【0020】
本発明のR
1は、カルボキシル保護基から選択され、Xは、ヒドロキシ保護基から選択される。適切な保護基は、文献に記載されており、当業者によく知られているものを利用することができる。適切な保護基の例は、通常の研究で用いられるものであってよく、例えば、J. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", Third edition, Wiley, New York 1999、"The Peptides"; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981、"Methoden der organischen Chemie", Houben-Weyl, 4 edition, Vol. 15/1, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jescheit, "Aminosauren, Peptide, Proteine", Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982、および/またはJochen Lehmann, "Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate", Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974などに記載されている。
【実施例】
【0035】
[実施例1]:式IVの化合物(R
2=Me)の調製方法
tert-ペンタノール(1.1 L)に気体アンモニアを、アンモニアシリンダーから約1 mol(17 g)が蒸発されるまで飽和させた。これに、式IIIの化合物(R
2=Me)(125 g; 0.71mol)を添加し、続いて固定化したCAL-B (CAL-B-T1-350; 12.5 g)を添加した。反応器を閉じ、周囲温度で機械的に撹拌した。反応が完結した後、酵素を100μmのフィルターで除去し、メタノールで洗浄した。ろ液を、減圧下、50℃未満の温度で蒸発させて、オイル状の残渣を得た。この残渣を酢酸イソプロピルからの結晶化によって精製して、(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0036】
[実施例2]:式Vの化合物(R
3=ベンジル)の調製方法
実施例1で得られた(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメート(16.1 g; 0.lmol)を、ベンジルアルコール(25 g)と混合した。この混合物を、減圧(< 15 mbar)下、55℃に加熱して、痕跡量の湿気を除去した。ニートのテトライソプロピルオルトチタネート(3 ml; l0mol %)を添加し、混合物を、十分な減圧下、55〜57℃に3時間加熱した。この混合物を冷却し、1体積量のテトラヒドロフランで希釈した。この有機混合物を、10分間かけてゆっくりと、激しく撹拌させた酒石酸水溶液(1 M, 100 ml)と酢酸エチルとの混合物に添加した。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出液を希重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を減圧下で蒸発させ、MTBEを添加し、混合物を撹拌しながら冷却した。得られた粘稠な懸濁液を濾過し、冷MTBE、ペンタンで洗浄して、(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0037】
[実施例3]:式VIの化合物(R
3=ベンジルおよびX=tert-ブチルジメチルシリル)の調製方法
(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメート(66 g; 0.28 mol; 97 % e.e.)およびイミダゾール(23 g; 0.34 mol; 1.2 eq.)の混合物を、ジメチルホルムアミド(70 ml)と混合した。この混合物に、tert-ブチルジメチルシリルクロライド(45 g; 0.3 mol)のジメチルホルムアミド(150 ml)中の溶液を、冷却下(+5 °C)で添加した。混合物を25℃に加温し、1時間撹拌した。混合物を水でクエンチした。この混合物を水でさらに希釈し、酢酸イソプロピルで抽出した。有機抽出液を、水、希重炭酸ナトリウム、および塩水で洗浄した。蒸発後、(S)-ベンジル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタラメートがオイルとして得られた。
【0038】
[実施例4]:式VIIの化合物(X=tert-ブチルジメチルシリル)の調製方法
