(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181105
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】無線周波数デバイスのための熱管理を提供する装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20170807BHJP
H01P 11/00 20060101ALI20170807BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20170807BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
H01P11/00
H04B1/3827
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-98419(P2015-98419)
(22)【出願日】2015年5月13日
(62)【分割の表示】特願2013-510324(P2013-510324)の分割
【原出願日】2011年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-181257(P2015-181257A)
(43)【公開日】2015年10月15日
【審査請求日】2015年6月12日
(31)【優先権主張番号】12/778,922
(32)【優先日】2010年5月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】エリック・スティーブン・マティス
【審査官】
橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−245869(JP,A)
【文献】
米国特許第06456249(US,B1)
【文献】
特開2007−317701(JP,A)
【文献】
特開2006−304290(JP,A)
【文献】
特開2001−230578(JP,A)
【文献】
特開2003−218729(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/012533(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスにおける熱管理のためのアンテナであって、
電気信号を送信するように構成されたアンテナ・ボディと、
前記アンテナ・ボディに結合された複数の取付け面と、ここで、前記複数の取付け面は、デバイスの表面に取付けられるように構成されており、前記複数の取付け面は、前記デバイスの表面と前記アンテナ・ボディとの間の1ワットあたり摂氏15度未満となる熱抵抗(Rth)を提供するように形成されており、
熱の伝達を容易にするために、前記複数の取付け面と前記デバイスの表面との間に結合される熱伝導性材料と、
を備え、
前記複数の取付け面は、それぞれ、1つ以上の接続タイプを利用して前記デバイスの表面に取付けられるように構成され、ここで、前記1つ以上の接続タイプの各々は、はんだ接続と、圧力接続と、容量結合接続とを含むセットから選択され、ここにおいて、前記1つ以上の接続タイプは複数の異なる接続タイプを有し、
ここにおいて、前記複数の取付け面は、1つ以上の取付けフットに結合され、前記1つ以上の取付けフットは、1つ以上の取付けレッグによって前記アンテナ・ボディに結合され、前記複数の取り付け面に関連づけられた複数の熱抵抗の各々を求めるために、前記1つ以上の接続タイプのうちの1つに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットのうちの1つに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグのうちの1つに関連づけられた熱抵抗とが加算され、前記複数の取付け面によって提供される前記熱抵抗を求めるために、前記複数の取付け面に関連づけられた前記複数の熱抵抗が並列抵抗として合計され、
ここにおいて、前記アンテナがPIFAアンテナを備え、前記アンテナ・ボディは、前記デバイスの表面の電力増幅器および他のコンポーネントのうちの少なくとも1つの上に突き出しているまたは一端が飛び出されており、
ここにおいて、前記複数の取付け面の1つは、信号用ソースに結合されており、前記複数の取付け面の別の1つは、信号用接地に結合されている、
アンテナ。
【請求項2】
前記1つ以上の接続タイプに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグに関連づけられた熱抵抗は、Rth=t/(k*A)から求められ、ここにおいて、tは熱の流れ方向の材料の厚みを表し、kは熱伝導パラメータであり、及び、Aは前記熱の流れ方向に対し垂直な前記材料の断面積である、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記1つ以上の接続タイプと、前記1つ以上の取付けフットと、前記1つ以上の取付けレッグは、摂氏温度で表された1ワットあたりの前記結果としてもたらされる熱抵抗が、15>Rth≧12,12>Rth≧10,10>Rth≧8,8>Rth≧6,6>Rth≧4,4>Rth≧2,2>Rth≧1,および1>Rth≧0.5を含む範囲のセットから選択された範囲となるような寸法にされる、請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
少なくとも1つの取付け面が、前記デバイスの表面と前記アンテナ・ボディとの間で、前記電気信号を伝導するように構成される、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
