(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181279
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ドライパウダー吸入器の内部でブリスターを締め付けるための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-500611(P2016-500611)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-511067(P2016-511067A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014020371
(87)【国際公開番号】WO2014149691
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年11月9日
(31)【優先権主張番号】13/840,577
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500566682
【氏名又は名称】マイクロドース セラピューテクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モージャー,ケント,ディー.
【審査官】
久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−527329(JP,A)
【文献】
特表2004−507328(JP,A)
【文献】
米国特許第08375941(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
A61M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの内部に保持される個別にアドレス可能な複数のブリスターを納めるためのハウジング、当該個別にアドレス可能な複数のブリスターの各々は特定された量の薬剤を収容し、前記ブリスターは第一のドーム形状の面及び第二の平らな面を有する;
前記ハウジングの内部に振動部材;
前記ブリスターと連絡する流路を規定するチャンバー;
貯蔵位置と投薬位置との間で選択されたブリスターを動かす機構;及び
前記第一のドーム形状の面の少なくとも一部を係合し包囲するため、また、前記振動部材に隣接する投薬位置にブリスターを締め付けるための、ブリスター締め付け部材、当該ブリスター締め付け部材は、前記ブリスターのドーム形状の面と周縁接触するようにされたボールジョイントを含み、それによって前記ブリスターに3回転自由度を与え、前記ブリスターと前記振動部材とが適切に係合されることが確実になる;
を含む、薬剤吸入器。
【請求項2】
前記ブリスターの平らな面が、前記振動部材と接触して位置している、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記ブリスター締め付け部材が、ブリスターのドーム形状の面の、ドームの基部よりもドームの頂部近くを係合する、請求項1又は2に記載の吸入器。
【請求項4】
次の構成の1又は複数を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸入器。
(a)前記振動部材が圧電変換器である;
(b)前記薬剤がドライパウダー又は液体を含む;
(c)さらに前記ブリスターに対して前記振動部材を押し付けるスプリングを含む;
(d)さらに使用者の息を検知するためのフローセンサ、及び、前記振動部材をアクチベートするための電子回路を含む;
(e)さらにバッテリとプリント回路基板とを含む;
(f)さらに前記ハウジングの内部に収容された穿孔部材を含む;及び
(g)さらにバッテリ及びマイクロプロセッサを含み、当該マイクロプロセッサはフローセンサからのシグナルを受容し、振動部材のアクチベーションを制御する。
【請求項5】
前記複数のブリスターがカセット上に配置され、当該カセットはハウジングの内部に回転可能に備えられている、請求項4に記載の吸入器。
【請求項6】
さらに回転可能に備えられたディスクを含み、当該ディスクは、前記複数の個別のブリスターの一つの、当該個別のブリスターが前記振動部材と穿孔部材との間に締め付けられる投薬位置への移動を調節する、請求項4又は5に記載の吸入器。
【請求項7】
さらに、前記回転ディスクが、前記投薬位置にある前記ブリスターを前記穿孔部材が穿孔する前記穿孔部材の動き、及び/又は、前記振動部材が前記投薬位置でブリスターと接触するようにする前記振動部材の動き、を調節する、請求項6に記載の吸入器。
