(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項1記載の方法であって、前記キャリア基板がガラスであり、前記対象基板が誘電性であり、前記トレース材料が導電性である方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項1記載の方法であって、前記キャリア基板が、ホウケイ酸ガラス、Siウエハ、およびサファイアからなるグループより選択され、前記材料が、銅、クロム、SiC、GaN、ドープ酸化物ガラス、金、有機材料、ナノ粒子、およびポリマーからなるグループより選択される方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項1記載の方法であって、前記レーザービームを該レーザービームの回折限界を超えて集束する前記ステップが、非線形集束装置を使用するステップを含む方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項1記載の方法であって、前記レーザービームの超高速レーザーパルスが、前記キャリア基板に対して透過的な波長を有する方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項6記載の方法であって、前記フィラメントチップのサイズが、前記レーザービームの超高速レーザーパルスの波長に依存し、該波長が、前記キャリア基板に対して透過的である方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項6記載の方法であって、レーザーエネルギーが、前記トレース材料により熱分散されるよりも早く、前記フィラメントチップの領域で前記トレース材料にバースト単位で入り込み、結果として前記トレース材料でエネルギーが基底状態から段階的分量で増加する方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項1記載の方法であって、前記トレース材料を前記対象基板の表面および内部に融合するステップが、同時に前記トレース材料を硬化するステップを含む方法。
トレース材料を対象基板に前方堆積させる請求項1記載の方法であって、前記トレース材料を対象基板の表面および内部に融合するステップが、同時に前記トレース材料を硬化するステップを含む方法。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、所望のトレース材料を対象基板に堆積させる方法および装置に関する。
堆積させるトレース材料は、透明なキャリア基板に被覆/添付/めっきされ、「インク」と呼ばれる。
対象基板に移転するトレース材料は、対象基板に近接して配置される。
対象基板に移転するトレース材料は、透明なキャリア基板に配置され、対象基板と接触するか、または対象基板からわずかに距離を置いている。
詳細には、堆積させるトレース材料は、対象基板から2mm以内の距離にある。
言い換えると、堆積させるトレース材料と対象基板との間には、2mm以下の間隙がある。
本発明では、これまで実現できなかった幅の線を、フットプリントを拡幅せずに堆積させることができる。
この方法は、プリント回路基板、ディスプレイパネル、将来のシステム・オン・ガラス(SOG)等の製造または修理に利用できる。
この方法では、バースト超高速のレーザーパルスを含む、大量生産に適した材料加工手法を使用する。
【0005】
以下に詳細に説明するように、本発明の全体的な目的は、透明なキャリア基板に配置された所望の材料を対象基板に前方堆積させる装置および方法を提供することである。
より詳細には、本発明は、自己集束型バースト超高速のレーザーパルスのユーザー選択の特性を使トレース用して、被覆された基板をレーザーで加工および改質することに関する。
【0006】
透明な光媒体での超高速のレーザーパルスの伝搬は、群速度分散(GVD)、線形回析、自己位相変調(SPM)、自己集束、価電子帯から伝導帯への電子の多光子イオン化/トンネルイオン化(MPI/TI)、プラズマ集束解除、自己急峻化等の線形または非線形の効果の組み合わせを通じたレーザーパルスの時空的プロファイルの強力な再形成により複雑化する。
SL ChinらのCanadian Journal of Physics,83,863−905(2005年)を参照されたい。
これらの効果は、レーザーのパラメータ、トレース材料の非線形特性、およびトレース材料への集束条件に基づいて、さまざまな程度で生じる。
非線形屈折率は、強度に依存するため、強力なレーザーパルスの伝搬時に、パルスの中心部は、パルスの周辺部よりもゆっくりと移動する。
これは、屈折率の変化によりパルスが自己集束するからである。
生成されたMPI/TIプラズマに起因する自己集束領域では、プラズマが負レンズとして機能してパルスを集束解除するが、高い強度によって自己集束が再び発生する。
集束と集束解除との間のバランスをとることで、フィラメントと呼ばれる長いプラズマチャネルが作成される。
パルスごとのエネルギーが、低いフィラメントを使用すると、屈折率変更の跡が、トレース材料に残る。
フィラメントは、フィラメントを形成するエネルギーを送り込むバックグラウンドエネルギーによって囲まれている。
このバックグラウンドエネルギーは、技術分野においてフィラメントリザーバと呼ばれる。
リザーバの部分を阻止または妨害すると、フィラメントが失われる効果がある。
