特許第6181364号(P6181364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181364
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】積層材製造システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   E04F13/08 102Y
   E04F13/08 102H
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-257891(P2012-257891)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-105451(P2014-105451A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】398048110
【氏名又は名称】株式会社ブラウニー
(74)【代理人】
【識別番号】100090413
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 康稔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 邦彦
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−162995(JP,A)
【文献】 特開2012−189283(JP,A)
【文献】 特開平09−144274(JP,A)
【文献】 特開平05−052019(JP,A)
【文献】 特開昭62−121036(JP,A)
【文献】 実開昭59−174492(JP,U)
【文献】 特開平11−170793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地パネルに表装材を貼り付けた積層材を製造する積層材製造システムであって、
下地パネルの被貼付面に接着剤を塗布する第1の接着剤塗布手段と、
前記接着剤の塗布後、前記下地パネルを加熱する下地パネル加熱手段と、
前記下地パネルの接着剤塗布面に表装材を貼り付ける表装材貼付手段と、
前記表装材が貼り付けられた下地パネルを加熱して乾燥させる乾燥手段と、
前記第1の接着剤塗布手段,下地パネル加熱手段,表装材貼付手段,乾燥手段による処理の順序に応じて、前記下地パネルを自動的に搬送する搬送手段と、
を備えるとともに、
前記下地パネル加熱手段及び乾燥手段が、電磁誘導加熱を利用したものであり、
前記下地パネルが、下地ボードの表裏面に金属層が設けられた構造であって、
前記下地パネル加熱手段は、前記第1の接着剤塗布手段による接着剤の塗布後に、該接着剤が塗布されていない面側の金属層を、電磁誘導加熱により発熱させて、前記下地パネルを加熱することを特徴とする積層材製造システム。
【請求項2】
前記下地パネル加熱手段又は乾燥手段の少なくとも一方が複数設けられており、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする請求項1記載の積層材製造システム。
【請求項3】
下地ボードの表裏面に接着剤を塗布する第2の接着剤塗布手段と、
前記接着剤の塗布前又は塗布後の少なくとも一方で、前記下地ボードを加熱する下地ボード加熱手段と、
前記接着剤が塗布された下地ボードの表裏に板状ないしシート状の表面材を貼り付ける表面材貼付手段と、
前記表面材が貼り付けられた下地ボードをプレスして、前記下地パネルを形成するプレス手段と、
を備えており、
前記搬送手段は、前記第2の接着剤塗布手段,表面材貼付手段,プレス手段による処理の順序に応じて前記下地ボードを搬送し、前記プレス手段を通過した後の下地パネルを、前記第1の接着剤塗布手段又は下地パネル加熱手段へ送ることを特徴とする請求項1又は2記載の積層材製造システム。
【請求項4】
前記下地ボード加熱手段が複数設けられており、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする請求項3記載の積層材製造システム。
【請求項5】
記乾燥手段が、電磁誘導加熱により前記金属層を発熱させて加熱を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層材製造システム。
【請求項6】
前記乾燥手段は、前記下地パネルの両面側から加熱を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層材製造システム。
【請求項7】
前記表装材が、タイルであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の積層材製造システム。
【請求項8】
略円筒状ないし円柱状の芯材の周囲に発泡材と表装材を設けた積層材を製造する積層材製造システムであって、
前記表装材が、金属層の表裏に接着剤によって耐候性樹脂層が設けられた金属シートであり、
前記表装材の被貼付面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、
前記接着剤の塗布後、前記表装材を加熱する表装材加熱手段と、
前記表装材の接着剤塗布面を、発泡材が周囲に設けられた芯材に貼り付ける表装材貼付手段と、
前記接着剤塗布手段,表装材加熱手段,表装材貼付手段による処理の順序に応じて、前記表装材を自動的に搬送する搬送手段と、
を備えるとともに、
前記表装材加熱手段が、電磁誘導加熱によって前記金属層を発熱させることを特徴とする積層材製造システム。
【請求項9】
前記表装材加熱手段が複数設けられており、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする請求項記載の積層材製造システム。
【請求項10】
前記表装材加熱手段が、電磁誘導加熱により生成された過熱蒸気を利用して、加熱を行うことを特徴とする請求項8又は9記載の積層材製造システム。
【請求項11】
前記金属層がアルミニウム層であり、前記金属シートがアルミシートであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の積層材製造システム。
【請求項12】
下地パネルの被貼付面に接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程,
前記接着剤の塗布後、前記下地パネルを加熱する下地パネル加熱工程,
前記下地パネルの接着剤塗布面に表装材を載せる表装材貼付工程,
