【課題を解決するための手段】
【0027】
この問題は、一般式(I)のN−[4−(キノリン−4−イルオキシ)シクロヘキシル(メチル)](ヘテロ)アリールカルボキサミド類を用いた本発明により解決される。
【0028】
したがって、本発明は、一般式(I)
【化1】
(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素、シアノ、フッ素、塩素または臭素を表し;Aは、フェニルまたは五員環ヘテロアリールを表し、ここで、このフェニルまたはこの五員環ヘテロアリールは、場合により:ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロアルキル−、シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヒドロキシ、アルコキシ−、フルオロアルコキシ−、シクロアルキルオキシ−、アミノ−、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、シクロアルキルアミノ−、アルキルシクロアルキルアミノ−、ジシクロアルキルアミノ−、アルキルカルボニルアミノ−、シクロアルキルカルボニルアミノ−、アルキルスルファニル−、シクロアルキルスルファニル−、アルキルスルホニル−、シクロアルキルスルホニル−、アミノスルホニル−、アルキルアミノスルホニル−、シクロアルキルアミノスルホニル−;アルコキシカルボニル−から互いに無関係に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換され;n=0、1または2であり;あるいは、これらの塩の、これらの溶媒和物の、またはこれらの塩の溶媒和物のうちの1つに関する。
【0029】
本発明による化合物は、式(I)の化合物とこれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)の範囲に含まれる以下に記載の式の化合物とこれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、ならびに式(I)の範囲に含まれる実際的な例として以下に記載の化合物とこれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であるが、ただし、式(I)の範囲に含まれる以下に記載の化合物は、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではないものとする。
【0030】
本発明の文脈において、本発明による化合物の生理的に無害な塩は、「塩」として好ましい。しかし、塩はまた、それら自体が製薬での使用に適していないものに含まれるが、本発明による化合物を、例えば分離または精製するために用いることができる。
【0031】
本発明による化合物の生理的に無害な塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸添加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0032】
本発明による化合物の生理的に無害な塩には、例えば、好ましくはアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、およびアンモニアまたは1個から16個の炭素原子を持つ有機アミン、例えば、好ましくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンから誘導されるアンモニウム塩などの通常の塩基の塩も含まれる。
【0033】
「溶媒和物」は、本発明の文脈において、固体または液体状態で、溶媒分子を伴う配位による錯体を形成する本発明による化合物の形態を意味する。水和物は溶媒和物の特殊な形態であり、そのなかで水を伴って配位が起こる。
【0034】
本発明による化合物は、その構造に応じてさまざまな立体異性体、すなわち配置異性体の形態で、または、場合により配座異性体(アトロプ異性体の場合を含むエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)としても存在することができる。したがって、本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーならびにこれらの混合物それぞれを含む。立体異性的に均質な組成物は、周知の方法でエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの上記混合物から分離することができて、このために好ましくはクロマトグラフ法、特にアキラルまたはキラル相HPLCクロマトグラフィーが用いられる。
【0035】
本発明による化合物が互変異性体で発生する可能性がある場合、本発明は、すべての互変異性体を含む。
【0036】
本発明は、本発明による化合物のすべての適した同位体の変種も含む。本発明による化合物の同位体の変種は、この場合、本発明による化合物内の少なくとも1つの原子が、原子番号は同じであるが、原子質量は通常または主に天然に存在する原子質量とは異なる別の原子と交換された化合物と理解されるべきである。本発明による化合物に取り込むことができる同位体の例は、
2H(重水素)、
3H(三重水素)、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129Iおよび
131Iなど、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体である。本発明による化合物の特定の同位体の変種、特に1つまたは複数の放射性同位体が取り込まれた変種などは、例えば、体内における作用機序または活性物質の分布を調査するために利用することができるが、その理由は、これらの変種が比較的容易に生成および検出することができて、
3Hまたは
14C同位体で標識した化合物は、特にこの目的に適している。さらに、同位体、例えば重水素の取り込みは、化合物のより大きな代謝安定性の結果、ある特定の治療上の利点、例えば、体内における半減期の延長、または必要とされる有効な用量の低減などにつながる可能性があり、したがって、本発明による化合物の上記変更は、場合により、本発明の好ましい実施形態を表すこともできる。本発明による化合物の同位体の変種は、当業者に周知の方法、したがって、例えば以下で説明する方法、および実際的な例において示す明細によって、それぞれの試薬および/または出発化合物の対応する同位体の変更を利用して、製造することができる。
【0037】
さらに、本発明は、本発明による化合物のプロドラッグも含む。用語「プロドラッグ」は、それ自体が生物学的に活性または不活性であってもよいが、体内での滞留時間内に本発明による化合物に(例えば、代謝的または加水分解的に)転換される化合物を含む。
【0038】
さらに、本発明は、多形体があらゆる濃度範囲において個々の多形体、またはいくつかの多形体の混合物のいずれかとして存在することができる、本発明による化合物のすべての可能な結晶形および多形に関する。
【0039】
本発明の文脈において、置換基は、特に記載しない限り、以下の意味を有する:
【0040】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくは、フッ素、塩素および臭素、特に好ましくは、フッ素および塩素を表す。
【0041】
用語「五員環ヘテロアリール」は、5個の環原子、およびS、OおよびNの系列から最大3個、好ましくは、最大2個のヘテロ原子を持つ芳香族、単環式残基、例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、好ましくは、イソオキサゾリルおよびピラゾリル、特に好ましくは、イソオキサゾリルを表す。
