(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
I.全般
本発明の材料および方法が記載される前に、本発明は、記載された特定の方法、プロトコル、材料および試薬には限定されず、これらは変更される場合があることが理解される。本願明細書において使用される専門用語は、記載の特定の実施形態の目的についてのみであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。前記範囲は、後に出願された非仮出願のいずれかによってのみ限定されるであろう。
【0014】
本願明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が他のものを明確に指示しない限り、複数の言及を含むことに留意すべきである。なお、「a」(または「an」)、「1つ以上(one or more)」および「少なくとも1つ(at least one)」の用語は、本願明細書において互換的に使用され得る。「含む(comprising)」、「包含する(including)」および「有する(having)」の用語は、互換的に使用され得ることにも留意すべきである。
【0015】
特に規定されない限り、本願明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有するものにより、通常に理解されるのと同じ意味を有する。本願明細書に記載のものに類似するまたは同等の方法および材料のいずれかが、本発明の実施または試験に使用され得るが、好ましい方法および材料は、これから記載される。本願明細書において具体的に記載された全ての刊行物および特許は、全ての目的、例えば、本発明との関連で使用され得る前記刊行物において報告された化学物質、機器、統計的分析および方法を記載および開示することに関して、参照により取り込まれる。本明細書において引用された全ての参考文献は、当該分野における技術レベルの示すものとして取り込まれる。本願明細書では、本発明が、従来の発明に基づいてこのような開示に先行する資格を与えられないことの了解として理解されるものではない。
【0016】
II.本発明
本願明細書で使用する場合、「対象」は、哺乳類および非哺乳類を意味する。「哺乳類」は、あらゆる分類の哺乳類、例えば、制限されず、ヒト、非ヒトの霊長類、例えば、チンパンジーおよび他の類人猿ならびにサルの種類;家畜、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ;飼育動物、例えば、ウサギ、イヌおよびネコ;実験動物、例えば、げっ歯類、例えば、ラット、マウスおよびモルモット等を意味する。非哺乳類の例としては、制限されず、トリ等があげられる。「対象」の用語は、具体的な年齢または性別を意味しない。
【0017】
本願明細書で使用する場合、「投与すること(administering)」または「投与(administration)」は、身体内、好ましくは、前記対象の脳内、より好ましくは、前記対象の海馬内に、アポエクオリンを導入するための任意の手段を含む。投与の例としては、制限されず、経口、点鼻、点耳、点眼、頬内、舌下、経肺、経皮、経粘膜ならびに皮下、腹腔内、静脈内、硬膜外および筋肉内の注入があげられる。
【0018】
「治療的有効量」は、障害、症状または疾患を処置するために、対象に投与される場合、前記障害または症状または疾患についてのこのような処置を達成するのに十分であるアポエクオリンの量を意味する。前記「治療的に有効量」は、処置される障害または症状または疾患の状態、前記処置される障害または症状または疾患の重症度、前記対象の年齢および関連する健康、投与の経路および形式、担当する医師または獣医の判断ならびに他の要因により変動するであろう。
【0019】
本発明の目的に関して、「処置すること(treating)」または「処置(treatment)」は、前記疾患、症状または障害と戦う目的で、患者の管理およびケアを説明する。前記用語は、予防的(preventive)、すなわち、予防的(prophylactic)および緩和的な処置の両方を包含する。処置することは、前記兆候もしくは合併症の開始を防止する、前記兆候もしくは合併症を緩和する、または、前記疾患、症状もしくは障害を除去するためのアポエクオリンの投与を含む。
【0020】
「アポエクオリン」の用語は、カルシウム結合タンパク質であるエクオリンのアポタンパク質を意味する。エクオリンは、2つの区別されるユニット、おおよそ22kDaの分子量を有する各アポタンパク質であるアポエクオリン、および補欠分子族であるセレンテラジン、ルシフェリンから構成される。エクオリンは、発光クラゲ(例えば、Aequorea種、例えば、オワンクラゲ(Aequorea victoria))および各種他の海洋生物から単離された発光タンパク質である。エクオリンは、Osamu Shimomuraにより前記セレンテラジンから、最初に単離された。本発明に有用なアポエクオリンは、従来公知の単離および精製スキームによりその天然源から入手でき、または、例えば、アポエクオリンの異種発現に有用な、組換えDNA構築物および共通して修飾された宿主細胞を使用する、発現系を使用する公知の遺伝子組換え法により入手できる。
