【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、複数種類の図柄を変動表示可能な表示装置17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
【0017】
図1に示す如く、前記前枠13には、窓口13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0018】
また、前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで前記打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。
【0019】
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側に前記表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、
図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール21によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域23が画成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域23内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20の裏側に、該遊技盤20との間に収容空間を画成する設置部材(収容空間画成部材)22が配設されており、該収容空間に、発光により演出を行う発光演出装置や、後述する可動体46の動作により演出を行う可動演出装置43,44等の各種演出手段が設置される。なお、前記表示装置17は、設置部材22の裏側に取り付けられて、該設置部材22に設けた開口部(可視部)22aおよび枠状装飾体34(後述)の開口部34aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0020】
前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域23内に複数開設されて、各装着口に対して各種遊技構成部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域23の最下部位置には、該遊技領域23に開口するアウト口28が開設されており、遊技領域23に打ち出されてアウト口28に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域23内に多数の遊技釘29が設けられると共に、後述する枠状装飾体34の左側方に、遊技領域23を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材30が回転自在に支持されており、遊技釘29や回転案内部材30との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材30は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材30の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種遊技構成部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0021】
前記遊技盤20には、
図2,
図3に示す如く、前記案内レール21で囲まれた遊技領域23の略中央の大部分が開口する装着口に、前後に開口する開口部34aが形成された枠状装飾体34が取り付けられ、該枠状装飾体34の開口部34aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、遊技盤20には、枠状装飾体34の外側における遊技領域23に臨む位置に、該遊技領域23を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞部31が配設されており、始動入賞部31の始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として、所定数のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿14,15に払い出されると共に前記表示装置17の表示部17aにおいて図柄変動演出が開始されるようになっている。また、枠状装飾体34に、特別入賞部32が配設されている。そして、表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17の表示部17aに所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより特別入賞部32へのパチンコ球の入賞が許容されて多数の賞球を獲得し得るようになっている。
【0022】
(設置部材22について)
前記設置部材22は、