【0007】
以下の明細書では、銅、クロム等の要素材料、およびSiC、GaN、ドープ酸化物ガラス等の複合材料を含む所望のトレース材料を、それらの透明なキャリア基板(ホウケイ酸ガラス、Siウエハ、サファイア、ポリマー等)から、所望の回路を含めることが意図された対象基板に堆積させる新規かつ特有の方法について説明する。
堆積されたトレース材料は、伝導性経路(伝導される信号の電磁的特性は問わない)となる。
【0008】
本発明の別の目的は、有機積層基板PCB(Printed Circuit Board;プリント回路基板)、半導体部品、ディスプレイパネル、システム・オン・ガラス(「SOG」)等の製作に使用される平面積層基板の物理サイズを減らすことである。
この方法では、伝導性経路の物理サイズを1μm未満まで縮めることにより、複数の構成設計および製作で高い柔軟性を実現する。
堆積させるトレース材料は、一連のレーザーパルス(レーザーバーストのエンベロープ)およびレーザーフィラメントの終端に反応するものであれば何でもよいので、電気的、磁気的、または、光学的な伝導性のための「回路」の導体材料でよい。
唯一の制限は、トレース材料が適切な透明基板に被覆され得るかどうかと、フィラメントを使用した超音速移転に耐えられるかどうかである。
【0009】
本発明の1つの目的は、非線形効果を使用して、レーザービームを回折限界を超えて集束することである。
【0010】
本発明の別の目的は、キャリア基板の上方で200μmの焦点スポットを持つ通常のレンズを使用し、レーザービームを集束してキャリア基板の下方に1ミクロンのフィラメントチップを作成し、そのフィラメントチップを使用してトレース材料をキャリア基板から対象基板に向けてアブレートすることである。
【0011】
本発明の別の目的は、波長の短いレーザービームを使用することである。
これは、波長が短くなるほどフィラメントチップのサイズが減少し、幅の狭い線を堆積させることが可能になるからである。
【0012】
本発明の別の目的は、キャリア基板に対して透過的な波長のレーザービームを使用することである。
【0013】
本発明の別の目的は、材料を対象基板に前方堆積させるシステムおよび方法であって、トレース材料をきわめて細い線(線幅)で堆積させ、線の間隔をきわめて狭くできるシステムおよび方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、基板の既存の構造を修復するか、または基板に新しい構造を作成することである。
【0015】
本発明の主題については、本明細書の末尾で具体的に指摘し、明確にクレームする。
ただし、動作の構成および方法と、それらのさらなる利点および目的とは、以下の説明を添付図面と共に参照することにより最良に理解される。
なお、同様の要素には同様の符号を付している。
本発明のその他の目的、特徴、および態様については、以下で詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
処理速度が高速化し、電子部品の低寸法化が加速するにつれ、SOG用のホウケイ酸ガラス等の積層基板の製造業者は、現在の材料性能および製造手法を超える性能値を発揮できる部品を提供し、かつ部品のサイズを最小限に抑えることを迫られている。
技術の急速な出現により、半導体実装とPCB技術との間の境界は、あいまいになっている。
基板設計を最適化するには、半導体実装とPCB技術とを包括的アプローチで同時に考慮する必要がある。
半導体業界において、組み立ておよび実装は、半導体部品の重要な競争的要因である。
なぜなら、これらは、動作周波数、出力、信頼性、およびコストに影響を与えるからである。
【0018】
部品製作のための将来の基板ベースは、優れた電気的特性を備えている必要がある。
たとえば、低い誘電率値Er(Dk)、低い損失正接(Df)、抵抗性電圧の低下を最小限に抑えチップに効果的に電力を伝達するための高い導電性冶金、同時スイッチングノイズを低減するための低インダクタンス接続、ボードのインピーダンスを適切に一致させ望ましくない寄生容量を減らすための低誘電性の絶縁材料、チップで高出力密度を管理し高温環境での動作性能を改善するための高度な熱界面材料などである。
【0019】
最も重要なのは、こうした将来の基板ベースでは、線幅(トレース)および線間隔(トレース間隔)のサイズを10μmよりもはるかに小さくできる生産技術が必要だということである。
これらの問題を解決し、電子部品の将来の小型化を成し遂げるための鍵は、きわめて薄く、細く、高度に制御され、かつ壊れにくい導電層(金属、誘電体、または混成)を誘電体基板ベース上に載せ、高い剥離強度と、5um未満、さらには1um未満の細かいトレースおよびトレース間隔を実現することである。
【0020】
現在の方法は、銅等の多様な材料を、ガラス等の透明移転材料から、別のガラス等の部品基板に堆積させることに対応しているが、本明細書では、一歩進んで、こうしたトレース材料の前方堆積を従来型の回路基板との関係で説明する。
本手法は、種々の適切な絶縁対象基板と組み合わせた電気回路、光回路、および磁気回路に対して等価に有効および有用である。
この技術は、本質的には、きわめて細かく制御された断面形状を有する、非常に細い線の堆積に関する。
これは、自己集束したバーストパルストレインと、それによって生成されるフィラメントとを使用して、きわめて小さい形状を書き込むための先細の「鉛筆」を作成することによって実現される。