前記表装材が貼り付けられた下地パネルを加熱して乾燥させる乾燥工程と、
を含むとともに、
前記下地パネル加熱工程及び乾燥工程を、電磁誘導加熱を利用して行い、かつ、
前記下地パネルが、下地ボードの表裏面に金属層が設けられた構造であって、
前記下地パネル加熱工程において、前記第1の接着剤塗布工程による接着剤の塗布後に、該接着剤が塗布されていない面側の金属層を、電磁誘導加熱により発熱させて、前記下地パネルを加熱することを特徴とする積層材製造方法。
【請求項13】
前記下地パネル加熱工程又は乾燥工程の少なくとも一方において、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする請求項12記載の積層材製造方法。
【請求項14】
下地ボードの表裏面に接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、
前記接着剤の塗布前又は塗布後の少なくとも一方で、前記下地ボードを加熱する下地ボード加熱工程と、
前記接着剤が塗布された下地ボードの表裏に板状ないしシート状の表面材を貼り付ける表面材貼付工程と、
前記表面材が貼り付けられた下地ボードをプレスして、前記下地パネルを形成するプレス工程と、
を含むことを特徴とする請求項12又は13記載の積層材製造方法。
【請求項15】
前記下地ボード加熱工程において、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする請求項14記載の積層材製造方法。
【請求項16】
記乾燥工程、電磁誘導加熱により前記金属層を発熱させて行うことを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の積層材製造方法。
【請求項17】
前記乾燥工程において、前記下地パネルの両面側から加熱を行うことを特徴とする請求項16記載の積層材製造方法。
【請求項18】
前記表装材が、タイルであることを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の積層材製造方法。
【請求項19】
略円筒状ないし円柱状の芯材の周囲に発泡材と表装材を設けた積層材を製造する積層材製造方法であって、
前記表装材が、金属層の表裏に接着剤によって耐候性樹脂層が設けられた金属シートであり、
表装材の被貼付面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程,
前記接着剤の塗布後、前記表装材を加熱する表装材加熱工程,
前記表装材の接着剤塗布面を、発泡材が周囲に設けられた略円筒状ないし円柱状の芯材に貼りつける表装材貼付工程,
を含み、
前記表装材加熱工程が、電磁誘導加熱によって前記金属層を発熱させて行われることを特徴とする積層材製造方法。
【請求項20】
前記表装材加熱工程において、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする請求項19記載の積層材製造方法。
【請求項21】
前記表装材加熱工程において、電磁誘導加熱により生成された過熱蒸気を利用して、加熱を行うことを特徴とする請求項19又は20記載の積層材製造方法。
【請求項22】
前記金属層がアルミニウム層であり、前記金属シートがアルミシートであることを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載の積層材製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建材等に利用されるタイルパネルや、液化天然ガス用のパイプの断熱材等として用いられる積層材を得るための積層材製造システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、建築材料として用いられるタイルパネルは、石膏ボードなどの下地パネルに、接着剤等によってタイルを貼り付けた構成となっている。下記特許文献1には、アルミ板や鋼板等の金属パネルの表面に、小形のタイル等の建材を複数枚、熱硬化性シリコンゴムにより貼付して建築用パネルユニットを構成することが開示されている。また、下記特許文献2には、金属箔の両面に熱可塑性樹脂層が設けられたホットメルト樹脂テープを用いて、タイル等をパネルに貼りつけるにあたり、タイルの前面から高周波誘導加熱装置の誘導コイル部を押し当てることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−156784号公報
【特許文献2】特開2002−235421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、下地用のパネルとしてアルミ板や鋼板等を用いているが、それを活かして電磁誘導加熱により接着剤の加熱を行うことは開示されていない。一方、前記特許文献2に記載の技術では、下地パネルではなく、ホットメルト樹脂テープを電磁誘導加熱により加熱溶融させることとしているので、電磁誘導加熱により溶融する性質を有するホットメルト樹脂テープを用意しなければならず、汎用のホットメルト樹脂を利用して接着を行うことができない。また、タイルの前面から電磁誘導加熱ヘッドを押し当てるため、熱がパネル側へ伝わりにくく、タイルが厚い場合等には、確実な接着が困難になるという課題がある。
【0005】
また、タイルパネル以外の表装用パネル(例えば、装飾パネル・化粧パネル等)を製造するとき、多くの場合、下地パネルに、2液性接着剤を使用して表装材を接着しているが、接着剤が硬化するまでの養生時間が長く生産性が著しく低い。そのため、養生時間を短縮するため強制乾燥炉やホットプレスを使用している。しかしながら、ホットプレスの場合は、長期休業の場合を除き、火や熱を落とすことができず、省エネの観点から好ましいとはいえない。また、ホットプレスの場合は、特殊な構造が必要となるので、生産ラインの変更に容易に対応することが困難である。
【0006】
