(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明である。そこに記載され、図面に示されている例示的な実施形態は、本開示の原理を教示し、当業者が本開示を多くの異なる環境において多くの異なる用途のために実施し利用することを可能にすることを意図している。したがって、例示的な実施形態は、特許の保護の範囲の制限的な説明であることを意図しておらず、そのようなものとしてみなされるべきではない。むしろ、特許の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【0013】
本開示は、太陽光照明を模倣する照明システムが、観察者が光源すなわち太陽の模倣の不自然さに気がつくことを回避する特性を有する光を提供することを必要とする、との認識に部分的に基づく。たとえば、照明状況は、青い天窓光(blue skylight)成分と、均質な輝度を有する光源に由来する指向性の非拡散白色光(directed non-diffuse while light)成分とを含むことができる。
【0014】
一般的に、照明状況を評価する観察者の能力は、焦点合わせ、両眼輻輳、両眼視差、運動視差、輝度、サイズ、コントラスト、空気遠近法などに関係する複数の生理的および心理的メカニズムに基づく。いくつかのメカニズムは、観察条件(たとえば、観察者が移動しているかまたは静止しているか、片目または両目で見ているか、など)と、既知のサイズ、距離、または輝度を有する物体が観察されているかどうかなどの照明状況の特性と、の両方に応じて、他のメカニズムとよりも重要性が高まることがある。
【0015】
人工太陽としての光源を使用する太陽光模倣照明デバイスについて、光源を無限遠の太陽であると知覚する効果は、光源が観察者の視野内にあるときはいつも、人工光源の印象を回避することに関係する。
【0016】
本発明者らは、これが、特に、光源の均一な輝度を含むことに気づいた。さらに、人工太陽は、丸い外観を有することを必要とする。光源がレイリー散乱パネルを照明するために使用されるいくつかの実施形態では、光源によりレイリー散乱パネルの十分かつ均一に照明することがさらに望まれる。
【0017】
目の感度は、照明の非常に初期の段階の輝度変調である太陽の模倣用の輝度変調およびレイリー散乱パネルの輝度変調を識別する。そのような変調は、発光が減少するまたは発光に寄与すらしないニアフィールド内の(暗い)領域によってもたらされる可能性があり、そのような変調の結果、ファーフィールド内のビームの領域の輝度が低下する。
【0018】
加えて、光源の明るさは、光源を覗き込むことを可能にしない、または光源に焦点を合わせることを可能にしない可能性があるが、後に網膜上に生成される画像は、人工太陽を(一時的に)見るときは気づかなかった強度変動を示す可能性がある。
【0019】
完全を期すためにいうと、輝度も、光源によって作成される影に影響を与える。具体的には、人工太陽が輝度の変調を有するとき、半影もまた、目が認識しうる変調を示す可能性がある。
【0020】
同様の考察は、色スペクトルの空間分布およびその変調に適用される。
【0021】
本発明者らは、ファーフィールド内の画像に集中するプロジェクタ光源とは対照的に、太陽光模倣照明デバイスの光源は、観察者によって見られたとき、太陽の外観を模倣する特定のニアフィールドも必要とすることに気づいた。本明細書では、できる限り光源の輝度とエタンデュ(etendue)の維持とに寄与しうる様々な態様むけて特別に設計された光学素子のシステムについて説明する。
【0022】
以下では、太陽光模倣照明デバイスの例示的な構成が、
図1および
図2に関連して説明される。光ビーム経路の例示的な概要は、
図3に関連して説明される。光ビーム経路に寄与する光学ユニットの様々な例示的な構成は、次いで、
図4(LEDベースの発光手段)、
図5および
図6(複合パラボラ状集光器(CPC:Compound Parabolic Concentrator)ベースのコリメータユニット)、
図7および
図8(フライアイ集光器(FEC:Fly's Eye Condenser)ベースの均質化手段)、ならびに
図9(搭載光学システム)に関連して開示される。
【0023】
図1を参照すると、照明システム1は、断面図において概略的に示されている。
【0024】
詳細には、照明システム1は、主光ビーム方向4に沿って伝播する光ビーム3を形成するように発光立体角において光を発光するように構成された光源2を備える。一般的に、光源2は、たとえば、冷白色光源であり得る。光源の例示的な実施形態は、LEDベースの発光体、または放電ランプベースの発光体、またはHMIランプ(Hydrargyrum Medium-arc Iodide lamp)ベースの発光体、またはハロゲンランプベースの発光体と、それぞれの発光体の下流のそれぞれの光学システムとを備えてもよい。
【0025】
照明システム1の寸法を減少させるために、それぞれの発光体の下流の光学システムは、反射系(折り返し光学素子など、ミラー5は、
図1中に破線によって例示的に示されている)を含み得る。光ビーム3が通過する反射系の具体的な例は、上記の特許出願、たとえば、特許文献3に示されている。
【0026】
反射系について、外部の照明システムに由来する光線が、その後、照明システム1を再び離れるように反射系によって反射される可能性がないことを要求する、反射された光線における幾何学的な条件が存在し得る。
【0027】
照明システム1は、さらに、明るくされるべき領域7、たとえば、建物の内部の部屋30に光源2に由来する光に結合する窓状ユニット6を含む。
【0028】
図1の照明システム1の例示的な実施形態では、窓状ユニット6は、底部ユニット12とスクリーン構造14とを備えるランプシェード状構造10を含む。底部ユニット12は、部屋から見たとき、それがランプシェード状構造の底部にあることから底部ユニットと呼ばれる。しかしながら、ランプシステムは、ランプシェード状構造なしで、または壁に設けられなくてもよく、したがって、底部ユニット12は、ランプシェード状構造の下端にある必要はないことに留意されたい。スクリーン構造14についての詳細な開示については、上述の特許出願、たとえば、特許文献4を参照する。
【0029】
窓状ユニット6のいくつかの実施形態では、底部ユニット12は、壁/天井に直接、すなわち、スクリーン構造14なしで一体化され得る。たとえば、底部ユニットは、
図1に示す天井面から取り外される代わりに、天井面の一部として形成され得る。
【0030】
窓状ユニット6は、(平面)矩形、正方形、または円形などの任意の形状であり得る。窓状ユニット6は、光源2の光を少なくとも部分的に透過させる。窓状ユニット6は、拡散光生成器20を備えてもよく、
図1では、具体的には、底部ユニット12が拡散光生成器20を備える。拡散光生成器20は、レイリー散乱器として動作し、レイリー散乱は、可視範囲の光を実質的に吸収せず、入射光の長波長成分に対して短波長をより効率的に拡散させる。レイリー散乱器の光学特性および微視的特性は、上述の特許出願、たとえば、特許文献1において詳細に説明される。
【0031】
照明システム1は、さらに、光源2を取り囲み、一体化されたその壁の1つに窓状ユニット6を有する暗箱16を含んでもよい。一般的に、箱16は、光源2の周囲に延在し、窓状ユニット6に接し、(少なくとも、潜在的に光が入射することができる)暗い光吸収内面を有する壁を提供する。
【0032】
図1の実施形態では、光源2は、暗箱16内に設けられ、それによって、光源2に由来しない光が暗箱16内から底部ユニット12に入るのを防ぐ。
【0033】