デバイスにおける熱管理のためのアンテナ装置であって、
電気信号を送信するためのアンテナ・ボディ手段と、
前記アンテナ・ボディ手段に結合された複数の取付け手段と、ここで、前記取付け手段は、前記デバイスの表面に取付けるためのものであり、前記複数の取付け手段は、前記デバイスの表面と前記アンテナ・ボディ手段との間の1ワットあたり摂氏15度未満となる熱抵抗を提供するように形成されており、
熱の伝達を容易にするために、前記複数の取付け手段と前記デバイスの表面との間に結合される熱伝導のための手段と、
を備え、
前記複数の取付け手段は、1つ以上の接続タイプを利用して前記デバイスの表面に取付けるためのものであり、ここで、前記1つ以上の接続タイプの各々は、はんだ接続と、圧力接続と、容量結合接続とを含むセットから選択され、ここにおいて、前記1つ以上の接続タイプは複数の異なる接続タイプを有し、
ここにおいて、前記複数の取付け手段は、前記デバイスの表面に取付けるための1つ以上の接続手段を備え、
ここにおいて、前記複数の取付け手段は、前記1つ以上の接続手段を支持するための1つ以上の取付けフット手段と、前記1つ以上の取付けフット手段を前記アンテナ・ボディ手段に取付けるための1つ以上の取付けレッグ手段とを備え、前記複数の取り付け手段に関連づけられた複数の熱抵抗の各々を求めるために、前記1つ以上の接続手段のうちの1つに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフット手段のうちの1つに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグ手段のうちの1つに関連づけられた熱抵抗とが加算され、前記複数の取付け手段によって提供される前記熱抵抗を求めるために、前記複数の取付け手段に関連づけられた前記複数の熱抵抗が並列抵抗として合計され、
ここにおいて、前記アンテナ装置がPIFAアンテナを備え、前記アンテナ・ボディ手段は、前記デバイスの表面の電力増幅器および他のコンポーネントのうちの少なくとも1つの上に突き出しているまたは一端が飛び出されており、
ここにおいて、前記複数の取付け手段の1つは、信号用ソースに結合されており、前記複数の取付け手段の別の1つは、信号用接地に結合されている、
アンテナ装置。
【請求項6】
前記接続手段と、前記取付けフット手段と、前記取付けレッグ手段は、摂氏温度で表された1ワットあたりの前記結果としてもたらされる熱抵抗が、15>Rth≧12,12>Rth≧10,10>Rth≧8,8>Rth≧6,6>Rth≧4,4>Rth≧2,2>Rth≧1,および1>Rth≧0.5を含む範囲のセットから選択された範囲となるような寸法にされる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
デバイスであって、
電力増幅器(PA)と、
前記電力増幅器からの電気信号を送信するように構成されたアンテナ・ボディと、
前記アンテナ・ボディに結合された複数の取付け面と、ここで、前記複数の取付け面は、デバイスの表面に取付けられるように構成されており、前記複数の取付け面は、前記デバイスの表面と前記アンテナ・ボディとの間の1ワットあたり摂氏15度未満となる熱抵抗(Rth)を提供するように形成されており、
熱の伝達を容易にするために、前記複数の取付け面と前記デバイスの表面との間に結合される熱伝導性材料と、
を備え、
前記複数の取付け面は、それぞれ、1つ以上の接続タイプによって前記デバイスの表面に取付けられるように構成され、ここで、前記1つ以上の接続タイプの各々は、はんだ接続と、圧力接続と、容量結合接続とを含むセットから選択され、ここにおいて、前記1つ以上の接続タイプは複数の異なる接続タイプを有し、
ここにおいて、前記複数の取付け面は、1つ以上の取付けフットに結合され、前記1つ以上の取付けフットは、1つ以上の取付けレッグによって前記アンテナ・ボディに結合され、前記複数の取り付け面に関連づけられた複数の熱抵抗の各々を求めるために、前記1つ以上の接続タイプのうちの1つに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットのうちの1つに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグのうちの1つに関連づけられた熱抵抗とが加算され、前記複数の取付け面によって提供される前記熱抵抗を求めるために、前記複数の取付け面に関連づけられた前記複数の熱抵抗が並列抵抗として合計され、
ここにおいて、前記デバイスがPIFAアンテナを備え、前記アンテナ・ボディは、前記デバイスの表面の前記電力増幅器および他のコンポーネントのうちの少なくとも1つの上に突き出しているまたは一端が飛び出されており、
ここにおいて、前記複数の取付け面の1つは、信号用ソースに結合されており、前記複数の取付け面の別の1つは、信号用接地に結合されている、
デバイス。
【請求項8】