本発明は、以上のような点に着目したもので、下地パネルへの表装材の接着を短時間で確実に行うとともに、反りや歪み等が生じず、省エネ効果もあり、生産ラインの変更にも容易に対応が可能な積層材製造システム及び製造方法を提供することを、その目的とする。他の目的は、発泡材で周囲が覆われた芯材に、表装材を短時間で確実に接着することができる積層材の製造システム及び製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層材製造システムは、下地パネルに表装材を貼り付けた積層材を製造する積層材製造システムであって、下地パネルの被貼付面に接着剤を塗布する第1の接着剤塗布手段と、前記接着剤の塗布後、前記下地パネルを加熱する下地パネル加熱手段と、前記下地パネルの接着剤塗布面に表装材を貼り付ける表装材貼付手段と、前記表装材が貼り付けられた下地パネルを加熱して乾燥させる乾燥手段と、前記第1の接着剤塗布手段,下地パネル加熱手段,表装材貼付手段,乾燥手段による処理の順序に応じて、前記下地パネルを自動的に搬送する搬送手段と、を備えるとともに、前記下地パネル加熱手段及び乾燥手段が、電磁誘導加熱を利用したものであり、前記下地パネルが、下地ボードの表裏面に金属層が設けられた構造であって、前記下地パネル加熱手段は、前記第1の接着剤塗布手段による接着剤の塗布後に、該接着剤が塗布されていない面側の金属層を、電磁誘導加熱により発熱させて、前記下地パネルを加熱することを特徴とする。
【0008】
主要な形態の一つは、前記下地パネル加熱手段又は乾燥手段の少なくとも一方が複数設けられており、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする。他の形態は、下地ボードの表裏面に接着剤を塗布する第2の接着剤塗布手段と、前記接着剤の塗布前又は塗布後の少なくとも一方で、前記下地ボードを加熱する下地ボード加熱手段と、前記接着剤が塗布された下地ボードの表裏に板状ないしシート状の表面材を貼り付ける表面材貼付手段と、前記表面材が貼り付けられた下地ボードをプレスして、前記下地パネルを形成するプレス手段と、を備えており、前記搬送手段は、前記第2の接着剤塗布手段,表面材貼付手段,プレス手段による処理の順序に応じて前記下地ボードを搬送し、前記プレス手段を通過した後の下地パネルを、前記第1の接着剤塗布手段又は下地パネル加熱手段へ送ることを特徴とする。更に他の形態は、前記下地ボード加熱手段が複数設けられており、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする。
【0009】
更に他の形態は、前記乾燥手段が、電磁誘導加熱により前記金属層を発熱させて加熱を行うことを特徴とする。更に他の形態は、前記乾燥手段は、前記下地パネルの両面側から加熱を行うことを特徴とする。
【0010】
他の主要な形態の一つは、前記表装材が、タイルであることを特徴とする。
【0011】
他の発明の積層材製造システムは、略円筒状ないし円柱状の芯材の周囲に発泡材と表装材を設けた積層材を製造する積層材製造システムであって、前記表装材が、金属層の表裏に接着剤によって耐候性樹脂層が設けられた金属シートであり、前記表装材の被貼付面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、前記接着剤の塗布後、前記表装材を加熱する表装材加熱手段と、前記表装材の接着剤塗布面を、発泡材が周囲に設けられた芯材に貼り付ける表装材貼付手段と、前記接着剤塗布手段,表装材加熱手段,表装材貼付手段による処理の順序に応じて、前記表装材を自動的に搬送する搬送手段と、を備えるとともに、前記表装材加熱手段が、電磁誘導加熱によって前記金属層を発熱させることを特徴とする。
【0012】
主要な形態の一つは、前記表装材加熱手段が、電磁誘導加熱により生成された過熱蒸気を利用して、加熱を行うことを特徴とする。更に他の形態は、前記金属層がアルミニウム層であり、前記金属シートがアルミシートであることを特徴とする。
【0013】
本発明の積層材製造方法は、下地パネルの被貼付面に接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程,前記接着剤の塗布後、前記下地パネルを加熱する下地パネル加熱工程,前記下地パネルの接着剤塗布面に表装材を載せる表装材貼付工程,前記表装材が貼り付けられた下地パネルを加熱して乾燥させる乾燥工程と、を含むとともに、前記下地パネル加熱工程及び乾燥工程を、電磁誘導加熱を利用して行い、かつ、前記下地パネルが、下地ボードの表裏面に金属層が設けられた構造であって、前記下地パネル加熱工程において、前記第1の接着剤塗布工程による接着剤の塗布後に、該接着剤が塗布されていない面側の金属層を、電磁誘導加熱により発熱させて、前記下地パネルを加熱することを特徴とする。
【0014】
他の形態は、下地ボードの表裏面に接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、前記接着剤の塗布前又は塗布後の少なくとも一方で、前記下地ボードを加熱する下地ボード加熱工程と、前記接着剤が塗布された下地ボードの表裏に板状ないしシート状の表面材を貼り付ける表面材貼付工程と、前記表面材が貼り付けられた下地ボードをプレスして、前記下地パネルを形成するプレス工程と、を含むことを特徴とする。更に他の形態は、前記下地ボード加熱工程において、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする。
【0015】
他の主要な形態の一つは、前記乾燥工程、電磁誘導加熱により前記金属層を発熱させて行うことを特徴とする。更に他の形態は、前記乾燥工程において、前記下地パネルの両面側から加熱を行うことを特徴とする。
【0016】
他の主要な形態の一つは、前記表装材が、タイルであることを特徴とする。
【0017】
他の発明の積層材の製造方法は、略円筒状ないし円柱状の芯材の周囲に発泡材と表装材を設けた積層材を製造する積層材製造方法であって、前記表装材が、金属層の表裏に接着剤によって耐候性樹脂層が設けられた金属シートであり、表装材の被貼付面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程,前記接着剤の塗布後、前記表装材を加熱する表装材加熱工程,前記表装材の接着剤塗布面を、発泡材が周囲に設けられた略円筒状ないし円柱状の芯材に貼りつける表装材貼付工程,を含み、前記表装材加熱工程が、電磁誘導加熱によって前記金属層を発熱させて行われることを特徴とする。
【0018】
主要な形態の一つは、前記表装材加熱工程において、2段階以上に分けて加熱を行うことを特徴とする。他の形態は、前記表装材加熱工程において、電磁誘導加熱により生成された過熱蒸気を利用して、加熱を行うことを特徴とする。更に他の形態は、前記金属層がアルミニウム層であり、前記金属シートがアルミシートであることを特徴とする。
【0019】