実施例3からの(S)-ベンジル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタラメート(48.5 g)を、酢酸エチル(350 ml)に溶解させ、マグネチックスターラーで撹拌しながら500 mlのガラス耐圧反応器に入れた。炭素上のパラジウム触媒(5 %, 0.48 g)をこれに添加し、混合物を2.7気圧の水素下で4時間水素化した。圧力を開放し、混合物を濾過した。触媒を、25 mlの酢酸エチルで洗浄し、再利用のために保存した。ろ液を水と混合した。この混合物のpHを、撹拌下、2.5 Mのアンモニア水を用いて8.5に調整した。水性相をMTBEで1回抽出した。透明な水性相を+5℃に冷却し、濃HClを用いてゆっくりとpH4.4に酸性化した。pH4.8〜5で粘稠な沈殿が形成された。混合物を濾過し、固体を水で1回洗浄し、減圧下で乾燥させて、(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミドを得た。
【0039】
[実施例5]:式IIの化合物(X=tert-ブチルジメチルシリルおよびR
1=Me)の調製方法
(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミド(4.6 g)を、アルゴン雰囲気下で、無水メタノール(30 ml)中に溶解させた。この反応混合物のpHを、ナトリウムメトキシド溶液(3.6 ml 30 %)の添加によって、11.4に調整した。この溶液を、アルゴン下、5.0 gのジメチルホルムアミドジメチルアセタール(42 mmol)と混合した。この混合物を、不活性雰囲気下、30℃にて20時間撹拌した。得られた混合物を、ジクロロメタンおよび希リン酸の撹拌した混合物に、ゆっくりと添加した。有機相を水で洗浄し、蒸発させて、(R)-メチル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタレートを得た。
【0040】
[実施例6]:(S)-メチル-3-ヒドロキシグルタラメートの調製方法
tert-ペンタノール(800 ml) に気体アンモニアを、約1.0〜1.5 mol飽和させた。これに、ジメチル-3-ヒドロキシグルタレート(100 g)を添加し、続いて固定化したCAL-B (CAL B-T1-AMD2)を3 g添加した。反応器を閉じ、20〜25℃で撹拌した。反応が完結した後、酵素を濾過によって除去し、その酵素をtert-ペンタノール(100 ml)で洗浄した。ろ液を、減圧下、50℃未満の温度で蒸発させて、オイル状の残渣を得た。この残渣をtert-ペンタノール/tert-ブチルメチルエーテル混合液からの結晶化によって精製して、(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0041】
[実施例7]:(S)-ベンジル-3-ヒドロキシグルタラメートの調製方法
ベンジルアルコール(131.0 g)、(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメート(100 g)、およびテトライソプロピルオルトチタネート(17.5 g)を、フラスコ内で混合した。この混合物を、減圧下、50〜60℃にて5時間加熱した。反応混合物を、冷却し、ジクロロメタン(500 ml)で希釈した。反応混合物を、撹拌した酒石酸水溶液(370 mlのDM水中37 g)と500 mlの酢酸イソプロピルとの混合物に添加した。この反応混合物を撹拌し、アンモニア水溶液によってpHを7.0〜8.0に調整した。相を分離した。有機相を取り除き、水性相を酢酸イソプロピルで抽出した。合わせた有機相を、アンモニア水、酒石酸水溶液、続いて塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで無水にし、減圧下で蒸発させてオイルを得た。このオイルに、tert-ブチルメチルエーテル(800 ml)を添加し、撹拌し、冷却し、濾過し、乾燥させて、(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0042】
[実施例8]:(S)-ベンジル-3-ヒドロキシグルタラメートの調製方法
ベンジルアルコール(131.0 g)、(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメート(100 g)、およびテトライソプロピルオルトチタネート(17.5 g)を、フラスコ内で混合した。この混合物を、減圧下、50〜60℃にて5時間加熱した。反応混合物を、冷却し、ジクロロメタン(500 ml)で希釈した。反応混合物を、撹拌した酒石酸水溶液(370 mlのDM水中37 g)と500 mlの酢酸イソプロピルとの混合物に添加した。この反応混合物を撹拌し、アンモニア水溶液によってpHを7.0〜8.0に調整した。相を分離した。有機相を取り除き、水性相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を、アンモニア水、酒石酸水溶液、続いて塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで無水にし、減圧下で蒸発させてオイルを得た。このオイルに、tert-ブチルメチルエーテル(800 ml)を添加し、撹拌し、冷却し、濾過し、乾燥させて、(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0043】