いくつかの実施形態では、窓状ユニットは、光源2の光を拡散させる拡散光生成器20を提供する。たとえば、以前の実施形態で、光ビーム3が拡散光生成器20のすべてまたは少なくとも大部分を照明するために十分に広がっていると仮定すると、拡散光生成器20は、光ビーム3を4つの成分に分離する。4つの成分は、詳細には:
拡散光生成器20を通過し、顕著な偏向を経験しない、たとえば、0.1°未満の偏向を経験する光線によって形成された透過(指向性非拡散)成分であり、その光束は、拡散光生成器20に入射する全光束のかなりの部分である、透過成分と;
拡散光生成器20を出て(その光ビーム方向と、0.1°未満の角度だけその光ビーム方向と異なる方向とを除く)光路46に入る散乱光によって形成された前方拡散成分であり、その光束は、拡散光生成器20に入射する全光束から生成される青い天窓分に対応する、前方拡散成分と;
拡散光生成器20を出て箱16に入る散乱光によって形成された後方拡散成分であり、その光束は、一般的には、青い天窓分の範囲内であり、好ましくは青い天窓分未満の範囲内である、後方拡散成分と;
反射光によって形成され、ミラー角度の方向に沿って箱16内に伝播する反射成分であり、反射成分の光束は、たとえば、拡散光生成器20上への光ビームの入射角に依存する、反射成分と、
である。
【0034】
言い換えれば、拡散光生成器20の光学特性は:
青い天窓分が、5〜50%の範囲内であり、たとえば7%〜40%の範囲内、または10%〜30%の範囲内、または15%〜20%の範囲内であり;
前方拡散成分の平均CCTが、透過成分の平均相関色温度CCTよりも著しく高く、たとえば、1.2倍、または1.3倍、または1.5倍、またはそれ以上であり;、
拡散光生成器20が、入射光を著しくは吸収せず、すなわち、4つの成分の合計が、少なくとも、80%、または90%、または95%、または97%、またはそれ以上に等しく;
拡散光生成器20が、大部分を前方に散乱し、すなわち、後方に散乱されるよりも1.1倍、または1.3倍、または1.5倍、または2倍、を前方に散乱し;
拡散光生成器20が、低い反射率を有し、すなわち、入射光の9%、または6%、または3%未満、または2%の部分が反射される、
ようなものである。
【0035】
拡散光生成器20を備える窓状ユニット6の実施形態では、光源2が観察者の視界に入るとき、拡散光生成器20は、光源2からの距離が、太陽のような印象を与えるのに十分ではない位置にある可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、スクリーン構造14は、光源2上の任意の視界を遮る可能性がある。したがって、観察者の予測される位置と光源2との間の距離は、より小さくてもよい。
【0036】
他の実施形態では、拡散光生成器は、拡散成分の主成分としての光を提供するように適合された別個の光源によって少なくとも部分的に照明されてもよい。
【0037】
図1の実施形態では、光源2は、窓状ユニット6の中心に対して垂直および水平にずらされている。たとえば、光源2は、たとえば、約45°または約60°の角度で拡散光生成器20の上面全体を照明する。いくつかの実施形態では、光源2は、たとえば、拡散光生成器20が部屋の天井の平面に対して傾けられているとき、たとえば、拡散光生成器20の中心の垂直方向上方に配置され得る。
【0038】
図1の照明システム1の例示的な設置では、光源2は、窓状ユニット6を介して建物内の部屋30に光学的に結合される。部屋30は、たとえば、平行6面体として形作られ得、側壁、床、および天井60によって区切られ得る。
【0039】
一般的に、窓状ユニット6は、
図2に示し、以下に説明するように、光ビームと相互作用するように光源2のファーフィールド内にある。それによって、光源2は、太陽のような印象を提供することができる。
【0040】
部屋30の高さに応じて、光源2と窓状ユニット6との間の距離は、0.15mの出口開口を有する光源について1.5m〜7mの範囲内にある。そのような状況について、光源と観察者との間の距離は、たとえば、少なくとも2.5m〜9mの範囲内にある。
【0041】
図2は、窓状ユニット6を照明するために使用される、ファーフィールド内の発散光ビーム83を示す。ファーフィールドは、光源2によって発生されるニアフィールドに依存し、主光ビーム方向84によって特徴付けられる。発散光ビーム83を横切る局所的伝播方向、すなわち、指向性非拡散光の伝播方向は、発散光ビーム83の断面内の位置に応じて変更される。具体的には、中心伝播方向85は、発散光ビーム83の内側領域内の主光ビーム方向84と基本的に平行である。しかしながら、伝播方向87は、内側領域からの距離が増加するにつれて、主光ビーム方向84に対してますます傾斜する。例示的に、外へ最も遠い光ビームについて5°の最大角度が
図2に示されており、これは、発散光ビーム83の2×5°=10°のビーム発散(本明細書では、ファーフィールドにおける全角度広がりとも呼ばれる)に対応する。
【0042】
以下では、そのような発散光ビームを生成するための照明システムの例示的な光学構成が開示される。最初に、例示的な概略的な光ビーム経路について
図3に関連して説明し、様々なユニットの一般的な機能性について説明する。次いで、様々な特定の光学ユニットについて、(
図3に加えて)さらにそれぞれの特定の図を参照してより詳細に説明する。
【0043】
一般的に、光源2は、発光手段100と、コリメート手段200と、均質化手段300とを含み、これらは、光学ニアフィールド400を画定する光学ユニットである。ここで、コリメート手段200および均質化手段300の組合せは、光学システム2Aと呼ばれ、光学システム2Aは、発光手段100から1つまたは複数の開口部を介して光を受け、出口開口を介して光を発光し、出口開口は、好ましくは完全に照射され、均一な輝度と、発光手段100の元のエタンデュの多くを維持するエタンデュとを有する発光面を表す。
【0044】
光源2は、発光手段100で発生する一次光生成プロセスの動作に電子的バックグラウンドを提供するための電子制御ユニット(図示せず)をさらに含んでもよい。同様に、光源2は、光学ユニットのための支持を提供し、それらを互いに対して固定された方法で配置するために、ハウジングなどの構造コンポーネントを含んでもよい。
【0045】
光源2の下流には、伝播システム500が概略的に示されており、伝播システム500内には、光ビームの延長部分が、光学ファーフィールド600内に広がっている。ファーフィールド600において、光ビームは、次いで、窓状ユニット6上に落ちる。いくつかの実施形態では、伝播システム500は、
図2に示すように、ビームを折りたたむために、および/または、すでにそのファーフィールド特性を有するとき、ビームをコリメートするために、反射素子を備える。
【0046】
一般的に、発光手段100の機能は、コリメート手段200への良好な結合に適合した方法で光を提供することである。さらに、光は、照明の態様に適合される。具体的には、光は、たとえば、前方拡散成分の所望の色を提供するために、窓状ユニット6との相互作用に適合される。適合は、特に、発光方向分布、カラースペクトル、および強度分布に関連する。
【0047】
たとえば、光源2は、100nmよりも大きい、たとえば、170nmよりも大きいスペクトル幅を有する、400nmと700nmとの間の波長を有する光スペクトルの可視領域の光を提供する。いくつかの実施形態では、発光手段100は、単一の発光体、または、単独でもしくは組み合わせてそれぞれのスペクトルを提供する複数の発光体を含む。
【0048】