回路であることは必須ではない。リソグラフィの光マスク(さらにはEUVマスク)を修復することも可能である。
実質的にあらゆる材料堆積工程のコストエンジニアリングを行って、本発明の手法および構造に切り替えるための強い動機づけを見つけ出すことができる。
本発明は、本明細書に記載された用途をはるかに超える広範な用途を有する。
他のトレース材料に堆積される任意の材料を、本手法を適用することにより再現し、改善することができる。
それにより、使用する光学系の回折限度を上回る結果が得られ、付帯的な形状制御が可能となる。
【0021】
従来型のPCBは、少なくとも片側が銅の層で被覆された、完全樹脂硬化のガラス繊維強化エポキシ誘電体基板ベースからなる。
現在、銅を基板ベースに付着させるための主流の業界標準方法は、3つある。
すなわち、電気分解/電気泳動堆積、箔のビルドアップ(未硬化の積層板に箔を積層)、およびRCC(Resin Coated Copper;樹脂付き銅)である。
これらの各方法では、銅を基板ベースに付着させるために、樹枝状構造を利用する。
【0022】
最初の方法では、銅を堆積させる前に付着面を荒削りして、および/または基板に対して硬化する接着剤を適用して、基板を準備する。
銅の堆積は、銅層の高い剥離強度を維持するために、基板表面への樹枝状付着を実現できるだけの十分な厚さでなければならない。
そのためには、通常、厚さ.007インチ(7ミル)の銅層が必要である。
この厚さにより、線の幅(トレース)および間隔が制限される。
この方法で作成された製品は、適切な剥離強度特性を実現するために必要な樹枝状構造の物理特性による制限を受けるため、幅20μm(.0008インチ)未満のトレースおよび間隔に対応することができない。
【0023】
2番目の方法では、積層プレスの熱および圧力により、未硬化の誘電体基板に銅箔を添付させる。
ここでも、この方法により作成された製品は、適切な剥離強度特性を実現するために必要な樹枝状構造の物理特性と、関連するエッチング工程段階での銅のエッチファクタ効果とによって制限されるため、幅20μm(.0008インチ)未満のトレースおよび間隔に対応することができない。
【0024】
3番目の方法では、接着剤(通常は、基板積層ベースの素材と同じ樹脂だが、硬化されていない)を使用して、基板の表面に薄い銅箔を添付する。
ここで、銅箔を接着剤で被覆する前に、深い樹枝状構造が銅箔で形成される。
また、厚さ.0007インチの銅層が必要である。
この方法で作成された製品は、樹枝状構造の物理特性と、関連するエッチング工程段階での銅のエッチファクタ効果とにより、幅25μm(.00098インチ)未満のトレースおよびトレース間隔に対応することができない。
【0025】
現在、これに対する代替案として、前方レーザー堆積が使用され、官民両方の複数の機関によって開発が進められている。
アブレーション手法は、きわめてすぐれた前方推進力移転を可能にするが、微細ピッチ、微細CD(Critical Dimension;限界寸法。生成される形状の幅)制御、または断面忠実性を実現することができない。
こうした手法では、本発明と同様に、ビームをキャリアの内部または表面に集束する標準的な方法を利用するが、類似点はそれだけである。
【0026】
LCD製造業界では、すべてのTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)がリソグラフィ手法を使用して製造されている。
各ピクセルの各トランジスタを点灯するための薄膜配線は、数キロメートルに及び、断線は、製造においてよくあるエラーである。
切れた回線は、エアウィンドウキャップ(air window cap)で覆い、Crガスを満たす。
レーザービームで対象の領域を走査し、原子をプッシュして対象領域に送り、対象領域の上に拡散させて電気的接続を作成する。
この方法は、CVD(化学蒸着)と呼ばれており、高度な技能を持った技術者が機械を操作しなければならない高価な修理である。
Crガスは、有害であり、環境に優しくない。
このことは、CVD技術の欠点の1つである。
安価で環境に優しい代替技術が存在しないため、リソグラフィ業界では、CVDを使用して修理を行っている。
【0027】
基板への前方堆積の工程は、光のバースト超高速レーザーパルスを、レーザービームに対して透過的であり底部側が移転させるトレース材料(たとえば、PCBの場合は、銅、レチクルやLCDの場合はCr)で被覆されたキャリア基板(ガラス等)に通し、トレース材料の後ろ側(透明なキャリア基板とトレース材料とが接する部分)の電子を最初の数個のサブパルスで励起し、それによって移転材料をキャリア基板からリフトすることによって実現される。
次の数パルスがキャリア基板を通過するときは、リフトするトレース材料に遭遇せず、きわめて高い発散角でキャリアを通過する。
これにより、リフトされているトレース材料が、衝撃波によって超音速で空間に送られる。
トレース材料は、前方への推進力でキャリア基板と隣接する対象基板との間の狭い間隙を移動し、対象基板に融合する。
また、このようにして堆積されたトレース材料は、基板に向かって移動するときにトレース材料の表面で達成されるきわめて高く均一なエネルギー密度により、フラッシュアニール(flash anneal)される。
これにより、熱アニールおよび「バリスティックアニール(ballistic annealing)」が実現される。
