾部材73の挿通孔76bおよび基材71の第2通孔71cに連通部58を前側から挿通し、取付部57を前記嵌凹部84に嵌め合わせた状態で、該取付部57を基材71(裏側部材70)のネジ固定ボス75にネジ59によって固定することで、当該第2普通入賞部材53が裏側部材70に対して本体部56が前側に突出した状態で固定される。
【0057】
前記裏側部材70に配設された第2普通入賞部材53は、遊技盤20の第3装着口21cに裏側から挿通して該遊技盤20の裏側に裏側部材70を配設することで、
図15に示す如く、前記本体部56が第3装着口21cから前側に突出して前記遊技領域28(第1経路28a)に臨むよう構成される。そして、該本体部56における遊技領域28で上側に開口する部分が、普通入賞口(入賞口)55として機能し、遊技領域28を流下するパチンコ球が該普通入賞口55に入賞可能になっている。また、前記取付部57の厚み寸法は、前記嵌凹部84の深さと略同じに設定されており、該嵌凹部84に取付部57を嵌め合わせた状態で、該取付部57の前面が前記装飾部材73,74における支持部78,82の平坦面78a,82aと略同一位置に臨むよう設定される。すなわち、遊技盤20の裏側に裏側部材70を取り付けた状態で、取付部57の前面が遊技盤20(具体的には装飾フィルム61)の裏面に当接し、該取付部57が裏側部材70と遊技盤20とで挟まれるようになっている。
【0058】
前記ネジ59として、皿ネジが用いられており、第1普通入賞部材52がネジ59によって裏側部材70に取り付けられた状態で、該ネジ59における頭部は凹部57a内に収容されて、該頭部の前端(ネジ59の前端)は取付部57の前端より後側に位置するよう構成されている。
【0059】
前記第2普通入賞部材53における本体部56の前端角部は曲面状に面取りされており、前記遊技盤20の第3装着口21cに裏側から本体部56を挿通する工程において、本体部56の前端角部が遊技盤20の裏側に貼着されている前記装飾フィルム61に接触した際に該装飾フィルム61を傷付けたり剥がしてしまうのを抑制し得るよう構成される。また、本体部56の前部下面に、前側から後側に向かうにつれて下側に変位する傾斜が形成されて、該本体部56の前端部は先細り形状に形成されている。すなわち、本体部56の前端部の上下寸法は第3装着口21cより小さく設定(略1/2に設定)されており、該本体部56を第3装着口21cに挿通し易くなっている。
【0060】
前記第2普通入賞部材53における本体部56の前端面に、
図16に示す如く、後側に凹むシール用凹部56bが設けられており、該シール用凹部56bに、装飾シール60が貼着されている。この装飾シール60には、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクタ等に関連する模様等の所要の装飾が表示されている。また、装飾シール60は、本体部56(入賞部材)の前端面から前側に突出しないよう構成されている。
【0061】
(第3普通入賞部材54について)
前記第3普通入賞部材54について、前記第2普通入賞部材53と異なる部分について説明する。当該第3普通入賞部材54は、
図17に示す如く、上側に開口する樋状で前端部が前壁56aにより閉塞された2つの本体部56,56が左右方向に階段状に連設されている。また、左右の本体部56,56の後端に設けられて外方に延出する板状の取付部57における両本体部56,56を挟む両側の前面に、ネジ59の頭部が収容される凹部57aおよび通孔57bが夫々形成されている。そして、第3普通入賞部材54は、取通孔57bに前側から挿通したネジ59によって裏側部材70(第1装飾部材73)の前側に取り付けられるよう構成される。第3普通入賞部材54は、遊技盤20の最下部に位置する前記第3装着口21cから前側に2つの本体部56,56が突出して、遊技盤20の前側で上方に開口する2つの普通入賞口(入賞口)55,55が高低差のある状態で左右に並んで位置するようになっている。そして、各普通入賞口55に入賞したパチンコ球は、本体部56および該本体部56の後端に設けられた樋状の連通部58を介して後方に通出されるよう構成されている。
【0062】
(球排出通路部材89について)
前記裏側部材70の裏側には、前記普通入賞部材52,53,54の各普通入賞口55に裏側で連通する球排出通路部材89が、前記第2発光基板86の裏側に臨むように配設されている。この球排出通路部材89は、
図18に示す如く、上下方向に延在する複数の排出通路90a,90b,90c,90dを画成した複合通路部材であって、前記普通入賞部材52,53,54に設けられた各連通部58の夫々に対応して前側に開口する4つの球入口91a,91b,91c,91dが形成されており、普通入賞部材52,53,54の各普通入賞口55に入賞したパチンコ球が連通部58を介して対応する球入口91a,91b,91c,91dに通入するよう構成されている。また、球排出通路部材89の下端部には、左右方向に離間して2つの球出口92a,92bが設けられており、4つの排出通路90a,90b,90c,90dを流下したパチンコ球が2つの球出口92a,92bから排出されるようになっている。
