特許第6181300号(P6181300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181300
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】無人航空機の速度を制御するシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/10 20060101AFI20170807BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20170807BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20170807BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20170807BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20170807BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G05D1/10
   B64C39/02
   B64C13/18 Z
   B64C13/20 Z
   B64D47/08
   G05D1/00 B
【請求項の数】29
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-526909(P2016-526909)
(86)(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公表番号】特表2017-504851(P2017-504851A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】CN2014086005
(87)【国際公開番号】WO2016033795
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2016年5月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フ、シャオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、アン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ、グユエ
(72)【発明者】
【氏名】パン、フヤン
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102749927(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103576690(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103984357(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103365299(CN,A)
【文献】 米国特許第7228232(US,B2)
【文献】 特開2010−095246(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0235610(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/091431(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/18−39/02
B64D 47/08
G01C 21/00
G05D 1/00− 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機を制御するシステムであって、
前記無人航空機上で搭載され、環境に関するセンサデータを受信する1または複数のセンサと、
前記センサデータに基づいて、前記環境における障害物密集度を表す環境複雑性要素を決定し、前記環境複雑性要素に基づいて、前記無人航空機についての1または複数の動作規則を決定し、前記無人航空機の所望の移動を示す信号を受信し、前記無人航空機を、前記1または複数の動作規則に従いながら、前記信号に従って動かす1または複数のプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記1または複数のセンサは、ビジョンセンサ、ライダセンサ、または超音波センサのうち少なくとも1つを有する
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1または複数のセンサは、複数の異なるセンサタイプを有する
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサデータは、前記環境についての障害物密集度を示す
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記環境複雑性要素は、前記センサデータを用いて生成された前記環境の3次元デジタル表示に基づいて決定される
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記3次元デジタル表示は、3次元ポイントクラウドまたは占有グリッドを有する
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1または複数の動作規則は、すでに得られている飛行データに基づいて決定される
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1または複数の動作規則は、1または複数の速度規則を有する
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1または複数の速度規則は、すでに決定されている複数の速度規則の先入れ先出し(FIFO)キューを用いて決定される
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記信号は、ユーザ入力コマンドを有する
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
無人航空機を制御するシステムであって、
前記無人航空機上で搭載され、環境のセンサデータを受信する1または複数のセンサと、
前記センサデータに基づいて、前記無人航空機についての動作規則の第1のセットを決定し、前記無人航空機についての動作規則の第2のセットを示すユーザ入力を受信し、前記無人航空機を制御するべく用いられる動作規則の前記第1または第2のセットのうちの一方を選択し、前記無人航空機の所望の移動を示す信号を受信し、前記無人航空機を、動作規則の前記第1または第2のセットのうちの前記選択された一方に従いながら、前記信号に従って動かす1または複数のプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項12】
前記1または複数のセンサは、ビジョンセンサ、ライダセンサ、または超音波センサのうち少なくとも1つを有する
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1または複数のセンサは、複数の異なるセンサタイプを有する
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサデータは、前記環境についての障害物密集度を示す
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
動作規則の前記第1のセットは、速度規則の第1のセットを有し、動作規則の前記第2のセットは、速度規則の第2のセットを有する
請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
動作規則の前記第2のセットは、複数の異なる飛行モードから前記ユーザ入力によって選択される飛行モードに基づいて決定される
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の異なる飛行モードは、低速度飛行モード、中間速度飛行モード、および高速度飛行モードを有する
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
速度規則の前記第1のセットは、前記無人航空機についての第1の速度制限を有し、速度規則の前記第2のセットは、前記無人航空機についての第2の速度制限を有する
請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記1または複数のプロセッサは、前記第1および第2の速度制限のうちの小さい方を選択することによって、速度規則の前記第1または第2のセットの一方を選択する
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
無人航空機を制御するシステムであって、
前記無人航空機上で搭載される1または複数のセンサと、
前記1または複数のセンサを用いて、環境についての障害物密集度を表す環境複雑性要素を決定し、
前記環境複雑性要素に基づいて前記無人航空機についての動作規則の第1のセットを決定し、
前記1または複数のセンサを用いて、前記環境についての前記障害物密集度の変化に対応する前記環境複雑性要素の変化を検出し、
前記環境複雑性要素の前記変化に基づいて、動作規則の前記第1のセットを修正して前記無人航空機についての動作規則の第2のセットを提供する1または複数のプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項21】
前記1または複数のセンサは、ビジョンセンサ、ライダセンサ、または超音波センサのうち少なくとも1つを有する
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記1または複数のセンサは、複数の異なるセンサタイプを有する
請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記1または複数のセンサからのデータは、前記環境についての障害物密集度を示す
請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記環境複雑性要素は、前記1または複数のセンサからのデータを用いて生成された前記環境の3次元デジタル表示に基づいて決定される
請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記3次元デジタル表示は、3次元ポイントクラウドまたは占有グリッドを有する
請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
動作規則の前記第1のセットは、速度規則の第1のセットを有し、動作規則の前記第2のセットは、速度規則の第2のセットを有する
請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
速度規則の前記第1および第2のセットのうち少なくとも一方は、前記無人航空機についての最小ブレーキ距離に基づいて決定される
請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
速度規則の前記第1および第2のセットは、各々、前記無人航空機についての速度制限を有する
請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記環境複雑性要素の前記変化は、前記障害物密集度の減少に対応し、
速度規則の前記第2のセットの前記速度制限は、速度規則の前記第1のセットの前記速度制限よりも大きい
請求項28に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
複数の無人航空機などの無人機は、軍事および民間の適用のために、多種多様な環境における監視、偵察、および調査を実行するために用いられることができる。無人航空機は、遠隔のユーザによって手動で制御され、または、半自律的または完全な自律の態様で動作しうる。様々な制御計画が、自律性の複数の異なる程度で、環境内で無人航空機の動作を可能にすべく実施されうる。
【0002】
しかしながら、複数の無人航空機のための既存の制御計画は、いくつかの例においては最適ではない場合がある。例えば、無人航空機は、複数の障害物(例えば、複数の建物、木、人、他の空中の物体)が存在する環境において動作しうる。既存の複数の制御計画は、ユーザの自身の判断に依存し、複数の障害物との複数の衝突の確率を最小限にするために、無人航空機についての安全動作パラメータを決定しうる。これは、未熟な複数のユーザにとって、または、(例えば、無人航空機がユーザから比較的遠いときに)ユーザが無人航空機を囲む環境を容易に見ることはできない状況において、課題でありうる。
【発明の概要】
【0003】
複数の無人航空機の安全を改善するための改善された複数の制御計画が必要とされる。本開示は、無人航空機のための複数の動作規則を自動的に決定する複数のシステムおよび複数の方法を提供する。複数の動作規則は、速度、加速度、位置、または方向などのUAV動作の任意の適切な態様に関することができる。いくつかの実施形態では、複数の動作規則は、様々なセンサから得られたデータを用いて、飛行中に自動的に決定される。センサデータは、無人航空機を制御するための複数の適した動作規則を選択するために環境の障害物密集度を決定すべく分析されることができ、これにより、複数の障害物との複数の衝突の可能性を低減する。
【0004】
このため、1態様において、環境内で無人航空機を制御するシステムが提供される。システムは、1または複数のセンサと1または複数のプロセッサとを備え、1または複数のセンサは、無人航空機上で搭載され、環境のセンサデータを受信するように構成される。1または複数のプロセッサは、センサデータに基づいて、環境についての障害物密集度を表す環境複雑性要素を決定し、環境複雑性要素に基づいて、無人航空機についての1または複数の動作規則を決定し、無人航空機の所望の移動を示す信号を受信し、無人航空機を、1または複数の動作規則に従いながら、信号に従って動かすように、個別にまたは集合的に構成されうる。
