(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施形態を詳細に参照し、記載する実施形態のサンプルを図面に示す。図面を参照して本明細書に記載する実施形態は、説明、例証を意図するものであり、一般的に、本開示を理解するために用いられる。前記実施形態は、本開示を限定するものであると解釈すべきではない。
【0019】
本明細書及び以下の特許請求の範囲において、特に指定しない限り、数値の定義は、常に極値を含む。
【0020】
更に、「第1」及び「第2」等の用語は、説明目的のために本明細書で用いられ、相対的な重要性又は意義を示す又は意味することを意図するものではない。
【0021】
上述の特徴及び以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなしに、指定する特定の組み合わせだけではなく他の組み合わせでも又は単独でも用いることができる。
【0022】
本開示の態様の実施形態は、サーミスタ材料を調製する方法を提供する。前記方法は、以下の工程s501〜505を含み得る。前記方法については、
図5を参照して以下に記載する。
【0023】
工程s501:BaTiO
3、B
2O
3、SiO
2、Li
2O、P
2O
5、Cs
2O、及びNd
2O
3を含有する第1の混合物を提供する。
【0024】
幾つかの実施形態では、第1の混合物100重量部に対して、BaTiO
3の量は、約94.85重量部〜約97.75重量部であり、B
2O
3の量は、約0.4重量部〜約2.5重量部であり、SiO
2の量は、約0.5重量部〜約0.9重量部であり、Li
2Oの量は、約0.08重量部〜約0.2重量部であり、P
2O
5の量は、約0.2重量部〜約0.3重量部であり、Cs
2Oの量は、約0.6重量部〜約0.725重量部であり、Nd
2O
3の量は、約0.325重量部〜約0.565重量部である。
【0025】
本開示の幾つかの実施形態では、工程s501において、第1の混合物は、BaTiO
3、B
2O
3、SiO
2、Li
2O、P
2O
5、Cs
2O、及びNd
2O
3の粉末を均一に混合することによって提供され得る。BaTiO
3、B
2O
3、SiO
2、Li
2O、P
2O
5、Cs
2O、及びNd
2O
3を混合する順序は特に限定されないことに留意すべきである。
【0026】
工程s502:第1の混合物を約800℃〜約900℃で焼結して第1の粉末材料を形成する。
【0027】
本開示の1つの実施形態では、前記方法は、焼結工程前に第1の混合物を粉砕に付す工程を更に含む。本開示における粉砕の方法は特に限定されず、当業者に公知の任意の一般的な装置を使用することによって粉砕を実施してよく、例えば、遊星ボールミルを用いてボールミル粉砕することによって粉砕を実施してよい。
【0028】
本開示の幾つかの実施形態では、工程s502は、約100分間〜約120分間実施してよい。約800℃〜約900℃の温度は、約4.2℃/分〜約5.2℃/分の昇温速度で達成され得る。
【0029】
本開示の1つの実施形態では、焼結工程は、多段階焼結を介して実施してよい。例えば、本開示の1つの実施形態では、焼結工程は、約500℃〜約620℃における第1の焼結と、約800℃〜約900℃における第2の焼結とを含む。
【0030】
本開示の幾つかの実施形態では、第1の焼結工程は、約50分間〜約70分間行われ、第2の焼結工程は、約60分間〜約70分間行われる。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1の焼結工程における約500℃〜約620℃の温度は、約4.5℃/時〜約5.0℃/時の昇温速度で達成され、前記第1の焼結工程における約500℃〜約620℃の温度は、約4.2℃/分〜約5.2℃/分の昇温速度で第2の焼結工程における約800℃〜約900℃に昇温される。
【0032】
工程s503:第1の粉末材料をAl
2O
3及びTiO
2を含有する第2の混合物と混合して、第2の粉末材料を形成する。
【0033】
幾つかの実施形態では、BaTiO
3 100重量部に対して、Al
2O
3の量は、約0.06重量部〜約0.08重量部であり、TiO
2の量は、約0.07重量部〜約0.08重量部である。
【0034】
本開示の幾つかの実施形態では、工程s503において、第1の粉末材料を第2の混合物及び焼結添加剤と混合する。1つの実施形態では、前記焼結添加剤は、酸性シリカゾルを含有する。前記酸性シリカゾルは、市販されている場合があることに留意すべきである。或いは、前記酸性シリカゾルは、40:4:1の比率に従ってエチルアルコール、水、及びオルトケイ酸テトラエチルを混合して第1の混合物を形成する工程と;撹拌中に前記第1の混合物に塩酸1.1モルを添加しながら、水浴を用いて前記第1の混合物を60℃で5時間撹拌して、第2の混合物を形成する工程と;前記第2の混合物を24時間静置する工程とによって調製することもできる。
