(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ローター又はローターホィールの外周面に形成される雄ダブテイルの一部に形成されるノッチ開口部を介して前記ローター又は前記ローターホィールの接線方向に順次に挿入される複数の既存のバケット組立体を入れ替えるためのタービンの入れ替え用バケット組立体において、
前記タービンの入れ替え用バケット組立体は、
羽根部、
前記ローター又は前記ローターホィールの半径方向の外側端部が前記羽根部の半径方向の内側端部に結合される第1のダブテイル部材、
前記第1のダブテイル部材と互いに向かい合う状態で前記ローター又は前記ローターホィールの半径方向の外側端部が前記羽根部の半径方向の内側端部に結合される第2のダブテイル部材、及び
前記第1のダブテイル部材と前記第2のダブテイル部材とを締結するための結合部材、を含み、
前記第1のダブテイル部材は、前記第1のダブテイル部材を横方向に貫通する第1の貫通ホールを含み、
前記第2のダブテイル部材は、前記第1の貫通ホールと連通されるように前記第2のダブテイル部材を横方向に貫通する第2の貫通ホールを含み、
前記結合部材は、前記第1の貫通ホール及び前記第2の貫通ホールを貫通して挿入締結され、
前記第1のダブテイル部材は、前記結合部材が挿入される方向を基準にして前記第1の貫通ホールの内側の端部に段掛かり部が上下対称となるように形成され、
前記結合部材は、前記第1の貫通ホールに挿入される先端部が前記段掛かり部と対応する形状であり、
前記第2の貫通ホールに位置した前記結合部材の端部は、コーキングによって固定され、
前記第1のダブテイル部材は蒸気入口側に設けられ、前記第2のダブテイル部材は蒸気出口側に設けられる、タービンの入れ替え用バケット組立体。
前記段掛かり部の長手方向には螺子山が形成され、前記段掛かり部と対応する結合部材には螺子溝が形成されており、前記結合部材は前記段掛かり部が形成された区間だけで螺合される、請求項1から10のいずれか1項に記載のタービンの入れ替え用バケット組立体。
【背景技術】
【0002】
一般的に蒸気タービンは、発電所用大容量ボイラーで発生された高温、高圧の蒸気で羽根を備えるバケットを回転させることで運動エネルギーである回転力に変換する装置であって、一般的に高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンに分けられて効率を極大化させる。
【0003】
一般的に蒸気タービンは、タービンの外形及び骨格を形成するケーシングとケーシングに回転可能に設けられるローターを備える。
【0004】
一般的に夫々のバケットは、羽根部、羽根部の半径方向の内側端部に形成されるダブテイルを備える。
【0005】
一般的に、上述のダブテイルがローターに結合する方式によってダブテイルを、大きくタンジェンシャルエントリー型(tangential entry)、アキシアルエントリー型(axial entry)、ピンドフィンガー型(pinned finger)、鍵軸型に区分することができる。
【0006】
図1は、従来のタンジェンシャルエントリー型ダブテイルにおいてバケットが雄ダブテイルに結合された状態における斜視図を示す。
【0007】
図1に示されているように、ローター(10)又はローターホィール(20)の外周面に雄ダブテイル(30)が形成される。雄ダブテイル(30)の一部にノッチ開口部(40)が形成され、複数のバケット(50)がノッチ開口部(40)を介してローターの接線方向に順次に挿設される。図面には示されていないが、ノッチ開口部(40)に挿入される最終バケットには、ノッチ開口部(40)の隙間によって最終バケットが離脱することを防止するための別途の固定部材が追加的に結合されうる。
【0008】
一般的に蒸気タービンの運転中にタービンのケーシング内部に流入される異物や湿分によりバケットが浸食を受けるようになり、このように損なわれたバケットは、タービンの効率を低下させるため、入れ替える必要性がある。
【0009】
しかしながら、従来のタンジェンシャルエントリー型ダブテイルで損なわれたバケットを入れ替えるためには、ノッチ開口部を介して損なわれたバケットだけではなく既存のバケットまで順次に分解する必要があった。この場合、損なわれたバケットがノッチ開口部(40)から近いところに設けられた場合でも異常がない複数個のバケットをノッチ開口部(40)を介して分解しなければならず、不便であった。さらに、ノッチ開口部(40)の180度反対側に設けられたバケットを入れ替えるためには、雄ダブテイルに結合された総バケットの個数の半分に該当するバケットを、ノッチ開口部(40)を介して分解する必要があり、損なわれたバケットの入れ替えが非常に不便であった。
【0010】
なお、従来のタンジェンシャルエントリー型ダブテイルで損なわれたバケットを入れ替えるためには、ノッチ開口部を介して損なわれたバケットを分解する必要があるため、損なわれたバケットの入れ替え時間及び入れ替え費用が増加するという問題があった。
【0011】
さらに、従来のタンジェンシャルエントリー型ダブテイルで損なわれたバケットを入れ替えるためには、ノッチ開口部を介して組み立てられた手順の逆順にバケットを分解する必要があるため、雄ダブテイルが形成されたローター又はローターホィールが2次的に損なわれるという問題があった。
【0012】