【0005】
いくつかの実施形態では、1または複数のセンサは、立体視センサなどのビジョンセンサを有する。1または複数のセンサは、ライダセンサまたは超音波センサを有することができる。1または複数のセンサは、複数の異なるセンサタイプを有することができる。1または複数のセンサにより得られたセンサデータは、環境についての障害物密集度を示しうる。
【0006】
いくつかの実施形態では、1または複数のプロセッサは、無人航空機によって搭載される。環境複雑性要素は、センサデータを用いて生成された環境の3次元デジタル表示に基づいて決定されることができる。3次元デジタル表示は、3次元ポイントクラウドまたは占有グリッドを有することができる。
【0007】
動作規則は、任意の適切な態様で決定されることができる。例えば、1または複数の動作規則は、無人航空機と環境における複数の障害物との間の複数の衝突を防ぐように構成されることができる。1または複数の動作規則は、すでに得られた飛行データに基づいて決定されることができる。いくつかの実施形態では、1または複数の動作規則は、1または複数の速度規則を有する。1または複数の速度規則は、すでに決定されている速度規則の先入れ先出し(FIFO)キューを用いて決定されることができる。1または複数の速度規則は、無人航空機についての最小ブレーキ距離に基づいて決定されることができる。いくつかの実施形態では、1または複数の速度規則は、無人航空機についての速度制限を有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、信号は、ユーザ入力コマンドを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、1または複数の動作規則は、1または複数の飛行姿勢規則を有する。その代わりまたは組み合わせて、1または複数の動作規則は、1または複数の高度規則を有する。
【0010】
他の態様では、環境内で無人航空機を制御する方法が提供される。方法は、無人航空機上で搭載される1または複数のセンサからの環境のセンサデータを受信する段階と、環境についての障害物密集度を表す環境複雑性要素を、センサデータに基づいて、プロセッサを用いて決定する段階と、無人航空機についての1または複数の動作規則を、環境複雑性要素に基づいて、プロセッサを用いて決定する段階と、無人航空機の所望の移動を示す信号を受信する段階と、無人航空機を、1または複数の動作規則に従いながら、信号に従って動かす段階と、を備える。
【0011】
他の態様では、環境内で無人航空機を制御するシステムが提供される。システムは、1または複数のセンサと1または複数のプロセッサとを備え、1または複数のセンサは、無人航空機上で搭載され、環境のセンサデータを受信するように構成される。1または複数のプロセッサは、センサデータに基づいて、無人航空機についての動作規則の第1のセットを決定し、無人航空機についての動作規則の第2のセットを示すユーザ入力を受信し、無人航空機を制御するべく用いられる、動作規則の第1または第2のセットのうちの一方を選択し、無人航空機の所望の移動を示す信号を受信し、無人航空機を、動作規則の第1または第2のセットのうちの選択された一方に従いながら、信号に従って動かすように、個別にまたは集合的に構成されうる。
【0012】
いくつかの実施形態では、1または複数のセンサは、立体視センサなどのビジョンセンサを有する。1または複数のセンサは、ライダセンサまたは超音波センサを有することができる。1または複数のセンサは、複数の異なるセンサタイプを有することができる。1または複数のセンサにより得られたセンサデータは、環境についての障害物密集度を示しうる。1または複数のプロセッサは、無人航空機によって搭載されることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力は、遠隔端末から受信されることができる。
【0014】
動作規則は、所望のように構成されることができる。例えば、動作規則の第1のセットは、無人航空機と環境における複数の障害物との間の複数の衝突を防ぐように構成されることができる。いくつかの実施形態では、動作規則の第1のセットは、速度規則の第1のセットを有し、動作規則の第2のセットは、速度規則の第2のセットを有する。速度規則の第1のセットは、無人航空機についての最小ブレーキ距離に基づいて決定されることができる。速度規則の第2のセットは、複数の異なる飛行モードからユーザによって選択される飛行モードに基づいて決定されることができる。複数の異なる飛行モードは、低速度飛行モード、中間速度飛行モード、および高速度飛行モードを有することができる。いくつかの実施形態では、速度規則の第1のセットは、無人航空機についての第1の速度制限を有し、速度規則の第2のセットは、無人航空機についての第2の速度制限を有する。1または複数のプロセッサは、第1および第2の速度制限のうちの小さい方を選択することによって、速度規則の第1または第2のセットの一方を選択しうる。
【0015】
いくつかの実施形態では、信号は、ユーザ入力コマンドを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、動作規則の第1および第2のセットは、各々、飛行姿勢規則のセットを有する。その代わりまたは組み合わせで、動作規則の第1および第2のセットは、各々、高度規則のセットを有することができる。
【0017】
他の態様では、環境内で無人航空機を制御する方法が提供される。方法は、無人航空機上で搭載される1または複数のセンサから環境のセンサデータを受信する段階と、センサデータに基づいて、プロセッサを用いて、無人航空機についての動作規則の第1のセットを決定する段階と、無人航空機についての動作規則の第2のセットを示すユーザ入力を受信する段階と、無人航空機を制御するべく用いられる、動作規則の第1または第2のセットのうちの一方を選択する段階と、無人航空機の所望の移動を示す信号を受信する段階と、無人航空機を、動作規則の第1または第2のセットのうちの前記選択された一方に従いながら、信号に従って動かす段階と、を備える。
【0018】
他の態様では、環境内で無人航空機を制御するシステムが提供される。システムは、無人航空機上で搭載される1または複数のセンサと、1または複数のプロセッサとを備える。1または複数のプロセッサは、1または複数のセンサを用いて、環境についての障害物密集度を表す環境複雑性要素を決定し、環境複雑性要素に基づいて、プロセッサを用いて、無人航空機についての複数の動作規則の第1のセットを決定し、1または複数のセンサを用いて、環境についての障害物密集度の変化に対応する環境複雑性要素の変化を検出し、環境複雑性要素の変化に基づいて、複数の動作規則の第1のセットを変更して、無人航空機についての複数の動作規則の第2のセットを提供するように、個別にまたは集合的に構成されうる。
【0019】
いくつかの実施形態では、1または複数のセンサは、立体視センサなどのビジョンセンサを有する。1または複数のセンサは、ライダセンサまたは超音波センサを有することができる。1または複数のセンサは、複数の異なるセンサタイプを有することができる。1または複数のセンサにより得られたセンサデータは、環境についての障害物密集度を示しうる。
【0020】
いくつかの実施形態では、1または複数のプロセッサは、無人航空機によって搭載される。環境複雑性要素は、センサデータを用いて生成された環境の3次元デジタル表示に基づいて決定されることができる。3次元デジタル表示は、3次元ポイントクラウドまたは占有グリッドを有することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、動作規則の第1および第2のセットのうち少なくとも1つは、無人航空機と環境における複数の障害物との間の複数の衝突を防ぐように構成されることができる。動作規則の第1のセットは、速度規則の第1のセットを有することができ、動作規則の第2のセットは、速度規則の第2のセットを有することができる。速度規則の第1および第2のセットのうち少なくとも1つは、無人航空機についての最小ブレーキ距離に基づいて決定されることができる。任意に、速度規則の第1および第2のセットは、各々、無人航空機についての第1の速度制限を有しうる。いくつかの実施形態では、環境複雑性要素の変化は、障害物密集度の減少に対応し、第2のセットの速度規則の速度制限は、第1のセットの速度規則の速度制限よりも大きい。
【0022】
いくつかの実施形態では、動作規則の第1および第2のセットは、各々、飛行姿勢規則のセットを有する。その代わりまたは組み合わせで、動作規則の第1および第2のセットは、各々、高度規則のセットを有することができる。
【0023】
他の態様では、環境内で無人航空機を制御する方法が提供される。方法は、無人航空機によって搭載される1または複数のセンサを用いて、プロセッサを用いて、環境についての障害物密集度を表す環境複雑性要素を決定する段階と、環境複雑性要素に基づいて、プロセッサを用いて、無人航空機についての動作規則の第1のセットを決定する段階と、1または複数のセンサを用いて、環境についての障害物密集度の変化に対応する環境複雑性要素の変化を検出する段階と、環境複雑性要素の変化に基づいて、動作規則の第1のセットを変更して、無人航空機についての動作規則の第2のセットを提供する段階と、を備える。
【0024】
発明の複数の異なる態様は、個々に、集合的に、またはお互いと組み合わせて認識されることができることは理解されるべきである。本明細書に記載された発明の様々な態様は、下記のような特定の適用例のいずれかに、または任意の他の複数のタイプの複数の可動物体に対して適用されうる。航空機についての本明細書の任意の説明は、任意の機体などの任意の可動物体に対して適用し、用いられうる。さらに、飛行機の動き(例えば飛行)に関連して本明細書で開示された複数のシステム、複数の装置、および複数の方法は、また、地上もしくは水上での移動、水中の動き、または宇宙空間での動きなどの、複数の他のタイプの動きに関連して適用されうる。さらに、ローターまたはローターアセンブリについての本明細書の任意の説明は、回転による推進力を生成するように構成された任意の推進システム、装置、または機構(例えば複数のプロペラ、車輪、車軸)に対して適用し、用いられうる。
【0025】
本発明の他の複数の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を検討することで明らかになるだろう。[参照による組み込み]
【0026】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、あたかも、それぞれ個々の出版物、特許、または特許出願が、参照により組み込まれるべきであることが具体的且つ個々に示されていたのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
発明の新規な複数の特徴が、特に、添付の請求項において説明される。発明の原理が利用される例示的な複数の実施形態を説明した以下の詳細な説明と、添付の図面を参照することにより、本願発明の複数の特徴および利点のより良好な理解が得られるであろう。
【0028】
図1A】複数の実施形態に従って、屋外環境において動作する無人航空機を示す。
【0029】
図1B】複数の実施形態に従って、屋内環境において動作する無人航空機を示す。
【0030】
図2】複数の実施形態に従って、無人航空機を制御するための複数の動作規則を決定する方法を示す。
【0031】
図3】複数の実施形態に従って、無人航空機を制御する方法を示す。
【0032】
図4】複数の実施形態に従って、環境のセンサデータから生成された視差マップを示す。
【0033】
図5】複数の実施形態に従って、環境における障害物密集度を示すヒストグラムを示す。
【0034】
図6】複数の実施形態に従って、複数の速度規則を決定するための先入れ先出しキューを示す。
【0035】
図7】複数の実施形態に従って、UAVを制御する方法を示す。
【0036】
図8】複数の実施形態に従って、無人航空機を制御するリモートコントローラを示す。
【0037】
図9】複数の実施形態に従った無人航空機を示す。
【0038】
図10】複数の実施形態に従って、支持機構および積載物を含む可動物体を示す。
【0039】
図11】複数の実施形態に従って、可動物体を制御するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示は、無人航空機(UAV)を動作させるために、複数の動作規則を決定し、改善された複数のシステムおよび複数の方法を提供する。UAVは、周囲環境のデータを取得するために用いられる1または複数のセンサを搭載することができ、このデータは、複数の障害物および複数の他の潜在的な危害が周囲環境に存在する度合い(本明細書では"環境複雑性要素"と称されうる)を検出するべく、後に処理されることができる。環境複雑性要素は、環境内でUAVを動作させる間に認められる、複数の動作規則のセット(例えば、速度制限または速度範囲などの複数の速度規則)を決定すべく用いられることができる。例えば、UAVについての最大速度制限は、UAVが"複雑な"環境(屋内の、都会の、または低高度の環境などの、高い障害物密集度を有する環境)内で動作しているときは比較的低くてよく、これにより、複数の予期しない衝突のリスクを低減する。逆に、UAVについての最大速度制限は、複数の衝突が生じる可能性が低い、より小さい複雑性の環境(高い高度の環境などの、低い障害物密集度を有する環境)内で動作するときは比較的高い。有利には、本明細書で記載した複数の実施形態は、現在の環境状況に基づいて、UAVについての複数の動作パラメータを自動的かつ動的に最適化するために用いられることができ、これにより、UAVの安全、使いやすさ、および適応性を向上させる。
【0041】