図3に示す如く、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材22とがネジにより固定される。そして、設置部材22において遊技盤20との間に画成される収容空間に、各種の発光演出装置や可動演出装置43,44等の演出手段が設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材22の背面板には、前記枠状装飾体34の開口部34aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部22aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0023】
(枠状装飾体34について)
前記遊技盤20に配設される前記枠状装飾体34は、
図2,
図3に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部35と、該枠状基部35に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域23と表示装置17の表示部17aを区切って該遊技領域23の内周を画成する庇状部36と、該庇状部36の後縁から外方に延出する薄板状の台板部37とを備える。そして、前記枠状基部35を装着口に挿入すると共に台板部37を遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部37をネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体34が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部36は、
図2に示す如く、前記枠状装飾体34(枠状基部35)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って延在するように設けられており、開口部34a側、すなわち表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
【0024】
前記枠状装飾体34には、
図2,
図3に示す如く、前記開口部34aの下側に、ステージ39が配設されると共に、開口部34aの左側に、遊技領域23に開口して該遊技領域23を流下するパチンコ球を取り込んでステージ39に案内する球導入部40が設けられ、該球導入部40からステージ39に通出されたパチンコ球は、ステージ39上を左右に転動した後に、前記始動入賞部31が配設されている遊技領域23に排出される。またステージ39の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁41が設けられ、ステージ39上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁41で防止している。実施例では、枠状装飾体34の開口部34aの略全体を塞ぐ透明パネル42が、該開口部34aの内側に配設されて、該透明パネル42を介して表示装置17の表示部17aが前側に臨むよう構成される。なお、透明パネル42として、凹凸により文字等の図柄が形成された乱反射領域を有し、該透明パネル42の端面から発光体の光をパネル内に導入することで、該光が乱反射領域で乱反射して図柄が発光表示されるものが採用されている。
【0025】
(可動演出装置43,44について)
図3に示すように、前記設置部材22の背面板における開口部22aの左側前面に、第1可動演出装置(演出装置)43が配設されると共に、背面板における開口部22aの右側前面に、第2可動演出装置44(演出装置)が配設されている。第1可動演出装置43および第2可動演出装置44は、基本的な構成は同じであるので、第1可動演出装置43についてのみ説明し、第2可動演出装置44の対応する部材や部位には同じ符号を付すものとする。第1および第2可動演出装置43,44は後述する発光体60,61を備え、該発光体60,61を発光することで発光演出を行い得るよう構成されている。
【0026】
前記第1可動演出装置43は、設置部材22にネジ等により配設固定された支持基体45と、該支持基体45に支持されて該支持基体45の前側を左右方向(遊技盤20の盤面に沿う方向)に移動自在な可動体46とを備える。支持基体45には、
図4に示す如く、左右方向に延在するガイド47,47が上下方向に離間して平行に配設されており、両ガイド47,47に可動体46が移動自在に支持されている。可動体46は、支持基体45に配設された駆動モータにより作動される作動機構(何れも図示せず)に連繋されており、駆動モータを正転および逆転することで、可動体46は、前記枠状装飾体34における開口部34aの中央側の第1位置(
図2の二点鎖線位置)および開口部34aの中央側から第1位置より離れる第2位置(
図2の実線位置)の間を直線的に往復移動するよう構成される。実施例では、第1位置において可動体46の略全体が開口部34aから前側に臨むと共に、第2位置では可動体46の一部(第1可動演出装置43は右端部、第2可動演出装置44は左端部)が開口部34aから前側に臨んで、その他の部分が遊技盤20の後側に重なるように設定されている。すなわち、可動体46が第2位置に位置する状態では、枠状装飾体34の開口部34aから一部のみが露出し、該可動体46が第1位置に移動することで、枠状装飾体34の開口部34aから略全体が露出して演出効果を高め得るようになっている。