【0063】
前記球排出通路部材89には、第1普通入賞部材52の連通部58を介して普通入賞口55に連通する第1球入口91aに上端部が連通すると共に下端部が左側の第1球出口92aに連通する第1排出通路90aと、第2普通入賞部材53の連通部58を介して普通入賞口55に連通する第2球入口91bに上端部が連通すると共に下端部が前記第1球出口92aに連通する第2排出通路90bと、第3普通入賞部材54における左側の連通部58を介して対応する普通入賞口55に連通する第3球入口91cに上端部が連通すると共に下端部が右側の第2球出口92bに連通する第3排出通路90cと、第3普通入賞部材54における右側の連通部58を介して対応する普通入賞口55に連通する第4球入口91dに上端部が連通すると共に下端部が前記第2球出口92bに連通する第4排出通路90dとが設けられている。
【0064】
前記球排出通路部材89は、前側に開口すると共に各排出通路90a,90b,90c,90dを画成する画壁を設けた樋部材93と、該樋部材93の前側開口を塞ぐように配設された蓋部材94とから構成され、球排出通路部材89を裏側部材70の裏側に配設した際に、前記第2発光基板86の裏側に臨む領域では蓋部材94が第2発光基板86に対向して第1〜第3排出通路90a,90b,90cを流下するパチンコ球が第2発光基板86に接触しないよう構成される(
図15参照)。但し、球排出通路部材89における第2発光基板86と対向しない領域(具体的には第4排出通路90dの形成領域および第3排出通路90cにおける下端部の一部領域)は蓋部材94で前側開口が塞がれておらず、該前側開口は、球排出通路部材89を裏側部材70に配設することで該裏側部材70により閉塞されるように構成されている。
【0065】
前記球排出通路部材89には、前記第1球出口92aおよび第2球出口92bと対応する位置に、該球出口92a,92bから排出されるパチンコ球を検出する普通入賞検出スイッチ95が夫々配設されている。各普通入賞検出スイッチ95は、前記制御手段に接続されており、該普通入賞検出スイッチ95からの検出信号が制御手段に入力されることを賞球の払出条件として、該制御手段が賞球の払い出しを決定するようになっている。
【0066】
(装飾部96,105について)
実施例のパチンコ機10は、前記遊技盤20における遊技領域28の裏側に設けられ、遊技盤20を透して前側から視認可能な第1装飾部96と、前記枠状装飾体42に設けらた後述する透光部112の裏側に設けられて該透光部112を透して前側から視認可能な第2装飾部105とを備え、第1装飾部96と第2装飾部105とによって一連の意匠97が形成されるよう構成されている。実施例では、一連の意匠97として、パチンコ機10のモチーフとなる蝶が形成されているが、蝶に限らず花やキャラクタ等、その他のものであってもよい。
【0067】
(第1装飾部96について)
前記第1装飾部96は、
図19に示す如く、前記打出し口26aを含む発射通路26および遊技領域28の裏側に重なるように、該遊技領域28の左上部に位置して、前記外レール24と第1装着口21aとの間に亘って臨んでいる。言い替えると、第1装飾部96は、遊技領域28の外周を区画する外レール24と、遊技領域28の内周を区画する前記枠状装飾体42の庇状部44との間に亘って遊技盤20の裏側に配置されている。なお、第1装飾部96を構成する前記装飾フィルム61に形成されている一連の意匠97を構成する第1部分意匠97aの一部は、前記上側の第2盤面飾り部材39の後側に位置して隠れている。なお、
図19では、装飾フィルム61に形成されている意匠97を図示省略して、遊技盤20の裏側に配設されている第3装飾部材100が透視されている状態で示している。
【0068】
前記第1装飾部96は、
図20,
図21に示す如く、前記裏側部材70における基材71の裏側に配設された前記第1発光基板85に実装されて前側に向けて光を照射するLED等の第1発光体(第1発光手段)98と、遊技盤20の裏面に貼着された前記装飾フィルム(第1絵柄部材)61と、第1発光体98と装飾フィルム61との間に配設されて該第1発光体98から照射される光を拡散する透光性の第1光拡散部材99とを備える。第1光拡散部材99は、表面に梨子地加工等の光拡散処理が施されたシート状部材であって、該第1光拡散部材99は、装飾フィルム61に形成されている第1部分意匠97aを象った形状に形成されて、前記基材71の上部に配設された第3装飾部材100の裏側に配設されている。
【0069】
前記第3装飾部材100は、当該第3装飾部材100自体が前記第1部分意匠97a(一連の意匠97の一部)を象った形状に形成された透明な部材であって、
図21,
図24に示す如く、第3装飾部材100の外周縁部には裏側に突出する壁部100aが設けられており、該第3装飾部材100は、後側に開口するトレー状に形成されている。第3装飾部材100は、当該第3装飾部材100が全体として一つの意匠(第1部分意匠97a)を形成していることから、第3装飾部材100において前記装飾フィルム61の裏面に対向する前面の全体が第3意匠部(意匠部)101として機能している。この第3意匠部101は、装飾フィルム61における装飾層63に印刷により形成された前記第1部分意匠97aに対応する形状に形成される。また、第3意匠部101は、