【0021】
本願明細書で使用する場合、「サイトカイン」の用語は、神経系のグリア細胞および免疫系の多くの細胞により分泌され、細胞間通信に広く使用されるシグナル伝達分子のカテゴリーである、小型の細胞シグナル伝達タンパク質分子を意味してもよい。サイトカインは、タンパク質、ペプチドまたは糖タンパク質として分類され得る。したがって、「サイトカイン」の用語は、多様な発生学的起源の細胞により、身体全体を通して産生される制御分子の、大きく、多様なファミリーを包含する。前記「サイトカイン」の用語は、免疫修飾剤、例えば、インターロイキンおよびインターフェロンを包含してもよい。
【0022】
本願明細書で使用する場合、「前もって調整すること(preconditioning)」の用語は、身体の組織への血液供給の喪失および、このため、酸素供給の喪失への抵抗性を生じさせるための技術を意味する。本件では、前もって調整することは、例えば、対照と比較して、アポエクオリン投与後に救出された細胞のパーセントまたは数をアッセイすることにより測定された場合の、ニューロンにおける血液供給の喪失への抵抗性を生じさせることを意味する。
【0023】
本発明者らは、背側海馬(dhpc)内に直接注入された場合、腔腸動物であるオワンクラゲ(Aequorea victoria)由来の前記22kDのCaBPであるアポエクオリン(AQ)が、in vitro虚血型発作に供された場合の細胞死を、顕著に減少させることを示してきた(Detert et al.,2009;2011)。AQ注入後24および48時間ではこの細胞死の減少が存在したが、AQ注入後1時間では存在しなかった。興味深いことに、前記AQタンパク質は、注入後1時間で存在し、注入後24時間ではほとんど存在せず、注入後48時間までに、わずかに存在するのみであった。AQの作用とその存在との間の逆のパターンは、この変化が神経免疫調節反応によるかどうかを本発明者らに問わせた。一部の形式の虚血、例えば、小さな虚血発作を前もって調整することは、より大きく、全体的な発作の前になされた場合、梗塞を減少させる(Ara et al.,2010;Jones&Bergeron,2001)。虚血を前もって調整することの保護的効果は、免疫系の活性化に関連してきた(Rehni&Singh,2012;Wei et al.,2012)。本願明細書では、作用のメカニズムを1つも採用しないが、AQがサイトカインを活性化する場合、ある種の前もった虚血の調整により、細胞死を減少させることが可能であり、ここで、アポエクオリン注入から見られる神経保護反応が、一部には、神経免疫調節反応のためであり得る。
【0024】
アポエクオリンは、治療的有効量で、患者に投与される。アポエクオリンは、単独、または、薬学的に許容され得る組成物の一部として投与され得る。さらに、アポエクオリンまたは組成物は、例えば、ボーラス注入により一度に全部、例えば、一連の錠剤により複数回投与されることができ、または、例えば、経皮送達を使用して、一定期間を通して実質的に均等に送達されることができる。さらに、活性剤の用量を、経時的に変化させることができる。アポエクオリンは、即時放出製剤、徐放性製剤またはそれらの組み合わせを使用して投与され得る。「徐放性」の用語は、持続性放出、遅延放出およびそれらの組み合わせを含む。
【0025】
本発明の組成物は、単一単位用量として、もしくは、複数の単一単位用量として、調製され、包装されるか、または、まとめて販売され得る。本願明細書で使用する時、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む個別的な量の組成物である。前記活性成分の量は、一般的には、患者に投与されるであろう活性成分の用量、または、このような用量の都合の良い少数、例えば、このような用量の2分の1または3分の1等と等しい。
【0026】
本発明の組成物における、前記活性成分、前記薬学的に許容され得る担体および任意の更なる成分の相対的な量は、処置されるヒトの同一性(identity)、サイズおよび症状に応じて、さらに、前記組成物が投与される経路に応じて変化するであろう。
【0027】