【0027】
(可動体46について)
前記可動体46は、
図6,
図7に示す如く、装飾体(装飾部)48と、該装飾体48の裏側に配設された光拡散部材49と、該光拡散部材49の裏側に配設された発光基板50と、該発光基板50の裏側に配設された支持部材51とを備える。支持部材51には、上下位置に案内体52,52が配設されて(
図5参照)、可動体46は、支持部材51の両案内体52,52が前記ガイド47,47で支持された状態で第1位置と第2位置との間を移動するよう構成される。また、可動体46は、装飾体48と光拡散部材49との間に光透過性の装飾シート53を備えている。
【0028】
(装飾体48について)
前記装飾体48は、光透過性の合成樹脂材から形成された全体が透光性の部材であって、平板状の前壁部(板壁部)54と、該前壁部54の外周縁から裏側に延出(突出)するよう形成された外周壁部55とから、後方に開放するトレー状に形成されている。実施例では、装飾体48は透明であって、前記前壁部54の裏側に、前記装飾シート53が位置して、該装飾シート53の前面に描かれた意匠が前壁部54を透して前側から視認可能に構成されている。そして、前記発光基板50に設けられた後述する第1発光体60を発光することで、装飾シート53の意匠が裏側から照らされて演出効果を向上し得るようになっている。
【0029】
前記装飾体48における前壁部54の裏面には、
図7に示す如く、前記支持部材51がネジ止めされる複数のボス54aが後方に向けて突設されている。各ボス54aは、略円柱状に形成されると共に、後端に開口するネジ孔が形成されており、前記装飾シート53、光拡散部材49および発光基板50に対応して設けられる挿通孔53a,49a,50aにボス54aを挿通した状態で、該ボス54aの後端に支持部材51をネジ止め固定することで、装飾シート53、光拡散部材49および発光基板50は前壁部54と支持部材51とで挟持された状態で位置決めされるよう構成される。
【0030】
ここで、前記装飾シート53は、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクタを全体で表わす形状に形成されて、該装飾シート53の外形形状と前記装飾体48の前壁部54における外周壁部55で囲われた内側の領域(対向領域)の形状とが略一致している。すなわち、装飾体48における前記第1位置において枠状装飾体34の開口部34a中央側に向く端縁(第1可動演出装置43では右端縁、第2可動演出装置44では左端縁)は、
図2,
図4等に示す如く、直線部分と湾曲部分とを組み合わせて左右方向に凹凸のある形状に形成されて、特徴的なデザインとなっている。そこで、以後の説明において、装飾体48における特徴的な端縁を形成する前記外周壁部55について、演出用外周壁部55aと指称して他の外周壁部55と区別する場合がある。なお、演出用外周壁部55aおよび該演出用外周壁部55aが裏側に延出する前壁部54の前面(表側)には、後述する第2発光体61から照射された光の反射および拡散作用を備える反射部63および発光面62が設けられているが、該反射部63および発光面62については、第2発光体61との関係で後述する。
【0031】
(光拡散部材49について)
前記光拡散部材49は、光透過性(実施例では透明)の合成樹脂材から前記装飾シート53の外形状状と同じ外形形状に形成された板状の部材であって、前記装飾体48の各ボス54aと対応する位置に、該ボス54aが挿通可能な挿通孔49aが前後方向に貫通するように形成されている。そして、各挿通孔49aに対応するボス54aを挿通することで、当該光拡散部材49が装飾体48に対して位置決めされて、該光拡散部材49の前面と装飾体48における前壁部54の裏面との間に前記装飾シート53を挟持するよう構成される(
図11参照)。また、光拡散部材49は、前記装飾体48に収容されて、該光拡散部材49の外周縁が、装飾体48における外周壁部55(演出用外周壁部55aを含む)の内側面に対向するよう構成される。
【0032】
前記光拡散部材49の前面は、全体が凹凸のない平坦面に形成されている。これに対し、光拡散部材49の後面には、
図8,
図9に示す如く、外周縁に沿って後方に突出する周壁部49bが形成されており、該周壁部49bで囲われた領域に、凹凸による光拡散処理が施されている。また、光拡散部材49の裏面には、前記発光基板50の前面(表面)に実装された後述する各第1発光体60に対応する位置に、後方に開口する収容部56が凹設されている。実施例では、
図8に示す如く、左右方向(可動体46に往復移動方向)に離間して上下方向に略列をなすように収容部群が設けられており、当該光拡散部材49における前記装飾体48の演出用外周壁部55aから最も離間する収容部群の各収容部56が周壁部49bの形成位置に設けられるのに対し、他の収容部群の各収容部56は、光拡散処理が施された領域(以後、光拡散処理領域と指称する場合がある)内に設けられている。そして、光拡散処理領域内に設けられた各収容部56は、当該光拡散処理領域内の裏面より後方に周壁部49bと同一レベルで突出する画壁57の内側に形成されている。すなわち、周壁部49bおよび画壁57の後面位置は揃っており、該周壁部49bおよび画壁57の後面に発光基板50の前面を当接した状態で、該発光基板50の前面と光拡散処理領域の裏面との間に隙間を画成するよう構成される(