【0042】
アルコキシ−、アルキルアミノ−、アルキルシクロアルキルアミノ−、アルキルカルボニルアミノ−、アルキルスルファニル−、アルキルスルホニル−、アルキルアミノスルホニル−、アルコキシカルボニル−における「アルコ(Alk)」および「アルキル」は、通例、1個、2個、3個、4個、5個または6個の、好ましくは、1個、2個または3個の、特に好ましくは、1個または2個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキル残基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを表す。
【0043】
用語「アルキル」は、具体的に記載した数の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキル残基を表す。例えば、用語C
1−C
3は、1個、2個または3個の炭素原子、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルを含む。炭素原子の数が具体的に記載されていない場合、用語「アルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキル残基(=C
1−C
6−アルキル−)を表す。1個、2個または3個の炭素原子を持つアルキル基(=C
1−C
3−アルキル)が好ましく、メチルが特に好ましい。
【0044】
「ハロアルキル−」は、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル−を表す。複合的にハロゲン化されたハロアルキル−の場合、ハロゲン原子は、同一でも異なっていてもよい。好ましいハロゲン原子は、フッ素または塩素であり、特にフッ素である。好ましいハロアルキル−は、トリフルオロメチル−である。
【0045】
「シクロアルキル」は、通例、3個、4個、5個、6個、7個または8個(=C
3−C
8−シクロアルキル)、特に3個、4個、5個または6個(=C
3−C
6−シクロアルキル)の炭素原子を持つシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを表す。「シクロアルキル」は、好ましくは、C
3−C
6−シクロアルキルを表す。用語「C
3−C
6−シクロアルキル」は、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つシクロアルキル基を表す。
【0046】
用語「ヘテロシクリル」は、通例、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個、好ましくは4個、5個、6個、7個または8個の環原子、および最大3個、好ましくは、最大2個のヘテロ原子、および/または、N、O、S、SO、SO
2の系列からのヘテロ基、好ましくは、N、O、Sの系列からのヘテロ基を持つ、単環式または多環式の、好ましくは、単環式または二環式の、非芳香族複素環式の残基を表す。ヘテロシクリル残基は、飽和または部分的に不飽和していることができて、好ましくは飽和している。例えば、以下に言及してもよい:アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、パーヒドロアゼピニル。
【0047】
「アルコキシ−」は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを表す。「C
1−C
3−アルコキシ−」が好ましく、メトキシ−が特に好ましい。
用語「C
1−C
3−アルコキシ」は、メトキシ−、エトキシ−またはプロポキシ−を表す。
【0048】
用語「フルオロアルコキシ−」は、1つまたは複数の水素原子が、1つまたは複数のフッ素原子と交換された、上で定義したアルコキシ残基を指し、「C
1−C
3−フルオロアルコキシ−」が好ましい。用語「C
1−C
3−フルオロアルコキシ−」は、1個、2個または3個の炭素原子を持つ分岐鎖または直鎖のフルオロアルコキシ残基を表す。例えば、用語「C
1−C
3−フルオロアルコキシ」は、トリフルオロメトキシ−、ジフルオロメトキシ−、テトラフルオロエトキシ−、ペンタフルオロエトキシ−、好ましくは、トリフルオロメトキシ−を表す。
【0049】
用語「シクロアルキルオキシ−」は、水素原子が酸素原子と交換された、上で定義したシクロアルキル残基を指す。例えば、この用語は、シクロプロピルオキシ−、シクロブチルオキシ−、シクロペンチルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−およびシクロヘプチルオキシ−を表し、C
3−C
6−シクロアルキルオキシ−が好ましい。用語「C
3−C
6−シクロアルキルオキシ−」は、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つシクロアルキルオキシ残基を表し、シクロプロピルオキシ−が好ましい。
【0050】
「アルキルアミノ−」は、直鎖または分岐鎖のアルキル置換基を持つアルキルアミノ残基、好ましくは、C
1−C
3−アルキルアミノ−を表す。用語「C
1−C
3−アルキルアミノ−」は、例えば、1個、2個または3個の炭素原子を持つモノアルキルアミノ残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:メチルアミノ−、エチルアミノ−、プロピルアミノ−、イソプロピルアミノ−。
【0051】
用語「ジアルキルアミノ−」は、2つの(互いに無関係に選択される)直鎖または分岐鎖のアルキル置換基を持つアルキルアミノ残基、好ましくは、(C
1−C
3)−ジアルキルアミノ−を表す。用語「(C
1−C
3)−ジアルキルアミノ−」は、例えば、それぞれの場合において、アルキル置換基あたり1個、2個または3個の炭素原子を持つジアルキルアミノ残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:ジメチルアミノ−、ジエチルアミノ−、エチルメチルアミノ−、メチルプロピルアミノ−、イソプロピルプロピルアミノ−。
【0052】
「シクロアルキルアミノ−」は、上で定義した、シクロアルキル置換基を持つシクロアルキルアミノ残基、好ましくは、C
3−C
6−シクロアルキルアミノ−を表す。用語「C
3−C
6−シクロアルキルアミノ−」は、例えば、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つモノシクロアルキルアミノ残基を表す。例えば、シクロプロピルアミノ−、シクロブチルアミノ−、シクロペンチルアミノ−およびシクロヘキシルアミノ−に言及してもよく、シクロプロピルアミノ−が好ましい。
【0053】
用語「アルキルシクロアルキルアミノ−」は、互いに無関係に選択される2つの置換基、アルキル−およびシクロアルキル置換基を持つアミノ残基を表し、好ましくは、C
1−C
3−アルキル−C
3−C
6−シクロアルキルアミノ−を表す。用語:「C
1−C
3−アルキル−C
3−C
6−シクロアルキルアミノ−」は、例えば、1個、2個または3個の炭素原子を持つアルキル置換基、および3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つシクロアルキル残基を持つアミノ残基を表す。例えば、用語「アルキルシクロアルキルアミノ−」は:ブチルシクロヘキシルアミノ−、プロピルシクロヘキシルアミノ−、エチルシクロヘキシルアミノ−、プロピルシクロプロピルアミノ−、エチルシクロプロピルアミノ−、メチルシクロプロピルアミノ−を表す。
【0054】
用語「ジシクロアルキルアミノ−」は、2つの(互いに無関係に選択される)シクロアルキル置換基を持つシクロアルキルアミノ残基、好ましくは、(C