【0035】
1つの実施形態では、焼結添加剤は、第1の粉末材料100重量部に対して約0.02重量部〜約0.04重量部であってよい。
【0036】
工程s504:第2の粉末材料を造粒、ペレット化、及び成形して成形材料を形成する。
【0037】
幾つかの実施形態では、前記方法は、造粒工程前に第2の粉末材料を粉砕に付す工程を更に含む。
【0038】
本開示の幾つかの実施形態では、造粒工程は、有機結合剤を用いることによって行われる。
【0039】
1つの実施形態では、有機結合剤は、ポリビニルアルコール溶液を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、前記ポリビニルアルコール溶液は、約5重量%〜約6重量%(例えば、5重量%)の濃度を有していてよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、第2の粉末材料100重量部に対して、ポリビニルアルコール溶液は、約0.1重量部〜約0.15重量部(例えば、0.1重量部)である。
【0041】
本開示の幾つかの実施形態では、造粒工程は、噴霧造粒を介して実施してよい。その結果、調製されるサーミスタ材料の性能が更に改善され得る。本開示の幾つかの実施形態では、造粒工程において、第2の粉末材料は、約200μm〜約1,000μmの平均直径を有する造粒粒子に造粒される。
【0042】
本開示の幾つかの実施形態では、ペレット化工程は、約20MPa〜約30MPaの成形圧下で実施してよい。その結果、成形材料の緻密度が更に改善され得る。
【0043】
工程505:成形材料を熱処理に付す。
【0044】
本開示の幾つかの実施形態では、熱処理は、約580℃〜約600℃の第1の温度における第1の熱処理と;約1,150℃〜約1,180℃の第2の温度における第2の熱処理と;約1,200℃〜約1,270℃の第3の温度における第3の熱処理と;約1,100℃〜約1,175℃の第4の温度における第4の熱処理とを含んでいてよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、第1の熱処理において有機結合剤を除去し;第2の熱処理において補足的合成を行い;第3の熱処理において更なる焼結を行い;第4の熱処理において酸化反応を行う。
【0046】
本開示の1つの実施形態では、第1の熱処理は、約60分間〜約120分間行い、第2の熱処理は、約20分間〜約40分間行い、第3の熱処理は、約50分間〜約70分間行い、第4の熱処理は、約50分間〜約70分間行う。
【0047】
本開示の1つの実施形態では、第1の温度は、約4.0℃/分〜約5.2℃/分の昇温速度で達成され、第3の温度は、約3.0℃/分〜約10℃/分の昇温速度で達成され、第4の温度は、約1.1℃/分〜約3.5℃/分の降温速度で達成される。
【0048】
本開示の1つの実施形態では、熱処理は、約600℃〜約610℃で約90分間〜約110分間の第5の熱処理を更に含んでいてよい。本開示の1つの実施形態では、第5の処理後、得られた生成物を室温に冷却する。
【0049】
本開示の幾つかの実施形態によれば、前記方法は、約1,125℃〜約1,250℃の温度で約1時間〜約1.5時間保持する工程と、冷却する工程とを更に含んでいてよい。
【0050】
本開示の1つの実施形態では、約1,125℃〜約1,250℃の温度は、約250℃/時〜約300℃/時の昇温速度で達成され、冷却工程は、室温になるまで約300℃/時〜約350℃/時の降温速度で行われる。その結果、サーミスタ材料の性能は、更に改善され得る。
【0051】
本開示の幾つかの実施形態では、BaTiO
3は、市販されている場合がある。或いは、BaTiO
3は、共沈法によって調製してもよい。1つの実施形態では、共沈法は、約2.5〜約3.5のpH下でバリウム塩、チタン酸塩、及びシュウ酸溶液を混合して第1の溶液を形成する工程と;前記第1の溶液を共沈に付して、シュウ酸チタンバリウム前駆体を形成する工程と;約720℃〜約820℃で約0.8時間〜約1.2時間、前記シュウ酸チタンバリウム前駆体をか焼する工程とを含んでいてよい。
【0052】
具体的には、BaTiO