本明細書で記載された複数のUAVは、(例えばオンボードコントローラなどの適切なコンピューティングシステムによって)自律的に、半自律的に、または(例えば人間のユーザによって)手動で動作されることができる。UAVは、適切なエンティティ(例えば人間のユーザまたは自律コントローラ)から複数の命令を受信でき、1または複数の動作を実行することによってそのような複数の命令に応じることができる。例えば、UAVは、地面から離陸する、(例えば、最大3の並進自由度で、かつ最大3の回転自由度で)空中を移動する、空中でホバリングする、および地面に着陸する等をすべく、制御されることができる。他の例として、UAVは、(例えば、最大3の並進自由度で、かつ最大3の回転自由度で)特定の速度及び/又は加速度で動くように制御されることができる。UAVは、およそ13m/sの、または10m/sから15m/sまでの範囲内の最大水平速度を有しうる。UAVは、およそ6m/sの、または5m/sから10m/sまでの範囲内の最大鉛直速度を有しうる。UAVは、およそ6.8m/sの、または5m/sから10m/sまでの範囲内の最大並進加速度を有しうる。いくつかの実施形態では、UAVの並進加速度は、UAVに、対応する飛行姿勢を取らせてよい。従って、UAVの最大並進加速度は、最大飛行姿勢によって制限されうる。いくつかの実施形態では、(UAVの鉛直方向の軸に対する)UAVについての最大飛行姿勢角度は、およそ35°、または25°から45°までの範囲内であってよい。飛行姿勢は、UAVのロール及び/又はピッチ角を参照するべく本明細書で用いられうる。
【0042】
次に図面に目を向けると、図1Aは、複数の実施形態に従って、屋外環境100において動作するUAV102を示す。屋外環境100は、都会の、郊外の、もしくは田舎の環境、または少なくとも部分的に建物内ではない任意の他の環境でありうる。UAV102は、地面104に比較的近く(例えば低高度)、または、地面104から比較的遠く(例えば高い高度)で動作されうる。例えば、地面からおよそ10m以下で動作するUAV102は、低高度であると見なされてよく、一方、地面からおよそ10m以上で動作するUAV102は高い高度であると見なされてよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、屋外環境100は、1または複数の障害物108a−dを含む。障害物は、UAV102の移動を遮りうる任意の物体またはエンティティを含みうる。複数の建物、複数の地上車両(例えば複数の車、自動二輪車、トラック、自転車)、複数の人、複数の動物、複数の植物(例えば複数の木、茂み)、および他の人工もしくは自然の構造物などのような、いくつかの障害物は、地面104上に位置されうる(例えば障害物108a、108d)。いくつかの障害物は、地面104、水、複数の人工建造物、または自然の構造物に接触及び/又は支持されてよい。その代わり、いくつかの障害物は、完全に空中106(例えば障害物108b、108c)に配置されてよく、複数の航空機(例えば複数の飛行機、ヘリコプター、熱気球、他のUAV)、または複数の鳥を含む。空中の複数の障害物は、地面104によって、または水によって、または任意の自然もしくは人工建造物によって支持されなくてもよい。地面104上に配置される障害物は、空中106に実質的に延びる複数の部分(例えば、複数のタワー、超高層ビル、灯柱、電波塔、送電線、木などの複数の高い構造物)を含みうる。
【0044】
図1Bは、複数の実施形態に従って、屋内環境150において動作するUAV152を示す。屋内環境150は、床156、1または複数の壁158、及び/又は天井もしくは屋根160を有する建物154の内部にある。例示的な複数の建物は、複数の家、アパートメント、オフィス、製造設備、および保管設備などの住宅の、商業の、または工業の複数の建物を含む。建物154の内部は、UAV152が内部空間に制限されるように、床156、複数の壁158、および天井160によって完全に囲まれうる。逆に、床156、複数の壁158、または天井160のうち少なくとも1つは、欠けていてもよく、これにより、UAV152を、内から外にまたはその逆に飛ばすことが可能である。その代わりまたは組み合わせで、1または複数の開口164が、床156、複数の壁158、または天井160に形成されてよい(例えば、ドア、窓、天窓)。
【0045】
屋外環境100と同様に、屋内環境150は、1または複数の障害物162a―dを含むことができる。家具、複数の電化製品、人、動物、植物、および他の人工または自然の物体などのような、いくつかの障害物は、床156上に位置されうる(例えば障害物162a)。逆に、複数の鳥または他の複数のUAVなどのような、いくつかの障害物は、空中に配置されうる(例えば障害物162b)。屋内環境150におけるいくつかの障害物は、複数の他の構造物または物体によって支持されることができる。複数のライト取り付け具、天井ファン、ビーム、または他の天井に取り付けられる器具もしくは構造物などのような、複数の障害物は、また、天井160に取り付けられうる(例えば障害物162c)。いくつかの実施形態では、複数のライト取り付け具、棚、キャビネット、および他の壁に取り付けられる器具または構造物などのような、複数の障害物は、複数の壁158に取り付けられうる(例えば障害物162d)。とりわけ、建物154の複数の構造コンポーネントは、また、床156、複数の壁158、および天井160を含む、複数の障害物であると見なされる。
【0046】
本明細書で記載した複数の障害物は、実質的に固定されたものであり(例えば、複数の建物、植物、構造物)、または実質的に可動性のものであってよい(例えば、複数の人、動物、車両、または移動可能な他の物体)。いくつかの障害物は、固定されたおよび可動性のコンポーネントの組み合わせを含みうる(例えば風車)。複数の可動性の障害物または障害物コンポーネントは、予め定められたまたは予測できる進路またはパターンに従って動いてよい。例えば、車の移動は、(例えば、道路の形に従って)比較的予測可能なものであってよい。その代わり、いくつかの可動性の障害物または障害物コンポーネントは、ランダムにまたはさもなければ予測できない軌道で動いてよい。例えば、動物などの生き物は、比較的予測できない態様で動きうる。
【0047】
特定の環境内でUAVを動作させることに関連する安全性リスクは、環境内の複数の障害物の量およびタイプに関連しうる。複数の異なるタイプの環境は、複数の障害物の複数の異なる量およびタイプに関連付けられうる。例えば、高い高度の環境は、少数の障害物を含みうるかまたは全く含まなくてよい。逆に、屋内環境または低高度の環境は、より多くの障害物を含みうる。いくつかのタイプの低高度の屋外環境(例えば複数のフィールドおよび他の平らで開けた空間)は、他のタイプ(例えば、都会の環境、および他の人工の多い領域、森)より少ない障害物を含みうる。従って、高い障害物密集度の環境内で動作するUAVは、複数の衝突、ニアミス、または他の安全性事故の増大されたリスクにさらされうる。逆に、低い障害物密集度の環境内でのUAV操作は、比較的安全でありうる。複数の可動性の障害物は、UAVによりとられる任意の動作と独立したUAVと衝突または遮ることがあるため、複数の可動性の障害物は、複数の固定された障害物に比べ、増大されたリスクをもたらしうる。
【0048】
UAVは、1または複数の動作規則に従って、多様な環境内で作動されることができる。いくつかの実施形態では、1または複数の動作規則は、UAVの状態の1または複数の態様について、複数の範囲、制限、および値等を提供しうる(例えば、高度、緯度、経度、ロール、ピッチ、ヨー、並進速度、角速度、並進加速度、角加速度等)。他の例として、1または複数の動作規則は、1または複数のUAV機能(例えば、衝突回避、欠陥検出、複数の安全機構、ナビゲーション、マッピング、データ収集、データ処理等)を実施するためのアルゴリズム、ロジック、および処理等を提供しうる。その代わりまたは組み合わせで、例示的な複数の動作規則は、1または複数の態様のUAV挙動を制御するための(例えば、複数のユーザ命令への反応、検出された複数の障害物への反応、複数のエラーまたは機能不全への反応、自律または半自律的動作等)、複数のアルゴリズム、ロジックおよび処理等を提供しうる。
【0049】
例えば、いくつかの実施形態では、複数の動作規則は、UAVについての1または複数の速度規則を含むことができる。UAVの動作を制御するべく適用されうる例示的な複数の速度規則は、速度制限(例えば、最大または最小速度値)、速度範囲、速度値、または適切なこれらの組み合わせを含みうる。UAVについての複数の速度規則は、UAVの最大速度に関連してよい。例えば、速度制限または速度値は、最大速度のおよそ10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%でありうる。速度範囲は、以下の値:最大速度の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%のうちのいずれか2つの間でありうる。複数の速度規則は、動きの全ての方向(例えば、上/下、左/右、前/後、ロール、ピッチ、ヨー)に適用しうる。その代わり、複数の速度規則は、複数のある方向に沿った移動にのみ適用しうる。さらに、複数の速度規則は、全ての方向について同じであってよく、またはいくつかの方向については異なってよい。例えば、複数の並進移動についての複数の速度規則は、複数の回転運動についての複数の速度規則とは異なってよい。
【0050】
その代わりまたは組み合わせで、UAV飛行姿勢、高度、および加速度等について複数の範囲、制限及び/又は値を提供する複数の規則など、複数の他のタイプの複数の動作規則も用いられることができる。複数の速度規則に関連する本明細書での任意の説明は、また、複数の他のタイプの動作規則に適用されることができ、また逆に適用されないことも可能である。
【0051】
任意に、動作規則のセットは、UAVについての飛行モードに関連付けられてよい。用語"飛行モード"は、本明細書では、UAVを動作させる制御計画を参照するべく用いられうる。複数の様々なタイプの飛行モードが、UAVを制御すべく用いられることができ、各飛行モードは、複数の動作規則の異なるセットを含むことができる。いくつかの実施形態では、飛行モードは、飛行モードによって提供されるユーザ制御の程度(例えば"自由"もしくは"手動"、"完全な自律"、または"半自律"の飛行モード)、飛行モードを用いるための意図された環境タイプ(例えば、"低高度"、"高い高度"、"屋内"、"屋外"、"長い範囲"、または"短い範囲"の飛行モード)、飛行モードの複数の動作規則(例えば、"低速度"、"中間速度"、または"高速度"の飛行モード)、または適切なこれらの組み合わせに基づいて規定されてよい。1または複数の動作規則の決定に関連する本明細書の任意の説明はまた、1または複数の動作規則に関連付けられた飛行モードの決定に適用されることができ、また適用されなくてもよい。各々が各自のセットの動作規則に対応する、1,2,3,4,5,またはそれより多い異なる飛行モードなど、複数の飛行モードの任意の適切な数および組み合わせが、用いられることができる各飛行モードについての適した複数の動作規則は、例えば、前の飛行データの分析、機械学習、複数のテストユーザからのフィードバック等に基づいて、任意の適切な態様で決定されうる。
【0052】
本明細書で記載された複数の動作規則は、UAV操作の様々な態様を向上させるべく用いられることができる。例えば、複数の動作規則のうちの少なくともいつくかは、UAVを用いることに関連する安全性リスクを減少させるように構成されることができる。UAVについての複数の最適な動作規則は、環境内に存在する複数の障害物の量および複数のタイプなどの、複数の現在の環境状態に基づいて異なりうる。従って、複数の適切な方法は、適切なセットの動作規則を決定するように、UAVを囲む環境を評価するべく実施されうる。
【0053】
図2は、複数の実施形態に従って、環境内でUAVを制御するために、複数の動作規則を決定する方法200を示す。方法200は、本明細書で提示された全ての方法と同様に、本明細書で記載された複数のシステムおよび装置を用いて実施されることができる。例えば、方法200の1または複数の段階は、個々にまたは集合的に動作する、1または複数のプロセッサによって実行されることができる。プロセッサのいくつかは、UAVによって搭載されうる(例えばオンボードプロセッサ)。その代わりまたは組み合わせで、プロセッサのいくつかは、遠隔位置からUAVと通信しうる(例えば、リモートコンピューティングシステムまたは装置)。いくつかの実施形態では、リモート装置は、本明細書で更に詳細に記載されるように、1または複数のユーザ入力を受け入れて、他の装置(例えば、UAVもしくはその1部分、ディスプレイユニット、または複数の他の外部装置)の1または複数のコンポーネントを制御する、リモートコントローラでありうる。方法200は、いずれのユーザ入力または手動の介入も必要とすることなく、完全に自動化された態様で実行されることができる。いくつかの実施形態では、方法200の複数の段階は、UAVの動作中にリアルタイムで実行され、これにより、複数のUAV動作規則のリアルタイム文脈ベースの調節を提供する。
【0054】
段階210において、環境のセンサデータは、1または複数のセンサから受信される。環境情報を収集するのに適した任意のセンサが用いられることができ、複数の位置センサ(例えば、複数のグローバルポジショニングシステム(GPS)センサ、位置三角測量を可能にするモバイル装置送信機)、ビジョンセンサ(例えば、カメラなどの、可視、赤外線、または紫外線光の検出が可能なイメージング装置)、近接センサ(例えば、超音波センサ、ライダ、飛行時間カメラ)、慣性センサ(例えば、複数の加速度計、ジャイロスコープ、慣性計測装置(IMU))、高度センサ、圧力センサ(例えば、複数のバロメータ)、音声センサ(例えば、複数のマイク)、またはフィールドセンサ(例えば、複数の磁気計、電磁気センサ)を含む。1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはより多くのセンサなど、任意の適切な数及び組み合わせのセンサが使用されることができる。任意に、データは、異なるタイプ(例えば、2,3,4,5,またはそれより多くのタイプ)の複数のセンサから受信されることができる。異なるタイプの複数のセンサは、異なるタイプの信号または情報(例えば、位置、方向、速度、加速度、近接度、圧力など)を測定してよく、及び/又は、データを取得するための異なるタイプの複数の測定技術を利用してよい。例えば、複数のセンサは、複数の能動的センサ(例えば、それら自身のソースからエネルギーを生成して測定する複数のセンサ)と、複数の受動的センサ(例えば利用できるエネルギーを検出する複数のセンサ)との任意の適切な組み合わせを含んでよい。