前記1つ以上の接続タイプに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグに関連づけられた熱抵抗は、Rth=t/(k*A)から求められ、ここにおいて、tは熱の流れ方向の材料の厚みを表し、kは熱伝導パラメータであり、及び、Aは前記熱の流れ方向に対し垂直な前記材料の断面積である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の接続タイプと、前記1つ以上の取付けフットと、前記1つ以上の取付けレッグは、摂氏温度で表された1ワットあたりの前記結果としてもたらされる熱抵抗が、15>Rth≧12,12>Rth≧10,10>Rth≧8,8>Rth≧6,6>Rth≧4,4>Rth≧2,2>Rth≧1,および1>Rth≧0.5を含む範囲のセットから選択された範囲となるような寸法にされる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスの表面は、少なくとも1つの取付け面から120ミリメートル以内に配置された電力増幅器を備える回路基板である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記アンテナ・ボディは、前記デバイスの外部に露出して周囲の環境に熱エネルギーを放散する、請求項7に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般的に、無線通信システムの動作に関し、より詳細には、無線周波数デバイスのための熱管理を提供するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信デバイスは一般的に、無線周波数信号を送信して他のデバイスと通信するために、電力増幅器を使用する。電力増幅器は一般的に、最適な性能のために調整された板状逆Fアンテナ(PIFA:Planar Inverted F Antenna)のようなアンテナに結合される。しかしながら、高い電力レベルで信号を送信することは、デバイスが許容可能な動作温度よりも高い温度を経験する、という結果をもたらし得る。さらに、市場での競争力をつけるために無線デバイスを可能な限り小型化しなくてはならない必要性によって、電力密度が増大するという結果をもたらし、それは動作温度をさらに上昇させてきた。残念ながら、高温での動作によって、性能が低下する問題、または熱に関連する他の問題、たとえば、信頼性の低下やデータ・レートの減少、または接触温度が過度に高くなるといった結果をもたらし得る。
【0003】
上昇した動作温度に関連づけられた問題を克服するために、いくつかの技術が使用されてきた。1つの技術は、感度のよいコンポーネントを高温に曝すことを減少または制限するために、性能を抑制する(すなわち、データ・レート、送信電力、等を調節する)ことを含む。コンポーネントを冷却し、熱を放散するために使用されてきた他の技術は、熱伝導性を有するギャップ・フィラーを用いてデバイス内のエア・ギャップを満たすことと、基板の面積および/または製品のサイズを増大させることと、通気穴を追加することと、ファンを追加することと、を含む。
【0004】
残念ながら、上記技術は、動作温度を減少させるのに効果的でない場合もあり、または、材料コストの追加や、製品サイズの増加、またはデバイス性能の低下、といった結果をもたらし得る。たとえば、PIFAを利用するデバイスでは、ギャップ・フィラーは適切ではない。PIFAは一般的に、良好な性能のために、アンテナ素子と接地平面との間に、空気のような低損失誘電体を必要とするからである。
【0005】
したがって、上昇した動作温度に関連づけられた上記のごとくの問題を克服するメカニズムを有することにより、高性能かつコンパクトなデバイスの構成を可能にすることが所望されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書において説明される熱伝導アンテナ・システムの上記態様は、下記の説明を付属の図面とともに考慮しながら参照することにより、より容易に明らかとなるだろう。
【
図1】
図1は、熱伝導アンテナ・システムにしたがって構成された例示的なPIFAアンテナの三面図である。
【
図3】
図3は、熱伝導アンテナ・システムの実装とともに使用される例示的な回路基板を示す図である。
【
図4】
図4は、熱伝導アンテナ・システムにしたがって構成された例示的なデバイス・アセンブリを示す図である。
【
図5】
図5は、熱伝導アンテナ・システムに係る、熱抵抗と接触表面積との間の関係を示す例示的なグラフである。
【
図6】
図6は、熱伝導アンテナ・システムに係る、さまざまなアンテナ部分の熱抵抗の計算を示す例示的な表である。
【
図7】
図7は、熱伝導アンテナ・システムを備える例示的なデバイスを示す図である。
【
図8】
図8は、熱伝導アンテナ・システムにしたがって構成された例示的なアンテナ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、無線周波数(RF)デバイスのための熱管理を提供するように動作する熱伝導アンテナ・システムの実装が説明される。
【0008】
図1は、熱伝導アンテナ・システムにしたがって構成された例示的なPIFAアンテナ100の三面図を示す。正面
図102を参照すると、アンテナ・ボディ104と、伝導性を有する取付け面106を有する2つの取付けフット112とが示されている。アンテナ・ボディ104は、任意の特定の送信特性および/または受信特性を達成するための、任意の所望の幾何学的配置を有し得るPIFAアンテナを形成する。アンテナ・ボディ104は、電気信号の送信を実行するために、例えば銅のような金属で構成される。アンテナ・ボディ104はまた、熱伝導性を有する。取付けフット112と伝導性を有する取付け面106もまた、例えば金属のような熱伝導性材料から形成され、アンテナ・ボディ104に送信のための電気信号を伝導することができる。この熱伝導アンテナ・システムがPIFAアンテナとの使用のみに限定されないこと、そして、同システムが、他のタイプのアンテナ、たとえば、ホイップ・アンテナ、パッチ・アンテナ、メアンダ・パッチ・アンテナ、または他のタイプのアンテナとの使用に適していることにもまた注目されるべきである。
【0009】
端面
