特許第6181376号(P6181376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エス・ケー・ジーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181376
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170807BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20170807BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170807BHJP
【FI】
   F21S2/00 210
   F21V8/00 310
   F21V8/00 340
   F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-11564(P2013-11564)
(22)【出願日】2013年1月24日
(65)【公開番号】特開2014-143113(P2014-143113A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127857
【氏名又は名称】株式会社エス・ケー・ジー
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】松岡 正
(72)【発明者】
【氏名】船橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】星野 大地
(72)【発明者】
【氏名】高良 未来
(72)【発明者】
【氏名】利根川 裕
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−249299(JP,A)
【文献】 特開2011−034680(JP,A)
【文献】 特開2011−191751(JP,A)
【文献】 特開2012−089256(JP,A)
【文献】 特開2001−126519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射側面から入射した光を主に主面の一面側又は両面側から出射する導光板が2枚組み合わせてなる導光部と、前記主面の入射側面側に隣接して設けられた発光ダイオードからなる光源と、を有する照明装置であって、
前記導光板は、前記主面及び前記入射側面とそれぞれ直交し、前記導光板の右側と左側とを体積が同一となるように二等分する二等分面を基準に、前記中心面より右側の領域である右側領域と前記二等分面より左側の領域である左側領域とからなり、
前記主面の少なくとも一面側には、矩形形状となるように加工された加工痕からなる複数の拡散領域が設けられており、
前記右側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域の面積が前記主面に占める割合と、前記左側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域の面積が前記主面に占める割合とが、略同一であり、
水平方向にそれぞれ20°の角度で80cmの距離において、0°方向と同程度の照度を有する状態で、前記右側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域と、前記左側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域とが、互いに非対称の位置に位置することを特徴とする、
照明装置。
【請求項2】
前記右側領域に設けられた前記拡散領域と前記左側領域に設けられた前記拡散領域とは、前記主面の同一面側にそれぞれ設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記右側領域又は前記左側領域に設けられている前記拡散領域の数は、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源に近い側の半面である近位半面に設けられている数が、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源から遠い側の半面である遠位半面に設けられている数より多いことを特徴とする、
請求項1又は2に照明装置。
【請求項4】
前記右側領域又は前記左側領域に設けられている前記拡散領域が占める面積の割合は、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源に近い側の半面である近位半面に設けられている前記拡散領域が占める面積の割合が、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源から遠い側の半面である遠位半面に設けられている前記拡散領域が占める面積の割合より大きいことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
複数の前記拡散領域のそれぞれの形状は、同一形状又は相似形状であることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記拡散領域の形状は、左右又は上下の少なくとも一方が対称となる形状であることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
複数の前記拡散領域の面積が占める割合は、前記導光板の主面の面積に対して50%以下であることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
複数の前記拡散領域は、前記主面の両面側にそれぞれ設けられていることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の照明装置において、
複数の前記拡散領域が設けられる位置が前記主面の一面側と前記主面の他面側とで異なることを特徴とする、
照明装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の照明装置において、
前記主面の一面側から視認した際、前記主面の一面側に設けられた複数の前記拡散領域と前記主面の他面側に設けられた複数の前記拡散領域とが互いに重ならないことを特徴とする、
照明装置。
【請求項11】
前記拡散領域は、直線形状、十字形状、円形、多角形又は特定の文字のいずれかの形状の輪郭を有すること特徴とする、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記拡散領域は、表面形状が略四角形状であり、前記主面の少なくとも一面に格子状に配置されていることを特徴とする、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
2枚の前記導光板は、係合溝を有し、
