(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0012】
<遊技機10の概要について>
図4、
図8を用いて遊技機10の概要について説明する。
図4は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図8は、演出パターン決定処理のフローチャートである。
【0013】
本実施形態の遊技機10は、制御手段(演出制御部220)と、図柄表示手段(演出表示装置80)を備える。
演出制御部220は、図柄変動ゲームに関連する演出を実行させる。
演出表示装置80は、複数列に図柄を表示し、図柄変動ゲームの開始に応じて図柄の変動表示を始動し、当該図柄変動ゲームの終了までに変動表示を停止し、図柄の組合せから構成される停止パターンを停止表示する。
ここで図柄変動ゲームとは、特別図柄変動ゲームと普通図柄変動ゲームとを包含する概念である。本実施形態では図柄変動ゲームを特別図柄変動ゲームとして説明するが、普通図柄変動ゲームに対しても同様に適用されてよい。
【0014】
演出制御部220によって行われる演出には、以下の4通りの演出が含まれている。
(i)リーチ演出:複数列のうち一列を除いた他の列にて予め定められた図柄の組合せが停止し、一列にて図柄の変動表示が行われる。
(ii)第一予告演出:実行される図柄変動ゲームにおいてリーチ演出を伴って実行されうる。
(iii)第二予告演出:実行される図柄変動ゲームより後にリーチ演出が行われうることを予告する。
(iv)発展演出:第一予告演出または第二予告演出が行われる図柄変動ゲームの少なくとも一部において、第一予告演出または第二予告演出の実行前に行われる共通の表示演出であり、共通の導入態様から複数とおりの発展態様へと発展する。
【0015】
リーチ演出は、リーチ演出抽選(
図8のステップS106)によって抽選される。
第一予告演出には、擬似連演出抽選(
図8のステップS110)によって抽選される擬似連演出と、第1ステップアップ演出抽選(
図8のステップS112)によって抽選される第1ステップアップ予告演出と、第2ステップアップ演出抽選(
図8のステップS114)によって抽選される第2ステップアップ予告演出と、が含まれる。
第二予告演出には、先読み演出抽選(
図8のステップS108)によって抽選される先読み予告演出が含まれる。
【0016】
上記の発展演出における複数とおりの発展態様は発展演出抽選(
図8のステップS116)によって決定され、発展演出から第一予告演出または第二予告演出に移行する比率の配分が発展態様ごとに異なっていることを特徴とする。
なお、各演出の詳細、および、発展演出の発展態様の比率配分については、後に詳述する。
【0017】
本実施形態において行われる発展演出は、前段で述べた特徴を有しているので、予告演出の期待感を阻害することなく、多様な発展態様で好適に遊技の興趣を向上させることができる。
【0018】
<遊技機10の構造について>
図1〜
図5を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図3は、遊技機10内に配設される図柄表示装置90を示す図である。
図4は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図5は、遊技機10の払出制御構成を示す機能ブロック図である。
【0019】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0020】
遊技機10は、
図1または
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0021】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0022】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部にボタン37が配設されている。ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0023】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0024】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されている。演出表示装置80は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、演出表示装置80に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者は演出表示装置80に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、演出表示装置80は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
演出表示装置80としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
【0025】
演出表示装置80は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側および右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、演出表示装置80には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄が上下方向あるいは左右方向にスクロールすることにより、演出図柄が演出表示装置80の表示領域に変動表示される。
【0026】
図柄表示装置90は、演出表示装置80の右下側など、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示装置90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示装置90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示装置90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、特別図柄表示装置91と普通図柄表示装置92とを含んでいる。
【0027】
特別図柄表示装置91は複数個(例:16個)のLEDの発光パターンにより特別図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。より詳細に言えば、本実施形態の特別図柄表示装置91は、第1特図表示制御部151によって制御される第1特別図柄表示装置91aと、第2特図表示制御部152によって制御される第2特別図柄表示装置91bと、を含んでいる。
図3に示すように、第1特別図柄表示装置91aは、特別図柄表示装置91を構成するLED16個のうち左側の8個から構成される。また、第2特別図柄表示装置91bは、特別図柄表示装置91を構成するLED16個のうち右側の8個から構成される。
【0028】
普通図柄表示装置92は特別図柄表示装置91より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
【0029】
なお、
図3に示すように、図柄表示装置90は、特別図柄表示装置91または普通図柄表示装置92の表示に用いられないLEDも含んでいる。これらのLEDは、特別図柄変動ゲームまたは普通図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留記憶されている抽選結果の数量や大当り遊技のラウンド数等の情報も表示しうる。
【0030】
ここで特別図柄とは、特別図柄表示装置91に表示するために選択されうるデータ群、あるいは特別図柄表示装置91に表示されうる図柄(特別図柄表示装置91におけるLEDの発光パターン)をいう。なお、以下、特別図柄のことを「特図」と略して表記する場合がある。また、ここで特別図柄変動ゲームとは、特別電動役物65や特別電動役物66(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果(大当りの当否抽選結果)を示すために、特別図柄表示装置91を変動表示させた後に特定の特別図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、特別図柄変動ゲームの実行とは、特別図柄表示装置91における特別図柄変動ゲームの表示(変動表示および停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
【0031】