[実施例9]:(S)-ベンジル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタラメートの調製方法
(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメート(100 g)を、ジメチルホルムアミドに溶解させた。これに、イミダゾール(35 g)を添加し、溶液を5℃に冷却した。これに、冷却下、tert-ブチルジメチルシリルクロライド(68.5 g)をジメチルホルムアミド(250 ml)に溶解させた溶液を添加した。混合物を20〜25℃に加温し、撹拌した。反応混合物を冷却し、水でクエンチした。この反応混合物に、酢酸エチルおよび水の混合液を添加し、撹拌した。相を分離し、有機相を水で3回洗浄した。有機相を減圧下で蒸発させて、(S)-ベンジル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ] グルタラメートをオイルとして得た。
【0044】
[実施例10]:(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミドの調製方法
(S)-ベンジル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタラメート(100 g)を、酢酸エチルに溶解させ、耐圧フラスコに入れた。これに、炭素上のパラジウム(5 %, 1 g)を添加し、水素雰囲気(約2.8 Kg)下で4時間水素化した。パラジウムを、濾過によって除去した。ろ液を水と混合し、アンモニア水を用いてpHを約9.0に調整した。この反応物を撹拌し、相を分離させた。水性相を、ジクロロメタンで洗浄し、ジクロロメタンを水性相に加えた。反応物を5℃に冷却し、リン酸水溶液でpHを4.0に調整した。反応物を撹拌し、相を分離させた。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にした。有機相を減圧下で蒸発させて残渣を得た。残渣をジクロロメタンに溶解させ、この溶液にヘプタンを添加し、乾燥させて、(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミドを得た。
【0045】
[実施例11]:(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミドの調製方法
(S)-ベンジル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタラメート(100 g)を、酢酸エチルに溶解させ、耐圧フラスコに入れた。これに、炭素上のパラジウム(5 %, 1 g)を添加し、水素雰囲気(約2.8 Kg)下で水素化した。パラジウムを、濾過によって除去した。ろ液を水と混合し、アンモニア水を用いてpHを約9.0に調整した。この反応物を撹拌し、相を分離させた。水性相を、ジクロロメタンで洗浄し、ジクロロメタンを水性相に加えた。反応物を5℃に冷却し、リン酸水溶液でpHを4.0に調整した。反応物を撹拌し、相を分離させた。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にした。有機相を減圧下で蒸発させて残渣を得た。残渣をジクロロメタンに溶解させ、この溶液にペンタンを添加し、乾燥させて、(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミドを得た。
【0046】
[実施例12]:(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミドの調製方法
(S)-ベンジル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタラメート(100 g)を、酢酸エチルに溶解させ、耐圧フラスコに入れた。これに、炭素上のパラジウム(5 %, 1 g)を添加し、水素雰囲気(約2.8 Kg)下で水素化した。パラジウムを、濾過によって除去した。ろ液を水と混合し、アンモニア水を用いてpHを約9.0に調整した。この反応物を撹拌し、相を分離させた。水性相を、ジクロロメタンで洗浄し、ジクロロメタンを水性相に加えた。反応物を5℃に冷却し、リン酸水溶液でpHを4.0に調整した。反応物を撹拌し、相を分離させた。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にした。有機相を減圧下で蒸発させて残渣を得た。残渣をジクロロメタンに溶解させ、この溶液にヘキサンを添加し、乾燥させて、(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミドを得た。
【0047】
[実施例13]:(R)-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタレートの調製方法