【請求項8】
前記ディスクの回転が、ハウジングから突出するレバーアームを用いることによって使用者によってコントロールされる、請求項6に記載の吸入器。
【請求項9】
前記ハウジングに取り付けられ、前記流路と連絡するマウスピースを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項10】
さらに前記ハウジングに枢動可能に接続された、前記マウスピースを覆うカバーを含み、さらに前記回転ディスクと前記カバーとを接続するリンク機構を含み、前記ディスクの枢動が前記カバーの開閉を行う、請求項9に記載の吸入器。
【請求項11】
さらに、一端がマウスピースに接続された流路を含み、当該流路は選択されたブリスターの前記第一の面がフィットする開口を有し、前記ブリスターは前記流路に対して定位置に保持され;また、
選択されたブリスターを動かすための前記機構がレバーアームを含み、当該レバーアームの動きが、選択されたブリスターを、使用者によって脱凝集され吸入されるように、前記振動部材と前記穿孔部材との間に引き込むようにする;
請求項9に記載の吸入器。
【請求項12】
前記複数の個別のブリスターが円形平面に配置され、前記ブリスターの平面は前記カートリッジの平面に垂直であり、また、前記ディスクがさらに前記回転可能に備えられたカセットの動きを調整する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項13】
次の構成の1又は両方を特徴とする、請求項12に記載の吸入器。
(a)さらに、前記複数の個別のブリスターの一つの操作位置への動きと前記レバーアームの動きとを連係するディスクを含む;
(b)前記穿孔部材が流路の逆側に位置し、さらに、前記選択されたブリスターに対して前記振動部材を押し付けるスプリングを含む。
【請求項14】
前記選択されたブリスターを動かす機構が、前記選択されたブリスターを放射状の方向に動かすようにされている、請求項11〜13のいずれか1項に記載の吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、吸入装置の分野に関連する。本開示は、パウダー化された薬剤の患者への送達に関して特に実用的であり、本開示は他の実用性も考えられるが、このような実用性との関連で説明されるだろう。
【背景技術】
【0002】
幾つかの気道疾患は、治療薬の直接投与による処置で対応することが知られている。これらの薬剤はドライパウダー化された形態でもっとも簡単に利用できるため、それらの投与も、パウダー化された材料を鼻や口を通じて吸入することによってもっとも簡単に達成される。このパウダー化された形態は、薬が所望の、作用が必要とされる場所に正確に沈着して、薬剤をより効果的なものとする結果を生じる。つまり、非常に少ない用量の薬が、他の方法によって投与されるより用量の大きなものとしばしば同じくらい効果的であり、その結果、望まない副作用によるインシデント及び薬剤コストが目覚ましく低減される。またこのような形態の薬は、呼吸器系疾患以外の疾患の処置に使用されてもよい。薬が肺の非常に大きな表面に沈着される時、極めて速やかに血流の中に吸収され得る;つまり、この投与方法は、注射、錠剤又はその他の従来の手段に取り替わる可能性がある。
【0003】
薬の生体利用効率は、気道に送達される薬の粒子が1から5ミクロンのサイズである時に最適であるというのが製薬業界の見解である。薬の粒子がこのサイズ範囲であることが必要である時、ドライパウダー送達システムは数多くの要点に対処する必要がある。
【0004】
(1)小さいサイズの粒子は、製造や貯蔵の間にそれ自身の帯電が進むことがある。このことは粒子の凝集や凝結を引き起こし、5ミクロンよりも大きな有効サイズを有する粒子塊となる可能性が有る。そうすると、これらの大きな塊が肺の深部に到達する確率は減少する。そうすると、吸収のために患者に利用されるパッケージされた薬は、低い割合となる。
【0005】
(2)患者に送達されることが必要な活性薬剤の量は、何十マイクログラムの単位でありえる。例えば喘息で使用される薬のアルブテロールの場合には、通常、25から50マイクログラムである。現在の製造設備は、ミリグラムの用量範囲で一定分量の薬剤を許容可能な正確性で搬送することができる。そのため標準的なプラクティスでは、活性薬剤を、ラクトースのようなフィラーやバルク剤と混合する。この添加剤はまた薬剤を「流れやすく」する。この添加剤はまたキャリアとも呼ばれる。なぜならば薬剤粒子は静電気又は化学結合でこれらの粒子にも付着するからである。これらのキャリア粒子は、薬剤粒子よりもサイズが極めて大きい。ドライパウダー吸入器がキャリアから薬を分離させる能力は、デザインの有効性における重要な性能パラメータである。