ここで普通図柄とは、普通図柄表示装置92に表示するために選択されうるデータ群、あるいは普通図柄表示装置92に表示されうる図柄(普通図柄表示装置92におけるLEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。また、ここで普通図柄変動ゲームとは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果(普通図柄当りの当否抽選結果)を示すために、普通図柄表示装置92を変動表示させた後に特定の普通図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、普通図柄変動ゲームの実行とは、普通図柄表示装置92における普通図柄変動ゲームの表示(変動表示および停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
【0032】
本実施形態において、図柄表示装置90に配列される複数のランプはLEDとするが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても
図1に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
【0033】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央から視て内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、くぎ状のものをいう。
【0034】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0035】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入賞とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できない位置に配置されており、
図1および
図2においては図示しない。
【0036】
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b、67c)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0037】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部(演出表示装置80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の後方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、特別図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
【0038】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部(演出表示装置80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球が入球しやすい開放状態または入球しにくい閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、アクチュエータAC1の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59の後方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、特別図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0039】
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3が配設されている。作動ゲート63は、入球した遊技球を普通図柄変動スイッチSW3で検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、
図5に示すように、普通図柄変動スイッチSW3の検知は賞球の払出条件になっていないものとする。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも、本明細書では「入球」と称す。
【0040】
大入賞口55は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右下側)に配置されている。大入賞口55の開口部は、アクチュエータAC2の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。大入賞口55の後方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配置されている。カウントスイッチSW4が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
【0041】
大入賞口56は、大入賞口55の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。大入賞口56の開口部は、アクチュエータAC3の作動により開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。大入賞口56の後方にはカウントスイッチSW6が配置されている。カウントスイッチSW6が大入賞口56に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
【0042】
大入賞口55は、第1始動口57の入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中には特別電動役物65の開動作によって開放されて遊技球の入球が許容される。また、大入賞口56は、第2始動口59の入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中には特別電動役物66の開動作によって開放されて遊技球の入球が許容される。
いずれの大当り遊技が行われる場合にも、遊技者は賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、遊技球が第2流路Yから転動するときには、第1流路Xから転動するときよりも、大入賞口55または大入賞口56に入球しやすくなるように各種障害物が配置されている。
【0043】
普通入賞口67(67a、67b、67c)は、演出表示装置80の左下部に配置されている。普通入賞口67の後方には入球した遊技球を検知する普通入賞口スイッチSW5が配置されている。普通入賞口67に入球した遊技球を普通入賞口スイッチSW5で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。
【0044】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入賞しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0045】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図4〜
図8を用いて遊技機10の制御構成について説明する。
図4は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図5は、遊技機10の払出制御構成を示す機能ブロック図である。
図6は、変動開始処理のフローチャートである。
図7は、先読み指令決定処理のフローチャートである。
図8は、演出パターン決定処理のフローチャートである。
【0046】
なお、
図4または
図5で図示される各機能は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な機能を挙げたものであり、ここに図示しない機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する機能の全部を必ずしも備えなくてよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の機能が省かれても良い。
【0047】
遊技機10は、基板(図示せず)を自機の内部に備えており、
図4または
図5に図示している機能を含む種々の機能を基板と当該基板に電気的に接続している機能部品との処理によって実現している。より具体的には当該基板は、制御動作を所定の手順で実行するCPU(図示せず)と、当該CPUの制御プログラムを格納するROM(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(図示せず)を備えている。当該CPUが当該ROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込みまたは読み出すことによって種々の機能を実現することができる。
なお、
図4または
図5に図示している各種機能は、一の基板のみで実現できる機能、複数の基板の間で種々のデータ授受を行うことにより実現できる機能、基板と当該基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより実現できる機能等が混在している。これらの各種機能を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0048】
