(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0024】
LED照明器具の調光方式には、例えば、位相制御方式、信号線方式、PLC方式、及び、無線方式がある。
【0025】
位相制御方式は、照明器具に供給する交流電圧の位相を調整して調光する方式である。位相制御方式には、調光制御をするための専用信号線が不要であるため調光制御に適しているというメリットがある一方、コントローラーから照明器具へ1種類の調光信号を送ることしかできないため、互いに光色が異なる複数色のLEDの光量を個別に制御することが困難であり、調色制御に適さないというデメリットがある。
【0026】
信号線方式では、照明器具に電力を供給するための電力線に対して独立した信号線が用いられる。即ち、信号線方式は、コントローラーから照明器具へ、独立した信号線を介して調光のための調光信号を伝送して調光する方式である。PWM方式などの信号線方式には、コントローラーから照明器具へ確実に調光信号を伝送できるというメリットがある一方、コントローラーから照明器具へ伝送する信号の種類の数だけ配線や制御回路が必要となり、構成が複雑になるというデメリットがある。
【0027】
PLC方式は、コントローラーと照明器具とが接続する商用電源ラインを介して、コントローラーから照明器具へ調光のための調光信号を伝送して調光する方式である。PLC方式には、商用電源ラインに調光信号を重畳させるため、配線が少なくて済むというメリットがある一方、商用電源ラインに接続された他の電気機器への電気的影響が生じ、他の電気機器において誤動作が生じる可能性があるというデメリットがある。更に、照明器具が他の電気機器から発生するノイズの影響を受け、誤動作する可能性があるというデメリットがある。
【0028】
無線方式は、コントローラーから照明器具へ、無線信号を媒体として調光のための調光信号を送信して調光する方式である。このため無線方式では、コントローラーが、無線信号を送信するための送信回路を備え、照明器具が、無線信号を受信するための受信回路を備える。無線方式には、配線が少なくて済むというメリットがある一方、調光信号の送信側に送信回路が必要であるとともに、受信側に受信回路が必要であるため、構成が複雑になるというデメリットがある。また、無線方式では、コントローラー(送信回路)に接続する照明器具ごとにアドレスを付与する必要がある。更に、アドレスのグルーピングなどが必要となる。よって、制御が複雑になるというデメリットがある。
【0029】
本発明の実施形態に係る照明システム、照明制御装置、及び照明器具によれば、上記のような従来技術に対し、配線などの接続構成がシンプルになり、かつ照明器具の制御が容易になる。
【0030】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る照明システム1を示すブロック図である。
図1に示すように、照明システム1は、照明制御装置3、及び照明器具5を備える。照明制御装置3は、照明器具5から出射される光の光量及び光色(例えば、相関色温度)を制御する。即ち、照明制御装置3は、調光制御及び調色制御を実行する。照明制御装置3は、例えば室内の壁に設置される。照明器具5は、例えば、ダウンライト又は間接照明である。以下では、まず、
図1、
図2、及び
図3(a)〜
図3(d)を参照して、照明制御装置3について説明する。
【0031】
図1に示すように、照明制御装置3は、電源部31、スイッチ部32、駆動部33、ゼロクロス検出部34、第1制御部35、入力部36、表示部37、入力端子301、及び出力端子302を備える。
【0032】
照明制御装置3は、所謂2線式であり、第1電力線4aを介して、商用電源2(外部電源の一例)と照明器具5との間に直列に接続される。具体的には、スイッチ部32が、商用電源2と照明器具5との間に直列に接続される。
【0033】
詳しくは、照明制御装置3の入力端子301が、商用電源2の一端に第1電力線4aを介して接続されるとともに、照明制御装置3の出力端子302が、第1電力線4aを介して、照明器具5が備える2つの入力端子501、502のうちの一方の入力端子501に接続される。一方、照明器具5が備える2つの入力端子501、502のうちの他方の入力端子502は、照明制御装置3を介すことなく、第2電力線4bを介して商用電源2の他端に接続される。また、照明制御装置3内において、照明制御装置3の入力端子301がスイッチ部32の入力端に接続されるとともに、照明制御装置3の出力端子302がスイッチ部32の出力端に接続される。
【0034】
したがって、照明制御装置3の入力端子301に、商用電源2の一端から交流電圧が供給され、照明制御装置3の出力端子302から、スイッチ部32を通過した後の交流電圧が出力される。そして、照明制御装置3の出力端子302から出力された交流電圧が、照明器具5が備える一方の入力端子501に供給される。一方、照明器具5が備える他方の入力端子502には、商用電源2の他端から交流電圧が供給される。なお、以下の説明において、照明器具5が備える一方の入力端子501を第1入力端子501と記載する場合がある。また、照明器具5が備える他方の入力端子502を第2入力端子と記載する場合がある。
【0035】
スイッチ部32は、商用電源2から供給された交流電圧の導通を制御して、交流電圧に含まれる各半波の一部を切り欠く。更に、スイッチ部32は、制御信号設定区間において、各半波の少なくとも1つの波形を、他の半波とは異なる所定の波形に変化させる。この結果、照明器具5の第1入力端子501に供給される交流電圧の波形は、制御信号設定区間において、照明器具5から出射される光の光量及び光色のうちの少なくとも一方を変更又は設定するための情報を示す波形となる。
【0036】
照明器具5は、照明器具5の第1入力端子501に供給される交流電圧に基づいて、制御信号設定区間に含まれる交流電圧の波形に応じた光量及び光色の光を発生させる。即ち、照明器具5の第1入力端子501に供給される交流電圧は、照明器具5のエネルギー源となるとともに、調光制御及び調色制御のうちの少なくとも一方の制御のための命令信号となる。なお、以下の説明において、照明器具5の第1入力端子501に供給される交流電圧(又は、スイッチ部32を通過した後の交流電圧)のうち、制御信号設定区間に含まれる交流電圧を、制御信号設定区間における交流電圧と記載する場合がある。
【0037】
電源部31は、スイッチ部32の入力端及び出力端間に接続されて、照明制御装置3の各部の動作に必要な電力(具体的には、直流電圧)を生成する。詳しくは、電源部31は、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子のオフ期間に電力を生成する。実施形態1において、スイッチ素子は、交流電圧に含まれる各半波の前半分が入力端子301(スイッチ部32の入力端)に供給されている期間中にオフ状態となる。スイッチ素子の動作は、駆動部33が生成する駆動信号によって制御される。スイッチ部32は、好ましくは半導体スイッチ素子を含む。
【0038】
電源部31は更に、交流電圧のゼロクロス検出用の電圧をゼロクロス検出部34に供給する。例えば、電源部31は、整流回路を含み得る。この場合、電源部31は、交流電圧を整流回路によって整流した後の電圧を、ゼロクロス検出用の電圧として、ゼロクロス検出部34に供給してもよい。
【0039】
ゼロクロス検出部34は、ゼロクロス検出用の電圧に基づいて、交流電圧のゼロクロス点を検出する。ゼロクロス検出部34は、交流電圧のゼロクロス点を示す信号を第1制御部35に入力する。
【0040】
入力部36はユーザーインターフェイスであり、例えば複数個の押しボタンを含む。ユーザーは、入力部36を介して、照明器具5から出射される光の光量及び光色の変更又は設定を指令することができる。ユーザーによる指令は、入力部36を介して第1制御部35に入力される。
【0041】
第1制御部35は、例えばマイクロコンピューターであり、第1メモリー35a(記憶部の一例)を含む。第1制御部35は、第1メモリー35aに記憶されたプログラムを実行することによって、数値計算や情報処理、機器制御のような様々な処理を行う。第1メモリー35aは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)によって構成され得る。
【0042】
第1メモリー35aは、プログラム及び設定情報などを記憶する。具体的には、第1メモリー35aは、交流電圧の周波数を記憶する。また、第1メモリー35aは、入力部36によって設定し得る光量の各段階に対応する各第1の切り欠きパターンを示す情報を記憶している。更に第1メモリー35aは、入力部36によって設定し得る光色の各段階に対応する各第2の切り欠きパターンを示す情報を記憶している。以下、第1の切り欠きパターンと第2の切り欠きパターンとを区別して説明する必要がない場合、切り欠きパターンと記載する場合がある。
【0043】
第1制御部35は、交流電圧のゼロクロス点を示す信号に基づき、駆動部33を介してスイッチ部32を制御する。詳しくは、第1制御部35は、交流電圧のゼロクロス点を示す信号に基づき、駆動信号の立ち上がりのタイミング及び立ち下がりのタイミングを制御する。
【0044】
具体的には、実施形態1の第1制御部35は、電源部31において電力が生成されるように、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子を、各ゼロクロス点よりも遅いタイミングでターンオンさせる。この結果、交流電圧の各半波は、前側の一部が切り欠かれた波形となる。スイッチ素子をターンオンさせるタイミングは、交流電圧の周波数に応じて設定される。交流電圧の周波数は、第1制御部35が、交流電圧のゼロクロス点を示す信号に基づいて判定する。例えば第1制御部35は、照明制御装置3の設置時に交流電圧の周波数を判定する。第1制御部35は、判定した周波数の値を示す情報を、第1メモリー35aに記憶させる。
【0045】
また、第1制御部35は、ユーザーからの指令が入力部36を介して入力されると、その指令に応じた光量及び光色の光が照明器具5から出射されるように、駆動部33を介してスイッチ部32を制御する。詳しくは、制御信号設定区間における交流電圧の波形が、その指令に応じた切り欠きパターンを有するようにスイッチ部32を制御する。
【0046】