発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、下地パネルの被貼付面に接着剤を塗布し、接着剤の塗布後に下地パネルを加熱し、該加熱された下地パネルの接着剤塗布面に表装材を載せ、前記表装材が貼り付けられた下地パネルを加熱して乾燥させることとした。そして、前記下地パネルの加工及び乾燥を、電磁誘導加熱を利用して行い、かつ、前記下地パネルが、下地ボードの表裏面に金属層が設けられた構造であって、前記被貼付面への接着剤の塗布後に、該接着剤が塗布されていない面側の金属層を、電磁誘導加熱により発熱させて、前記下地パネルを加熱することとし、これらの加熱を必要に応じて2段階以上に分けて行うこととした。
【0021】
このため、表装材を下地パネルに短時間で確実に接着し、反りや歪みのない積層材を得ることができる。また、電磁誘導加熱を利用するので省エネルギーも実現でき、生産ラインの変更にも容易に対応可能となる。更に、搬送手段を用いて、下地パネルを、接着剤塗布装置,下地パネル加熱装置、表装材貼付装置、乾燥装置等による処理の順序に応じて自動的に送ることとしたので、製造効率を向上させることができる。
【0022】
また、本発明によれば、略円筒状ないし円柱状の芯材の周囲に発泡材と表装材を設けた積層材の製造において、前記表装材が、金属層の表裏に接着剤によって耐候性樹脂層が設けられた金属シートであって、表装材の被貼付面に接着剤を塗布し、接着剤の塗布後、前記表装材を加熱し、前記表装材の接着剤塗布面を、発泡材で周囲が覆われた略円筒状ないし円柱状の芯材に貼り付けることとした。そして、電磁誘導加熱によって前記金属層を発熱させて、前記表装材を加熱し、かつ、必要に応じてこの加熱を2段階以上に分けて行うこととした。このため、発泡材で周囲が覆われた芯材に、表装材を短時間で確実に接着することができる。製造された積層材は、前記芯材を抜くことで、液化天然ガスのパイプ用の断熱材として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1のタイルパネル製造システムの全体構成を示す図である。
図2】前記実施例1によるタイルパネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。
図3】前記図1の主要部の断面図であり、(A)は下地パネルの断面図,(B)は前記図1を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)は前記図1を#B−#B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
図4】本発明の実施例2のタイルパネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施例3のタイルパネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施例4のタイルパネルの製造システムの全体構成を示す図である。
図7】本発明の実施例5の表装用パネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施例6を示す図であり、(A)は積層材の使用状態を示す断面図,(B)は積層構造を拡大して示す断面図である。
図9】前記実施例6の積層材の製造工程を示す断面図である。
図10】前記実施例6の積層材の断面図である。
図11】本発明の他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
最初に、図1図3を参照しながら本発明の実施例1を説明する。本実施例は、本発明をタイルパネルの製造に適用した例である。図1は、本実施例のタイルパネル製造システムの全体構成を示す図であり、図2は、本実施例によるタイルパネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。図3は、本実施例の主要部の断面図であり、(A)は下地パネルの断面図,(B)は前記図1を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)は前記図1を#B−#B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図1に示すように、本実施例のタイルパネル製造システム10は、接着剤塗布装置20,下地パネル加熱装置30,タイル貼付装置40,乾燥装置50により構成されている。タイル74が貼り付けられる下地パネル70は、足12で支持された台14の上を、コンベア16によって前記接着剤塗布装置20から乾燥装置50まで順に搬送される。コンベア16の駆動機構は公知である。
【0026】
本実施例では、下地パネル70として、図3(A)に示すように、下地材である石膏ボード72の表裏面にスチール薄板などの金属板76A,76Bを設けたものを用意する(図2のステップS10)。前記下地パネル70の被貼付面(図示の例では、前記金属板76A側)には、接着剤塗布装置20によって接着剤26が塗布される(ステップS12)。図示の例では、接着剤塗布装置20は、前記台14を挟んで対向する一対の支柱22A,22Bと、これら支柱22A,22Bよって回転可能に支持された塗布ローラ24により構成されている。例えば、前記塗布ローラ24の内側に接着剤が充填されており、塗布ローラ24の表面に多数の接着剤供給用の穴(図示せず)を設けておくことにより、下地パネル70が前記塗布ローラ24に接触しながら接着剤塗布装置20を通過する際に、接着剤26が金属板76Aに塗布される。なお、前記接着剤26としては、例えば、公知のホットメルト接着剤が用いられる。接着剤26が塗布された下地パネル70は、下地パネル加熱装置30に送られる。
【0027】
本実施例では、前記下地パネル70として、表裏面に金属板76A,76Bを有する構造のものを用いているので、前記金属板76A,76Bを有効に利用することができるように、下地パネル加熱装置30は電磁誘導加熱により下地パネル70を加熱するものとしている。図1に示すように下地パネル加熱装置30は、誘導コイルを内部に有する電磁誘導加熱ヘッド32を備えており、該電磁誘導加熱ヘッド32は、図3(B)に示すように、台14とコンベア16の間に配置されている。前記電磁誘導加熱ヘッド32には、高周波電流を供給するための電源装置34が接続されている。前記誘導コイルに電流を流すと強力な磁場が発生するので、その近くに配置された金属,すなわち、本実施例の場合は、金属板76Bは、電磁誘導により渦電流が発生し、抵抗により金属が発熱する。この原理は、電磁誘導加熱として公知である。
【0028】