主制御部100は、遊技を統括的に制御する主制御部100を備える。主制御部100は、遊技の結果に影響を及ぼし、または及ぼす虞がある機能を有する基板、いわゆる主基板として機能する構成要素である。
図4に示すように、主制御部100は多数の機能を有し、これらの機能が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している構成は一例であって、必ずしもこれに限るものではない。
【0049】
主制御部100が備える主な機能としては、図抽選制御部130、普図抽選制御部170、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、サブ指令生成部110等が挙げられる。
特図抽選制御部130は、特別図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または大当り遊技を管理する機能を有している。
普図抽選制御部170は、普通図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または当り遊技を管理する機能を有している。
遊技状態制御部140は、確変状態の有無や変短状態の有無を管理し、これらの付与や解除(通常状態への移行)を制御する機能を有している。
図柄表示制御部150は、特別図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる機能を有している
サブ指令生成部110は、特別図柄変動ゲームに関連して行われる演出の決定に用いられる各指令(例えば、変動パターンや先読み指令)を生成し、演出制御部220に伝達する。
【0050】
また、遊技機10は、主制御部100が備える機能の他に、演出制御部220、払出制御部230を備えている。
演出制御部220は、遊技機10によって行われる遊技、特に特別図柄変動ゲームに関連する演出を制御する機能を有している。
払出制御部230は、各入賞口への入賞の特典として付与される賞球の払い出しを制御する機能を有している。
【0051】
前段および前々段にて列挙した各機能について、以下ではより詳細に説明する。
【0052】
<大当り判定用乱数と特図保留について>
主制御部100は、第1特図抽選値取得部111と、第2特図抽選値取得部112と、特図保留制御部120と、を備える。
【0053】
第1特図抽選値取得部111は、第1始動口57に遊技球が入賞して取得された抽選値を保留記憶しておく。第2特図抽選値取得部112は、第2始動口59に遊技球が入賞して取得された抽選値を保留記憶しておく。
特図選択部132は、第2特図抽選値取得部112に抽選値が保留記憶されている場合、第1特図抽選値取得部111に抽選値が保留記憶されているか否かに拘らず、第2特図抽選値取得部112に保留記憶された抽選値に基づいて当否抽選を行うことができる。
【0054】
より具体的には、第1特図抽選値取得部111は、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口57の入賞が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第1特図抽選値取得部111が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
第2特図抽選値取得部112は、第2始動口スイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第2特図抽選値取得部112が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0055】
特図保留制御部120は、特図抽選制御部130が特別図柄変動ゲームに係る制御または大当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で第1特図抽選値取得部111または第2特図抽選値取得部112によって保留記憶されている抽選値(大当り判定用乱数)を読み出す。
【0056】
ここで乱数とは、無秩序でかつ全体として出現頻度が等しい数の系列を指す。本実施形態の遊技機10が稼働しているときに自機内部で常に乱数が生成されており、当該乱数は用いて種々の抽選処理に用いられている。乱数の生成方式については、専用ICにより生成する方式(ハードウェア方式)、専用のプログラムにより生成する方式(ソフトウェア方式)、あるいはこれらの組み合わせによって生成する方式がある。本実施形態では既述の大当り判定用乱数を含めて数種の乱数を用いるが、これらの生成は上に上げた方式のいずれを用いても構わない。
【0057】
また、本実施形態における特図保留制御部120は、変動開始処理で生成される各指令を専用の記憶領域(図示せず)に格納して保留記憶し、所定のタイミングまで保持することができる。なお、変動開始処理とこれに関する演出パターンの決定処理については、後に詳述する。
【0058】
特図保留制御部120に保持されている各指令は、特別図柄変動ゲームが終了する度に読み出されて、次の特別図柄変動ゲームや当該特別図柄変動ゲームに関連する演出等に用いられる。
このとき、第2特図抽選値取得部112から取得した抽選値に起因する変動開始処理によって生成された各指令が、第1特図抽選値取得部111から取得した抽選値に起因する変動開始処理によって生成された各指令より優先して処理される。
【0059】
<大当り抽選と大当り遊技について>
特図抽選制御部130は大当り抽選と大当り遊技を司る機能であり、大当り抽選部131と特図選択部132と大当り遊技制御部133とを有している。
【0060】
大当り抽選部131(大当り抽選手段)は、大当りの当否抽選を行う機能を有している。
特図選択部132は、大当り抽選部131による抽選結果に対応する特別図柄を選択する機能を有している。
大当り遊技制御部133(大当り遊技制御手段)は、大当り抽選部131による抽選に当選したとき、特別図柄(図柄)の停止表示の後に大当り遊技を実行させる機能を有している。
以下に、これらの機能をより詳細に説明する。
【0061】
大当り抽選部131は、第1始動口57または第2始動口59への遊技球の入賞を契機として取得された抽選値(大当り判定用乱数)を用いて大当りの当否抽選を行う。なお、大当り抽選部131によって行われる抽選の当選確率は、通常状態であるときは確変状態であるときより低くなっており、確変状態であるときは通常状態であるときより高くなっている。
ここで「入賞を契機として所定の処理を行う」とは、入賞を検知することを一つの条件として、その後に当該所定の処理が実行されうることをいう。すなわち、入賞が検知されたとしても、必ずしも当該所定の処理が実行されなくてもよい。例えば、本実施形態においては、第1特図抽選値取得部111の抽選値保留数が上限を超えた場合に第1始動口スイッチSW1によって検知された入賞、あるいは第2特図抽選値取得部112の抽選値保留数が上限を超えた場合に第2始動口スイッチSW2によって検知された入賞は、特別図柄変動ゲームの始動条件にならない。
【0062】
特図選択部132は、大当り抽選部131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択し、選択された特別図柄を図柄表示制御部150(第1特図表示制御部151または第2特図表示制御部152)に伝達して特別図柄表示装置91(第1特別図柄表示装置91aまたは第2特別図柄表示装置91b)表示させる。
ここでいう選択とは、当否抽選に用いられた抽選値と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって"選択"をせずに一意に"決定"される場合も含む。
【0063】
本実施形態における大当り遊技は、大当り遊技制御部133により制御される。
まず、大当り抽選部131による当否抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置91に表示される特別図柄変動ゲームで特図選択部132により選択された大当り図柄が停止表示された後、大当り遊技は開始される。
大当り遊技が開始される前に、大当り遊技制御部133は特図保留制御部120や普図保留制御部160等に指令を出し、大当り抽選に関する処理または当り抽選に関する処理を、大当り遊技中については一時停止させる旨の指令を出す。
大当り遊技が開始すると、大当り遊技制御部133は演出制御部220に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部220は大当り遊技制御部133の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口55または大入賞口56の開閉が所定回数(開閉回数)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口55または大入賞口56に規定個数(入賞上限数)の遊技球が入賞する迄の間、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。