前記係合溝により、それぞれの主面同士が略直角となる角度で組み合わされていることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
前記導光板の前記光源から遠い位置側の端面は、傾斜面からなる切り込み部を有する、
請求項13に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々な種類の照明装置が使用されているが、近年の環境に対する意識の高まりから、消費電力の少ない発光ダイオード(以下、「LED」とも言う。)を光源とする照明装置の需要が高まっている。しかしながら、光源としてLEDを使用すると、LEDから照射される光は白熱電球や蛍光灯から照射される光と比較して直進性が高いため、広い角度で光を照らす必要がある照明装置では、光が照射される範囲が不十分である。そこで、広範囲に光を照射することができる広角の配光特性を得るために、複数の拡散ドットが全面に設けられた導光板でLEDから照射された光を拡散することで、広い範囲を照らす照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−249299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような照明装置では、横方向へ光を拡散するために、導光板の全面に拡散ドットを設ける必要があり、導光板の加工に労力が必要となるという課題がある。また、横方向への十分な配光特性を保つためには、導光板の全面に拡散ドットを設ける必要があるため、導光板のデザインが限られることになるため、意匠性に乏しいという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、光源としてLEDを使用した場合であっても横方向への高い配光特性を有し、導光板の加工の際の労力を低減しつつ、高い意匠性を有する照明装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の照明装置は、
入射側面から入射した光を主に主面の一面側又は両面側から出射する導光板が2枚組み合わせてなる導光部と、前記主面の入射側面側に隣接して設けられた発光ダイオードからなる光源と、を有する照明装置であって、
前記導光板は、前記主面及び前記入射側面とそれぞれ直交し、前記導光板の右側と左側とを体積が同一となるように二等分する二等分面を基準に、前記中心面より右側の領域である右側領域と前記二等分面より左側の領域である左側領域とからなり、
前記主面の少なくとも一面側には、矩形形状となるように加工された加工痕からなる複数の拡散領域が設けられており、
前記右側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域の面積が前記主面に占める割合と、前記左側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域の面積が前記主面に占める割合とが、略同一であり、
水平方向にそれぞれ20°の角度で80cmの距離において、0°方向と同程度の照度を有する状態で、前記右側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域と、前記左側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域とが、互いに非対称の位置に位置することを特徴とする。
【0008】
この照明装置では、主面の表面を矩形形状となるように加工した加工痕からなる複数の拡散領域が水平方向にそれぞれ20°の角度で80cmの距離において、0°方向と同程度の照度を有する状態で、前記右側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域と、前記左側領域における前記主面に設けられた前記拡散領域とが、互いに非対称の位置に位置し、かつ、導光板の右側領域に占める割合と左側領域に占める割合とが略同一となる割合で設けられているため、光源から照射された光が拡散領域によって左右いずれの方向にも水平方向にそれぞれ20°の角度で80cmの距離において、0°方向と同程度の照度を有するように拡散されることになる。こうすることにより、光源として光の直進性が高い発光ダイオードを使用した場合であっても、発光ダイオードの発光方向だけでなく、横方向にも幅広く光を照射することができる。また、拡散領域の形状や配置位置にかかわらず、右側領域と左側領域とのそれぞれに占める拡散領域の割合が同一であれば、少なくとも2種類以上の異なる形状に加工された加工痕からなる複数の拡散領域で左右同程度の光が拡散することができる。こうすることにより、拡散領域を加工する際の自由度を高めることができ、用途に合わせて種々の形態の拡散領域を形成し、所望の美観を与えることができる。このとき、左右方向に拡散された光が壁面に当たった際に、照明装置を中心として左右対称に模様が生じるため、照明装置及び照明装置から照射される光に加えて、光が当たる壁面にも優れた美観を演出することができる。なお、導光板の主面は、主面及び入射側面にそれぞれ直交し、前記導光板の右側と左側とを体積が同一となるように二分する仮想面である二等分面によって右側領域と左側領域の二つの領域に分けられるものとし、導光板を二等分面によって左右に二等分した右側を右側領域、左側を左側領域と言う。また、ここで「右側」及び「左側」とは、導光板の主面の一面側から主面を視認した際に、二等分面によって二つの領域に二等分される導光板の一方側と他方側との位置関係を示すものであり、いずれかの特定の方向に限定するものではない。主面の表面側又は裏面側のいずれの面を基準として視認した場合であっても、二等分面よりも右側に位置する領域を右側領域と言うことにする。
【0009】
本発明の照明装置は、
入射側面から入射した光を主に主面の一面側又は両面側から出射する導光板が2枚組み合わせてなる導光部と、前記主面の入射側面側に隣接して設けられた発光ダイオードからなる光源と、を有する照明装置であって、
前記導光板は、前記主面及び前記入射側面とそれぞれ直交し、前記導光板の右側と左側とを体積が同一となるように二等分する二等分面を基準に、前記二等分面より右側の領域である右側領域と前記二等分面より左側の領域である左側領域とからなり、
前記主面の少なくとも一面には、特定の形状に加工された加工痕からなり、前記光源から照射された光を主に主面側に拡散する複数の拡散領域が前記二等分面を基準として対称となる位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0010】