図11参照)。
【0033】
前記各収容部56の内部前面を画成する壁には、凹凸による光拡散処理が施された内拡散部58が設けられている。この内拡散部58は、
図9に示す如く、断面三角形状で可動体46の往復移動方向に延在する拡散凸部58aを、可動体46の往復移動方向と交差する方向(実施例では上下方向)に複数並列に設けて構成されている。また、前記光拡散処理領域には、各収容部56に対応して外拡散部59が設けられており、該外拡散部59は、対応する収容部56を基点として前記演出用外周壁部55a側に凸となる弧状の拡散凸部59aを可動体の往復移動方向に複数並列に設けて構成されており、収容部56に収容された第1発光体60からの光を、光拡散処理領域の面に沿う方向において対応する収容部56から上下方向に広がるように拡散して外拡散部59の全体が明輝し得るよう構成される。また、外拡散部59における各拡散凸部59aは、
図11に示す如く、対応する収容部56から離間するにつれて高さ寸法(前後寸法)が大きくなるよう設定される。なお、実施例では、光拡散処理領域の壁に溝を形成することで拡散凸部59aが形成されており、各溝の深さを、収容部56から離間するにつれて深く形成することで、各拡散凸部59aの高さ寸法を異ならせている。従って、実施例の外拡散部59を構成する各拡散凸部59aの後端の位置は同じで、該拡散凸部59aの前端位置が収容部56から離間するにつれて前側に変位している。
【0034】
ここで、前記周壁部49bおよび画壁57には光拡散処理は施されておらず、外拡散部59で拡散する光は周壁部49bおよび画壁57の位置では拡散することなく透過して、該周壁部49bおよび画壁57は明輝しないよう構成される。また、各外拡散部59は、隣接する外拡散部59との境界において当該外拡散部59で拡散する光の拡散が規制されて、収容部56に収容されている第1発光体60からの光を、対応する外拡散部59でのみ拡散して、隣接する他の外拡散部59へ光が漏れるのを抑制し得るようになっている。すなわち、第1発光体60を個々に発光制御することで、対応する外拡散部59のみを明輝し得るよう構成されている。
【0035】
(発光基板50について)
前記発光基板50は、非光透過性の材料によって前記光拡散部材49と略同じ外形形状に形成されると共に、前記装飾体48の各ボス54aと対応する位置に、該ボス54aが挿通可能な挿通孔50aが前後方向に貫通するように形成されている。そして、各挿通孔50aに対応するボス54aを挿通することで、当該発光基板50が装飾体48に対して位置決めされて、該発光基板50の前面と装飾体48における前壁部54の裏面との間に前記装飾シート53および光拡散部材49を重ねた状態で挟持するよう構成される。発光基板50は、前記装飾体48に収容されて(
図11参照)、該発光基板50の外周縁が、装飾体48における外周壁部55(演出用外周壁部55aを含む)の内側面に対向するよう構成される。すなわち、発光基板50は、装飾体48の前壁部54における演出用外周壁部55aと対応する前面に設けられた後述する発光面62から外れた裏面に対向するように配置されて、該発光基板50と発光面62とは前後に重ならないよう構成されている。また、発光基板50における演出用外周壁部55aに対向する外周縁は、前記光拡散部材49の対応する外周縁に前後方向で揃う形状に形成されて、該発光基板50の外周縁部の前面は、光拡散部材49の前記周壁部49bの裏面に当接するよう構成される。なお、発光基板50における演出用外周壁部55aに対向する外周縁について、以後装飾側外周縁と指称する場合がある。
【0036】
(第1発光体60について)
前記発光基板50における光拡散部材49の裏面と対向する前面(光拡散部材49を介して装飾体48の前壁部54と対向する表面)には、
図6に示す如く、LEDやランプ等の第1発光体(発光手段)60が、前記各収容部56に対応する位置に設けられている。各第1発光体60は、可動体46の往復移動方向で、前記装飾側外周縁に向けて光を照射するように設けられている。すなわち、第1発光体60は、発光基板50の前面に沿って光を照射する姿勢で設けられている。また、第1発光体60は、
図11に示す如く、対応する収容部56に一部が収容されるように位置し、該第1発光体60から照射された光が収容部56に対応する外拡散部59に側方(発光基板50の前面に沿う方向)から照射されることで、該光が外拡散部59で拡散して該外拡散部59の形成領域の全体が明輝するよう構成される。すなわち、第1発光体60を発光することで、光拡散部材49を介して発光基板50の前面と対向する前記前壁部54の対向領域を明輝させ得るよう構成されている。
【0037】
(第2発光体61について)
前記発光基板50の裏面には、
図5,