下側の金属板76B側から電磁誘導加熱を行うと、金属板76Bが主に加熱され、その熱が上方に回り、全体として温まり、表面の金属板76A側に塗布された接着剤26を加熱することができる。仮に、表面の金属板76A側から電磁誘導加熱を行ったとすると、熱は上方に上がるため、全体が温まらない。また、上側の金属板76Aのみ温度が上がって膨張するため、下地パネル70が反ってしまう。これに対し、本実施例では、下側から熱を加えることで全体に均一に熱を回すことができ、それにより下地パネル70の反りを防ぐことができる(ステップS14)。予熱された下地パネル70は、コンベア16によりタイル貼付装置40に送られる。
【0029】
タイル貼付装置40では、例えば、ロボットアーム42A,42Bにより、タイル74が、下地パネル70の接着剤26を塗布した面に貼り付けられる(ステップS16)。なお、ここでは、ロボットアーム42A,42Bを使用してタイル74を貼り付けることとしたが、他の公知の各種の機構を用いてもよいし、手作業で貼り付けを行うようにしてもよい。タイル74が貼り付けられた下地パネル70は、次に、コンベア16によって乾燥装置50に送られる。
【0030】
本実施例では、乾燥装置50でも電磁誘導加熱を行うことで乾燥を行っている(ステップS18)。図3(C)に示すように、下地パネル70の上側から加熱する電磁誘導加熱ヘッド52A,56Aと、下地パネル70の下側から加熱する電磁誘導加熱ヘッド52B,56Bによって、下地パネル70が金属板76A,76Bを介して表裏から加熱している。前記電磁誘導加熱ヘッド52A,56Aは、電源装置54に接続され、電磁誘導加熱ヘッド52B,56Bに接続されている。従来は、ホットメルト接着剤を用いたタイルの貼り付け後は、熱風炉を用いて行っていたが、本実施例のように、上下から電磁誘導加熱を行うことで、短時間で乾燥を行うとともに、反りをなくすことができる。以上の工程を経て得られたタイルパネル60は、工場等で出荷まで保管され、現場で使用される段階で出荷され、例えば、壁用の建築材料等として利用される。このように、工場等でタイルパネル60を作成しておき、現場では壁面への取り付け等のみを行えばよいため、施工の簡略化を行うことができる。
【0031】
このように、実施例1によれば、タイルパネル製造システム10は、接着剤塗布装置20と、下地パネル加熱装置30と、タイル貼付装置40と、乾燥装置50により構成される。そして、
(1)下地パネル70は、石膏ボード72の表裏面を、金属板76A,76Bで覆った構成であり、下地パネル加熱装置30は、接着剤26が塗布されていない側の下地パネル70の金属板76Bを電磁誘導加熱ヘッド32により加熱することとしたので、熱が上方に回り全体が温まる。このため、接着剤26が均一に予熱され、確実にタイルを貼り付けることができる。また、下地パネル70の全体が温められるため、反りや歪みが生じることがない。
(2)前記乾燥装置50でも、電磁誘導加熱によって加熱乾燥を行うこととしたので、従来の熱風炉を用いた乾燥方法と比べて、短時間での乾燥が可能となり、省エネルギー化も可能である。また従来のホットプレスのような特殊構造を採用しないため、生産ラインの変更にも容易に対応することができる。
(3)下地パネル70を、接着剤塗布装置20から乾燥装置50まで順にコンベア16により搬送することとしたので、タイルパネル60の製造を自動化できる。
(4)タイルパネル60を作成しておけば、現場では壁面への取り付けのみを行えばよいため、施工の簡略化を図ることができる。
(5)従来の乾燥炉を用いた場合と比べ、生産ライン上で接着剤硬化させるため、養生時間が短縮できる。また、電磁誘導加熱を利用しているため、温度差に余り関係なく加熱でき、真冬でも生産性が低下することがない。さらに、電磁誘導加熱では、所定の時間のみ通電して加熱すればよいため、省エネルギーでパネルを生産できる。
【実施例2】
【0032】
次に、図4を参照しながら本発明の実施例2を説明する。本実施例も、前記実施例1と同様に、本発明をタイルパネルの製造に適用した例であるが、加熱のタイミングや回数の点で変更を加えたものである。図4は、実施例2によるタイルパネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。まず、下地パネルを用意し(ステップS20)、接着剤塗布を行う(ステップS22)ところまでは、前記実施例1と同様である。接着剤26の塗布は、例えば、前記実施例1の接着剤塗布装置20と同様の構成のものにより行う。次に、本実施例では、接着剤26の塗布後、先にタイル74の貼り付けを行い(ステップS24)、その後に下地パネル70の加熱を行う(ステップS26)。タイル74の貼り付けには、実施例1のタイル貼付装置40と同様のものが用いられる。また、下地パネル70の加熱については、実施例1の下地パネル加熱装置30と同様のものであってもよいが、それに限定されるものではなく、電磁誘導加熱を利用した加熱であればよい。例えば、電磁誘導加熱により生成した過熱蒸気を使用して下地パネル70を加熱してもよい(以下、電磁誘導加熱により生成した過熱蒸気を「IH過熱蒸気」とする)。ここでの加熱は、例えば、接着剤26が約40℃,金属板76A,76Bが約70℃になるように行う。
【0033】
次に、加熱後の下地パネルに目地砂葺き(ステップS28)を行い、その後、下地パネル70の加熱を2段階に分けて行う(ステップS30及びS32)。ここでの加熱も、電磁誘導加熱ヘッドを利用して下地パネルの金属板76A,76Bを電磁誘導により発熱させるものであってもよいし、上述したIH過熱蒸気を利用してもよい。ここでは、最初の加熱(ステップS30)では、接着剤26が約60℃,金属板76A,76Bが約100℃になるように加熱し、2回目の加熱(ステップS32)では、接着剤26が約90℃,金属板76A,76Bが約120℃,タイル74が約90℃となるように加熱を行う。なお、このような2段階加熱は、加熱装置を2台併設して、下地パネル70をコンベア16によって順番に送るようにすればよい。前記2段階の加熱を行うことによって、熱の拡散が繰り返され、下地パネル70の乾燥が行われる。乾燥が完了したら、目地砂落としをし(ステップS34)、完成したタイルパネル60は出荷待ちとなる(ステップS36)。本実施例の作用・効果は、基本的には上述した実施例1と同様である。
【実施例3】
【0034】