3−C
6)−ジシクロアルキルアミノ−を表す。用語「(C
3−C
6)−ジシクロアルキルアミノ−」は、例えば、それぞれの場合において、シクロアルキル置換基あたり3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つジシクロアルキルアミノ−残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:ジシクロプロピルアミノ−、ジシクロヘキシルアミノ−、シクロプロピルシクロヘキシルアミノ−。
【0055】
用語「アルキルカルボニルアミノ−」は、1個、2個、3個、4個、5個または6個(「C
1−C
6−アルキルカルボニルアミノ−」)、好ましくは、1個、2個または3個(「C
1−C
3−アルキルカルボニルアミノ−」)の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニルアミノ残基を表す。非限定的な例には、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノおよびn−ヘキシルカルボニルアミノが含まれる。
【0056】
用語「シクロアルキルカルボニルアミノ−」は、シクロアルキル基内に、例えば、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するシクロアルキルカルボニルアミノ残基(=C
3−C
6−シクロアルキルカルボニルアミノ−)を表す。非限定的な例には、シクロプロピルカルボニルアミノ−、シクロブチルカルボニルアミノ−、シクロペンチルカルボニルアミノ−およびシクロヘキシルカルボニルアミノ−が含まれる。
【0057】
「アルキルスルファニル−」は、直鎖または分岐鎖のアルキル置換基を持つアルキルスルファニル残基、好ましくは、C
1−C
3−アルキルスルファニル−を表す。用語「C
1−C
3−アルキルスルファニル−」は、例えば、1個、2個または3個の炭素原子を持つアルキルスルファニル残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:メチルスルファニル−、エチルスルファニル−、n−プロピルスルファニル−、イソプロピルスルファニル−。
【0058】
用語「シクロアルキルスルファニル−」は、シクロアルキル置換基を持つシクロアルキルスルファニル残基、好ましくは、C
3−C
6−シクロアルキルスルファニルを表す。用語「C
3−C
6−シクロアルキルスルファニル−」は、例えば、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つシクロアルキルスルファニル残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:シクロプロピルスルファニル−、シクロブチルスルファニル−、シクロペンチルスルファニル−、シクロヘキシルスルファニル−。
【0059】
「アルキルスルホニル−」は、直鎖または分岐鎖のアルキル置換基を持つアルキルスルホニル残基、好ましくは、C
1−C
3−アルキルスルホニル−を表す。用語「C
1−C
3−アルキルスルホニル−」は、例えば、1個、2個または3個の炭素原子を持つアルキルスルホニル残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:メチルスルホニル−、エチルスルホニル−、n−プロピルスルホニル−、イソプロピルスルホニル−。
【0060】
用語「シクロアルキルスルホニル−」は、シクロアルキル置換基を持つシクロアルキルスルホニル残基、好ましくは、C
3−C
6−シクロアルキルスルホニル−を表す。用語「C
3−C
6−シクロアルキルスルホニル−」は、例えば、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つシクロアルキルスルホニル残基を表す。例えば、以下に言及してもよい:シクロプロピルスルホニル−、シクロブチルスルホニル−、シクロペンチルスルホニル−、シクロヘキシルスルホニル−。
【0061】
「アルキルアミノスルホニル−」は、1つまたは2つの(互いに無関係に選択される)直鎖または分岐鎖のアルキル置換基を持つアルキルアミノスルホニル残基、例えば、「C
1−C
6−アルキルアミノスルホニル−」を表す。用語「C
1−C
6−アルキルアミノスルホニル−」は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つモノアルキルアミノスルホニル残基、または、それぞれの場合において、アルキル置換基あたり1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つジアルキルアミノスルホニル残基を表し、例えば、メチルアミノスルホニル−、エチルアミノスルホニル−、n−プロピルアミノスルホニル−、イソプロピルアミノスルホニル−、tert−ブチルアミノスルホニル−、n−ペンチルアミノスルホニル−、n−ヘキシルアミノスルホニル−、ジメチルアミノスルホニル−、ジエチルアミノスルホニル−、エチルメチルアミノスルホニル−、メチル−n−プロピルアミノスルホニル−、イソプロピル−n−プロピルアミノスルホニル−、tert−ブチルメチルアミノスルホニル−、エチル−n−ペンチルアミノスルホニル−およびn−ヘキシルメチルアミノスルホニル−を表す。「アルキルアミノスルホニル−」は、好ましくは、「C
1−C
3−アルキルアミノスルホニル−」を表す。用語「C
1−C
3−アルキルアミノスルホニル−」は、例えば、1個、2個または3個の炭素原子を持つモノアルキルアミノスルホニル残基、または、それぞれの場合において、アルキル置換基あたり1個、2個または3個の炭素原子を持つジアルキルアミノスルホニル残基を表す。
【0062】
用語「シクロアルキルアミノスルホニル−」は、1つまたは2つの(互いに無関係に選択される)シクロアルキル置換基を持つシクロアルキルアミノスルホニル残基、例えば、C
3−C
6−シクロアルキルアミノスルホニル−またはC
5−C
6−シクロアルキルアミノスルホニル−を表す。シクロプロピルアミノスルホニル−、シクロブチルアミノスルホニル−、シクロペンチルアミノスルホニル−、シクロヘキシルアミノスルホニル−に言及してもよい。C
3−C
6−シクロアルキルアミノスルホニル−は、例えば、3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つモノシクロアルキルアミノスルホニル残基、または、それぞれの場合において、シクロアルキル置換基あたり3個、4個、5個または6個の炭素原子を持つジシクロアルキルアミノスルホニル残基を表す。
【0063】
「アルコキシカルボニル」は、1個から6個(C
1−C
6−アルコキシカルボニル−)、好ましくは、1個から4個(C
1−C
4−アルコキシカルボニル−)、および特に好ましくは、1個から3個(C
1−C