一般的に、コリメート手段200の機能は、入射光の光方向の角度広がりを集中させることである。それによって、その出力側での発光の領域は、エタンデュ要件を満たすために増加される。加えて、発光手段100の輝度は、できる限り維持されるべきである。言い換えれば、コリメート手段200の機能は、発光を収集し、発光を所定の投影立体角に均一に投影することである。
【0049】
上記で開示した照明システムについて、ファーフィールドにおける必要な全角度広がりは、照明されるべき物体、この場合には窓状ユニット6までの距離と、その物体のサイズとに依存する。45°未満で照明されている1m×2mのサイズを有する矩形物体(窓状ユニット6)について、それぞれ10°および30°の直交する全角度広がりは、光源2と窓状ユニット6との間の許容可能な距離を提供する。当業者には明らかであるように、5°〜10°の範囲内または5°〜50°の範囲内の全角度広がりは、開示された概念から逸脱することなく、本明細書に記載の照明システムに、または、本明細書で開示する光源の他の用途に適用可能である。同様に、直交方向における同じまたは異なるサイズの全角度広がり、ならびに回転対称の全角度広がりは、それぞれの用途において当業者には明らかであろう。
【0050】
コリメート手段200は、パラボラ状境界面での反射によって光の入射方向の角度広がりを光の出力方向の角度広がりに変換するパラボラ状集光器の概念に基づく。
【0051】
発光手段100およびコリメート手段200の相互作用は、光生成のタイプおよびサイズ(たとえば、単一のLEDまたはLEDのアレイ)ならびにファーフィールドの必要な形状に応じた様々な構成を可能にする。たとえば、コリメート手段200は、いわゆる複合パラボラ状集光器(CPC)210の単一のものまたはアレイに基づき得る。
【0052】
図3に概略的に示すように、CPC210は、全体として、入口開口部212と出口開口部214とを有する。CPCの例は、中空集光器と、全反射(TIR:Total Internal Reflector)集光器(誘電体CPCとも呼ばれる)とを含む。中空パラボラ状集光器は、パラボラの形状において高反射率の表面を提供するが、TIR集光器は、全内部反射をもたらすパラボラの形状における屈折率遷移を提供する。TIR集光器は、たとえば、回転パラボラの形状のポリマー系(シリコーン系など)材料であり得る。
【0053】
再び
図3を参照すると、CPC210の基本形状は、異なる焦点222、232を有する対向するパラボラ状セグメント220、230を備える。したがって、パラボラ状境界面(すなわち、中空CPCの反射面または反射率遷移の境界面)は、入口開口部212と出口開口部214を接続する。パラボラ状セグメント220によって画定されるパラボラの焦点222は、パラボラ状セグメント230によって画定されるパラボラ上に位置し、パラボラ状セグメント230によって画定されるパラボラの焦点232は、パラボラ状セグメント220によって画定されるパラボラ上に位置する。2つのパラボラ状セグメント220、230は、CPC210の軸240を通る反射に関して対称である。軸240は、CPC210を通る光透過の方向に、コリメート手段に沿って延びる。
【0054】
定義によって、パラボラ状セグメント220によって画定されるパラボラの軸224は、焦点222を通過し、パラボラ状セグメント230によって画定されるパラボラの軸234は、同様に焦点232を通過する。パラボラ220の軸224およびパラボラ230の軸234がCPC210の軸となす角度は、CPC210の(出力)全角度広がりを画定する。
【0055】
全角度広がりは、CPCが対称であるとき、受光角θ
CPCの2倍として定義され、その言葉は、逆方向の光を収集するためのCPCの使用に由来する。その場合、受光角よりも小さい軸240に対する入射角で出口開口部214に入る光は、入力開口部を介して反射され、受光角よりも大きい入射角を有する光は、入口開口部に反射されない。本明細書では、CPC210が軸240に対して受光角θ
CPCまでの角度を有する光を受け入れないが提供するという事実にも関わらず、角度広がりの半分を、CPC210の受光角θ
CPCとも呼ぶ。
【0056】
言い換えれば、コリメーションのためのCPC210を使用するとき、入口開口部212に入る光は、出口開口部214における一連の開口角度の例示250によって示されているように、多くて受光角θ
CPCである伝播の方向で出口開口部を出ることになる。現実の世界の実施形態では、いくらかの損失が生じ、したがって、より大きい角度の小さい集団も存在し得るが、原理的には、CPC210は、本質的には、その出口開口部214において、2θ
CPCの全角度広がりを有するコリメートされた光ビームを提供することは、当業者には明らかであろう。太陽光の模倣の用途では、受光角θ
CPCは、純粋なパラボラ構成でのみ明確に定義されるので、パラボラ形状にできる限り近づけたままにすることは、ビームのレイトレーシング特性を向上させる(全角度広がりの外側の光線の割合を減らす)ことになる。したがって、この点について、レイトレーシング特性は、効率より好ましい可能性がある。
【0057】
たとえば、様々な色の局所的なLEDを使用するとき、強度および色に関してCPC210に入る光の局在化を考慮して、CPC210を出る光も、強度および色において、出口開口部214を横切るいくらかの不均質性を有する可能性がある。さらに、CPC210のアレイの場合には、反射CPC210の壁226、236の厚さは、隣接するCPC210間に暗い領域260をもたらすことになる。したがって、出口開口部214を見るとき、観察者は、CPC210ならびにボイド領域260に入る光の局在化に起因する構造などの、いくらかの不均質性を見る可能性がある。
【0058】
一般的に、均質化手段300の機能は、コリメート手段200から出てくる光をさらに均質化し、コリメート手段200によって生成されたものと同様であるが、輝度と(場合によると)色の両方においてはるかにより均質的(ファーフィールドにおける矩形の平坦面)な投影を生成することである。
【0059】
均質化手段300は、ニアフィールド400を形成する最後の光学素子を表し、したがって、光源2を見るとき、観察者による太陽の模倣の印象を決定する光学素子である。その意味では、均質化手段300の出力側の発光部分は、光源2の出口開口部320と呼ばれる。(ほぼ)円形出口開口の直径は、太陽光模倣照明に必要な発散および距離に依存する。直径は、5°〜50°の範囲内のビーム発散および観察者と光源2との間のそれぞれの距離について、80mm〜400mmの範囲内(たとえば100mm、または150mm、または400mmよりも大きいなど)であり得る。
【0060】
均質化手段300の目的は、ニアフィールド内のビームを横切るほぼ一定の輝度を提供することであり、したがって、ビームのファーフィールド内の様々な観察角度に対して一定の強度を提供することである。本明細書に記載のように、タンデムダブルレンズアレイなどの1対のレンズ構成は、均質化手段300において光学素子として使用され得る。
【0061】
タンデムダブルレンズアレイの例は、フライアイ集光器(FEC)310または、空気によって分離された2つのレンズのアレイを含む。一般的に、レンズは、球面収差を低減するために楕円体であり得る。しかしながら、角度分布を維持するために、通常は、2つの対向するレンズは、同一の焦点距離fを有し、等しい距離e=fnに配置され、nは、レンズの間の(平均化された)屈折率である。FEC310は、たとえば、マイクロレンズアレイとして対向面に形成されたマイクロレンズを有するプラスチックのバルク要素であり得る(「マイクロ」レンズは、数ミリメートル以下の範囲内の直径を有するレンズを指し、そのサイズは、たとえば、0.1〜0.2mmの範囲内の出口開口に有用であり、より大きい出口開口はまた、原理的にはより大きいレンズを使用し得る)。