【0055】
センサデータは、様々なタイプの環境情報を提供しうる。例えば、センサデータは、屋内環境、屋外環境、低高度の環境、または、高い高度の環境など、環境タイプを示してよい。センサデータはまた、天気(例えば、晴れ、雨、雪)、複数の視界状況、風速、および時刻等を含む、複数の現在の環境状態に関する情報を提供しうる。さらに、複数のセンサによって収集された環境情報は、障害物の数、複数の障害物によって占有された空間の体積または割合、複数の障害物によって占有された、UAVに対するある近接度内の空間の体積または割合、複数の障害物によって妨害されていない空間の体積または割合、複数の障害物によって妨害されていないUAVに対するある近接度内の空間の体積または割合、UAVに対する複数の障害物の近接度、障害物密集度(例えば、単位空間当たりの障害物の数)、複数の障害物の複数のタイプ(例えば、固定されたまたは可動性)、複数の障害物の空間的配置(例えば、位置、方向)、および複数の障害物の動き(例えば、速度、加速度)などの、環境における複数の障害物に関する情報を含みうる。
【0056】
いくつかの実施形態では、センサの少なくともいくつかは、UAVの状態に関するデータを提供するように構成されうる。センサによって提供された状態情報は、UAVの空間的配置(例えば、位置、方向)に関する情報を含むことができる。状態情報は、また、UAVの動き(例えば、並進速度、並進加速度、角速度、角加速度等)に関する情報を含むことができる。センサは、例えば、最大6自由度(例えば、位置及び/又は並進の3自由度、方向及び/又は回転の3自由度)に対する、UAVの空間的配置及び/又は動きを決定するように構成されることができる。状態情報は、グローバル基準フレームに相対的にまたは他のエンティティの基準フレームに相対的に提供されうる。
【0057】
本明細書で記載された複数のセンサは、UAVによって搭載されることができる。センサは、UAVの機体本体の上、下、側面上、またはUAVの機体本体内など、UAVの任意の適した部分に位置されることができる。いくつかのセンサは、UAVの空間的配置及び/又は動きがセンサの空間的配置及び/又は動きに対応するように、UAVに機械的に接続されることができる。センサが、それが取り付けられるUAVの部分に対して動かないように、センサは、堅い接続を介してUAVに接続されることができる。その代わり、センサおよびUAVの間の接続は、UAVに対するセンサの移動を可能にできる。接続は、永久的な接続または非永久的な(例えば取り外し可能な)接続でありうる。適切な複数の接続方法は、接着、ボンディング、溶接、及び/又は、ファスナ(例えば、ねじ、くぎ、ピン等)を含むことができる。任意に、センサは、UAVの1部分と一体に形成されることができる。さらに、本明細書で述べた複数の実施形態などのように、センサは、センサによって収集されたデータがUAVの多様な機能(例えば、ナビゲーション、制御、推進、ユーザまたは他の装置との通信等)のために利用されることを可能にするように、UAVの1部分(例えば、処理ユニット、制御システム、データストレージ)と電気的に接続されることができる。
【0058】
段階220において、環境についての環境複雑性要素は、センサデータに基づいて決定される。複数のセンサが環境情報を収集するべく用いられる複数の実施形態において、センサデータは、複数の適切なセンサ融合方法(例えば、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ、またはこれらの組み合わせ)を用いて組み合わせられることができる。組み合わられたまたは融合されたセンサデータは、その後、環境に存在する任意の複数の障害物を含む、UAVを囲む環境の表示を生成するべく用いられることができる。環境複雑性要素はその後、生成された環境表示に基づいて計算されることができる。本明細書ですでに記載されたように、環境複雑性要素は、環境が複数の障害物によって占有されている程度を表すべく用いられることができる。環境複雑性要素は、量的または質的尺度でありうる。いくつかの実施形態では、環境複雑性要素は、障害物の数、複数の障害物によって占有された空間の体積または割合、複数の障害物によって占有された、UAVに対するある近接度内の空間の体積または割合、複数の障害物によって妨害されていない空間の体積または割合、複数の障害物によって妨害されていないUAVに対するある近接度内の空間の体積または割合、UAVに対する複数の障害物の近接度、障害物密集度(例えば、単位空間当たりの障害物の数)、複数の障害物の複数のタイプ(例えば、固定されたまたは可動性)、複数の障害物の空間的配置(例えば、位置、方向)、および複数の障害物の動き(例えば、速度、加速度)などのうち1または複数に基づいて決定される。例えば、比較的高い障害物密集度を有する環境は、高い環境複雑性要素(例えば、屋内環境、都会環境)に関連づけられてよく、一方、比較的低い障害物密集度を有する環境は、低い環境複雑性要素(例えば、高い高度の環境)に関連づけられてよい。他の例として、空間の大きな割合が複数の障害物によって占有されている環境は、より高い複雑性を有し、一方、大きな割合の妨害されていない空間を有する環境は、より低い複雑性を有しうる。環境の環境複雑性要素を決定する例示的な複数の方法が、以下でより詳細に提供される。
【0059】
段階230において、無人航空機の動作のための1または複数の動作規則は、環境複雑性要素に基づいて決定される。すでに記載したように、動作規則の少なくともいくつかは、複数の環境障害物との複数の衝突の確率を減少させる。従って、複数の比較的に複雑な環境についての複数の動作規則は、そのような環境に関連づけられた複数の異なる障害物密集度に基づいて、複数のより小さい複雑性の環境についての複数の動作規則とは異なりうる。
【0060】
例えば、複数の動作規則は、環境内でのUAVおよび複数の障害物の間の複数の衝突を最小限にする及び/又は防ぐように構成された複数の速度規則を含むことができる。例えば、最大許容速度で移動しているときにさえ、障害物との衝突前に(例えば、自動化されたアンチ衝突機構を用いてまたはユーザによる介入により)UAVが止まるできることを確実にするために、複数の速度規則は、(例えば、並進の最大3自由度および回転の最大3自由度に対する)UAVの速度についての複数の制限を提供しうる。従って、UAVは、より小さい複雑性の環境に比較して、複雑な環境内にあるとき、複数のより低い速度で動くように制限されうる。いくつかの実施形態では、高い複雑性の環境内で動作するとき、UAVは、およそ6m/s以下、または1m/sから6m/sまでの範囲内の速度で動くように制限されうる。逆に、より小さい複雑性の環境内で動作するとき、UAVは、およそ13m/s以下の、または10m/sから15m/sまでの範囲内の速度で動くように制限されうる。任意に、複数の速度規則は、離陸、着陸、および飛行中を含む、UAVの動作の現在のステージに依存して異なりうる。例えば、UAVが最初に離陸しておりかつ比較的少しのセンサデータが利用できる場合、複数の速度規則は、およそ7m/s、または5m/sから10m/sまでの範囲内など、UAVについてのより低い速度制限をセットしうる。いくつかの例においては、最小ブレーキ距離より大きいかまたは等しい、複数の環境障害物からの距離を維持することがUAVにとって望ましくてよい。従って、複数の速度規則は、UAVについての最小ブレーキ距離に基づいて決定されうる。最小ブレーキ距離は、関係式に従って、速度によって異なりうる。
=2as
ここで、vは、速度を表し、aは、最大加速度(例えば、6.8m/s)を表し、sは、UAVを停止させる(決まった場所にホバリングさせる)ための最小ブレーキ距離を表す。例えば、UAVが7m/sの並進速度で移動しているとき、対応する最小ブレーキ距離は、およそ3mから4mまでであってよく、UAVが停止するのにおよそ2sから3sかかりうる。
【0061】
任意に、動作規則はまた、推進システムのパワー出力、ブレーキ性能、センサ信頼性および精度、寸法(例えば、長さ、幅、高さ、体積)、および重量などの、UAVまたはその複数のコンポーネントの1または複数の特性に基づいて決定されてよい。例えば、より大きな、より重いUAVは、より小さくより軽いUAVよりも危害を提供しうるため、複数の衝突、不時着、および他のアクシデントを防ぐべく、より厳重な動作規則に支配されうる。さらに、動作規則はまた、UAV操縦のユーザ経験の質の検討に基づいて決定されることができる。動作規則は、UAVの手動制御に不必要なまたは過度の制約を課すことを回避するように構成されうる。例えば、ユーザが、本明細書で記載された安全基準も満たす最大速度制限及び/又は範囲でUAVを動作させることを可能にすることが望ましくてよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、特定の環境に適した複数の動作規則は、すでに得られている飛行データに基づいて決定されることができる。飛行データは、UAVのまたは(例えば、同じもしくは同様のモデルまたはタイプの、または異なるモデルまたはタイプの)他の複数のUAVの前の飛行の間に収集されることができ、UAV状態(例えば、位置、方向、速度、加速度、飛行姿勢、高度、センサデータ、センサノイズ、または適切なこれらの組み合わせ)に関する情報を、本明細書ですでに記載したような環境情報及び/又は障害物情報と同様に含むことができる。飛行データは、複数の動作規則の決定を知らせる複数の分析結果を提供するために、機械学習技術を用いて分析されることができる。例えば、機械学習アルゴリズムまたはモデルは、様々なタイプの環境状態および状況についての複数の最適な動作規則を識別するために、すでに得られた飛行データでトレーニングされることができる。その代わりまたは組み合わせで、複数のビッグデータ処理技術が、収集された飛行データを分析するために用いられることができる。データ分析及び/又は機械学習は、適したコンピューティングシステムを用いてUAVの動作に先立って実行されることができ、複数の結果は、複数の動作規則を決定するのに利用するために、(例えば、UAVに格納される)UAVプロセッサ(複数可)にとってアクセス可能であるものとされることができる。
【0063】
段階240において、UAVは、1または複数の動作規則に従いながら動作させられる。複数の動作規則は、UAVが手動で、半自律的に、または完全に自律的に制御される場合に適用しうる。例えば、UAVは、UAVについての所望の移動(例えば、所望の並進、回転、速度、及び/又は加速度)を示す信号(例えば、ユーザからの入力命令、自動化された制御システムからの制御命令)を受信しうる。UAVの1または複数のオンボードプロセッサ(または、本明細書で提供された、任意の他の適切なシステムもしくは装置)は、UAVが複数の動作規則に従いながら、受信された信号により指示されたように動くことができるかを決定できる。できる場合、プロセッサは、UAVに移動を実行させるために、UAV推進システムに送信される複数の制御命令を生成できる。できない場合、プロセッサは、結果の移動が複数の動作規則に従うように信号を変更でき、対応する複数の指示を推進システムに提供できる。例えば、ユーザがUAVに決定された速度制限を超える速度で動くように指示する場合、プロセッサは、代わりに、UAVを、速度制限によって特定された最大速度以下の速度で動かすことができる。そのような状況において、UAVは、ユーザにより提供された入力によらず最大速度を超えなくてよい。さらに、前に本明細書で記載されたセンサのうち1または複数は、UAVの現在の状態(例えば、位置、方向、速度、加速度)を測定するように、かつ、複数の動作規則が継続的に従われることを確実にするためにUAV制御システムにフィードバックを提供するように用いられることができる。フィルタリング、(例えば、カルマンフィルタを用いる)センサ融合、および時間平均などの、多様な技術が、UAV制御の安定性を向上させるようにセンサ測定のノイズを減少させるべく適用されることができる。
【0064】
複数の上記段階は、複数の実施形態に従ってUAVを制御する方法200を示すが、当業者は、本明細書に記載の複数の教示に基づいて多くの変更を認識するであろう。複数の段階のいくつかは、サブステップを有しうる。いくつかの実施形態では、段階230において複数の動作規則が環境複雑性要素を考慮することなくセンサデータに基づいて決定されるように、段階220は任意である。段階の多くは、有利であれば繰り返されうる。例えば、段階210、220、230および240は、複数の動作規則の動的で適用性のある決定を提供するように、UAVの動作中に、継続的にまたは予め定められた時間間隔で繰り返されることができる。従って、方法200は、決定された環境複雑性要素の変化によって示されるような、環境の障害物含有量(例えば、障害物密集度)の変化を検出するように用いられることができる。複数の動作規則は、後に、環境複雑性要素の変化を反映するように変更されることができ、これにより、現在の環境状況に基づいてUAV制御計画を動的に適応させる。例えば、(環境複雑性要素の減少からも明らかなように)障害物密集度の減少が検出される場合、速度制限が増大されうる。逆に、(環境複雑性の増大に対応する)障害物密集度の増大が検出される場合、速度制限が減少されうる。
【0065】
図3は、複数の実施形態に従って、UAVを制御する方法300を示す。方法300の複数の段階は、本明細書で提供された他の複数の方法の複数の段階のいずれかと組み合わせられまたはいずれかの代わりにされることができる。さらに、方法300の任意の段階は、所望であれば、繰り返され、省略され、または他の複数の段階と組み合わせられることができる。方法200と同様に、方法300の1または複数の段階は、UAVの動作の間にリアルタイムで実行されることができる。
