特許第6181311号(P6181311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181311スーパーキャパシタの充電のためのマスタ監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181311
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】スーパーキャパシタの充電のためのマスタ監視システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20170807BHJP
   G01R 31/36 20060101ALN20170807BHJP
【FI】
   H02J7/02 V
   !G01R31/36 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-535342(P2016-535342)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2016-528867(P2016-528867A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】CN2015077610
(87)【国際公開番号】WO2015169159
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】201410186801.1
(32)【優先日】2014年5月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514211622
【氏名又は名称】チャイナ ユニバーシティ オブ マイニング アンド テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】CHINA UNIVERSITY OF MINING AND TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, ゴンボ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ, チェンツァイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ホウリャン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ, グオファ
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−318033(JP,A)
【文献】 特開2002−272009(JP,A)
【文献】 特開2003−47111(JP,A)
【文献】 特開2005−218180(JP,A)
【文献】 特開2012−95525(JP,A)
【文献】 特表2013−541320(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103312029(CN,A)
【文献】 中国実用新案第203119559(CN,U)
【文献】 中国実用新案第201472277(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203406677(CN,U)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0082258(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0270983(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/124233(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線と、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと、メイン監視システムと、を含むスーパーキャパシタの充電監視システムであって、
前記メイン監視システムは、前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムから送信されるデータを受信し、第1の電源部と、マスタ単一チップマイクロコンピュータと、搬送波通信モジュールPL2102と、マンマシンインタフェースモジュールと、第1の記憶部と、RS−232モジュールと、充電回路と、を含み、
前記第1の電源部は、前記マスタ単一チップマイクロコンピュータに電力を供給し、前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、前記搬送波通信モジュールPL2102に接続しており、媒体として機能する電力線を介した前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと前記メイン監視システムとの間の通信を実施するために電力線搬送波を利用し、
前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、警報及び表示を達成するために前記マンマシンインタフェースモジュールに接続しており、
前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、前記第1の記憶部に接続しており、前記RS−232モジュールのシリアルポートを介してコンピュータに接続しており、
前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、前記充電回路に接続しており、充電状態に応じて適切な電流を出力するために前記充電回路を制御し、