本発明の別の態様は、本発明の組成物と指示書とを含むキットに関する。指示書としては、刊行物、記録、図解、または、ヒトにおいて、本願明細書で説明される目的のうちの1つについて、本発明の組成物の有用性を伝えるのに使用される任意の他の表現媒体があげられる。前記指示書は、例えば、本発明の薬学的組成物の適切な用量も説明し得る。本発明のキットの指示書は、例えば、本発明の薬学的組成物を含む容器に添付されることができるか、または、前記薬学的組成物を含む容器とともに輸送され得る。または、前記指示書は、前記指示書および前記薬学的組成物が、受取人により協同的に使用されることを意図して、前記容器とは別に輸送され得る。
【0028】
本発明は、本発明の組成物と、前記組成物をヒトに送達するための送達装置を含むキットも含む。例として、前記送達装置は、シリンジ、ニードルまたは用量測定容器であり得る。前記キットは、さらに、本願明細書に記載の指示書を含む。前記キットは、個々の組成物用の容器、例えば、分割されたボトルまたは分割されたホイル小包も含む。容器の更なる例としては、シリンジ、ボックス、バッグ等があげられる。典型的には、キットは、個々の成分の投与のための説明書を含む。前記キットの形式は、個々の成分が、好ましくは、異なる投与形態(例えば、経口と非経口)で投与され、異なる投与間隔で投与される場合、または、前記組み合わせの個々の成分の用量設定が、担当する医師により望まれる場合に、特に有利である。
【0029】
薬学的組成物の非経口投与としては、ヒトの組織の物理的な破壊により特徴付けられる投与、および、前記組織における破壊を介した前記薬学的組成物の投与の任意の経路があげられる。このため、非経口投与としては、前記組成物の注入、外科的切開による前記組成物の適用、組織穿通的非外科的損傷による前記組成物の適用等による、薬学的組成物の投与があげられる。具体的には、非経口投与としては、皮下、腹腔内、静脈内、動脈内、筋肉内または胸骨内の注入および、静脈内、動脈内または腎臓透析注入技術があげられる。例えば、本発明の組成物は、(vPAGによる)脳への注入、髄腔内注入、腹腔内注入または血液注入により、対象に投与され得る。
【0030】
非経口投与に適した組成物は、薬学的許容され得る担体、例えば、生理的に許容され得る滅菌の水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョンと組み合わせられた活性成分を含むか、または、滅菌注入液または分散液中での再構築のための滅菌粉末を含んでもよい。適切な水性および非水性の担体、希釈液、溶媒または媒体(vehicle)の例としては、水、等張性生理食塩水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの適切な混合物、トリグリセリド、例えば、植物油、例えば、オリーブ油、または、注入可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルがあげられる。適切な流動性は、例えば、コーティング、例えば、レシチンの使用、分散液の場合における要求される粒径の維持、および/または、界面活性剤の使用により維持され得る。このような製剤は、ボーラス投与または連続投与に適した形式で調製、包装または販売され得る。注入可能な製剤は、単位投与の形態、例えば、アンプル中、保存料を含むマルチドーズ容器中、または、自動注入もしくは医師による注入用の頓服装置に調製、包装または販売され得る。
【0031】
非経口投与用の製剤としては、懸濁液、溶液、油性もしくは水性媒体におけるエマルジョン、ペーストおよび埋め込み式の持続性放出もしくは生分解性製剤があげられる。このような製剤は、さらに、1つ以上の更なる成分、例えば、懸濁化剤、安定剤または分散剤を含み得る。非経口投与用の製剤の一実施形態では、前記活性成分は、再構築された組成物の非経口投与の前に、適切な媒体(例えば、発熱物質を含まない滅菌水)により再構築用の乾燥(すなわち、粉末または顆粒)形態において提供される。
【0032】
前記組成物は、滅菌された注入可能な水性もしくは油性(エマルジョン)懸濁液または溶液の形態において、調製、包装または販売され得る。この懸濁液または溶液は、公知の技術に基づいて配合されることができ、前記活性成分に加えて、更なる成分、例えば、本願明細書に記載の分散剤、湿潤剤または懸濁化剤を含むことができる。このような滅菌された注入可能な製剤は、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒、例えば、水または1,3−ブタンジオール等を使用して調製され得る。他の許容され得る希釈剤および溶媒としては、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液および不揮発性油、例えば、合成のモノもしくはジグリセリドがあげられる。他の有用な非経口的に投与可能な製剤としては、微晶質形状、リポソーム調製物における活性成分を含むもの、または、生分解性ポリマー系の成分として含むものがあげられる。持続性放出または埋め込み錠用の組成物は、薬学的許容され得るポリマー材料または疎水性材料、例えば、エマルジョン、イオン交換樹脂、難溶性のポリマーまたは難溶性の塩を含み得る。