【0066】
段階310において、環境のセンサデータは、1または複数のセンサから受信される。方法200の段階210と同様に、1または複数のセンサは、複数の異なるタイプのセンサであってよい。例えば、UAVは、1または複数のビジョンセンサ(例えば、2つ一組のカメラを含む立体視センサ)および1または複数の近接センサ(例えば、ライダセンサ、超音波センサ、飛行時間カメラ)を運びうる。複数のビジョンセンサおよび近接センサは、環境内の複数の障害物の幾何学的配置、密集度、および空間的配置に関するデータなどの、UAVを囲む環境のデータを取得するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、UAV周りの360°視野に及び、UAVから40m半径範囲内に位置する複数の障害物に関する情報を提供しうる。
【0067】
段階320において、センサデータは前処理される。前処理は、センサエラーを修正するように、信号ノイズ比を改善するように、及び/又はセンサデータの質および信頼性を高めるように実行されうる。フィルタリング、および時間平均などの、任意の適したデータ前処理技術が用いられることができる。例えば、画像データについては、ヒストグラムイコライゼーションなどの複数の画像処理方法が、画像データ品質を向上すべく用いられることができる。任意に、複数の余分なセンサからのデータは、いずれか1つのセンサからのノイズまたはエラーの効果を減少させるために組み合わせられることができる。
【0068】
段階330において、環境の3次元(3D)デジタル復元が前処理されたセンサデータに基づいて生成される。複数のセンサが環境情報を取得するべく用いられる複数の実施形態において、3D復元は、複数の適切なセンサ融合方法(例えば、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ等)を用いて各センサからのデータを結合することにより生成されることができる。センサデータは、3Dフォーマットですでに提供されてよく、またはさもなければ3D環境情報を含みうる。例えば、ライダセンサまたは超音波センサなどの近接センサは、3Dポイントクラウドの形式の環境データを生成しうる。その代わり、複数の他のタイプのセンサデータは、3D表示を生成するために追加の処理を必要としうる。例えば、立体視センサは、各々が画像データの各自のセットを取得するように用いられる、2つ一組のカメラを含みうる。各カメラによって取得された画像データは、画像の環境を表す3Dモデルを生成するために適切なコンピュータビジョンアルゴリズムを用いて分析されることができる。いくつかの実施形態では、両方のカメラからの画像データは、2つ一組の画像の各々の間の視差を決定し、これにより複数の環境障害物の深さ情報を含む視差マップを生成するために、比較されることができる。
【0069】
図4は、複数の実施形態に従って、環境のセンサデータから生成された例示的な視差マップ400を示す。視差マップ400において、色が薄い複数の領域は、複数のカメラに比較的近い複数の物体を表し、暗い色の複数の領域は、カメラから比較的遠い複数の物体を表す。視差マップは、上記のような2つ一組のカメラからの画像データに基づいて生成されうる。例えば、環境における物体の表面上の点Pの3D座標(x、y、z)は、以下の式を解くことにより決定されることができる。
=(u−u)×b/dy=(v−v)×b/dz=f×b/d
ここで、u,vは、画像データのPの座標を表し、u、vは、複数のカメラの内部パラメータを表し、fは、焦点距離であり、bは、複数のカメラの間の距離であり、dは、対の画像データ間の視差である。
【0070】
その代わりまたは組み合わせで、複数の他のタイプの3Dデジタル復元が、また用いられることができる。例えば、占有グリッドは、環境内の複数の障害物の空間的配置を表すために用いられることができる。環境は、3次元グリッドとして表され、(例えば、不十分または信頼できないセンサデータであるため)各位置は複数の障害物によって占有され、占有されておらず、または未知であるのいずれかである。いくつかの実施形態では、占有グリッドは、ビジョンセンサおよび近接センサからのデータを結合することに基づいて生成されることができる。占有グリッドは、その後、環境複雑性要素を決定すべく用いられることができる多様なメトリック(例えば、占有された合計の体積、占有されていない合計の体積、占有されていない空間に対する占有された空間の比)を決定するために分析されることができる。
【0071】
段階340において、環境複雑性要素は、3D復元に基づいて決定される。任意の適切な技術は、環境複雑性要素を決定するために用いられることができる。例えば、いくつかの実施形態では、3D復元は、環境内の各位置での障害物の数など、多様な障害物関連統計を算出するべく用いられる。算出された複数の統計は、その後、環境複雑性に関連しうる(例えば、高エントロピーは、高い環境複雑性要素に対応し、低エントロピーは、低い環境複雑性要素に対応する)環境の全体のエントロピーを決定するために分析されることができる。コンピュータビジョンおよび画像認識方法など、多様なアプローチが、3D環境復元及び/又はセンサデータにおける複数の障害物の識別のために用いられることができる。例えば、特徴抽出アルゴリズムは、障害物を示す複数の特徴(例えば、画像データにおける方向付けられたグラデーション特徴のヒストグラム(HOG)、3Dポイントクラウドデータにおける表面法線特徴)を検出するために実行されることができる。複数の分類アルゴリズムは、環境復元における複数の障害物と非障害物とを区別するように用いられることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で記載した複数の環境複雑性分析技術は、適切にトレーニングされた複数の機械学習アルゴリズムおよびモデルを用いて、特徴抽出及び/又は障害物検出及び分類を実行する。
【0072】
図5は、複数の実施形態に従って、環境における障害物密集度を示すヒストグラム500を示す。ヒストグラム500は、復元における各位置での障害物の数を決定することによって、3Dポイントクラウド、3D視差マップ(例えば、図4のマップ400)、または3D占有グリッドなどの3D環境復元に基づいて生成されることができる。図5の図示において、ヒストグラム500は、UAVからの距離に対する障害物頻度のグラフィック表示を提供する。ヒストグラム分布は、環境内の複数の障害物の空間的配置および分布に基づいて異なりうる。例えば、比較的高い障害物密集度がUAVの近くにある状況では、障害物頻度は、長い距離のビンに比較して、近い距離のヒストグラムビンについてより高い。逆に、複数の障害物の大半がUAVから比較的遠い場合、障害物頻度は、長い距離のビンと比較して近い距離のビンについてより低い。さらに、低い障害物密集度の環境において、ヒストグラム500は、比較的均一な分布(例えば、低エントロピー)を有してよく、一方、高い障害物密集度は、不均一な分布(例えば高エントロピー)を有するヒストグラム500をもたらしうる。ヒストグラム500の複数の特性および統計(例えば、分布パターン、平均、中央値、最頻値、エントロピー)は、環境複雑性要素を決定するために用いられうる。
【0073】
段階350において、1または複数の動作規則が、環境複雑性要素に基づいて決定される。動作規則は、本明細書ですでに記載したように、複数の障害物との複数の衝突の可能性を最小限にするために所定の複雑性要素を有する環境の多様なUAV動作パラメータについて、適切な制限、範囲、及び/又は値を提供するために選択されることができる。さらに、複数の適切なノイズ低減方法が、センサノイズまたはエラーによって起こされる制御計画の望ましくない変動を回避するために、動作規則の決定の間に適用されることができる。いくつかの例においては、逐次時点で決定された複数の動作規則は、例えば、ノイズのあるセンサデータまたはセンサ精度の限界によって、実質的に異なりうる。この不安定さに対向するために、現在の時点の間に決定された動作規則は、1または複数の前の時点の間に決定された1または複数の動作規則と比較されることができる。現在及び前に決定された動作規則は、UAVの動作を制御するために適用される動作規則の最後のセットを生成するために、組み合わせられる(例えば、平均される)ことができる。その代わりまたは組み合わせで、複数の適切なフィルタリング方法が、動作規則決定の"ノイジネス"を減少するべく適用されることができる。
【0074】
図6は、複数の実施形態に従って、速度規則を決定するための先入れ先出し(FIFO)キュー600を示す。FIFOキュー600は、UAV速度制御計画の安定性を改善するために、UAVの動作の間の多様な時点で決定された複数の速度規則を組み合わせるべく用いられることができる。FIFOキュー600は、速度規則に関連して提示されるが、キュー600は、本明細書ですでに記載した複数の実施形態などのような、他のタイプの動作規則の決定に適用されることができる。
【0075】
キュー600は、各々が現在の時点tに先立って対応する時点で決定された、すでに決定した複数の速度規則602a−fを含む。キュー600は、1,2,3,4,5,6,またはそれより多いすでに決定した速度規則など、任意の数のすでに決定した速度規則602a―fを格納できる。すでに決定した速度規則602a―fは、各々、本明細書で記載した複数の方法のいずれかを用いて生成されることができ、キュー600に順次追加されることができる。例えば、速度規則602bは、時間t−2にキュー600に追加されたものであってよい。後に、複数の速度規則602aは、点t−1にキュー600に追加されたものであってよい。現在の時点tで、直近の複数の速度規則604は、現在の時点tで、本明細書で記載されたように決定されることができ、キュー600に追加されることができる。直近の複数の速度規則604が追加されるため、最も古いセットの速度規則602fは、キュー600から除かれることができる。この処理は、直近に決定された複数の速度規則を格納すべくキュー600が継続的に更新されるように、UAVの動作の間に繰り返されることができる。各時点の間の間隔は、一定とすることができ、または異なってもよい。例えば、キュー600は、新たに決定された複数の速度規則を追加し、最も古い複数の速度規則を除くべく、およそ0.1s毎に更新されることができる。
【0076】
キュー600に格納された速度規則は、UAVを制御する最後の速度規則を決定するために、任意の適切な態様で組み合わせられることができる。いくつかの実施形態では、最後の速度規則は、格納された複数の速度規則の加重平均から決定される。加重平均は、より大きな重みをより最近決定された複数の速度規則に割り当て、より小さな重みをより古い複数の速度規則に割り当てうる。例えば、以下の等式が、最後の速度制限Vを決定するために適用されうる。
=0.1Vt−4+0.15Vt−3+0.2Vt−2+0.25Vt−1+0.3V
ここで、Vt−4、Vt−3、Vt−2、Vt−1およびVは、時間t−4、t−3、t−2、t−1、およびtでそれぞれ決定された速度制限である。
【0077】
段階360において、UAVの追加の複数の動作規則が決定される。追加の複数の動作規則は、環境複雑性要素と独立して決定されてよく、そのため、段階350において決定された複数の規則とは異なりうる。追加の複数の動作規則は、本明細書で提示された複数の動作規則の任意の実施形態を含むことができる。いくつかの実施形態では、追加の規則は、平滑で安定したUAV飛行を確実にするように構成されることができる。すでに述べられたように、UAV飛行姿勢は、特定の速度に加速または減速するときにUAVがある飛行姿勢をとるように、UAV加速度に関係しうる。しかしながら、複数の極端な飛行姿勢及び/又は突然の飛行姿勢の複数の変化は、飛行安定性、電力消費、およびあるUAV適用例(例えば、UAVによって搭載されるカメラを用いる航空写真)にとって望ましくなくてよい。むしろ、UAVが、より適度なUAV飛行姿勢をもたらす増加性のまたは段階的な加速度によって所望の速度を達成することが好ましくてよい。従って、UAV動作のための飛行姿勢制限及び/又は範囲などの複数の適切な飛行姿勢規則は、平滑で安定したUAV移動を確実にするために決定されることができる。複数の飛行姿勢規則は、UAV飛行姿勢制御計画を最適化するために必要に応じて変動されることができる。飛行姿勢制限は、UAVの鉛直方向の軸に対して、およそ35°より小さいまたは等しくてよい。飛行姿勢範囲は、鉛直方向の軸から25°から45°の範囲内でありうる。同様に、加速度制限及び/又は範囲などの適切な複数の加速度規則は、対応する飛行姿勢制限及び/又は範囲に関係しうる、平滑なUAV飛行を提供するように決定されることができる。その代わりまたは組み合わせて、複数の適切なUAV飛行姿勢(又は加速度)値は、複数の突然の飛行姿勢変化(または複数の加速度変化)を減少させるまたは除くべく複数のローパスフィルタ及び/又は複数の他の平滑アルゴリズムを用いることによって決定されることができる。他の例として、本明細書で記載された複数のシステムおよび装置は、UAVについての高度範囲などの適した高度規則を決定できる。複数の高い高度で動作するUAVは、複数の低高度で動作するUAVより高い複数の速度で動くことが可能とされうる。
【0078】
段階370において、UAVは、1または複数の動作規則および複数の他の制御規則に従いながら、(例えば、本明細書で記載された、1または複数のプロセッサ、または任意の他のシステムもしくは装置によって)動作させられる。方法200の段階240と同様に、UAVは、所望の移動を示す信号を受信してよく、動作規則及び/又は制御規則が認められることを確実にするべく必要に応じて所望の移動を調整しうる。さらに、リアルタイムセンサ測定は、UAV状態をモニタリングし、UAVが複数の動作規則及び/又は複数の他の制御規則に従い続けることを確実にするべくフィードバックを提供するために用いられることができる。
【0079】