【0028】
移転により、相互に密接に隣接した線(またはトレース)が作成される。
言い換えると、隣接した線の間隔は、入射するレーザービームの「スポットサイズ」よりもはるかに小さい。
スポットサイズは、キャリア基板の第1の表面に入射するレーザービームの直径である。
通常、対象基板とキャリア基板とは相互に接触しない。
特定の状況下では、所望の結果に応じて、対象基板とキャリア基板とが相互に接触する場合がある。
対象基板とキャリア基板とは、相互に近接している必要があり、その距離は、通常2mm以下である。
2mmを超えて離間している場合、一部のトレース材料では、移転が不完全であったり、均一でないなどの問題が生じる可能性がある。
前方堆積されるトレース材料の形状および寸法は、レーザービームのフルエンス、スポットサイズ、焦点、およびパルスエネルギーによって制御される。
前方堆積されるトレース材料のサイズは、スポットサイズよりもはるかに小さくなる可能性があるが、製造または生産において、レーザービームをさまざまな重複パターンで複数回走査および通過させて、均一または不均一に堆積されたトレース材料のきわめて大きな領域を作成することで、スポットサイズよりもはるかに大きくすることも可能である。
【0029】
本明細書で教示されているようにフィラメントチップを適用してトレース材料をキャリアから除去する代わりに、きわめて高いNA(Numerical Aperture;開口数)を使用してレーザービームを密に集束し、非常に小さいスポットサイズを実現することも考えられる。
しかし、レーザービームは、集束後に広く発散し、作成される堆積はきわめて幅広になる。
フィラメントチップを使用することで、レーザービームを回折限界を超えて集束しつつ、バースト効果によりトレース材料の円滑な除去と、アニールされた「硬化」堆積とを実現することができる。
本発明の別の目的は、キャリア基板の上方で200μmの焦点スポットを有する通常のレンズを使用し、レーザービームを集束してキャリア基板の下方に1ミクロンのフィラメントチップを作成し、そのフィラメントチップを使用して金属をキャリア基板から対象基板に向けてアブレートすることである。
バーストパルスエンベロープA、B、およびC内の異なるバーストパターンを示した
図6、
図7、および
図8を参照されたい。
図8は、パルスエネルギーとバーストパルス周波数とが変化するエンベロープ内のパルスを示している。
【0030】
本発明は、超高速レーザーパルスにより作成されたバーストフィラメントのエネルギーを使用し、透明なキャリア基板を介して所望のトレース材料を部品基板ベースに添付する。
その際、上述したフラッシュアニールにより、所望のトレース材料を基板ベースに付着させるための樹枝状構造を必要としない。
そのため、トレース間の幅も最小化される。
バースト超高速レーザー工程の副産物として、堆積されたトレース材料は、アニールされ、1マイクロメートル未満の狭い幅のトレースまで正確に堆積させることができる。
ただし、レーザーによる前方堆積工程の最も重要な特性は、堆積されたトレース材料の断面形状である。
【0031】
図1および
図2を参照すると、先行技術のトレースと、超高速レーザーパルスエネルギーの移転により作成された部品基板ベースのトレースとの違いが確認することができる。
【0032】
図1を参照すると、参照番号1および3で示される先行技術により作成されたトレースは、深くて不規則な係止底部9および11により対象基板13に係止されている。
係止底部9および11は、断面のサイズまたは形状が同一ではない。
矢印5および7で示されるように、トレース1および3は、高さが異なる。
係止底部9および11は、同一ではなく、対象基板13上の基部よりも幅が広がっている。
係止底部9および11が基部より幅広であるため、トレース1とトレース3との間の分離は、矢印15で示される最小分離距離によって決まる。
したがって、隣接するトレース1とトレース3との間の実際に利用可能な分離距離は、矢印17で示されるとおりとなる。
【0033】
図2を参照すると、本発明の方法により作成されたトレース19、21、および23が示されている。
これらのトレース19、21、および23は、矢印25で示されているように、隣接するトレース19、21、および23との間の利用可能な分離距離が先行技術よりもはるかに狭くなるように対象基板13に融合していることがわかる。
トレース19、21、および23は、先行技術のトレース1およびトレース3よりも狭い先端部27を有する。
本発明のトレース19、21、および23は、トレース材料の質量が先行技術のトレース1およびトレース3に比べて少ないが、より効率的かつ規則的に配置されている。
【0034】
図2を参照すると、これらのトレース19、21、および23の上縁部31および下縁部33は、先行技術の上縁部および下縁部よりもはるかに鋭い。
これは、適用されたトレース材料が、キャリア基板に添付された一定の厚さのトレース材料から解放されているからである。
図2では、付着領域およびアニール領域は、わかりやすくするために幾分強調されているが、実際には図示されているよりもはるかに小さく、堆積されたトレース材料の寸法(長さおよび幅)よりもつねに小さい。
【0035】
付着している各領域19A、21A、および23A(付着領域)およびアニール領域は、各トレース19、21、および23の下方に存在する。