【0033】
本発明の組成物は、補助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤および/または分散剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等も含んでもよい。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム等を含むことも望ましい場合がある。注入可能な薬学的組成物の長期吸収は、吸収を遅延させることが可能な薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよび/またはゼラチンの使用により、もたらされ得る。具体的には、リポソーム、マイソーム(mysome)および乳化剤が、本発明の化合物を送達のためにより可溶性にするのに使用され得る。
【0034】
剤形は、固体または注入可能な埋め込み錠または徐放性製剤を含み得る。好ましい実施形態では、前記埋め込み錠は、有効量の活性剤と生分解性ポリマーとを含む。好ましい実施形態では、適切な生分解性ポリマーは、ポリアスパルテート、ポリグルタメート、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ無水物、ポリ(ベータ−ヒドロキシ−ブチレート)、ポリ(オルト−エステル)およびポリホスファゼンからなる群から選択され得る。他の実施形態では、前記埋め込み錠は、有効量の活性剤とシラスティックポリマーとを含む。前記埋め込み錠は、有効量の放出を提供する。
【0035】
水性または油性の溶媒における活性成分の液体溶液は、液体状懸濁液と実質的に同じ方法で調製され得る。主な違いは、前記活性成分が、前記溶媒に懸濁されるのではなく、溶解されることである。本発明の組成物の溶液は、液体懸濁液に関して記載された各成分を含み得る。懸濁化剤は、前記溶媒に前記活性成分を溶解させるのに必ずしも必要ではないであろう。水性溶媒としては、例えば、水および等張性生理食塩水があげられる。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば、ラッカセイ、オリーブ、ゴマもしくはヤシの油、分留された植物油および鉱油、例えば、液体パラフィンがあげられる。
【0036】
本発明の組成物は、例えば、活性な薬学的成分の水溶性を改善し、薬剤の放出を延長し、錠剤化特性を改善するために、さらに、シクロデキストリン成分を含んでもよい。一般的に、グルコースの環状構造オリゴマー(「シクロデキストリン」)は、特定の細菌のデンプン消化物から取得される。最も豊富なシクロデキストリンは、それぞれ、6、7および8個のグルコース単位を有する、アルファ、ベータおよびガンマデキストリンである。前記シクロデキストリンの内部空洞は、疎水性であり、前記分子の曝される表面は、親水性である。シクロデキストリンは、活性な薬学的成分の安定性、水溶性を向上させ、揮発性を低下させることが知られている。市販のシクロデキストリンまたはその誘導体の一部の例は、下記;アルファ−シクロデキストリン(CAS#:10016−20−3);(2−ヒドロキシプロピル)−アルファ−シクロデキストリン(CAS#:128446−33−3);ベータ−シクロデキストリン(CAS#:7585−39−9);6−O−アルファ−D−グルコシル−ベータ−シクロデキストリン(CAS#:92517−02−7);ガンマ−シクロデキストリン(CAS#:17465−86−0);および(2−ヒドロキシプルピル)−ガンマ−シクロデキストリン(CAS#:128446−34−4)の通りである。本発明の活性剤を投与するための送達媒体を配合するのに特に有用なシクロデキストリンとしては、Cydex Pharmaceuticals,Incから商標CAPTISOLとして入手できる、スルホブチルエーテル・ベータ−シクロデキストリン(SBE−ベータ−CD);ならびに、Roquette Pharmaから商標KLEPTOSEとして入手できる、シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル・ベータシクロデキストリンがあげられる。
【0037】