【0064】
大当り遊技制御部133は、大入賞口55または大入賞口56を開放させるために、ラウンド数・開閉回数・入賞上限数・ラウンド遊技時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。特別電役制御部190は、大当り遊技制御部133から受けた指令に従って、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。また、特別電役制御部190は、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させている間、大入賞口55または大入賞口56に入賞した遊技球の個数をカウントスイッチSW4またはカウントスイッチSW6の検知に基づいて監視しており、入賞上限数に達したとき、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を閉鎖させる。
【0065】
大当り遊技制御部133は、演出制御部220にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部220は大当り遊技制御部133の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技制御部133は演出制御部220に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部220は大当り遊技制御部133の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り遊技は終了される。
なお、本実施形態の大当り遊技においては、遊技球が第2流路Yを転動する方が大入賞口55に入賞し易いため、いわゆる右打ちの方が遊技者にとって有利である。
【0066】
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は遊技状態を制御する機能であり、当選確率制御部141と変短制御部142とを有している。
当選確率制御部141は確変状態の成立を契機として確変状態を付与し、変短制御部142は変短状態の成立を契機として変短状態を付与する。
確変状態および変短状態の成立条件は遊技機10の種別ごとに異なり、本実施形態における遊技機10は特定の特別図柄に起因して当選した大当り遊技の終了を双方の成立条件としている。
【0067】
ここで確変状態とは、大当り抽選部131による大当りの当否抽選の当選確率が通常状態より高確率になることをいう。
なお、以下の説明において大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りを"確変大当り"、確変状態が付与されない大当りを"非確変大当り"と表現する場合がある。
【0068】
確変状態の方式は、一般的にループ方式・ST方式・転落抽選方式の三種類に大別される。
ループ方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行し、少なくとも次回大当りまで継続する確変をいう。
ST方式の確変とは、"スペシャルタイム確変"あるいは"回数切り確変"等とも称され、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行した後、所定回数の特別図柄変動ゲームのうちに大当り抽選に当選しない場合に、通常状態に移行する確変をいう。以下、当該所定回数のことを"所定のSTゲーム数"と称する。
転落抽選方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変に移行した後に行われる特別図柄変動ゲームにおいて確変状態から通常状態へ転落するか否かを抽選(転落抽選)し、転落抽選に当選した場合に通常状態へ移行する確変をいう。
本実施形態における遊技機10に搭載される確変方式は、上記のいずれであってもよい。
【0069】
また、ここで変短状態とは、(i)普通電動役物61の開放抽選の当選確率が通常状態より高確率になる、(ii)普通電動役物61の一回当たりの開放時間が通常状態より延長される、(iii)普通電動役物61の開放抽選に当選した回数に応じて普通電動役物61が開放される回数が通常状態より増加される、の少なくとも一つが行われることをいう。本実施形態において変短状態が付与された場合には、上記の三つのいずれも実行されるものとする。
なお、上記の(ii)および(iii)の少なくとも一つが行われることを"電チューサポート"または"電サポ"と称する。
【0070】
当選確率制御部141は、確変状態の終了条件が成立する特別図柄変動ゲームにおいて、確変状態から通常状態へと移行させる。
ここで確変状態の終了条件とは、付与されている確変状態の方式によって異なる。
例えば、ループ方式の確変である場合には、大当り遊技が行われることを終了条件とする。また、ST方式の確変である場合には、その確変状態に移行してから所定回数の特別図柄変動ゲームが行われること、または当該所定回数に到達する前に大当り遊技が行われること、を終了条件とする。また、転落抽選方式の確変である場合には、転落抽選に当選すること、または転落抽選に当選する前に大当り遊技が行われること、を終了条件とする。
【0071】
変短制御部142は、変短状態の終了条件が成立する特別図柄変動ゲームにおいて、変短状態から通常状態へと移行させる。
本実施形態における変短状態の終了条件は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄変動ゲームが行われることとなっている。
【0072】
<当り抽選と当り遊技について>
遊技機10は、普図抽選値取得部113と普図保留制御部160を備える。
普図抽選値取得部113は、普通図柄変動スイッチSW3によって作動ゲート63の入賞が検知されると、普通図柄変動ゲームの抽選値として用いられる当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。普図抽選値取得部113が保留できる抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
普図保留制御部160は、普図抽選制御部170が普通図柄変動ゲームに係る制御または当り遊技に係る制御を行っていないとき、または特図抽選制御部130が大当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で普図抽選値取得部113によって保留記憶されている抽選値(当り判定用乱数)を読み出す。
【0073】
普図保留制御部160は普図抽選値取得部113に保留格納されている抽選値の数を監視している。また、普図保留制御部160は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように演出制御部220に指令を出してもよい。
【0074】
遊技機10は、普図抽選制御部170と普通電役制御部180を備える。普図抽選制御部170は当り抽選と当り遊技を司る機能であり、当り抽選部171と普図選択部172と当り遊技制御部173とを有する。
【0075】
当り抽選部171は、普図保留制御部160によって普図抽選値取得部113から読み出された当り判定用乱数を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、当り抽選部171によって行われる抽選の当選確率は、通常状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常状態であるときより高くなっている。
【0076】
普図選択部172は、当り抽選部171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を図柄表示制御部150(普図表示制御部153)に伝達して普通図柄表示装置92に表示させる。普通図柄表示装置92に対応している二つのLEDは一方が当り、一方がはずれに対応しており、普図表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部132による選択と同様に、開放抽選に用いられた抽選値と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって"選択"をせずに一意に"決定"される場合も含まれる。
【0077】
当り遊技制御部173は、当り抽選部171による当り抽選に当選したとき、普通電役制御部180に指令を伝達し、アクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0078】
普通電役制御部180は、開放状態をとる時間が大当り遊技の終了後に単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。