【0062】
均質化手段300は、受光角θ
CPCに適合され、コリメート手段200から発光された光を小さい領域内でリミックスする。均質化手段300それ自体は、コリメート手段200の受光角、たとえば、CPC210のθ
CPCを考慮して選択された受光角によって特徴付けられ得る。さらに、あらゆるパターンの繰り返しを避けるために、コリメート手段200のCPCアレイ構成などの特定の構成を考慮して、レンズ対の横方向の広がりおよび位置決めが選択され得る。
【0063】
たとえば、数メートルにわたる、伝播システム500内の光ビームの伝播中、ファーフィールド600は、ニアフィールド400から発達する。いくつかの実施形態では、伝播システム500のサイズを低減するために、折り返しミラーが存在し、および/または、光ビームのサイズを窓状ユニット6に適合させるために、いくつかのグローバルリフォーカシング光学素子が伝播システム500内に設けられる。
【0064】
以下では、光学ユニットの例示的な実施形態が特定の構成について開示され、ここで、太陽の模倣は、円形のニアフィールド(円形の出口開口320)を必要とするが、そのファーフィールドは、窓状ユニットの矩形の幾何学的形状に適合される。
【0065】
図3では、発光手段100は、単一のCPC210の入口開口部212に面する発光領域112を有するLED110の断面として例示的に示されている。発光領域112は、大きい角度分布範囲において、たとえば、平面LEDについてはランバーシアン発光パターンにおいて発光する。
【0066】
図3に示す反射中空CPCは、直接取り付けられたとき、LED110を損傷する可能性があるので、
図3に示すように、CPC210は、LED110の表面からいくらかの距離d
LED(軸240の方向に計測する)において取り付けられる。距離d
LEDに基づいて、LED110とCPC210との間のギャップ内に発光され、したがって、CPC210によってコリメートされない光について、その光のいくらかの損失が生じる。原理的には、シリコーンなどの「柔らかい」材料を想定して、発光領域112に接触していることが可能な誘電体CPCを使用するとき、これらの損失は、原理的には減少する可能性がある。
【0067】
図3にさらに示すように、パラボラ220およびパラボラ230の各々は、発光領域112のそれぞれの側端部を通って延び、それによって、CPC210の集光領域内に光源を配置することによって効率的なコリメーションを可能にする。言い換えれば、発光領域112の位置は、焦点222、232、またはその上流にあり、それによって、コリメートされるパラボラ状部分内に発光領域を配置する。
【0068】
図3では、例示を単純化するために、単一の発光領域112を有する単一のLED110のみが示されているが、原理的には、複数のLEDおよび/または複数の発光領域を有するLEDが、単一のCPC210内に発光するために使用され得る。たとえば、複数のLEDは、1または2次元アレイに配置され得、アレイは、その後、必要な幾何学的形状の単一のCPCの対象となる。しかしながら、発光領域間の任意の空間は、エタンデュに寄与せず、したがって、エタンデュを制限せず、加えて、CPCの出力の均質性に影響を及ぼさない(後者は、均質化手段300によって少なくとも部分的に解消され得る)。
【0069】
正方形の発光領域112について、4つの同一のパラボラ形状を有する2次CPCが使用されてもよく、それは、同一のパラボラ形状を仮定して、直交方向に同一の発散角を有する2次ニアフィールドおよび2次ファーフィールドをもたらすことになる。同様に、円形の発光領域112は、円形CPCを用いて収集され得、それは、FECなしで軸対称の角発散を有する円形ニアフィールドおよび円形ファーフィールドをもたらす。矩形のファーフィールドビームについて、以下で説明するように、矩形の発光領域112が、矩形CPCと組み合わせて使用され得る。
【0070】
円形ニアフィールドについて、一般的には、マスク構成が適用され得る。しかしながら、すべてのマスクは、光を遮り、したがって、効率を低下させる。対照的に、複数のCPCの配置は、以下で説明するように、円形形状を近似することができる。具体的には、これを、矩形ファーフィールドを提供するために矩形CPCを用いて行うことができ、または、円形ファーフィールドを提供するために円形CPCを用いて行うことができる。
【0071】
図4には、矩形CPC内に効率的に発光することを可能にし、加えて、光学システム2Aの出口開口の円形形状を支持するLEDの例示的な配置が示されている。さらに、単一のCPCからのスペクトルは、様々なタイプのLEDを混合することによって調整され得る。CPCごとの複数のLEDの配置は、CPCレベルで調整可能な光源の柔軟性を提供する。
【0072】
一例として、
図4は、6つのLEDのLEDフレーム410内の冷白色、温白色、緑色(シアン)、および青色のLED(それぞれ、C、W、G、およびBと呼ばれる)の配置を示す。すべてのCPCにわたってそれらの色が均一に分配されるようにLEDを配置する(コリメート手段200レベルで見たとき、外観上色の変調がない)以外に、様々な色のタイプのLEDはまた、LEDフレームの各位置がファーフィールド内の各位置にすべての色を均一に入れるように、LEDフレーム410内のそれらの位置に分配され得る。
【0073】
図4では、1mm×1mmの発光領域サイズの6つのLEDと、2つの隣接するLED間の0.5mmの空間(図示せず)とを有する1つのLEDフレーム410は、1つのCPCのための発光体に対応する。その構成では、LEDフレーム410の短端部を画定する矩形CPCのパラボラは、LEDフレーム410内の最初と最後のLEDの発光領域のそれぞれの側端部を通って延びることができる。
【0074】
さらに、
図4の配置は、円形ニアフィールドを支持する。具体的には、発光手段100は、矩形形状の中央部分420(各々が4つのLEDフレーム410を有する6ラインのマトリクスとして例示的に示す)と、2つの等脚台形状部分430とを備える。等脚台形状部分430は、中央部分420の長辺422、424の隣にそれぞれ配置される。各等脚台形状部分430において、等脚台形状部分430が円の部分の形状を近似するように、中央部分420がその短辺426、428の方向に延びる限り、外側のラインの長さがほぼ延びるまで、各ライン内のLEDフレームの数は、1ずつ段階的に減少される。
【0075】
図4の実施形態は、最密充填で配置された正方形LEDに基づいて、矩形(非対称)のファーフィールド投影に向けられた矩形の連続的な発光体を近似する発光手段100のサンプルを表す。
【0076】
加えて、発光手段100は、コリメート手段200を、たとえば、LED配置上に正確に取り付け、特にLEDフレーム410の平面の方向における適切な整列を容易にするために、取付け構造(ネジ穴440など)を含んでもよい。
【0077】
さらに、発光手段100は、LEDフレーム410に電力を供給する制御部450を含んでもよい。
【0078】
たとえばLED110に直接取り付けられたドームレンズまたは任意の他の光学素子によって角度発光を制限しないことは、コリメート手段200に大きい角度入力を供給することと、光伝播方向の全角度範囲または少なくとも大きい角度範囲をコリメート手段200に入れることとを可能にする。言い換えれば、CPCの入口における平面LED配置は、CPCの入口においてほぼ完全に光る表面を設けるように構成され、それは、個々のLEDの光をすでにコリメートしているドームでは不可能である。
【0079】