具体的には、ユーザーの指令によって光量が設定(あるいは変更)される場合、第1制御部35は、ユーザーが設定した光量に対応する第1の切り欠きパターンを示す情報を第1メモリー35aから読み出す。次に、第1制御部35は、読み出した情報に基づいてスイッチ部32を制御する。この結果、制御信号設定区間における交流電圧の波形が、ユーザーによって設定された光量を示す第1の切り欠きパターンを有する波形となる。同様に、ユーザーの指令によって光色が設定(あるいは変更)される場合、第1制御部35は、ユーザーが設定した光色に対応する第2の切り欠きパターンを示す情報を第1メモリー35aから読み出す。この結果、制御信号設定区間における交流電圧の波形は、ユーザーによって設定された光色を示す第2の切り欠きパターンを有する波形となる。また、ユーザーの指令によって光量及び光色が設定(あるいは変更)される場合、制御信号設定区間における交流電圧の波形は、ユーザーによって設定された光量及び光色を示す第1の切り欠きパターン及び第2の切り欠きパターンを有する波形となる。
【0047】
実施形態1では、第1制御部35は、光量の設定(あるいは変更)の際に、第1の切り欠きパターンを示す情報とともに、現在設定されている光色に対応する第2の切り欠きパターンを示す情報を第1メモリー35aから読み出す。同様に、第1制御部35は、光色の設定(あるいは変更)の際に、第2の切り欠きパターンを示す情報とともに、現在設定されている光量に対応する第1の切り欠きパターンを示す情報を第1メモリー35aから読み出す。したがって、制御信号設定区間における交流電圧の波形は、例えば、第1の切り欠きパターンに続けて、第2の切り欠きパターンを有する波形となる。
【0048】
実施形態1では、交流電圧に含まれる各半波の前半分の一部が切り欠かれる。更に、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波の最大幅が、切り欠きパターンに応じて変化する。詳しくは、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子をターンオンさせるタイミングが、切り欠きパターンに応じて変化する。なお、制御信号設定区間は、半波の数によって予め規定される。換言すると、制御信号設定区間は、所定数の半波を含む。
【0049】
また、第1制御部35は、照明制御装置3の起動時に、第1メモリー35aに予め登録された光量及び光色(デフォルト値)に応じた光が照明器具5から出射されるように、駆動部33を介してスイッチ部32を制御する。この結果、照明制御装置3の起動時に照明器具5の一方の入力端子501に供給される交流電圧の波形が、制御信号設定区間において、予め登録された光量及び光色を示す第1の切り欠きパターン及び第2の切り欠きパターンを有する波形となる。なお、照明制御装置3の起動時に設定される光量及び光色は、入力部36を介してユーザーが設定又は登録した光量及び光色であり得る。あるいは、照明制御装置3の起動時に設定される光量及び光色として、ユーザーによって最後に設定された光量及び光色を利用してもよい。
【0050】
表示部37は、第1制御部35によって制御されて、各種の画像を表示することができる。表示部37は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであり得る。
【0051】
第1制御部35は、表示部37に、ユーザーによる光量及び光色の設定又は変更を視覚的に補助する情報を表示させる。詳しくは、表示部37は、家屋や事務所等に照明システム1が設置された直後の初期段階では、予め規定された光量及び光色を示す情報を表示する。初期段階における光量及び光色を示す情報は第1メモリー35aに予め記憶されており、初期段階では、予め規定された光量及び光色の光が照明器具5から出射される。その後、表示部37は、入力部36を介して指示された光量及び光色の情報を表示する。これにより、ユーザーは、表示部37を見ながら、所望の光量及び光色を設定又は変更することができる。
【0052】
続いて
図2を参照して、スイッチ部32及び駆動部33の一例について説明する。
図2は、スイッチ部32及び駆動部33の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、スイッチ部32は、スイッチ素子として、第1NchMOSFET321a、及び第2NchMOSFET321bを備える。スイッチ部32は更に、第1ダイオード325a、及び第2ダイオード325bを備える。また、駆動部33は、第1ゲート駆動部331a、及び第2ゲート駆動部331bを備え得る。
【0053】
第1NchMOSFET321aのドレインは、スイッチ部32の入力端を構成し、照明制御装置3の入力端子301と接続する。第1NchMOSFET321a、及び第2NchMOSFET321bは、相補的に接続される。詳しくは、第1NchMOSFET321aのソースは、第2NchMOSFET321bのソースに電気的に接続する。第1NchMOSFET321aのソース、及び第2NchMOSFET321bのソースは、接地される。第2NchMOSFET321bのドレインは、スイッチ部32の出力端を構成し、照明制御装置3の出力端子302と接続する。
【0054】
第1ダイオード325aは、第1NchMOSFET321aのソース及びドレイン間に電気的に接続される。詳しくは、第1ダイオード325aのアノードが第1NchMOSFET321aのソースに接続され、第1ダイオード325aのカソードが第1NchMOSFET321aのドレインに接続される。
【0055】
第2ダイオード325bは、第2NchMOSFET321bのソース及びドレイン間に電気的に接続される。詳しくは、第2ダイオード325bのアノードが第2NchMOSFET321bのソースに接続され、第2ダイオード325bのカソードが第2NchMOSFET321bのドレインに接続される。
【0056】
第1ゲート駆動部331aは、第1NchMOSFET321aのゲートに接続する。第1ゲート駆動部331aは、第1制御部35によって制御されて、第1NchMOSFET321aをターンオン及びターンオフさせるパルス状の駆動信号(パルス波)を生成する。
【0057】
第2ゲート駆動部331bは、第2NchMOSFET321bのゲートに接続する。第2ゲート駆動部331bは、第1制御部35によって制御されて、第2NchMOSFET321bをターンオン及びターンオフさせるパルス状の駆動信号(パルス波)を生成する。
【0058】
続いて
図2、及び
図3(a)〜
図3(d)を参照して、制御信号設定区間における交流電圧の波形、及び駆動部33が生成する駆動信号の一例について説明する。
図3(a)は、商用電源2から供給される交流電圧100の波形を示す図である。
図3(b)は、スイッチ部32を通過した後の交流電圧110の波形の一例を示す図である。詳しくは、
図3(b)は、制御信号設定区間における交流電圧110の波形を示す。
図3(c)は第1ゲート駆動部331aが生成する第1駆動信号120aの一例を示す図である。
図3(d)は第2ゲート駆動部331bが生成する第2駆動信号120bの一例を示す図である。
【0059】
図3(a)〜
図3(d)において、横軸は時間を示す。具体的には、
図3(a)〜
図3(d)において右側ほど遅い時間である。また、
図3(a)及び
図3(b)において、横軸よりも上側は正の電圧を示し、横軸よりも下側は負の電圧を示す。
【0060】
図3(a)に示すように、交流電圧100は、正弦波状の波形を有する。交流電圧100の周波数は、例えば50Hz又は60Hzである。交流電圧100は、ゼロクロス点を含む。詳しくは、交流電圧100の波形が横軸と交わる点が、交流電圧100のゼロクロス点である。
【0061】
本明細書では、各半波において、時間的に早いゼロクロス点を第1ゼロクロス点101と規定し、時間的に遅いゼロクロス点を第2ゼロクロス点102と規定する。つまり、各半波は、第1ゼロクロス点101から開始し、第2ゼロクロス点102において終了する。なお、正の電圧を有する各半波の第2ゼロクロス点102は、負の電圧を有する各半波の第1ゼロクロス点101に対応する。同様に、負の電圧を有する各半波の第2ゼロクロス点102は、正の電圧を有する各半波の第1ゼロクロス点101に対応する。
【0062】
また、本明細書では、各半波において、第1ゼロクロス点101から位相角90°までの部分を、半波の前側あるいは半波の前半分と規定する。換言すると、半波の開始位置から半波の頂点位置までの部分が、半波の前側(前半分)である。同様に、各半波において、位相角90°から第2ゼロクロス点102までの部分を、半波の後側あるいは半波の後半分と規定する。換言すると、半波の頂点位置から半波の終了位置までの部分が、半波の後側(後半分)である。
【0063】
図3(b)に示すように、交流電圧110は、第1半波111、第2半波112、第3半波113、及び第4半波114を含み得る。第1半波111、及び第2半波112は、正の電圧を有し、第3半波113、及び第4半波114は、負の電圧を有する。
【0064】
詳しくは、交流電圧110の波形は、制御信号設定区間において、切り欠きパターンに応じて、少なくとも1箇所に第2半波112又は第4半波114を含む。残りの箇所は、第1半波111又は第3半波113となる。なお、制御信号設定区間以外の期間において、交流電圧110の波形は、第1半波111及び第3半波113によって構成される。
【0065】
実施形態1において、第1半波111、第2半波112、第3半波113、及び第4半波114はそれぞれ、前側に切り欠きを有する。具体的には、第1半波111及び第3半波113は、前側に第1切り欠き111aを有し、第2半波112及び第4半波114は、前側に第2切り欠き112aを有する。
【0066】
図3(c)に示すように、第1駆動信号120aは、第1パルス波121、及び第2パルス波122を含む。第1パルス波121、及び第2パルス波122は、交流電圧100が正の電圧である際に生成される(第1NchMOSFET321aのゲートに入力される)。換言すると、第1駆動信号120aの信号レベルは、交流電圧100に含まれる正の電圧を有する各半波に対応してHレベルとなる。
【0067】