またさらには、従来のタンジェンシャルエントリー型ダブテイルで損なわれたバケットを入れ替えるためにノッチ開口部を介してバケットを分解する過程で、シュラウドにラッチ(latching)が発生し、これによりシュラウドのアラインメントが壊れてタービンの効率が低減されるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記のような問題を解決するためのものであって、タンジェンシャルエントリー型ダブテイルで既設されたバケットのいずれかの損なわれたバケットを入れ替えるときに、ノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要なく、入れ替えようとするバケットを取り除いた後、羽根部と第1、第2のダブテイル部材及び結合部材で構成されるバケット組立体を雄ダブテイルに簡単に組立設置するタービンの入れ替え用バケット組立体及びその入れ替え方法を提供することを目的とする。
【0015】
なお、本発明の他の目的は、タンジェンシャルエントリー型ダブテイルで既設されたバケットのいずれかの損なわれたバケットを入れ替える際に、ノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要がなく、損なわれたバケットの入れ替え時間と入れ替え費用を削減し、既存のバケットの分解過程で発生するローターやローターホィールの損傷とシュラウドのアラインメントが壊れることを防止できるタービンの入れ替え用バケット組立体及びその入れ替え方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の一側面によれば、タービンの入れ替え用バケット組立体は、ローターまたはローターホィールの外周面に形成される雄ダブテイルの一部に形成されるノッチ開口部を介してローターまたはローターホィールの接線方向に順次に挿入される複数の既存のバケット組立体を入れ替えるためのタービンの入れ替え用バケット組立体において、前記タービンの入れ替え用バケット組立体は、羽根部、 前記ローターまたは前記ローターホィールの半径方向の外側端部が前記羽根部の半径方向の内側端部に結合される第1のダブテイル部材、 前記第1のダブテイル部材と互いに向かい合う状態で前記ローターまたは前記ローターホィールの半径方向の外側端部が前記羽根部の半径方向の内側端部に結合される第2のダブテイル部材、 及び前記第1のダブテイル部材と前記第2のダブテイル部材を締結するための結合部材、を含む。
【0017】
前記タービンの入れ替え用バケット組立体は、前記羽根部の半径方向の外側端部に形成されたシュラウドをさらに含んでよい。
【0018】
前記第1のダブテイル部材は、前記第1のダブテイル部材の内側面に前記雄ダブテイルの外側面と相応する形状からなる第1の雌ダブテイルを含み、前記第2のダブテイル部材は、前記第1の雌ダブテイルと向い合うように前記第2のダブテイル部材の内側面に前記雄ダブテイルの外側面と相応する形状からなる第2の雌ダブテイルを含んでよい。
【0019】
前記羽根部は、前記羽根部の半径方向の内側端部に半径方向の内側方向に突き出られるように形成される締結部を含み、前記第1のダブテイル部材は、前記締結部の形状に相応するように前記第1のダブテイル部材の半径方向の外側端部に形成される第1の結合部を含み、前記第2のダブテイル部材は、前記第1の結合部と向い合いながら前記締結部の形状に相応するように前記第2のダブテイル部材の半径方向の外側端部に形成される第2の結合部を含んでよい。
【0020】
前記第1のダブテイル部材は、前記第1の雌ダブテイルと前記第1の結合部との間で前記第1のダブテイル部材を横方向に貫通する第1の貫通ホール;を含み、前記第2のダブテイル部材は、前記第2の雌ダブテイルと前記第2の結合部との間で前記第1の貫通ホールと連通されるように前記第2のダブテイル部材を横方向に貫通する第2の貫通ホール;を含み、前記結合部材は、前記第1の貫通ホール及び前記第2の貫通ホールを貫通して挿入締結されてよい。
【0021】
前記締結部は、前記ローターの軸方向の両端から外側に突き出られるように形成される第1のフランジ及び第2のフランジを含み、前記第1の結合部は、前記第1の結合部の内側面に形成されて前記第1のフランジが取り付けられる第1の凹部を含み、前記第2の結合部は、前記第1のフランジと向い合いながら前記第2のフランジが取り付けられるように前記第2の結合部の内側面に形成される第2の凹部を含んでよい。
【0022】
前記結合部材は、スレッドピンを有してよい。
【0023】
前記スレッドピンは、前記第1、2の貫通ホールに挿入された以後に両端部がコーキングによって固定されてよい。
【0024】
前記結合部材は、外周面に螺子山が形成され、前記第1の貫通ホールと前記第2の貫通ホールの内周面には、前記螺子山に対応する螺子溝が形成され、前記結合部材は、前記第1の貫通ホール及び第2の貫通ホールに螺合により固定されてよい。
【0025】
前記シュラウドの接線方向の両側の端部は、ローターの軸方向と平行ではないように形成されてよい。
【0026】
前記第1のダブテイル部材と前記第2のダブテイル部材は互いに向かい合う内側が対称となるように形成されてよい。
【0027】
前記第1のダブテイル部材は、前記結合部材が挿入される方向を基準にして前記第1の貫通ホールの内側の端部に段掛かり部が上下対称となるように形成されてよい。
【0028】
前記結合部材は、前記第1の貫通ホールに挿入される先端部が前記段掛かり部と対応する形状であってよい。
【0029】
前記段掛かり部の長手方向には螺子山が形成され、前記段掛かり部と対応する結合部材には、螺子溝が形成されているため、前記結合部材が前記段掛かり部が形成された区間だけで螺合されてよい。