LED以外の発光デバイスは、たとえば、CPC入口開口部に特に適合された開口部を有するカバーを有する光源を設けることによって使用され得る。
【0080】
図5は、
図4に示すLED配置の光などの、発光手段100の光を受けるように構成されたコリメート手段1200を示す。
【0081】
具体的には、コリメート手段1200は、矩形CPC1210の2次元アレイである。特に、矩形CPC1214は、互いに隣接して配置され、緊密に詰められている。すべての矩形CPC1214は、等しく、それらの入口開口部1212が同じ入力平面内にあり、それらの出口開口部1214が同じ出力平面内にあるように配置される。すべての出口開口部1214の配置は、円形表面を近似するCPC出口開口を構成する。同様に、すべての入口開口部は、発光手段100のLEDフレーム410によって提供されるような円形領域から発光される光を受けるように配置される。
【0082】
CPC出口開口の円形形状を近似するために、コリメート手段1200は、矩形形状の中央部分を形成する矩形CPC1214(
図5では、例示的に、各4つのCPCの6つのラインのマトリクスが示されている)と、2つの等脚台形状部分とを備える。等脚台形状部分は、中央部分の長辺の隣にそれぞれ配置される。各等脚台形状部分において、円の部分の形状が近似されるように、中央部分がその短辺の方向に延びる限り、外側のラインの長さがほぼ延びるまで、各ライン内のCPCの数は、1ずつ段階的に減少される。
図5の例では、各等脚台形状部分の内側のライン1270は、3つの矩形CPC1214を備え、外側のライン1272は、2つの矩形CPC1214を備える。
【0083】
同様に、構成された表面が楕円形状を近似する実施形態も可能である。
【0084】
単一の矩形CPC1214は、たとえば、1mm×1mmのLED発光領域よりもわずかに大きい1.2mmの幅(それによって、単一の2次LEDに正確に適合する)と、単一の矩形LEDフレーム410よりもわずかに大きい約9.0mmの長さとを有する矩形入口開口部1212を有する。さらに、単独の矩形CPC1214は、約12mmの幅と約32mmの長さとを有する出口開口部1214を有する。
図5中の中空CPCについて、壁厚は、0.4mmなどの0.2mm〜1mmの範囲内である。したがって、隣接するCPCの変位ピッチ1216、1218は、CPCの物理的延長に対応する、出口開口部の長さ/幅に壁厚の2倍を加えたものである。
【0085】
矩形CPC1214は、漏斗状の形状を有し、各々が
図3に従って一次元的に湾曲している4つのパラボラ状反射面によって形成される。内面は、たとえば、金属アルミニウムシートなどの鏡面であり、高反射性である。対向する内面は、出口開口部1214において、たとえば、(その長さにわたって)30°の全角度広がりと、(その幅にわたって)10°の全角度広がりとを提供するように、同一のパラボラ形状で形成される。
【0086】
図5は、組合せでCPC1210の適切な整列を容易にする、第1の取付けプレート1280と、第2の取付けプレート1282と、距離保持バー1284とを有する取付け構成をさらに示す。具体的には、第1の取付けプレート1280は、形状において出口側のCPC配置の円周線に対応する位置決め開口部1286を備える。第2の取付けプレート1282は、各CPCについて、形状においてその入口開口部までのいくらかの距離において単一のCPC1210の円周線に対応する個々の位置決め開口部1288を備える。
【0087】
互いに対する第1の取付けプレート1260および第2の取付けプレート1262の正確な整列は、距離保持バー1284を介して達成される。具体的には、複数の同一のCPC1210は、まず、第1の取付けプレート1280の位置決め開口部1286内に配置される(そして、たとえば、そこに接着される)。次いで、個々の位置決め開口部1288を有する第2の取付けプレート1282は、CPC1210の上に置かれる(そして、たとえば、そこに接着される)。最後に、取付けプレートは、距離保持バー1284を介して、一定の角度および距離において互いに取り付けられる。
【0088】
いくつかの実施形態では、CPCは、第1の取付けプレート1260に対して整列され、次いで、たとえば接着剤によって、互いにおよび第1の取付けプレート1260に取り付けられる。したがって、第2の取付けプレート1262は、必要とされなくてもよい。
【0089】
コリメート手段1200は、ビームがコリメート手段1200を出るときに、光ビーム特性、具体的には、その断面の形状およびその発散を、ビームの形状から切り離すことを可能にする。
【0090】
この場合には、CPC1210は、CPCのサイズだけ互いに対して変位した矩形断面を有する同一の「単位光ビーム」を生成する。この変位は、すべてのビームが矩形のファーフィールド照明を形成するために本質的に互いに重なるように、ファーフィールド内のビームと比較して小さい。実際には、単位光ビームは、単一の単位光ビームと同じ矩形断面および同じ発散角を有する1つの複合光ビームに溶け込む。したがって、
図4および
図5に示す実施形態は、複合ビームが生成されるのを可能にし、複合ビームは、複合ビーム自体の軸に対して垂直な平面内で光源2から所望の距離に、所望の面積および形状の矩形である部分を有する。
【0091】
さらに、
図4および
図5の実施形態は、任意の形状、たとえば、円形または楕円形であり得る発光表面を有する光源を作成することを可能にする。出口開口部のサイズは、階段状に変更された円周を決定する。これらの依然として存在する円周線の階段を除去するためになんらかのマスクが使用され得るが、ビームの高輝度を考慮して、観察者は、コリメート手段1200を見たとき、マスクが必ずしも必要とされなくてもよく、ビームを遮ることによる損失が導入される必要がなくてもよいように、通常はこれらの階段に気づかないであろう。
【0092】
他の形状およびタイプの反射型集光器が使用されてもよい。一般的に、CPCは、上記で論じたように、中空CPCならびにTIRCPCであってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、正方形発光領域は、正方形入力開口および正方形出力開口を特徴とする正方形タイプの対応するCPCと組み合わされる。そのようにして、各発光デバイスは、2つの直交方向において同じ発散角を有する正方形ビームを生成する。
【0094】
いくつかの実施形態では、円形発光領域は、円形入力開口および円形出力開口を特徴とする円形タイプの対応するCPCと組み合わされる。この場合、CPCは、円対称のビームを生成する。
【0095】
図6は、隣接する円形CPC1290間に距離1292を有する円形CPC1290の配置を示す。円形の幾何学的形状により、(3つの)CPC1290間の暗い領域1260の延長は、壁厚の2倍よりも大きく、これは、以下で明らかになるように、均質化手段300の位置決めに影響を及ぼすことになる。さらに、緊密に詰められた矩形CPCと比較して、出力開口が非発光の暗い領域の(より大きい)部分を有するので、全体的なエタンデュは、低減することになる。
【0096】
さらに、反射系が円形パラボラの形状を有するミラーを備える場合、円形ビーム源の使用が有利である。この場合、光源2は、円形LEDアセンブリに結合された単一の円形CPCから製作され得、この解決策は、円形のニアフィールドを得ることを可能にする。
【0097】
上記で論じたように、開示された実施形態は、とりわけ、光源2の出口開口の円形の外観、すなわち円形のニアフィールドにもかかわらず、ファーフィールドにおける矩形の投影を可能にする。さらに、CPCは、コリメーション後のLED光の輝度の(ほぼ)最大の維持を可能にする。
【0098】