非ヒトの動物における非経口投与に関して、アポエクオリンは、ペーストまたはペレットの形態で調製されてもよく、埋め込み錠として投与されてもよい。ペースト製剤は、薬学的に許容され得る油、例えば、ピーナッツ油、ゴマ油、トウモロコシ油等に、アポエクオリンを分散させることにより調製され得る。治療的有効量を含むペレットは、希釈剤、例えば、カーボワックス、カルナバワックス等と混合することにより調製され得る。滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムが、ペレット化工程を改善するのに添加され得る。2つ以上のペレットが、所望の用量レベルを達成するために、動物に投与されてもよいことが、当然認識される。さらに、このような埋め込み錠が、前記動物の身体において、適切な活性剤のレベルを維持するために、動物の処置期間中に、周期的に投与されてもよいことが見出されてきた。
【0038】
本発明の組成物は、1日あたりに約0.01から約100mg/kgの範囲での用量レベルで、患者に投与され得る。正常な成人のヒトに関して、約0.01から約100mg/kgの範囲での用量は、典型的に十分であり、1日あたりに0.1から10mg/kgが、好ましい用量である。しかしながら、前記一般的な用量範囲における一部の変動性は、処置される対象の年齢および体重、意図した投与経路、投与される具体的な化合物等に応じて要求され得る。特定の患者についての用量範囲および最適な用量の決定は、十分に、本開示の利益を有する当業者の能力内である。本発明の化合物は、持続性放出、徐放性放出および遅延放出の製剤において使用され得ることも留意される。その形態も、当業者に周知である。
【0039】
本発明の組成物が、細胞、前記細胞を含む組織、前記細胞と接触する体液に直接投与されるか、または、前記化合物が、前記細胞に拡散もしくは輸送され得る身体の部位に投与されるかは、重要ではない。前記組成物が、量および経路により患者に投与されれば十分である。それによって、前記細胞における脂質を動かすのに十分な量の組成物が、前記細胞に直接または間接的に到達する。最少量は、前記組成物が何であるかにより変化する。
【0040】
使用され得る具体的な用量および用量範囲は、多くの要因、例えば、患者の要求、処置される症状の重症度および投与される活性成分の薬理学的活性により決まる。具体的な患者に対する用量範囲および最適な用量の決定は、この開示を考慮して、当該分野における通常の知識内で十分である。通常の知識を有する医師、歯科医師または獣医は、対象における所望の処置をもたらすために、有効量の組成物を直ちに決定し、処方するであろうことが理解される。そのような進行において、前記医師または獣医は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、その後に、適切な反応が得られるまで、前記用量を増加させ得る。しかしながら、任意の具体的な患者に対する具体的な用量レベルは、各種の要因、例えば、使用される具体的な組成物の活性、前記ヒトの年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事、投与のタイミング、投与経路、排出速度、任意の薬剤の組み合わせ、ならびに、処置される任意の障害の重症度により決まるであろう。
【0041】
ある実施形態では、アポエクオリンは、薬学的な注入可能な投与の形態、例えば、注入可能な担体系とのアポエクオリンの組み合わせにおいて配合される。本願明細書で使用する場合、注入可能な注入投与の形態(すなわち、非経口投与の形態)としては、制限されず、活性な薬剤物質を封入する、リポソーム性の注入剤またはリン脂質を有する脂質二重層小胞があげられる。注入剤は、非経口用途を意図した滅菌された調製物を含む。
【0042】
USPにより規定されるように、5通りの分類の注入剤:エマルジョン、脂質、粉末、溶液および懸濁液が存在する。エマルジョン注入剤は、非経口的に投与されることを意図した、滅菌された発熱物質を含まない調製物を含むエマルジョンを含む。溶液注入剤用の脂質複合体および粉末は、非経口用途の溶液を形成するために再構築を意図した、滅菌された調製物である。懸濁液注入剤用の粉末は、非経口用途の懸濁液を形成するための再構築を意図した、滅菌された調製物である。リポソーム性懸濁液注入剤用の凍結乾燥された粉末は、リポソーム、例えば、脂質二重層内または水性空間に活性薬剤物質を封入するのに使用されるリン脂質を有する脂質二重層小胞の包含を可能にする方法で製剤化された、非経口用途の再構築を意図した、滅菌された凍結乾燥調製物であり、それにより、前記製剤は、再構築により形成され得る。溶液注入剤用の凍結乾燥された粉末は、凍結乾燥(「凍結乾燥」)により調製された溶液のために意図した剤形である。そのため、前記処理は、極端に低圧力で、凍結した状態において、生成物から水を除去することを含む。そのため、後の液体の添加により、注入剤についての要求に対する全ての事項に合致する溶液を形成する。懸濁液注入剤用の凍結乾燥された粉末は、適切な液状媒体に懸濁された固体を含む非経口用途を意図した液体状の調製物であり、滅菌された懸濁液についての要求に対する全ての事項に合致し、それにより、前記懸濁液用を意図した薬剤は、凍結乾燥により調製される。