この照明装置では、主面の二等分面を対称面として対称となる右側領域と左側領域のそれぞれに特定の形状に加工された加工痕からなる拡散領域が左右対称の位置に複数設けられているため、光源から照射された光が導光板に設けられた複数の拡散領域で拡散され、左右いずれの方向にも同程度の割合で拡散されることになる。こうすることにより、光源として光の直進性が高い発光ダイオードを使用した場合であっても、発光ダイオードの発光方向だけでなく、横方向にも幅広く光を照射することができる。また、拡散領域が配置される位置が主面に左右対称となる位置であれば、拡散領域の形状や配置位置にかかわらず同様の効果を得ることができるため、右方向及び左方向の両方に均等に光を拡散することができる形で拡散領域を加工する際の自由度が大きく、用途に合わせて種々の形態の拡散領域を形成し、所望の美観を与えることができる。
【0011】
本発明の照明装置において、前記右側領域に設けられた前記拡散領域と前記左側領域に設けられた前記拡散領域とは、前記主面の同一面側にそれぞれ設けられていてもよい。こうすれば、入射側面から入射した光が主に主面の同一面側に導光されることになるため、主面のいずれか1面側をより明るく照らすことができる。
【0012】
本発明の照明装置において、前記右側領域又は前記左側領域に設けられている前記拡散領域の数は、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源に近い側の半面である近位半面に設けられている数が、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源から遠い側の半面である遠位半面に設けられている数より多くともよい。このように、遠位半面と比較して光源に近い近位半面に配置される拡散領域の数を大きくすることで、光源に近い位置で光を拡散することができる。こうすることにより、遠位半面における拡散領域の数が大きい場合と比較して、より強い光を横方向に拡散することができる。また、右側領域と左側領域とのそれぞれに占める拡散領域の位置が左右対称の位置であれば、拡散領域の形状や配置位置にかかわらず同様の効果を得ることができるため、拡散領域を加工する際の自由度が大きく、用途に合わせて種々の形態の拡散領域を形成し、所望の美観を与えることができる。なお、ここで近位半面及び遠位半面とは、主面の表面を光源に近い側と遠い側とで同一の距離となるように分けた際、近い側に相当する領域と遠い側に位置する領域をそれぞれ意味する。
【0013】
本発明の照明装置において、前記右側領域又は前記左側領域に設けられている前記拡散領域が占める面積の割合は、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源に近い側の半面である近位半面に設けられている前記拡散領域が占める面積の割合が、前記右側領域又は前記左側領域の前記光源から遠い側の半面である遠位半面に設けられている前記拡散領域が占める面積の割合より大きくともよい。このように、遠位半面と比較して光源に近い近位半面に配置される拡散領域の面積を大きくすることで、光源に近い位置で光を拡散することができる。こうすることにより、遠位半面における拡散領域の面積の割合が大きい場合と比較して、より強い光を横方向に拡散することができる。
【0014】
本発明の照明装置において、複数の前記拡散領域のそれぞれの形状は、同一形状又は相似形状であってもよい。こうすれば、導光板の表面に設けられた複数の拡散領域によって整然とした印象を与え、照明装置が優れた意匠性を有することに加え、拡散領域によって拡散された光も同一又は相似形状に拡散されることになるため、優れた美観を与えることができる。
【0015】
本発明の照明装置において、複数の前記拡散領域の形状は、左右又は上下の少なくとも一方が対称となる形状であってもよい。こうすれば、対称性を有する拡散領域が主面に設けられることになり、全体として整然とした印象を与え、照明装置が優れた意匠性を有することに加え、拡散領域によって拡散された光も左右又は上下の少なくとも一方が対称となる形状に拡散されることになるため、優れた美観を与えることができる。
【0016】
本発明の照明装置において、複数の前記拡散領域の面積が占める割合は、前記導光板の主面の面積に対して50%以下であってもよい。こうすれば、光源の発光方向だけで無く、導光板の主面方向にも十分な量の光を拡散することができるため、広い範囲を照らすことができる。
【0017】
本発明の照明装置において、複数の前記拡散領域は、前記主面の両面側にそれぞれ設けられていてもよい。こうすることにより、主面の両面側に光を拡散することができるため、拡散領域が主面の片面側のみに設けられている場合と比較して、横方向に光のムラを少なくし、照射される光の量を均一に近づけることができる。
【0018】
本発明の照明装置において、複数の前記拡散領域が設けられる位置が前記主面の一面側と前記主面の他面側とで異なっていてもよい。こうすれば、拡散領域の位置が一面側と他面側とで同一の場合と比較して、拡散領域を配置する自由度が上昇する。
【0019】
本発明の照明装置において、前記主面の一面側から視認した際、前記主面の一面側に設けられた複数の前記拡散領域と前記主面の他面側に設けられた複数の前記拡散領域とが互いに重ならない位置に前記拡散領域が設けられていても良い。こうすれば、一面側に設けられた拡散領域と他面側に設けられた拡散領域とが重なって視認される可能性を未然に防ぐことができ、優れた意匠性を有する。
【0020】
本発明の照明装置において、前記拡散領域は、直線形状、十字形状、円形、多角形又は特定の文字のいずれかの形状の輪郭を有していてもよい。このように拡散領域の形状を特定の形状とすることにより、導光板の表面が所望の形状に設けられ、導光板の意匠性を高めることができる。また、この拡散領域から拡散された光も、拡散領域の形状にあわせて所望の形状となるため、拡散された光によって所望の形状を描くことができ、優れた美観を与えることができる。
【0021】
本発明の照明装置において、前記拡散領域の表面形状は略四角形状であり、前記主面の面積の半分の領域が複数の前記拡散領域により占められていてもよい。こうすることにより、規則的な印象を与え、特に、日本人には、市松模様と似たような印象を与えることができる。
【0022】
本発明の照明装置において、2枚の前記導光板は、係合溝を有し、前記係合溝により、それぞれの主面同士が略直角となる角度で組み合わされていることを特徴とするものであってもよい。こうすれば、導光板の主面の方向が照明装置の横方向に略直角で配置されることになるため、導光板の主面同士がなす角度が異なる場合と比較して、より横方向にムラの少ない状態で光を照射することができる。
【0023】
本発明の照明装置において、前記導光板の前記光源から最も遠い位置側の端面は、前記光源方向に傾斜する傾斜面からなる切り込み部を有していてもよい。こうすれば、光源から照射された光のうち、拡散領域で拡散されること導光板を通過した光の一部は、切り込み部に設けられた傾斜面により反射され、光源方向に再度進むことになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】照明装置20の外観の概略を示す正面図である。
図2】照明装置20の構成の概略を示す断面図である。
図3】照明装置20の構成の概略を示す六面図である。
図4図3中のB部を拡大した拡大図である。