加えて、ファーフィールド内の投影された平坦な上部スポットの(輝度およびいくつかの場合には色の)高い均質性が望まれる。CPC配置は、しかしながら、観察者が輝度/色の対応する不均質性を見る可能性があるように、別個のLED光源を透過させる。たとえば、側面からCPC構造を見るとき、CPCの片面を常に見ることになる。LEDフレームのため、間により照明されない領域を有するLEDフレームによる側面の直接照射のため、輝度(外観)のストライプ状の構造/変調を見ることになる。これは、CPCの出力開口上にグリッド状構造をもたらす。さらに、特に中空CPCについて、
図3に示すように、暗い領域260をもたらす最小の壁厚が必要とされる。暗い領域は、さらに、グリッド状構造を強調する。
【0099】
したがって、均質化手段300なしの出口開口における均質性は、依然として改善され得る。高輝度プロジェクタについて、ファーフィールドの投影光のみが観察されるので、光源の視覚的外観は、あまり/まったく重要ではない。したがって、太陽の模倣として均一で完全に光るディスクの知覚は、太陽光模倣照明システムの特定の態様である。均質化手段300は、出力開口を横切る欠乏および輝度の変調を除去するか、または少なくとも低減するように構成される。
【0100】
以下では、マイクロレンズアレイに基づくFEC310を、
図3、
図6、および
図7に関連して対のレンズ構造の一例として説明する。
【0101】
FEC310は、互いに対して焦点距離において配置された(中間の内側)1対のレンズアレイ1312、1314からなる光学システムである。ここで、1対の第1のアレイ1312の第1のレンズ1322および第2のアレイ1314の第2のレンズ1324は、レンズレット1320と呼ばれる。
【0102】
図7は、一連の5つのレンズレット1320を示す。各レンズレットの第1のレンズは、各平面波成分を第2のレンズの表面に集束させる。具体的には、光は、平面波伝播方向に固有の横方向(xy)位置において集束される。これを、3つの例示的な平面波伝播方向について
図3ならびに
図7に示す。
図3では、0°に沿った伝播方向ならびに±θに沿った伝播方向が示されているが、
図7は、0°ならびに、±θよりも「小さい」2つの入射角を示す。
【0103】
図7に示すように、0°に沿って伝播するビーム部分に対応する平面波1340は、第2のレンズ(焦点1342)上に中心的に集束されることになる。左から来る平面波1360は、右側(焦点1362)において集束することになり、右から来る平面波1350は、左側(焦点1352)において集束することになる。ニアフィールドにおいて、たとえば、FECが光源のニアフィールド内に(しかし近すぎずに)配置されたとき、すべてのレンズレット1320は、CPCの全角度広がりの範囲内(|伝播角度|<θ
CPC)のすべての伝播方向によって照射される。
【0104】
第2のレンズは、第1のレンズが(ほぼ)均一に照明されたとき、ファーフィールド内に第1のレンズの像(たとえば、矩形レンズ開口の矩形)を生成する。言い換えれば、すべてのレンズレットは、第1のレンズ内のある点がファーフィールド内の特定の位置に結像される(マッピングされる)ように、その上に入る光を再混合する。言い換えれば、ファーフィールド内のすべての点は、第1のレンズ上のすべての照明された点からの寄与を受ける。これは、
図7中の各焦点から出てくる光線の束1344、1354、1364によって示される。
【0105】
FEC310のレンズレット1320は、レンズの焦点距離とレンズの開口とによって決定される受光角に関連付けられる。2つのレンズの焦点距離が同一であり、レンズが等しい距離e=fnにおいて配置されている場合、FEC310の出力発散(受光角とも呼ばれる)は、焦点距離fで割った単一のレンズの開口aに比例する。
【0106】
言い換えれば、FECの受光角βは、(半)出力角に対応し、β〜a/(2f)によってマイクロレンズアレイの幾何学的形状にリンクされ、
図3に示すように、aは、レンズの(全)開口(長さ寸法)であり、fは、焦点距離(空気中、層の厚さは、nfであり、nは、レンズレットの平均屈折率)である。この式は、小さい角度について有効であるが、半受光角>5°〜10°については、高次補正が必要とされる。
【0107】
FEC310の外観に関連して、出力開口を見たとき、CPC210の受光角θ
CPCとFEC310の受光角β
FECとの間の一致がある。
【0108】
第1のアレイに入射するビームの(入力)開口角θ
CPCがレンズレットの受光角β
FECよりもはるかに小さい場合、第2のアレイの中央部分のみが、光を受け、光を広げることになる。したがって、FECを見るとき、これらのスポットに対応する明るい小さい領域のグリッドが可視になる(光は、これらのスポットのみによって第2のアレイから発光される)。
【0109】
しかしながら、(入力)受光角θ
CPCが受光角β
FECと一致する(または少なくとも近い)とき、第2のアレイレンズ全体は、第1のアレイから光を受ける。次いで、FECを見るとき、完全に光を当てられた物体が知覚される。いくつかの実施形態では、CPCおよびFECの角度は、正確に一致し、それによって、FECにFEC自体の受光角を与える。
【0110】
一般的に、物体の外観は、(入力)受光角θ
CPCが受光角β
FECと一致する限り、第1のアレイのレベルにおける照度プロファイルのみに依存する。
【0111】
具体的には、LEDアレイの離散化およびトリミングされたCPCの幾何学的構造(すなわち、CPCは、LED光源に直接接触していない)に起因する任意の構造は、FEC310を介する再混合によって除去され得る(または少なくとも低減する)。
【0112】
完全を期すために追記すると、受光角β
FECよりも大きい角度で第1のレンズ上に入射する光線は、(レンズレットの対応するレンズではない)第2の層の隣接するレンズに向けられ、それによって、ファーフィールドにおいて異なる次数(すなわち、レンズの像のクローン)を生成する。この効果は、FECレンズレット間のクロストークと呼ばれ、暗箱内に背景照明をもたらす可能性がある。
【0113】
図8は、FEC1310とCPC1210との組合せを示す。CPC1210は、それぞれ、x方向およびy方向における10°および30°のビーム発散を提供する。x方向およびy方向において完全に発光する照明を提供するために、FEC1310は、出て行くCPCビームのそれぞれの到来する全角度広がりにサイズが適合された矩形レンズレット1360を備える。具体的には、10°および30°の出力発散は、たとえば、約e=5mmの厚さにおけるa
x=0.7mmおよびa
y=2mmのレンズレットの矩形形状を規定する。
【0114】
上記で説明したように、光源2の連続的に照射される出力開口を提供する目標は、CPC210に一致したFEC310の発散によってサポートされる。しかしながら、照明されないレンズレット1360は、いかなる光も発光しないので、FEC210の連続照明が必要とされる。
【0115】
その目的のため、均質化手段300、および、特にFEC310は、コリメート手段200の出口開口部214の背後にいくらかの距離D
CPC−FECにおいて配置される。それによって、個々のCPCビームの発散のため、CPC210の壁によって作成される暗い領域260は、深さが減少した(コントラストが減少した)影状領域をもたらし、本質的には、もはや、ビームを横切って、したがって、FEC310のレンズレット上に影状領域として存在しない。本発明者らは、出口開口部214とFEC310との間の最小距離が、FEC310の高度に均質に照明された出力開口を達成するために必要とされることに気づいた。ビーム発散がより小さくなると、より大きい距離D
