(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1と
図2は、本実施の形態1の携帯端末装置の入力方法を示す図である。
【0033】
なお、本実施の形態1は、携帯端末装置を例に記載するが、パソコンやデジカメなどタッチパネル付き表示素子を有する入力装置を具備した電子機器であっても構わない。
【0034】
本実施の形態1の携帯端末装置1は、タッチパネル付き表示素子2を備えている。タッチパネル付き表示素子2は、タッチパネル9と表示素子10からなる。タッチパネル上のタッチパネルキー5に指を触れる操作等によって、タッチパネル9のキー操作を行う。
【0035】
なお、タッチパネルキー5はタッチパネル上において指を触れることで操作できる全てのオブジェクトのことを示し、アイコンやカーソルや文字や画像なども含む。
【0036】
また、タッチパネル付き表示素子2の外側には物理的キー6を有し、タッチパネルよりも操作しやすい機能を実行する。なお、物理的キー6は存在しなくても構わない。
【0037】
本携帯端末装置のタッチパネル操作には、片手操作モードと両手操作モードを備える。
【0038】
図1は片手操作モードにおける入力方法、
図2は両手操作モードにおける入力方法である。
【0039】
図1の片手操作モードについて説明する。
【0040】
図1に示すように、片手操作モードでは、画面が縦長となる縦長表示画面で、端末下部を片手で保持した状態で、主に親指でキー操作を行うことを想定する。
【0041】
縦長画面の上部分を上画面7、下部分を下画面8とし、下画面上に配置されたキーは全て、端末を保持した片手の親指で届くものとする。
【0042】
図1(1)は片手操作モードに移行する前の両手操作モードの画面表示、
図1(2)は片手操作モード移行後の画面表示を示す。
【0043】
両手操作モードでは、タッチパネルの操作キーは上画面7と下画面8の両方に配置されている。
【0044】
片手操作モードへの切り換えを行う前の両手操作モードでは、下画面8の左端及び右端に第一の入力キー3が配置されている。第一の入力キー3は、両手操作モードから片手操作モードに移行するためのキーであり、片手操作により親指が届く範囲内に配置する。
【0045】
これにより、片手操作モードへの移行操作が両手で行う必要がなくなり、最初から片手操作のみの操作が可能となる。
【0046】
なお、第一の入力キー3が他のキーの邪魔にならないように、下画面の端に配置した方が望ましいが、中央であっても構わない。
【0047】
また、右手または左手の片手操作を行うことを想定し、左右両方に2つ配置したが、1つでも構わない。
【0048】
片手で保持している親指で第一の入力キー3に触れることで、
図1(2)の片手操作モードに移行する。
【0049】
片手操作モード移行後の表示画面は
図1(2)に示す。片手操作モードでは、タッチパネル操作キーが縦長表示画面の下画面8に集中していて、保持した手の親指が届く範囲にほとんどのタッチパネルキー5が配置されており、片手操作がしやすくなっている。
【0050】
片手操作モードから両手操作モードへ移行するための第二の入力キー4は、
図1(2)に示すように、上画面の上方端に配置されている。
【0051】
第二の入力キー4を上画面に配置する理由は、下画面に配置すると片手操作に必要なタッチパネルキーのためのスペースが小さくならないようにすることと、片手操作時にユーザが誤って第二の入力キー4に触れて、ユーザが意図しない両手操作モードへ移行することを抑制するためである。
【0052】
なお、第二の入力キー4が表示情報の邪魔にならないように、上画面の端に配置した方が望ましいが、例えば中央であっても構わない。
【0053】
次に、片手操作モードから両手操作モードへの移行方法について
図2を用いて説明する。
【0054】
図2(1)は両手操作モードに移行する前の片手操作モードの画面表示で、
図1(2)は両手操作モード移行後の画面表示を示す。
【0055】
両手操作モードへの切り換えを行う前の片手操作モードでは、上画面に第一の入力キー3が配置されている。第一の入力キー3は、片手操作により親指が届く範囲内に配置する必要はなく、保持した手とは反対の手の指で操作する。
【0056】
第二の入力キー4を押すと
図2(2)に示す両手操作モードの画面になる。
【0057】