付着領域とアニール領域とは、バースト超高速のレーザーパルスのエネルギー堆積により生じる。
【0036】
見てわかるように、本発明の方法により基板13に適用されたトレース19、21、および23は、先行技術により実現されたトレース1、3より細く、相互に近接し、断面形状が寸法的に似ている。
これらのパラメータと、前方堆積されるトレース材料の配置とは、きわめて高度な制御が可能である。
これらの特性により、部品全体のサイズを減らし、対象基板での正確なトレースを行うことができる。
【0037】
図3乃至
図5は、フィラメント39F、41F、43Fが透明なキャリア基板47、対象基板51の上面の下でさまざまなスポットサイズ47Sにより発生する前方堆積レーザー配置の代表的断面図である。
図3乃至
図5は、トレース材料45を対象基板51に移転した後の状態を示している。
図3は、入射レーザービーム35と、レンズ37と、フィラメント39Fと、リザーバ39Rと、透明なキャリア基板47と材料45とが接する部分のスポット39と、材料45が添付された透明なキャリア基板47と、付着領域51Aにより示されるように対象基板51の表面および内部に堆積された材料45の一部49Aとを概略的に示している。
フィラメント39Fの直径は、2μm以下である。
例として、透明なキャリア基板47と材料45とが接する部分のスポット39の直径は、4〜6μmである。
透明なキャリア基板47の上面におけるスポットサイズ47Sの直径は、50〜200μmで調節できる。
間隙53は、例として、0.00mm〜2mmである。
【0038】
図4は、入射するレーザービーム35と、レンズ37Aと、直径2μmでチップ41Tを有するフィラメント41Fと、リザーバ41Rと、透明なキャリア基板47とトレース材料45とが接する部分のスポット41と、トレース材料45が添付された透明なキャリア基板47と、付着領域51Bにより示されるように対象基板51の表面および内部に堆積されたトレース材料45の一部49Bとを概略的に示している。
チップ41Tは、直径500nm未満である。
例として、透明なキャリア基板47とトレース材料45とが接する部分のスポット41の直径は、フィラメント41Fのチップ41Tの直径とほぼ同一である。
透明なキャリア基板47の上部におけるスポットサイズ47Sの直径は、50〜200μmで調節できる。
図4の例では、インク(金属または他の何らかのトレース材料)のきわめて細い線を対象基板51に適用することができる。
間隙53は、例として、0.00mm〜2mmである。
引き続き
図4を参照すると、チップ41Tは、レンズ37Aの調節を通じてフィラメント41Fを垂直に移動することにより、透明なキャリア基板47とトレース材料45とが接する部分に調節されている。
図4Aは、
図4と実質的に同じだが、トレース材料45の透明なキャリア基板47からの解放を促進する追加の被覆45Cを示している。
被覆45Cとして、ITOを使用することができる。
【0039】
図5は、入射するレーザービーム35と、レンズ37Bと、20μmのチップ43Tを有する発散したフィラメント43Fと、リザーバ43Rと、透明なキャリア基板47とトレース材料45とが接する部分のスポット43と、トレース材料45が添付された透明なキャリア基板47と、付着領域51Cにより示されるように対象基板51の表面および内部に堆積された材料45の一部49Cとを概略的に示している。
例として、透明なキャリア基板47とトレース材料45とが接する部分のスポット43の直径は、20μmである。
透明なキャリア基板47の上部におけるスポットサイズ47Sの直径は、50〜200μmで調節することができる。
【0040】
スポットサイズ47Sと透明なキャリア基板47に対するフィラメント39F、41F、または43Fの位置とが異なる前方堆積レーザー配置の断面図である
図3乃至
図5を引き続き参照すると、入射するレーザービーム35がレンズ37、37A、37Bを通じてどのように集束されて、(焦点ウエストの位置に関係なく)フィラメント39F、41F、または43Fと、透明なキャリア基板47と堆積させるトレース材料45とが接する部分の異なる直径のスポット39、41、または43を形成するのかがわかる。
ここで、重要なのは、フィラメント39F、41F、43Fの位置により、この手法の最終的な解像度が画定されるということである。
生成されたエネルギーは、移転させるトレース材料45を損傷するのではなく、入射レーザービーム35のバーストパルスの特徴に起因して、移転させる材料45が透明なキャリア基板47からきれいに切断(リフト)されるまで、移転させるトレース材料45内に徐々に溜まる。
このエネルギーは、前方堆積を発生させ、移転させるトレース材料45は、空隙53を飛び越えてトレース49、49A、49Bを対象基板51に融合させる。
【0041】
引き続き
図3乃至
図5を参照すると、実質的に平坦な透明材料(ガラス、サファイア、Si、SiC等)の平面の1つが、堆積させるトレース材料45で被覆され、キャリア47を形成している。
ホウケイ酸ガラス等の透明材料に金属の薄い皮膜を堆積させる方法は、公知である。
オプションで、ITO等の解放被覆45Cを
図4Aに示すように利用することができる。
堆積させるトレース材料45(通常は、クロム等の導電性の金属またはその他の金属、さらには非金属、半金属、有機材料、ポリマー等)は、対象基板51の特定のトレースに正確に堆積し、回路またはトレースが損傷した既存の基板を付加的に修復することができる(たとえば、リソグラフィのフォトマスクや、現在は高価かつ低速な方法または付加的修復を特殊環境で行っているLCD回路の場合)。