3−アルコキシカルボニル−)の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルコキシカルボニル残基を表す。好ましい例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルが含まれる。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素、シアノ、フッ素または臭素を表し;Aは、フェニルまたは五員環ヘテロアリールを表し、ここで、このフェニルまたはこの五員環ヘテロアリールは、場合により:ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロアルキル−から互いに無関係に選択される1つまたは2つの置換基で置換され;n=0または1であり;あるいは、これらの塩の、これらの溶媒和物の、またはこれらの塩の溶媒和物のうちの1つに関する。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素、シアノ、フッ素または臭素を表し;Aは、フェニル、イソオキサゾリルまたはピラゾリルを表し、ここで、このフェニル、イソオキサゾリルまたはピラゾリルは、場合により、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチルから互いに無関係に選択される1つまたは2つの置換基で置換され;n=0または1であり;あるいは、これらの塩の、これらの溶媒和物の、またはこれらの塩の溶媒和物のうちの1つに関する。
【0066】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素、シアノ、フッ素、塩素または臭素を表す。
【0067】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素、シアノ、フッ素または臭素を表す。
【0068】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素またはシアノを表す。
【0069】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、フッ素またはシアノを表す。
【0070】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、フッ素を表す。
【0071】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、水素を表す。
【0072】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R
1は、シアノを表す。
【0073】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Aは、フェニルまたは五員環ヘテロアリールを表し、ここで、このフェニルまたはこの五員環ヘテロアリールは、場合により、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチルから互いに無関係に選択される1つまたは2つの置換基で置換される。
【0074】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Aは、フェニルを表し、ここで、このフェニルは、場合により、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチルから互いに無関係に選択される1つまたは2つの置換基で置換される。
【0075】
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Aは、イソオキサゾリルを表し、ここで、このイソオキサゾリルは、場合により、メチル基で置換される。
【0076】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Aは、メチルイソオキサゾリル、好ましくは、5−メチルイソオキサゾリルを表す。
【0077】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Aはフェニルを表し、ここで、このフェニルは、場合により、フルオロ−置換基で置換される。
【0078】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Aはフルオロフェニル、好ましくは、3−フルオロフェニルを表す。
【0079】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、n=0、1または2、好ましくは、n=0または1である。
【0080】
残基のそれぞれの組み合わせ、または好ましい組み合わせにおける、詳細に記載された残基の定義は、また、記載された残基のそれぞれの組み合わせとは無関係に、他の組み合わせの残基のどのような他の定義とも置き換えられる。
【0081】
2つ以上の上述の好ましい範囲の組み合わせは、特に非常に好ましい。
【0082】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下から選択される一般式(I)の化合物に関する:N−({trans−4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−4−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−[trans−4−(4−キノリルオキシ)シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロベンズアミド、N−({trans−4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−3−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、N−({trans−4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−イソオキサゾール−5−カルボキサミド、N−({trans−4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−({trans−4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−({trans−4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、N−{[trans−4−(4−キノリルオキシ)シクロヘキシル]メチル}−3,4−ジフルオロベンズアミド、N−{[trans−4−(4−キノリルオキシ)シクロヘキシル]メチル}−3−フルオロベンズアミド、N−{[trans−4−(4−キノリルオキシ)シクロヘキシル]メチル}−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3,4−ジフルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−フルオロ−4−メチルベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−4−シアノベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−4−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−クロロ−4−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−(4−キノリルオキシ)シクロヘキシル}−3−フルオロベンズアミド、N−({trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−({trans−4−[(8−ブロモキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−{[trans−4−(4−キノリルオキシ)シクロヘキシル]メチル}−4−シアノベンズアミド、N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3,4−ジフルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−4−