両手操作モードでは、タッチパネルの操作キーは上画面7と下画面8の両方に配置されていて、第一の入力キー3は、下画面8に配置されている。
【0058】
以上が、片手操作モードと両手操作モードの移行方法である。第一の入力キー3と第二の入力キー4の配置を上述のように異なる位置に配置することにより、モード移行の操作性が向上する。
【0059】
図3は、本携帯端末装置の入出力装置のブロック構成図である。タッチパネル9と表示素子10を含むタッチパネル付き表示素子2と、タッチパネル9と表示素子10の表示方法やモードを制御する制御手段11を有する。
【0060】
制御手段11は、両手操作モードと片手操作モードを切り換えるモード切り換え手段と、キーの配置や表示方法を制御する表示制御手段を有する。
【0061】
図4は、本実施の形態の携帯端末装置の入出力方法のフローチャートを示す。
【0062】
タッチパネル操作の表示が開始された直後、S1において、現在のモードが両手操作モードであるかどうかを判断する。
【0063】
なお、両手操作モードか片手操作モードかどうかは、ユーザの使用履歴に依存し、表示前に設定されていた状態を保存しておく。または、新規に表示が開始された直後は常に両手操作モード(または片手操作モード)から開始しても構わない。
【0064】
両手操作モードの場合には、第一の入力キー3を下画面に表示する。(S2)
さらに、第一の入力キー3が押されたかどうかを判断(S3)し、押されたときには片手操作モードに移行(S4)し、S1に戻る。
【0065】
S1において両手操作モードでない場合には、第二の入力キー4を上画面に表示する(S5)。さらに、第二の入力キー4が押されたかどうかを判断(S6)し、押されたときには両手操作モードに移行(S7)し、S1に戻る。
【0066】
表示画面上でタッチパネル操作するときには、片手操作モードと両手操作モードへ、常にどちらも移行可能としてもよいが、片手操作モードのみまたは、両手操作モードのみを想定した表示画面モードが存在しても構わない。このときには、上述の第一の入力キー3と、第二の入力キー4の表示は不要となる。
【0067】
次に、
図5に示す第一の入力キー3について述べる。
【0068】
上述のとおり、第一の入力キー3は、両手操作モード時に片手操作モードへの移行するためのキーである。
【0069】
両手操作モードのときに保持しているユーザの手、すなわち
図5においては左手の親指などが、第一の入力キー3に誤って触れることがあると、ユーザが意図しない間に両手操作モードから片手操作モードに移行してしまうことがある。
【0070】
これを避けるために、
図5に示すようなスライド型の第一の入力キー3とする。第一の入力キー3は、斜線で示すスライド部12を有し、スライド部を指で触れたのち、その指を下方にスライドさせることによってはじめて、第一の入力キー3の実行が行われる。
【0071】
第一の入力キー3として上記スライド型のキーを用いることにより、ユーザが意図しない、片手操作モードへの移行が抑制できる。
【0072】
次に、姿勢センサによる表示画面の切り替えについて説明する。
【0073】
図6(1)に示すように、本実施の形態の携帯端末装置は、加速度センサなどからなる姿勢センサ15を内蔵している。
【0074】
姿勢センサ15は携帯端末の表示画面が、重力方向に対して縦長状態か横長状態かを検出することができ、従来のタッチパネルの両手操作において、以下の縦横切り換え手段を有する。
【0075】
すなわち、縦長状態のときには、
図6(1)のように画面表示を縦長で文字が見やすいように縦表示し、横長状態のときには、
図6(2)のように画面表示を横長で文字が見やすいように横表示とする。
図6(1)のような縦長表示の画面を縦長表示画面13、
図6(2)のような横長表示の画面を横長表示画面14と呼ぶ。
【0076】
しかし、片手操作モードの場合には、横表示での操作はできないため、縦長表示画面13と横長表示画面14を切り換える縦横切り換え手段は不要となる。
【0077】
また、片手操作時に端末が斜めになったときに、自動的に横長用表示状態に移行する従来の設定では、むしろ、片手操作性を劣化させる要因となる。
【0078】
したがって、片手操作モードでは、上記の姿勢センサ15による縦表示と横表示の切り換え機能が自動的に行われないように、この機能をオフにすることが望ましい。
【0079】