レーザーパラメータが上述したように調整された、強いバースト超高速のレーザーパルスの入射するレーザービーム35は、レンズ37を通じて集束されて、透明なキャリア基板47と堆積させるトレース材料45とが接する部分39、41、43の所望の位置にさまざまな(ユーザー選択可能な)サイズの焦点スポットを作成する。
これにより、一度にではなく、段階的に(または徐々に)堆積する十分なエネルギーの積み重ねがトレース材料45に対して作成される。
この段階的な積み重ねにより、堆積させるトレース材料45が透明なキャリア基板47から解放され、透明なキャリア基板47と対象基板である部品基板51との間の間隙53を移動して、(依然として活性化され、場合によっては、加熱された状態で)対象基板である部品基板51に融合する。
入射するレーザービーム35のエネルギーレベルと、堆積させるトレース材料45のエネルギーレベルおよび厚さとによって、アニールによる「硬化」も発生する。
これらの工程が発生する時間的尺度は、レーザー光の連続するパルスの間隔のほぼ1つ分または複数個分である。
【0042】
この手法の利点は、ディスプレイモニタまたはその他の高価値な電子部品基板を修復するために、正確に幅制御された導電線(トレース)を作成できることである。
レーザービームを利用する先行技術の方法では、堆積される線の幅またはトレースは、目的のトレース材料および対象基板に入射するレーザースポットよりもつねに大きく、断面形状が劣悪で再現性も劣る。
【0043】
また、バーストレーザーパルスは、堆積されたトレース材料45を適切にアニールすると共に、最小で50nmの細いトレース幅での正確な堆積を実現する。
レーザーパルスと、このレーザーパルス内のエネルギープロファイルとを変更することで、高度な工程制御が可能である。
堆積が必要な位置をツールファイルに読み込んで対象基板をレーザービームで走査することで、大型の装置レイアウトを、これまで業界ではできなかった態様で付加的に修復することができる。
環境面での利点の1つは、この手法(工程)は、現在の修復手法のように真空下で実行されるのではなく、大気条件下で実行されるということである。
約25mm×50mmのカートリッジ1つを使用して、数千の欠陥を極小のはんだ付けで修復でき、新しいカートリッジへの交換も非常に簡単である。
図12A乃至
図12Bを参照されたい。
【0044】
この事象を物理学的に説明すると、レーザービームの単一のバーストパルスのサブパルス間の時間は、堆積させるトレース材料45の熱緩和時間定数よりも小さい。
よって、レーザーエネルギーは、熱分散されるよりも早く、焦点スポットの領域で、堆積させるトレース材料45にバースト単位で入り込む。
結果として、トレース材料45内のエネルギーの量が、基底状態から段階的分量で増加する。
これにより、堆積させる材料45へのレーザーフルエンスの入力を制御することが可能となり、(レーザーアブレーションまたは表面溶融を防ぐために)温度の上昇を制御し、かつ(局所的な微細亀裂および機械的衝撃を制御するために)残留加熱領域のサイズを制御しながら、堆積させるトレース材料45への付帯的損傷を軽減し、堆積させるトレース材料45を基底状態から(材料の移転が発生するように)励起することができる。
パルスエネルギーは、キャリア基板への損傷を避けるようにつねに調節され、常にインク(被覆材料)のアブレーションしきい値を上回る。
これにより、キャリア基板が、アブレートされてデブリがトレースに飛び散るのを防ぐ。
【0045】
超高速レーザーパルスと、高い繰り返し率のバースト(10kHz超)との組み合わせにより、材料加工におけるさまざまな可能性が開ける。
本明細書では、具体的に、高い繰り返し率により、堆積させるトレース材料内で進行する工程を各超高速レーザーパルスとそれに続く超高速レーザーパルスとの間で制御し、それによって前方堆積の工程を実現する。
【0046】
レーザービームパルスのパルス持続時間、波長、またはパルス形状が新たな材料相互作用をもたらすことがあること、および、超短パルス領域(100ピコ秒未満)でのレーザー材料加工には長いレーザーパルスにはない利点があることが知られている。
超短レーザーは、多光子、トンネルイオン化、および電子雪崩の各工程を引き起こすことによりトレース材料を改質するための高いピーク強度を提供する。
超高速レーザー/材料相互作用の強度、波長、およびパルス持続時間を調節することで、これまで多くの付帯的損傷が発生していた多くのレーザーで結果を改善することができる。
銅等の熱伝導に優れた金属の場合、持続時間が短いレーザーパルス(100kHz超の高い繰り返し率)により、著しい熱分散効果が発生する前にレーザーエネルギーが金属の表面に入力されるため、効率的なエネルギー共役が実現される。
レーザービームの単一のパルス持続時間、レーザーパルス間の分離、バーストごとのパルス数、およびバーストの時間ベースの形状を調整することで、特定の一時的なレーザーフルエンスをトレース材料の厚さに応じてそのトレース材料に入力し、前方堆積を実現しつつ、レーザーフルエンスのレベルを逆効果(トレース材料および周囲領域でのアブレーションまたは過剰な温度上昇)が生じる臨界レベルよりも低く維持することができる。
【0047】