【0030】
前記第1、2の貫通ホールは、前記第1、2のダブテイル部材の長手方向を基準にして中央位置に開口するか、中央及び左右の両側に夫々開口して前記結合部材が挿入されてよい。
【0031】
本発明の他の側面によれば、タービンバケット組立体の入れ替え方法は、タービンに備えられた多数個のバケットのいずれかの損なわれた損傷バケットを取り除くステップ、入れ替え用バケット組立体の羽根部を隣接する正常バケットの間に配置するステップ、入れ替え用バケット組立体の羽根部の半径方向の内側端部で内側方向に突出形成される締結部の一側に第1の結合部を取り付けて、雄ダブテイルの一側に第1の雌ダブテイルを取り付けて第1のダブテイル部材を結合するステップ、前記締結部の他側に第2の結合部を取り付けて、前記雄ダブテイルの他側に第2の雌ダブテイルを取り付けて、前記第1のダブテイル部材と向い合うように第2のダブテイル部材を結合するステップ、及び結合部材を第1のダブテイル部材の第1の貫通ホールと第2のダブテイル部材の第2の貫通ホールに挿入するステップを含む。
【0032】
前記損傷バケットを取り除くステップは、前記羽根部を横方向に切断するステップ、および前記羽根部が切断された上面中央を基準にしてダブテイル溝が形成された縦方向に切断を実施するステップを含んでよい。
【0033】
前記羽根部を横方向に切断するステップは、前記損傷バケットに形成されたダブテイル溝の上側の位置で切断を実施するが、前記ダブテイル溝の上側方向にもっとも隣接する位置から横方向に切断してもよい。
【0034】
前記損傷バケットを取り除くステップは、横方向及び縦方向のいずれも切断が行なわれた以後、切断時に発生されたチップ(chip)及び異物を取り除くための異物吸入ステップ、および 前記異物が吸入された以後に入れ替え用バケット組立体が装着される位置についての洗浄を実施するステップを含んでよい。
【0035】
本発明によるタービンバケット組立体の入れ替え方法の他の実施例において、前記結合部材は、スレッドピンで形成され、前記スレッドピンが第1の貫通ホール及び第2の貫通ホールに挿入された後にコーキングするステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0036】
以上のような構成を含む本発明の側面によれば、タンジェンシャルエントリー型ダブテイルで既設されたバケットのいずれかの損なわれたバケットを入れ替えるときに、ノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要なく、入れ替えようとするバケットを取り除いた後に羽根部と第1、2のダブテイル部材及び結合部材で構成されるバケット組立体を雄ダブテイルに簡単に組立設置することで、損なわれたバケットの入れ替え費用と入れ替え時間を節減することができる。
【0037】
また、既設されたバケットのいずれかの損なわれたバケットを入れ替える時にノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要がないので、バケットの分解過程でローターやローターホィールに2次的に発生し得る損傷を最小化して、ローターとローターホィールのメンテナンス費用を節減し、タービンの期待寿命を増大させることができる。
【0038】
さらには、既設されたバケットのいずれかの損なわれたバケットを入れ替える時にノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要がないので、バケットの分解や入れ替え過程でシュラウドのラッチの発生を減少させてシュラウドのアラインメントを保持することによってタービンの効率が減少されることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の望ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図2は、本発明の一実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体の分解断面図を示し、
図3は、本発明の一実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体の斜視図であり、
図4は、本発明の一実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体の段掛かり部及び結合部材を示す図面であり、
図5は、本発明の他の一実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体の分解断面図であり、
図6は、
図2に示されたシュラウドの斜視図である。
【0042】
図2および
図3に示すように、本発明の望ましい一実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体(1)は、羽根部(200)、第1のダブテイル部材(300)、第2のダブテイル部材(400)、及び結合部材(500)を含む。
【0043】
本実施例のもっとも大きな技術的特徴は、ローターに装着される多数個のバケットのうちの最後のバケットを、3片に分離可能に構成して、装着による作業者の作業性を向上させ、前記最後のバケットと隣接して密着された多数個の一般バケット(2)は、ウォンボディー形態のバケットを装着して用いることである。
【0044】