【0006】
(3)5ミクロンよりも大きなサイズの活性薬剤粒子は、口と喉のどちらにも沈着されるだろう。このことは別のレベルの不確実性を導く。なぜなら、これらの位置での薬の生体利用効率と吸収は、肺とは異なるからである。ドライパウダー吸入器は、薬の生体利用効率と関係する不確実性を低減するために、これらの位置に沈着する薬剤を最小化する必要がある。
【0007】
ドライパウダー吸入器(DPI)の先行技術は通常、薬(活性薬剤+キャリア)を高速の空気流中に導くための手段を有している。高速の空気流は、微粉化された粒子の塊を解砕するため、又は、キャリアから薬剤粒子を分離するための基本的な機構として使用される。このパウダー形態の薬物を投薬するために有用な幾つかの吸入装置が先行技術として知られている。例えば、米国特許3,507,277、3,518,992、3,635,219、3,795,244及び3,807,400で、パウダー化された薬剤を収容するカプセルに穴を開けるための手段を有する吸入装置が開示されており、パウダー化された薬剤は、吸入の時に、穿孔されたカプセルから使用者の口へと引き出される。これらの特許の幾つかはプロペラ手段を開示している。当該プロペラ手段は吸入時にカプセルから外にパウダーを出す補助となるため、カプセルからパウダーを吸引するために、吸入空気のみに頼る必要がない。例えば米国特許2,517,482に、吸入の前に下部チャンバーに置かれるパウダー収容カプセルを有する装置が開示されている。ここでは、患者によって穿孔ピンが手動で押下げされることによってカプセルが穿孔される。穿孔された後に吸入が開始され、カプセルは装置の上部チャンバーに引き出され、そこでカプセルは、穿孔された穴を通してパウダーが吸入空気流へと引き出されるように、全方向に動く。米国特許3,831,606は、複数の穿孔ピンと、プロペラ手段と、外部の手動操作を通じてプロペラ手段を動かすための内蔵型の電源とを有する吸入装置を開示しており、プロペラ手段は、吸入時にパウダーが吸入空気流に乗ることを補助する。米国特許3,948,264、5,458,135も参照のこと。
【0008】
ここに参照によって引用され、共通の譲受人マイクロドーズセラピューテクスインコーポレイテッドに譲渡された先行の米国特許7,318,434及び7,334,577において、先行技術の吸入器を克服する改良が提供されており、それは、吸入される気流へのパウダーの混合を促進するために振動を利用するもので、また、ブリスターパックや類似物からの薬剤パウダーのエアロゾル化のために合成噴流(synthetic jetting)を利用するものである。前述の米国特許7,318,434及び7,334,577に教示されるように、ドライパウダーを保持するためのブリスターパックその他のコンテナである第一のチャンバーと、第一のチャンバーからのエアロゾル化された形態のドライパウダーを受け、また、使用者にエアロゾル化されたドライパウダーを送達するための経路を通じて第一のチャンバーに接続された第二のチャンバーと、を有するドライパウダー吸入器が提供されている。振動器は第一のチャンバー内のドライパウダーに接続されている。振動器は励起されて第一のチャンバーに接続され、合成噴流によってチャンバーからパウダーを動かす。
【0009】
また参照によってここに引用され、共通の譲受人マイクロドースセラピューテクスインコーポレイテッドに譲渡された米国特許7,080,644で説明されるように、制御された一定量又は用量の薬物又は薬剤がブリスターパックに予めパッケージされており、ブリスターパックは、円錐形か丸い頂部の円錐形、丸い形、又はその他の隆起形状である壊れやすい冠状の上部材と、平たいウェブか膜状、又はそれ自体が例えば円錐形、丸型、皿型等の成形された構成でありえる、下に配置される振動器と近接して結合するための下部材とを含む。その形状やサイズは、所与の薬物や薬剤の最適に制御された送達が提供できるように選択される。ブリスターパックの上部材は、ブリスターパックの中に収容される薬物又は薬剤を送達するための一又は複数の開口が作られるように、例えば鋭い針のような穿孔装置によって穴が開けられる。穴のパターン及び穴のサイズは、その中にパッケージされた特定の薬物又は薬剤の送達の最適化を提供できるように選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許3,507,277号
【特許文献2】米国特許3,518,992号
【特許文献3】米国特許3,635,219号
【特許文献4】米国特許3,795,244号