図24(b)に示す如く、装飾フィルム61における非光透過性の輪郭表示部66(非透明領域(第2の非透明領域)61b)に対応して前側に突出するように設けられて該装飾フィルム61に対向する平坦面102aを装飾フィルム61における輪郭表示部66(非透明領域(第2の非透明領域)61b)の裏面に当接する第3支持部(支持部)102と、装飾フィルム61における輪郭表示部66が形成されていない非透明領域(第1の非透明領域)61b)に対応して設けられて第3支持部102の平坦面102aより後側に凹んで装飾フィルム61に接触しない第3非接触部(非接触部)103が形成されている。すなわち、第3装飾部材100において第3支持部102の平坦面102aが、当該第3装飾部材100の前端として構成されている。なお、
図24(b)では、装飾フィルム61における輪郭表示部66とその他の部分とでハッチングの形態を異ならせて区別している。
【0070】
また、前記第3装飾部材100において前記上側の前記第2盤面飾り部材39の裏側に重なる部位に前記第3支持部102が設けられて、該第3支持部102の平坦面102aが装飾フィルム61の裏面に当接するよう構成される。すなわち、第3支持部102の平坦面102aは、第2盤面飾り部材39の後側に重なる部位において装飾フィルム61の裏面に当接する接触部として機能するよう構成されている。
【0071】
前記第3装飾部材100には、
図21に示す如く、複数の固定ボス100bが後方に向けて突出するように設けられると共に、該固定ボス100bには後方に開口するネジ孔が形成されている。前記基材71には、各第3装飾部材100の配設位置において固定ボス100bと対応する位置の夫々に有底筒状の位置決め凹部71d(
図20参照)が設けられると共に、該位置決め凹部71dの底部(実施例では後端部)には通孔が形成されている。また、前記第1光拡散部材99には、第3装飾部材100の各固定ボス100bに対応する位置に通孔99aが夫々形成されており、各通孔99aに対応する固定ボス100bを挿通することで、第3装飾部材100の裏側に第1光拡散部材99が位置決めされる。そして、基材71の位置決め凹部71dに前側から固定ボス100bを挿入し、位置決め凹部71dの通孔に裏側から挿通したネジを固定ボス100bのネジ孔に螺挿することで、基材71との間に第1光拡散部材99を挟持した状態で第3装飾部材100が基材71の前面に位置決め固定される。また、基材71を前記設置部51aに固定した状態で、該基材71の前面に固定された第3装飾部材100の第3意匠部101における第3支持部102の平坦面102aが、前記装飾フィルム61における前記輪郭表示部66の裏面に当接する位置に臨むようになっている。ここで、実施例では一連の意匠97として蝶が表わされており、装飾フィルム61における第1部分意匠97aにおける輪郭表示部66の内側に形成される蝶に関連する絵柄として草花の絵柄が形成されているが、この絵柄としては蝶に特有の模様を形成したものであってもよい。なお、
図6では、輪郭表示部66の内側に形成される絵柄は図示省略してある。
【0072】
前記第1発光基板85に実装される前記第1発光体98は、第3装飾部材100における前記第3非接触部103に臨む第1光拡散部材99に対向するよう配置されて(
図24(a)参照)、該第1発光体98から照射された光は第1光拡散部材99によって広範囲に拡散されて、第3非接触部103の全体を明輝し得るよう構成される。なお、
図9,
図20において第3非接触部103に光を照射させる第1発光体98を一点鎖線で囲って、前記第1非接触部79や第2非接触部83に向けて光を照射する発光体88と区別し得るように表示してある。
【0073】
(第2装飾部105について)
前記枠状装飾体42には、前記装飾フィルム61に形成されている前記第1部分意匠97a(第1装飾部96)に隣接する庇状部44に、内側に延出する透明な取着部104が設けられており、該取着部104に、前記第1装飾部96とによって一連の意匠97を形成する第2装飾部105が設けられている。この第2装飾部105は、
図22,
図23に示す如く、前記取着部104の裏側に配設された第4発光基板106に実装されて前側に向けて光を照射するLED等の第2発光体(第2発光手段)106aと、該第4発光基板106の前側に配設されて一連の意匠97に関連する絵柄が形成された透光性の絵柄部材(第2絵柄部材)107と、第2発光体106aと絵柄部材107との間に配設されて該第2発光体106aから照射される光を拡散する透光性の第2光拡散部材108とを備える。なお、絵柄部材107に形成されている絵柄は図示省略してある。
【0074】