溶液注入剤は、適切な溶媒または、注入に適した互いに親和性の溶媒の混合物に溶解された、1つ以上の薬剤物質を含む液体状の調製物を含む。溶液濃縮物注入剤は、適切な溶媒の添加により、注入についての要求に対する全ての事項に合致する溶液を生成する、非経口用途の滅菌された調製物を含む。懸濁液注入剤は、液相全体に分散された固体粒子を含む、(注入に適した)液体状の調製物を含む。そのため、前記粒子は、不溶性であり、油相は、水相全体に分散され、逆もまた同様である。懸濁液リポソーム性注入剤は、リポソーム(脂質二重層内または水性空間のいずれかに活性薬剤物質を封入するのに使用されるリン脂質を通常含む脂質二重層小胞)が形成されるこのような方法において、水相全体に分散された油相を有する、(注入剤に適した)液体状の調製物である。超音波処理された懸濁液注入剤は、液相全体に分散された固体粒子を含む、(注入剤に適した)液体状の調製物であり、そのため、前記粒子は、不溶性である。さらに、前記生成物を、前記懸濁液を通してガスをバブリングしながら、超音波処理して、前記固体粒子によるミクロスフェアの形成をもたらしてもよい。
【0043】
非経口担体系としては、1つ以上の薬学的に適切な賦形剤、例えば、溶媒および共溶媒、可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤、増粘剤、乳化剤、キレート剤、緩衝剤、pH調整剤、酸化防止剤、還元剤、抗菌保存剤、充填材、保護剤、等張化剤および特殊添加剤があげられる。
【0044】
この発明に基づく組成物および方法の種々の例示となる実施形態は、これから、下記の実施例に記載される。下記の実施例は、実例の目的のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを何ら意図していない。実際に、本願明細書で示され、記載されたものに加えて、本発明の種々の改良は、前述の記載および下記の実施例から、当業者に明らかとなり、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるであろう。
【実施例1】
【0045】
IL−10の発現レベルを変化させるアポエクオリンのタイムコースおよび有効性
本実施例では、本発明者らは、抗炎症性サイトカインIL−10のmRNA発現を増加させる、アポエクオリンの有効性を説明する。前もって調整することは、短時間の非致死性の虚血エピソードが、後のより重篤な虚血発作により引き起こされる損傷を和らげる現象である。前もって調整することは、脳傷害に対する応答に見られるものと比較して、炎症性メディエータ(例えば、IL−1βおよびIL−6)の発現を低下させる。IL−10は、抗炎症性サイトカインであり、Ca
2+チャネル遮断薬の投与後に増加することが示されてきた。前もって調整することは、IL−10の産生を増加させる。IL−10は、神経保護に関連する。これが神経保護性であり得る1つの様式は、TNF−α産生の減少により、IL−6を間接的に減少させることによる。
【0046】
材料および方法
動物.50匹の雄のF344成体ラット(平均齢=3.4±0.2mo.)を使用した。ラットを、14/10時間 日中/夜間のサイクルにおいて、食料および水へのフリーアクセスにより維持した。
【0047】
手術
ラットに麻酔をかけ、脳定位固定装置に載せた。無菌条件下において、頭皮を切開し、側方に引っ込めた。頭部を、プレグマとラムダとの間で水平にした。各ラットを、左右のステンレス鋼ガイドカニューレで準備し、プレグマに対して定位座標(3.5mm後部、±2.6mm側方、3.0mm腹側)を使用して、背側海馬(dhpc)に当たりを付けた。カニューレを、ステンレス鋼ネジとエポキシで、頭がい骨に固定した。前記ラットに注入していない場合に、前記ガイドカニューレが塞がるのを防止するために、ステンレス鋼キャップを、定位置に残した。
【0048】
薬剤
アポエクオリン(AQ;0、0.4、1および4%、Quincy Bioscience)を、神経細胞が取り込むのを容易にするために添加された6%DMSOを含むゼロCa
2+−aCSF(人工脳脊髄液)において調製した。断頭前の1時間、1日、2日、3日または5日に、ラットの一方の半球にAQを注入し、他方の半球に媒体を注入した。左右の注入(0.5μl/サイド)を、60秒にわたって行い、注入カニューレを、拡散を確保するために、さらに2分間定位置に残した。前記注入カニューレを、前記ガイドカニューレを越えて0.5mm延長して切断した。
【0049】
酸素−グルコース欠乏
前頭断スライス(400μm)を、標準的な手法を使用して調製した。aCSFにおいて、スライスを1時間回復させた後、in vitro虚血を、フルクトース−CSF(グルコースがフルクトースに置き替えられ、95%O
2−5%CO
2に代えて、95%N
2−5%CO