(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミド(100 g)を、窒素雰囲気下で、メタノール(650 ml)に溶解させた。この反応物に、冷却下、ナトリウムメトキシド溶液(82.9 g)を添加した。次いで、反応物を、約25℃に加熱し、これに、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(100 g)をゆっくり添加した。この混合物を、25℃にて約20時間撹拌した。この反応物を、ジクロロメタンおよび希リン酸溶液の撹拌した混合物に、ゆっくり添加した。有機相を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、減圧下で蒸発させて、(R)-メチル3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタレートを得た。
【0048】
[実施例14]:(S)-ベンジル-3-ヒドロキシグルタラメートの調製方法
tert-ペンタノール(800 ml) に気体アンモニアを、約1.0〜1.5 mol飽和させた。これに、ジメチル-3-ヒドロキシグルタラメート(100 g)を添加し、続いて固定化したCAL-B (CAL-B-T1-AMD2)を3 g添加した。反応フラスコを閉じ、20〜25℃で撹拌した。反応が完結した後、酵素を濾過によって除去し、その酵素をtert-ペンタノール(100 ml)で洗浄した。ろ液を、減圧下、50℃未満の温度で蒸発させて、残渣を得た。ベンジルアルコール(131.0 g)、(S)-ベンジル-3-ヒドロキシグルタラメート(100 g)、およびテトライソプロピルオルトチタネート(17.5 g)のこの残渣混合物を、フラスコ内で混合した。この混合物を、減圧下、50〜60℃にて約5時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸イソプロピル(500 ml)で希釈した。反応混合物を、撹拌した酒石酸水溶液(370 mlのDM水中37 g)と500 mlの酢酸イソプロピルとの混合物に添加した。反応混合物を撹拌し、pHをアンモニア水溶液によって7.0〜8.0に調整した。相を分離させた。有機相を取出し、水性相を、酢酸イソプロピルで抽出した。合わせた有機相を、アンモニア水、酒石酸水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機相を、硫酸ナトリウムで無水にし、減圧下で蒸発させてオイルを得た。このオイルに、tert-ブチルメチルエーテル(800 ml)を添加し、撹拌し、冷却し、濾過し、乾燥させて、(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0049】
[実施例15]:(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミドの調製方法
(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメート(100 g)を、ジメチルホルムアミドに溶解さた。これに、イミダゾール(35 g)を添加し、溶液を5℃に冷却した。この溶液に、tert-ブチルジメチルシリルクロライド(68.5 g)をジメチルホルムアミド(250 ml)中に溶解させた溶液を、冷却下で添加した。混合物を20〜25℃に加温し、撹拌した。反応混合物を冷却し、水でクエンチした。この反応混合物に、酢酸エチルおよび水を添加し、撹拌した。相を分離させ、有機相を水で3回洗浄した。この有機相に、炭素上のパラジウム(5 %, 1 g)を添加し、水素雰囲気(約2.8 Kg)下で撹拌した。パラジウムを、濾過によって除去した。ろ液を水と混合し、アンモニア水を用いてpHを約9.0に調整した。この反応物を撹拌し、相を分離した。水性相を、ジクロロメタンで洗浄し、ジクロロメタンを水性相に加えた。反応物を5℃に冷却し、リン酸水溶液でpHを4.0に調整した。反応物を撹拌し、相を分離させた。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にした。有機相を減圧下で蒸発させて残渣を得た。残渣をジクロロメタンに溶解させ、この溶液にヘプタンを添加し、撹拌し、濾過し、乾燥させて、(S)-3-[tert-ブチルジメチルシリルオキシ]グルタル酸モノアミドを得た。
【0050】
[実施例16]:(S)-メチル-3-ヒドロキシグルタラメートの調製方法
tert-ペンタノール(200 ml) に気体アンモニアを周囲圧力にて飽和させた。これを周囲温度に冷却し、これに、CaLB-T1-AMD酵素(1.25 g)およびジメチル-3-ヒドロキシグルタレート(25.3 g)を添加した。得られた混合物を、マグネチックスターラーで18時間周囲温度(20〜21℃)にて穏やかに撹拌した。酵素を濾過によって除去し、tert-ペンタノール(25 ml)で洗浄した。この透明なろ液(200 g)を、減圧下、最高で50℃までの温度で濃縮して、淡褐色オイルを得た。このオイルを再びtert-ペンタノール(90 ml)に溶解させ、500 mlの容器に入れて機械的に撹拌した。これに、メチル(S)-3-ヒドロキシグルタラメート(10 mg)の種晶を添加しながら、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)をゆっくり添加した。この結晶懸濁液を氷浴で+5℃に冷却した。反応物を濾過し、MTBEで洗浄し、乾燥させて、(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0051】