最後のバケット(1)には、円周方向に一般バケット(2)が配置されるが、この一般バケット(2)は、最後のバケット(1)のように羽根部(200)と、第1のダブテイル部材(300)と、第2のダブテイル部材(400)、及び結合部材(500)で構成されず、前述のようにウォンボディー形態の構成からなる。
【0045】
もし、特定位置に位置した一般バケットにクラック又は異常が発生して入れ替えが必要な場合、この入れ替え対象のバケットを切断した後に、3片で構成されたバケット組立体を該当位置に容易に設けることができ、作業者の作業性を大幅に向上させ、隣接する一般バケットをいちいち分離せず、入れ替え作業を迅速に実施することができる。これにより、入れ替え対象バケットと隣接する一般バケットを分離するために消耗される不要な時間を大幅に短縮し、引き出しの時に生じ得る損傷を前もって予防し、タービンの安定的な作動と効率とを同時に向上させることができる。
【0046】
ローターは、ケーシングに回転可能に設けられる。このようなケーシング(不図示)は、上部ケーシングと下部ケーシングに分離及び組立可能に結合されて、内部にローターとバケット組立体を収容し、外部の衝撃要素や異物から内部の構成要素を遮断するか保護する機能を遂行する。ローターは、回転軸の役割を果し、ローターの両端部が軸受によって回転可能に支持されることができる。
【0047】
ローターホィールは、円形あるいは円板状に形成され、ローターホィールの中心部に中空ホールが形成されて、ローターが中空ホールを通じて貫通結合されることによりローターとローターホィールが一体に回転することができる。
【0048】
雄ダブテイルは、ローターの外周面又はローターホィールの外周面に形成され得る。雄ダブテイルの外側面は、既存のノッチ開口部(60)を介して接線方向に挿設されるバケットのダブテイル又は後述する第1のダブテイル部材(300)の第1の雌ダブテイル(330)及び第2のダブテイル部材(400)の第2の雌ダブテイル(430)の内側面と対応する形状を有するように形成され、第1の雌ダブテイル(330)及び第2の雌ダブテイル(430)と互いに噛合するように締結される。
【0049】
一例として、雄ダブテイルの外側面は、もみ(fir tree)状の曲面の噛合部が仮想のローターの軸方向の中心線を基準に対称となるように形成され、これと同様に第1のダブテイル部材(300)の第1の雌ダブテイル(330)及び第2のダブテイル部材(400)の第2の雌ダブテイル(430)の内側面も、もみ状からなる曲面の噛合部が仮想のローターの軸方向の中心線を基準に対称となるように形成される。したがって、既存のバケットと入れ替え用バケット組立体は、ローターの軸方向と半径方向に拘束されるようになる。
【0050】
雄ダブテイルの一部にノッチ開口部が形成される。ノッチ開口部は、ローターの外周面、又は、ローターホィールの外周面に形成される雄ダブテイルの一部分に雄ダブテイルの接線方向の両端部が相対的に凹んで形成される。ノッチ開口部は、バケットを半径方向にローター又はローターホィールに挿入され、ローター又はローターホィールに挿入されたバケットを雄ダブテイルに沿って元の位置に移動させる機能を有する。すなわち、ノッチ開口部は、タンジェンシャルエントリー型ダブテイルでバケットをローター又はローターホィールの雄ダブテイルに設ける機能を有する。
【0051】
このようなノッチ開口部を介して複数のバケットが、ローターの接線方向に順次に挿設される。雄ダブテイルの接線方向に沿ってすべてのバケットを設けた後には、一般的に閉鎖バケットと呼ばれる最後のバケットをノッチ開口部に設ける。
【0052】
これに限定されるものではないが、上述の閉鎖バケットは、ノッチ開口部に挿入締結される他のバケットのダブテイルとは相違する形状であってよく、閉鎖バケットがノッチ開口部から離脱しないように結合する結合部材が追加的に設けられてもよい。
【0053】
上述のようにノッチ開口部を介してローターの接線方向に順次に挿設される複数のバケットとノッチ開口部に最終的に設けられる閉鎖バケットは、タービンの稼動によって老朽化するか、異物や湿分によって損傷され得る。
【0054】
本発明は、このように損なわれたバケットを入れ替えられるタービンの入れ替え用バケット組立体に関する。
【0055】
本発明の望ましい一実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体(1)は、羽根部(200)、第1のダブテイル部材(300)、第2のダブテイル部材(400)、及び結合部材(500)を含む。
【0056】
羽根部(200)は、ボイラーから発生された蒸気を受けて蒸気の流体エネルギー、すなわち、熱エネルギーと速度エネルギーとを、機械的エネルギーである回転力に変換する機能を有する。これに限定されるものではないが、このような羽根部(200)は、三日月、翼型などの断面状からなってよく、流体が羽根部(200)を通過するときに、揚力などを発生させて流体の速度エネルギーを増加させることで、回転力を増加させることができる。
【0057】
第1のダブテイル部材(300)では、ローターの半径方向の外側端部(320)が羽根部(200)の半径方向の内側端部(210)に結合される。便宜上、蒸気が入口側から蒸気の出口側に雄ダブテイルに締結されるダブテイル部材を第1のダブテイル部材(300)と指称する(もし、第1のダブテイル部材が蒸気の出口側から蒸気の入口側に雄ダブテイルに締結される場合には、これと向い合うように雄ダブテイルに結合されるダブテイルが第2のダブテイル部材となる)。
【0058】