なお、この段落において説明した普通電役制御部180の制御は、変短状態が付与されたときに普通電動役物61を制御する態様を具体的に表したものである。すなわち、普通電役制御部180の制御は、変短制御部142による変短状態の付与に起因している。
【0079】
<払出制御について>
遊技機10は、上球受け皿27に連通している払出機構部70を制御し、上球受け皿27へ賞球を払い出すことができる払出制御部230を備える。より詳細には、主制御部100は、各入賞口スイッチによる入賞検知に応じて所定の賞球を払い出すように払出制御部230に対して指令を伝達する。そして、払出制御部230は、主制御部100から受け付けた指令に基づいて払出機構部70を制御する。なお、払出機構部70は前枠20の後方に配設されており、前枠20が閉じた状態では視認することができない。
本実施形態において、具体的には、第1始動口スイッチSW1による検知で3個の賞球、第2始動口スイッチSW2による検知で2個の賞球、カウントスイッチSW4またはカウントスイッチSW6による検知で15個の賞球、普通入賞口スイッチSW5による検知で8個の賞球と払出条件が予め設定されている。
なお、ここで挙げた賞球の払出条件は一例であり、実施の態様に合わせて適宜設定してもよい。
【0080】
<特別図柄変動ゲームの変動開始処理と演出パターン決定処理について>
続いて、特別図柄変動ゲームに関連する演出パターンを決定する処理(演出パターン決定処理)について述べる。また、演出パターン決定処理は、特別図柄変動ゲームの前段に行われる変動開始処理と密接に関わっているので、ここでは合わせて説明する。
【0081】
図6は、特別図柄変動ゲームにおける変動開始処理の処理順を示すフローチャートである。
変動開始処理は、第1特図抽選値取得部111または第2特図抽選値取得部112によって取得された大当り判定用乱数(抽選値)を、大当り抽選部131が読み出すことにより開始される(ステップS302)。
【0082】
続いて、確変状態である場合(ステップS304のYes)、大当り抽選部131は、S302で読み出した大当り判定用乱数と確変用抽選テーブル(図示せず)を用いて大当り抽選を行う(ステップS306)。
また、通常状態である場合(ステップS304のNo)、大当り抽選部131は、S302で読み出した大当り判定用乱数と通常用抽選テーブル(図示せず)を用いて大当り抽選を行う(ステップS308)。
S306またはS308において実行された大当り抽選において当選した場合(ステップS310のYes)、特図選択部132が大当り図柄用乱数を取得し、取得した大当り図柄用乱数に対応する大当り図柄を、大当り図柄テーブル(図示せず)から選択する(ステップS310)。
一方で、S306またはS308において実行された大当り抽選において落選した場合(ステップS310のNo)、落選の契機となった抽選値の取得先が第1特図抽選値取得部111であるか第2特図抽選値取得部112であるかによって、特図選択部132ははずれ図柄を決定する(ステップS314)。
【0083】
続いて、変動パターン決定部115は、リーチ演出等の表示演出の決定に用いられる変動パターンを決定する(ステップS316)。なお、変動パターン決定部115は、サブ指令生成部110に含まれる。
ここで決定される変動パターンには、演出図柄が変動表示を開始してから終了(停止表示)するまでの時間等が規定されている。より詳細には、変動パターン決定部115は各種予告演出(リーチ演出、擬似連演出等)の有無を抽選によって決定しており、変動パターンには各種予告演出の変動時間を示す情報が含められている。
【0084】
なお、変動パターン決定部115によるリーチ演出の抽選結果には、リーチ演出を行わない場合(通常変動)、通常の変動時間で行われるリーチ演出(ノーマルリーチ)、ノーマルリーチより長時間にわたって実行されるリーチ演出(SPリーチ)が含まれる。
ここでリーチ演出とは、複数列のうち一列を除いた他の列にて予め定められた演出図柄の組合せ(例えば同一の演出図柄)が停止し、当該一列にて演出図柄の変動表示が行われる表示演出をいう。
【0085】
また、変動パターン決定部115による擬似連演出の抽選結果には、擬似連演出を行わない場合(擬似連なし)、擬似連演出を行う場合において当該擬似連演出で行われる演出図柄の変動表示の回数(擬似連n)が含まれる。なお、以下の説明において「擬似連n(nには1から4までの整数が入る)」と記載する場合には、当該擬似連演出で行われる演出図柄の変動表示の回数を意味する。
ここで擬似連演出とは、一回の特別図柄変動ゲームに対して演出図柄の変動表示を間欠的に繰り返し、演出図柄の変動表示の回数が増大するほど大当りに当選する期待値が上昇する予告演出をいい、本実施形態における擬似連演出は最大4回まで行われる。本実施形態の擬似連演出は、多くの場合において演出後にリーチ演出に発展するが、一部の擬似連演出についてはリーチ演出に発展しない場合もある。
【0086】
続いて、指令決定部116は、先読み演出の決定に用いられる先読み指令を、各種条件に起因して決定する(ステップS318)。
ここで先読み演出とは、その特別図柄変動ゲームより後にリーチ演出が行われることを予告することによって、当該リーチ演出が行われる特別図柄変動ゲームにて大当り当選する期待値が高いことを示唆する予告演出をいう。
なお、本実施形態の先読み演出は、通常とは異なる背景表示や登場キャラクターを演出表示装置80に表示させる。そして、当該抽選結果を用いた特別図柄変動ゲームが行われるまで、複数回の特別図柄変動ゲームに跨がって先読み演出が行われる。ここで挙げた態様の先読み演出は一例であり、変形例としては特図保留制御部120に保留記憶されている抽選結果のそれぞれに対応している演出表示装置80の表示態様(一般的に保留玉と称される)の色や挙動によって大当り当選の期待値を示唆する先読み演出等が挙げられる。
以下、
図7を用いてステップS318の処理(先読み指令決定処理)を、詳細に説明する。
【0087】
先読み指令決定部116は、変動パターン決定部115によって決定された変動パターンや特図選択部132によって選択された特別図柄を用いて以下の判定を行う。
(i)その特別図柄変動ゲームにおいて確変状態が付与されているか否かの判定(ステップS202)
(ii)その特別図柄変動ゲームにおいて大当り抽選に落選したか、またはどの種別の大当りに当選したかの判定(ステップS204)
(iii)その特別図柄変動ゲームにおいて変動パターンが決定されたか否かの判定(ステップS206)
ここで大当りの種別には、確変大当りや非確変大当り、または各大当り遊技に与えられるラウンド数等が含まれる。
【0088】
次に、先読み指令決定部116は、前段で述べた判定の成否に基づいて先読み演出を実行するか否かを判定する(ステップS208)。
なお、本実施形態におけるステップS208の抽選では、S202の判定が肯定されるとき、すなわち抽選結果を得た特別図柄変動ゲームが確変状態であるとき、先読み演出を実行しない旨を抽選する。換言すれば、S202の判定が肯定される場合にはS208の抽選が行われない、またはS208の抽選に用いる抽選テーブルにおいて確変状態有りの場合に先読み演出の実行可を選択する確率が零に設定されている。
【0089】
そして、先読み指令決定部116は、S202からS208までの処理によって得られた以下の情報を含んでいる先読み指令を生成し、生成された先読み指令を演出制御部220に出力する(ステップS210)。
【0090】
以上のように決定された変動パターンと先読み指令とを含む各指令を、所定のタイミングで演出制御部220に伝達する(ステップS320)。
ここで、所定のタイミングとは、先の特別図柄変動ゲームに関する一連の処理が終了したタイミングである。S302からS318までの処理が終了した時点において所定のタイミングに達している場合には、サブ指令生成部110は直ちに変動パターンと先読み指令とを220に伝達する。また、S302からS318までの処理が終了した時点において所定のタイミングに達していない場合には、サブ指令生成部110は、各指令を特図保留制御部120に保留記憶させ、所定のタイミングに達するまで保持させる。
【0091】
続いて、演出制御部220による演出パターン決定処理について詳細に述べる。
演出制御部220は、特図選択部132によって選択された特別図柄、変動パターン決定部115によって決定された変動パターン、先読み指令決定部116によって決定された先読み指令、またはボタン37で受け付けた遊技者の操作等に基づいて各種演出を実行する。演出制御部220はボタン37から受け付けた遊技者の操作に応じて演出を可変に切り替えてもよい。また、演出制御部220は、
図4では図示していないが、いわゆる演出ギミックを制御してもよい。
【0092】
演出制御部220は、特図選択部132によって選択された特別図柄や変動パターン決定部115によって決定された変動パターンを用いて演出図柄の変動演出(例えば、リーチ演出等)やその他演出の演出態様を決定し、決定された演出を演出表示装置80、照明装置35またはスピーカ33に実行させる。なお、本実施形態における演出制御部220は、特図選択部132によって選択された特別図柄を、サブ指令生成部110を介して取得している。