前記メイン監視システムの前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、送信状態にある前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムから送信されるデータを受信し、前記メイン監視システムが受信状態にある場合、DC電力線の拡散スペクトル信号は、結合トランスを介して受信周波数選択性回路網を経由して復調のために前記搬送波通信モジュールPL2102に送信され、前記マスタ単一チップマイクロコンピュータのデジタルシグナルプロセッサに入力され、
単一スーパーキャパシタの充電状態が異常である場合、前記メイン監視システムは、エラー命令を提供し、警報信号を生成し、充電プロセスを停止し、前記単一スーパーキャパシタの対応するシリアル番号を前記マンマシンインタフェースモジュールに表示し、
前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、データ情報を取得し、前記単一スーパーキャパシタの充電状態(SOC)を算出し該単一スーパーキャパシタの状態を判断するためにデータ操作および処理を実行し、前記メイン監視システムにデータを選択的に送信し、
前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、単一スーパーキャパシタと、第2の電源部と、スレーブ単一チップマイクロコンピュータと、搬送波通信モジュールと、電圧と電流と温度とを検出するための装置と、第2の記憶部と、を含み、
前記第2の電源部は電源供給の役割を有しており、電圧と電流と温度の検出ための装置は前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータに接続しており、前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、各ポートを介して途切れずに送信される電圧と電流と温度の情報を検出し、前記スーパーキャパシタのSOCを算出し、
前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、データを記憶し該データを前記メイン監視システムの前記マスタ単一チップマイクロコンピュータに送信するために前記第2の記憶部に接続しており、前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと前記メイン監視システムとの間のデータ伝送は、前記搬送波通信モジュールPL2102を介して前記電力線を経由して達成され、
前記メイン監視システムは、前記電力線と前記充電回路とを介してスーパーキャパシタ・バンクを充電し、前記電力線は、通信媒体としても機能し、
前記メイン監視システムと前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムとの間の通信は、前記搬送波通信モジュールを介して前記電力線を経由して達成され、
1つ以上の単一スーパーキャパシタ監視サブシステムが提供される一方で、1つのメイン監視システムが提供され、
各々の単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、固有アドレスを有し、前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータで決定されるシリアル番号を有する
ことを特徴とするスーパーキャパシタの充電監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電監視システム、特に、スーパーキャパシタ充電のメイン監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーキャパシタは、高い電気エネルギー蓄積能力を有し高いインパルス電力を提供することが出来る物理的な2次電源であり、高い信頼性、有利な低温特性、環境フレンドリ、汚染フリーを含む利点を有する。スーパーキャパシタは、新規なエネルギー蓄積システムであり既存のバッテリの不十分な充電電力の課題を解決する効果的な方法であり、様々な産業(例えば、新規エネルギー車両、電気、エレベータ、炭鉱および工学機械工業)において広く適用される。
【0003】
電力線搬送通信は、搬送波信号の伝送媒体として電力送信線を使用する電気システム通信アプローチである。電力送信線は強い構造支持材を有しており、電力送信線を介して電源電流とともに搬送波信号を送信することは経済的であり信頼性も高い。
【0004】
現時点では、バッテリ管理システムは、バッテリ電源システムの個々のバッテリのキャパシタ状態情報を監視するために、主にマスター/スレーブ設計となっている。マスタ制御システムは、多数のモジュールから個々のバッテリの状態情報を収集する役割を担っており、状態情報を分析する。しかしながら、直列スーパーキャパシタの充電プロセスは「キャスク原理」に従っており、故障の破壊点は、通常は単一のコンデンサで発生する。集中型の監視アプローチの使用は、結果として効率の劣化やシステム負荷の増大をもたらし得る。
【0005】
それ故、本発明は、分散された意思決定に基づく監視戦略を提唱し、電力線搬送をデータ通信のために利用することにより、監視システムの運用効率が改善され、充電の信頼性が確実にされ、通信ネットワークの負荷は同様に軽減される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、電力線搬送波通信、マイクロコンピュータ制御技術、電圧・温度の検出技術を組み込んだスーパーキャパシタ充電のメイン監視システムを提供することにあり、新規エネルギー車両および工学機械分野において適用され得、エネルギーの無駄および環境汚染ののような従来の充電アプローチにおける課題を解決する。
【0007】
本発明の目的は、以下の技術的方式によって達成される:
監視システムは、電力線と、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと、メイン監視システムと、を含む。
前記メイン監視システムは、前記監視サブシステムから送信されるデータを受信し、電源部と、マスタ単一チップマイクロコンピュータと、搬送波通信モジュールPL2102と、マンマシンインタフェースモジュールと、記憶部と、RS−232モジュールと、充電回路と、を含み;