第2のダブテイル部材(400)では、第2のダブテイル部材のローターの半径方向の外側端部(420)が、羽根部の半径方向の内側端部(210)に第1のダブテイル部材と向い合うように結合される。
【0059】
結合部材(500)は、第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)とがタービンの稼動中に分離されることを防止すべく、第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)を締結する機能を有する。
【0060】
このように、本実施例では、タンジェンシャルエントリー型ダブテイルで既設されたバケットのいずれかの損なわれたバケットを入れ替える時にノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要なく、入れ替えようとするバケットを取り除いた後に、羽根部(200)と第1、2のダブテイル部材(200、300)及び結合部材(500)で構成されるバケット組立体(1)を雄ダブテイルに簡単に組立設置することにより、損なわれたバケットの入れ替え費用と入れ替え時間を節減することができる。
【0061】
図2及び
図4に示すように、第1のダブテイル部材(300)は、第1の雌ダブテイル(330)を含み、第2のダブテイル部材(400)は、第2の雌ダブテイル(430)を含む。
【0062】
第1の雌ダブテイル(330)は、第1のダブテイル部材(300)の内側面に雄ダブテイルの外側面と相応する形状を有するように形成される。
【0063】
第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)は、互いに向かい合う内側が対称となるように形成されるので、後述する結合部材(500)が第1、2の貫通ホール(350、450)に挿入される場合、隙間が発生せず、密着した状態が安定的に維持される。
【0064】
第2の雌ダブテイル(430)は、第1の雌ダブテイル(330)と向い合いながら第2のダブテイル部材(400)の内側面に雄ダブテイルの外側面と相応する形状を有するように形成される。
【0065】
第1の雌ダブテイル(330)と第2の雌ダブテイル(430)は、バケット組立体(1)が回転時に遠心応力に十分に耐えられるように設計されることが望ましく、上述のように第1の雌ダブテイル(330)と第2の雌ダブテイル(430)は、波状に形成されてよい。
【0066】
これに限定されるものではないが、本発明の望ましい一実施例によると、バケット組立体(1)の羽根部(200)とシュラウド(600)は一体に形成されてよい。
【0067】
羽根部(200)は、さらに下面の中央に位置され、第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)の上面に向けて突き出られた締結部(230)を含み、第1のダブテイル部材(300)は、締結部(230)と向かい合う位置に形成された第1の結合部(340)をさらに含み、第2のダブテイル部材(400)は、さらに締結部(230)と向かい合う位置に形成された第2の結合部(440)を含む。
【0068】
締結部(230)は、ローターの軸方向の両端から外側に突き出られるように形成され、形状は左右対称である。
【0069】
第1の結合部(340)は、締結部(230)の形状に相応するように第1のダブテイル部材(300)の半径方向の外側端部(320)に形成される。
【0070】
第2の結合部(440)は、第1の結合部(340)と向い合いながら締結部(230)の形状に相応するように第2のダブテイル部材(400)の半径方向の外側端部(420)に形成される。
【0071】
すなわち、締結部(230)が第1の結合部(340)と第2の結合部(440)に密着した状態でブロック結合されることにより、羽根部(200)が第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)に容易に結合される。
【0072】
羽根部(200)の締結部(230)は、第1のフランジ(231)と第2のフランジ(232)を含み、第1のダブテイル部材(300)の第1の結合部(340)は、第1の凹部(341)を含み、第2のダブテイル部材(400)の第2の結合部(440)は、第2の凹部(441)を含む。
【0073】
第1のフランジ(231)と第2のフランジ(232)は、締結部(230)の接線方向の両端から外側に突き出られるように形成される。
【0074】
第1の凹部(341)は、第1の結合部(340)の内側面に形成され、第1の凹部(341)に第1のフランジ(231)が密着した状態で結合される。
【0075】
第2の凹部(441)は、第1のフランジ(231)と向い合うように第2の結合部(440)の内側面に形成され、第2の凹部(441)に第2のフランジ(232)が密着した状態で結合される。
【0076】
このように、羽根部(200)は、1次的に第1、2のダブテイル部材(300、400)に結合されるために、締結部(230)が第1、2の結合部(340、440)にブロック結合されるだけでなく、2次的に第1のフランジ(231)が第1の凹部(341)に密着した状態で取り付けられ、第2のフランジ(232)が第2の凹部(441)に密着した状態で結合される。
【0077】