3は、以下の工程を用いて調製してよい。先ず、0.5モル/Lの分析的に純粋な塩化バリウム溶液及び0.5モル/Lのシュウ酸溶液を、それぞれ、脱イオン水を用いることによって調製する。次に、前記シュウ酸溶液1,000mLを60℃の温度の電子恒温水槽に入れ、次いで、50mL/分の供給速度で分析的に純粋なチタン酸ブチル及び前記塩化バリウム溶液を前記シュウ酸溶液に添加して混合溶液を形成し、次いで、得られた混合溶液を磁気撹拌装置によって撹拌し、アンモニア水によって前記混合溶液のpHを2.5〜3.5に制御する。前記混合溶液において、塩化バリウム:チタン酸ブチル:シュウ酸の比は、1:1:2である。3番目に、得られた溶液を1時間共沈プロセスに付して、シュウ酸チタンバリウム前駆体を得る。次いで、前記シュウ酸チタンバリウム前駆体を4回〜6回洗浄及び濾過して塩化物イオン及び他の不純物を除去し、オーブン内にて100℃で乾燥させる。最後に、乾燥させたシュウ酸チタンバリウム前駆体を800℃で1時間か焼する。このようにして、超微細チタン酸バリウム粉末を得る。
【0053】
具体的には、1つの実施形態では、サーミスタ材料を調製する方法を以下に詳細に記載し得る。
【0054】
1)BaTiO
3、B
2O
3、SiO
2、Li
2O、P
2O
5、Cs
2O、及びNd
2O
3を混合して、第1の混合物を提供するが、ここで、前記第1の混合物100重量部に対して、BaTiO
3の量は、94.85重量部〜約97.75重量部であり、B
2O
3の量は、約0.4重量部〜約2.5重量部であり、SiO
2の量は、約0.5重量部〜約0.9重量部であり、Li
2Oの量は、約0.08重量部〜約0.2重量部であり、P
2O
5の量は、約0.2重量部〜約0.3重量部であり、Cs
2Oの量は、約0.6重量部〜約0.725重量部であり、Nd
2O
3の量は、約0.325重量部〜約0.565重量部である。次いで、前記第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:1で、前記第1の混合物を10時間ボールミル粉砕に付す。前記メノウボールは、2mmの直径を有する。次いで、粉砕された第1の混合物をメッシュ篩(例えば、80メッシュの篩)で篩って第1の粉末材料を得る。一般的に、粉末材料は、オーブン内にて80℃で乾燥させる。
【0055】
2)先ず、前記第1の粉末材料を620℃(5℃/分の昇温速度で達成される)で60分間焼結し、次いで、約4.5℃/分〜約5.2℃/分の昇温速度で620℃から850℃に昇温し、焼結した第1の粉末材料を850℃で約60分間保持する。
【0056】
3)工程2)で得られた粉末材料をAl
2O
3、TiO
2、及び焼結添加剤と混合して第2の混合物を形成するが、ここでは、BaTiO
3 100重量部に対して、Al
2O
3は、約0.06重量部〜約0.08重量部であり、TiO
2は、約0.07重量部〜約0.08重量部であり、また、前記工程2)で得られた粉末材料100重量部に対して、焼結添加剤は、約0.02重量部〜約0.04重量部である。次いで、前記第2の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:2で、前記第2の混合物を24時間ボールミル粉砕に付して、第2の粉末材料を形成する。前記メノウボールは、2mmの直径を有する。次いで、前記第2の粉末材料を乾燥させ、100メッシュの篩で篩う。
【0057】
4)工程3)で得られた粉末材料を、5重量%の濃度を有するポリビニルアルコール(PVA)溶液と共に造粒して、粒子材料を形成するが、ここでは、前記工程3)で得られた粉末材料100重量部に対して、前記PVA溶液は、約0.1重量部である。造粒後、前記粒子材料は、約200μm〜約1,000μmの平均直径を有する。
【0058】
5)工程5)で得られた粒子材料を、約25MPaの圧力下で所定の成形型を用いてペレット化し、成形して、成形材料を形成する。
【0059】
6)高温焼結炉内の温度を4.1℃/分の昇温速度で600℃にし、成形材料を600℃で60分間保持してPVAを除去する。次いで、焼結された材料を1,175℃で40分間の熱処理に付し、その間に補足的合成を行う。次いで、速やかに1,250℃まで昇温し、加熱された材料を1,250℃で60分間保持する。次いで、約3.3℃/分の降温速度で1,100℃まで降温し、得られた材料を1,100℃で約50分間保持し、その間に前記材料を酸化させる。次いで、600℃まで降温し、約50分間保持し、200℃まで降温する。最後に、得られた材料を室温まで放冷する。
【0060】
7)約4.2℃/分〜約5℃/分の昇温速度で室温から1,125℃まで昇温し、工程6)で得られた材料を1,125℃で60分間保持する。
【0061】
本開示の別の態様の実施形態は、サーミスタ材料を提供する。前記サーミスタ材料は、上述の方法によって調製することができる。前記サーミスタ材料は、高い正温度係数を有するので、前記サーミスタ材料は、正温度係数(PTC)サーミスタ材料と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0062】