前記電源部は、前記マスタ単一チップマイクロコンピュータに電力を供給し、前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、前記搬送波通信モジュールPL2102に接続しており、媒体として機能する電力線を介した前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと前記メイン監視システムとの間の通信を実施するために電力線搬送波を利用し;
前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、警報及び表示を達成するために前記マンマシンインタフェースモジュールに接続しており;
前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、前記記憶部に接続しており、前記RS−232モジュールのシリアルポートを介してコンピュータに接続しており;
前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、前記充電回路に接続しており、充電状態に応じて適切な電流を出力するために前記充電回路を制御し;
前記メイン監視システムの前記マスタ単一チップマイクロコンピュータは、送信状態にある前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムから送信されるデータを受信し、前記メイン監視システムが受信状態にある場合、DC電力線の拡散スペクトル信号は、結合トランスを介して受信周波数選択性回路網を経由して復調のために前記搬送波通信モジュールPL2102に送信され、前記単一チップマイクロコンピュータのデジタルシグナルプロセッサに入力され;
単一スーパーキャパシタの充電状態が異常である場合、前記メイン監視システムは、エラー命令を提供し、警報信号を生成し、充電プロセスを停止し、前記単一スーパーキャパシタの対応するシリアル番号を前記マンマシンインタフェースに表示する。
前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、データ情報を取得し、前記スーパーキャパシタの充電状態を算出し該単一スーパーキャパシタの状態を判断するためにデータ操作および処理を実行し、前記メイン監視システムにデータを選択的に送信する。
前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、単一スーパーキャパシタと、電源部と、スレーブ単一チップマイクロコンピュータと、搬送波通信モジュールと、電圧と電流と温度とを検出するための装置と、記憶部と、を含み;
前記電源部は電源供給の役割を有しており、電圧と電流と温度の検出ための装置は前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータに接続しており、前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、各ポートを介して途切れずに送信される電圧と電流と温度の情報を検出し、前記スーパーキャパシタの充電状態を算出し;
前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、データを記憶し該データを前記メイン監視システムの前記マスタ単一チップマイクロコンピュータに送信するために前記記憶部に接続しており、前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと前記メイン監視システムとの間のデータ伝送は、前記搬送波通信モジュールPL2102を介して前記電力線を経由して達成される。
前記メイン監視システムは、前記電力線と前記充電回路とを介してスーパーキャパシタ・バンクを充電し、前記電力線は、通信媒体としても機能し;
前記メイン監視システムと前記単一スーパーキャパシタ監視サブシステムとの間の通信は、前記搬送波通信モジュールを介して前記電力線を経由して達成され;
1つ以上の単一スーパーキャパシタ監視サブシステムが提供される一方で、1つのメイン監視システムが提供され;
各々の単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、固有アドレスを有し、前記スレーブ単一チップマイクロコンピュータで決定されるシリアル番号を有する。
【0008】
有益な効果:
上述の技術的方式を利用することにより、スーパーキャパシタの充電監視システムにおける単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、充電状態(SOC)の値およびカルマンフィルタ・アルゴリズムによる変化率を算出するために得られたリアルタイムの電圧・電流・温度を利用し;単一スーパーキャパシタのSOCが予め設定された閾値の範囲内にある場合、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、特定データをメイン監視システムに送信せず;単一スーパーキャパシタのSOCが予め設定された閾値の範囲外にある場合、スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、カテゴリおよびレベルによってメイン監視システムのマスタ単一チップマイクロコンピュータにデータを送信し;サブシステムは、チャネルを獲得するために優先度ベースのCSMA/CA戦略を利用し、アクセス権が得られたあと、搬送波通信モジュールPL2102は、単一チップマイクロコンピュータMSP430から差動位相偏移変調(DPSK)による変調によって送信されたデジタル信号を処理してドライバ回路に信号を出力し;信号は、トランスを介してDC電源線に結合される。
【0009】