次に、図5を参照しながら本発明の実施例3を説明する。上述した実施例1及び2では、予め用意された下地パネル70を利用してタイルパネルの製造を行うこととしたが、本実施例は、下地パネルの製造から、タイルパネルの製造までを一貫して生産する例である。図5は、実施例3によるタイルパネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。まず、下地パネルの下地材となる下地ボードを用意する(ステップS40)。下地ボードとしては、例えば、実施例1と同様に石膏ボード72が用いられる。次に、石膏ボード72の表裏面に接着剤26を塗布する(ステップS42)。接着剤26の塗布は、実施例1の接着剤塗布装置20と同様の構成のものを用いてもよいし、異なる構成のものであってもよい。接着剤26の塗布後、石膏ボード72の表裏に、金属板76A,76Bを貼り付ける(ステップS44)。この金属板76A,76Bの貼り付けは、装置で行うようにしてもよいし、手作業により行うようにしてもよい。前記ステップS40〜S42が、下地パネルの骨組み作業である。
【0035】
次に、金属板76A,76Bが貼り付けられた石膏ボード72を、電磁誘導加熱を利用して加熱する(ステップS46)。IH過熱蒸気による加熱であってもよい。このときの加熱は、例えば、接着剤26が約50℃,金属板76A,76Bが約90℃になる程度に行う。その後、プレス装置によってプレスすることで(ステップS48)、下地パネル70が形成される。次に、下地パネル70を加熱して予熱を行った後(ステップS50)、接着剤26を金属板76Aに塗布し(ステップS52)、タイル74を貼り付ける(ステップS54)。その後、目地砂葺きをし(ステップS56)、2段階加熱を行って下地パネル70を乾燥させる(ステップS58,S60)。1段階目の加熱(ステップS58)では、例えば、接着剤26が約60℃,金属板76A,76Bが約90℃,タイル74が約60℃になるように加熱し、2段階目の加熱(ステップS60)では、接着剤26が約90℃,金属板が76A,76Bが約120℃,タイル74が約90℃になるように加熱する。乾燥が完了したら、目地砂落としをし(ステップS62)、タイルパネル60の出荷待ちとなる(ステップS64)。
【0036】
以上の工程において、石膏ボード72や下地パネル70は、実施例1と同様のコンベア16により、上記各工程を行う順序に応じて、接着剤塗布装置や、金属板貼付装置,プレス装置,加熱装置,タイル貼付装置,乾燥装置に順次送られる。本実施例の基本的な作用・効果は、前記実施例1と同様であるが、本実施例によれば、下地パネル70の作成から一環生産するため、効率的なタイルパネル60の製造を行うことができる。また、下地パネル70の製作時の予熱を活用することができるため、エネルギーの有効活用が可能である。
【実施例4】
【0037】
次に、図6を参照しながら本発明の実施例4を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には同一の符号を用いることとする。前記実施例1では、下地パネル70として、石膏ボード72の表裏を金属板76A,76Bを覆った構成としたため、下地パネル加熱装置30及び乾燥装置50では、前記金属板76A,76Bを有効に利用して、電磁誘導加熱を行うこととしたが、必ずしも電磁誘導加熱ヘッドを用いて金属板76A,76Bを発熱させる構成とする必要はなく、過熱蒸気によって加熱を行うようにしてもよい。なお、この場合の過熱蒸気は、前記IH過熱蒸気を用いるようにしてもよい。本実施例のタイルパネル製造システム100は、接着剤塗布装置20,下地パネル加熱装置110,タイル貼付装置120,乾燥装置130により構成されている。前記接着剤塗布装置20は、実施例1と同様である。本実施例の下地パネル140は、図6(B)に示すように、下地材である石膏ボード142の表裏に樹脂板144A,144Bを設けた積層構造であるが、図6(C)に示すように樹脂ボード146のみからなる下地パネル140Aを用いてもよい。
【0038】
本実施例の下地パネル加熱装置110は、過熱蒸気供給装置111を利用したものであり、接着剤26が塗布された下地パネル140の上方から過熱蒸気112を噴き付けて予熱を行う。上述した実施例1とは異なり、金属板の電磁誘導加熱を行うわけではないので、加熱を下地パネル140の下側から行う必要はないが、下側から加熱することを妨げるものではない。むろん、上下から加熱するようにしてもよい。予熱された下地パネル140は、タイル貼付装置120に送られる。本実施例のタイル貼付装置120は、上述した実施例1と同様のロボットアーム42A,42Bに加え、過熱蒸気供給装置122A,122Bを備えている。前記ロボットアーム42A,42Bで持ち上げられたタイル74は、前記過熱蒸気供給装置122A,122Bから供給される過熱蒸気112で加熱されてから、下地パネル140上に貼り付けられる。このように、タイル74側も加熱しておくと、接着剤26への貼り付けが良好に行われる。この過熱蒸気供給装置122A,122Bにより供給される過熱蒸気も、前記IH過熱蒸気を用いることができる。
【0039】
タイル74が貼り付けられた下地パネル140は、乾燥装置130に送られる。本実施例では、乾燥装置130として過熱蒸気供給装置132が用いられており、過熱蒸気112が下地パネル140へ噴き付けられ、下地パネル140を乾燥する。前記乾燥装置130で供給する過熱蒸気も、前記IH過熱蒸気が利用可能である。接着剤26が乾燥すると、タイルパネル150が得られる。本実施例によれば、過熱蒸気112を用いて予熱及び乾燥を行うので、下地パネルの素材に関わらず、タイルパネルの製造が可能である。また、短時間でタイルパネルを製造できる点,タイルパネルに反り等が生じない点、自動化が可能な点、現場では壁面への取り付けのみを行えばよい点については、上述した実施例1と同様である。
【実施例5】
【0040】
次に、図7を参照しながら本発明の実施例5を説明する。上述した実施例1〜4は、本発明をタイルパネルの製造に適用することとしたが、本発明はタイルパネルの製造に限定されるものではなく、装飾パネルや化粧パネル等、家具・建具・間仕切り・天井・床等の各種建材として用いられる積層パネル全般の製造に適用可能である。図7は、実施例5による表装パネルの製造工程の一例を示すフローチャートである。まず、下地パネルの下地材となる下地ボードを用意する(ステップS80)。次に、下地ボードの表裏面に接着剤を塗布する(ステップS82)。接着剤の塗布は、実施例1の接着剤塗布装置20と同様の構成のものを用いてもよいし、異なる構成のものであってもよい。接着剤26の塗布後、下地ボードの表裏に、表面材を貼り付ける(ステップS84)。この表面材の貼り付けは、装置により行うようにしてもよいし手作業により行うようにしてもよい。前記ステップS80〜S84が、下地パネルの骨組み作業である。なお、下地ボードや表面材としては、公知の各種の材料が利用可能である。
【0041】