図108を参照すると、2つの取付け部材110が示されている。取付け部材110はまた、フィード・レッグおよびショート・レッグとも呼ばれる。フィード・レッグは、アンテナ・ボディ104に、送信される信号を供給する。ショート・レッグは一般的に、信号用接地に結合される。取付け部材110は、取付けフット112と伝導性を有する取付け面106とを、アンテナ・ボディ104から離間するように延長させ、アンテナ100を、回路基板または他の表面に、その表面上に取付けられ得る他のコンポーネントの妨げとならないように取付けることを可能にする役割を果たす。1つの実装において、取付け部材110と、取付けフット112と、伝導性を有する取付け面106は、アンテナ・ボディ104とともに形成され、連続する1つの熱伝導性ユニットを形成する。
【0010】
別の実装では、取付け部材110と、伝導性を有する取付け面106を有する取付けフット112とは、別々に形成され、熱伝導性を有する取付けメカニズムを使用してアンテナ・ボディ104に取付けられる。別々に形成される場合、取付け部材110と取付けフット112は、例えば金属のような熱伝導性材料から形成され、アンテナ・ボディ104に送信のための電気信号を伝導することもできる。したがって、伝導性を有する取付け面106が受けた熱エネルギーは、取付けフット112と取付け部材110とを介して、アンテナ・ボディ104へと移動することができる。
【0011】
側面
図112を参照すると、アンテナ・ボディ104、取付け部材110、取付けフット112、および熱伝導性を有する取付け面106の向きが、さらに示されている。
【0012】
1つの実装において、PIFAアンテナ100は、シート・メタルまたは銅から形成される。しかしながら、PIFAアンテナ100は、適切な熱品質および電気品質を有する任意の適切な材料から構成されることができる。他の実装では、アンテナ100は、個々のコンポーネントをフォト・エッチング、スタンピング、成形、アセンブリすること、または支持体にめっきすることによって、形成されることができる。
図1に見られるように、この特定の実施形態では、取付け部材110の寸法が2.5mm×5.0mm、取付けフット112の寸法が2.5mm×4.0mmであり、伝導性を有する取付け面106は、10mm
2の表面積を有している。アンテナ100の厚みは、0.25mmであるが、その他の厚みを持つさまざまなアンテナ部位が可能である。これらの寸法は、例示的なものであり、取付け部材110、取付けフット112、または伝導性を有する取付け面106のサイズを限定することを意図したものではない。
【0013】
熱伝導アンテナ・システムのさまざまな実装では、取付けフット112の寸法と、伝導性を有する取付け面106の寸法は、選択された表面積の値および/または選択された熱抵抗の値を提供するように選ばれる。取付け部材110の寸法もまた、選択された熱抵抗の値を提供するように選ばれる。取付け面106と、取付けフット112と、取付け部材110との組み合わせは、熱エネルギーが伝導性を有する取付け面106からアンテナ・ボディ104へと自由に流れることを可能にする熱抵抗の値の範囲を提供するように選択される。取付け面106と、取付けフット112と、取付け部材110とに関する、サイズの選択および熱抵抗の計算についてのより詳細な説明が、下記において提供される。
【0014】
動作中、PIFAアンテナ100は、電気信号を送信するためのアンテナとして動作するとともに、伝導性を有する取付け面が受けた熱を放散するためのヒート・シンクとしても動作する。たとえば、1つの実装では、PIFAアンテナ100は、ハンドヘルド・デバイスに組み込まれる際、アンテナ・ボディ104がデバイス外部の周囲の環境に露出し、伝導性を有する取付け面106がデバイス内部の回路基板と接触するように、組み込まれる。たとえば、伝導性を有する取付け面106は、デバイス電力増幅器に非常に近接して回路基板に結合される。伝導性を有する取付け面106は、熱を回路基板から奪って取付けフット112と取付け部材110とを介して伝導させ、熱エネルギーがアンテナ・ボディ104へと移動することを可能にするように動作する。そして、熱エネルギーは、アンテナ・ボディ104から周囲の環境へと放散する。PIFAアンテナ100のより詳細な説明が下記において提供される。
【0015】
図2は、アンテナ・ボディ104、取付け部材110、取付けフット112、および熱伝導性を有する取付け面106の配置および向きを示す、例示的なPIFAアンテナ100の斜視図を示す。取付け部材110の高さは、デバイスの外部ハウジングと、熱が放散される内部回路基板のようなデバイス内部の表面の位置との間の距離に対応するように、調節されることができる。
【0016】
図3は、熱伝導アンテナ・システムの実装とともに使用される例示的な回路基板300を示す。回路基板300は、コンポーネント間で信号をルーティングするために使用される1つ以上のレイヤ302または平面を備える。304によって一般的に示されたコンポーネントが、回路基板300上に取付けられ、レイヤ302のうちの1つ以上のレイヤ上の314によって一般的に示されたルーティング・トレースを利用して、互いに信号を通信する。コンポーネント306は、コンポーネント304のうちの1つ以上のコンポーネントの動作に影響し得る、回路基板の温度を上昇させる動作中に、熱を発生する電力増幅器であると想定されるだろう。たとえば、電力増幅器306は、送信のために電気信号を増幅する際に大量の熱を発生し得る。
【0017】