メイン監視システムのマスタ単一チップマイクロコンピュータは、送信データにある単一スーパーキャパシタ監視サブシステムから送信されたデータを受信し;メイン監視システムが受信状態にある場合、DC電源線の拡散スペクトル信号は、結合トランスを介して受信周波数選択性回路網を経由して復調のために搬送波通信モジュールPL2102に送信され、単一チップマイクロコンピュータのDSPに入力され;単一スーパーキャパシタの充電状態が異常である場合、メイン監視システムは、エラー命令を提供し、警報信号を生成し、充電プロセスを停止し、単一スーパーキャパシタの対応するシリアル番号をマンマシンインタフェースに表示する。
【0010】
利点:
スーパーキャパシタは、省エネルギー、環境フレンドリ、信頼性、耐久性、その他を有しており、既存のバッテリの課題を解決する良好なアプローチである。直列のスーパーキャパシタ・バンクの充電プロセスにおいて、複数の単一スーパーキャパシタ間の少しの相違により過充電が容易に発生し得、それにより、スーパーキャパシタの運用寿命は悪影響を受け;監視システムは、スーパーキャパシタ・バンクの各々の単一スーパーキャパシタの充電状態をリアルタイムに支配し、過充電現象は回避される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】スーパーキャパシタ充電のメイン監視システムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態1:
スーパーキャパシタの充電監視システムは、電力線と、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムと、メイン監視システムと、を含み、メイン監視システムは、充電回路2と、搬送波通信モジュール3と、マスタ単一チップマイクロコンピュータ4と、マンマシンインタフェースモジュール5と、記憶部6と、電源部7と、RS−232モジュール8と、を含む。電源部は、マスタ単一チップマイクロコンピュータに電力を供給し、マスタ単一チップマイクロコンピュータは、搬送波通信モジュールPL2102に接続しており、媒体として機能する電力線を介した単一スーパーキャパシタ監視サブシステムとメイン監視システムとの間の通信を実施するために電力線搬送波を利用し、マスタ単一チップマイクロコンピュータは、警報及び表示を達成するためにマンマシンインタフェースモジュールに接続しており、マスタ単一チップマイクロコンピュータは、記憶部に接続しており、RS−232のシリアルポートを介してコンピュータに接続しており、マスタ単一チップマイクロコンピュータは、充電回路に接続しており、充電状態に応じて適切な電流を出力するために充電回路を制御し、メイン監視システムのマスタ単一チップマイクロコンピュータは、送信状態にある単一スーパーキャパシタ監視サブシステムから送信されるデータを受信し、メイン監視システムが受信状態にある場合、DC電力線の拡散スペクトル信号は、結合トランスを介して受信周波数選択性回路網を経由して復調のために搬送波通信モジュールPL2102に送信され、単一チップマイクロコンピュータのデジタルシグナルプロセッサに入力され、単一スーパーキャパシタの充電状態が異常である場合、メイン監視システムは、エラー命令を提供し、警報信号を生成し、充電プロセスを停止し、単一スーパーキャパシタの対応するシリアル番号をマンマシンインタフェースに表示する。記憶部6は、メモリモジュールである。単一チップマイクロコンピュータ内のデジタルシグナルプロセッサは、DSPと略記される。
【0013】
単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、単一スーパーキャパシタ1と、電源部7と、スレーブ単一チップマイクロコンピュータ11と、搬送波通信モジュール3と、電圧電流検出部9と、温度検出部10と、記憶部6と、を含む。電力線は、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムをメイン監視システムに接続する。電源部は電源供給の役割を有しており、電圧と電流と温度の検出ための装置はスレーブ単一チップマイクロコンピュータMSP430に接続しており、スレーブ単一チップマイクロコンピュータMSP430は、各ポートを介して途切れずに送信される電圧と電流と温度の情報を検出し、スーパーキャパシタの充電状態(SOC)を算出し、スレーブ単一チップマイクロコンピュータMSP430は、データを記憶し該データをメイン監視システムのマスタ単一チップマイクロコンピュータに送信するために記憶部に接続しており、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムとメイン監視システムとの間のデータ伝送は、搬送波通信モジュールPL2102を介して電力線を経由して達成される。スーパーキャパシタの充電状態は、SOCと略記される。
【0014】
メイン監視システムは、電力線と充電回路2とを介してスーパーキャパシタ・バンクを充電し、電力線は、通信媒体としても機能し、メイン監視システムと単一スーパーキャパシタ監視サブシステムとの間の通信は、搬送波通信モジュールを介して電力線を経由して達成され、1つ以上の単一スーパーキャパシタ監視サブシステムが提供される一方で、1つのメイン監視システムが提供され、各々の単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、固有アドレスを有し、スレーブ単一チップマイクロコンピュータで決定されるシリアル番号を有する。
【0015】
メイン監視システムおよびスレーブ監視システムの双方は、電源部7からDC電源を得、マスタ単一チップマイクロコンピュータおよびスレーブ単一チップマイクロコンピュータには3.3Vの電圧が供給され、搬送波通信モジュールには5Vの電圧が供給され、搬送波電力増幅回路には12Vの電圧が供給される。
【0016】
単一スーパーキャパシタ監視サブシステムにおいて、スレーブ単一チップマイクロコンピュータMSP430には、スーパーキャパシタのモデル及び仕様によっていくつかの警報閾値レベルが予め設定され、スーパーキャパシタの算出される充電状態(SOC)の最大許容値は閾値1であり、算出されるSOC変化率の最大許容値は閾値2である。スーパーキャパシタの算出されるSOC変化率は、サンプリング間隔に対するスーパーキャパシタの隣接する算出されたSOC値の差異の比率として定義される。