次に、本実施の形態1の携帯端末筐体の形状について述べる。
【0080】
なお、下記に示す携帯端末の形状でなかったとしても、片手操作モードが実現出来なくなることはないが、この形状にすることで操作性がさらに向上する。
【0081】
図6(4)に示すように、本携帯端末装置は、筐体側面の左右の下部に窪み16を有し、片手操作モード時のタッチパネルキーが窪みに近い部分に集中するようになっている。この窪みにより、ユーザが筐体下方を片手で保持したときに、指が窪み16に固定されることで筐体が手から滑り落ちたり動いたりすることが少なくなり、片手操作の操作性が向上する。
【0082】
なお、窪みは左右それぞれ複数設けても構わない。
【0083】
次に、片手操作モードにおける、上下スクロール方法について述べる。
【0084】
なお、下記に示す上下スクロール方法を用いなくても、片手操作モードが実現出来なくなることはないが、この上下スクロール方法により操作性がさらに向上する。
【0085】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の片手操作モードと両手操作モードを切り替える第一の入力キーや第二の入力キーがなくても片手操作性を向上するものであるが、実施の形態1と同様に第一の入力キー等を用いて操作できるようにしても構わない。
【0086】
本実施の形態1と同様に、携帯端末装置を例に記載するが、パソコンやデジカメなどタッチパネル付き表示素子を有する入力装置を具備した電子機器であっても構わない。
【0087】
図7(1)、(2)に従来の上下スクロール可能なスクロール表示情報が表示されている画面の表示例を示す。タッチパネルを上下方向に指を動かす(スライド操作する)ことで、スクロール表示情報を上下に移動して、上下スクロールが可能となる。
【0088】
ここでは、最上部に位置する表示情報を第一スクロール表示情報17、第一スクロール表示情報17より下部の全ての表示情報を第二スクロール表示情報18と呼ぶ。
【0089】
なお、ここでは縦方向に並んだ上下スクロール表示情報を想定するが、上下スクロール情報の代わりに、上下画面全体に配置されているキーやアイコンや画像などのオブジェクトに関しても同様である。最上部オブジェクトを上記の第一スクロール表示情報、その他のオブジェクトを第二スクロール情報に置き換えて考えればよい。
【0090】
以上が、従来の上下スクロール可能なスクロール表示情報が表示されている画面の表示例である。
【0091】
従来の上下スクロールでは、最上部に位置する第一スクロール表示情報17は、表示画面の最上部または上画面に位置したままであり、片手操作時では指が届かないため、第一スクロール表示情報17の選択ができなかった。そのため、両手操作を行わなければならなかった。
【0092】
そこで、第二スクロール表示情報18と同様に、第一スクロール表示情報17も片手で選択操作ができるように、
図7(3)に示すように、第一スクロール表示情報17が片手操作できる下画面までスクロールできる、新たな下スクロール手段及び下スクロール機能を追加する。
【0093】
次に本発明の下スクロール機能について説明する。
【0094】
本発明の下スクロール手段は、従来の上下スクロール手段と同様に指の上下のスライド操作で動作するものであるが、上下スクロールの第一スクロール表示情報17が最上部に位置するときのみ動作開始できるものとする。なお、スライド操作の代わりに、キー操作や長押しやダブルタップ操作で代用してもよい。
【0095】
図7(2)のように上下スクロールで第一スクロール表示情報が縦画面の最上部に位置していて、指がタッチパネルから離れている、すなわちタッチ操作が行われていないときに、さらに、新たなタッチ操作を開始し、指を下方向へスライド操作すると、下スクロール機能が働き、
図7(3)に示すように、第一スクロール表示情報が縦画面の下方まで移動したのち、表示情報が固定される。
【0096】
従って、例えば、従来の上下スクロールにおいて、
図7(1)に示すように下方向へ上下スクロールしたのち、(2)に示すように、第一スクロール表示情報が最上部に来たときに、下スクロールは一時停止し、新たに開始したタッチ操作で下スクロールを行った場合のみ、下スクロール操作が可能になる。
【0097】