演出制御部220によって決定される演出態様には、演出表示装置80における図柄変動演出の発展態様の他に、演出表示装置80に表示される背景や色彩、スピーカ33により音声出力される演出音(音楽)、照明装置35の発光色や発光強度、ボタン37の操作を受け付けるタイミング等が含まれうる。
【0093】
演出制御部220は、変動パターン決定部115によって決定された変動パターンの入力(ステップS102のYES)および特図選択部132によって選択された特別図柄の入力(ステップS104のYES)を受けた後に各抽選処理を行う。
換言すれば、変動パターンの入力を受け付けない間(ステップS102のNO)または特別図柄の入力を受け付けない間(ステップS104のNO)は、待機状態を維持する。
【0094】
変動パターンおよび特別図柄を入力した場合、まずリーチ演出の態様を抽選によって決定する(ステップS106)。より詳細には、ステップS106の抽選では、入力された変動パターンで定められている変動時間に起因してリーチ演出の態様を抽選して決定する。より具体的には、ステップS106における抽選は、いわゆるサブ振り分けと称される処理であり、同じ変動時間が与えられている複数とおりのリーチ演出の態様のいずれかを選択する処理である。
なお、一の変動時間に対して一の態様が対応付けられている場合には、変動パターンからリーチ演出の態様を一意に決定することが可能であるが、ステップS106の抽選にはこのような一意に決定される処理を含めてもよい。
【0095】
また、本実施形態においては、大当り当選に対応している特別図柄の入力と、通常変動に対応している変動パターンの入力とを受け付ける場合がある。この場合には、ステップS106の抽選では、リーチ演出を伴わずに大当りとなる表示演出を抽選し、以下の説明において、このような表示演出を「突当り演出」と称す。
【0096】
次に、先読み演出の態様を、入力した先読み指令に基づいて抽選によって決定する(ステップS108)。
ステップS108の抽選による抽選結果(先読み演出の態様)には、先読み演出Aと先読み演出Bと、が含まれる。また、ステップS108の抽選による抽選結果には、例えば、先読み演出を行わない旨(ステップS208の抽選に落選した旨)を示す表示演出が含まれてもよい。
【0097】
次に、擬似連演出の態様を抽選によって決定する(ステップS110)。
ステップS110の抽選による抽選結果(擬似連演出の態様)には、擬似連演出Aと、擬似連演出Bと、が含まれる。ステップS110の抽選も、いわゆるサブ振り分けと称される処理であり、同じ変動時間(擬似連回数)が与えられている複数とおりの擬似連演出の態様のいずれかを選択する処理である。
なお、一の擬似連回数に対して一の態様が対応付けられている場合には、変動パターンから擬似連演出の態様を一意に決定することが可能であるが、ステップS110の抽選にはこのような一意に決定される処理を含めてもよい。また、ステップS110の抽選による抽選結果には、例えば、擬似連演出を行わない旨(ステップS316における擬似連演出の抽選に落選した旨)を示す表示演出が含まれてもよい。
【0098】
次に、第1ステップアップ演出の態様を抽選によって決定し(ステップS112)、第2ステップアップ演出の態様を抽選によって決定する(ステップS114)。ここで第1ステップアップ演出および第2ステップアップ演出とは、図柄の変動表示とは異なる表示演出が複数の段階を経て進展し、進展するごとに大当りに当選する期待値が上昇する予告演出である。
ステップS112およびステップS114における抽選で決定される演出の態様には、当該演出が最終的に進展する段階数が含まれている。
なお、本実施形態における第1ステップアップ演出および第2ステップアップ演出は、進展する段階の数が異なり、第1ステップアップ演出では最大4段階となっており、第2ステップアップ演出では最大2段階となっている。また、第1ステップアップ演出および第2ステップアップ演出で登場するキャラクターや背景は、それぞれ異なる態様で表示されるようになっている。
ここで挙げた第1ステップアップ演出および第2ステップアップ演出の態様は一例であり、これに限られない。また、本実施形態においては二種類のステップアップ予告演出を例示したが、単一であってもよく、三種類以上であってもよい。
【0099】
なお、上記の先読み演出の開始、擬似連演出の実行、第1ステップアップ演出の実行、第2ステップアップ演出の実行は、同一の特別図柄変動ゲームで重複発生しないようになっている。
これは、受け付けた変動パターンに「擬似連n」が含まれている場合に、ステップS112およびステップS114における抽選を行わない方式でも実現できるし、ステップS112およびステップS114における抽選を行った後に第1ステップアップ演出または第2ステップアップ演出を規制する方式でも実現できる。本実施形態においては、いずれの方式を採ってもよい。
【0100】
次に、発展演出の発展態様を抽選によって決定する(ステップS116)。ここで発展演出とは、先読み演出の開始、擬似連演出の実行、第1ステップアップ演出の実行、第2ステップアップ演出の実行前に行われうる共通の表示演出である。
より詳細には、ステップS116の抽選(発展演出抽選)では、当該特別図柄変動ゲームで実行される予告演出(先読み演出、擬似連演出、第1ステップアップ演出または第2ステップアップ演出)に応じて異なる抽選テーブルを参照して抽選を行い、発展演出の有無および発展態様を決定する。各抽選テーブルの特徴については、後に詳述する。
【0101】
本実施形態におけるステップS116の抽選は、先読み演出、擬似連演出、第1ステップアップ演出または第2ステップアップ演出のいずれも行われない特別図柄変動ゲームにおいて行われないものとする。すなわち、このような特別図柄変動ゲームにおいて発展演出は実行されない。
ただし、この態様は一例であり、先読み演出、擬似連演出、第1ステップアップ演出または第2ステップアップ演出のいずれも行われない特別図柄変動ゲームにおいて共通の発展演出が行われてもよい。
【0102】
ここまで説明してきた演出パターン決定処理は、特別図柄変動ゲームの開始から終了までの間に実行される。すなわち、制御手段(演出制御部220)は、図柄変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)における図柄の変動表示が始動して停止するまでの間に、いずれの演出を実行するかを決定する。
演出制御部220は、当該図柄変動ゲームにおいて第一予告演出(擬似連演出、第1ステップアップ演出または第2ステップアップ演出)または第二予告演出(先読み演出)のいずれかを行うことが決定されたとき、決定された第一予告演出または第二予告演出のいずれであるかに起因して異なる抽選確率(抽選テーブル)で抽選して発展演出の発展態様を決定する。さらに、演出制御部220は、抽選された発展態様で発展演出を実行させた後に、決定された第一予告演出または第二予告演出を実行させる。
【0103】
なお、上記の演出パターン決定処理の処理順序は一例であって、一部の処理が入れ替わる、一部の処理が並行して行われる、一部の処理が省かれる等の変形例によって実行されてもよい。
例えば、発展演出の態様に関する抽選(ステップS116)を他の抽選より後に実行する実施例で説明したが、発展演出の態様を他の抽選より先に実行し、抽選された発展態様に起因して異なる抽選テーブル(抽選確率)を用いて他の抽選を行ってもよい。
【0104】
<発展演出抽選について>
図9から
図14は、発展演出抽選(
図8のステップS116)に用いられる抽選テーブルを示す図である。
なお、
図9から
図14に示す抽選テーブルは、その概念を簡略的に示すものであり、実際にはCPU(図示せず)によって処理可能なデータとして所定の記憶領域に格納されている。
【0105】
より詳細には、
図9は先読み演出Aが実行されるときに参照される抽選テーブルであり、
図10は先読み演出Bが実行されるときに参照される抽選テーブルである。また、
図11は擬似連演出Aが実行されるときに参照される抽選テーブルであり、
図12は擬似連演出Bが実行されるときに参照される抽選テーブルである。
図13は第1ステップアップ演出が実行されるときに参照される抽選テーブルであり、
図14は第2ステップアップ演出が実行されるときに参照される抽選テーブルである。
【0106】
上記の抽選テーブルにおいて、行方向(横方向)の項目には発展演出抽選の条件として定められている各項目が記載されている。
そのうち「特図」とは、その発展演出抽選が行われる特別図柄変動ゲームにおいて、特図選択部132によって選択された特別図柄を意味している。また、「特図」に含まれている「ハズレ」「確変図柄」「非確変図柄」とは、それぞれ大当り抽選部131による抽選の落選に対応する特別図柄、確変大当りに対応する特別図柄、非確変大当りに対応する特別図柄を意味している。