回路基板300はまた、取付けパッド308と取付けパッド310とを備える。この例では、取付けパッド308が回路基板300の接地平面に結合され、取付けパッド310がルーティング・トレース312に接続され、ルーティング・トレース312がさらに電力増幅器306の出力に接続されるものと想定されるだろう。したがって、取付けパッド308は、コンポーネント304および/または電力増幅器306の動作に因る熱の上昇を受ける回路基板300の接地平面への熱の通路を提供する。たとえば、回路基板300の上面上に配置され、かつ薄いマスク・レイヤによって覆われた接地平面に、取付けパッド308が直接接続されることができ、または、内部の接地平面に、1つ以上の接続ビアによって取付けパッド308が接続されることができる。取付けパッド310は、電力増幅器が送信のために信号を増幅する際にも熱の上昇を受ける電力増幅器306の出力への通路を提供する。1つの実装では、電力増幅器306は、取付けパッド308と取付けパッド310とのうちの少なくとも1つから120mm以内に配置される。
【0018】
熱伝導アンテナ・システムの1つの実装では、PIFAアンテナ100は、伝導性を有する2つの取付け面106が取付けパッド308と取付けパッド310とにそれぞれ接続されるように、回路基板300に取付けられる。たとえば、フィード・レッグに関連づけられた伝導性を有する取付け面106は、パッド310に取付けられ、ショート・レッグに関連づけられた伝導性を有する取付け面106は、パッド308に取付けられる。この配置により、電力増幅器306からの電気信号は、送信のためにフィード・レッグによりPIFAアンテナへと結合されることが可能になる。
【0019】
さらに、回路基板の動作中にコンポーネント304および/または電力増幅器306に起因して発生した熱エネルギーは、接地平面から、ショート・レッグに関連づけられた伝導性を有する取付け面106へと放散することができるので、PIFAアンテナ・ボディ104により周囲の環境へと放散されることができる。このように、熱伝導アンテナ・システムが熱エネルギーを回路基板から奪って伝導させることにより、回路基板は、より低い温度で動作することが可能になり、これにより、より高い温度での動作に関連づけられた問題を回避することが可能になる。
【0020】
図4は、熱伝導アンテナ・システムにしたがって構成された例示的なデバイス・アセンブリ400を示す。デバイス・アセンブリ400は、回路基板300に結合されたPIFAアンテナ100を備える。局部402は、回路基板300に対するアンテナ100の結合をさらに詳細に示したものである。
【0021】
局部402は、回路基板300と、回路基板の取付けパッド308と、取付けフット112と、伝導性を有する取付け面106とを示す。1つの実装では、伝導性を有する取付け面106は、回路基板の取付けパッド308にはんだ付けされる。別の実装では、伝導性を有する取付け面106は、回路基板の取付けパッド308に容量結合される。容量結合の場合、アンテナの性能に対し適切な誘電特性を有する熱伝導性材料404が、取付けパッド308と伝導性を有する取付け面106との間に使用され、熱の伝達と適切なアンテナの性能とを容易にする。さらなる別の実装では、伝導性を有する取付け面106は、ネジまたは何らかの他の取付け手段を使用して回路基板の取付けパッド308に対してプレスされ、圧力結合を形成する。
【0022】
動作中、例えば電力増幅器306のような回路基板300のコンポーネントの動作によって発生した熱は、取付けパッド308と取付け面106との結合を介して、PIFAアンテナ100へと伝導される。そして、この熱エネルギーは、熱の流れを示した線406によって示されているように、取付けフット112と、取付け部材110と、アンテナ・ボディ104とを介して、周囲の環境へと放散される。すなわち、PIFAアンテナ100は、2つの機能を提供するように動作する。1つは、電気信号の送信であり、もう1つは、回路基板300からの熱の放散である。これにより、回路基板はより低い温度で動作することが可能になり、それによって、性能を抑制することや通気穴またはファンを追加することといった、熱の蓄積に対応するための技術を用いることが不要になる。
【0023】
図5は、熱伝導アンテナ・システムに係る、伝導性を有する取付け面106の熱抵抗(R
th)と接触表面積(A)との間の関係を示す例示的なグラフ500を示す。グラフ500の縦軸は、摂氏温度で表された1ワットあたりの熱抵抗を表し、グラフ500の横軸は、平方ミリメートルで表された伝導性を有する取付け面106の合計熱伝導表面積を表す。
【0024】
グラフ500は、伝導性を有する取付け面106の合計表面積が増加すると、熱抵抗がどれだけ減少するかを示すパイロット・ライン502を含む。特定の表面積と、関連づけられた熱抵抗とを示す3点(504、506、および508)が示されている。たとえば、点504では、第1の表面積(A1)が、第1の熱抵抗(R
th1)に対応し、点506および508では、表面積A2およびA3が、R
th2およびR
th3にそれぞれ対応している。このように、所与の接触表面積に対し、対応する熱抵抗が求められることができる。
【0025】
<熱抵抗の計算>
熱伝導アンテナ・システムのさまざまな実装において、伝導性を有する取付け面106と回路基板の表面との間の接続の熱抵抗と、取付けフット112の熱抵抗と、取付け部材110の熱抵抗との合計に基づいて、結果としてもたらされる熱抵抗が求められる。下記の式が、アンテナの上記部分の各々の熱抵抗を求めるために使用されることができる。
【数1】
【0026】
上記の式において、R
thは、摂氏温度で表された1ワットあたりの熱抵抗であり、tは、熱の流れ方向の材料の厚み(mm)を表し、kは、材料に対する熱伝導パラメータであり、Aは、熱の流れに対し垂直な材料の断面積(mm
2)である。したがって、例えば回路基板300のような表面からアンテナ・ボディ104までの、結果としてもたらされる熱抵抗は、3つのコンポーネント、すなわち、回路基板と伝導性を有する取付け面106との間の接続と、取付けフット112と、取付け部材110との熱抵抗を合計することによって、求められることができる。
【0027】
図6は、