本開示の更なる態様の実施形態は、サーミスタ材料を提供する。前記サーミスタ材料は、混合し、混合物を加熱することによって調製することができ、前記混合物は、BaTiO
3、B
2O
3、SiO
2、Li
2O、P
2O
5、Cs
2O、Nd
2O
3、Al
2O
3及びTiO
2を含有していてよい。
【0063】
本開示の幾つかの実施形態では、BaTiO
3 100重量部に対して、B
2O
3の量は、約1.05重量部〜約2.64重量部であり、SiO
2の量は、約0.52重量部〜約0.94重量部であり、Li
2Oの量は、約0.084重量部〜約0.21重量部であり、P
2O
5の量は、約0.21重量部〜約0.32重量部であり、Cs
2Oの量は、約0.63重量部〜約0.764重量部であり、Nd
2O
3の量は、約0.343重量部〜約0.596重量部であり、Al
2O
3の量は、約0.06重量部〜約0.08重量部であり、TiO
2の量は、約0.04重量部〜約0.08重量部である。
【0064】
本開示の幾つかの他の実施形態では、BaTiO
3 100重量部に対して、B
2O
3の量は、約1.08重量部〜約2.60重量部であり、SiO
2の量は、約0.55重量部〜約0.90重量部であり、Li
2Oの量は、約0.088重量部〜約0.20重量部であり、P
2O
5の量は、約0.25重量部〜約0.30重量部であり、Cs
2Oの量は、約0.65重量部〜約0.75重量部であり、Nd
2O
3の量は、約0.35重量部〜約0.55重量部であり、Al
2O
3の量は、約0.06重量部〜約0.08重量部であり、TiO
2の量は、約0.04重量部〜約0.08重量部である。
【0065】
本開示の幾つかの実施形態では、BaTiO
3 100重量部に対して、B
2O
3の量は、約1.10重量部〜約2.60重量部であり、SiO
2の量は、約0.55重量部〜約0.88重量部であり、Li
2Oの量は、約0.1重量部〜約0.20重量部であり、P
2O
5の量は、約0.28重量部〜約0.30重量部であり、Cs
2Oの量は、約0.68重量部〜約0.75重量部であり、Nd
2O
3の量は、約0.36重量部〜約0.5重量部であり、Al
2O
3の量は、約0.06重量部〜約0.08重量部であり、TiO
2の量は、約0.04重量部〜約0.08重量部である。
【実施例】
【0066】
以下の実施例を参照して本開示を詳細に説明する。
【0067】
実施例1
1)BaTiO
3の調製
1a)分析的に純粋な塩化バリウム及び脱イオン水を用いることによって0.5モル/Lの濃度を有する塩化バリウム溶液を調製し、シュウ酸及び脱イオン水を用いることによって1.0モル/Lの濃度を有するシュウ酸溶液を調製した。
【0068】
1b)前記シュウ酸溶液1,000mLを60℃の温度の電子恒温水槽に入れ、次いで、50mL/分の供給速度で前記塩化バリウム溶液及び分析的に純粋なチタン酸ブチルを前記シュウ酸溶液に添加して混合溶液を形成した。この混合溶液中の塩化バリウム:チタン酸ブチル:シュウ酸の比は、1:1:2であった。次いで、得られた混合溶液を磁気撹拌装置によって撹拌し、アンモニア水によって前記混合溶液のpHを約2.5〜約3.5に制御した。
【0069】
1c)工程1b)で得られた混合溶液を、磁気撹拌装置を用いて約1時間共沈プロセスに付して、シュウ酸チタンバリウム前駆体を得た。次いで、前記シュウ酸チタンバリウム前駆体を5回洗浄及び濾過して塩化物イオン及び他の不純物を除去し、濾過した前駆体をオーブン内にて100℃で乾燥させた。
【0070】
1d)最後に、工程c1)で得られた前駆体を800℃で60分間か焼して、超微細チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末を得た。
【0071】
2)サーミスタ材料の調製
2a)工程1d)で得られたBaTiO
3粉末を分析的に純粋な酸化物混合物と混合して第1の混合物を形成した。前記第1の混合物100重量部に対して、前記第1の混合物は、96.65重量部のBaTiO
3、1.3重量部のB
2O
3、0.7重量部のSiO
2、0.1重量部のLi
2O、0.25重量部のP
2O
5、0.625重量部のCs
2O、及び0.375重量部のNd
2O
3を含有していた。次いで、前記第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:1で、前記第1の混合物を10時間ボールミル粉砕に付した。前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0072】