【特許文献5】米国特許3,807,400号
【特許文献6】米国特許2,517,482号
【特許文献7】米国特許3,831,606号
【特許文献8】米国特許3,948,264号
【特許文献9】米国特許5,458,135号
【特許文献10】米国特許7,318,434号
【特許文献11】米国特許7,334,577号
【特許文献12】米国特許7,080,644号
【発明の概要】
【0011】
本開示は、ブリスターパックに収容された薬剤をエアロゾル化するための振動部材を有する吸入器であって、当該吸入器は複数の個別のブリスターパックを保持するように構成されており、ブリスターパックは個別にアクセスされることができ、また、振動部材と穿孔部材との間の操作又は投薬位置に動かされうるものを提供することによって、上述のような先行技術の装置を克服する改良を提供する。この構成の利点は次の点を含む:複数のブリスターパックを収容する吸入器のための、よりシンプルでよりコンパクトな組立体;また、使用前に穿孔部材から個々のブリスターパックを独立させ、遮断する能力。
【0012】
本開示の1つの局面は、振動部材を含み、ハウジングを有する薬剤吸入器を提供する。また前記ハウジングは、チャンバーが規定する流路を含み、薬物を収容するブリスターはチャンバーによって定位置に締め付けられている。ブリスターはまた振動部材と接している。その位置取りは、チャンバーとブリスターパックとの間に3回転自由度を許容し、また、ブリスターの冠部が少なくとも部分的にチャンバーと係合されることを許容する、ブリスターパック締め付け表面によって実現される。
【0013】
本開示のさらなる特徴及び利点は、続く詳細な説明で添付の次の図面とともに見られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1A及び1Bは、本開示による吸入器の上面図である。レバーアームの異なる位置を示している。
【
図2】
図2A、2B及び2Cは、本開示による、レバーアームによってアクチベートされた回転カセットのある吸入器の断面図である。
【
図3】
図3は、本開示による、カートリッジ組立体の分解図である。
【
図4】
図4は、本開示の吸入器のハウジングに組み入れられたカートリッジ組立体の図である。
【
図5】
図5は、本開示による、吸入器の底部を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示によるブリスターパックの図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示によるブリスターパックキャリアの操作を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示のドライパウダー吸入器の内部部材の部分図である。
【
図8】
図8A及び8Bは、本開示による、ブリスターパックキャリアと穿孔機構の詳細な断面図である。
【
図9】
図9A及び9Bは、本開示の流路、及び、振動及び穿孔部材の詳細断面図である。
【
図10】
図10は、本開示のドライパウダー吸入器と関連する電子機器の操作を示すブロックダイアグラムである。
【
図11】
図11は、本開示によるプリント回路キャリアを示す。
【
図12】
図12は、本開示によるドライパウダー吸入器の断面側面図である。
【
図13】
図13は、本開示によるドライパウダー吸入器の分解図である。
【
図14】
図14は、本開示の一つの実施態様による、振動部材と係合したブリスターの断面側面図である。
【
図15】
図15は、本開示の他の好ましい実施態様による、振動部材と係合したブリスターの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続く説明において、この一部分であり、図示によって本開示の様々な実施態様が示された添付の図面に言及する。他の実施態様も利用されることができ、本開示の射程から離れることなく変更がなされうることが理解される。
【0016】
本開示は使用者の気道に薬剤を送達するための装置を提供するものであって、当該装置は一般的に、取り付けられたマウスピースと、マウスピースのためのカバーとを有するハウジングを含む。ハウジングは、例えばパウダー化された薬剤を収容する複数の個別のブリスターパックを保持するよう構成されている。しかしながら、薬剤は液状の薬剤であってもよい。ブリスターは、個別のブリスターは締め付け位置にロードされ、そこでブリスターは穿孔され、また、振動装置が使用者によって後に吸引されるブリスターの内容物を集めるように用いられるよう、配置される。好ましくはブリスターは、好ましい態様では複数の個別のアドレス可能なブリスターパックを収容する回転カセットを含む、カートリッジに運び込まれる。装置はまた、収納位置と操作位置との間で選択されたブリスターパックを動かすための機構を含んでいる。当該機構はまた、穿孔及び振動部材をアクチベートするのに使用されてもよい。