また、「擬似連」とは、変動パターンに規定されている擬似連演出の種別を意味している。また、「擬似連」に含まれている「擬似連なし」「擬似連1」「擬似連2」「擬似連3」「擬似連4」とは、それぞれ抽選された結果、擬似連演出を行わない旨、または変動表示の回数が1回から4回までのいずれかで擬似連演出を行う旨を示している。
また、「リーチ」とは、変動パターンで規定されているリーチ演出の種別を意味している。また、「リーチ」に含まれている「通常変動」「ノーマルリーチ」「SPリーチ」とは、特別図柄変動ゲームにおいて行われるリーチ演出の内容を示している。
【0107】
なお、本実施形態における演出制御部220は、受け付けた変動パターンで規定されているリーチ演出や擬似連演出に起因して発展演出の態様を抽選するように説明するが、これは一例である。例えば、ステップS106で抽選されたリーチ演出の態様やステップS110で決定された擬似連演出の態様に起因してステップS116の抽選を行ってもよい。
【0108】
上記の抽選テーブルにおいて、列方向(縦方向)の項目には発展演出の発展態様の種別が記載されている。
そのうち「序盤」または「中盤」とは、その発展演出が行われる特別図柄変動ゲームにおける「序盤」または「中盤」において発展演出が実行される旨を示している。また、「なし」とは、発展演出が行われない旨を示している。また、「第1発展態様」「第2発展態様」「第3発展態様」とは、「序盤」または「中盤」に行われる発展演出の発展態様の種別を示している。
【0109】
図9および
図10に示すとおり、先読み演出(第二予告演出)が複数とおりに設けられており、かつ、発展演出の発展態様ごとに異なる比率で発展演出から複数とおりの先読み演出のいずれかに移行するように設定されている。
より具体的には、先読み演出A(一の第二予告演出)または先読み演出B(他の第二予告演出)のいずれに移行するかに起因して異なる抽選テーブル(抽選確率)で発展演出の発展態様が抽選される。
【0110】
図11および
図12に示すとおり、擬似連演出(連続予告演出)が複数とおりに設けられており、かつ、発展演出の発展態様ごとに異なる比率で発展演出から複数とおりの擬似連演出のいずれかに移行するように設定されている。
より具体的には、擬似連演出A(一の連続予告演出)または擬似連演出B(他の連続予告演出)のいずれに移行するかに起因して異なる抽選テーブル(抽選確率)で発展演出の発展態様が抽選される。
【0111】
上記のような抽選テーブルを用いて行われる発展演出抽選において、一部の発展態様で行われる発展演出からは、擬似連演出(連続予告演出)または先読み演出(第二予告演出)のいずれか一方にのみ移行できるようになっていると好ましい。
本実施形態においては、発展演出が「中盤」に行われる場合には、先読み演出Aまたは先読み演出Bのいずれかにのみ移行できるように、上記の各抽選テーブルが設定されている。すなわち、一部の発展態様については、先読み演出(第二予告演出)に起因して抽選され、その他の演出(第一予告演出)に起因して抽選されないようになっている。
【0112】
前段に述べたように、先読み演出にのみ移行できる発展態様が存在するので、当該発展態様で発展演出が行われる場合には移行先の予告演出が先読み演出であることが推測できる。しかし、先読み演出は2通りに設けられているので、いずれが行われるかまでは推測できない。
すなわち、本実施形態における発展演出抽選は、大まかに推測可能とすることで遊技者の興趣を向上させると共に、細かな推測を不能とすることによって特定の先読み演出(例えば、大当り当選の期待値が小さい先読み演出)が抽選されたことを推測して遊技者の意欲が低下することを防止している。
従って、予告演出の期待感を阻害することなく、多様な発展態様で好適に遊技の興趣を向上させることができる。
【0113】
また、
図9または
図10に示すように、先読み演出Aが行われる際には第3発展態様の発展演出は行われないが、先読み演出Bが行われる際には第3発展態様の発展演出は行われうる。従って、「中盤」に第3発展態様の発展演出が行われる場合には、移行先の予告演出が先読み演出Bであることが確定的に推測される。
このとき、先読み演出Bの方が先読み演出Aより大当り当選の期待値が大きく設定されていることが好ましい。これにより、上記の推測によって遊技者の意欲が低下することはなく、むしろ大当り当選への期待を高めうる。
【0114】
また、既に述べたとおり、第一予告演出には、一回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動表示を間欠的に繰り返す擬似連演出(連続予告演出)が含まれているが、本実施形態における擬似連演出に関する抽選(ステップS110)は、以下のような特徴を有している。
すなわち、
図11または
図12に示すとおり、発展演出から擬似連演出に移行するとき、抽選によって決定された発展態様ごとに擬似連演出における図柄の変動表示の回数の期待値が異なる。
【0115】
より詳細には、擬似連演出Aが行われる場合(
図11の抽選テーブルが参照される場合)、2回以上の変動表示(「擬似連2」、「擬似連3」、「擬似連4」)には第1発展態様が、3回以上の変動表示(「擬似連3」、「擬似連4」)には第2発展態様が、4回(最大回数)の変動表示(「擬似連4」)には第3発展態様が、それぞれ対応付けられている。
また、擬似連演出Bが行われる場合(
図12の抽選テーブルが参照される場合)、いずれの発展態様も2回以上の変動表示に対応付けられているが、第3発展態様>第2発展態様>第1発展態様の順で、その回数の期待値が大きくなるように設定されている。
上記のような設定としているので、発展演出から擬似連演出へと移行した場合には、その発展態様によって擬似連演出における変動表示の回数をある程度推測することができる。
【0116】
また、既に述べたように、第一予告演出には、図柄の変動表示とは異なる表示演出が複数の段階を経て進展し、進展するごとに大当りに当選する期待値が上昇するステップアップ予告演出(第1ステップアップ演出と第2ステップアップ演出)が含まれている。
【0117】
図13に示す抽選テーブルは、より詳細には、ステップS112にて進展する段階数が4段階と決定された第1ステップアップ演出が実行されるときに参照される抽選テーブルである。当該抽選テーブルを用いてステップS116の抽選が行われ、発展演出が行われる旨が決定したとき(発展演出「なし」以外の発展態様が抽選されたとき)、抽選された発展態様で発展演出が実行された後に第1ステップアップ演出の4段階目に移行する。すなわち、第1ステップアップ演出の3段階目より前の演出が省かれる。
【0118】
また、
図14に示す抽選テーブルは、より詳細には、ステップS114にて進展する段階数が2段階と決定された第2ステップアップ演出が実行されるときに参照される抽選テーブルである。当該抽選テーブルを用いてステップS116の抽選が行われ、発展演出が行われる旨が決定したとき(発展演出「なし」以外の発展態様が抽選されたとき)、抽選された発展態様で発展演出が実行された後に第2ステップアップ演出の2段階目が実行される。すなわち、第2ステップアップ演出の1段階目の演出が省かれる。
【0119】
なお、ここでは第1ステップアップ演出と第2ステップアップ演出の最終段階が抽選された場合について言及したが、上記のような処理は中途段階が抽選された場合において実行されてもよい。
例えば、ステップS112にて第1ステップアップ演出の進展する段階数が3段階と決定された場合であって、ステップS116の抽選で発展演出が行われる旨が決定したとき、抽選された発展態様で発展演出が実行された後に第1ステップアップ演出の3段階目に移行してもよい。
【0120】
これまで述べた処理を整理して換言すると以下のようになる。すなわち、発展演出から移行して行われるステップアップ予告演出(第1ステップアップ演出と第2ステップアップ演出)が、発展演出を経ずに行われるステップアップ予告演出において行われうる複数の段階の中途段階または最終段階から始まってもよい。
【0121】
上記の処理のように発展演出から移行して行われるステップアップ予告演出の態様と、発展演出を経ずに行われるステップアップ予告演出の態様と、に格差を設けることで、発展演出により得られる興趣をより高めることができる。
また、発展演出と重複発生しているステップアップ予告演出との実行時間を短縮することによって遊技の実行速度を速め、遊技のスピード感を高めることができる。
【0122】
また、
図9から
図14に示すように、いずれの予告演出が行われる場合にも、「特図」が「確変図柄」または「非確変図柄」であるとき、すなわち大当り抽選部131による大当り抽選に当選した特別図柄変動ゲームにおいて、「擬似連なし」かつ「通常変動」であるとき、発展演出は行われない。
この場合においては、本実施形態の演出制御部220は専用の「突当り演出」を実行させるので、当該演出の妨げにならないように発展演出は行わないように設定されている。
【0123】