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、3−クロロ−N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−4−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−フルオロ−4−メチルベンズアミド、4−クロロ−N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3−フルオロベンズアミド、N−{trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}−3,5−ジフルオロベンズアミド、N−({trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド、N−({trans−4−[(8−シアノキノリン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}メチル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド。
【0083】
本発明による化合物の合成:
本発明による化合物の製造は、以下の合成スキームによって表すことができる:
【化2】
【0084】
本発明は、本発明による一般式(I)の化合物の製造方法に関し、ここで、本発明による一般式(I)の化合物は、一般式(II)のアミン構成要素を、塩基の存在下で酸塩化物A−COClと、または適したカップリング試薬および塩基の存在下でカルボン酸A−COOHと反応させることによって生成される。本発明により生じる式(I)の化合物は、対応する(i)溶媒、および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、場合により、これらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に転換され、式中、R
1、Aおよびnは、本発明による一般式(I)の化合物に関連して記載された意味を有する。
【0085】
一般式(II)のアミンと酸塩化物A−COClとの反応に適した有機塩基は、例えば、トリエチルアミン(米国特許出願公開第2003/232854号明細書)、ピリジン(国際公開第2008/40934号パンフレット)またはN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(国際公開第2009/23655号パンフレット)である。本発明による方法に関連して、トリエチルアミンが有機塩基として一般式(II)のアミンとカルボン酸塩化物A−COClとの反応に用いられるのが好ましい。
【0086】
一般式(II)のアミンとカルボン酸塩化物A−COClとの、有機塩基の存在下での反応は、例えば、アセトニトリル(国際公開第2008/64432号パンフレット)、N,N−ジメチルホルムアミド(国際公開第2006/117570号パンフレット)などの非プロトン性極性溶媒中、または、例えば、ジクロロメタン(米国特許出願公開第2003/232854号明細書)などの非プロトン性非極性溶媒中で起こる。本発明による方法に関連して、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびピリジンが溶媒として一般式(II)のアミンと一般式A−COClのカルボン酸塩化物との反応に用いられるのが好ましい。
【0087】
一般式(II)のアミンとカルボン酸A−COOHとの反応に適したカップリング試薬は、例えば、O−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATUとも呼ばれる(国際公開第2005/115972号パンフレット、国際公開第2006/52722号パンフレット))、ジシクロヘキシルカルボジイミド(J.Am.Chem.Soc.1992, 114, 9327 ff.)、または1H−ベンゾトリアゾール−1−オールと1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩との組み合わせ(米国特許出願公開第2007/185148号明細書)である。本発明による方法に関連して、HATUがカップリング試薬として用いられるのが好ましい。
【0088】
一般式(II)のアミンとカルボン酸A−COOHとの反応に適した有機塩基は、例えば、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(J.Am.Chem.Soc.1992, 114, 9327 ff.)、ジイソプロピルエチルアミン(国際公開第2005/115972号パンフレット、国際公開第2006/527522号パンフレット)またはトリエチルアミン(米国特許出願公開第2007/185148号明細書)である。本発明による方法に関連して、ジイソプロピルエチルアミンが有機塩基として一般式(II)のアミンとカルボン酸A−COOHとの反応に用いられるのが好ましい。
【0089】
この反応に適した溶媒は、例えば、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド。例えば、国際公開第2005/115972号パンフレット、国際公開第2006/527522号パンフレットを参照)、または非プロトン性非極性溶媒(例えば、ジクロロメタン[米国特許出願公開第2007/185148号明細書]またはテトラヒドロフラン[J.Am.Chem.Soc.1992, 114, 9327 ff.])である。本発明による方法に関連して、テトラヒドロフラン(THF)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が、一般式(II)のアミンとカルボン酸A−COOHとの反応に用いられるのが好ましい。
【0090】
一般式(II)のアミン構成要素とカルボン酸A−COOHまたは酸塩化物A−COClとの反応は、15℃から30℃の間の温度、好ましくは室温(20℃)で起こる。一般式(II)の化合物と酸塩化物A−COClとの反応において、反応物を加える際、反応混合物の冷却が場合により必要である。
【0091】
一般式(II)のアミン構成要素と酸塩化物A−COClまたはカルボン酸A−COOHとの反応は、9時間から72時間の間、好ましくは12時間から30時間の間にわたって起こる。
【0092】
しかし、アミド結合をカップリングするために、Org.Lett.2011, 5048−5051の情報にしたがって、プロパンホスホン酸無水物(T3P)をカップリング試薬として用いるアミンと酸の間の縮合など、他の方法も適している。
【0093】
この手順を用いると、生成物は、水性の沈殿後にしばしば固形状で得られ、したがって、さらに精製するために再結晶が必要である。
【0094】
一般式(II)のアミン構成要素は、一般式(III)の構成要素のtert−ブチルカルバメート保護基(Boc保護基としても知られる)を切断する結果が生じる。Boc保護基の切断について、当業者は、例えば、以下の方法を知っている:−溶媒としてジクロロメタンを用いたトリフルオロ酢酸の使用(米国特許出願公開第2006/293341号明細書)−塩化水素と酢酸の混合物の使用(国際公開第2005/30732号パンフレット)−溶媒としてジクロロメタン(国際公開第2008/40934号パンフレット)またはアセトン(国際公開第2007/91694号パンフレット)を用いた1,4−ジオキサン中、ならびにエタノールおよびクロロホルムの溶媒混合物中(国際公開第2004/67516号パンフレット)の塩化水素の溶液の使用。
【0095】
トリフルオロ酢酸をtert−ブチルカルバメート基の切断に用いるのが好ましい。