CPC−FECが必要とされる。FECの受光角にも同じことが当てはまり、この場合、FECの受光角は、CPC(半角)からのビーム発散に本質的に対応する。したがって、追加の距離が、ビームが広がるにつれて輝度を低下させるにも関わらず、輝度の均質性は、向上する。
【0116】
言い換えれば、マイクロレンズアレイの各入口マイクロレンズは、ビームのニアフィールドの一部を受け(すなわち、入口レンズの照明)、出口マイクロレンズでそれを結像することによって、それをファーフィールド内に投影する。CPCの角度広がりとマイクロレンズアレイの角度広がりとの間の一致は、マイクロレンズアレイの視覚的外観における欠乏を低減する。CPCの開口角がマイクロレンズアレイの開口角よりも小さい場合、出口開口は、完全には照明されないように見え、輝度の欠乏が、マイクロレンズ上に現れる。変調は、その後、グリッド、太陽の外観を損なう構造、および、照明された物体の半影内の複数の影をもたらすことになる。本明細書に開示された光学システムを使用して、入口の箔のホットスポットおよびCPC(入口開口部)の入口における色変調は、平均化され得る。
【0117】
完全に照明された出力開口を提供するために、CPC受光角とFEC受光角とのマッチングは、第2のレンズアレイの表面の少なくとも70%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも95%、または100%が照明されるように選択される。同様に、隣接するマイクロレンズの10%までまたは5%までが、出力開口の許容可能な均質さの外観を依然として有して照明され得る。
【0118】
暗い領域を少しも持たないCPC配置について、最小距離に関する上記の要件は、与えられなくてもよい。しかしながら、上記で説明したように、マイクロレンズアレイとCPC出口開口部との間に最小距離を導入することは、さらに、暗い領域によって導入される構造を低減もしくは解消することになり、または、たとえば、LED離散化による(色と輝度の両方の)伝播残留ニアフィールド構造によって塗りつぶすことになる。
【0119】
開口角のマッチングに関して、0.90β
FEC≦θ
CPC≦1.10β
FECを選択することが提案される。これは、たとえば、10°および30°の発散に適用される。いくつかの実施形態では、以下の比、θ
CPC(30°)/β
FEC(30°)=1.05およびθ
CPC(10°)/β
FEC(10°)=0.90が許容可能であった。いくつかの実施形態では、0.85β
FEC≦θ
CPC≦1.15β
FECなどのより大きいミスマッチが、原理的には作動することができる。
【0120】
CPCおよびFECのための代替的な発散は、たとえば、より小さい角度について7°〜20°の範囲内であり、より大きい角度について15°〜50°の範囲内である。
【0121】
(中空CPCの代わりに)誘電体CPCについて、少なくとも原理的には、多くの単一の誘電体CPCを生成し、それらを分離壁なしでアレイ内に組み立てることができる。したがって、最小距離は、必要でなくてもよく、または、遷移領域内に製造プロセスによって引き起こされる非理想特性から生じる可能性がある。
【0122】
上述のように、いくらかの距離がCPCとFECとの間に導入されるが、レンズは、ビームに影響を及ぼす追加の表面を挿入しないように、CPCのすぐ下流では使用されない。したがって、最終的な平均輝度をわずかに減少させるが、FECのためのより良好な入力を得る。
【0123】
最小距離に関して、θ
CPCと暗い領域の延長とに基づいて、隣接するCPCからのビームレットの重なりを保証するために、最小距離D
minがp/(2tan(θ
CPC))であることが推定されており、pは、暗い領域からの影響を支配する、通常は最小の発散の方向における暗い領域の延長である。より大きい距離について、FECは、原理的には、強く暗いグリッドなしで、または、大幅にかつ徐々に減少される強く暗いグリッドありで、照明を受ける。
【0124】
(0.4mmの反射性アルミニウム2重箔の壁厚に対応する)約0.8mmの(CPCの出口側における)暗い領域と、10°の最小発散とを有する中空矩形CPCについて、黒線(壁のグリッド状の「影」)の出現は、10mm〜30mmの範囲内の距離において消滅すると評価された。理論上の最小推定値である10mmは、2つの隣接するビーム間の重なりが始まる場所を示す。知覚される暗いグリッドの良好な削除のために、たとえば、その最小距離の少なくとも2倍、たとえば、少なくとも25mmまたは少なくとも30mmの最小距離が適用されるべきである。しかしながら、選択された距離がより長くなると、輝度の低下がより大きくなることになる。
【0125】
円形CPCを有する実施形態について、6角形に整形されたレンズレットを有するFEC構成は、6角形のファーフィールド、本質的には、近似された円形ファーフィールドを提供することができる。
【0126】
図9は、取り付けられた状態の
図5のコリメート手段1200と、それに取り付けられたFEC1410とを備える光学システム2Aを示す。FEC1410は、フレームブラケット1420およびセパレータ1430を介してコリメート手段1200のCPCの出口開口部から(最小距離D
minよりも大きい)予め選択された距離において取り付けられる。FEC1410は、円形領域内にマイクロレンズ構造を強制するモールドから作られ得る。
【0127】
出口開口内の反復構造をさらに回避するために、レンズレットの寸法および出口開口部の寸法は、隣接するCPC間に位置ずれが存在するように選択され、たとえば、レンズレットの長さは、(壁厚を含む)CPCの長さと同一ではない。
【0128】
図1を参照すると、窓状ユニット6は、たとえば、出口開口と窓状ユニット6との間にせいぜい折り返しミラー系を有して、光源2によって照明される。照明システムに関して上記で論じたように、拡散光生成器20は、たとえば、平行6面体パネルなどのパネルとして成形される。具体的には、パネルは、2つの平行面によって区切られてもよく、表面に垂直な方向に沿って測定して、表面の面積の5%よりも大きくない、たとえば、1%よりも大きくない2乗値を有する厚さを有する薄さであってもよい。
【0129】
窓状ユニット6は、可視範囲内の光を実質的に吸収せず、赤色波長範囲内の光(約650nm)よりも、少なくとも1.2倍、たとえば、少なくとも1.4倍、少なくとも1.6倍など、効率的に青色波長範囲(約450nm)内の光を拡散するレイリーパネルであってもよく、拡散効率は、衝突光の発光パワーと拡散光の発光パワーとの間の比によって与えられる。
【0130】
いくつかの実施形態では、拡散光生成器20は、第1の材料(たとえば、優れた光透過性を有する樹脂またはプラスチック)の固体マトリックスを備え、固体マトリックス内には、第2の材料(ZnO、TiO
2、ZrO
2、SiO
2、Al
2O
3などの無機酸化物)のナノ粒子が分散されている。第2の材料は、第1の材料の屈折率とは異なる屈折率を有する。好ましくは、第1および第2の材料は、基本的に、可視波長範囲の電磁発光を吸収しない。
【0131】
さらに、拡散光生成器20は、拡散光生成器20の任意の点が与えられると、その点における拡散光生成器20の物理特性がその点の位置に依存しないという意味で、均一であり得る。さらに、拡散光生成器20は、モノリシックであり得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、球形または他の形状のナノ粒子は、単分散であってもよく、および/または、[10nm〜250nm]、もしくは[40nm〜180nm]、もしくは[60nm〜150nm]などの、[5nm〜350nm]の範囲内の有効直径Dを有してもよく、有効直径Dは、ナノ粒子の直径に第1の材料の屈折率を乗じたものによって与えられる。