図2を参照して説明した第1NchMOSFET321aは、第1駆動信号120aの信号レベルがHレベルである期間にオン状態となる。換言すると、第1NchMOSFET321aは、第1パルス波121、及び第2パルス波122が入力されている期間にオン状態となる。交流電圧100に含まれる正の電圧を有する各半波は、第1NchMOSFET321aがオン状態である期間に、第1NchMOSFET321aを通過する。換言すると、正の電圧を有する各半波は、第1NchMOSFET321aがオフ状態である期間にスイッチ部32を通過しない。なお、正の電圧を有する各半波は、第1NchMOSFET321aを通過した後、
図2を参照して説明した第2ダイオード325bを経由して、照明制御装置3の出力端子302に至る。
【0068】
第1パルス波121は、第1パルス幅W1を有する。詳しくは、第1パルス波121は、第1ゼロクロス点101から遅延したタイミングT1において立ち上がり、第2ゼロクロス点102のタイミングにおいて立ち下がる。タイミングT1は、第1ゼロクロス点101から位相角90°までの間に設定される。
【0069】
図3(b)に示す第1半波111は、第1パルス波121に対応して生成される。このため、第1半波111の導通は、タイミングT1から開始される。この結果、第1半波111は第1切り欠き111aを有する波形となり、第1半波111の最大幅は、第1パルス幅W1に対応する長さとなる。
【0070】
第2パルス波122は、第1パルス幅W1よりも短い第2パルス幅W2を有する。詳しくは、第2パルス波122は、第1ゼロクロス点101から遅延したタイミングT2において立ち上がり、第2ゼロクロス点102のタイミングで立ち下がる。具体的には、第1ゼロクロス点101(半波の開始位置)に対するタイミングT2の遅延時間は、第1ゼロクロス点101に対するタイミングT1の遅延時間よりも長い。なお、タイミングT2は、第1ゼロクロス点101から位相角90°までの間に設定される。
【0071】
図3(b)に示す第2半波112は、第2パルス波122に対応して生成される。このため、第2半波112の導通は、タイミングT2から開始される。この結果、第2半波112は第2切り欠き112aを有する波形となり、第2半波112の最大幅は、第2パルス幅W2に対応する長さとなる。したがって、第2半波112の最大幅は、第1半波111の最大幅よりも小さくなる。
【0072】
図3(d)に示すように、第2駆動信号120bは、第3パルス波123、及び第4パルス波124を含む。第3パルス波123、及び第4パルス波124は、交流電圧100が負の電圧である際に生成される(第2NchMOSFET321bのゲートに入力される)。換言すると、第2駆動信号120bの信号レベルは、交流電圧100に含まれる負の電圧を有する各半波に対応してHレベルとなる。
【0073】
図2を参照して説明した第2NchMOSFET321bは、第2駆動信号120bの信号レベルがHレベルである期間にオン状態となる。換言すると、第2NchMOSFET321bは、第3パルス波123、及び第4パルス波124が入力されている期間にオン状態となる。交流電圧100に含まれる負の電圧を有する各半波は、
図2を参照して説明した第1ダイオード325aを経由して、第2NchMOSFET321bのソースに到達し、第2NchMOSFET321bがオン状態である期間に、第2NchMOSFET321bを通過する。換言すると、負の電圧を有する各半波は、第2NchMOSFET321bがオフ状態である期間にスイッチ部32を通過しない。
【0074】
第3パルス波123は、第1パルス波121と同様に、第1パルス幅W1を有する。詳しくは、第3パルス波123は、第1パルス波121と同様に、タイミングT1において立ち上がり、第2ゼロクロス点102のタイミングにおいて立ち下がる。
【0075】
図3(b)に示す第3半波113は、第3パルス波123に対応して生成される。このため、第3半波113の導通は、タイミングT1から開始される。この結果、第3半波113は第1切り欠き111aを有する波形となり、第3半波113の最大幅は、第1半波111と同様に、第1パルス幅W1に対応する長さとなる。換言すると、第3半波113の最大幅は、第1半波111の最大幅と同じ幅となる。
【0076】
第4パルス波124は、第2パルス波122と同様に、第2パルス幅W2を有する。詳しくは、第4パルス波124は、第2パルス波122と同様に、タイミングT2において立ち上がり、第2ゼロクロス点102のタイミングにおいて立ち下がる。
【0077】
図3(b)に示す第4半波114は、第4パルス波124に対応して生成される。このため、第4半波114の導通は、タイミングT2において開始される。この結果、第4半波114は第2切り欠き112aを有する波形となり、第4半波114の最大幅は、第2半波112と同様に、第2パルス幅W2に対応する長さとなる。換言すると、第4半波114の最大幅は、第2半波112の最大幅と同じ幅となる。
【0078】
以上、
図1、
図2、及び
図3(a)〜
図3(d)を参照して照明制御装置3について説明した。実施形態1に係る照明制御装置3によれば、制御信号設定区間において、照明器具5の一方の入力端子501へ供給する交流電圧(交流電圧110)の波形を、切り欠きパターンに応じた所定の波形に変化させることができる。
【0079】
具体的には、スイッチ部32の動作により、交流電圧110の波形が変化する。詳しくは、制御信号設定区間において、交流電圧110の各半波は、その前半分に、切り欠きパターンに応じて、第1切り欠き111a、又は、第1切り欠き111aとは異なる第2切り欠き112aを有する波形となる。これにより、切り欠きパターンを示す情報が照明制御装置3から照明器具5へ伝達される。
【0080】
なお、入力部36はタッチパネルによって形成されてもよい。タッチパネルは、表示部37に設けられてもよい。
【0081】
また、入力部36は、赤外線リモートコントローラーなどから送信される赤外線を受光可能な赤外線受光部を含み得る。この場合、赤外線リモートコントローラーなどから送信された赤外線コード信号が、赤外線受光部を介して第1制御部35に伝送される。例えば、赤外線リモートコントローラーの筐体に、光量アップボタン、光量ダウンボタン、光色アップボタン、及び光色ダウンボタンが設けられている場合、ユーザーがいずれかのボタンを1回押下する毎に、ユーザーによるボタン操作に対応する赤外線コード信号が第1制御部35へ送られる。例えば、ユーザーが光量ダウンボタンを1回押下した場合、光量を1段階下げる指令を示す赤外線コード信号が第1制御部35へ送られる。この結果、交流電圧110の波形が、現在の光量よりも1段階低い光量を示す切り欠きパターンを有する波形となる。
【0082】
続いて
図1を参照して、照明器具5について説明する。
図1に示すように、照明器具5は、第1入力端子501及び第2入力端子502に加えて、点灯電力供給部6、信号生成部7、及び点灯負荷8を更に備える。
【0083】
点灯電力供給部6は、第1入力端子501及び第2入力端子502に電気的に接続している。点灯電力供給部6は、第1入力端子501及び第2入力端子502を介して供給された交流電圧に基づいて、点灯負荷8に電力を供給する。
【0084】
実施形態1では、点灯負荷8が、照明素子としてLEDを含む。したがって、点灯電力供給部6は、定電流を生成する。また、実施形態1では、点灯負荷8が、互いに光色の異なる光を出射する複数色のLEDを含む。これにより、調光調色制御を実現することができる。複数色のLEDは、平面視したときに均等に配置されることが好ましい。これにより、各光色の光が均等に混ざるため、点灯負荷8から発生する光の光量及び光色を高精度に調節することが可能となる。
【0085】
具体的には、点灯負荷8は、互いに光色の異なる光を出射する第1LED81aと第2LED81bとを含む。例えば、点灯負荷8は、第1LED81aとして5000ケルビン(寒色)のLEDを含み、第2LED81bとして2700ケルビン(暖色)のLEDを含み得る。
【0086】
実施形態1では、点灯電力供給部6は、整流回路61、平滑回路62、及び、2つの定電流回路63を備える。2つの定電流回路63は、第1LED81aに対応して設けられた第1定電流回路63aと、第2LED81bに対応して設けられた第2定電流回路63bとを含む。第1定電流回路63aは第1LED81aに定電流を供給し、第2定電流回路63bは第2LED81bに定電流を供給する。
【0087】
整流回路61は、第1入力端子501及び第2入力端子502を介して供給された交流電圧を整流する。整流回路61は、好適には全波整流回路である。実施形態1において整流回路61は全波整流回路である。平滑回路62は、整流回路61の出力を平滑化する。実施形態1において、平滑回路62は、ダイオード621と電解コンデンサ622とを含む。
【0088】
整流回路61及び平滑回路62により、第1入力端子501及び第2入力端子502を介して供給された交流電圧が直流電圧に変換される。各定電流回路63は、平滑回路62の出力(直流電圧)に基づいて定電流を生成する。この定電流により、点灯負荷8に電力が供給される。
【0089】
信号生成部7には、整流回路61を通過した後の電圧が伝送される。信号生成部7は、整流後の電圧の波形が有する切り欠きのパターンに基づいて、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bを生成する。第1制御信号140a、及び第2制御信号140bは、点灯電力供給部6による点灯負荷8への電力供給動作を制御するための信号である。詳しくは、第1制御信号140aによって第1定電流回路63aの動作が制御され、第2制御信号140bによって第2定電流回路63bの動作が制御される。
【0090】
続いて
図4(a)及び
図4(b)を参照して点灯負荷8について説明する。点灯負荷8は、光色ごとにLEDを1個ずつ含んでもよいし、光色ごとに複数個のLEDを含んでもよい。
図4(a)及び
図4(b)は、同色のLED81の接続例を示す図である。
図4(a)に示すように、同色のLED81は直列接続されてもよい。あるいは、同色のLED81は、
図4(b)に示すように並列接続されてもよい。
【0091】
続いて
図5を参照して、各定電流回路63について、第1定電流回路63aを例に説明する。
図5は、第1定電流回路63aの構成の一例を示す図である。
図5に示すように、第1定電流回路63aは、第2制御部631、第3NchMOSFET632(スイッチ素子の一例)、ダイオード633、チョークコイル634、及びコンデンサ635を含み得る。
【0092】
コンデンサ635は、平滑回路62(