次に、表面材が貼り付けられた下地ボードを、IH過熱蒸気で加熱する(ステップS86,S88)。あるいは、前記表面材として金属板を用いた時には、前記実施例1と同様に、該金属板を電磁誘導加熱(IH加熱)するようにしてもよい。このときの加熱は、例えば、2段階目の加熱において接着剤が100℃以上になるようにする。その後、プレス装置によってプレスすることで(ステップS90)、下地パネルが形成される。プレスは、例えば、ロールプレス,定番プレス(3秒前後)、布テンション等による圧等により行われる。次に、下地パネルに接着剤を塗布し(ステップS92)、表装材を貼り付ける(ステップS94)。ここでいう表装材は、例えば、壁紙や化粧板等である。次に、IH過熱蒸気により2段階で加熱を行い、加熱と熱の拡散を繰り返す(ステップS96,S98)。ここでも、前記ステップS86,88と同様に、電磁誘導加熱を行うようにしてもよい。その後、プレスすることにより(ステップS100)、表装材が下地パネルに接着され積層パネルが完成する。完成した積層パネルは、用途に応じて適宜加工が施される(ステップS102)。本実施例の基本的な作用・効果は、前記実施例3と同様である。
【実施例6】
【0042】
次に、図8図10を参照しながら本発明の実施例6を説明する。上述した実施例1〜5は、いずれもパネル状の積層材を製造する場合を例に挙げて説明したが、本実施例は、例えば、液化天然ガスのパイプの断熱材として用いられる積層材に関するものである。図8(A)は、本実施例の積層材の使用状態を示す断面図,図8(B)は積層構造を拡大して示す断面図である。図9(A)〜(D)は積層材の製造工程を示す断面図,図10は、本実施例の積層材の断面図である。図8(A)に示すように、本実施例の積層材200は、液化天然ガス用のパイプ230の周囲に断熱材として用いられるものである。前記パイプ230は、発泡ウレタン202で覆われており、更にその外側が、アルミシート204で覆われている。
【0043】
前記アルミシート204は、図8(B)に示すように積層構造となっており、図示の例では、アルミニウム層212の表裏に接着剤210,214によって耐候性樹脂層208,216が設けられた構造となっている。そして、前記アルミシート204が接着剤206によって、前記発泡ウレタン202の表面に接着される。本実施例では、前記アルミシート204を発泡ウレタン202に接着する際に、本発明を適用することとしている。
【0044】
図9(A)〜(D)を参照して、本実施例の積層体200の製造方法の一例を説明すると、まず、図9(A)に示すように、前記パイプ230と略同一径の芯材220を用意し、断面略半円状の発泡ウレタン202A,202Bで芯材220の周囲を覆う。発泡ウレタン202A,202Bは、後で芯材220を抜く都合上、芯材220の外周面に貼り付けるのではなく、発泡ウレタン202A,202Bの端部同士を接着剤222で貼り合わせるようにする。前記接着剤222により半円状の発泡ウレタン202A,202Bを接着する際には、原則として、IH過熱蒸気を使用し接合部分を圧着する。また、接着幅が10mm以内の場合には、IH加熱とIH過熱蒸気を併用して接着を行うようにしてもよい。次に、発泡ウレタン202で覆った芯材220に対して、接着剤206を上面に塗布したアルミシート204を、図示しないコンベア等により搬送する(矢印FA参照)。アルミシート204が接近するまでは、前記芯材220は、図9(B)に示すように、アルミシート204の上方で待機させる。なお、前記接着剤206の塗布は、例えば、前記実施例1で示した接着剤塗布装置20と同様の構成のものにより行う。また、接着剤206の塗布後,あるいは、塗布前に、アルミシート204を電磁誘導加熱を利用して加熱する。このときの加熱は、電磁誘導加熱ヘッドを用いてアルミシートを直接電磁誘導により発熱させるものであってもよいし、電磁誘導加熱により生成した過熱蒸気(IH過熱蒸気)を吹き付けて加熱するようにしてもよい。
【0045】
接着剤206を塗布し、加熱されたアルミシート204が芯材220に接近したら、図9(C)に示すように芯材220を下げてアルミシート204と接触させる。そして、接触状態のまま芯材220を回転させると(矢印FB参照)、図9(D)に示すように発泡ウレタン202の表面にアルミシート204が巻き付けられる。そして、アルミシート204が一周したら、図9(D)に矢印FCで示すように、所定の位置で図示しないカッタ等により切断する。完成した積層材200が図10(A)に示されている。なお、アルミシート204の切断した端面は、図10(B)に示すように、突き合わせて接着するようにしてもよいし、図10(C)に示すように、一部重なり合うようにして接着してもよい。以上のようにして発泡ウレタン202にアルミシート204が接着されたら、必要に応じて電磁誘導加熱により乾燥を行い、完成した積層材200から芯材220を抜く。そして、積層材200を液化天然ガスのパイプ230に通して断熱材として使用する。本実施例のように、パネル形状以外の積層材を形成する場合にも本発明は適用可能であり、その基本的な効果は同様であって、歪み等が発生することなく短時間で積層材を形成することが可能である。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例1〜5で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。材質についても同様に、前記実施例1では、金属板76A、76Bとしてスチール板等を例に挙げたが、例えばアルミ板など、公知の各種の金属板を設けるようにしてもよい。また、金属板の代わりに、金属箔や、メッシュ状の金属層など、渦電流が流れるものであれば、金属層の形態は適宜変更可能である。また、本発明を利用してベニヤ板を作製することができ、その場合には、プレス工程は不要である。
(2)前記実施例で示した接着剤塗布装置20や、タイル貼付装置40,120も一例であり、同様の効果を奏するように、適宜設計変更してよい。また、必要に応じて、接着剤26の塗布やタイル74の貼り付けを手作業で行うようにしてもよい。実施例3における金属板の貼り付けや、実施例5における表面材の貼り付けについても、装置を用いてもよいし手作業で行ってもよい。
(3)前記実施例では、コンベア16によって下地パネル70,140や下地ボードを搬送することとしたが、これも一例であり、必要に応じて自動搬送する構成とすればよい。
(4)実施例2で示した下地パネル140も一例であり、金属板を含む下地パネル140へのタイル74の貼り付けに、過熱蒸気による予熱や乾燥を適用することを妨げるものではない。