本明細書のいくつかの実施形態は、複数のUAV動作規則の完全に自動化された文脈ベースの決定のための複数のアプローチを提示してよいが、他の複数の実施形態は、UAV制御計画のユーザ嗜好を示すユーザ入力を受信する複数の機構を提供しうる。例えば、UAVを操作するユーザは、現在の飛行環境および障害物密集度に関する彼ら自身の判断に基づいて、UAVを動作させる所望の動作規則のセットを決定しうる。従って、本明細書の複数の実施形態は、適切なセットの動作規則を決定するときに、環境複雑性要素などの複数の環境考慮事項に加えて、ユーザ入力を利用しうる。
【0080】
図7は、複数の実施形態に従って、UAVを制御する方法700を示す。方法700の複数の段階は、本明細書で提供された他の複数の方法の複数の段階のいずれかと組み合わせられまたはいずれかの代わりにされることができる。さらに、方法700の任意の段階は、所望であれば、繰り返され、省略され、または他の複数の段階と組み合わせられることができる。方法700の1または複数の段階は、UAVの動作の間にリアルタイムで実行されることができる。
【0081】
段階710において、UAVについての動作規則の第1のセットは、本明細書で提示された複数の技術のいずれかを用いて、センサデータに基づいて決定される。
【0082】
段階720において、UAVについての動作規則の第2のセットを示すユーザ入力が受信される。ユーザは、UAVについての動作規則の第2のセットを規定または選択する入力データを提供しうる。任意に、本明細書ですでに記載したように、複数の動作規則を直接入力するよりむしろ、ユーザは、動作規則のセットに関連付けられた好ましい飛行モードを示してよい。例えば、ユーザは、低速度飛行モード、中間速度飛行モード、または高速度飛行モードを選択することができうる。同様に、屋内および屋外の飛行モードは、また、複数の別箇の動作規則に関連づけられてよい。複数の動作規則及び/又は飛行モードを選択する複数のユーザ入力は、UAVと通信する、適切なリモートコントローラ(本明細書では"端末"とも称される)、モバイル装置、または他の入力デバイスを介して、UAVに提供されてよい。従って、所望の場合は、ユーザは、好ましい制御計画を示すUAVへの複数の命令を送信できる。
【0083】
図8は、複数の実施形態に従って、UAVを制御するリモートコントローラ800を示す。リモートコントローラ800は、ユーザによって保持できるサイズのコントローラ本体802を含むことができる。1または複数のジョイスティック804は、本体802に取り付けられることができ、UAVの空間的配置を制御する入力メカニズムとして用いられることができる。本体802はまた、1または複数のスイッチ806、ノブ808、及び/又はスライドスイッチ810などの、他のタイプの入力メカニズムを含むことができる。任意に、コントローラ800の傾斜及び/又は姿勢等を検出すべく、複数のボタン、ダイアル、タッチスクリーン、キーパッド、音声制御、ジェスチャ制御、慣性センサなどの、複数の代替の入力メカニズムがまた用いられることができる。複数の入力メカニズムは、手動でユーザによって1または複数の位置にセットされることができ、各位置は、UAVを制御するための予め定められた入力に対応する。例えば、ノブ808は、(例えば、複数の矢印で示されたような反時計回り方向に沿って)各々が異なる各自の入力値を表す複数の停止まで回されることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、複数の入力メカニズムは、ユーザの好ましい複数の動作規則及び/又は飛行モードを入力すべく、ユーザによって操作されることができる。例えば、ノブ808の各停止は、動作規則のセットに関連づけられた飛行モードに対応しうる。ユーザは、UAVを動作させる所望の飛行モードを示すために、適した停止までノブ808を回すことができる。同様に、ユーザは、飛行モードを選択するために、スイッチ806及び/又は810などの他の入力メカニズムを用いてよい。さらにまたは組み合わせて、ユーザ入力は、リモートコントローラ800のほかにも、複数の他のタイプの装置を用いて提供されることができる。例えば、UAVは、UAVの制御命令を生成できる、適切なモバイルアプリケーションソフトウェア("アプリ")を動作させるモバイル装置(例えばスマートフォン)と通信してよい。アプリは、所望の複数の動作規則を示すユーザからの複数の入力を取得するように構成されてよい。上記で記載したように、ユーザは、複数の動作規則を直接入力してよく、または動作規則のセットに関連付けられた飛行モードを選択してよい。
【0085】
段階730において、動作規則の第1または第2のセットの一方が選択されて、UAVを制御するべく利用される。環境複雑性要素が動作規則の第1のセットを提案し、ユーザ入力が動作規則の第2の異なるセットを示す複数の状況において、複数の適切なアプローチが、UAVを制御するのに利用するための2つのセットのうちの一方を選択するべく適用されることができる。例えば、本明細書のいくつかの実施形態は、"最も安全な"セット(例えば、複数の障害物との複数の衝突をもたらす可能性が最も少ないセット)を優先的に選択しうる。ユーザが第1の速度制限uを特定し、決定された環境複雑性要素が第2の速度制限uに対応する場合、用いられる実際の速度制限uは、2つの速度制限のより小さな方を選択することによって決定されうる(例えばu=min(u、u))。
【0086】
段階740において、本明細書ですでに記載されたように、UAVは、動作規則の第1または第2のセットのうちの選択された一方に従いながら動作させられる。
【0087】
本明細書中に記載される複数のシステム、装置、および方法は、多種多様な可動物体に対して適用されることができる。すでに述べたような、航空機についての本明細書のいずれかの説明は、任意の可動物体に対して適用し、用いられうる。本願発明の可動物体は、空中(例えば、固定翼航空機、回転翼航空機、または固定翼も回転翼も有さない航空機)、水中(例えば、船または潜水艦)、または地面(例えば、車、トラック、バス、バン、自動二輪車などの自動車;スティック、釣竿などの可動構造物もしくはフレーム、または、電車)、地面の下(例えば、地下鉄)、宇宙空間(例えば、宇宙飛行機、衛星、又は宇宙探査ロケット)、またはこれらの環境の任意の組み合わせなどの、任意の適切な環境内で動くように構成されることができる。可動物体は、本明細書中の他の箇所にて記載される機体などの、機体であることができる。いくつかの実施形態において、可動物体は、人間または動物などの生き物に取り付けられることができる。複数の適切な動物には、アビネス(avines)、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ドルフィン(delphine)、齧歯動物または昆虫が含まれうる。
【0088】
可動物体は、6自由度(例えば、並進の3自由度および回転の3自由度)に関して、環境内で自由に移動することが可能であってよい。その代わりに、可動物体の移動は、予め定められた進路、行路、または方向などによって1または複数の自由度に対して制限されることができる。移動は、エンジンまたはモータなどの任意の適切な駆動機構によって作動されることができる。可動物体の駆動機構は、電気エネルギー、磁気エネルギー、太陽エネルギー、風カエネルギー、重力エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、または、任意の適切なこれらの組み合わせなど、任意の適切なエネルギー源によって電力を供給されることができる。可動物体は、本明細書中の他の箇所に記載されるように、推進システムを介して自己推進されてよい。推進システムは、任意に、電気エネルギー、磁気エネルギー、太陽エネルギー、風カエネルギー、重力エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、または、任意の適切なこれらの組み合わせなどの、エネルギー源で動いてよい。その代わりに、可動物体は生き物により搭載されてよい。
【0089】
いくつかの例においては、可動物体は機体であることができる。複数の適切な機体は、複数の船舶、航空機、宇宙飛行体、または地上車両を含みうる。例えば航空機は、固定翼航空機(例えば飛行機、グライダー)、回転翼航空機(例えばヘリコプター、回転翼機)、固定翼と回転翼の両者を有する航空機、または、どちらも有さない航空機(例えば飛行船、熱気球)であってよい。機体は、空中、水上、水中、宇宙空間、地上、又は地下で自己推進されるなど、自己推進されることができる。自己推進機体は、1または複数のエンジン、モータ、車輪、車軸、磁石、ローター、プロペラ、翼、ノズル、またはそれらの任意の適切な組み合わせなど、推進システムを利用できる。いくつかの例においては、可動物体が表面から離陸する、表面に着陸する、その現在の位置及び/又は方向を維持する(例えばホバリング)、方向を変更する、及び/又は位置を変更することを可能にするために、推進システムが使用されうる。
【0090】
可動物体は、ユーザによって遠隔で制御されることができ、あるいは、可動物体内または可動物体上の搭乗者によってその場で制御されることができる。いくつかの実施形態において可動物体は、UAVなどの無人可動物体である。UAVなどの無人可動物体は、可動物体に乗った搭乗者を有さなくてよい。可動物体は、人間により、または自律的制御システム(例えばコンピュータ制御システム)により、または任意の適切なこれらの組み合わせにより制御されることができる。可動物体は、人工知能を有して構成されたロボットなど、自律的または半自律的ロボットであることができる。
【0091】
可動物体は、任意の適切なサイズ及び/又は寸法を有することができる。いくつかの実施形態において、可動物体は、機体の中または上に人間の搭乗者を有するためのサイズ及び/又は寸法のものであってよい。その代わりに、可動物体は、機体の中または上に人間の搭乗者を有することが可能なよりも小さいサイズ及び/又は寸法のものであってよい。可動物体は、人間によって持ち上げられる、または搭載されるのに適したサイズ及び/又は寸法であってよい。その代わり、可動物体は、人間によって持ち上げられる、または搭載されるのに適したサイズ及び/又は寸法よりも大きくてよい。いくつかの例においては、可動物体は、およそ、2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10m未満かこれらに等しい最大寸法(例えば長さ、幅、高さ、直径、対角線)を有してよい。最大寸法は、およそ、2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10mよりも大きいかこれらに等しくてよい。例えば、可動物体の複数の対向するローターの複数のシャフト間の距離は、およそ、2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10m未満かこれらに等しくてよい。その代わりに、複数の対向するローターの複数のシャフトの間の距離は、およそ、2cm,5cm,10cm,50cm,1m,2m,5mまたは10mと等しいか、これよりも大きくてよい。
【0092】
いくつかの実施形態において可動物体は、100cm×100cm×100cmよりも小さな、50cm×50cm×30cmよりも小さな、または5cm×5cm×3cmよりも小さな体積を有してよい。可動物体の総体積は、およそ、1cm3、2cm3、5cm3、10cm3、20cm3、30cm3、40cm3、50cm3、60cm3、70cm3、80cm3、90cm3、100cm3、150cm3、200cm3、300cm3、500cm3、750cm3、1000cm3、5000cm、10,000cm、100,000cm、1m、または10m未満かこれらに等しくてよい。逆に、可動物体の総体積は、およそ、1cm、2cm、5cm、10cm、20cm、30cm、40cm、50cm、60cm、70cm、80cm、90cm、100cm、150cm、200cm、300cm、500cm、750cm、1000cm、5000cm、10,000cm、100,000cm、1m、または10mよりも大きいかこれらに等しくてよい。
【0093】
いくつかの実施形態において可動物体は、およそ、32,000cm、20,000cm、10,000cm、1,000cm、500cm、100cm、50cm、10cm、または5cmよりも小さいかこれらに等しい設置面積(可動物体によって覆われる横方向の断面積のことを指してよい)を有してよい。逆に、設置面積は、およそ、32,000cm、20,000cm、10,000cm、1,000cm、500cm、100cm、50cm、10cm、または5cmよりも大きいかこれらに等しくてよい。
【0094】
いくつかの例においては、可動物体は1000kgよりも軽くてよい。可動物体の重量は、およそ、1000kg、750kg、500kg、200kg、150kg、100kg、80kg、70kg、60kg、50kg、45kg、40kg、35kg、30kg、25kg、20kg、15kg、12kg、10kg、9kg、8kg、7kg、6kg、5kg、4kg、3kg、2kg、1kg、0.5kg、0.1kg、0.05kg、または0.01kgよりも軽いかこれらに等しくてよい。逆に、重量は、およそ、1000kg、750kg、500kg、200kg、150kg、100kg、80kg、70kg、60kg、50kg、45kg、40kg、35kg、30kg、25kg、20kg、15kg、12kg、10kg、9kg、8kg、7kg、6kg、5kg、4kg、3kg、2kg、1kg、0.5kg、0.1kg、0.05kg、または0.01kgよりも重いかこれらに等しくてよい。
【0095】
いくつかの実施形態において可動物体は、可動物体によって搭載される荷物に対して小さくてよい。荷物は、以下でさらに詳細に記載されるように、積載物及び/又は支持機構を含んでよい。いくつかの例においては、荷物の重量に対する可動物体の重量の比は、約1:1よりも大きくても、これよりも小さくても、あるいは、これに等しくてもよい。いくつかの例においては、荷物の重量に対する可動物体の重量の比は、約1:1よりも大きくても、これよりも小さくても、あるいは、これに等しくてもよい。任意に、荷物の重量に対する支持機構の重量の比は、約1:1よりも大きくても、これよりも小さくても、あるいは、これに等しくてもよい。所望であれば、荷物の重量に対する可動物体の重量の比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、あるいはもっと小さい比よりも小さいか、これらに等しくてよい。逆に荷物の重量に対する可動物体の重量の比は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、あるいはもっと大きい比よりも大きいか、これらに等しくすることもできる。