図1参照)の出力によって充電される。第2制御部631は、例えば、定電流制御IC(Integrated Circuit)である。第2制御部631は、信号生成部7から出力された第1制御信号140aに従って、点灯負荷8(第1LED81a)に定電流が流れるように第3NchMOSFET632の動作を制御する。この制御により、第3NchMOSFET632がターンオン及びターンオフを繰り返して、コンデンサ635が充電と放電とを繰り返す。この結果、第1LED81aに定電流が流れて、第1LED81aが発光する。
【0093】
点灯負荷8から発生する光の光量及び光色の調節は、第1LED81a及び第2LED81bにそれぞれ流れる定電流の電流値を制御することで実行される。第1LED81aに流れる定電流の電流値は、第1定電流回路63aに含まれる第3NchMOSFET632のオン時間及びオフ時間を制御することによって制御し得る。第1制御信号140aは、第1LED81aに流れる定電流の電流値が切り欠きパターンに応じた所定の値となるように、第1定電流回路63aに含まれる第3NchMOSFET632のオン時間及びオフ時間を制御する。同様に、第2LED81bに流れる定電流の電流値は、第2定電流回路63bに含まれる第3NchMOSFET632のオン時間及びオフ時間を制御することによって制御し得る。第2制御信号140bは、第2LED81bに流れる定電流の電流値が切り欠きパターンに応じた所定の値となるように、第2定電流回路63bに含まれる第3NchMOSFET632のオン時間及びオフ時間を制御する。
【0094】
続いて
図6、
図7(a)、及び
図7(b)を参照して、信号生成部7の一例について説明する。
図6は信号生成部7の構成の一例を示す図である。
図7(a)、及び
図7(b)は、
図6に示す信号生成部7の各部で発生する信号の一例を示す。各定電流回路63の構成が
図5を参照して説明した構成である場合、信号生成部7は、
図6に示すような回路構成であってもよい。
図6に示す信号生成部7は、2値化回路71と、第3制御部72とを備える。なお、
図6に示すように、第3制御部72には電源電圧Vccが供給される。電源電圧Vccは、照明器具5に設けられた電源部(図示せず)によって生成される。
【0095】
2値化回路71は、
図1を参照して説明した整流回路61の出力、即ち整流後の電圧を閾値と比較して、パルス信号を生成する。2値化回路71は、第1抵抗器711、第2抵抗器712、第3抵抗器713、及び第4NchMOSFET714を備えてもよい。第1抵抗器711、及び第2抵抗器712は、整流回路61による整流後の電圧を分圧する分圧回路を構成する。この分圧回路の出力電圧が第4NchMOSFET714のゲートに印加される。第3抵抗器713はプルアップ抵抗である。なお、実施形態1では、2値化回路71が第4NchMOSFET714を備える構成について説明するが、2値化回路71はこの構成に限定されない。例えば、2値化回路71は、第4NchMOSFET714に替えてバイポーラ型トランジスタを備えてもよい。
【0096】
第4NchMOSFET714は、そのゲートに印加される電圧と、そのゲート閾値との大小関係に応じて、ターンオン及びターンオフを繰り返す。これにより、第4NchMOSFET714のドレインと第3抵抗器713との接続点Pに、パルス信号が発生する。このパルス信号が第3制御部72の入力端子(図示せず)に入力される。第3制御部72は、例えばマイクロコンピューターであり、第2メモリー72aを含む。
【0097】
図7(a)は、第4NchMOSFET714のゲートに印加される電圧150の波形の一例を示す図である。また、
図7(b)は、第3制御部72の入力端子に入力されるパルス信号160の一例を示す図である。詳しくは、
図7(b)は、
図7(a)に示す電圧150に応じて発生するパルス信号160を示す。
【0098】
図7(a)に示すように、電圧150の波形は、第3切り欠き151、及び第4切り欠き152を有する。第3切り欠き151、及び第4切り欠き152は、
図3(a)〜
図3(d)を参照して説明した第1切り欠き111a、及び第2切り欠き112aにそれぞれ対応する。電圧150が第4NchMOSFET714のゲート閾値を下回ると、
図7(b)に示すようにパルス信号160の信号レベルがHレベルになる。
【0099】
詳しくは、パルス信号160は、第5パルス波161、及び第6パルス波162を含む。第5パルス波161は第3パルス幅W3を有し、第6パルス波162は第4パルス幅W4を有する。第3パルス幅W3は、第3切り欠き151に応じた長さとなり、第4パルス幅W4は、第4切り欠き152に応じた長さとなる。
図3(a)〜
図3(d)を参照して説明したように、第1切り欠き111aを有する半波の最大幅は、第2切り欠き112aを有する半波の最大幅よりも大きい。このため、第3パルス幅W3は、第4パルス幅W4よりも小さくなる。
【0100】
第3制御部72は、パルス信号160のパルス幅(第3パルス幅W3及び第4パルス幅W4)に応じたデジタル信号(データ列)を生成する。具体的には、第3制御部72は、パルス信号160のパルス幅を求めて、パルス信号160のパルス幅が、第3パルス幅W3であるのか第4パルス幅W4であるのかを判定する。パルス信号160のパルス幅は、パルス信号160を閾値と比較することによって求められる。
【0101】
実施形態1では、第3制御部72は、第3パルス幅W3に対応して値が「0」となり、第4パルス幅W4に対応して値が「1」となるデジタル信号を生成する(
図7(b)参照)。したがって、制御信号設定区間における交流電圧(切り欠きパターン)に対応するデジタル信号が生成される。具体的には、第3制御部72は、第1の切り欠きパターンに対応する第1デジタル信号、及び、第2の切り欠きパターンに対応する第2デジタル信号を生成する。
【0102】
なお、好ましくは、第3制御部72は、例えば数100μ秒毎にパルス信号160を閾値と比較して、パルス信号160のパルス幅を求める。このようにパルス信号160が閾値と細かく比較されることで、パルス信号160に含まれるノイズの影響を抑制することができる。
【0103】
第3制御部72は、制御信号設定区間の切り欠きパターンに対応するデジタル信号を生成すると、そのデジタル信号(データ列)を第2メモリー72aに記憶させる。具体的には、第3制御部72は、第1の切り欠きパターンに対応する第1データ列を第2メモリー72aに記憶させる。また、第3制御部72は、第2の切り欠きパターンに対応する第2データ列を第2メモリー72aに記憶させる。
【0104】
また、第3制御部72は、制御信号設定区間以外の期間においてもデジタル信号(データ列)を生成するが、そのデジタル信号は第2メモリー72aに記憶させない。実施形態1では、制御信号設定区間以外の期間において、「0」の値を連続して示すデジタル信号が生成される。
【0105】
第3制御部72は、第2メモリー72aに記憶させたデータ列に基づいて、
図1及び
図5を参照して説明した第1制御信号140a、及び第2制御信号140bを生成する。具体的には、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bはパルス電圧であり、データ列に応じて、第1定電流回路63a、及び第2定電流回路63bへ伝送されるパルス電圧のパルス幅が決まる。この結果、第1LED81a、及び第2LED81bに流れる定電流の電流値が、データ列に応じた値、即ち切り欠きパターンに応じた値となる。
【0106】
第1制御信号140a、及び第2制御信号140bのパルス幅の設定は、例えば、第2メモリー72aに、各切り欠きパターンに対応する各パルス幅を示す情報を記憶させておくことで実現してもよい。なお、第2メモリー72aは、例えば、ROM、RAM、及びEEPROMによって構成され得る。
【0107】
続いて、第3制御部72によるパルス信号160のパルス幅の判定方法について説明する。第3制御部72は、例えば、第4パルス幅W4が検出されるまで、時間的に隣接するパルス幅の比を求めて、パルス幅が第3パルス幅W3であるのか第4パルス幅W4であるのかを判定する。なお、あるパルス幅の比の値は、時間的に一つ前のパルス幅に対する比の値である。
【0108】
詳しくは、第3制御部72は、求めたパルス幅の比の値が、規定された第1範囲内の値であるとき、そのパルス幅が第3パルス幅W3であると判定する。一方、第3制御部72は、求めたパルス幅の比の値が、規定された第2範囲内の値であるとき、そのパルス幅が第4パルス幅W4であると判定する。第2範囲の下限値は、第1範囲の上限値よりも大きい値に設定されている。そして、第3制御部72は、第4パルス幅W4が検出された後は、第3パルス幅W3が検出されるまで、パルス幅の比の値として、その第4パルス幅W4の前のパルス幅(第3パルス幅W3)に対する比の値を求める。なお、第3制御部72は、求めたパルス幅の比の値が「1」であるとき、そのパルス幅が第3パルス幅W3であると判定してもよい。
【0109】
パルス幅の比の値を用いてパルス信号160のパルス幅を判定することにより、照明制御装置3の入力端子301に供給される電圧の値及びその電圧の周波数に起因してパルス信号160のパルス幅が変化しても、第3制御部72はパルス信号160(切り欠きパターン)を読み取ることができる。
【0110】
以上、
図1〜
図6、
図7(a)、及び
図7(b)を参照して、照明システム1の構成について説明した。実施形態1に係る照明システム1によれば、照明制御装置3から照明器具5へ切り欠きパターンを示す情報を伝達して、切り欠きパターンに応じた光量及び光色の光を照明器具5から出射させることが可能となる。
【0111】
なお、好ましくは、照明制御装置3は、制御信号設定区間の開始時に、第3制御部72において生成されるデータ列が予告データ列となるように、スイッチ部32を制御する。予告データ列は、制御信号設定区間の開始を示す。予告データ列により、第3制御部72は、制御信号設定区間の開始を認識(判定)することができる。例えば、照明制御装置3は、制御信号設定区間の開始時に、1つ以上の第6パルス波162が第3制御部72に連続して入力されるように、スイッチ部32を制御する。この場合、予告データ列は、1つ以上の「1」の値を連続して示すデジタル信号である。
【0112】