このように、羽根部(200)が第1、2のダブテイル部材(300、400)に二重で堅固に結合されることによりタービンの駆動(ローターの回転)中に羽根部(200)が第1のダブテイル部材(300)及び第2のダブテイル部材(400)から離脱することを防止できるため、第1、2のダブテイル部材(300、400)の固定安定性が向上し、最終的にタービンの効率が向上する。
【0078】
第1のダブテイル部材(300)は、図面に基づいて正面からみるとき、第1の結合部(340)の下側に形成された第1の貫通ホール(350)を含み、第2のダブテイル部材(400)は、第2の結合部(440)の下側に形成された第2の貫通ホール(450)を含む。
【0079】
より詳細には、第1の貫通ホール(350)は、第1のダブテイル部材(300)を貫通して、第1の雌ダブテイル(330)と第1の結合部(340)との間で横方向に貫通形成される。
【0080】
第2の貫通ホール(450)は、第1の貫通ホール(350)と連通されるように第2のダブテイル部材(400)を貫通して第2の雌ダブテイル(430)と第2の結合部(340)との間で形成される。
【0081】
すなわち、第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)は、夫々第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)が結合された状態で同一な軸方向線上に位置するように第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)を軸方向に貫通して形成される。
【0082】
結合部材(500)は、第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)を貫通して挿入締結されるが、一例としてスレッドピン(thread pin)として形成されてよい。なお、スレッドピンが第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)とに挿入された後には、スレッドピンの軸方向の両端部は、コーキング(caulking)により第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)に固定される。
【0083】
すなわち、スレッドピンが第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)に挿入され、スレッドピンの両端部、又は、第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)の端部を塑性変形させるコーキングにより、スレッドピンが第1、2の貫通ホール(350、360)に固定されつつ第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)が密着した状態で結合され、第1、2のダブテイル部材(300、400)が軸方向に離脱することが防止される。
【0084】
スレッドピンがコーキングにより第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(360)に固定されることで、タービンの駆動中に結合部材(500)がバケット組立体(1)から離脱する現象が防止される。
【0085】
添付された
図4を参照すると、第1のダブテイル部材(300)は、結合部材(500)が挿入される方向を基準にして第1の貫通ホール(350)の内側端部に段掛かり部(302)が上下対称となるように形成されるが、段掛かり部(302)の位置は、図面に基づいて第1の貫通ホール(350)を基準にして左側の端部に形成される。
【0086】
結合部材(500)の、第1の貫通ホール(350)に挿入される先端部が段掛かり部(302)と対応する形状からなるため、結合部材(302)が第1の貫通ホール(350)に挿入される場合、正確な挿入位置がガイドされる。
【0087】
なお、作業者が結合部材(500)を第1、2の貫通ホール(350、450)に挿入させた以後にコーキングを実施する場合、第2の貫通ホール(450)に位置された結合部材(500)の右側の端部についてのコーキングを先に実施するが、この場合、段掛かり部(302)に結合部材(500)の左側の端部が支持されるので、結合部材(500)の右側の端部についてコーキングが実施される間、結合部材(500)の位置は変動されず、安定的に固定される。
【0088】
したがって、作業者の作業空間が狭小な場合、又は結合部材(500)の正確な挿入が必要なコーキング作業を実施すべきである場合に、容易にこれらの作業を実施することができる。これにより作業者の作業性及び作業能率が向上し、第1、2のダブテイル部材(300、400)の結合力を向上させて、結合部材(500)を介した羽根部(200)の固定安定性が向上する。
【0089】
段掛かり部(302)は、直径が結合部材(500)より相対的に小さく形成され、結合部材(500)が挿入される場合、図面に基づいて左側の端部に横方向に一定長手分、直径が減少された区間として形成される。
【0090】
本実施例に係る段掛かり部(302)では、長手方向に螺子山(302a)が形成され、段掛かり部(302)と対応する結合部材(500)には、螺子溝(502)が形成されているので、結合部材(500)は段掛かり部(302)が形成された区間だけで螺合される。
【0091】
螺子山(302a)は、図面に示された区間だけで限定的に形成され、形態は螺旋状からなるが、他の形態に変更されることもできる。
【0092】