別の例として、平均出力5W、50kHzで12psに設定されたパルス持続時間、1064nmの波長、50MHzのバースト周波数で各バーストに8つのパルスが含まれるレーザービームでは、12.5μJ/パルスが与えられる。
これは、キャリア上のトレース材料をアブレートするのに十分な約2MWのピーク出力と等価であり、ガラスでフィラメントを作成するための限界出力の境界内である。
フィラメントは、基板を損傷またはアブレートするほど強くはないが、内部で屈折率を修正する。
レーザービームがバーストモードで機能していることで、工程全体をバースト内の単一のパルスで実行することができる。
この例では、50kHzで設定された出力5W、パルス持続時間12psのレーザービームで、100μJ/パルスが生成される。
これは、ガラス内でフィラメントを作成し、トレース材料をアブレートするのに十分だが、パルス単位のエネルギーがこれだけ高いと、基板がアブレートされ、デブリが堆積される可能性がある。
この構成では、レーザー出力を軽減する必要がある。
バーストエンベロープ内のパルスの数が増えると、最初の数パルスでトレース材料をリフトさせて移転し、後続のサブパルスで対象基板に堆積されたトレース材料を硬化およびアニールできるという利点がある。
高いバーストパルス周波数(50MHz)を使用するのは、きわめて有益である。
なぜなら、最初に、対象基板がバースト内の8つの後続パルスのすべてに対して安定しているように見えるからである。
実際、パルス間タイミングは、トレース材料の緩和時間よりも短く、そのことが効率的な熱蓄積および硬化に役立ち、熱や別のレーザービームを使用して硬化を実行する必要がない。
【0048】
10fs〜1ns未満のパルス幅、1Hz〜2MHzの繰り返し率、バーストパルスエンベロープ内に1〜50個のパルスを有するレーザーパルスのバースト、および1〜200Wのレーザー出力を使用して、前方堆積工程を行うことができる。
350nm〜2umのレーザー波長を使用することができる。
波長が短いと、堆積幅がはるかに細くなるという利点を有する。
【0049】
前方堆積の実際の仕組みは、以下のとおりである。
超高速レーザーパルスの適切なサイズのバーストを、透明なキャリア基板(キャリア媒体シートの底面)と堆積させるトレース材料の薄い被覆とが接する部分の焦点スポットに適用すると、その部分、すなわち、堆積させるトレース材料の「後ろ側」の部分で、自由電子の熱雲(thermal cloud)が作成される。
それにより、キャリア基板の表面からトレース材料がきれいに(きれいに、かつフルエンスのスポットを定める明確な線で)「取り出され」、2mm未満の距離に配置された部品基板に堆積して融合する。
【0050】
この前方堆積は、わずか数個のレーザーパルス内ですばやく発生する。
その後、レーザービームは、別の場所に移動するか、複雑な連続的トレースパターンをたどる。
堆積させる材料の厚さ、およびキャリア基板と部品基板との間の間隔が変化しなければ、レーザービームを集束し直したり、レーザービームのエネルギーパラメータを調節したりする必要はない。
【0051】
レーザー伝送(「加工」)システム
複数の種類のレーザー伝送システムが現時点で利用可能であることが技術分野でよく知られている。
すべてのレーザー伝送システムは、少なくとも2つの共通点を持つ。
すなわち、ワーク上に入射するレーザービームの位置を変えることと、レーザービームの集束、出力、および伝送のさまざまなパラメータを調節できることである。
これらのレーザー伝送システムは、レーザービームに対してワークを動かすか(たとえば、X−Y面で移動可能なテーブルを使用)、ワークに対してレーザービームを動かすか(たとえば、ステアリングミラーを使用)、または両手法の組み合わせを利用することができる。
【0052】
図9は、ガラス基板にフィラメントを形成できるレーザー加工システム70の例を表す。
このレーザー加工システム70は、好ましくは、100ピコ秒未満のパルス幅で一連のバーストモードパルスを供給できる、適切な一群のビームステアリング光学系を備えた超高速レーザー72を含む。
これにより、XY面の回転ステージ(シータ、θ)、3D XYZ移動ステージ、およびレーザービームまたは部品をX軸に対して傾斜させる軸(ガンマ、γ)を協調制御構造で含む多軸回転移動ステージにレーザービームを伝送することができる。
図示された例示的な実施形態では、レーザービームは、調節光学系74(たとえば、追加で調節または操作され得る弱集束スポットを提供できる正レンズ、負レンズ、またはレンズの組み合わせ)、ビームサンプリングミラー76、電力計78、X−Yスキャナ80、最終集束レンズ82、およびワーク86(ガラス基板)を位置決めするサーボ制御ステージ84により操作される。
断線の座標がわかっている場合、視野システム80Vで断線を正確に特定し、その後で修復を実行する。
【0053】
図10および
図11は、非テレセントリックレンズ110(
図10)、および、テレセントリックレンズ112(
図11)を使用して、X−Yスキャナ80の制御を通じて複数の軸を制御する機能を示す例示的な実施形態を示している。
X(ガンマ)軸を中心とした回転が実行される。
他の光学構成を使用できることを理解されたい。
【0054】
図12Aは、LCDデバイスのトレースを印刷または修復するレーザーシステムの平面図である。
参照番号47は、堆積させるトレース材料が添付されたキャリア基板を表している。
レーザーヘッド97のX−Y動作が、
図12Aに示されている。