同様に、照明制御装置3は、制御信号設定区間の終了時に、第3制御部72において生成されるデータ列が区間終了データ列となるように、スイッチ部32を制御することが好ましい。区間終了データ列は、制御信号設定区間の終了を示す。区間終了データ列により、第3制御部72は、制御信号設定区間の終了を容易に認識(判定)することができる。例えば、照明制御装置3は、制御信号設定区間の終了時に、所定数の第6パルス波162が第3制御部72に連続して入力されるように、スイッチ部32を制御する。この場合、区間終了データ列は、所定数の「1」の値を連続して示すデジタル信号である。
【0113】
続いて
図1〜
図8、
図9(a)、及び
図9(b)を参照して、照明システム1の動作の一例を説明する。具体的には、光の光量及び光色のうちの少なくとも一方を変更(設定)する指示が入力部36を介して入力された際の照明システム1の動作を説明する。
【0114】
図8(a)は、商用電源2から供給される交流電圧100の波形を示す図である。交流電圧100は、第1電力線4aを介して照明制御装置3の入力端子301に供給される。
【0115】
図8(b)は、照明制御装置3(スイッチ部32)を介して照明器具5の第1入力端子501へ供給される交流電圧110の波形の一例を示す図である。第1制御部35は、光の光量及び光色のうちの少なくとも一方を変更する指示が入力部36を介して入力されると、その指示の内容に応じて、制御信号設定区間の交流電圧110の波形を制御する。
【0116】
具体的には、交流電圧110の波形が、制御信号設定区間において、入力された指示に対応する切り欠きパターンを有するように、スイッチ部32が動作する。この結果、
図8(b)に示すように、交流電圧110の波形は、少なくとも1つの第2半波112又は第4半波114を含む波形となる。換言すると、交流電圧110の波形は、制御信号設定区間において、第1切り欠き111a及び第2切り欠き112aを有する波形となる。実施形態1では、制御信号設定区間における交流電圧110の波形は、第1の切り欠きパターンと第2の切り欠きパターンとを有する。なお、第1制御部35は、制御信号設定区間以外の期間では、交流電圧110の波形に第1半波111のみが含まれるようにスイッチ部32を動作させる。
【0117】
図8(c)は、整流回路61の出力波形の一例を示す図である。即ち、
図8(c)は、整流回路61によって整流された後の電圧170の波形を示す。
図8(c)に示すように、電圧170の波形は、制御信号設定区間において、第1切り欠き111a、及び第2切り欠き112aを有する。なお、実施形態1では、電圧170の波形は、制御信号設定区間において第1の切り欠きパターンと第2の切り欠きパターンとを有する。
【0118】
図8(d)は、平滑回路62の出力波形の一例を示す図である。即ち、
図8(d)は、平滑回路62によって平滑された後の電圧180の波形を示す。
図8(d)に示すように、電圧180は、直流電圧となる。したがって、平滑回路62から各定電流回路63へ直流電圧が供給される。
【0119】
一方、
図8(c)に示す電圧170は、信号生成部7にも伝送される。信号生成部7は、電圧170の波形が第1の切り欠きパターンと第2の切り欠きパターンとを有する場合、電圧170の波形に基づいて、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bの波形を制御する。
【0120】
具体的には、第3制御部72が、第1の切り欠きパターンに対応する第1デジタル信号と、第2の切り欠きパターンに対応する第2デジタル信号とを生成する。そして、第3制御部72は、第1デジタル信号(第1データ列)と第2デジタル信号(第2データ列)とに基づいて、第1制御信号140aの波形と、第2制御信号140bの波形とを決定する。換言すると、各定電流回路63へ伝送するパルス電圧のパルス幅を決定する。この結果、切り欠きパターンに応じて、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bのうちの少なくとも一方の波形(パルス電圧のパルス幅)が変更される。
【0121】
また第3制御部72は、第1データ列及び第2データ列を生成すると、それらのデータ列を第2メモリー72aに記憶させる。そして、第3制御部72は、次に第1データ列及び第2データ列を生成するまで、第2メモリー72aが記憶する第1データ列及び第2データ列に基づいて、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bを生成する。換言すると、第2メモリー72aが記憶する第1データ列及び第2データ列に基づいて、各定電流回路63へ伝送するパルス電圧のパルス幅を決定する。
【0122】
図9(a)は第1制御信号140aの一例を示す図であり、
図9(b)は第2制御信号140bの一例を示す図である。
図9(a)及び
図9(b)に示す例では、時刻t1において、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bのパルス幅が変化する。第1制御信号140a、及び第2制御信号140bのパルス幅が変化することにより、点灯負荷8から発生する光の光量及び光色が、ユーザーの指示に応じた光量及び光色に調節される。このように、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bは、点灯負荷8から発生する光の光量及び光色を第1データ列及び第2データ列に応じて変化させる。
【0123】
具体的には、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bによって、第1LED81a、及び第2LED81bに流れる電流の割合が制御されて、点灯負荷8から発生する光(混光)の光色が調節される。また、第1制御信号140a、及び第2制御信号140bによって、第1LED81a、及び第2LED81bに流れる電流の合計値が制御されて、点灯負荷8から発生する光(混光)の光量が調節される。つまり、信号生成部7は、第1LED81a、及び第2LED81bに流れる電流の割合、及び第1LED81a、及び第2LED81bに流れる電流の合計値を制御して、調光調色制御を実行している。
【0124】
このように、信号生成部7は、第1LED81a、及び第2LED81bに供給される電力(定電流の電流値)を個別に制御して、点灯負荷8から発生する光の光量及び光色を、切り欠きパターンに応じた光量及び光色にする。
【0125】
以上のように実施形態1によれば、専用の信号線を敷設することなく、調光調色制御を実行することができる。
【0126】
なお、実施形態1では、スイッチ部32は、交流電圧の各半波の前側(前半分)の一部を切り欠いたが、スイッチ部32は、少なくとも1つの半波の前側の全部分(前半分)を切り欠いてもよい。つまり、スイッチ部32は、少なくとも1つの半波の位相角0°から位相角90°までの部分を切り欠いてもよい。又は、少なくとも1つの半波は、位相角90°よりも後側の位置まで切り欠かれた波形を有してもよい。例えば、スイッチ部32は、少なくとも1つ半波の位相角0°(第1ゼロクロス点101)から位相角135°(位相角90°よりも後側の位置)までの部分を切り欠き得る。
【0127】
また、実施形態1では、スイッチ部32が第1ダイオード325a、及び第2ダイオード325bを備えたが、第1ダイオード325a、及び第2ダイオード325bに替えて、第1NchMOSFET321a及び第2NchMOSFET321bの寄生ダイオードを利用してもよい。
【0128】
また、実施形態1では、制御信号設定区間における交流電圧110の波形が、第1の切り欠きパターンに続けて、第2の切り欠きパターンを有したが、制御信号設定区間における交流電圧110の波形は、第1の切り欠きパターン及び第2の切り欠きパターンのうちの少なくとも一方のみを有してもよい。
【0129】
具体的には、制御信号設定区間における交流電圧110の波形は、光量の設定(変更)の際には第1の切り欠きパターンのみを有し、光色の設定(変更)の際には第2の切り欠きパターンのみを有してもよい。第3制御部72は、交流電圧110の波形が第1の切り欠きパターンのみを有する場合、第1の切り欠きパターンに対応する第1データ列を生成する一方で、第2メモリー72aから第2データ列を読み出す。同様に、交流電圧110の波形が第2の切り欠きパターンのみを有する場合、第3制御部72は、第2の切り欠きパターンに対応する第2データ列を生成する一方で、第2メモリー72aから第1データ列を読み出す。
【0130】
(実施形態2)
続いて
図1、
図2、
図6、
図10(a)〜
図10(d)、
図11(a)、及び
図11(b)を参照して実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、スイッチ部32の動作が実施形態1と異なる。
【0131】
まず
図1を参照して、実施形態2に係るスイッチ部32の動作について説明する。実施形態2において、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子は、電源部31による電力生成のために、交流電圧100に含まれる各半波の後半分が入力端子301(スイッチ部32の入力端)に供給されている期間中にオフ状態となる。
【0132】
詳しくは、実施形態2の第1制御部35は、電源部31において電力が生成されるように、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子を、各ゼロクロス点(各第2ゼロクロス点102)よりも早いタイミングでターンオフさせる。この結果、交流電圧110の各半波は、後側の一部が切り欠かれた波形となる。スイッチ素子をターンオフさせるタイミングは、交流電圧100の周波数に応じて設定される。
【0133】
また、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波の最大幅が、切り欠きパターンに応じて変化する。詳しくは、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子をターンオフさせるタイミングが、切り欠きパターンに応じて変化する。
【0134】
続いて
図2、及び
図10(a)〜
図10(d)を参照して、実施形態2に係る交流電圧110について説明する。
図10(a)は、商用電源2から供給される交流電圧100の波形を示す図である。
図10(b)は、スイッチ部32を通過した後の交流電圧110の波形の一例を示す図である。詳しくは、
図10(b)は、制御信号設定区間における交流電圧110の波形を示す。