作業者が結合部材(500)を段掛かり部(302)に螺合させるためには、第1、2の貫通ホール(350、450)に結合部材(500)を一定の長手分、挿入した後、回り方向に回転させて螺子山(302a)に螺子溝(502)を結合させて設置作業を実施すれば良い。
【0093】
第1、2の貫通ホール(350、450)は、第1、2のダブテイル部材(300、400)の長手方向を基準にして中央位置に開口するか、または中央及び左右の両側に夫々開口して結合部材(500)が挿入される。結合部材(500)の挿入位置を中央に位置させることで、羽根部(200)及び第1、2のダブテイル部材(300、400)に対する固定安定性及び結合力を向上させることができる。
【0094】
結合部材(500)は、前述の位置以外にも、中央を基準にして左側と右側に夫々挿入されることも可能である。この場合、結合部材(500)の個数を増加してよく、これにより第1、2の貫通ホール(350、450)への挿入による固定力が向上し、第1、2のダブテイル部材(300、400)及び羽根部(200)についての固定力が向上し、震動による離脱が発生しない。
【0095】
図5を参照すると、本発明の望ましい他の一実施例によるタービンの入れ替え用バケット組立体(1)の結合部材(500)は、螺子山(510)を含み、第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)には、夫々螺子溝(351、451)を含む。
【0096】
螺子山(510)は、結合部材(500)の外周面に軸方向に沿って形成され、第1の貫通ホール(350)の内周面には、螺子山に対応する螺子溝(351)が形成され、第2の貫通ホール(450)の内周面にも螺子山に対応する螺子溝(451)が形成される。
【0097】
結合部材(500)は、螺子山(510)と第1、2の貫通ホール(350、450)に形成された螺子溝(351、451)により第1のダブテイル部材(300)と第2のダブテイル部材(400)を螺合により堅固に結合させる。したがって、第1、2のダブテイル部材(300、400)が軸方向に離脱することが防止される。
【0098】
上述のように、本実施例では、既設されたバケットのいずれか損なわれたバケットを入れ替える時に、ノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要がないので、バケットの分解過程でローターやローターホィールに2次的に発生し得る損傷を最小化し、ローターとローターホィールのメンテナンス費用を節減できる。また、シュラウドのラッチの発生を減少させてシュラウドのアラインメントを保持することによりタービンの効率が減少することを防止できる。
【0099】
図6を参照すると、本発明の望ましい実施例に係るタービンの入れ替え用バケット組立体(1)は、さらにシュラウド(600)を含み、シュラウド(600)は、羽根部(200)の半径方向の外側端部(220)に設けられる。シュラウド(600)は、蒸気漏洩防止及び震動減殺機能を有する。
【0100】
シュラウドの接線方向の両側の端部(630、640)は、ローターの軸方向、つまり、ローターの回転方向及びその逆方向に対応する面と平行ではないように形成される。シュラウド(600)は、半径方向の外側から見ると、Z字状、又は、V字状を有してよく、必要に応じて多様な形態に変更されてよい。図面の符号620は、シュラウドの半径方向の内側端部(620)を示す。
【0101】
図7は、本発明の一実施例に係るタービンのバケット組立体の入れ替え方法のフローチャート図を示す。
図7に示すように、本発明の一実施例に係るタービンのバケット組立体の入れ替え方法は、タービンに備えられた多数個のバケットのいずれかの損なわれたバケットを確認するステップ(S1)と、損傷が発生された損傷バケットを取り除くステップ(S2)と、入れ替え用バケット組立体の羽根部を隣接する正常バケットの間に配置するステップ(S3)と、入れ替え用バケット組立体の羽根部の半径方向の内側端部から内側方向に突出形成される締結部の一側に第1の結合部を取り付けて、雄ダブテイルの一側に第1の雌ダブテイルを取り付けて第1のダブテイル部材を結合するステップ(S4)と、締結部の他側に第2の結合部を取り付けて、雄ダブテイルの他側に第2の雌ダブテイルを取り付け、第1のダブテイル部材と向い合うように第2のダブテイル部材を結合するステップ(S5)と、結合部材を第1のダブテイル部材の第1の貫通ホールと第2のダブテイル部材の第2の貫通ホールに挿入するステップ(S6)と、を含む。
【0102】
損傷バケットを確認するためには(S1)、電磁気波発生装置又は超音波発生装置と、データによる分析プログラム及び各種ケージなどを介してローター又はローターホィールの外周面の雄ダブテイルに接線方向に設けられたバケット(2)における損傷の有無を確認する。また、タービンの定期的な分解時間に、作業者の肉眼によっても既設されたバケットの損傷の有無を確認することができる。
【0103】
図8から
図10を参照すると、損傷バケットを確認するステップ(S1)の後に、既存の損なわれたバケットを取り除くが(S2)、損なわれたバケット (3)の場合、最後のバケット(1)のように3片で構成されず、ウォンボディー形態の単一構成からなる。
【0104】