【0096】
また、本発明は、一般式(II)
【化3】
のアミン構成要素に関し、式中、R
1およびnは、本発明による一般式(I)の化合物に関連して記載された意味を有する。
【0097】
一般式(IV)のN−Boc保護アミノ(メチル)シクロヘキサノール構成要素は、cis/trans混合物および純粋なtrans異性体(ABCR, Betapharm)の両方で市販されている。
【0098】
一般式(III)の構成要素を調製するために、一般式(IV)のアルコール構成要素のcis異性体、および市販されている一般式(V)の4−ヒドロキシキノリン誘導体(Aldrich, Activate)から出発して、以下の方法を用いた:トリフェニルホスフィンを用いた、テトラヒドロフラン中(欧州特許第1712235号明細書)、または代替の溶媒としてトルエン中(欧州特許第1550657号明細書)でのジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIADとも呼ばれる)の室温での使用。ジイソプロピルアゾジカルボキシレートの代わりに、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)を用いることも可能である。
【0099】
この方法を用いると、一般式(IV)の構成要素のカルビノール中心における立体化学は、反応中に反転する(Mitsunobu, O.Synthesis, 1981, 1−28)。
【0100】
一般式(IV)のcis構成要素は、いわゆるMitsunobu反応(Mitsunobu, O.Synthesis, 1981, 1−28)により、カルビノール中心の反転によって調製することができる。
【化4】
【0101】
あるいは、cis構成要素のアミノシクロヘキサノール(n=0)は、文献:Tet.Lett.1998, 39.2059−2062に記載されている以下の方法で調製することもできる。
【0102】
以下の代替の合成ルートは、キノリンのC8上にシアノ置換基を有する本発明による一般式(I)の化合物(一般式(VIII)の化合物)を調製するために用いることができる。一般式のキノリンのC8上の臭素置換誘導体(VII)から出発して、臭素/シアノ交換反応により、シアノ基を挿入することができる(J.Org.Chem.2005, 70, 1508−1510)。
【化5】
【0103】
本発明による化合物は、予測できない、価値のある薬理学的および薬物動態学的に広範な作用を示す。したがって、これらの化合物は、ヒトおよび動物における疾患を治療および/または防止するための医薬品として使用するのに適している。
【0104】
用語「治療」は、本発明の文脈において、予防法(prophylaxis)を含む。
【0105】
本発明による化合物の医薬品の効能は、アンドロゲン受容体のアンタゴニストとしてのこれらの化合物の作用によって説明することができる。
【0106】
さらに、本発明は、疾患、好ましくは、異常増殖疾患、特に好ましくは、アンドロゲン受容体依存性異常増殖疾患を治療および/または防止するための本発明による化合物の使用に関する。
【0107】
本発明による化合物を用いて治療することができる異常増殖疾患には、特に、癌疾患および腫瘍疾患のグループが含まれる。本発明の文脈において、これらの疾患には、特に以下の疾患が含まれるが、これらに限定されない:乳癌(breast carcinomas)および乳腺腫瘍(管状および小葉状、また、in situを含む乳癌(breast cancer))、気道腫瘍(小細胞および非小細胞癌、気管支癌)、脳腫瘍(例えば、脳幹および視床下部の脳腫瘍、星状細胞腫、脳室上衣腫、膠芽腫、神経膠腫、髄芽腫、髄膜腫ならびに神経外胚葉性および松果体部の腫瘍)、消化器の腫瘍(食道、胃、胆嚢、小腸、結腸、直腸および肛門の癌)、肝腫瘍(肝細胞癌、胆管細胞癌および混合型肝細胞・胆管細胞癌を含む)、頭部および頸部の腫瘍(喉頭、下咽頭、上咽頭、中咽頭、口唇および口腔の癌、口腔黒色腫)、皮膚腫瘍(基底細胞癌、有棘細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、非黒色腫様皮膚癌、メルケル細胞皮膚癌、肥満細胞腫瘍)、支持組織および結合組織の腫瘍(軟部組織肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、線維肉腫、血管肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫を含む)、眼の腫瘍(眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫を含む)、内分泌腺および外分泌腺の腫瘍(例えば、甲状腺および副甲状腺の腫瘍、膵臓癌および唾液腺癌、腺癌)、尿路の腫瘍(膀胱、陰茎、腎臓、腎盂および尿管の腫瘍)、ならびに生殖器の腫瘍(女性の子宮内膜、子宮頸部、卵巣、膣、外陰部および子宮の癌、ならびに男性の前立腺および精巣の癌)。これらの疾患には、白血病、リンパ腫および骨髄増殖性疾患など、固形状および循環細胞として、血液、リンパ系および脊髄の増殖性疾患も含まれ、例えば、急性骨髄性、急性リンパ性、慢性リンパ性、慢性骨髄性およびヘアリー細胞白血病、ならびにエイズ関連リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫および中枢神経系のリンパ腫も含まれる。
【0108】
特徴がはっきりしたこれらのヒト疾患は、同等の病因で他の哺乳動物にも起きる可能性があり、これらの疾患も本発明の化合物で治療することができる。
【0109】
本発明による化合物を用いた上述の癌疾患の治療は、固形腫瘍の治療、およびその疾患の転移した、または循環する形態の治療の両方を含む。
【0110】
用語「治療」または「を治療する」は、本発明の文脈において慣習的に用いられ、疾患または障害を抑制、縮小、弱毒化または軽減すること、および、例えば、癌疾患などの上記疾患によって損なわれる生活の質を向上することを目的に、患者を看護および管理することを意味する。
【0111】
好ましくは、本発明による化合物は、アンドロゲン受容体依存性異常増殖疾患を治療および/または防止するのに適している。
【0112】
用語「アンドロゲン受容体依存性異常増殖疾患」は、本発明に関連して、特にアンドロゲン依存性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、良性前立腺肥大症(BHP)ならびに子宮内膜(例えば、子宮内膜症)および子宮筋(例えば、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫)の良性異常増殖疾患を意味する。
【0113】
好ましくは、本発明による化合物は、子宮筋の異常増殖疾患を治療および/または防止するため、特に子宮類線維腫および/または子宮平滑筋腫を治療および/または防止するために用いることができる。国際公開第2011/029782号パンフレットには、アンドロゲン受容体のアンタゴニストが、子宮筋の異常増殖疾患を治療および/または防止するのに原則的に適していることが示されている。
【0114】
好ましくは、本発明による化合物は、前立腺癌、特に好ましくは、アンドロゲン依存性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌および良性前立腺肥大症(BHP)を治療および/または防止するために用いることができる。
【0115】
特に好ましくは、本発明による化合物は、去勢抵抗性前立腺癌を治療および/または防止するために用いることができる。
【0116】