図10(c)は、
図2を参照して説明した第1ゲート駆動部331aが生成する第1駆動信号120aの一例を示す図である。
図10(d)は、
図2を参照して説明した第2ゲート駆動部331bが生成する第2駆動信号120bの一例を示す図である。
【0135】
図10(b)に示すように、実施形態2に係る第1半波111、第2半波112、第3半波113、及び第4半波114はそれぞれ、後側に切り欠きを有する。具体的には、第1半波111及び第3半波113は、後側に第1切り欠き111aを有し、第2半波112及び第4半波114は、後側に第2切り欠き112aを有する。
【0136】
図10(c)に示すように、実施形態2に係る第1パルス波121は、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて立ち上がり、第2ゼロクロス点102よりも早いタイミングT3において立ち下がる。タイミングT3は、位相角90°から第2ゼロクロス点102までの間に設定される。このため、実施形態2に係る第1半波111の導通は、タイミングT3において遮断される。この結果、第1半波111は第1切り欠き111aを有する波形となり、第1半波111の最大幅は、第1パルス幅W1に対応する長さとなる。
【0137】
実施形態2に係る第2パルス波122は、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて立ち上がり、第2ゼロクロス点102よりも早いタイミングT4において立ち下がる。具体的には、第1ゼロクロス点101(半波の開始位置)に対するタイミングT4の遅延時間は、第1ゼロクロス点101に対するタイミングT3の遅延時間よりも短い。なお、タイミングT4は、位相角90°から第2ゼロクロス点102までの間に設定される。よって、実施形態2に係る第2半波112の導通は、タイミングT4において遮断される。この結果、第2半波112は第2切り欠き112aを有する波形となり、第2半波112の最大幅は、第2パルス幅W2に対応する長さとなる。したがって、第2半波112の最大幅は、第1半波111の最大幅よりも小さくなる。
【0138】
図10(d)に示すように、実施形態2に係る第3パルス波123は、第1パルス波121と同様に、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて立ち上がり、タイミングT3において立ち下がる。よって、実施形態2に係る第3半波113の導通は、第1半波111と同様に、タイミングT3において遮断される。この結果、第3半波113は第1切り欠き111aを有する波形となり、第3半波113の最大幅は、第1パルス幅W1に対応する長さとなる。換言すると、第3半波113の最大幅は、第1半波111の最大幅と同じ幅となる。
【0139】
実施形態2に係る第4パルス波124は、第2パルス波122と同様に、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて立ち上がり、タイミングT4において立ち下がる。よって、実施形態2に係る第4半波114の導通は、タイミングT4において遮断される。この結果、第4半波114は第2切り欠き112aを有する波形となり、第4半波114の最大幅は、第2パルス幅W2に対応する長さとなる。換言すると、第4半波114の最大幅は、第2半波112の最大幅と同じ幅となる。
【0140】
以上説明した実施形態2に係る照明制御装置3によれば、制御信号設定区間において、照明器具5の第1入力端子501へ供給する交流電圧(交流電圧110)の波形を、光量又は光色を示す切り欠きパターンに応じた所定の波形に変化させることができる。
【0141】
具体的には、スイッチ部32の動作により、交流電圧110の波形が変化する。詳しくは、制御信号設定区間において、交流電圧110の各半波は、その後半分に、切り欠きパターンに応じて、第1切り欠き111a、又は、第1切り欠き111aとは異なる第2切り欠き112aを有する波形となる。これにより、切り欠きパターンを示す情報が照明制御装置3から照明器具5へ伝達される。
【0142】
続いて
図6、
図11(a)、及び
図11(b)を参照して、実施形態2に係る第3制御部72が生成するデジタル信号について説明する。
図11(a)は、
図6を参照して説明した第4NchMOSFET714のゲートに印加される電圧150の波形の一例を示す図である。また、
図11(b)は、
図6を参照して説明した第3制御部72の入力端子に入力されるパルス信号160の一例を示す図である。詳しくは、
図11(b)は、
図11(a)に示す電圧150に応じて発生するパルス信号160を示す。
【0143】
図11(a)に示すように、電圧150の波形は、第3切り欠き151、及び第4切り欠き152を有する。第3切り欠き151、及び第4切り欠き152は、
図10(a)〜
図10(d)を参照して説明した第1切り欠き111a、及び第2切り欠き112aにそれぞれ対応する。
【0144】
また、
図11(b)に示すように、パルス信号160は、第5パルス波161、及び第6パルス波162を含む。第5パルス波161は第3パルス幅W3を有し、第6パルス波162は第4パルス幅W4を有する。第3パルス幅W3は、第3切り欠き151に応じた長さとなり、第4パルス幅W4は、第4切り欠き152に応じた長さとなる。
図10(a)〜
図10(d)を参照して説明したように、第1切り欠き111aを有する半波の最大幅は、第2切り欠き112aを有する半波の最大幅よりも大きい。このため、第3パルス幅W3は、第4パルス幅W4よりも小さくなる。
【0145】
したがって、第3制御部72は、実施形態1と同様に、第3パルス幅W3に対応して値が「0」となり、第4パルス幅W4に対応して値が「1」となるデジタル信号を生成することができる。(
図11(b)参照)。
【0146】
以上説明した実施形態2に係る照明システム1によれば、照明制御装置3から照明器具5へ切り欠きパターンを示す情報を伝達して、切り欠きパターンに応じた光量及び光色の光を照明器具5から出射させることが可能となる。したがって、実施形態2によれば、専用の信号線を敷設することなく、調光調色制御を実行することができる。また、実施形態2によれば、各半波は後側にのみ切り欠きを有するため、電磁ノイズや騒音を低減させることができる。
【0147】
なお、実施形態2では、スイッチ部32は、交流電圧の各半波の後側(後半分)の一部を切り欠いたが、スイッチ部32は、少なくとも1つの半波の後側の全部分(後半分)を切り欠いてもよい。つまり、スイッチ部32は、少なくとも1つの半波の位相角90°から位相角180°までの部分を切り欠いてもよい。又は、少なくとも1つの半波は、位相角90°よりも前側の位置から第2ゼロクロス点102まで切り欠かれた波形を有してもよい。例えば、スイッチ部32は、少なくとも1つの半波の位相角45°(位相角90°よりも前側の位置)から位相角180°(第2ゼロクロス点102)までの部分を切り欠き得る。
【0148】
(実施形態3)
続いて
図1、
図2、
図6、
図12(a)〜
図12(d)、
図13(a)、及び
図13(b)を参照して実施形態3について説明する。但し、実施形態1及び実施形態2と異なる事項を説明し、実施形態1及び実施形態2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、スイッチ部32の動作が実施形態1及び実施形態2と異なる。
【0149】
まず
図1を参照して、実施形態3に係るスイッチ部32の動作について説明する。実施形態3において、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子は、電源部31による電力生成のために、交流電圧100に含まれる各半波の前半分が入力端子301(スイッチ部32の入力端)に供給されている期間中にオフ状態となる。
【0150】
詳しくは、実施形態3の第1制御部35は、電源部31において電力が生成されるように、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子を、各ゼロクロス点(各第1ゼロクロス点101)よりも遅いタイミングでターンオンさせる。この結果、交流電圧110の各半波は、前側の一部が切り欠かれた波形となる。スイッチ素子をターンオンさせるタイミングは、交流電圧100の周波数に応じて設定される。
【0151】
また、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波の最大幅が、切り欠きパターンに応じて変化する。詳しくは、実施形態3の第1制御部35は、切り欠きパターンに応じて、少なくとも1つ半波の前側の一部及び後側の一部が切り欠かれるように、スイッチ部32を制御する。
【0152】
続いて
図2、及び
図12(a)〜
図12(d)を参照して、実施形態3に係る交流電圧110について説明する。
図12(a)は、商用電源2から供給される交流電圧100の波形を示す図である。
図12(b)は、スイッチ部32を通過した後の交流電圧110の波形の一例を示す図である。詳しくは、
図12(b)は、制御信号設定区間における交流電圧110の波形を示す。
図12(c)は、
図2を参照して説明した第1ゲート駆動部331aが生成する第1駆動信号120aの一例を示す図である。
図12(d)は、
図2を参照して説明した第2ゲート駆動部331bが生成する第2駆動信号120bの一例を示す図である。
【0153】
図12(b)に示すように、実施形態3に係る第1半波111、第2半波112、第3半波113、及び第4半波114は、少なくとも前側に切り欠きを有する。具体的には、第1半波111及び第3半波113は、前側にのみ第1切り欠き111aを有する。一方、第2半波112及び第4半波114は、前側に第1切り欠き111aを有し、後側に第2切り欠き112aを有する。
【0154】
図12(c)に示すように、実施形態3に係る第1パルス波121は、第1ゼロクロス点101よりも遅いタイミングT5において立ち上がり、第2ゼロクロス点102のタイミングにおいて立ち下がる。タイミングT5は、第1ゼロクロス点101から位相角90°までの間に設定される。このため、実施形態3に係る第1半波111の導通は、タイミングT5から開始され、第2ゼロクロス点102のタイミングにおいて遮断される。この結果、第1半波111は第1切り欠き111aを有する波形となる。
【0155】