2b)工程2a)で得られた粉砕した第1の混合物を80メッシュの篩で篩い、オーブン内にて80℃で乾燥させた。
【0073】
2c)工程2b)で得られた物質を、先ず、620℃で2時間焼結した。620℃の温度は、5℃/分の昇温速度で達成された。次いで、第1の焼結を行った物質を850℃で約2時間焼結した。850℃の温度は、5℃/分の昇温速度で達成された。このようにして、第1の粉末材料を形成した。
【0074】
2d)エチルアルコール:水:オルトケイ酸テトラエチルの重量比40:4:1に従って、エチルアルコール、水、及びオルトケイ酸テトラエチルを混合し、次いで、磁気撹拌下にて60℃で5時間加熱した。撹拌中、塩酸1.1モルを添加した。次いで、得られた溶液を24時間静置して、酸性シリカゾルを得た。
【0075】
2e)0.061gのAl
2O
3、0.074gのTiO
2、及び0.056gの前記酸性シリカゾルを第1の粉末材料に添加して、第2の混合物を形成した。次いで、前記第2の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:2で、前記第2の混合物を24時間ボールミル粉砕に付して、第2の粉末材料を形成した。前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0076】
2f)次いで、前記第2の粉末材料を乾燥させ、100メッシュの篩で篩った。
【0077】
2g)工程2f)で得られた粉末材料を5重量%PVA溶液と共に噴霧造粒して粒子材料を形成した。得られた第2の粉末材料100重量部に対して、前記PVA溶液は、0.1重量部であった。前記粒子材料は、200μm〜300μmの平均直径を有していた。
【0078】
2h)粒子材料をペレット化し、所定の成形型を用いて20MPaの圧力下で成形して、成形材料を形成した。
【0079】
2i)4.1℃/分の昇温速度で達成された600℃の高温焼結炉にて120分間前記成形材料を焼結して、PVAを除去した。次いで、焼結した材料を1,175℃で40分間熱処理に付し、その間に補足的合成を行った。次いで、10℃/分の昇温速度で1,250℃まで昇温させ、得られた材料を1,250℃で20分間保持した。次いで、約3.3℃/分の降温速度で1,100℃まで降温させ、得られた材料を1,100℃で50分間保持し、その間に、得られた材料を完全に酸化させた。200℃に降温し、室温まで放冷した。
【0080】
2j)4.7℃/分の昇温速度で室温から1,125℃まで昇温させ、得られた材料を1,125℃で60分間保持して、PTCサーミスタ材料のサンプルS1を得た。
【0081】
次いで、電界放出走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型分光法(FESEM/EDS)を用いてサンプルS1を試験した。サンプルS1の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を
図1に示す。
【0082】
実施例2
実施例2のPTCサーミスタ材料のサンプルS2を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2i)において、5℃/分の昇温速度で得られた600℃の高温焼結炉にて100分間成形材料を焼結して、PVAを除去し;焼結した材料を1,150℃で40分間熱処理に付し、その間に補足的合成を行い;次いで、8℃/分の昇温速度で1,225℃まで昇温させ、得られた材料を1,225℃で70分間保持し;次いで、約2.3℃/分の降温速度で1,100℃まで降温させ、得られた材料を1,100℃で50分間保持し、その間に、得られた材料を完全に酸化させ;200℃に降温し、室温まで放冷した。
【0083】
次いで、FESEM/EDSを用いてサンプルS2を試験した。サンプルS2のSEM画像を
図2に示す。
【0084】
実施例3
実施例3のPTCサーミスタ材料のサンプルS3を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2a)において、第1の混合物100重量部に対して、前記第1の混合物は、94.85重量部のBaTiO
3、2.5重量部のB
2O
3、0.87重量部のSiO
2、0.20重量部のLi
2O、0.30重量部のP
2O
5、0.725重量部のCs
2O、及び0.555重量部のNd
2O
3を含有しており;次いで、前記第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:1で、前記第1の混合物を10時間ボールミル粉砕に付し、前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0085】