さらに、本発明は、アンドロゲンレベルの上昇を伴う女性の、特にPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)および多毛症の疾患を治療および/または防止するための、好ましくは、PCOSを治療および/または防止するための本発明による化合物の使用に関する。
【0117】
女性においては、合成速度の上昇およびアンドロゲンの有効性によって引き起こされる、さまざまな症候群が記載されている。アンドロゲン合成および作用の増大の病因は、概して知られておらず、腫瘍のみがトリガーとして少数の症例において明らかになっている[D Rachon, Differential diagnosis of hyperandrogenism in women with polycystic ovary syndrome, Exp Clin Endocrinol Diabetes, 2012, 120(4): 205−209]。起こる症状は、互いに無関係に、または一緒に発生する可能性があるが、症状はすべて一般的に女性の血液中のアンドロゲンレベルが上昇し、これは、重要な診断マーカーにもなっている[Amsterdam ESHRE/ASRM−sponsored 3rd PCOS Consensus Workshop Group Consensus on women's health aspects of polycystic ovary syndrome (PCOS)、Hum Reprod., 2012, 27(1): 14−24]。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、LH刺激の増大を通じてアンドロゲンの放出が増大した女性の卵巣内における発育停止を伴う多くの未成熟卵胞によって特徴付けられる[S.Yarakら、Hyperandrogenism and skin: polycystic ovary syndrome and peripheral insulin resistance. An.Bras.Dermatol.[online] 2005, 80(4): 395−410]。女性の血液中のアンドロゲンレベルの上昇は、PCOSによって引き起こされるが、他の原因を有する可能性もあり、多毛症の発症、すなわち、例えば、目に見える顎髭の発育だけでなく、胸または背中での発毛を伴う男性型の発毛の原因となる。さらに、アンドロゲンレベルの上昇のために、多くの女性がインスリン抵抗性を示し、後に糖尿病を発症する[Amsterdam ESHRE/ASRM−Sponsored 3rd PCOS Consensus Workshop Group Consensus on women's health aspects of polycystic ovary syndrome (PCOS)、Hum Reprod, 2012, 27(1): 14−24]。
【0118】
純粋な抗アンドロゲン剤フルタミドは、女性のアンドロゲン過剰のさまざまな症状を治療するためにうまく用いられている。フルタミドを用いた治療は、多毛症の女性において男性型の発毛の減少につながる[II Muderrisら、A comparison between two doses of flutamide (250mg/d and 500mg/d) in the treatment of hirsutism, Fertil Steril., 1997, 68(4): 644−7]。PCOSを治療するために現在行われているのは、抗アンドロゲン剤と糖尿病に対する薬との組み合わせである[Amsterdam ESHRE/ASRM−sponsored 3rd PCOS, Consensus Workshop Group Consensus on women's health aspects of polycystic ovary syndrome (PCOS)、Hum Reprod, 2012, 27(1): 14−24]。しかし、抗アンドロゲン剤フルタミドを単独で、PCOS、および、しばしば併発する糖尿病を治療するために用いることもできる[A Gambineriら、Effect of flutamide and metformin administered alone or in combination in dieting obese women with polycystic ovary syndrome, Clin Endocrinol, 2004, 60: 241−249]が、明らかに、抗アンドロゲン剤単独でも、インスリンによる刺激下で細胞内のブドウ糖の取り込みが改善される[A Corbould Chronic testosterone treatment induces selective insulin resistance in subcutaneous adipocytes of women, J Endocrinol, 2007, 192: 585−594]。現在は、女性の長期治療に実際に適した選択的な抗アンドロゲン剤はない。フルタミドは、特に女性で急性肝不全が引き起こされる可能性がある[J Brahmら、Acute and fulminant hepatit
is induced by flutamide: case series report and review of the literature, Ann Hepatol, 2011, 10(1): 93−8]。ビカルタミドは、生殖可能年齢の女性にはほとんど使用されない。その最長10日の長く変わりやすい薬物動態学的な半減期のために、女性が予想外に妊娠した場合に、男性胎児の損傷を確実に避けるのに十分なほど速やかに抗アンドロゲン作用が無効にならない[ID Cockshottら、The pharmacokinetics of Casodex in prostate cancer patients after single and during multiple dosing, Eur Urol, 1990, 18 Suppl 3: 10−17;HM Scottら、Steroidogenesis in the fetal testis and its susceptibility to disruption by exogenous compounds, Endocr Rev, 2009, 30(7): 883−925]。したがって、胎児の奇形を除外するために、抗アンドロゲン剤がしばしば、経口避妊薬と組み合わされる。経口避妊薬におけるゲスターゲンとの組み合わせに関しては、抗アンドロゲン剤が、ゲスターゲンの分解に影響を与えるべきではない。あるいは、抗アンドロゲンのゲスターゲンは、PCOSおよび多毛症を治療するために用いられる。この場合、両方の効果が1つの分子によって生じるため、抗アンドロゲン作用を最も適切に与えることができない。
【0119】
したがって、アンドロゲン過剰、例えば、PCOSによって引き起こされる可能性がある女性の疾患、例えば、多毛症および糖尿病の、信頼性が高く効果的な治療について、ゲスターゲンの作用をわずかな程度しか妨害せず、好ましくは、全く妨害しない、3日未満、好ましくは2日未満の薬物動態学的な半減期を持つ、適合性の選択的な抗アンドロゲン剤はない。
【0120】
さらに、本発明は、疾患、特に上述の疾患を治療および/または防止するための本発明による化合物の使用に関する。
【0121】
さらに、本発明は、医薬品としての使用のための本発明による化合物に関する。
【0122】
さらに、本発明は、疾患、特に上述の疾患を治療および/または防止するための医薬品を製造するための本発明による化合物の使用に関する。
【0123】
さらに、本発明は、疾患、特に上述の疾患を治療および/または防止するための使用のための本発明による化合物に関する。
【0124】