上下スクロールで一旦停止させる理由は、従来の両手操作の操作性を損なわないようにするためである。両手操作を行っているときには、第一スクロール表示情報が最上部に留まっているほうが操作しやすいからである。
【0098】
以上により、上下スクロール表示情報の全てが片手操作モードで選択操作が可能となる。
【0099】
また、下スクロール操作により、表示情報が任意の位置に固定できても構わないが、一連の一回の指のスライド操作またはフリック操作が行われ、指がタッチパネルから離れた後、表示情報が所定位置へ自動的に固定されるようにしても構わない。このとき、第一スクロール表示情報は縦画面の例えば画面中央付近で固定されるものとする。
【0100】
なお、第一スクロール表示情報が所定位置へ移動するときには、表示情報が徐々に下に動いていくアニメーションを導入することでユーザが直感的に操作状態を認識しやすくなる。
【0101】
これにより、ユーザが表示位置を微調整することが不要となり、操作性が向上する。
【0102】
なお、ユーザにより片手操作時に指が届く範囲に差があるため、上記の第一スクロール表示情報の固定位置は、ユーザが自由に設定変更できることが望ましい。
【0103】
図8は下スクロール後の操作を示す。下スクロールで第一スクロール表示情報が下方に固定されている状態で、
図8(1)に示すように、指を上方へスライドしたときには、
図8(2)に示すように、第一スクロール表示情報が最上部へ戻る。
【0104】
これにより、下スクロールで操作を完了したのち元の表示に戻すことが可能となる。
【0105】
なお、
図8(1)の下スクロール後に、例えば所定時間経過したのちに自動的に
図8(2)の表示に戻る機能があることが望ましい。これにより上方向のスライド操作が不要となり操作性がさらに向上するからである。
【0106】
ここで、所定時間とは例えば1秒から3秒程度の時間である。
【0107】
なお、第一スクロール表示情報が最上部へ戻るときには、表示情報が徐々に上に動くアニメーションを導入することでユーザが直感的に操作状態を認識しやすくなる。
【0108】
図9は従来の上下スクロール機能と上述の片手操作に適した下スクロール機能の動作のフローチャートである。
【0109】
従来の上下スクロール機能が開始したのち、ステップS101で新規のタッチ操作が行われたかを検出する。タッチ操作が行われない場合はS101を繰り返す。
【0110】
タッチ操作が開始したら、そのタッチ操作が上スライド操作であるかを判断する(S102)。上スライドの場合には、表示情報を上方向にスクロールする(S103)。なお、上下スクロール情報の最下部の情報が表示されたら、それ以上、下に表示すべき情報が存在しないため、上へのスクロールを停止する。
【0111】
さらに、上スライド操作が終了したかどうかを判断し(S104)、終了した場合にはS101に戻る。終了していない場合にはS103に戻る。
【0112】
S102において上スライド操作でない場合には、下スライド操作であるか判断する(S105)。下スライド操作でない場合には、S102に戻る。下スライド操作の場合には、タッチ操作開始直後ではない、または、上下スクロール情報の最上部の情報すなわち第一スクロール表示情報が表示されてない場合には、S107に進む。
【0113】
さらに、上下スクロール情報の最上部の情報すなわち第一スクロール表示情報が表示されてない場合には、さらに下へのスクロールが可能なため、下へのスクロールを行う(S108)。上下スクロール情報の最上部の情報すなわち第一スクロール表示情報が表示されている場合には、S111に進む。
【0114】
さらに、S108の後に、第一スクロール表示情報が最上部に表示されたかどうかを判断し(S109)、表示された場合には、それ以上、上に表示すべき情報が存在しないため、下へのスクロールを中止し(S110)、S111に進む。
【0115】
S109において第一スクロール表示情報が最上部に表示されていない場合には、S111に進む。
【0116】
S111において、スライド操作が終了したかを判断し、終了した場合にはS101に戻り、新規のスライド操作の検出を繰り返す。下スライド操作が終了していない場合にはS102に戻り、上下スクロール操作を継続する。
【0117】
S106において、タッチ操作開始直後であり、かつ、上下スクロール情報の最上部の情報すなわち第一スクロール表示情報が表示されている場合には、片手操作用の下スクロール機能を実施し、第一スクロール表示情報が画面の下方に配置されるように固定される(S112)。