【0047】
(5)前記実施例1で示した電磁誘導加熱ヘッド32も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で、形状・寸法等を変更してよい。また、前記実施例1では、前記電磁誘導加熱ヘッド32を下地パネル70の下側に配置することとしたが、これも一例であり、上側に配置するようにしてもよいし、反りが生じないようにする必要がある場合には、上下の両方に配置するとよい。他の実施例についても同様である。
(6)前記実施例1では、接着剤26として公知のホットメルト接着剤を用いることとしたが、これも一例であり、公知の2液性接着剤であってもよいし、1液性エポキシ接着剤のような公知の熱硬化性接着剤を用いてもよい。本発明によれば、化学反応型の接着剤を用いた場合であっても、加熱により硬化時間が早くなるため、結果として養生時間の短縮を図ることができる。
(7)前記実施例の工程図で示した加熱のタイミング,加熱温度は、使用する材料に応じて適宜変更可能である。また、加熱方法についても電磁誘導加熱を利用したものであれば、下地パネルに用いた金属板を電磁誘導で発熱させる方法でもよいし、電磁誘導加熱によって生成した過熱蒸気をして加熱する方法であってもよい。製造する積層材が金属を含まない場合には、IH過熱蒸気を使用して接着するようになる。例えば、建材の場合には、原則としてIH過熱蒸気を使用して接着を行うが、電磁波シールドや防湿等の特殊用途の目的がある場合には、金属を使用して電磁誘導で発熱させてもよい。このような電磁波シールド,防湿等の効果を有する積層材を製造する際に、電磁誘導加熱(IH加熱)を利用すると、生産性の向上,製造コストの低減の点で優れており、従来手法との差別化を図ることができる。
【0048】
(8)前記実施例1では、下地ボードの一方の面にタイル74を貼り付けることとしたが、これも一例であり、貼り付ける表装材はタイル74に限定されるものではない。例えば、図11(A)に示す積層材250では、ウレタン等の芯材252の表裏に表装材256A,256Bを貼り付ける例であり、芯材252と表装材256Aの間には金属層254Aが設けられ、芯材252と表装材256Bの間には、金属層254Bが設けられている。これら芯材252,金属層254A及び254B,表装材256A及び256Bの間には、接着剤258が設けられている。これらを図示の通りに重ねた後、表装材256A,256Bの外側から、電磁誘導加熱ヘッドにより前記金属層254A,254Bを発熱させる。その後、接着剤258が加熱された状態でプレスすると、表装材256A,256Bが表裏に接着された表装材250が得られる。なお、タイルを表装材として貼り付けるときには、プレス工程は不要である。また、図11(B)に示す積層材260のように、過熱蒸気(IH過熱蒸気)を利用して加熱する場合には、前記金属層254A,254Bは不要である。この場合は、図11(B)に示すように、表裏に接着剤258が塗布された芯材262を過熱蒸気で加熱し、表装材264A,264Bを重ねたのちにプレスする。プレス工程は、表装材の種類に応じて適宜行えばよい。例えば、ドア,家具部材,ベニア,化粧材,装飾材等を製造する場合には、電磁波シールド,防湿等の目的外には磁性体を使用しないため、熱可塑性接着剤又は熱硬化性接着剤を使用し、これらの表面材や装飾材を、芯材に対してIH過熱蒸気により接着する。
(9)前記タイルパネル60,150や実施例5による積層パネルは、壁面に取り付けて使用されるほか、内装パネル,間仕切り(パーティション),家具,ドアなどにも広く適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、下地パネルの被貼付面に接着剤を塗布し、接着剤の塗布後に下地パネルを加熱し、該加熱された下地パネルの接着剤塗布面に表装材を載せ、前記表装材が貼り付けられた下地パネルを加熱して乾燥させることとした。そして、前記下地パネルの加工及び乾燥を、電磁誘導加熱を利用して行い、かつ、前記下地パネルが、下地ボードの表裏面に金属層が設けられた構造であって、前記被貼付面への接着剤の塗布後に、該接着剤が塗布されていない面側の金属層を、電磁誘導加熱により発熱させて、前記下地パネルを加熱することとし、これらの加熱を必要に応じて2段階以上に分けて行うこととした。このため、下地パネルに表装材が接着された積層材の製造に適用できる。
【0050】
また、本発明によれば、略円筒状ないし円柱状の芯材の周囲に発泡材と表装材を設けた積層材の製造において、前記表装材が、金属層の表裏に接着剤によって耐候性樹脂層が設けられた金属シートであって、表装材の被貼付面に接着剤を塗布し、接着剤の塗布後、前記表装材を加熱し、前記表装材の接着剤塗布面を、発泡材で周囲が覆われた略円筒状ないし円柱状の芯材に貼り付けることとした。そして、電磁誘導加熱によって前記金属層を発熱させて、前記表装材を加熱し、かつ、この加熱を2段階以上に分けて行うこととした。このため、発泡材で周囲が覆われた芯材に、表装材が接着された積層材の製造に適用できる。特に、パイプ用の断熱材として用いられる積層材の用途に好適である。
【符号の説明】
【0051】
10:タイルパネル製造システム
12:足
14:台
16:コンベア
20:接着剤塗布装置
22A,22B:支柱
24:塗布ローラ
26:接着剤
30:下地パネル加熱装置
32:電磁誘導加熱ヘッド
34:電源装置
40:タイル貼付装置
42A,42B:ロボットアーム
50:乾燥装置
52A,52B,56A,56B:電磁誘導加熱ヘッド
54,58:電源装置
60:タイルパネル
70:下地パネル
72:石膏ボード
74:タイル
76A,76B:金属板
100:タイルパネル製造システム
110:下地パネル加熱装置
111:過熱蒸気供給装置
112:過熱蒸気
120:タイル貼付装置
122A,122B:過熱蒸気供給装置
130:乾燥装置
132:過熱蒸気供給装置
140,140A:下地パネル
142:石膏ボード
144A,144B:樹脂板
146:樹脂ボード
150:タイルパネル
200:積層材
202,202A,202B:発泡ウレタン
204:アルミシート
206:接着剤
208,216:耐候性樹脂層
210,214:接着剤
212:アルミニウム層
220:芯材
222:接着剤
230:パイプ
250:積層材
252:芯材
254A,254B:金属層
256A,256B:表装材
258:接着剤
260:積層材
262:芯材
264A,264B:表装材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11