図5】拡散領域42の配置位置の異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図5Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図5Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図6】拡散領域42の配置位置の異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図6Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図6Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図7】拡散領域42の配置位置の異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図7Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図7Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図8】拡散領域42の配置位置の異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図8Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図8Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図9】拡散領域42の配置位置の異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図9Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図9Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図10】拡散領域42の配置位置の異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図10Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図10Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図11】拡散領域42の形状の異なる第二の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図11Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図11Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図12】拡散領域42の形状の異なる第三の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図12Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図12Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図13】拡散領域42の形状の異なる第四の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図13Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図13Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図14】拡散領域42の形状の異なる第五の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図14Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図14Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図15】拡散領域42の形状の異なる第六の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図15Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図15Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図16】拡散領域42の形状の異なる第七の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図16Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図16Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図17】拡散領域42の形状の異なる第八の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図17Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図17Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図18】拡散領域42の形状の異なる第九の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図であり、図18Aは、導光板40aの表面側及び裏面側を、図18Bは、導光板40bの表面側及び裏面側を、それぞれ示した図である。
図19図19は、第一の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図20図20は、第二の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図21図21は、第三の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図22図22は、第四の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図23図23は、第五の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図24図24は、第六の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図25図25は、第七の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図26図26は、第七の実施形態の他の形態の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図27図27は、第八の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図28図28は、第九の実施形態と同様の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