前記絵柄部材107は、前記第1部分意匠97aと合体して一連の意匠97を構成する第2部分意匠97bを象った形状に形成された透明な樹脂シートに、各種色の透光性インクにより一連の意匠97に関連する絵柄が形成されたものであって、当該絵柄部材107は全体が光透過性であるが、透光性インクの色や濃度によって光の透過率が異なる領域が形成されるようにしてある。ここで、実施例では一連の意匠97として前述したように蝶が表わされており、該蝶に関連する絵柄として絵柄部材107には草花の絵柄が形成されるが、蝶に特有の模様を形成したものであってもよい。すなわち、第1装飾部96を構成する装飾フィルム61の第1部分意匠97aの輪郭表示部66の内側に形成される絵柄と、第2装飾部105を構成する絵柄部材107(第2部分意匠97b)に形成される絵柄とは共通するように設定されている。例えば、第1部分意匠97aの絵柄が草花であれば、絵柄部材107(第2部分意匠97b)の絵柄としても草花が形成され、第1部分意匠97aの絵柄が蝶特有の模様であれば、絵柄部材107(第2部分意匠97b)の絵柄としても蝶特有の模様が形成される。また、前記第2光拡散部材108は、前記第1光拡散部材99と同様に、表面に梨子地加工等の光拡散処理が施されたシート状部材であって、該第2光拡散部材108は、前記第2部分意匠97bを象った形状に形成されて、前記絵柄部材107の裏側に重ねて配設されている。
【0075】
前記第4発光基板106は、前記取着部104に対して基板保持部材109を介して裏側に取り付けられている。また、取着部104には、第4発光基板106の前面に実装されている前記各第2発光体106aと対応する位置に、前後に貫通する通孔104aが夫々形成されており、第2発光体106aからの光は前記第2光拡散部材108に直接照射されるようになっている(
図24参照)。
【0076】
(意匠用装飾部品110について)
前記取着部104の前側に、前記意匠用装飾部品110が配設されると共に、該意匠用装飾部品110の裏側(取着部104との間)に、
図24に示す如く、前記絵柄部材107および第2光拡散部材108が重ねて配設されている。意匠用装飾部品110は、非光透過性の輪郭形成部材111と、透光性を有する透光部材112とを前後に組み合わせて構成されている。具体的には、輪郭形成部材111は、前記第2部分意匠97bの輪郭を形成する枠状に形成されて、該輪郭形成部材111における前後に開口する開口部111aが、輪郭形成部材111の裏側に配設される透光部材112で塞がれるようになっている。すなわち、意匠用装飾部品110の裏側に配設される絵柄部材107の絵柄は、輪郭形成部材111の開口部111a(輪郭形成部材111の内側)に臨んで、該開口部111aを塞いでいる透光部材112を透して前側から視認可能に構成されている。実施例では、透光部材112における輪郭形成部材111の開口部111aを塞いでいる部分が透光部として機能している。なお、実施例では、輪郭形成部材111における光の透過率は0%に設定されると共に、透光部材112は透明に形成されて当該透光部材112の光の透過率は100%に設定されている。
【0077】
(第1装飾部96と第2装飾部105との関係について)
前記第1装飾部96における装飾フィルム61に形成されている輪郭表示部66と、第2装飾部105の前側に配設されている輪郭形成部材111とは、遊技盤20を前側から見た状態で、
図6に示すように合体して一連の意匠97の輪郭を形成するようよう構成される。すなわち、非光透過性に形成された輪郭表示部66および輪郭形成部材111の夫々が一連の意匠97の輪郭の一部を表わすよう構成されて、該輪郭表示部66および輪郭形成部材111が合体して一連の意匠97の全体の輪郭が形成されるようになっている。また、第1装飾部96は、透明な遊技盤20の裏側において、絵柄が形成された装飾フィルム61、第1光拡散部材99、第1発光体98の順で前側から重なるように配置されると共に、第2装飾部105は、透明な透光部材(透光部)112の裏側において、絵柄が形成された絵柄部材107、第2光拡散部材108、第2発光体106aの順で前側から重なるように配置されている。すなわち、第1装飾部96および第2装飾部105は、各装飾部96,105を構成する部材の配置順が同じに設定されており、最も後側に位置する第1発光体98および第2発光体106aを発光した際には、遊技盤20および透光部材(透光部)112を透して前側から見える両装飾部96,105における絵柄の明輝態様が略同じとなり、一連の意匠97が恰も同じ部材に形成されているように見えるように構成される。
【0078】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0079】
前記前枠13に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域28内に打ち出される。この遊技領域28に打ち出されたパチンコ球は、前記枠状装飾体42の外周囲を流下し、該パチンコ球が前記始動入賞口29,30に入賞すると、前記制御手段の制御に基づいて前記表示装置17の表示部17aにおいて図柄が変動開始され、所要の図柄変動演出が展開される。表示部17aで展開される図柄変動演出の結果、該表示部17aに所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに大当りが発生する。そして、大当りが発生すると、表示装置17の表示部17aに表示された図柄組み合わせに応じて、前記特別入賞装置33の特別入賞口32が開放され、遊技者は多くの賞球が獲得可能となる。