【0017】
単一スーパーキャパシタ監視サブシステムにおいて、温度検出部10には、正確に実際の温度を測定することが可能な高精度の温度センサが使用され;電圧電流検出部9は、正確に電圧及び電流の値を測定するためにスーパーキャパシタの2つの端に接続されており;スレーブ単一チップマイクロコンピュータMSP430は、ポートから途切れずに送信される電圧、電流、温度の値を検出し、カルマンフィルタ・アルゴリズムを使用してスーパーキャパシタのSOCおよびSOC変化率を算出する。
【0018】
単一スーパーキャパシタのSOC値および変化率の両方が予め設定された閾値の範囲内にある場合、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、1バイトのハンドシェーク情報を、1として定義される優先度でメイン監視システムに送信し、算出されたスーパーキャパシタのSOC値が閾値1の範囲内にあり、かつ、算出されたスーパーキャパシタのSOC変化率が閾値2の範囲外にある場合、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、1バイトのハンドシェーク情報と2バイトのスーパーキャパシタのSOC変化率とを、2として定義される優先度でメイン監視システムに送信し、単一スーパーキャパシタのSOC変化率が閾値2の範囲内にあり、かつ、算出されたスーパーキャパシタのSOC値が閾値1の範囲外にある場合、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、1バイトのハンドシェーク情報と2バイトの算出されたSOC値とを、3として定義される優先度でメイン監視システムに送信し、単一スーパーキャパシタのSOC値およびSOC変化率の両方が予め設定された閾値の範囲外にある場合、単一スーパーキャパシタ監視サブシステムは、1バイトのハンドシェーク情報と2バイトのSOC値と2バイトのSOC変化率とを、4として定義される優先度でメイン監視システムに送信する。
【0019】
スレーブ単一チップマイクロコンピュータMSP430が送信状態にある場合、搬送波通信モジュールPL2102は、単一チップマイクロコンピュータMSP430から送信されるデジタル信号をドライバ回路に出力して送信し、内部での差動位相偏移変調(DPSK)による変調の後、変調された信号を出力し、それから、信号は、トランスを介してDC電源線に結合される。搬送波通信モジュールPL2102の差動位相偏移変調は、DPSKと略記される。
【0020】
システムは、多数の監視サブシステムから並列したデータ送信要求を取扱うために、優先度ベースのCSMA/CA戦略を使用する。スレーブ単一チップマイクロコンピュータがデータ送信の用意が出来た場合、まず、信号が通信線の周波数バンドに何らかの信号があるかどうかを検出し;信号がある場合、スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、特定の時間だけ待機し、通信線がアイドル状態にあるか又は試行の最大許容数に達したことを発見するまで再度通信線を検出する。スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、通信線がアイドル状態であることを発見した場合、データをマスタ単一チップマイクロコンピュータに送信し;スレーブ単一チップマイクロコンピュータは、試行の最大許容数に達したことを発見した場合、データの有効性を確実にするために、データを廃棄して、送信される新しいデータを選択し、上述の方法を繰り返す。待機時間はバックオフ時間として定義され、試行の最大許容数はバックオフの最大回数として定義される。このシステムにおいて、スレーブ単一チップマイクロコンピュータのバックオフ時間およびバックオフ最大回数は、送信されるデータの優先度に従って決定される。優先度が高いほど、バックオフ時間は短くなり、バックオフ最大回数は小さくなる。実際のアプリケーションにおいて、バックオフの特定のバックオフ時間および最大回数は、システム精度に対する要求条件及び複数の単一キャパシタのパラメータに従って決定される。
【0021】
メイン監視システムのマスタ単一チップマイクロコンピュータの機能は、送信状態にある単一スーパーキャパシタ監視サブシステムから送信されるデータを受信することである。メイン監視システムが受信状態にある場合、DC電源線の拡散スペクトル信号は、結合トランスを介して受信周波数選択性回路網を経由して復調のために搬送波通信モジュールPL2102に送信され、復調信号は単一チップマイクロコンピュータのDSPに入力される。
【0022】
メイン監視システムは、カテゴリによって監視サブシステムから受信した情報を表示し、オペレータに通知する。情報の優先度が2より高い場合、メイン監視システムは、直接充電プロセスを停止し、単一スーパーキャパシタの対応するシリアル番号をマンマシンインタフェースに表示する。
【0023】
メイン監視システムおよび単一スーパーキャパシタ監視サブシステムの双方は、それぞれ記憶部6を含み、後でスーパーキャパシタのパフォーマンスが分析可能となるように、データを記憶し、RS−232モジュールのシリアルポートを介してデータをアップロードするように構成される。
【0024】
マンマシンインタフェース5は、単一スーパーキャパシタの充電状態をリアルタイムに表示し、更新する。スーパーキャパシタに関連する重要な警報情報が発生した場合、マンマシンインターフェースは、警報表示器を点灯し、音声プロンプトを同時に提供する。
【符号の説明】
【0025】
1 単一スーパーキャパシタ;
2 充電回路;
3 搬送波通信モジュール;
4 マスタ単一チップマイクロコンピュータ;
5 マンマシンインタフェースモジュール;
6 記憶部;
7 電源部;
8 RS−232モジュール;
9 電圧電流検出部;
10 温度検出部;
11 スレーブ単一チップマイクロコンピュータ
図1