【0133】
さらに、ナノ粒子は、それらの面密度、すなわち、1平方メートルあたりのナノ粒子の数N、すなわち、1m
2の面積を有する拡散光生成器20の表面の一部によって画定された体積要素内のナノ粒子の数が条件N≧N
minを満たすように拡散光生成器20内に分散され、ここで、
【0135】
であり、ここで、vは、1メートルの6乗に等しい次元定数であり、N
minは、数/メートルの2乗によって表され、有効直径Dは、メートルで表され、ここで、mは、第1の材料の屈折率に対する第2の材料の屈折率の比に等しい。
【0136】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも面密度に関する限り、均一に分布し、すなわち、面密度は、拡散光生成器20上で実質的に均一であるが、ナノ粒子分布は、拡散光生成器20にわたって変化する可能性がある。面密度は、たとえば、平均面密度の5%未満変化する。面密度は、ここでは、0.25mm
2よりも大きい面積にわたって定義された量として意図される。
【0137】
いくつかの実施形態では、面密度は、光源2によって照らされるように、拡散光生成器20全体にわたる照度差を補償するように変化する。たとえば、点(x,y)における面密度N(x,y)は、式N(x,y)=Nav×lav/l(x,y)±5%によって、点(x,y)において光源2によって生成された照度l(x,y)に関係し得、ここで、Navおよびlavは、平均照度および平均面密度であり、これらの後者の量は、拡散光生成器20の表面にわたって平均化される。この場合、拡散光生成器20の照度は、拡散光生成器20上の光源2の照度プロファイルの非均一性にもかかわらず、等化され得る。これに関連して、標準ASTM(米国材料試験協会)E284−09aに一例として報告されているように、輝度は、所与の方向から見た表面の投影面積の単位あたり、および、立体角の単位あたりの、所与の方向において表面から発する(または、表面に落ちる)ビームの光束である。
【0138】
小さいDおよび小さい体積分率(すなわち、厚いパネル)の制限において、面密度N≒N
minは、約5%の散乱効率をもたらすと予想される。単位面積あたりのナノ粒子の数が多くなるにつれて、色の品質を損なう可能性がある複数の散乱または干渉(高い体積分率の場合)が生じるまで、散乱効率は、Nに比例して増加すると予想される。ナノ粒子の数の選択は、したがって、特許文献1に詳細に記載されているように、散乱効率と所望の色との間の妥協点の探索によってバイアスされる。さらに、ナノ粒子のサイズが大きくなるにつれて、後方光束に対する前方光束の比が増加し、そのような比は、レイリー限界における1に等しい。さらに、比がより大きくなるにつれて、前方散乱円錐は、より小さくなる。したがって、比の選択は、大きい角度で散乱された光を有することと、後方散乱光のフラックスを最小にすることとの間の妥協点の探索によってバイアスされる。しかしながら、それ自体公知の方法では、反射を最小にする目的で、拡散光生成器20上に反射防止層(図示せず)が配置されてもよく、そうすることによって、照明システム1の発光効率は、高められ、部屋30の中の観察者からの(物理的要素としての)拡散光生成器20の可視性は、低下する。
【0139】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、球形形状を持たなくてもよく、そのような場合には、有効直径Dは、同等の球形粒子の有効直径、すなわち、上述したナノ粒子と同じ体積を有する球形粒子の有効直径として定義することができる。
【0140】
さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、多分散であり、すなわち、それらの有効直径は、分布N(D)によって特徴付けられる。そのような分布は、表面単位あたりのナノ粒子の数と、有効直径Dの近傍における有効直径の単位区間とを記述する(すなわち、D1とD2との間の有効直径を有する表面単位あたり粒子の数は、
【数2】
に等しい)。これらの有効直径は、範囲[5nm〜350nm]内に入ることができ、すなわち、分布は、この範囲内では非ゼロであり得る。この場合、散乱効率が、ほぼ、すなわち、小さい粒子の制限で、ナノ粒子の直径の6乗で増大することを考えると、多分散分布は、ほぼ単分散分布として振る舞い、代表直径D’effは、
【0144】
D’effは、[5nm〜350nm]、好ましくは[10nm〜250nm]、より好ましくは[40nm〜180nm]、さらにより好ましくは[60nm〜150nm]の範囲内にあるように選択され得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、窓状ユニット6は、光源2によって照明される着色ミラーを含んでもよい。したがって、光ビーム3の反射は、散乱効果と組み合わされる。着色ミラーは、ミラーリング表面と、ミラーリング表面の前面の拡散層とを備えてもよい。拡散層は、透過構成について上記で説明したレイリー散乱器として動作してもよい。たとえば、拡散層は、好ましくは、衝突光の長波長成分に対して衝突光の短波長成分を優先的に散乱させる。たとえば、着色ミラーは、ガラスミラー、プラスチックミラー、または金属ミラーを基礎とすることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、光源2の最大輝度が0.1×10
6cd/m
2よりも高く、たとえば、少なくとも1×10
6cd/m
2、または少なくとも5×10
6cd/m
2以上であるときはいつも、光の自然らしさが向上する。これらの値について、実際のところ、光源2は、光源自体が見ることが困難になるのに十分なグレアを生成し、それによって、観察者が目の焦点合わせの機構によって光源の距離を評価することを防止する。これらの輝度値は、無限のブレークスルー効果を得るのに寄与する。さらに、グレアは、光源2の輝度プロファイル内の潜在的な不均一性を検出することを困難にし、したがって、光源2の像と実際の太陽の像との間の差異を検出することを困難にする。
【0147】
いくつかの実施形態では、出口開口は、円を近似し、光学システムは、像をねじらないので、観察者によって知覚される第1の光源2の像は、依然として円形に形作られる。いくつかの実施形態では、窓状ユニットは、たとえば円形発散を有する光ビームにより照射された楕円形状を有する。しかしながら、他の形状、たとえば、細長い形状も可能である。いくつかの実施形態では、折り返しミラーは、円筒対称性を有するパラボラの一部として成形され得る。
【0148】
反射系が少なくとも1つの円筒対称性を有するパラボラを含むときはいつも、直交軸にそって導入される異なる倍率が補償されるように、出口開口は、楕円形状を近似してもよく、したがって、観察者の網膜上の円形状の光スポットの作成を可能にする。
【0149】
本明細書では、屋内照明の分野における高品質高輝度光源の用途が説明されている。しかしながら、外部照明も光源を用いて実行され得ることが当業者には明らかであろう。同様に、光源は、たとえば、アートワークおよび絵画などの矩形の目標の均一な照明のために構成された、特に高輝度のものが対象の投影システムにも適用され得る。
【0150】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で説明されているが、改良および修正は、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、組み込まれてもよい。