【0080】
前記表示装置17の表示部17aで展開される図柄変動演出に応じて、前記制御手段の制御に基づいて前記各発光基板85,86,87,106に設けられている発光体88,98,106aが、制御手段の制御に基づいて発光したり点滅することで、前記装飾部材73,74,100や装飾部品110の明輝態様が変化することで、遊技の興趣が高められる。
【0081】
(第1装飾部96の作用について)
前記裏側部材70に配設した第1発光基板85の第1発光体98を発光させると、該第1発光体98からの光が前記第1光拡散部材99に照射されて該第1光拡散部材99の全体が明輝する。そして、第1光拡散部材99の前側に位置する前記装飾フィルム61における第1部分意匠97aが、該第1光拡散部材99によって裏側から照明されて、遊技盤20を介して第1部分意匠97aが明輝する。第1部分意匠97aは、前記発射通路26の打出し口26aを含む遊技領域28の裏側に位置しているので、該打出し口26aから遊技領域28に打出されるパチンコ球の動きと発光演出とによって遊技の興趣を向上し得る。特に、「左打ち」を行う場合に、遊技者が注目する打出し口26aを含む遊技領域28を裏側から照明することで、演出効果を高めることができる。
【0082】
また、前記第1装飾部96を構成する第1光拡散部材99を前記基材71に取り付けるための前記第3装飾部材100は、
図24(b)に示す如く、前面に形成された第3意匠部101における第3支持部102の平坦面102aが、装飾フィルム61の非透明領域(第2の非透明領域)61bに当接している。具体的には、装飾フィルム61において非透光性インクで形成された輪郭表示部66の裏側のベース層(白色インクの印刷部分)62に、平坦面102aが当接しており、該第3支持部102で囲われた第3非接触部103は装飾フィルム61の第1の非透明領域61bに対して後側に離間して対向している。従って、第3装飾部材100が配設されている設置部材22に遊技盤20を取り付ける際に、装飾フィルム61の第1の非透明領域61bに第3非接触部103が接触して該第1の非透明領域61bに傷が付くことはなく、傷による見栄えの低下を防止することができる。また、第3装飾部材100の平坦面102aが装飾フィルム61の第1の非透明領域61bに当接しているから、大型の第3装飾部材100が撓んで第3非接触部103が装飾フィルム61に接触してしまうのを防ぐことができる。なお、平坦面102a(第3支持部102)との接触によって装飾フィルム61における非透明領域61bの裏側(ベース層62)に傷が付いた場合であっても、該傷は非透明領域61b(具体的にはベース層62の前側に重なる装飾層63に形成されている印刷部分)によって遊技盤20の前側から見えることはないので、装飾フィルム61の装飾性や見栄えの低下を防止し得る。
【0083】
(装飾部96,105の作用について)
実施例では、前記遊技盤20における遊技領域28の後側に重なる前記第1装飾部96で形成される第1部分意匠97aと、前記枠状装飾体42に配設されて該第1装飾部96に隣接する第2装飾部105で形成される第2部分意匠97bとによって一連の意匠97が形成される。すなわち、枠状装飾体42の寸法や設置領域が限定される状況であっても大型の意匠97を形成することができ、演出のインパクトを高めて興趣を向上し得る。また、枠状装飾体42の内外に亘る大型の意匠97を形成することで、他機種との差別化を図ることができる。
【0084】
前述したように、前記第1装飾部96の第1発光体98を発光すると、前記枠状装飾体42の外側において前記第1部分意匠97aが明輝する。また、前記枠状装飾体42の取着部104に配設した第4発光基板106の第2発光体106aを発光させると、該第2発光体106aからの光が前記第2光拡散部材108に照射されて該第2光拡散部材108の全体が明輝する。そして、第2光拡散部材108の前側に位置する前記絵柄部材107で形成される第2部分意匠97bが、該第2光拡散部材108によって裏側から照明されて、前記透光部材(透光部)112を介して第2部分意匠97bが明輝する。すなわち、枠状装飾体42の内側において両部分意匠97a,97bが明輝することで、両部分意匠97a,97bが合体して形成される一連の意匠97が強調されて、演出効果を高めることができる。
【0085】
また、前記第1装飾部96を構成する装飾フィルム(第1絵柄部材)61と第1光拡散部材99との配置順と、前記第2装飾部105を構成する絵柄部材(第2絵柄部材)107と第2光拡散部材108との配置順とを同じにしているので、第1および第2発光体98,106aを発光した場合における装飾フィルム61および絵柄部材107に形成されている絵柄の遊技盤20および透光部材112を透した前側からの見た目上の表示態様が同じとなり、一連の意匠97であることを明確化することができ、興趣を高め得る。また、非透光性の輪郭表示部66および輪郭形成部材111によって各部分意匠97a,97bが縁取られているので、部分意匠97a,97bを強調し得ると共に一連の意匠97であることをより明確化することができる。更に、輪郭表示部66および輪郭形成部材111で囲われた領域の絵柄を裏側から照明することで、一連の意匠97の存在をより強調してインパクトのある演出を行うことができ、興趣を一層向上し得る。