図7に示す如く、前記装飾側外周縁に近接する位置に、LEDやランプ等の第2発光体(発光体)61が、該装飾側外周縁に沿って離間するように複数設けられている。各第2発光体61は、前記演出用外周壁部55aに向けて側方から光を照射するように設けられている。すなわち、第2発光体61は、発光基板50の裏面に沿って光を照射する姿勢で設けられている。また、第2発光体61は、演出用外周壁部55aにおける対応する部位に向けて光を照射する向きで配置される。すなわち、第2発光体61は、
図5に示す如く、演出用外周壁部55aの形状に合うように各位置において光の照射向きが異なる姿勢で配置されている。
【0038】
(装飾体48の発光面62について)
前記装飾体48における前記前壁部54の前面(表面)には、
図4に示す如く、前記演出用外周壁部55aの形成位置に対応して発光面62が設けられている。すなわち、実施例では、
図2に示す如く、前記可動体46における枠状装飾体34の開口部34a中央側に位置する端縁部に沿って発光面62が設けられている。発光面62には、凹凸による光拡散処理が施されている。実施例では、発光面62に、
図12に示す如く、断面が弧状で演出用外周壁部55aの厚み方向に延在する拡散凸部62aが、該演出用外周壁部55aの延在方向に並列に形成されており、演出用外周壁部55aによって発光面62に導びかれた光を演出用外周壁部55aの延在方向に拡散し得るよう構成されている。
【0039】
(装飾体48の反射部63について)
前記装飾体48の演出用外周壁部55aは、
図11に示す如く、該装飾体48の裏側に前記装飾シート53および光拡散部材49を介して配設された前記発光基板50の裏面より後方に延出している。以後、演出用外周壁部55aにおける発光基板50の裏面より後方に延出する部分について、延出壁部と指称して区別する場合がある。そして、発光基板50の裏面に設けられた前記第2発光体61は、前記延出壁部に向けて光を側方から照射するよう構成されている。この延出壁部の後端部(演出用外周壁部55aの突出端部)に、側方から照射された前記第2発光体61からの光を前記発光面62に向けて反射する反射部63が設けられている。すなわち、演出用外周壁部55aは、前記第2発光体61から延出壁部に側方から照射されて反射部63で前側に向けて反射された光を発光面62まで導びく導光部として機能している。
【0040】
前記反射部63は、各第2発光体61に対応して演出用外周壁部55aの延在方向に所定領域で設けられている。すなわち、演出用外周壁部55aの延在方向に沿って所定間隔離間して配置されている各第2発光体61に対応して演出用外周壁部55aの後端部に反射部63が設けられている。実施例では、演出用外周壁部55aに全長に亘って反射部63が隙間なく設けてある(
図5参照)。
【0041】
前記反射部63は、前記第2発光体61からの光を前記発光面62に向けて反射する反射角で傾斜する複数の反射面63a,63bを、演出用外周壁部55aの延在方向に並ぶように備えている。具体的に、反射部63は、
図10,
図12に示す如く、対応する第2発光体61の光軸上に位置する基準反射面63aと、該基準反射面63aを挟んで演出用外周壁部55aの延在方向の両側に位置する複数の偏向反射面63bとを備える。なお、
図10に光軸を一点鎖線で示している。そして、基準反射面63aおよび偏向反射面63bの夫々は、
図11に示す如く、演出用外周壁部55aの板厚方向において、第2発光体61に近接する端縁側から離間する端縁側に向かうにつれて前側に傾斜して、第2発光体61からの光を前側(発光面62)に向けて反射するよう構成されている。すなわち、反射面63a,63bの反射角は、演出用外周壁部55aの板厚方向での反射面63a,63bの傾斜角度である。より具体的には、演出用外周壁部55aの側面と反射面63a,63bとの交差角である。
【0042】
また、前記偏向反射面63bは、第2発光体61からの光を発光面62の延在方向に偏向するように傾斜している。具体的に、各偏向反射面63bは、
図12に示す如く、演出用外周壁部55aの延在方向において基準反射面63aに近接する側の端縁から離間する側の端縁に向かうにつれて第2発光体61側から離間するように傾斜している。また、各偏向反射面63bにおける光を演出用外周壁部55a(発光面62)の延在方向に偏向するように傾斜する偏向角度は、第2発光体61の光軸と交差する基準位置、すなわち基準反射面63aから離間する偏向反射面63bほど大きくなるよう構成される。なお、実施例では、基準反射面63aについても、第2発光体61の光軸と交差する基準位置(演出用外周壁部55aの延在方向の略中央)から両側に離れるにつれて第2発光体61から離間するように傾斜しており、当該基準反射面63aに照射された光を発光面62の延在方向に偏向するよう構成される。各第2発光体61に対応する各反射部63は、基準反射面63aおよび偏向反射面63bが演出用外周壁部55aに沿って連続して設けられて、対応する第2発光体61から照射された光を反射部63で反射・偏向することで、当該反射部63の形成領域より長い範囲の発光面62を明輝させ得るよう構成される。
【0043】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0044】