ここで、レーザーヘッド97は、対象基板90の上方に図示されている。
対象基板90は、花崗岩(またはその他の寸法安定性のある)支持部の上の梁91、92により支持されている。
レール95、96は、
図12Aに示されているように、レール95、96に沿ってX方向で可動する可動アーム98を支持する。
可動アーム98は、モーターと、可動アーム98をX方向で正確に位置決めするコントローラとによって駆動される。
同様に、レーザーヘッド97は、モーターとコントローラとによって駆動され、
図12Aに示されているように、可動アーム98に沿ってY方向で正確に移動および位置決めされる。
図12Bは、LCDのトレースを印刷または修復するための前方堆積工程で使用される、
図12Aに示す例示的なレーザーシステムの側面図である。
図12Bは、キャリア基板47が配置される支持部91A、91Bを示している。
本明細書でインクとも呼ばれている、堆積させるトレース材料は、キャリア基板47に添付されている。
図12Bは、レーザーヘッド97がフィラメントの位置を制御するために、垂直なZ方向で移動する仕組みを示している。
調節可能なレンズ(図示せず)が、レーザーヘッド97とキャリア基板47との中間に配置されている。
【0055】
可動アーム98は、レール手段を含み、レーザーヘッド97は、モーター97Mまたはレーザーヘッド97をY方向で位置決めする他の手段を含む。
さらに、レーザーヘッドは、ビームフィラメントを必要に応じて調節するためにZ方向で可動する。
垂直レール97Vにより、レーザーヘッド97が、垂直方向(Z方向)で移動することができる。
さらに、選択的な分散焦点レンズを、レーザーヘッド97での使用に適合させることができる。
【0056】
多軸回転移動制御を備え、バースト超高速のレーザーパルスを利用して前方堆積を実現する上述した装置は、さまざまな焦点位置、非垂直の入射角、および可変のレシピ制御位置でレーザービームをワークに与えて複雑なトレース形状を作成するために利用できる。
これを現在利用されているレーザーアブレーション加工手法で行うことは不可能である。
当業者は、これらすべての軸がすべての用途に必要なわけではないこと、および一部の用途では、簡素なシステム構成のほうが恩恵があることを理解する。
さらに、示された装置は、本開示の実施形態の例示的な実装の1つに過ぎないこと、およびそのような実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな基板、用途、および部品提供スキームのために装置製造業者によって変更、改良、または組み合わせられることが理解される。
【0057】
前方堆積方法
トレース材料を誘電体基板に前方堆積させるステップは、
レーザーパルスのバーストを含むレーザービームを提供するステップと、
堆積させるトレース材料に対してレーザービームを集束でき、レーザービームと堆積させるトレース材料との間の相対的な移動を可能にするレーザービーム伝送システムを提供するステップと、
一側面にトレース材料が添付された透明なキャリア基板を提供し、その透明なキャリア基板の内部で適切に調節されたフィラメントを作成するステップと、
一側面にトレース材料が添付された透明なキャリア基板を、2mm以下の間隔を空けた離間構成で誘電体基板に近接して積層して、透明なキャリア基板を誘電体基板と超高速レーザービームパルスのバーストを提供できるレーザービーム源との間に配置するステップと、
レーザービーム源からのレーザーエネルギーパルスを分散集束レンズ集束装置に通すステップと、
レーザービーム源に対する分散集束レンズ集束装置の相対的な距離および/または角度を調節して、レーザーエネルギーパルスを、透明なキャリア基板と堆積させるトレース材料とが接する部分のレーザーフルエンスのスポットに集束するステップと、
レーザーフルエンスのレベルを、堆積させるトレース材料を誘電体基板にきれいに前方堆積させるために十分な強度に調節するステップと、
適切な波長、適切なバーストパルス繰り返し率、および適切なバーストパルスエネルギーの少なくとも1つのバーストを、レーザービーム源から分散集束レンズ集束装置を通じて対象物に適用するステップであって、堆積させるトレース材料のスポットに適用されるパルスエネルギーまたはフルエンスの総量が、フィラメントの形成を通じた前方堆積を開始および伝搬するのに必要な臨界エネルギーレベルよりも大きく、かつアブレーション加工を開始するために必要なしきい値臨界エネルギーレベルよりも低いステップと、
目的のトレース群が誘電体基板に堆積されたときに、レーザーパルスのバーストを停止するステップと
を含む。
【0058】
本発明は、以上の説明または図面に示された構成要素の配置に用途が限定されるわけではないことを理解されたい。
本発明は、他の実施形態に対応し、さまざまな異なる順序のステップで実現および実行することができる。
また、本明細書で採用されている表現および用語は、説明を目的としたものであり、限定とみなされるべきものではないことを理解されたい。
よって当業者は、本開示の基になっている概念が、本発明の複数の目的を実行するための他の構造、方法、およびシステムを設計するための基盤として容易に利用できることを理解する。
したがって、特許請求の範囲については、本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、そのような等価の構造物を含んでいるとみなすことが重要である。