この場合、作業者は、損傷バケット(3)を入れ替えるために円周方向に沿って隣る位置に正常バケットをそのまま置いて、損傷バケット(3)を別の工具(不図示)を用いて分離する。ここでの分離の意味は、ローターの円周方向に配置された多数個の隣る正常バケットを順次に分離するのではなく、損なわれたバケット(3)が位置した所で切断して、外側に引き出すことであってよい。例えば、作業者が損傷バケットを入れ替えるための作業を容易に実施するためには、位置に関係なく羽根部を横方向(A方向)に切断する(S2−1)。この場合、正常バケットは、羽根部とダブテイル溝が形成された部分が一体に製作されるので、正常バケットの羽根部の長手方向を基準にしてもっとも下側となる位置で切断を実施してよい。
【0105】
例えば、ダブテイル溝の上側方向にもっとも隣接する位置から横方向に切断してよい。何故ならば後続の切断工程では、損傷バケットの縦方向(B方向)に切断を実施すべきであるので、縦方向に最大限切断長手を短くすることで切断長手が不必要に増加することを防止でき、作業者の作業速度の向上と作業性を同時に向上することができる。
【0106】
作業者が用いる切断工具は、多様であり、特に限定されないが、作業者が現場で把持することができるハンディー用切削器又は別の切削機械が用いられてよい。
【0107】
このように、羽根部についての横方向の切断(S2−1)が実施された以後に羽根部が切断された上面中央を基準にしてダブテイル溝が形成された縦方向に切断を実施する(S2−2)。
【0108】
作業者が損傷バケットについての縦方向の切断を実施する場合、羽根部の上面中央で切断を実施することにより縦方向の切断長手を最小にできるので、作業者の作業量が短縮され、切断時にチップの発生量も減少される。
【0109】
作業者は、前述のように、損傷バケットについての横方向と縦方向のいずれも切断作業を実施した後に、切断時に発生されたチップ及び異物を取り除くための異物に関する吸入作業を実施する(S3)。このチップは、切断作業中に発生し、損傷バケットの横方向と縦方向についての切断により多量が発生されうる。さらに、異物は、損傷バケットが長期間使用されながら積層された各種ほこり及び微粒子が積層により発生したものであって、吸入作業の以後に実施する場合、設置面がきれいに管理され得る。
【0110】
作業者は、このように異物に対する除去作業を全部実施した後に入れ替え用バケット組立体が装着される位置に対する洗浄作業を実施する(S4)。この場合、洗浄液又は水を用いることもできる。
【0111】
さらに、作業者が布を用いて異物が残存する部位又は汚染が発生された部位を拭いで洗浄を実施することも可能であり、この場合、異物についてのより効率的な洗浄のため、少量の洗浄液が併せて用いられることもある。
【0112】
損なわれたバケットを取り除いた(S2)後に、入れ替え用バケット組立体の羽根部(200)を隣接する既存バケットの間に配置する。
【0113】
入れ替え用バケット組立体の羽根部を配置するステップ(S4)後に、入れ替え用バケット組立体の羽根部の半径方向の内側端部(210)から内側方向に突出形成される締結部(230)の接線方向の一側に第1のダブテイル部材の第1の結合部(340)を取り付け、第1の雌ダブテイル(330)を雄ダブテイルの一側に取り付けて第1のダブテイル部材(300)を羽根部と雄ダブテイルの軸方向の一側に結合させる。
【0114】
第1のダブテイル部材を結合するステップ(S6)後に、締結部(230)の接線方向の他側に第2のダブテイル部材(400)の第2の結合部(440)を取り付け、第2の雌ダブテイル(430)を雄ダブテイルの他側に取り付けて第1のダブテイル部材と向い合うように第2のダブテイル部材(400)を羽根部と雄ダブテイルの軸方向の他側に結合させる。
【0115】
図2及び
図4に示されているように、締結部(230)の接線方向の両端から外側に突き出る第1、2のフランジ(231、232)が形成された場合には、第1の結合部(340)の第1の凹部(341)に第1のフランジ(231)を取り付けた状態で締結部(230)を第1の結合部(340)に取り付けて結合する。なお、第2の結合部(440)の第2の凹部(441)に第2のフランジ(232)を取り付けた状態で締結部(230)を第2の結合部(440)に取り付けて結合する。
【0116】
第2のダブテイル部材を結合するステップ(S7)以後に、結合部材(500)を第1のダブテイル部材(300)の第1の貫通ホール(350)と第2のダブテイル部材(400)の第2の貫通ホール(450)に挿入する。
図3に示されるように、結合部材(500)の外周面に軸方向に螺子山(510)が形成される場合には、第1の貫通ホール(350)と第2の貫通ホール(450)の内周面に螺子山と相応するように形成される螺子溝(351、451)に結合部材を回転させて結合する。
【0117】
結合部材(500)がスレッドピンで形成される場合には、結合部材を挿入するステップ(S8)後に、スレッドピンの両端をコーキングしてスレッドピンを第1の貫通ホールと第2の貫通ホールに固定し、結合部材(500)の左側の端部と右側の端部についてのコーキング(S9)を実施して入れ替えバケット(3a)に関する固定を実施すれば良い。
【0118】
このように、本実施例におけるタービンのバケット組立体の入れ替え方法は、タンジェンシャルエントリー型ダブテイルで既設されたバケットにおけるいずれかの損なわれたバケットを入れ替える時に、ノッチ開口部を介して既設されたバケットを順次に分解する必要なく、入れ替えようとするバケットを取り除いた後に羽根部と第1、2のダブテイル部材及び結合部材で構成されるバケット組立体を雄ダブテイルに簡単に組立設置することによって損なわれたバケットの入れ替え費用及び入れ替え時間を節減でき、ローターとローターホィールの2次的な損傷を防止し、シュラウドのラッチ現象を防止することができる。