【0086】
(第1装飾部材73の作用について)
前記裏側部材70が前側に配設された前記設置部材22の前側に遊技盤20を配設した状態で、前記基材71の前側に配設された第1および第2装飾部材73,74が遊技盤20における遊技領域28の裏側に重なるように位置する。第1装飾部材73の前面に形成された第1意匠部77における第1レンズ部80は、遊技盤20の裏面に貼着されている装飾フィルム61の第1の非透明領域61bに対向している(
図12参照)。すなわち、前記第1〜第3発光基板85,86,87に実装した発光体88から第1レンズ部80に光を照射することで、該光によって明輝した第1レンズ部80によって装飾フィルム61の第1の非透明領域61bを照明することができる。
【0087】
ここで、前記装飾フィルム61における第1の非透明領域61bは、光が透過可能な非透明領域61bであって、該第1の非透明領域61bに形成されている絵柄を裏側から照明することで、演出効果を向上し得る。また、前記第1装飾部材73に形成された前記第1レンズ部80は、当該第1レンズ部80の前後面における凸部の形状を異ならせているので(
図12参照)、前記発光体88から第1レンズ部80に照射された光による第1レンズ部80の明輝形態が複雑になり、装飾フィルム61における第1の非透明領域61bの照明態様も複雑となることで演出効果をより向上し得る。
【0088】
(第2装飾部材74の作用について)
前記第2装飾部材74の前面に形成された第2意匠部81における第2レンズ部83a(第2非接触部83)は、遊技盤20の裏面に貼着されている装飾フィルム61の透明領域61aに対向している(
図13参照)。すなわち、前記第1〜第3発光基板85,86,87に実装した発光体88から第2レンズ部83aに光を照射することで、該光によって明輝した第2レンズ部83aを装飾フィルム61の透明領域61aを介して遊技盤20の前側から明確に視認することができ、演出効果を向上し得る。言い替えると、第2レンズ部83aの前側には光を弱める印刷部が存在しないので、遊技盤20の裏側に配置した第2レンズ部83aの明輝状態を強調して遊技者に見せることができ、興趣を向上し得る。
【0089】
(装飾部材73,74の支持部78,82の作用について)
前記第1および第2装飾部材73,74の前面に形成された意匠部77,81における支持部78,82の平坦面78a,82aは、遊技盤20の裏面に貼着されている装飾フィルム61の非透明領域(第1の非透明領域または第2の非透明領域)61bに当接している(
図12,
図13参照)。具体的には、装飾フィルム61において非透光性インクで形成された輪郭表示部66の裏側のベース層(白色インクの印刷部分)62に、各平坦面78a,82aが当接している。そして、前記レンズ部80,83aは、平坦面78a,82aから後側に凹む非接触部79,83に設けられて装飾フィルム61の第1の非透明領域61bまたは透明領域61aに対して後側に離間して対向している。従って、装飾部材73,74が配設されている設置部材22に遊技盤20を取り付ける際に、装飾フィルム61の第1の非透明領域61bまたは透明領域61aにレンズ部80,83aが接触して該第1の非透明領域61bまたは透明領域61aに傷が付くことはなく、傷による見栄えの低下を防止することができる。また、装飾部材73,74の平坦面78a,82aが装飾フィルム61の非透明領域61bに当接しているから、装飾部材73,74が撓んでレンズ部80,83aが装飾フィルム61に接触してしまうのを防ぐことができる。なお、平坦面78a,82a(支持部78,82)との接触によって装飾フィルム61における非透明領域61bの裏側(ベース層62)に傷が付いた場合であっても、該傷は非透明領域61b(具体的にはベース層62の前側に重なる装飾層63に形成されている印刷部分)によって遊技盤20の前側から見えることはないので、装飾フィルム61の装飾性や見栄えの低下を防止し得る。
【0090】
前記裏側部材70における基材71の上部に配設されている第3装飾部材100および下部に配設されている第2装飾部材74の一部は、前記遊技盤20の前側に配設されている前記第2盤面飾り部材39の後側に重なっている。そして、各装飾部材74,100における第2盤面飾り部材39の後側に重なる部位に位置する支持部82,102の平坦面(接触部)82a,102aが、前記装飾フィルム61に当接している。すなわち、第2盤面飾り部材39で隠れている部分において平坦面82a,102aを装飾フィルム61に当接して支持しているので、装飾部材74,100をより安定して取り付けることができる。また、平坦面82a,102aとの当接によって装飾フィルム61に傷が付いた場合であっても、該傷は第2盤面飾り部材39で隠れて前側から見えないので、装飾フィルム61の装飾性や見栄えが低下することもない。実施例では、遊技盤20の裏面に貼着されている装飾フィルム61の裏面に、前記設置部材22の固定部51が当接する外縁部より内側に位置する複数の装飾部材73,74,100の平坦面78a,82a,102aが当接している。すなわち、装飾フィルム61は、外縁部だけでなく、遊技領域28と対向する部位においても裏面が広い範囲(面積)で支持されているので、該装飾フィルム61が剥離するのを好適に防止し得る。