【0118】
次に新規の上スライド操作が行われたかどうかを検出し(S113)、検出された場合には、上スクロールを実施し、第一スクロール表示情報を最上部の位置に戻す(S114)。
【0119】
S113において新規の上スライド操作が検出されない場合には、S111の下スクロールが完了した後、経過時間が所定時間以上かどうかを判断し(S115)、所定時間以上の場合には、上スクロールを実施し、第一スクロール表示情報を最上部の位置に戻す(S116)。
【0120】
S115において、所定時間を経過していない場合には、S113に戻る。
【0121】
S114とS116の第一スクロール表示情報を最上部の位置に戻した後は、S101に戻る。
【0122】
以上が、本発明の片手操作用の下スクロール機能の動作説明である。
【0123】
(実施の形態3)
実施の形態3は、キーやアイコンや画像などのオブジェクトが画面全体に配置されている場合の例であるが、実施の形態2のように上下スクロール可能なオブジェクトであっても構わない。
【0124】
また、本実施の形態1と同様に、携帯端末装置を例に記載するが、パソコンやデジカメなどタッチパネル付き表示素子を有する入力装置を具備した電子機器であっても構わない。
【0125】
図10(1)は従来のオブジェクトが配置された表示画面の一例である。
【0126】
19は選択または実行可能なオブジェクトの中で最上部に位置する最上部オブジェクト19である。20は選択または実行可能なオブジェクトの中で最上部に配置されていない第二オブジェクト20である。21は選択または実行可能ではないオブジェクトや背景画像などであり、ここでは背景情報または背景オブジェクト21と呼ぶ。
【0127】
従来は、
図10(1)の画面上でオブジェクトをタッチ操作すると選択や実行が行われる。画面に表示されていないが表示可能な追加情報が存在すれば、横方向のスライド操作により表示することも可能である。
【0128】
ここで、画面に表示されていないが表示可能な追加情報が上下方向には存在しないと仮定する。従って、従来は上下方向にスライド操作しても新たに表示すべき情報が存在しないため、画面上の変化は何も起きない。
【0129】
本実施の形態では、
図10(1)の状態で下方向のスライド操作、すなわち、下スクロール手段によって片手操作用の下スクロール機能を実施すると、
図10(2)に示すように、最上部オブジェクト19が画面の下方に移動したのち、所定の位置に固定される。これにより、片手操作でも最上部オブジェクト19に親指が届くようになり、片手操作で最上部オブジェクトの選択が可能となる。
【0130】
最上部オブジェクト19の固定位置は親指が届く範囲であれば、どこであっても構わない。例えば、4.3インチの表示素子からなる携帯端末であれば、親指が届く位置に最上部オブジェクトを配置しようとすると、縦画面の例えば約1/3の距離だけ下方向に移動させるとよい。
【0131】
固定位置はユーザの手の大きさにより最適な位置があるため、手動で固定位置を変更できるようにすることが望ましい。
【0132】
図10(2)は、下スクロール手段により、選択可能なオブジェクトと、選択可能ではない背景オブジェクト21が同時に下方向にスクロール移動する。移動後に発生するスペース22には、表示すべき追加情報が存在しないため、何も表示していないが、何を表示しても構わない。
【0133】
図10(2)では、下スクロールによって下方に存在していた第二オブジェクト20の一部が表示できなくなる。
【0134】
図11(1)は、下スクロール後の表示画面のその他の一例である。
【0135】
オブジェクトの中で上方に配置されていた上部オブジェクト23と下方に配置されていた下部オブジェクト24が、下スクロール後も表示できるように、下部オブジェクト24を上下方向に縮小して表示する。
【0136】
ここで、下部オブジェクトとは下スクロールする前の表示情報の中で片手操作可能な位置にある表示情報を指す。
【0137】
これにより、下スクロールにより必要以上に表示情報が減ることを抑制することができる。
【0138】
図11(1)は表示情報を上部と下部に2分割しているが、上方から下方にいくに従って徐徐に縮小するようにしても構わない。
【0139】