前記可動体46を第2位置から第1位置に移動した状態で、前記第1発光体60を発光させると、該第1発光体60からの光が前記外拡散部59で拡散されて広汎に亘って前記光拡散部材49が明輝することで、前記装飾シート53に描かれている意匠が裏側から照明されて演出効果を向上し得る。また、第1発光体60を発光した場合は、概ね対応する外拡散部59のみが明輝するよう構成されているので、発光させる第1発光体60を選択することで、装飾シート53の特定領域のみを照明して興趣のある発光演出を行い得る。
【0045】
前記発光基板50に設けた前記第2発光体61を発光させると、該光は発光基板50に沿って前記演出用外周壁部55aに設けられた反射部63に照射され、該反射部63で前側に向けて光が反射される(
図11,
図12参照)。これにより、前記装飾体48に設けられた発光面62が明輝する。発光面62は、装飾体48における特徴的な形状に形成される外周端部に沿って設けられているので、装飾体48の外周端部が明輝することで、前記装飾シート53に描かれている意匠、すなわち装飾体48の外形形状を際だたせることができ、演出効果を向上し得る。また、演出用外周壁部55aに対して第2発光体61からの光を側方から照射し、該光を反射部63で発光面62に向けて反射するよう構成したので、第2発光体61からの光が発光面62で点光となるのを抑制して良好な発光演出を行うことができる。すなわち、見栄えが良好な発光演出を実現できる。
【0046】
実施例の前記反射部63は、
図10,
図12に示す如く、前記第2発光体61からの光を発光面62の延在方向に偏向する複数の反射面63a,63bを備えると共に、偏向反射面63bの偏向角度を、基準反射面63aから離間するほど大きくなるよう構成しているので、1つの第2発光体61によって発光面62の広い領域を略均等に明輝させることができる。すなわち、少ない第2発光体61で発光面62の広い領域を明輝させ得るので、低コストで高い演出効果を得ることができる。また、反射部63は、複数の反射面63a,63bが発光面62の延在方向に連続して設けられているので、長い発光面62を略均等に明輝させることができ、発光演出の効果をより向上し得る。
【0047】
実施例では、非光透過性の発光基板50の前面(表面)に、装飾体48における装飾シート53に対応する対向領域を明輝する第1発光体60を配設すると共に、該発光基板50の裏面に発光面62を明輝する第2発光体61を配設したので、第1発光体60および第2発光体61の光が干渉することはなく、発光面62と対向領域とを区別して明輝することができ、発光演出の効果を向上し得る。
【0048】
ここで、前記可動体46は、
図2に実線で示す第2位置において、前記発光面62が枠状装飾体34の開口部34aを介して前側から視認し得るように構成されているので、前記第2発光体61を発光して発光面62を明輝させることで、開口部34aから前側に臨む前記表示装置17の表示部17aの外側を縁取る発光演出ができ、興趣を向上し得る。また、発光面62を明輝させた状態で可動体46が第2位置から第1位置に移動することで、表示部17aに表示されている図柄変動演出の演出領域の変化を分かり易くすることができる。
【0049】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、可動体を左右方向に移動する場合で説明したが、枠状装飾体における開口部の上縁側や下縁側に対応して可動体を設け、該可動体を上下方向に移動させる構成を採用し得る。この場合に、可動体を構成する装飾体における枠状装飾体の開口部中央側を向く下端縁または上端縁に沿って発光面を設けるようにすればよい。
(2) 実施例では、可動体に設けた装飾体(装飾部)を発光するよう構成したが、装飾体(装飾部)は、遊技盤や枠状装飾体あるいは前枠等に固定的に配設されたものであってもよい。
(3) 実施例では、発光基板の前面および裏面に、明輝させる対象部位が異なる発光体を設けたが、少なくとも装飾体に設けた発光面を明輝する発光体(実施例では第2発光体)を設けたものであればよい。
(4) 実施例では、装飾体の外周縁部に沿って発光面を設けたが、該発光面を装飾体の外周縁部以外の箇所に設けてもよい。例えば、装飾体における対向領域における所定位置の前面に発光面を設けると共に、該発光面から裏側に延出するように導光部を設け、該導光部に向けて側方から発光体の光を照射する構成を採用し得る。
(5) 実施例では、発光面を連続的に設けたが、複数の発光面を所定間隔離間して設け、各発光面に対応して導光部および発光体を設ける構成を採用し得る。
(6) 実施例では、装飾体の裏面に装飾シートを設けたが、該装飾シートを省略して装飾体に直接所要の意匠を描くようにしてもよい。そして、装飾体に直接意匠を描く場合に、該装飾体の表面に意匠に応じた凹凸を設けて立体感を与える構成を採用し得る。
(7) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機、パチンコ球やコイン等の遊技媒体を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。