図402に示したアンテナの各部位について計算された熱抵抗を示した例示的な表600を示す。たとえば、各アンテナ部位602についての熱抵抗604が、t606、k608、長さ(L)610、幅(W)612、および面積(A)614についての特定の値を使用して、上記の式に基づき計算される。
【0028】
表600において見られるように、はんだ接続に関し、特定のサイズの2つのはんだ接続タイプについての熱抵抗が、616において示されている。容量結合接続に関しては、3つの異なる熱インタフェース材料についての熱抵抗が、618において示されている。特定のサイズの3つの取付けフット材料についての熱抵抗が、620において示され、特定のサイズの3つの取付けレッグ材料についての熱抵抗が622において示されている。
【0029】
このように、さまざまな実装において、結果としてもたらされるアンテナ100の熱抵抗は、取付け面106と回路基板との間の接続の熱抵抗(616または618のいずれか)と、取付けフット112の材料およびサイズに基づいた熱抵抗(620)と、取付け部材(またはレッグ)の材料およびサイズに基づいた熱抵抗(622)とを含む。これは、1つの取付け面と、関連づけられた構造的なコンポーネントとについての熱抵抗を表している。2つの取付け面がアンテナ100によって提供される場合、結果としてもたらされる熱抵抗は、2で除算される。
【0030】
表1は、アンテナ100の測定値と表600において提供された他の情報とに基づいた、熱伝導アンテナ・システムの例示的なアンテナの実装において提供される熱抵抗についての値を示す。たとえば、このアンテナの実装は、結果としてもたらされる熱抵抗を求めるために合算される、接続のタイプと、フットのタイプと、レッグのタイプとを備える。複数の取付け面を有するアンテナは、複数の接続のタイプと、複数のフットのタイプと、複数のレッグのタイプとを有するであろうし、結果としてもたらされる熱抵抗は、すべてのアンテナ・コンポーネントに関連づけられた熱抵抗の合計から求められることができる。たとえば、複数の熱経路の、結果としてもたらされる熱抵抗を求めるために、それらの経路の熱抵抗は、結果としてもたらされる電気抵抗を求めるために電気抵抗が合計される手法と同様の手法で合計される。たとえば、結果としてもたらされる電気抵抗を求めるために、直列抵抗が加算される。結果としてもたらされる電気抵抗を求めるために、2つの並列抵抗が(R1
*R2)/(R1+R2)によって合計される。表1は一例にすぎず、異なる接続のタイプと、フットのタイプと、レッグのタイプとを有する他の実装が可能であることに注意すべきである。
【表1】
【0031】
アンテナ100は2つの取付け面を備えているので、結果としてもたらされる熱抵抗は、各々の面に関連づけられた熱抵抗の合計になるだろう。最終結果は、2で除算することにより求められることができ、すなわち、所与の寸法に基づいた、結果としてもたらされるアンテナ100についての熱抵抗は、10.8であるという意味である。したがって、上記の仕様および寸法に基づいた、熱伝導アンテナ・システムの実装によって提供される熱抵抗の上限は、15℃/ワットという値に設定される。
【0032】
アンテナ100によって提供される伝導性を有する取付け面106は2つだが、このシステムは、どんな数の、伝導性を有する取付け面、関連づけられるフット構造、レッグ構造との使用にも適している。これらの構造の寸法が、結果としてもたらされる最終熱抵抗を求めるために使用される。たとえば、1つの実装では、アンテナ100は、1つの取付け面のみを有するように構成される。別の実装では、アンテナ100は、3つ以上の取付け面を有するように構成される。このように、任意の数の取付け面、関連づけられたフット構造、レッグ構造が提供されることができ、上記の式を使用して、各部分についての熱抵抗が求められ、すべての取付け面および関連づけられた構造を考慮して、結果としてもたらされる熱抵抗が求められる。たとえば、1つの取付け面を有するアンテナが、結果としてもたらされる抵抗R
thを有し得る一方で、同一の2つの取付け面および関連づけられた構造を有するアンテナは、R
th/2の熱抵抗を有するだろう。
【0033】
1つの実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏12度以上、かつ1ワットあたり摂氏15度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏10度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏12度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏8度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏10度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏6度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏8度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏4度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏6度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏2度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏4度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏1度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏2度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。別の実装では、アンテナ100は、1ワットあたり摂氏0.5度より大きく、かつ1ワットあたり摂氏1度未満の熱抵抗を提供するような寸法にされる。