なお、下部オブジェクト24の形状や大きさを変化させずに、オブジェクト間隔を狭くすることによって、下部オブジェクト24の表示エリアを小さくしても構わない。
【0140】
また、
図11(2)に示すように、下スクロールによって、オブジェクト全体または一部を上下方向だけでなく左右方向にも縮小した縮小オブジェクト25を表示してもよい。
【0141】
これにより、下スクロール後に画面端にあるオブジェクトが画面中央よりに配置されるため、指が届きやすく、片手操作性を改善できる。
【0142】
また、
図12に示すように、背景オブジェクト21はそのままで、選択可能なオブジェクトである、最上部オブジェクト19と第二オブジェクト20のみ移動する。これにより、下スクロールにより、必要以上に表示情報が減ることを抑制することができる。
【0143】
(実施の形態4)
本実施の形態4は、実施の形態1の携帯端末装置に片手操作の撮像機能を有するものである。
【0144】
片手操作モードと両手操作モードに移行するための第一の入力キー3と第二の入力キー4の機能は、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0145】
図13は実施の形態2の片手操作モードにおける撮像機能を示す図である。
【0146】
従来のタッチパネル操作の携帯端末装置は、
図14(3)に示すように、片手で端末を保持し、もう片方の手でシャッターキーを押すことで撮影することができたが、片手操作ができなかった。
【0147】
図13(1)は片手操作モードにおける撮影機能の表示画面である。
【0148】
片手操作モードへの移行方法は、実施の形態1で述べたものと同様で、第一の入力キー3により移行する。片手操作モードの撮影機能表示では、上画面7に撮像画像のプレビュー画像、下画面8に撮影条件設定用のタッチパネルキー5やシャッターキー26などが配置されている。
【0149】
これにより、片手操作のままで撮影機能が容易に可能となる。
【0150】
シャッターキー26は、
図5と同様に指の移動を検出して実行操作を行うスライド型キーであり、誤ってシャッターを押すことが抑制できる。
【0151】
図13(1)は横長撮影、(2)は縦長撮影を示す。カメラの画角は縦長であることが多いため、横長撮影時には
図13(1)に示すように、縦長画角から横長画角を切り出して横長撮影画面27を表示し撮影を行う。縦長撮影では、横長撮影と同じ画角で切り出した縦長撮影画面28を表示した撮影を行う。また、縦長撮影では、フル画角を用いた広角縦長撮影画面29による撮影も可能である。
【0152】
(実施の形態5)
本実施の形態5は、実施の形態1の携帯端末装置に片手操作の横撮像機能、すなわち横長片手撮影モードを有するものである。
【0153】
片手操作モードと両手操作モードに移行するための第一の入力キー3と第二の入力キー4の機能は、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0154】
図14は実施の形態5の片手操作モードにおける横撮像機能を示す図である。
【0155】
従来のタッチパネル操作の携帯端末装置は、
図14(3)に示すように、片手で端末を保持し、もう片方の手でシャッターを押すことで撮影することができたが、片手操作ができなかった。
【0156】
図14(1)は端末を横長で保持した状態で片手操作モードにより横撮影機能を実現するときの表示画面である。
【0157】
片手操作モードへの移行方法は、実施の形態1で述べたものと同様で、第一の入力キー3により移行する。
【0158】
片手操作モードの横撮影機能表示では、右画面に撮影用キーや第二シャッターキー32を有するキー画面31を備え、左画面には撮影画像のプレビュー画像を表示するプレビュー画面30を備える。
【0159】
図14(2)に示すように右手で端末右側を保持することで、プレビュー画面30が右手に隠れることなく、右手の親指で第二シャッターキー32の操作ができ、これにより、片手操作のままで撮影機能が容易に可能となる。
【0160】
第二シャッターキー32は、
図5と同様に指の移動を検出して実行操作を行うスライド型キーであり、誤ってシャッターを押すことが抑制できる。
【0161】
上記は端末を右手で保持することを想定したが、左手で保持するために、左画面にキー画面31を備え、右画面にプレビュー画面30を備えても構わない。