さらに、本発明は、疾患、特に上述の疾患を治療および/または防止するための方法における本発明による化合物の使用に関する。
【0125】
さらに、本発明は、本発明による少なくとも1つの有効量の化合物を用いて、疾患、特に上述の疾患を治療および/または防止するための方法に関する。
【0126】
本発明による化合物は、単独で、または、必要ならば1つまたは複数の他の薬理学的に有効な物質と組み合わせて用いることができるが、ただし、この組み合わせは、望ましくない容認できない副作用を招かないものとする。
【0127】
したがって、本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの化合物および1つまたは複数の他の活性物質を含み、特に上述の疾患を治療および/または防止するための医薬品に関する。
【0128】
例えば、本発明の化合物は、癌疾患を治療するための既知の抗異常増殖性の細胞分裂阻害物質または細胞障害性物質と組み合わせることができる。さらに、本発明による化合物は、放射線療法および/または外科手術と組み合わせることもできる。
【0129】
適した組み合わせの活性物質の例として、以下に言及してもよい:
131I−chTNT、アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY 80−6946、BAY 1000394、refametinib (BAY 86−9766、RDEA 119)、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンディフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、エリプチニウムアセタート、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、ホルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、glutoxim、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチ
ニブ、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、リュープロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガスパルガーゼ、PEGーエポエチンベータ(メトキシPEGーエポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリサッカライドK、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、塩化ラジウム−223、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア類、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
【0130】
本発明は、好ましくは、本発明による少なくとも1つの化合物および1つまたは複数の以下の活性物質を含む、特にアンドロゲン受容体依存性増殖性疾患を治療および/または防止するための医薬品に関する:LHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、LHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アンタゴニスト、C(17,20)−リアーゼ阻害薬、5−アルファ−リダクターゼ阻害薬I型、5−アルファ−リダクターゼ阻害薬II型、混合5−アルファ−リダクターゼ阻害薬I/II型、骨転移を治療するためのアルファ線を発する放射性医薬品(例えば、塩化ラジウム−223)、細胞分裂阻害薬、VEGF(血管内皮増殖因子)−キナーゼ阻害薬、抗ゲスターゲン薬、抗エストロゲン薬、EGF抗体、エストロゲン、または他のアンドロゲン受容体拮抗薬。
【0131】
さらに、本発明は、疾患、特に上述の疾患を治療および/または防止するための使用のための本発明による医薬品に関する。
【0132】
本発明による化合物は、全身作用および/または局所作用を有することができる。この目的のために、これらの化合物は適した方法で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻、舌下、舌、頬側、直腸、皮膚(dermal)、経皮(transdermal)、結膜または耳の経路により、あるいは植込またはステントとして適用することができる。
【0133】
本発明による化合物は、これらの適用の経路に適した剤形で投与することができる。
【0134】
経口適用については、本発明による化合物の迅速かつ/または変更された放出を伴って先行技術にしたがって機能し、結晶形態および/またはアモルファス形態および/または溶解した形態、例えば、錠剤(例えば、腸溶コーティングまたは溶解を遅延させたコーティング、あるいは不溶性のコーティングを備え、本発明による化合物の放出を制御する非コーティング錠またはコーティング錠)、口腔内で速やかに分解する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥物、カプセル(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、粉末、乳剤、懸濁液、エアロゾルあるいは溶液の本発明による化合物を含む剤形が適している。
【0135】
非経口適用は、吸収ステップ(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)を省略して、または、吸収(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮的または腹腔内)を含めて行うことができる。非経口適用に適した剤形には、溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物または無菌粉末の形態で注入および輸注するための製剤が含まれる。
【0136】
他の適用の経路に適した剤形は、例えば、吸入剤形(粉末吸入器、ネブライザーを含む)、点鼻液、溶液およびスプレー;舌、舌下または頬側で適用するための錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル、坐剤、耳または眼の製剤、膣用カプセル、水性懸濁液(ローション、振盪合剤)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチ)、乳剤、ペースト、泡、散布剤、植込またはステントである。
【0137】
本発明による化合物は、上に列挙した剤形に変えることができる。この変形は、それ自体周知の方法で、不活性で非毒性の薬剤的に適した賦形剤と混合することによって行うことができる。これらの賦形剤には、キャリヤー(例えば、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体のポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレアート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然の高分子(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、アスコルビン酸などの酸化防止剤)、着色剤(例えば、酸化鉄などの無機顔料)ならびに矯味薬および/または矯臭薬が含まれる。
【0138】
さらに、本発明は、本発明による少なくとも1つの化合物を、通常、1つまたは複数の不活性で非毒性の薬剤的に適した賦形剤と共に含む医薬品および上述の目的のためのその使用に関する。