【0034】
図7は、通信ネットワーク700と、熱伝導アンテナ・システムを備える例示的なデバイス702とを示す。通信ネットワーク700は、任意のタイプの有線通信ネットワークおよび/または無線通信ネットワークであることができるネットワーク704を備える。ネットワーク704は、無線伝送リンク708を使用してデバイス702と通信するように動作する通信サーバ706を備える。1つのデバイスしか示されていないが、通信サーバ706は、任意の数のデバイスと無線通信することができるということに注意すべきである。
【0035】
デバイス702は、熱伝導アンテナ・システムによって構成され、
図1に示したPIFAアンテナ100を備える。たとえば、デバイス702の背面
図710は、熱の放散を可能にするためにPIFAアンテナ100が周囲の環境に露出していることを示している。デバイス702の側面
図712には、電力増幅器306と、結合部402と、デバイスの外部に延長し、周囲の環境に露出したPIFAアンテナ100とともに、内部回路基板300が示されている。アンテナ100の各部位についての、上述した熱抵抗の計算が、結合のサイズおよびタイプと、フットのサイズおよび材料と、レッグのサイズおよび材料とに基づいて実行され、結果としてもたらされる熱抵抗が求められる。たとえば、熱抵抗は、表1に示された実装に対応し得る。
【0036】
動作中、回路基板、電力増幅器、および関連づけられたコンポーネントは、熱を発生する。たとえば、回路基板300上の電力増幅器306は、通信サーバ706に信号を送信する際に、熱を発生する。熱エネルギーは、取付けパッド308および310からPIFAアンテナ100の伝導性を有する取付け面106へと移動し、取付けフット112と、取付けレッグ110と、PIFAアンテナ・ボディ104とを介して、周囲の環境へと放散される。したがって、回路基板300およびそれに関連づけられたコンポーネントの温度は、性能の抑制または他の熱補償技術を使用しなくても、管理されることができる。
【0037】
図8は、熱伝導アンテナ・システムにしたがって構成された例示的なアンテナ装置800を示す。1つの実装では、アンテナ装置800は、金属または他の熱伝導性材料を含む。
【0038】
アンテナ装置800は、電気信号を送信するためのアンテナ・ボディ手段(802)を備える。アンテナ・ボディ手段802は、PIFAアンテナ、ホイップ・アンテナ、パッチ・アンテナ、メアンダ・パッチ・アンテナ、または任意の他のタイプのアンテナであることができる。アンテナ装置800はまた、アンテナ・ボディ手段802をデバイスの表面に結合するための取付け手段(804)を備える。1つの実装では、取付け手段804は、金属または他の熱伝導性材料を含む、取付け部材手段806と、取付けフット手段808とを備える。取付けフット手段は、はんだまたは熱伝導性材料を含む接続手段812を使用してアンテナ装置800を回路基板のような表面に取付けるための、取付け面810を備える。アンテナ装置800によって提供される、結果としてもたらされる熱抵抗は、接続手段812の熱抵抗と、取付けフット手段808の熱抵抗と、取付け部材手段808の熱抵抗とに基づく。1つ以上の実装において、熱抵抗は、1ワットあたり摂氏15度未満である。
【0039】
開示された態様の説明は、本発明を製造または使用することをいずれの当業者にも可能にさせるために提供されている。これらの態様に対するさまざまな変更は、当業者に容易に理解されることができ、ここで定義された一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱せずに、他の態様に適用されることができる。したがって、本発明は、ここに示された態様に限定されることは意図しておらず、ここに開示された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が付与されるべきである。「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または実例としての役割を果たす」という排他的な意味で用いられる。「例示的」なものとしてここに説明される任意の態様は、必ずしも、他の態様よりも好ましい、または利点を有するものと解釈されるべきではない。
【0040】
したがって、熱伝導アンテナ・システムの態様が本明細書に示され説明されたが、それらの態様に対するさまざまな変更が、それらの精神または本質的な特徴から逸脱せずに行われ得ることが理解されるだろう。したがって、本明細書における開示および説明は、下記の請求項に記載された本発明の範囲を限定するものではなく、その一例であることが意図される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
デバイスにおける熱管理のためのアンテナであって、
電気信号を送信するように構成されたアンテナ・ボディと、
前記アンテナ・ボディに結合された1つ以上の取付け面と、ここで、前記1つ以上の取付け面は、デバイスの表面と前記アンテナ・ボディとの間の、結果としてもたらされる熱抵抗(Rth)が、1ワットあたり摂氏15度未満となるように、前記デバイスの表面に取付けられるように構成される、
を備えるアンテナ。
[2]
前記1つ以上の取付け面は、それぞれ、1つ以上の接続タイプを利用して前記デバイスの表面に取付けられるように構成され、ここで、前記1つ以上の接続タイプの各々は、はんだ接続と、圧力接続と、容量結合接続とを含むセットから選択される、上記[1]に記載のアンテナ。