【0017】
図1A及び1Bを参照して、本開示の吸入器は、マウスピース2を有するハウジング1と、リトラクタブルカバー3とを含む。装置はまたレバーアーム11を含んでもよく、その動きは、前記リトラクタブルカバーを開け、追って詳しく説明されるように装置の他の部材をアクチベートする。また当該リトラクタブルカバーは、例えば使用者がマウスピースを掃除しようとする時には手動で開けられてもよいが、レバーアーム11が開位置に動かされている時には閉じられないようにするのでもよい。
【0018】
図2A〜2Cを参照して、レバーアーム11は、ハウジングの中に収容され、レバーアームの回転運動を装置の他の部材の対応運動或いは回転運動に変換するカムディスク10に、接続されている。示された装置は、レバーアームが120°回ることを許容するように構成されているが、これは、片手で装置を操作するための動きの従来範囲であり、他の範囲もまた可能である。レバーアームが一つの位置から他へ(例えば2A〜2C)と進むに従って、カムディスク10は回転し、リトラクタブルカバー3がマウスピース2を露わにする。カムディスクの回転は、参照線110で示されている。
【0019】
レバーアームの(カムディスクに対する)先端はボタンエリア11Aとなっており、使用者がレバーアームを握りやすく、動かしやすくするよう構成されている。例えば、ボタンの表面領域はレバーアームを容易に引けるのに十分なほど大きくてもよいし、また、ボタンの表面領域は、使用者のグリップをとらえる材料からなっていてもよい。レバーアームの動きの両端で、使用者が再びレバーを動かすまでレバーアームとカムディスクとが固定された位置に残るように、装置はシークエンスロック(sequence lock)を含んでもよい。
【0020】
また、装置をアクチベートするために他の動きが使用されてもよい。例えば、装置のカバーが、カバーが開けられた時にカムディスクを回転させるリンク機構によってカムディスクと結合されていてもよい。
【0021】
図1A及び1B、2A〜2Cを参照して、装置はまた、使用者への情報を伝達するインジケーター70を含んでもよい。使用者への情報としては、例えば、新たな一用量が投与される時のリマインダー、使用者が吸入すべき時の表示、使用者が吸入した時の表示、例えば装置が空、薬剤が期限切れ、又は装置が設計範囲を超えた極端な環境(例えば加熱、冷却)に置かれたという警告がある。装置は、ブリスターパックが開封されもう貯蔵されることができない時に、使用者に吸引シグナルを示さねばならない。部分的な、又は偶発的な装置のアクチベーションを回避するために、ラチェット機構がカムディスク10に取り入れられてもよい。
【0022】
図3は、本開示のカートリッジ組立体の異なる部品を示す。回転カセットを収容するカートリッジ20は一般的に、複数の個別のブリスターパック21が、回転カセットの平面に対して放射状のパターンで扇形に広がるように配置される。
図3は、上部ハウジング23と下部ハウジング24とを含む1つのカートリッジを示している。カートリッジは、ブリスターパック21のそれぞれを分離するブリスター回転環(blister carousel)22を含む。カートリッジはまた、一度に一つのブリスターパックを、放射状の経路に沿って操作位置へと動かすのに使用される、ブリスターキャリア27を含む。カートリッジは、広範囲の数のブリスターパックを運ぶように構成されうる。
【0023】
図4に示されるように、カートリッジは、装置が使用され続けるように、取り外され、また再充填され、或いは再び取り付けられうる。
図5は、カートリッジが用量の数を追跡するための用量カウンタ25や、カートリッジの取り外しを容易にするリリースタブ26を含んでもよいことを示す。
【0024】
図6Aは典型的なブリスターパックを示す。他のブリスターパックのデザインもまた使用されうる。本開示の装置に適合しうる他のブリスターパックのデザインの例は、例えば、米国出願公開番号2006/0174869 A1、現在の米国特許7,334,577、2008/0202514A1、及び、2009/0314288 A1を参照のこと。全件が共通の譲受人に譲渡されており、参照によってここに引用される。また、ブリスターパックは、例えば、同じ又は異なる粒子サイズのもの、或いは開示されたように使用者に共に送達されるための二つ又はそれ以上の薬物や薬剤を含む、分割されたパッケージやブリスターパックを含んでもよい。例えば米国出願公開2005/0147566 A1に開示されており、共通の譲受人に譲渡されている。