【0096】
いくつかの実施形態において可動物体は、低いエネルギー消費量を有してよい。例えば可動物体は、およそ、5W/h、4W/h、3W/h、2W/h、1W/h、またはもっと小さい値未満を使用してよい。いくつかの例においては、可動物体の支持機構は、低いエネルギー消費量を有してよい。例えば支持機構は、およそ、5W/h、4W/h、3W/h、2W/h、1W/h、あるいはもっと小さい値未満を使用してよい。任意に、可動物体の積載物は、およそ、5W/h、4W/h、3W/h、2W/h、1W/h、あるいはもっと小さい数値よりも小さいような、低いエネルギー消費量を有してよい。
【0097】
図9は、本願発明の複数の実施形態に従った、UAV900を示す。UAVは、本明細書中に記載される可動物体の例であってよい。UAV900は、4つのローター902、904、906および908を有する推進システムを含むことができる。任意の数のローター(例えば、1、2、3、4、5、6、または、それより多い)が備えられてよい。複数のローターは、本明細書の他の箇所で記載した複数のセルフタイトニングローターの複数の実施形態であることができる。無人航空機の複数のローター、複数のローターアセンブリ、または、その他複数の推進システムは、無人航空機がホバリングすること/位置を維持すること、方向を変更すること、及び/又は、位置を変更することを可能にしてよい。複数の対向するローターの複数のシャフト間の距離は、任意の適切な長さ910であることができる。例えば、この長さ910は、2mよりも短いかこれに等しいものであることができる。あるいは、5mよりも短いかこれに等しいものであることができる。いくつかの実施形態において長さ910は、40cmから1m、10cmから2m、または、5cmから5mまでの範囲内であることができる。UAVに関する本明細書中の任意の説明は、異なるタイプの可動物体などの可動物体に対して適用してよく、あるいはその逆であってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において可動物体は、荷物を運ぶように構成されることができる。荷物には、乗客、貨物、設備、および機器等のうち1または複数を含むことができる。荷物は筐体内に提供されることができる。筐体は、可動物体の筐体とは別個のものであってよく、あるいは、可動物体用の筐体の一部であってよい。その代わりに、可動物体が筐体を有しない一方で、荷物に筐体が備えられてよい。その代わり、荷物の一部または荷物全体が、筐体無しで提供されることができる。荷物は、可動物体に対して固く固定されることができる。任意に、荷物は可動物体に対して可動であることができる(例えば、可動物体に対して並進または回転できる)。
【0099】
いくつかの実施形態では、荷物は、積載物を含む。積載物は、いずれの動作または機能も実行しないように構成されることができる。その代わりに、積載物は、機能的な積載物としても知られる、動作または機能を実行するように構成された積載物でありうる。例えば、積載物は、1または複数のターゲットを測量する1または複数のセンサを含むことができる。画像撮像装置(例えばカメラ)、音声キャプチャ装置(例えば、パラボラマイク)、赤外線イメージング装置、紫外線イメージング装置などの、任意の適切なセンサは、積載物に組み込まれることができる。センサは、静的センシングデータ(例えば、写真)または動的センシングデータ(例えば、ビデオ)を提供できる。いくつかの実施形態では、センサは、積載物のターゲットのためのセンシングデータを提供する。その代わりまたは組み合わせて、積載物は、1または複数のターゲットに信号を提供する1または複数のエミッタを含むことができる。照明源または音源など、任意の適切なエミッタが用いられることができる。いくつかの実施形態では、積載物は、可動物体から遠隔のモジュールと通信するなどのための、1または複数の送受信機を含む。任意に、積載物は、環境またはターゲットと相互作用するように構成されることができる。例えば、積載物は、ロボットアームなどの、複数の物体を操作可能な道具、機器、または機構を含むことができる。
【0100】
任意に、荷物は、支持機構を含みうる。支持機構は、積載物に提供されることができ、積載物は、直接(例えば、可動物体に直接接触する)または間接的(例えば、可動物体に接触しない)のいずれかで、支持機構を介して可動物体に接続されることができる。逆に、積載物は、支持機構を必要とすることなく、可動物体に取り付けられることができる。積載物は、支持機構に一体に形成されることができる。その代わり、積載物は、支持機構に着脱可能に接続されることができる。いくつかの実施形態では、上記で記載されたように、積載物は、1または複数の積載物要素を含むことができ、積載物要素のうち1または複数は、可動物体及び/又は支持機構に対して可動であることができる。
【0101】
支持機構は、可動物体と一体に形成されることができる。その代わり、支持機構は、可動物体に着脱可能に接続されることができる。支持機構は、直接または間接的に、可動物体に接続されることができる。支持機構は、積載物を支持することができる(例えば、積載物の重量の少なくとも一部を運ぶ)。支持機構は、積載物の移動を固定させる及び/又は方向づけることが可能な適切な取り付け構造(例えば、ジンバルプラットフォーム)を含むことができる。いくつかの実施形態では、支持機構は、可動物体に対して、積載物の状態(例えば、位置及び/又は方向)を制御するように適合されることができる。例えば、支持機構は、可動物体の移動によらず、積載物がその位置及び/又は方向を適切な基準フレームに対して維持するように、可動物体に対して(例えば、並進の1,2、または3度、及び/又は回転の1,2、または3度に対して)動くように構成されることができる。基準フレームは、固定の基準フレーム(例えば、周囲環境)であることができる。その代わり、基準フレームは、移動する基準フレーム(例えば、可動物体、積載物ターゲット)とすることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、支持機構は、支持機構及び/又は可動物体に対して積載物の移動を可能にするように構成されることができる。移動は、最大3自由度に対する(例えば、1,2,または3つの軸に沿った)並進であってよく、または最大3自由度に対する(例えば、1,2,または3つの軸周りの)回転であってよく、またはそれらの任意の適切な組み合わせであってよい。
【0103】
いくつかの例においては、支持機構は、支持機構フレームアセンブリおよび支持機構作動アセンブリを含むことができる。支持機構フレームアセンブリは、積載物へ構造的な支持を提供できる。支持機構フレームアセンブリは、いくつかが互いに対して可動でありうる、複数の個別の支持機構フレームコンポーネントを含むことができる。支持機構作動アセンブリは、個別の支持機構フレームコンポーネントの移動を作動する1または複数のアクチュエータ(例えば、モータ)を含むことができる。アクチュエータは、同時に複数の支持機構フレームコンポーネントの移動を可能にすることができる、または一度に単一の支持機構フレームコンポーネントの移動を可能にするように構成されうる。支持機構フレームコンポーネントの移動は、積載物の対応する移動を生成することができる。例えば、支持機構作動アセンブリは、回転の1または複数の軸(例えば、ロール軸、ピッチ軸、またはヨー軸)周りに1または複数の支持機構フレームコンポーネントの回転を作動できる。1または複数の支持機構フレームコンポーネントの回転は、積載物を、可動物体に対して、回転の1または複数の軸周りに回転させることができる。その代わりまたは組み合わせて、支持機構作動アセンブリは、1または複数の支持機構フレームコンポーネントの並進を並進の1または複数の軸に沿って作動させることができ、これにより、可動物体に対して1または複数の対応する軸に沿って積載物の並進を生成することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、固定の基準フレーム(例えば、周囲環境)及び/又はお互いに対する可動物体、支持機構、および積載物の移動は、端末によって制御されることができる。端末は、可動物体、支持機構、及び/又は積載物から離れた位置にあるリモート制御装置であることができる。端末は、支持プラットフォームに配置されることができ、または取り付けられることができる。その代わりに、端末はハンドヘルドまたはウェアラブル装置であってよい。例えば端末は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、コンピュータ、メガネ、手袋、ヘルメット、マイクロホン、または、適切なこれらの組み合わせを含むことができる。端末は、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、またはディスプレイなどの、ユーザインタフェースを含むことができる。手動で入力された命令、音声制御、ジェスチャ制御、または(例えば、端末の動き、位置、または傾きを介した)位置制御などの任意の適切なユーザ入力が、端末と相互作用するために使用されることができる。
【0105】
端末は、可動物体、支持機構、及び/又は積載物の任意の適切な状態を制御するために使用されることができる。例えば、端末は、お互いから及び/又はお互いへの固定の基準に対する、可動物体、支持機構、及び/又は積載物の位置及び/又は方向を制御するように用いられることができる。いくつかの実施形態において端末は、支持機構の作動アセンブリ、積載物のセンサ、または積載物のエミッタなど、可動物体、支持機構、及び/又は積載物の個々の構成要素を制御するために使用されることができる。端末は、可動物体、支持機構、または積載物のうち1または複数と通信するように適合された無線通信装置を含むことができる。
【0106】
端末は、可動物体、支持機構、及び/又は積載物の情報を見るための適切なディスプレイユニットを含むことができる。例えば端末は、位置、並進速度、並進加速度、方向、角速度、角加速度、または任意の適切なこれらの組み合わせに関する可動物体、支持機構、及び/又は積載物の情報を表示するように構成されることができる。いくつかの実施形態において端末は、機能的な積載物によって提供されるデータ(例えば、カメラまたは他の画像撮像装置によって記録された複数の画像)などの、積載物によって供給される情報を表示することができる。
【0107】
任意に、同一の端末が、可動物体、支持機構、及び/又は積載物、あるいは可動物体、支持機構、及び/又は積載物の状態を制御すること、並びに、可動物体、支持機構、及び/又は積載物からの情報を受信すること及び/又は表示することの両者を行ってよい。例えば、積載物によって撮像された画像データまたは積載物の位置についての情報を表示しながら、環境に対する積載物の位置決めを端末が制御してよい。その代わり、異なる複数の端末が、複数の異なる機能に使用されてよい。例えば、第1の端末が可動物体、支持機構、及び/又は積載物の移動または状態を制御してよく、一方で、第2の端末が可動物体、支持機構、及び/又は積載物からの情報を受信及び/又は表示してよい。例えば、第1の端末は、環境に対する積載物の位置決めを制御するために使用されてよく、一方で、第2の端末は、積載物によって撮像された画像データを表示する。可動物体と、可動物体の制御およびデータ受信の両者を行う統合された端末との間で、または、可動物体と、可動物体の制御およびデータ受信の両方を行う複数の端末との間で、様々な通信モードが利用されてよい。例えば、可動物体と、可動物体の制御および可動物体からのデータ受信の両方を行う端末との間で、少なくとも2つの異なる通信モードが形成されてよい。
【0108】
図10は、複数の実施形態に従って、支持機構1002および積載物1004を含む可動物体1000を示す。可動物体1000は航空機として描写されているが、この描写は限定的であることが意図されるものではなく、本明細書中で上述のように、任意の適切なタイプの可動物体が使用されることができる。当業者であれば、複数の航空機システムに関連して本明細書中に記載される複数の実施形態はいずれも、任意の適切な可動物体(例えばUAV)に対して適用され得ることを理解するであろう。いくつかの例においては、積載物1004は、支持機構1002を必要とすることなく可動物体1000に備えられてよい。可動物体1000は、複数の推進機構1006、センシングシステム1008、および通信システム1010を含んでよい。
【0109】