次いで、FESEM/EDSを用いてサンプルS3を試験した。サンプルS3のSEM画像を
図3に示す。
【0086】
実施例4
実施例4のPTCサーミスタ材料のサンプルS4を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2a)において、第1の混合物100重量部に対して、前記第1の混合物は、94.92重量部のBaTiO
3、2.44重量部のB
2O
3、0.9重量部のSiO
2、0.20重量部のLi
2O、0.28重量部のP
2O
5、0.705重量部のCs
2O、及び0.558重量部のNd
2O
3を含有しており;次いで、第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:1で、前記第1の混合物を10時間ボールミル粉砕に付し、前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0087】
実施例5
実施例5のPTCサーミスタ材料のサンプルS5を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2a)において、第1の混合物100重量部に対して、前記第1の混合物は、96.65重量部のBaTiO
3、1.6重量部のB
2O
3、0.5重量部のSiO
2、0.08重量部のLi
2O、0.20重量部のP
2O
5、0.605重量部のCs
2O、及び0.365重量部のNd
2O
3を含有しており;次いで、第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:1で、前記第1の混合物を10時間ボールミル粉砕に付し、前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0088】
実施例6
実施例6のPTCサーミスタ材料のサンプルS6を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2a)において、第1の混合物100重量部に対して、前記第1の混合物は、96.65重量部のBaTiO
3、1.0重量部のB
2O
3、0.8重量部のSiO
2、0.2重量部のLi
2O、0.30重量部のP
2O
5、0.675重量部のCs
2O、及び0.375重量部のNd
2O
3を含有しており;次いで、第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:1で、前記第1の混合物を10時間ボールミル粉砕に付し、前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0089】
実施例7
実施例3のPTCサーミスタ材料のサンプルS7を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2c)において、先ず、工程2b)で得られた物質を850℃で2時間焼結し、この850℃の温度は、5℃/分の昇温速度で達成された。
【0090】
実施例8
実施例8のPTCサーミスタ材料のサンプルS8を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2g)において、工程2f)で得られた粉末材料を5重量%PVA溶液と共に手動で造粒して粒子材料を形成し、得られた第2の粉末材料100重量部に対して、前記PVA溶液は、0.2重量部であり、前記粒子材料は、400μm〜600μmの平均直径を有していた。
【0091】
実施例9
実施例8のPTCサーミスタ材料のサンプルS8を調製する方法は、以下を除いて、実施例1と実質的に同じ工程を含んでいた:工程2h)において、粒子材料をペレット化し、所定の成形型を用いて30MPaの圧力下で成形して成形材料を形成する。
【0092】
比較例1
BaTiO
3粉末を分析的に純粋な酸化物混合物と混合して第1の混合物を形成した。前記第1の混合物100重量部に対して、前記第1の混合物は、45.72重量部のBaCO
3、27.70重量部のTiO
2、0.49重量部のSiO
2、25.49重量部のPb
3O
4、0.024重量部のMn(NO
3)
2、0.07重量部のAl
2O
3、及び0.5重量部のNd
2O
5を含有していた。次いで、前記第1の混合物:メノウボール:水の重量比1:2:2で、前記第1の混合物を7時間ボールミル粉砕に付した。前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0093】