[実施例17]:(S)-ベンジル-3-ヒドロキシグルタラメートの調製方法
(S)-メチル3-ヒドロキシグルタラメート(41.2 g)およびベンジルアルコール(54 g)を、250 mlフラスコに入れた。この混合物を減圧下で55℃に加熱して、透明な溶液を得た。これに、ニートのテトライソプロピルオルトチタネート(7.5 ml)を添加した。この混合物を、十分な減圧下、55〜58℃で撹拌した。この混合物を酢酸イソプロピルで希釈して、酒石酸水溶液(50 mlの水中7.5 g)および酢酸イソプロピル(200 ml)の混合物に添加した。有機相を取出し、水、NaHCO
3溶液、および塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで無水にし、蒸発させて、青色オイルを得た。加えて、水性相を酢酸エチルで抽出して無色オイルを得た。合わせた油状物質をMTBEと共に機械的に撹拌し、(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメートの種晶を添加した。この粘稠な懸濁液を、氷浴中で5℃に冷却し、15分間置いた後、濾過した。固体をMTBEおよびペンタン(50 ml)で洗浄した。得られたものを乾燥させて、(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメートを得た。
【0052】
[実施例18]:(S)-ベンジル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタラメートの調製方法
(S)-ベンジル3-ヒドロキシグルタラメート(49.5 g)を、無水ジメチルホルムアミド(50 ml)に溶解させ、固体イミダゾール(17.1 g)が入った500 mlのフラスコに添加した。これに、tert-ブチルジメチルシリルクロライド(34 g)をジメチルホルムアミド(120 ml)中に溶解させた溶液を添加し、反応フラスコを氷浴で冷却した。反応を、水を飽和させた酢酸エチルを添加することによってクエンチした(停止させた)。この混合物を周囲温度で撹拌した。これに、水を添加し、この2相の混合物を1時間撹拌した。次いで、混合物を水で洗浄した。有機相を混合し、水で洗浄して、痕跡量のジメチルホルムアミドを除去した。有機相を減圧下で蒸発させて、(S)-ベンジル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタラメートを得た。
【0053】
[実施例19]:(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミドの調製方法
(S)-ベンジル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタラメート(70 g)を、酢酸エチル(350 ml)に溶解させ、500 mlの耐圧ガラス容器に入れた。これに、無水の5% Pd/C (1.4 g)を、減圧下で添加し、水素ガスで2.7 bar圧力に加圧した。この混合物を機械的に撹拌しながら、水素源への連結を維持した。触媒を濾過により除去し、小容量の酢酸エチル(25 ml)で洗浄した。透明なろ液を水および希アンモニアと混合した。水性相を分離し、有機相を水で抽出した。合わせた水性相をMTBEで洗浄し、減圧下で脱気して痕跡量の有機溶媒を除去した。混合物を氷浴中に置いた。冷却された水性溶液を、希リン酸を用いて酸性にして、粘稠な懸濁液を得た。これを濾過し、冷水で洗浄し、乾燥させて、(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミドを得た。
【0054】
[実施例20]:(R)-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタレートの調製方法
(S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタル酸モノアミド(10 g)を、無水メタノール(90 ml)に溶解させ、アルゴン下に置いた。この混合物に、ナトリウムメトキシド溶液(8.6 g)を加えた。これに、ニートのジメチルホルムアミドジメチルアセタール(10 g)を加え、得られた混合物をアルゴン下、30℃にて16時間混合した。この混合物を冷却し、予め冷却しておいた酢酸エチル(150 ml)およびクエン酸水溶液(100 mlの水中の19 g)混合物に添加した。得られたこの均一な混合物に、円錐を添加した。有機相を水で2回洗浄し、塩水による洗浄および硫酸ナトリウムによって無水にした。この無水の溶液を注意深く蒸発させて、(R)-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)グルタレートを得た。