実施形態3に係る第2パルス波122は、タイミングT5において立ち上がり、第2ゼロクロス点102よりも早いタイミングT6において立ち下がる。タイミングT6は、位相角90°から第2ゼロクロス点102までの間に設定される。このため、実施形態3に係る第2半波112の導通は、タイミングT5において開始され、タイミングT6において遮断される。この結果、第2半波112は、第1切り欠き111a及び第2切り欠き112aを有する波形となる。
【0156】
図12(d)に示すように、実施形態3に係る第3パルス波123は、第1パルス波121と同様に、タイミングT5において立ち上がり、第2ゼロクロス点102のタイミングにおいて立ち下がる。このため、実施形態3に係る第3半波113の導通は、第1半波111と同様に、タイミングT5において開始され、第2ゼロクロス点102のタイミングで遮断される。この結果、第1半波111と同様に、第3半波113は第1切り欠き111aを有する波形となる。
【0157】
実施形態3に係る第4パルス波124は、第2パルス波122と同様に、タイミングT5において立ち上がり、タイミングT6において立ち下がる。このため、実施形態3に係る第4半波114の導通は、タイミングT5において開始され、タイミングT6で遮断される。この結果、第4半波114は、第2半波112と同様に、第1切り欠き111a及び第2切り欠き112aを有する波形となる。
【0158】
以上説明した実施形態3に係る照明制御装置3によれば、制御信号設定区間において、照明器具5の第1入力端子501へ供給する交流電圧(交流電圧110)の波形を、光量又は光色を示す切り欠きパターンに応じた所定の波形に変化させることができる。
【0159】
具体的には、スイッチ部32の動作により、交流電圧110の波形が変化する。詳しくは、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波が、切り欠きパターンに応じて、前半分に第1切り欠き111aを有し、後半分に第2切り欠き112aを有する波形となる。これにより、切り欠きパターンを示す情報が照明制御装置3から照明器具5へ伝達される。
【0160】
続いて
図6、
図13(a)、及び
図13(b)を参照して、実施形態3に係る第3制御部72が生成するデジタル信号について説明する。
図13(a)は、
図6を参照して説明した第4NchMOSFET714のゲートに印加される電圧150の波形の一例を示す図である。また、
図13(b)は、
図6を参照して説明した第3制御部72の入力端子に入力されるパルス信号160の一例を示す図である。詳しくは、
図13(b)は、
図13(a)に示す電圧150に応じて発生するパルス信号160を示す。
【0161】
図13(a)に示すように、電圧150の波形は、第3切り欠き151、及び第4切り欠き152を有する。第3切り欠き151、及び第4切り欠き152は、
図12(a)〜
図12(d)を参照して説明した第1切り欠き111a、及び第2切り欠き112aにそれぞれ対応する。
【0162】
また、
図13(b)に示すように、パルス信号160は、第5パルス波161、及び第6パルス波162を含む。第5パルス波161は第3パルス幅W3を有し、第6パルス波162は第4パルス幅W4を有する。第3パルス幅W3は、第3切り欠き151に応じた長さとなり、第4パルス幅W4は、隣り合う第3切り欠き151と第4切り欠き152とに応じた長さとなる。この結果、第3パルス幅W3は、第4パルス幅W4よりも小さくなる。
【0163】
したがって、第3制御部72は、実施形態1と同様に、第3パルス幅W3に対応して値が「0」となり、第4パルス幅W4に対応して値が「1」となるデジタル信号を生成することができる。(
図13(b)参照)。
【0164】
以上説明した実施形態3に係る照明システム1によれば、照明制御装置3から照明器具5へ切り欠きパターンを示す情報を伝達して、切り欠きパターンに応じた光量及び光色の光を照明器具5から出射させることが可能となる。したがって、実施形態3によれば、専用の信号線を敷設することなく、調光調色制御を実行することができる。
【0165】
(実施形態4)
続いて
図1、
図2、
図6、
図14(a)〜
図14(d)、
図15(a)、及び
図15(b)を参照して実施形態4について説明する。但し、実施形態1〜実施形態3と異なる事項を説明し、実施形態1〜実施形態3と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態4は、スイッチ部32の動作が実施形態1〜実施形態3と異なる。
【0166】
まず
図1を参照して、実施形態4に係るスイッチ部32の動作について説明する。実施形態4において、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子は、電源部31による電力生成のために、交流電圧100に含まれる各半波の後半分が入力端子301(スイッチ部32の入力端)に供給されている期間中にオフ状態となる。
【0167】
詳しくは、実施形態4の第1制御部35は、電源部31において電力が生成されるように、スイッチ部32に含まれるスイッチ素子を、各ゼロクロス点(各第2ゼロクロス点102)よりも早いタイミングでターンオフさせる。この結果、交流電圧110の各半波は、後側の一部が切り欠かれた波形となる。スイッチ素子をターンオフさせるタイミングは、交流電圧100の周波数に応じて設定される。
【0168】
また、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波の最大幅が、切り欠きパターンに応じて変化する。詳しくは、実施形態4の第1制御部35は、切り欠きパターンに応じて、少なくとも1つ半波の前側の一部及び後側の一部が切り欠かれるように、スイッチ部32を制御する。
【0169】
続いて
図2、及び
図14(a)〜
図14(d)を参照して、実施形態4に係る交流電圧110について説明する。
図14(a)は、商用電源2から供給される交流電圧100の波形を示す図である。
図14(b)は、スイッチ部32を通過した後の交流電圧110の波形の一例を示す図である。詳しくは、
図14(b)は、制御信号設定区間における交流電圧110の波形を示す。
図14(c)は、
図2を参照して説明した第1ゲート駆動部331aが生成する第1駆動信号120aの一例を示す図である。
図14(d)は、
図2を参照して説明した第2ゲート駆動部331bが生成する第2駆動信号120bの一例を示す図である。
【0170】
図14(b)に示すように、実施形態4に係る第1半波111、第2半波112、第3半波113、及び第4半波114は、少なくとも後側に切り欠きを有する。具体的には、第1半波111及び第3半波113は、後側にのみ第1切り欠き111aを有する。一方、第2半波112及び第4半波114は、後側に第1切り欠き111aを有し、前側に第2切り欠き112aを有する。
【0171】
図14(c)に示すように、実施形態4に係る第1パルス波121は、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて立ち上がり、第2ゼロクロス点102よりも早いタイミングT7において立ち下がる。タイミングT7は、位相角90°から第2ゼロクロス点102までの間に設定される。このため、実施形態4に係る第1半波111の導通は、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて開始され、タイミングT7において遮断される。この結果、第1半波111は第1切り欠き111aを有する波形となる。
【0172】
実施形態4に係る第2パルス波122は、第1ゼロクロス点101よりも遅いタイミングT8において立ち上がり、タイミングT7において立ち下がる。タイミングT8は、第1ゼロクロス点101から位相角90°までの間に設定される。このため、実施形態4に係る第2半波112の導通は、タイミングT8において開始され、タイミングT7において遮断される。この結果、第2半波112は、第1切り欠き111a及び第2切り欠き112aを有する波形となる。
【0173】
図14(d)に示すように、実施形態4に係る第3パルス波123は、第1パルス波121と同様に、第1ゼロクロス点101のタイミングにおいて立ち上がり、タイミングT7において立ち下がる。このため、実施形態4に係る第3半波113の導通は、第1ゼロクロス点101のタイミングで開始され、タイミングT7において遮断される。この結果、第1半波111と同様に、第3半波113は第1切り欠き111aを有する波形となる。
【0174】
実施形態4に係る第4パルス波124は、第2パルス波122と同様に、タイミングT8において立ち上がり、タイミングT7において立ち下がる。このため、実施形態3に係る第4半波114の導通は、タイミングT8において開始され、タイミングT7において遮断される。この結果、第4半波114は、第2半波112と同様に、第1切り欠き111a及び第2切り欠き112aを有する波形となる。
【0175】
以上説明した実施形態4に係る照明制御装置3によれば、制御信号設定区間において、照明器具5の第1入力端子501へ供給する交流電圧(交流電圧110)の波形を、光量又は光色を示す切り欠きパターンに応じた所定の波形に変化させることができる。
【0176】
具体的には、スイッチ部32の動作により、交流電圧110の波形が変化する。詳しくは、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波が、切り欠きパターンに応じて、後半分に第1切り欠き111aを有し、前半分に第2切り欠き112aを有する波形となる。これにより、切り欠きパターンを示す情報が照明制御装置3から照明器具5へ伝達される。
【0177】
続いて
図6、
図15(a)、及び
図15(b)を参照して、実施形態4に係る第3制御部72が生成するデジタル信号について説明する。
図15(a)は、
図6を参照して説明した第4NchMOSFET714のゲートに印加される電圧150の波形の一例を示す図である。また、
図15(b)は、
図6を参照して説明した第3制御部72の入力端子に入力されるパルス信号160の一例を示す図である。詳しくは、
図15(b)は、
図15(a)に示す電圧150に応じて発生するパルス信号160を示す。
【0178】
図15(a)に示すように、電圧150の波形は、第3切り欠き151、及び第4切り欠き152を有する。第3切り欠き151、及び第4切り欠き152は、