以上に説明したような特徴を有している発展演出抽選によって発展演出の発展態様を決定しているので、遊技機10(演出制御部220)によって実行される各予告演出は、遊技者の興趣を好適に高めることができる。
【0124】
なお、上記で説明した発展演出抽選では、遊技状態制御部140によって制御されている遊技状態(確変状態や変短状態)を考慮せずに発展演出の発展態様を決定しているが、確変状態の有無や変短状態の有無を加味して発展演出の発展態様を決定してもよい。すなわち、
図9から
図14で示す各抽選テーブルにおいて、行方向(横方向)の項目の中に確変状態の有無や変短状態の有無が加わってもよい。
【0125】
また、
図9から
図14に示す各抽選テーブルに示す抽選確率は一例であって、これに限られるものではない。従って、これらの抽選確率は、遊技機10の遊技性に即した値で適宜設定すればよい。
【0126】
<各予告演出の発生確率と大当り遊技の当選確率の関係について>
これまで本実施形態における演出制御部220によって制御される各予告演出について説明した。これらの予告演出の発生確率と大当り遊技の当選確率の関係は、遊技機10の遊技性に影響する。以下、本実施形態の遊技機10が採りうる2つのパターンを示し、それぞれの場合における遊技性ついて説明する。
【0127】
一つ目のパターンは、以下のように設定されている。すなわち、発展演出が行われた場合に第一予告演出に移行する確率が、発展演出を経由せずに第一予告演出が行われる確率より高く設定されている。そして、第一予告演出が行われた場合に大当り遊技が実行される確率は、発展演出を経由しない場合より発展演出が行われた場合に高くなるように設定されている。
【0128】
当該パターンにおいて、発展演出を経由した場合とそうでない場合とを比べたとき、前者の方が第一予告演出から大当り当選に繋がる確率が高いので、発展演出の導入時点で遊技者に高い期待感を抱かせる。また、第一予告演出に移行しやすい発展態様(本実施形態においては「序盤」に行われる発展演出)が行われた時点で更に期待感が高まる。すなわち、段階的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0129】
二つ目のパターンは、以下のように設定されている。すなわち、発展演出が行われた場合に第一予告演出に移行する確率が、発展演出を経由せずに第一予告演出が行われる確率より高く設定されている。そして、第一予告演出が行われた場合に大当り遊技が実行される確率が、発展演出を経由しない場合より発展演出が行われた場合に低くなるように設定されている。
【0130】
当該パターンにおいて発展演出が発生した場合、第一予告演出に移行する頻度が高まる一方で、第一予告演出自体から大当りの当選に繋がる確率が低くなっている。従って、発展演出の導入時点では遊技者に淡い期待感を抱かせるものの、第一予告演出に移行しやすい発展態様(本実施形態においては「序盤」に行われる発展演出)が行われた時点である程度期待感が低下する。さらに、仮に大当り遊技の当選が明らかになった場合には、再び興趣が高まる。すなわち、遊技者の興趣が同一の図柄変動ゲームにおいて上下するので、その落差によって遊技の興趣を高めることができる。
【0131】
以上述べた二つのパターンのいずれを採っても、本実施形態の遊技機10(演出制御部220)は、遊技者の興趣を好適に喚起させることが可能な予告演出を実現できる。
【0132】
なお、本実施形態の遊技機10はいわゆるパチンコ機として説明したが、いわゆるスロットマシンにも本発明を適用することが可能である。
このとき、図柄変動ゲームはリールユニット上の図柄変動であり、連続予告演出(第一予告演出)はいわゆるフリーズ制御中のリール回動演出であり、第二予告演出はボーナス遊技やART(アシストリプレイタイム)の前兆演出である。
【0133】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)図柄変動ゲームに関連する演出を実行させる制御手段と、複数列に図柄を表示し、前記図柄変動ゲームの開始に応じて前記図柄の変動表示を始動し、当該図柄変動ゲームの終了までに前記変動表示を停止し、前記図柄の組合せから構成される停止パターンを停止表示する図柄表示手段と、を備え、前記制御手段によって行われる前記演出には、前記複数列のうち一列を除いた他の列にて予め定められた前記図柄の組合せが停止し、前記一列にて前記図柄の変動表示が行われるリーチ演出と、実行される前記図柄変動ゲームにおいて前記リーチ演出を伴って実行されうる第一予告演出と、実行される前記図柄変動ゲームより後に前記リーチ演出が行われうることを予告する第二予告演出と、前記第一予告演出または前記第二予告演出が行われる前記図柄変動ゲームの少なくとも一部において、前記第一予告演出または前記第二予告演出の実行前に行われる共通の表示演出であり、共通の導入態様から複数とおりの発展態様へと発展する発展演出と、が含まれており、複数とおりの前記発展態様は抽選によって決定され、さらに、前記発展演出から前記第一予告演出または前記第二予告演出に移行する比率の配分が前記発展態様ごとに異なっている遊技機。
(2)前記第一予告演出には、一回の前記図柄変動ゲームにおいて前記図柄の変動表示を間欠的に繰り返す連続予告演出が含まれており、前記発展演出から前記連続予告演出に移行したとき、抽選によって決定された前記発展態様ごとに前記連続予告演出における前記図柄の変動表示の回数の期待値が異なる(1)に記載の遊技機。
(3)大当りの当否抽選を行う大当り抽選手段と、前記大当り抽選手段による抽選に当選したとき、前記図柄の停止表示の後に大当り遊技を実行させる大当り遊技制御手段と、を備え、前記第一予告演出には、前記図柄の変動表示とは異なる表示演出が複数の段階を経て進展し、進展するごとに前記大当りに当選する期待値が上昇するステップアップ予告演出が含まれており、前記発展演出から移行して行われる前記ステップアップ予告演出が、前記発展演出を経ずに行われる前記ステップアップ予告演出において行われうる前記複数の段階の中途段階または最終段階から始まる(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記第二予告演出が複数とおりに設けられており、かつ、前記発展演出の前記発展態様ごとに異なる比率で前記発展演出から複数とおりの前記第二予告演出のいずれかに移行し、前記連続予告演出が複数とおりに設けられており、かつ、前記発展演出の前記発展態様ごとに異なる比率で前記発展演出から複数とおりの前記連続予告演出のいずれかに移行し、一部の前記発展態様で行われる前記発展演出からは、前記連続予告演出または前記第二予告演出のいずれか一方にのみ移行できるようになっている(2)または(2)に従属している(3)に記載の遊技機。
(5)大当りの当否抽選を行う大当り抽選手段と、前記大当り抽選手段による抽選に当選したとき、前記図柄の停止表示の後に大当り遊技を実行させる大当り遊技制御手段と、を備え、前記発展演出が行われた場合に前記第一予告演出に移行する確率が、前記発展演出を経由せずに前記第一予告演出が行われる確率より高く設定されており、かつ、前記第一予告演出が行われた場合に前記大当り遊技が実行される確率が、前記発展演出を経由しない場合より前記発展演出が行われた場合に高くなるように設定されている(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)大当りの当否抽選を行う大当り抽選手段を備え、と、前記大当り抽選手段による抽選に当選したとき、前記図柄の停止表示の後に大当り遊技を実行させる大当り遊技制御手段と、を備え、前記発展演出が行われた場合に前記第一予告演出に移行する確率が、前記発展演出を経由せずに前記第一予告演出が行われる確率より高く設定されており、かつ、前記第一予告演出が行われた場合に前記大当り遊技が実行される確率が、前記発展演出を経由しない場合より前記発展演出が行われた場合に低くなるように設定されている(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)前記制御手段は、前記図柄変動ゲームにおいて前記第一予告演出または前記第二予告演出のいずれかを行うことが決定されたとき、決定された前記第一予告演出または前記第二予告演出のいずれであるかに起因して異なる抽選確率で抽選して前記発展演出の前記発展態様を決定し、抽選された前記発展態様で前記発展演出を実行させた後に、決定された前記第一予告演出または前記第二予告演出を実行させる(1)に記載の遊技機。
(b)一部の前記発展態様は、前記第二予告演出に起因して抽選され、前記第一予告演出に起因して抽選されない(a)に記載の遊技機。
(c)前記第二予告演出が複数とおりに設けられており、一の前記第二予告演出または他の前記第二予告演出のいずれに移行するかに起因して異なる抽選確率で前記発展演出の前記発展態様が抽選される(1)に記載の遊技機。
(d)前記連続予告演出が複数とおりに設けられており、一の前記連続予告演出または他の前記連続予告演出のいずれに移行するかに起因して異なる抽選確率で前記発展演出の前記発展態様が抽選される(2)に記載の遊技機。