2でバブリング)に、スライスを5分間移すことにより誘発した。ついで、前記スライスを、0.2%トリパンブルーを含む、酸素化されたaCSFに、30分間の再かん流で戻した。トリパンブルーは、死んだ細胞に容易に浸透し、それらを青く染める。一方、生きている細胞の場合には染まらない。前記スライスを、酸素化された室温のaCSFにおいて2回洗浄し、ついで、10%中性緩衝化ホルマリンにおいて、冷蔵庫で一晩固定した。ついで、スライスを、凍結保護し、クライオスタットにおいて切断し(40μm)、見出しを付した(subbed)スライド上に載せた。
【0050】
細胞集計
スライスを、Olympus顕微鏡(デジタルカメラ搭載)下において、10×で試験し、画像を取得した。CA1(約800μmセクション)内のトリパンブルーで染色されたニューロンを、実験条件を知らない実験者により集計した。統計的分析を、Statview(v5.0;SAS Institute,Inc.,Cary、NC)を使用して行った。ANOVAを、薬剤の効果を評価するのに使用した。星印は、p<0.05を示す。
【0051】
ウェスタン・ブロット
ラットに、4%AQの両側注入を行った。脳を、下記時点:1時間、1日、2日または3日の1つで取り出した。脳を、直ちに−80℃で凍結および保存した。前記dhpcおよび腹側海馬(vhpc)を解剖し、個々にホモジナイズした。サンプルを遠心分離し、上清を除去し、Bradfordタンパク質アッセイキット(Bio−Rad)を使用して測定した。タンパク質のサンプルを規準化し、SDS−PAGE(10%)に載せた。タンパク質を、半乾燥の転写装置(Bio−Rad)を使用してPVDFメンブレン上に転写した。ついで、メンブレンを、ブロッキングバッファー(2時間)、一次抗体(4℃で一晩;1:5000 マウス抗エクオリン[Chemicon]または1:1000 ウサビ抗β−アクチン[Cell Signaling Technology])および二次抗体(90分;1:5000 ヤギ抗マウス[Santa Cruz Biotechnology]または1:5000 ヤギ抗ウサギ[Millipore]においてインキュベートした。ついで、メンブレンを洗浄し、化学発光液(Santa Cruz Biotechnology)に入れ、オートラジオグラフィーフィルム(Hyperfilm MP)に曝した。画像を取得し、濃度測定を、NIH Image Jソフトウェアを使用して行った。(各レーンについてのバックグラウンドを引いた)バンドの光学濃度値が、vhpcのバンドの平均の2標準偏差より大きい場合、バンドは、ポジティブと見なされる。
【0052】
PCR
RT−PCRに関して、ラットの一方の半球に4%AQを注入し、他方の半球に媒体を注入した。注入後、1時間、1日または2日で、前記海馬を取り出し、直ちにトリゾールに入れた。前記組織を、25ゲージニードルおよびシリンジを使用してホモジナイズした。サンプルを、RNAを単離するまで、−80℃で凍結および保存した。RNAを、Qiagen RNeasy miniキットプロトコルを使用して単離した。単離したRNAを、50μlのRNaseを含まないH
2Oに溶解した。RNAの純度を、260および280nmの吸光度比に基づいて算出した。1.8と2.1との間で記録された吸光度は、純粋なRNAと見なされた。Qiagen RT2 HT First Strandキットを使用して、逆転写を行って、cDNAを産生した。IL−10およびβ−アクチンのプライマーを、Qiagenから購入し、Qiagen RT2 qPCRプライマーアッセイに基づいて使用した。cDNAの増幅を、SYBR green(非特異的DNA染色)の蛍光により測定した。サンプルを、StepOneリアルタイムPCRシステムおよびソフトウェアを使用して、96ウェルプレートにおいて、3回反復で実行した。ハウスキーピング・タンパク質であるβ−アクチンの遺伝子発現は、サイトカイン発現についての定量化ベースラインの役割を果たした。遺伝子発現の変化を、Pfaffl法を使用して分析した。プライマー効率を、β−アクチンおよびIL−10それぞれについて、2つのランダムに選択されたサンプルに基づいて算出した。
【0053】
まとめ
図1A、1Bに示すように、抗炎症性サイトカインは、アポエクオリン注入後に増加した。具体的には、IL−10 mRNAは、注入後1時間で早くも上昇した。グループ間において、β−アクチンの発現の変化は、検出されなかった。抗炎症性サイトカインレベルの向上と炎症の低下との間の周知の相間を考慮して、アポエクオリンは、ヒトへの設定に関連し、直ちに適用可能である、医学的に関連する動物モデル系において、炎症を低下させるのに有用な薬剤であると結論付けることができる。
【実施例2】
【0054】
アポエクオリンは、虚血からニューロンを保護し、ラットの海馬におけるサイトカインmRNAレベルを変化させる。