【0025】
上記に説明されたように、ブリスターパックに収容された薬物や薬剤は、新しいブリスターパック21を、ブリスターキャリア27を用いて所定位置に押し込むことによって、患者に送達される。ブリスターキャリアの動きは放射状の方向であり、
図6Bに矢印によって示されている。
【0026】
ブリスターキャリアとリトラクタブルカバーの動きは、レバーアーム11の動きによって開始され、レバーアーム11の回転運動は、カムディスク10を用いて他の各部材に伝達される。他の各部材には、一連のスロット、カム、及び/又は装置の他の部材に接続されたリンク機構の動きをコントロールするピンを含む。これらの接続は
図7に示されており、
図7は、カートリッジ組立体20、振動装置組立体40、及び穿孔装置組立体50と接続する様々なリンク機構の配置を示している(カムディスクはこの図には示されていない)。カムディスクは、カートリッジを回転させて装置が使用される各回のあとに次のブリスターパックを提供させるための、カートリッジインデックスリンク機構13を接続する;ブリスター輸送スレッド28に接続されたブリスター輸送リンク機構18は、続いて、ブリスターキャリア27に接続されている;振動器リンク機構14、穿孔器リンク機構15がある。カートリッジ組立体はさらに、インデックス機構を可能にするラチェット歯12を含む。ここに示されるリンク機構は単なる例示である。他の幾つかの構成もまた可能である。例えば、リンク機構の長さや数は、同様の結果を達成しながら、変更されることもできる。
【0027】
カム、スロット及びフォローピン、回転ピン、又は他の部品が互いに干渉するところで、カムディスク10は、例えば、ハブで互いに合される、二つの平らなインナー及びアウターディスクを含んでもよい。このようにして、ディスクは重複するスロット又はカムを含んでもよい。
【0028】
図8A、8B、9A及び9Bを参照して、ブリスターキャリア27は、選択されたブリスターパック21を穿孔組立体50と振動組立体40の間の位置に動かす。ブリスターの頂部は、マウスピース2に接続する流路30の中に開口31を通して延在している。ブリスターパックは、ブリスターパックに対して圧電変換器41を位置させ、ブリスターパックを定位置に保持するためのスプリング42を含む振動装置組立体40によって、定位置に締め付けられている。支柱45は、振動部材とブリスターパックとの間の適切な接触が確実に維持されるように設けられうる。あるいは、流路30の開口31は、ブリスターパックがさらに流路に入ることを許容できるほど十分に大きくてもよく、ブリスターパック21のフランジ領域が圧電変換器と流路との間に締め付けられるように作られてもよい。スロット43は突起44と整列されており、スプリング42の動く範囲を制限している。
【0029】
穿孔組立体は、ブリスターパックに穴を開けるために使用される時に穴32を通じて延在する穿孔器51を備えて、流路の逆側に、ブリスターパックと整列されている。穿孔器はブリスターパックを適切に破裂させるよう一又は複数の針を含むことができる。
【0030】
振動組立体40は、振動部材としての圧電変換器41を含むことができるが、例えば音波振動を提供するマイクロフォンなどの他の振動部材もまた本開示の射程の範囲内である。振動部材は、ブリスターパックの中のパウダー化された薬剤を周囲の空気中でエアロゾル化させ、流路30中に薬剤を分配する合成噴流を作り出させる。薬剤は次いでマウスピース2を通じて引き込まれる、患者の吸入空気流に搬送される。
【0031】
振動部材は、いずれも共通に所有され参照によってここに引用される米国特許6,152,130や同時係属米国出願11/064,201に述べられたように、患者の呼吸を検知するフローセンサ60によってアクチベートされうる。
図10〜12を参照して、流路部材60はフローセンサ61を含み、そのシグナルは201で調整されマイクロプロセッサ203に送られる。システムクロック回路202と関連するマイクロプロセッサ内のコントロールロジックは、例えばドライバ回路206を通じて圧電変換器41のような振動部材をコントロールする。振動部材への電源は回路205で調節されるバッテリ81によって供給される。マイクロプロセッサはまた、吸入が完了した時に、ユーザーインターフェイス70のLED71にシグナルを送る。上述のように、マイクロプロセッサもまた、所定の時間が前回の投与から過ぎた時に、ユーザーインターフェイス70にシグナルを送ることができる。
【0032】