【0091】
(普通入賞部材52,53,54の作用について)
次に、前記普通入賞部材52,53,54の作用について説明する。なお、第1〜第3普通入賞部材52,53,54の作用は同じであるので、第2普通入賞部材53を挙げて説明する。
【0092】
実施例のパチンコ機10では、前記遊技盤20の裏側に配設される前記裏側部材70に、前記第2普通入賞部材53を配設すると共に、該第2普通入賞部材53の普通入賞口55に入賞したパチンコ球を排出する第2排出通路90bが形成された球排出通路部材89を該裏側部材70に配設してある。すなわち、第2普通入賞部材53および球排出通路部材89を遊技盤20に個々に取り付ける必要はなく、裏側部材70が配設されている前記設置部材22の前端に遊技盤20を配設するだけで、該遊技盤20の適正位置に第2普通入賞部材53および球排出通路部材89を位置させることができ、遊技盤20に対する部品の組み立て工数を低減し得る。また、遊技盤20から裏側部材70を取り外すだけで、遊技盤20の前側に位置する第2普通入賞部材53も一体で取り外すことができるので、遊技盤20の分別が容易でリサイクル性が向上する。
【0093】
前記第2普通入賞部材53は、裏側部材70の前面に形成した嵌凹部84に取付部57を前側から嵌め込んだ状態で、該取付部57の通孔57bに前側から挿通したネジ59を対応するネジ固定ボス75のネジ孔に螺挿することで、前記本体部56が前側に突出した状態で裏側部材70に位置決め固定される(
図15参照)。そして、裏側部材70が配設された前記設置部材22の前端に遊技盤20を配設する際に、裏側部材70から前側に突出する第2普通入賞部材53の本体部56を対応する第3装着口21cに裏側から挿通して該遊技盤20を設置部材22に固定することで、第2普通入賞部材53の本体部56が第3装着口21cから前側に突出して前記遊技領域28(第1経路28a)に臨む。前記嵌凹部84に嵌め込まれている取付部57の前面は、前記装飾部材73,74における支持部78,82の平坦面78a,82aと略同一位置に臨んで、設置部材22に遊技盤20を取り付けた状態では取付部57の前面が遊技盤20の裏面に当接しており、該取付部57が裏側部材70と遊技盤20とで挟持されることで第2普通入賞部材53の取り付け安定性が増す。
【0094】
前記第2普通入賞部材53における本体部56の前端角部は曲面状に面取りされているので(
図16参照)、遊技盤20の第3装着口21cに裏側から本体部56を挿通する工程において、本体部56の前端角部が前記装飾フィルム61に接触した際に該装飾フィルム61を傷付けたり剥がしてしまうのを抑制することができる。すなわち、装飾フィルム61の傷付きによる装飾効果の低下を防ぐことができる。また、実施例の第2普通入賞部材53は、本体部56が先細り形状に形成されているので、該本体部56を第3装着口21cに容易に挿通することができ、該本体部56の前端が装飾フィルム61に接触してしまうのをより抑制し得る。更に、第2普通入賞部材53を裏側部材70に固定するネジ59の頭部は、前記取付部57に設けた凹部57a内に収容されて、該頭部の前端(ネジ59の前端)は取付部57の前端より後側に位置しているので、該ネジ59によって前記装飾フィルム61が傷付くのも防ぐことができる。
【0095】
前記第2普通入賞部材53における本体部56の前端面に貼着されている装飾シール60は、該本体部56に形成されているシール用凹部56b内に収容されて前側に突出していないので、遊技盤20の裏側に裏側部材70を取り付ける際に装飾シール60が遊技盤20に接触して剥がれるのを抑制することができる。すなわち、遊技盤20と裏側部材70との取り付け作業に際して、装飾シール60が遊技盤20に接触しないように注意する度合を低減することができ、作業性が向上する。
【0096】
〔別実施例〕
図25は、別実施例に係るパチンコ機10の要部を示す説明図であって、実施例と共通の構成部分については、説明を省略する。また、実施例と同じ部材や同一機能を有する部分には同一の符号を付すものとする。なお、
図25では、装飾フィルム61の透明領域61aにハッチングを付さないようにして、非透明領域61bと区別し得るように表示している。
【0097】
別実施例の第1装飾部96は、前記第3装飾部材114の裏側に、第1部分意匠97aを象った形状に形成された透明な樹脂シートに各種色の透光性インクにより一連の意匠97に関連する絵柄が形成された第1絵柄部材113と、前記第1光拡散部材99とが前側から順に重ねた状態で配設されている。第3装飾部材114における第1絵柄部材113の前側に重なる部分はレンズ状に形成されて、第1絵柄部材113に形成されている絵柄を拡大し得るよう構成される。すなわち、別実施例では第3装飾部材114がレンズ部材として機能するよう構成される。また、別実施例では、前記装飾フィルム61における第1部分意匠97aの輪郭を形成する輪郭表示部66以外の部分は印刷が施されていない透明領域61aとされて、該透明領域61aを透して前記第1絵柄部材113に形成されている絵柄が前側から視認可能に構成されている。