[3]
前記1つ以上の取付け面は、1つ以上の取付けフットに結合され、前記1つ以上の取付けフットは、1つ以上の取付けレッグによって前記アンテナ・ボディに結合され、前記結果としてもたらされる熱抵抗は、前記1つ以上の接続タイプに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグに関連づけられた熱抵抗との合計である、上記[2]に記載のアンテナ。
[4]
前記1つ以上の接続タイプに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグに関連づけられた熱抵抗は、Rth=t/(k*A)から求められる、上記[3]に記載のアンテナ。
[5]
前記1つ以上の接続タイプと、前記1つ以上の取付けフットと、前記1つ以上の取付けレッグは、摂氏温度で表された1ワットあたりの前記結果としてもたらされる熱抵抗が、15>Rth≧12,12>Rth≧10,10>Rth≧8,8>Rth≧6,6>Rth≧4,4>Rth≧2,2>Rth≧1,および1>Rth≧0.5を含む範囲のセットから選択された範囲となるような寸法にされる、上記[4]に記載のアンテナ。
[6]
少なくとも1つの取付け面が、前記デバイスの表面と前記アンテナ・ボディとの間で、前記電気信号を伝導するように構成される、上記[1]に記載のアンテナ。
[7]
前記アンテナ・ボディは、PIFAアンテナ、ホイップ・アンテナ、パッチ・アンテナ、またはメアンダ・パッチ・アンテナのうちの1つを形成する、上記[1]に記載のアンテナ。
[8]
デバイスにおける熱管理のためのアンテナ装置であって、
電気信号を送信するためのアンテナ・ボディ手段と、
前記アンテナ・ボディ手段に結合された取付け手段と、ここで、前記取付け手段は、デバイスの表面と前記アンテナ・ボディ手段との間の、結果としてもたらされる熱抵抗が、1ワットあたり摂氏15度未満となるように、前記デバイスの表面に取付けるためのものである、
を備えるアンテナ装置。
[9]
前記取付け手段は、前記デバイスの表面に取付けるための接続手段を備える、上記[8]に記載の装置。
[10]
前記取付け手段は、前記接続手段を支持するための取付けフット手段と、前記取付けフット手段を前記アンテナ・ボディ手段に取付けるための取付けレッグ手段とを備え、前記結果としてもたらされる熱抵抗は、前記接続手段に関連づけられた熱抵抗と、前記取付けフット手段に関連づけられた熱抵抗と、前記取付けレッグ手段に関連づけられた熱抵抗との合計である、上記[9]に記載の装置。
[11]
前記接続手段と、前記取付けフット手段と、前記取付けレッグ手段は、摂氏温度で表された1ワットあたりの前記結果としてもたらされる熱抵抗が、15>Rth≧12,12>Rth≧10,10>Rth≧8,8>Rth≧6,6>Rth≧4,4>Rth≧2,2>Rth≧1,および1>Rth≧0.5を含む範囲のセットから選択された範囲となるような寸法にされる、上記[10]に記載の装置。
[12]
デバイスであって、
電力増幅器(PA)と、
前記電力増幅器からの電気信号を送信するように構成されたアンテナ・ボディと、
前記アンテナ・ボディに結合された1つ以上の取付け面と、ここで、前記1つ以上の取付け面は、デバイスの表面と前記アンテナ・ボディとの間の、結果としてもたらされる熱抵抗(Rth)が、1ワットあたり摂氏15度未満となるように、前記デバイスの表面に取付けられるように構成される、
を備えるデバイス。
[13]
前記1つ以上の取付け面は、それぞれ、1つ以上の接続タイプによって前記デバイスの表面に取付けられるように構成され、ここで、前記1つ以上の接続タイプの各々は、はんだ接続と、圧力接続と、容量結合接続とを含むセットから選択される、上記[12]に記載のデバイス。
[14]
前記1つ以上の取付け面は、1つ以上の取付けフットに結合され、前記1つ以上の取付けフットは、1つ以上の取付けレッグによって前記アンテナ・ボディに結合され、前記結果としてもたらされる熱抵抗は、前記1つ以上の接続タイプに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグに関連づけられた熱抵抗との合計である、上記[13]に記載のデバイス。
[15]
前記1つ以上の接続タイプに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けフットに関連づけられた熱抵抗と、前記1つ以上の取付けレッグに関連づけられた熱抵抗は、Rth=t/(k*A)から求められる、上記[14]に記載のデバイス。
[16]
前記1つ以上の接続タイプと、前記1つ以上の取付けフットと、前記1つ以上の取付けレッグは、摂氏温度で表された1ワットあたりの前記結果としてもたらされる熱抵抗が、15>Rth≧12,12>Rth≧10,10>Rth≧8,8>Rth≧6,6>Rth≧4,4>Rth≧2,2>Rth≧1,および1>Rth≧0.5を含む範囲のセットから選択された範囲となるような寸法にされる、上記[15]に記載のデバイス。
[17]
前記デバイスの表面は、少なくとも1つの取付け面から120ミリメートル以内に配置された電力増幅器を備える回路基板である、上記[12]に記載のデバイス。
[18]
前記アンテナ・ボディは、前記デバイスの外部に露出して周囲の環境に熱エネルギーを放散する、上記[12]に記載のデバイス。
[19]
前記アンテナ・ボディは、PIFAアンテナ、ホイップ・アンテナ、パッチ・アンテナ、またはメアンダ・パッチ・アンテナのうちの1つを形成する、上記[12]に記載のデバイス。
[20]
前記デバイスは、ハンドヘルド・デバイスである、上記[12]に記載のデバイス。