推進機構1006は、すでに記載されたような、ローター、プロペラ、翼、エンジン、モータ、車輪、車軸、磁石、またはノズルのうち1または複数を含むことができる。例えば、推進機構1006は、本明細書の他の箇所で開示されたような、複数のセルフタイトニングローター、ローターアセンブリ、または他のロータリー推進ユニットであってよい。可動物体は、1または複数の、2またはそれより多い、3またはそれより多い、あるいは、4またはそれより多い推進機構を有してよい。複数の推進機構は、全てが同じタイプであってよい。その代わり、1または複数の推進機構が、複数の推進機構のうちの異なる複数のタイプであることができる。複数の推進機構1006は、本明細書中の他の箇所に記載される支持要素(例えば駆動シャフト)などの、任意の適切な手段を用いて、可動物体1000に取り付けられることができる。複数の推進機構1006は、上部、底部、前部、後部、複数の側面、または適切なこれらの組み合わせのような、可動物体1000の任意の適切な部分に取り付けられることができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、複数の推進機構1006は、可動物体1000のいかなる水平方向の動きも必要とせずに(例えば、滑走路を進むこと無しに)、可動物体1000が表面から垂直に離陸することおよび表面に垂直に着陸することを可能にすることができる。任意に、複数の推進機構1006は、可動物体1000が空中の特定の位置及び/又は方向でホバリングすることを可能とするように動作することができる。推進機構1000のうち1または複数は、他の推進機構に独立して制御されうる。その代わり、複数の推進機構1000は、同時に制御されるように構成されることができる。例えば可動物体1000は、可動物体に対して揚力及び/又は推進力を供給することのできる水平に方向付けられた複数のローターを有することができる。水平に方向付けられた複数のローターは、垂直離陸、垂直着陸、およびホバリング能力を可動物体1000に対して提供するために作動されることができる。いくつかの実施形態において、水平に方向付けられた複数のローターのうち1または複数が時計回り方向に回転してよく、一方、水平な複数のローターのうち1または複数が反時計回り方向に回転してよい。例えば、時計回りのローターの数は、反時計回りのローターの数と等しくてよい。水平に方向付けられた複数のローターの各々の回転比は、各ローターによって生成された揚力及び/又は推進力を制御するために独立して変動されることができ、これにより、(例えば、並進の最大3度および回転の最大3度に対する)可動物体1000の空間的配置、速度、及び/又は、加速度を調整できる。
【0111】
センシングシステム1008は、(例えば、並進の最大3度および回転の最大3度に対する)可動物体1000の空間的配置、速度、及び/又は加速度を感知しうる1または複数のセンサを含むことができる。1または複数のセンサは、複数のGPSセンサ、運動センサ、慣性センサ、近接センサ、または画像センサを含む、本明細書ですでに記載した複数のセンサのいずれかを含むことができる。センシングシステム1008によって提供されるセンシングデータは、(例えば、以下に記載される適切な処理ユニット及び/又は制御モジュールを用いて)可動物体1000の空間的配置、速度、及び/又は方向を制御するために使用されることができる。その代わり、センシングシステム1008は、天候条件、潜在的障害物への近接度、地理的特徴の位置、及び人工構造物の位置などの、可動物体を取り囲む環境に関するデータを供給するために使用されることができる。
【0112】
通信システム1010は、無線信号1016を介して、通信システム1014を有する端末1012との通信を可能にする。通信システム1010、1014は、無線通信に適した、任意の数の送信機、受信機、及び/又は送受信機を含んでよい。通信は、データが一方向のみに送信されることができるような単方向通信であってよい。例えば、単方向通信は、端末1012へとデータを送信するあるいはその逆である可動物体1000のみを含んでよい。データは通信システム1010の1または複数の送信機から、通信システム1012の1または複数の受信機に送信されうる。またはこの逆でありうる。その代わり、通信は、可動物体1000と端末1012との間でどちらの方向にもデータが送信されることができるような双方向通信であってよい。双方向通信は、通信システム1010の1または複数の送信機から通信システム1014の1または複数の受信機へとデータを送信すること、およびその逆を含むことができる。
【0113】
いくつかの実施形態において端末1012は、可動物体1000、支持機構1002、および積載物1004のうち1または複数へと制御データを提供すること、および、可動物体1000、支持機構1002、および積載物1004のうち1または複数から情報(例えば、可動物体、支持機構、または積載物の位置及び/又は動き情報、積載物のカメラによって撮像された画像データのような積載物によって感知されるデータ)を受信することができる。いくつかの例においては、端末からの制御データは、可動物体、支持機構、及び/又は積載物の相対位置、移動、作動、または制御に対する複数の指示を含んでよい。例えば制御データは、(例えば、複数の推進機構1006の制御を介して)可動物体の位置及び/又は方向の変更、あるいは、(例えば、支持機構1002の制御を介して)可動物体に対する積載物の動きを生じさせてよい。端末からの制御データは、カメラまたはその他の画像撮像装置の操作の制御(例えば、静止画または動画を撮る、ズームインまたはズームアウトする、オンまたはオフにする、撮像モードを切り換える、画像解像度を変更する、フォーカスを変更する、被写界深度を変更する、露光時間を変更する、視野角または視野を変更する)のような、積載物の制御を生じさせてよい。いくつかの例においては、可動物体、支持機構、及び/又は積載物からの通信は、(例えばセンシングシステム1008の、または積載物1004の)1または複数のセンサからの情報を含んでよい。通信は、1または複数の異なるタイプのセンサ(例えばGPSセンサ、運動センサ、慣性センサ、近接センサ、またはイメージセンサ)からの感知された情報を含んでよい。そのような情報は、可動物体、支持機構、及び/又は積載物の位置(例えば位置、方向)、移動、または加速度に関するものであってよい。積載物からのそのような情報は、積載物によって捉えられたデータ、または感知された積載物の状態を含んでよい。端末装置1012により送信されて提供される制御データは、可動物体1000、支持機構1002または積載物1004のうち1または複数の状態を制御するよう構成されうる。その代わりまたは組み合わせて、支持機構1002および積載物1004はまた、端末1012と通信するように構成された通信モジュールをそれぞれ含むことができる。これによって、端末は、可動物体1000、支持機構1002、および積載物1004のそれぞれと独立して、通信することおよび制御することができる。
【0114】
いくつかの実施形態において可動物体1000は、端末1012に加えて、または、端末1012の代わりに、他のリモート装置と通信するように構成されることができる。端末1012はまた、可動物体1000と同様に、他のリモート装置と通信するように構成されてよい。例えば、可動物体1000及び/又は端末1012は、他の可動物体と、あるいは、他の可動物体の支持機構または積載物と通信してよい。所望される場合には、リモート装置は、第2の端末またはその他のコンピューティング装置(例えばコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、またはその他のモバイル装置)であってよい。リモート装置は、可動物体1000へデータを送信するように、可動物体1000からデータを受信するように、端末1012へデータを送信するように、及び/又は、端末1012からデータを受信するように構成されることができる。任意に、可動物体1000及び/又は端末1012から受信されたデータがウェブサイトまたはサーバへとアップロードされ得るように、リモート装置はインターネットまたは他の通信ネットワークに接続されることができる。
【0115】
図11は、複数の実施形態に従った、可動物体を制御するシステム1100のブロック図を通じた模式図である。システム1100は、本明細書中に開示される複数のシステム、装置、および方法の適切な任意の実施形態と組み合わせて使用されることができる。システム1100は、センシングモジュール1102、処理ユニット1104、非一時的コンピュータ可読媒体1106、制御モジュール1108、および通信モジュール1110を含むことができる。
【0116】
センシングモジュール1102は、複数の異なる方法で複数の可動物体に関する情報を収集する、異なるタイプの複数のセンサを利用できる。複数の異なるタイプのセンサは、複数の異なるタイプの信号または異なる複数のソースからの信号を感知してよい。例えば、複数のセンサは、慣性センサ、GPSセンサ、近接センサ(例えばライダ)、または、ビジョン/イメージセンサ(例えばカメラ)を含むことができる。センシングモジュール1102は、複数のプロセッサを有する処理ユニット1104に動作可能に接続されることができる。いくつかの実施形態においてセンシングモジュールは、適切な外部装置またはシステムへとセンシングデータを直接送信するように構成された送信モジュール1112(例えばWi−Fi画像送信モジュール)と動作可能に接続されることができる。例えば、送信モジュール1112は、センシングモジュール1102のカメラによって撮像された複数の画像を遠隔端末へと送信するために使用されることができる。
【0117】
処理ユニット1104は、プログラム可能なプロセッサ(例えば中央演算処理装置(CPU))のような1または複数のプロセッサを有することができる。処理ユニット1104は、非一時的コンピュータ可読媒体1106と動作可能に接続されることができる。非一時的コンピュータ可読媒体1106は、1または複数の段階を実行するために処理ユニット1104によって実行可能なロジック、コード、及び/又は複数のプログラム命令を格納することができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のメモリユニット(例えば、SDカードまたはランダムアクセスメモリ(RAM)などのリムーバブルメディアまたは外部ストレージ装置)を含むことができる。いくつかの実施形態においてセンシングモジュール1102からのデータは、非一時的コンピュータ可読媒体1106の複数のメモリユニット内に直接伝達され、格納されることができる。非一時的コンピュータ可読媒体1106の複数のメモリユニットは、本明細書中に記載される複数の方法の適切な任意の実施形態を実行するために、処理ユニット1104によって実行可能なロジック、コード、及び/又は複数のプログラム命令を格納することができる。例えば処理ユニット1104は、センシングモジュールによって生成されたセンシングデータを処理ユニット1104の1または複数のプロセッサに分析させる、複数の命令を実行するように構成されることができる。複数のメモリユニットは、処理ユニット1104によって処理されるセンシングモジュールからのセンシングデータを格納することができる。いくつかの実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体1106の複数のメモリユニットは、処理ユニット1104によって生成された複数の処理結果を格納するために使用されることができる。
【0118】
いくつかの実施形態において処理ユニット1104は、可動物体の状態を制御するように構成された制御モジュール1108と動作可能に接続されることができる。例えば制御モジュール1108は、6自由度に関する可動物体の空間的配置、速度、及び/又は加速度を調整するために、可動物体の複数の推進機構を制御するように構成されることができる。その代わりまたは組み合わせて、制御モジュール1108は、支持機構、積載物、またはセンシングモジュールの状態のうち1または複数を制御することができる。
【0119】
処理ユニット1104は、1または複数の外部装置(例えば、端末、表示装置、または他のリモートコントローラ)からデータを送信及び/又は受信するように構成された通信モジュール1110に動作可能に接続されることができる。有線通信または無線通信などの、適切な任意の通信手段が使用されることができる。例えば通信モジュール1110は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信網、クラウド通信等のうち1または複数を利用することができる。任意に、複数のタワー、衛星、または移動局など、複数の中継局が使用され得る。複数の無線通信は、近接度依存型または近接度独立型であることができる。いくつかの実施形態において、通信のために、見通し線が必要であってよいし、必要でなくてもよい。通信モジュール1110は、センシングモジュール1102からのセンシングデータ、処理ユニット1104によって生成された複数の処理結果、予め定められた制御データ、端末またはリモートコントローラからの複数のユーザ命令等のうち1または複数を送信及び/又は受信することができる。
【0120】
システム1100の複数のコンポーネントは、任意の適切な構成に配置されてよい。例えば、システム1100の複数のコンポーネントのうち1または複数が、可動物体、支持機構、積載物、端末、センシングシステム、または上記のうち1または複数と通信する追加の外部装置に配置されることができる。さらに、図11は単一の処理ユニット1104および単一の非一時的コンピュータ可読媒体1106を描写しているものの、これは限定的であることが意図されるものではなく、システム1100が複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体を含み得ることは、当業者であれば理解するであろう。いくつかの実施形態において、複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体のうち1または複数が、複数の異なる位置、例えば可動物体、支持機構、積載物、端末、センシングモジュール、上記のうち1または複数と通信する追加の外部装置、または適切なこれらの組み合わせに位置されることができる。これによって、システム1000によって実行される複数の処理及び/又はメモリ機能の適切な任意の態様が、上記した複数の位置のうち1または複数において行われることができる。
【0121】
本明細書で用いられたような、A及び/又はBは、AまたはB、および、AおよびBなどのこれらの組み合わせのうち1または複数を含む。
【0122】
本願発明の複数の好ましい実施形態が本明細書中に示され、記載されてきたが、そのような複数の実施形態は、単に例示を目的として提供されるものであることは、当業者には明らかであろう。多くのバリエーション、変更、および置換が、発明から逸脱することなく、当業者には今や思い浮かぶであろう。本明細書中に記載される発明の複数の実施形態に対する様々な代替案が、発明の実施において使用されてよいことが理解されるべきである。以下の複数の請求項が発明の範囲を定義し、これら複数の請求項の範囲内の複数の方法および構造、並びに、それらの等価物が、これにより含まれるべきことが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11