【0098】
また、前記第2装飾部105の前側に配設される前記意匠用装飾部品110を構成する透光部材(透光部)115は、レンズ機能を有するレンズ部材で構成されており、第2絵柄部材としの前記絵柄部材107に形成されている絵柄を透光部材115によって拡大し得るよう構成される。
【0099】
別実施例では、第1装飾部96における第1絵柄部材113の前側に位置する第3装飾部材114および第2装飾部105におけ第2絵柄部材107の前側に位置する透光部材115をレンズ部材としたので、各絵柄部材113,107に形成されている絵柄を立体的に表示することができ、演出効果を高め得る。また、遊技盤20の裏側に配置される第1装飾部96と、枠状装飾体42に配置される第2装飾部105とでは、両装飾部96,105の前端位置が前後に離間しているが、各絵柄部材113,107に形成されている絵柄をレンズ部材114,115によって立体的に表示することで、前後位置が異なることによる見た目上の違和感を低減して、両装飾部96,105の部分意匠97a,97bにより一連の意匠97が形成されていることを明確にしてインパクトのある演出ができる。
【0100】
〔変更例〕
本願発明は、前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、第2装飾部における第2部分意匠の輪郭を枠状装飾体に設けた輪郭形成部材で表わすよう構成したが、第1装飾部と同様に、第2絵柄部材に第2部分意匠の輪郭を表わす輪郭表示部を形成するようにしてもよい。
(2) 第1装飾部について、別実施例のように第3装飾部材の裏側に第1絵柄部材と第1光拡散部材とを重ねて配設した構成としたもとで、第3装飾部材を輪郭形成部材のように非透光性で第1絵柄部材に形成されている第1部分意匠の輪郭を表わす枠状の形状とし、第1絵柄部材の絵柄部分が遊技盤の裏面に直接対向する構成とすることができる。この構成を採用する場合は、第3装飾部材が輪郭表示部として機能するので、装飾フィルムを省略することができる。
(3) 実施例では、第1装飾部の第1光拡散部材に光を照射する第1発光体を、遊技盤の裏側に取り付けられる裏側部材に配設した第1発光基板(発光基板)に実装した場合で説明したが、第1発光体が実装される発光基板は、設置部材に配設されたものであってもよい。
(4) 実施例では、第1装飾部を遊技領域における第1経路の裏側に配置したが、該第1装飾部の配設位置は第2経路の裏側であってもよく、該第1装飾部の配設位置に応じて枠状装飾体に対する第2装飾部の配設位置が設定されていればよい。
(5) 実施例では、遊技盤の前側に配設される遊技部品としての第2盤面飾り部材を、全体が非透明の部材として構成したが、少なくとも遊技盤の裏側に配設される装飾部材における意匠部の支持部(接触部)と対応する位置が非透明に構成されていれば、その他の部分は透明であってもよい。
【0101】
(6) 実施例では、裏側部材に配設される第1装飾部材における第1レンズ部の構成として、前後面における凸部の形状が異なる構成を採用したが、第2装飾部材における第2レンズ部として、前後面における凸部の形状が異なる構成を採用し得る。
(7) 実施例では、普通入賞部材(入賞部材)を裏側部材に固定するネジの前端が取付部の前端より後側に位置するよう構成したが、ネジの前端と取付部の前端とが同一面に位置する構成としてもよい。
(8) 実施例では、裏側部材を、基材の前側に複数の装飾部材を配設して構成し、該装飾部材に形成した嵌凹部に入賞部材の取付部を嵌め込むよう構成したが、裏側部材を単一の部材から構成し、該裏側部材に、入賞部材の取付部が嵌り込む嵌凹部が設けられたものであってもよい。
(9) 実施例では、普通入賞部材(入賞部材)を配設した裏側部材を遊技盤の裏側に取り付けることで、普通入賞部材(入賞部材)の普通入賞口(入賞口)が遊技領域に臨むよう構成したが、入賞部材としての始動入賞装置や特別入賞装置を裏側部材に配設し、該裏側部材を遊技盤の裏側に取り付けることで、始動入賞装置の始動入賞口(入賞口)や特別入賞装置の特別入賞口(入賞口)が遊技領域に臨む構成を採用し得る。
(10) 装飾フィルムの透明領域および非透明領域について、透明領域における光の透過率が100%で、非透明領域の光の透過率が0%に限定されるものではなく、透明領域は裏側が透けて見える透過率であれば、該透過率は100%より低いものであってもよい。また非透明領域については、裏側が透けて見えない透過率であれば、該透過率は0%より高いものであってもよい。
(11) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機や遊技媒体としてパチンコ球やメダルを用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。