次いで、前記第1の混合物を100メッシュの篩で篩い、オーブン内にて80℃で乾燥させて第1の粉末材料を得た。次いで、前記第1の粉末材料を、先ず、600℃で140分間焼結した。この温度は、4.5℃/分の昇温速度で達成された。次いで、965℃で60分間焼結した。この温度は、4.5℃/分の昇温速度で達成された。
【0094】
エチルアルコール:水:オルトケイ酸テトラエチルの重量比40:4:1に従って、エチルアルコール、水、及びオルトケイ酸テトラエチルを混合し、次いで、磁気撹拌下にて60℃で5時間加熱した。撹拌中、塩酸1.1モルを添加した。次いで、得られた溶液を24時間静置して、酸性シリカゾルを得た。
【0095】
Mn0.028g及び前記酸性シリカゾル0.042gを前記第1の粉末材料に添加して、第2の混合物を形成した。次いで、前記第2の混合物:メノウボール:水の重量比が1:2:1で、前記第2の混合物を7時間ボールミル粉砕に付して、第2の粉末材料を形成した。前記メノウボールは、2mmの直径を有していた。
【0096】
次いで、前記第2の粉末材料を乾燥させ、100メッシュの篩で篩った。
【0097】
次いで、得られた粉末材料を5重量%PVA溶液と共に噴霧造粒して粒子材料を形成した。得られた粉末材料100重量部に対して、前記PVA溶液は、0.2重量部であった。前記粒子材料は、800μm〜900μmの平均直径を有していた。
【0098】
粒子材料をペレット化し、所定の成形型を用いて25MPaの圧力下で成形して、成形材料を形成した。
【0099】
次いで、5℃/分の昇温速度で達成された600℃の高温焼結炉にて120分間前記成形材料を焼結した。次いで、焼結した材料を900℃で70分間保持し、1,180℃で30分間保持し、1,260℃で60分間保持し、1,175℃で60分間保持した。600℃まで降温させ、得られた材料を600℃で100分間保持し、次いで、室温まで冷却した。
【0100】
その後、110分間以内に0℃から550℃に昇温させ、得られた材料を550℃で30分間保持し、次いで、130分間以内に1,200℃に昇温させ、得られた材料を1,200℃で80分間保持し、次いで、130分間以内に550℃に降温させ、得られた材料を550℃で50分間保持した。次いで、FESEM/EDSを用いてサンプルDS1を試験した。サンプルDS1のSEM画像を
図4に示す。
【0101】
試験
1)インピーダンス
これらサンプルS1〜S9及びDS1を、20Hz〜10MHzの試験周波数下でWayne Kerr製の6510B精密インピーダンス分析機によって試験した。結果を表1に示す。
【0102】
2)周囲抵抗
これらサンプルS1〜S9及びDS1を、室温でユニバーサルメーターによって試験した。結果を表1に示す。
【0103】
3)キュリー温度
これらサンプルS1〜S9及びDS1の抵抗を、それぞれ、ユニバーサルメーターによって試験し、各サンプルの最大抵抗に対応する温度を各サンプルのキュリー温度として記録した。結果を表1に示す。
【0104】
4)揚力対抗力比
揚力対抗力比は、キュリー温度における抵抗を室温における抵抗で除することによって計算する。これらサンプルS1〜S9及びDS1の揚力対抗力比を表1に記録する。
【0105】
5)降伏電圧
これらサンプルS1〜S9及びDS1の降伏電圧は、BYD−GN−02降伏電圧試験機によって試験した。結果を表1に記録する。
【0106】
【表1】
【0107】
表1に示す通り、サーミスタ材料の動作電圧は、400ボルトよりも高い場合があり、前記サーミスタ材料の降伏電圧は、900ボルトに達する場合があり、前記サーミスタ材料のキュリー温度は、約200℃である場合があり、前記サーミスタ材料の揚力対抗力比は、6超である場合がある。
【0108】
表1から、本開示の実施形態に係るサーミスタ材料は、高いキュリー温度及び高い降伏電圧を有すると結論付けることができる。更に、前記サーミスタ材料の周囲抵抗は非常に低く(表1に示す通り、20オーム未満である場合もある)、前記サーミスタ材料の揚力対抗力比は高い。更に、前記サーミスタ材料の結晶粒抵抗及び結晶粒界抵抗はより低い。本開示の実施形態に係るサーミスタ材料を調製する方法は、低コストで操作が容易である。更に、前記方法の焼結要件を満たすのは容易であるので、生成物の収量及び一貫性が改善される。このように、前記サーミスタ材料は、より優れた才能を有することができ、高温及び高圧条件下等のより劣悪な環境でも適用することができる。
【0109】
説明的な実施例を示し、記載してきたが、上記実施例が本開示を限定するように解釈することはできず、実施例における、本開示の精神、原理、及び範囲から逸脱することなく、変更、代替、及び改変を為すことが可能であることが当業者によって理解されよう。