ブリスターパックが空になると、マウスピース2の隣のハウジング頂部を通じて、空のブリスターを排出することによって廃棄しうる。あるいは、カートリッジの中に貯蔵されてもよく、そうでなければ、ブリスターパックが使い切られて、空のカセットが取り除かれた後に新たなカセットが吸入器の中にロードされるまでよけておくこともできる。
【0033】
図13は、本発明の構成要素を分解図で示す。ハウジング1は、装置カバー4とシャーシ5とを含む複数の部品からなっていてもよい。マイクロプロセッサ及び様々な回路を含むプリント回路基板組立体82は、柔軟なワイヤ62でフローセンサに接続されている。
図13に示される組立体は、本開示の本質から離れることなく変更されてもよい。例えば、カムディスクのサイズを小さくして、平らなディスク以外の形態とし、同じ機能を提供するようにしてもよい。
【0034】
図14は、振動エネルギーと合成噴流とを用いてブリスターからドライパウダーを放出するようにドライパウダーを収容するブリスターを締め付けるための一つのアプローチを描写している。
図14は例えば圧電素子である振動装置101、第一のチャンバー102、及び第二のチャンバー103を含む。第一のチャンバーを含むブリスターと、第一のチャンバー又はブリスターのフランジ上の第二のチャンバーとの間に、周縁接触が生じ、これが、第一のチャンバー又はブリスターと振動部材との間の接触を促進する。この締め付け方法は、合成噴流の生成と、第一のチャンバー又はブリスター1からのドライパウダーの送達とのために提供される。
【0035】
振動部材を利用してドライパウダー吸入器の送達の一貫性とパウダーの脱凝集とを顕著に改善する、代替的で好ましい締め付け機構が
図15に示される。
図15を参照して、改善された締め付けのアプローチは、第一のチャンバー又はブリスター112と、第一のチャンバー又はブリスターの上部壁上の第二のチャンバー113との周縁接触を提供し、また、第一のチャンバー又はブリスターと、振動部材111との間の接触を促進する。この改善された締め付けアプローチは、第一のチャンバー又はブリスターと第二のチャンバーとの間の回転運動を許容するボールジョイントと類似しており、結果的に、第一のチャンバー又はブリスターと振動部材との間の平坦度(コプラナリティ)を許容する。例えば、ブリスターパックは二つの面;冠部を有する第一の面116と、第一の面に対して好ましくは平らである第二の面117とを含むようにされてもよい。吸入器の流路(すなわち第二のチャンバー)は、ブリスターの第二の面と振動部材との間の接触を最大化しながら、第一のチャンバー又はブリスターの冠部の頂部が流路と係合するようにするブリスターパック締め付け部材120を含む。ブリスターパック締め付け部材の中に置かれた時、締め付け部材はブリスターパックに3回転自由度を持たせ、それゆえ、ブリスターパックと振動部材の適切な結合が一層確実になる。
図15に図示されるように、ブリスターパック締め付け部材は好ましくは、冠部の基部よりも冠部の頂部近くの位置で、ブリスターの第一の面を係合する。
【0036】
また、この設計で、第一のチャンバーの上部壁との接触を作り出すことによって、合成噴流を形成するための振動エネルギーが保存され、それゆえ、それが無い場合の振動エネルギーの減衰が排除される。
【0037】
この特徴を試験するため、同じドライパウダー吸入器が、第二のチャンバーによって第一のチャンバーを締め付けるための機構のみ異なるもの(すなわち、底部/頂部を締め付ける)として製造され、同じドライパウダー及び操作条件で評価された;結果は、次に示す性能測定において、底部締め付けよりも頂部締め付けの方が顕著な改善を示した:
1)第一のチャンバーの圧電素子への係合の確実性が向上。
2)より高い平均圧電頻度及び低いインピーダンスで測定された、より低い減衰。
3)合成噴流のより高いピーク引き出し気体速度。
4)より小さな第一のチャンバーの動き。振動モードのシフトを避けるようである。
5)より高い平均エアロゾル性能とより低いばらつき。
【0038】
上記に説明された本装置及び方法の態様、特に「好ましい」態様は、単なる可能な実施の例であり、開示の本質を明確に理解するための単なる説明であることが強調されねばならない。ここで説明されたドライパウダー吸入器の中の、ブリスターを締め付けるための方法及び装置の多くの異なる実施態様が、本開示の精神および射程から離れることなくデザインされ、及び/又は、製造される。例えば、薬剤の効果的な送達は、圧電振動器の波形を操作することによって最適化されうる。これらの全て、及び、これ以外の改変やバリエーションが、この開示の射程の範囲内に含まれ、続くクレームによって保護される。すなわち開示の射程は、添付のクレームに示されるものを除いて、制限されることを意図しない。