【0055】
図2Aを参照して、本発明者らは、アポエクオリン(AQ、エクオリンのCaBP成分)の海馬内注入が、虚血による細胞死から、海馬のニューロンを顕著に保護することを実証した。前記AQの神経保護作用は、まず、24時間で観察され、48時間まで持続した(
図2Bおよび2C)。興味深いことに、ウェスタン・ブロット分析により、AQタンパク質レベルは、この期間にわたって劇的に低下することが示唆された(
図2D)。前記AQの神経保護作用は、48時間で最も強力であったが、その時点で存在する相対的に低レベルのAQタンパク質は、他の要因が、虚血による細胞死からニューロンを保護するAQの能力において役割を果たし得ることを示唆する。
【0056】
AQ投与が、抗炎症性サイトカインレベルの変化をもたらすことは、1つの可能性である。抗炎症性サイトカインであるインターロイキン−10(IL−10)は、in vitroにおいて、低酸素から神経を保護する能力が、以前に実証された。サイトカイン発現が前記AQの神経保護作用における役割を果たし得るという仮説を試験するために、サイトカインmRNAレベルを、1回の海馬内AQ投与後の種々の時点で測定した。12匹の雄のF344ラットを、背側海馬において、両側にカニューレ処置した。回復後、4%AQを、片側性に注入した(他方の側に媒体を注入して、釣り合わせた)。1、24または48時間後、前記脳を取り出し、海馬を解剖し、ドライアイスに入れ、ホモジナイズした。RNAを、Qiagen RNeasy miniキットを使用して単離した。Qiagen RT2 HT First Strandキット−96を使用して、逆転写を行った。qPCRを、IL−10およびβ−アクチンを定量化するのに使用した。
図3Aに示すように、IL−10は、前記AQ処置された半球において、1時間で顕著に増加したが(t(14)=5.30、p<0.05)、注入後24時間または48時間では増加しなかった(p>0.05)。AQ処置は、β−アクチンmRNAレベルに影響を及ぼさなかった(
図3B)。
【0057】
さらに、サイトカインおよびケモカインについての、Qiagen RT2 ProfilerアレイによるPCRアレイ分析を、他のサイトカインおよびケモカインが、これらの時点で活性化されるかどうかを評価するための試みにおいて行った(
図3C)。実証結果は、
図4に表現され、AQ投与後の時間依存性様式において、複数の抗炎症性サイトカインおよびケモカインmRNAレベルの変化を示唆する。
【0058】
図5は、本発明者らにより試験された免疫応答遺伝子の相互作用を示す模式図を示す。したがって、本発明者らは、前記アッセイされた遺伝子を、機能により解説する。
図6Aは、AQ注入後における急性炎症反応遺伝子における変化を示し、
図6BはAQ注入後におけるT/B細胞活性化因子における変化を示し、
図6CはAQ注入後における血管新生/細胞増殖因子遺伝子における変化を示し、
図6DはAQ注入後におけるマクロファージ誘因遺伝子における変化パターンを示し、
図6EはAQ注入後におけるカルシウム・メディエータ遺伝子における変化を示し、そして、
図6FはAQ注入に伴う機能変化によりグループ化された遺伝子を示すグラフを示す。表1は、表の形式において、このデータを表す。まとめると、これらの結果は、AQが神経保護的であり、この神経保護が、神経免疫調節メカニズムを含むことを示唆する。
【0059】
まとめ
この実施例に表されるデータは、アポエクオリンの神経保護作用が時間依存性であることを実証する。背側海馬の領域CA1内へのAQ注入は、虚血発作前24時間および48時間に投与された場合、細胞死を減少させ、虚血発作前1時間では減少させない。興味深いことに、AQは、有効性と効能との間に逆相関を示す。
【0060】
本データは、さらに、アポエクオリンの神経保護作用が、神経免疫調節メカニズムに関与し得ることを説明する。注入後のIL−10活性化は、免疫系が、その保護作用において役割を果たすことを示唆する。他のサイトカインおよびケモカインの時間依存性の活性化は、この仮説を支持する。
【0061】
【表1】
【0062】
本発明の他の実施形態および使用は、本願明細書および本願明細書に開示の発明の実施からの考察から、当業者に明らかであろう。任意の理由について本願明細書で引用された全ての参考文献、例えば、全ての学術雑誌の引用ならびに米国/外国の特許および特許出願は、参照により本願明細書に、具体的かつ完全に取り込まれる。本発明は、本願明細書において説明され、記載された特定の試薬、製剤、反応条件等には制限されず、下記の特許請求の範囲の範囲内に入る、それらの改良された形態を包含することが理解される。
【0063】
参考文献
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