図14(a)〜
図14(d)を参照して説明した第1切り欠き111a、及び第2切り欠き112aにそれぞれ対応する。
【0179】
また、
図15(b)に示すように、パルス信号160は、第5パルス波161、及び第6パルス波162を含む。第5パルス波161は第3パルス幅W3を有し、第6パルス波162は第4パルス幅W4を有する。第3パルス幅W3は、第3切り欠き151に応じた長さとなり、第4パルス幅W4は、隣り合う第3切り欠き151と第4切り欠き152とに応じた長さとなる。この結果、第3パルス幅W3は、第4パルス幅W4よりも小さくなる。
【0180】
したがって、第3制御部72は、実施形態1と同様に、第3パルス幅W3に対応して値が「0」となり、第4パルス幅W4に対応して値が「1」となるデジタル信号を生成することができる。(
図15(b)参照)。
【0181】
以上説明した実施形態4に係る照明システム1によれば、照明制御装置3から照明器具5へ切り欠きパターンを示す情報を伝達して、切り欠きパターンに応じた光量及び光色の光を照明器具5から出射させることが可能となる。したがって、実施形態4によれば、専用の信号線を敷設することなく、調光調色制御を実行することができる。また、実施形態4によれば、制御信号設定区間においてのみ、少なくとも1つの半波が前側に切り欠きを有する半波となるため、電磁ノイズや騒音を低減させることができる。
【0182】
(実施形態5)
続いて
図16及び
図17を参照して、実施形態5について説明する。但し、実施形態1〜実施形態4と異なる事項を説明し、実施形態1〜実施形態4と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態5は、照明システム1が複数の照明器具を備える点で、実施形態1〜実施形態4と異なる。
【0183】
図16は、実施形態5に係る照明システム1の概略構成を示す図である。
図16に示すように、照明システム1は複数の照明器具5aを備える。
図17は、実施形態5に係る照明器具5aの要部を示すブロック図である。照明器具5aは、第1出力端子501b、及び第2出力端子502bを備える点で、
図1に示す照明器具5と異なる。なお、
図17に示す2つの入力端子501a、502aは、
図1に示す2つの入力端子(第1入力端子501、第2入力端子502)にそれぞれ対応する。
【0184】
第1出力端子501bは、電力線である第1配線511を介して、第1入力端子501aと電気的に接続し、第2出力端子502bは、電力線である第2配線512を介して、第2入力端子502aと電気的に接続する。また、第1入力端子501aは、第1電力線4aを介して、前段の照明制御装置3の出力端子302(
図1参照)又は前段の照明器具5aの第1出力端子501bと電気的に接続する。第2入力端子502aは、第2電力線4bを介して、商用電源2(
図1参照)の他端又は前段の照明器具5aの第2出力端子502bと電気的に接続する。
【0185】
したがって、複数の照明器具5aは並列に接続されており、各照明器具5aから発生する光の光量及び光色を設定する信号(切り欠きパターンを示す情報)が、照明制御装置3から第1配線511及び第2配線512を介して各照明器具5aへ一括して送信される。
【0186】
以上のように、実施形態5によれば、制御用の信号線を敷設することなく、1つの照明制御装置3によって、複数の照明器具5aから発生する光の光量及び光色を一括して制御することができる。
【0187】
(実施形態6)
続いて
図18及び
図19を参照して、実施形態6について説明する。但し、実施形態1〜実施形態5と異なる事項を説明し、実施形態1〜実施形態5と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態6は、照明システム1が2系統の照明器具群を備える点で、実施形態1〜実施形態5と異なる。
【0188】
図18は、実施形態6に係る照明システム1の概略構成を示す図である。
図18に示すように、照明システム1は、第1系統51の照明器具群と、第2系統52の照明器具群とを備える。具体的には、第1系統51及び第2系統52はそれぞれ複数の照明器具5aを含む。
【0189】
図18に示す照明システム1において、各系統に含まれる複数の照明器具5aは、系統ごとに並列に接続されている。これにより、照明制御装置3は、系統ごとに、各照明器具5aを一括して制御することができる。
【0190】
図19は、実施形態6に係る照明制御装置3の要部を示すブロック図である。
図19に示すように、実施形態6の照明制御装置3は、第1スイッチ部32a、第2スイッチ部32b、第1スイッチ部32aを駆動する第1駆動部33a、第2スイッチ部32bを駆動する第2駆動部33b、第1出力端子302a、及び第2出力端子302bを備える点で、
図1に示す照明制御装置3と異なる。
【0191】
第1スイッチ部32aは入力端子301と第1出力端子302aとの間に直列に接続されており、第2スイッチ部32bは入力端子301と第2出力端子302bとの間に直列に接続されている。そして、第1出力端子302aに対し、第1系統51に含まれる各照明器具5aが並列に接続し、第2出力端子302bに対し、第2系統52に含まれる各照明器具5aが並列に接続している。
【0192】
したがって、第1制御部35が、第1駆動部33aを介して第1スイッチ部32aを制御することにより、第1系統51に含まれる各照明器具5aから発生する光の光量及び光色を一括して制御することができる。同様に、第1制御部35が、第2駆動部33bを介して第2スイッチ部32bを制御することにより、第2系統52に含まれる各照明器具5aから発生する光の光量及び光色を一括して制御することができる。
【0193】
なお、実施形態6では、各系統に複数の照明器具5aが含まれる場合について説明したが、各系統に含まれる照明器具の台数は1台であってもよい。また、実施形態6では、1つの照明制御装置3によって2系統の照明器具群を制御する場合について説明したが、系統の数は2系統に限定されるものではなく、スイッチ部、駆動部、及び出力端子の数を増加させることにより、1つの照明制御装置3によって3系統以上の照明器具群を制御することが可能となる。
【0194】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、上記各実施形態に種々の改変を施すことができる。
【0195】
例えば、本発明による実施形態では、商用電源2から電力が供給されたが、照明制御装置3及び照明器具5に電力を供給する外部電源は商用電源2に限定されるものではなく、自家発電機等であってもよい。
【0196】
また、本発明による実施形態では、信号生成部7が、第3パルス幅W3に対応して値が「0」となり、第4パルス幅W4に対応して値が「1」となるデジタル信号を発生させる形態について説明したが、信号生成部7は、第3パルス幅W3に対応して値が「1」となり、第4パルス幅W4に対応して値が「0」となるデジタル信号を発生させてもよい。
【0197】
また、本発明による実施形態では、照明制御装置3が調光調色制御を実行する形態について説明したが、照明制御装置3は、調光制御及び調色制御のうちのいずれか一方の制御のみを実行する構成であってもよい。
【0198】
また、本発明による実施形態では、照明素子がLEDであったが、照明素子はLEDに限定されるものではなく、例えば有機EL素子であってもよい。
【0199】
また、本発明による実施形態では、点灯負荷8が2色のLEDを含む形態について説明したが、色数は特に限定されるものではなく、調色を実現するために3色以上のLEDが使用されてもよい。あるいは、点灯負荷8は、1色のLEDのみを含んでもよい。1色のLEDの数は、1個以上である。この場合、調光制御のみが実施される。
【0200】
また、本発明による実施形態では、光色を示す切り欠きパターン、及び、光量を示す切り欠きパターンについて説明したが、切り欠きパターンは、他の情報を示し得る。
【0201】
例えば、照明制御装置3によって制御される各照明器具5aにアドレスが設定されている場合、照明制御装置3から各照明器具5aの第1入力端子501aへ伝送される交流電圧(交流電圧110)の波形は、制御対象のアドレスを示す切り欠きパターンを有してもよい。この場合、各照明器具5aの信号生成部7は、交流電圧110の波形が、自己に設定されたアドレスを示す切り欠きパターンを有するか否かを判定する。その判定の結果、切り欠きパターンが、自己に設定されたアドレスを示す場合に、光量を示す切り欠きパターン及び/又は光色を示す切り欠きパターンに応じて、第1デジタル信号及び/又は第2デジタル信号を生成する構成であり得る。
【0202】
また例えば、照明制御装置3から照明器具の第1入力端子へ伝送される交流電圧(交流電圧110)の波形は、タイマー時間を示す切り欠きパターンを有してもよい。タイマー時間を示す切り欠きパターンを受け付けた照明器具は、例えば、タイマー時間経過後に消灯する構成であり得る。
【0203】
また、本発明による実施形態では、スイッチ部32が2つのNchMOSFETを備える構成について説明したが、スイッチ部32はこの構成に限定されない。例えば、スイッチ部32は、スイッチ素子として、2つのバイポーラ型トランジスタ、又は2つの絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ(IGBT)を備え得る。あるいは、実施形態1で説明したように、各半波の前側のみをスイッチ部32によって切り欠く場合、スイッチ部32は、スイッチ素子として、双方向サイリスタ(所謂トライアック)を備え得る。
【0204】
また、本発明による実施形態では、照明制御装置3が表示部37を備える構成について説明したが、照明制御装置3は表示部37を備えない構成であってもよい。
【解決手段】照明システム1は、照明制御装置3と照明器具5とを備える。照明制御装置3は、交流電圧の半波の少なくとも後側を切り欠くスイッチ部32を備える。スイッチ部32は、制御信号設定区間において、切り欠きパターンに応じて、交流電圧の半波のうちの少なくとも1つの半波の前側及び後側を切り欠く。照明器具5は、点灯電力供給部6と信号生成部7とを備える。信号生成部7には、切り欠きパターンを示す情報が伝達される。信号生成部7は、切り欠きパターンに対応する制御信号140a、140bを生成する。制御信号140a、140bによって、点灯電力供給部6の動作が制御される。