図29図29は、第九の実施形態の他の形態の拡散領域42を備えた導光板40を用いた場合の配光特性を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図1及び図2を用いて、本発明の第一の実施の形態である照明装置20の構成を詳しく説明する。ここで、図1は、照明装置20の構成の概略を示す正面図であり、図2は、図1のA−A断面で切断した断面図である。また、照明装置20の構成の理解を深めるため、図3に照明装置20の構成の概略を示す六面図を示す。この照明装置20は、図1に示すように、図示しない照明装置用取付部に螺合する口金32と、導光板40の端面に光を照射する光源36(図2参照)と、光源36から発生した熱を放出する放熱部34と、を有する本体部30に、複数の拡散領域42(図3参照)を有する2枚の導光板40a及び導光板40b(以下、「導光板40」とも言う。)を取り付けたものである。この照明装置20は、図示しない照明装置用取付部(例えば、JIS規格で定められたE26口が取り付け可能な取付部)に口金32を螺合することにより光源36に電力が供給されると、光源36から光が導光板40に照射され、導光板40に設けられた複数の拡散領域42で光が拡散されことにより、周囲が照らされる。
【0026】
放熱部34は、図1に示すように、表面に凹凸を有する金属性の部材であり、表面の凹凸により外気と接する表面積を増大させ、放熱部34より外気に放出される熱量を増大させている。この放熱部34と複数の光源36が設けられた図示しない基板とは当接しているため、光源36を点灯することにより発生する熱は、放熱部34を介して外に放熱される。こうすることにより、放熱部34と当接していない場合と比較して、より効率的に熱を排出することができる。言い換えると、光源36を点灯することにより発生する熱により光源36が故障したり不具合が生じたりする可能性を未然に低減することができる。
【0027】
光源36は、正面発光型の白色発光ダイオード(以下、「LED」と言う。)であり、図2に示すように、導光板40の端面に対向する位置に近接して配置される。このため、光源36と導光板40の端面との距離が離れている場合と比較して、より光源36から照射された光を導光板40の内部に導くことができる。また、この光源36は、図示しない基板及び導線等を介して口金32と電気的に接続されている。このため、口金32が図示しない照明装置用取付部に螺合して電力が供給されると、光源36にも電力が供給される。
【0028】
導光板40aは、図5Aに示すように、厚さが約4ミリメートルから約8ミリメートルの透過性を有するメタクリル樹脂製の板状部材であり、中央部に一端(図2中、下方側端)から他端側(図2中、上方側)に向かって、2つの溝部44及び係合溝46がそれぞれ設けられており、一端側の端部には傾斜面48a及び傾斜面48bからなる切り欠き部48がそれぞれ設けられている。このため、他端側から入射した光のうち、拡散領域42で拡散されること無く一端側に到達した光の一部は、傾斜面48a又は傾斜面48bで反射されることになり、LEDのように直進性の高い光源を利用した場合であっても、光源の正面のみが明るくなることを未然に防止することができる。
【0029】
導光板40bは、図5Bに示すように、厚さが約4ミリメートルから約8ミリメートルの透過性を有するメタクリル樹脂製の板状部材であり、中央部に一端(図2中、下方側端)から他端側(図2中、上方側)に向かって、3つの溝部44がそれぞれ設けられており、一端側の端部には傾斜面48a及び傾斜面48bからなる切り欠き部48がそれぞれ設けられている。このため、他端側から入射した光のうち、拡散領域42で拡散されること無く一端側に到達した光の一部は、傾斜面48a又は傾斜面48bで反射されることになり、LEDのように直進性の高い光源を利用した場合であっても、光源の正面のみが明るくなることを未然に防止することができる。また、中央部の他端から一端側に向かって第二係合溝47が設けられており、導光板40aに設けられた係合溝46と、導光板40aの主面と導光板40bの主面とが略直角となる角度で係合する。こうすることにより、光源36から導光板40に照射された光を略垂直の角度でそれぞれ拡散することができるため、優れた美観を演出することができる。
【0030】
導光板40の主面41(図1及び図2中、点線を付した面)には、図3に示すように、複数の拡散領域42が設けられている。また、導光板40は、二等分面41c(主面41及び入射側面43とそれぞれ直交し、一端側と他端側とを結ぶ仮想面)によって右側領域41aと左側領域41bとの二つの領域に二分される。このとき、右側領域41aと左側領域41bとは、同一の体積を有するため、主面41は、右側領域41aと左側領域41bとによって二等分されることになる。なお、ここで「右側領域41a」及び「左側領域41b」は、主面41の一面側を基準として主面41を視認した際に、二等分面41cによって二つの領域に二等分される導光板40の一方側(図5A中の上側)と他方側(図5A中の下側)とをそれぞれ示すものである。
【0031】
拡散領域42は、図4に示すように、主面の表面に矩形形状となるように加工した加工痕42aからなり、加工痕42aからなる拡散領域42と加工されていない領域とが、交互に位置するよう主面41の全面に加工されている。この矩形形状の拡散領域42は、主面41の表面に規則的に配置されており、例えば、市松模様の一部が主面41の表面に表された形状で形成されている。このように、主面の表面全体に複数の拡散領域42が規則的に配置されることにより、他端側から入射した光が一端側に到達する前にいずれかの拡散領域42を通過することになるため、主面方向に光が拡散されることになる。また、拡散領域42が左右対称となる位置に設けられているため、他端側から入射した光が右方向と左方向の両方向に同程度拡散されることが期待される。このため、照明装置20の右側と左側とを同程度の明るさにすることができる。加えて、拡散領域42が上下対称となる位置に設けられているため、上方側から拡散される光と下方側から拡散される光とが同程度となる。
【0032】
次に、拡散領域42の配置位置の異なる導光板40の他の実施の形態について、図6図10を用いて説明する。ここで、図6図10は、他の形態における導光板40a及び導光板40bを示す正面図及び背面図である。なお、拡散領域42の配置位置以外は、同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
導光板40の他の実施の形態としては、図6に示すように、表面側と裏面側とで同一の配置位置であて、拡散領域42の配置位置が異なる2枚の導光板40a及び導光板40bをそれぞれ組み合わせても良い。こうすれば、対称性を有しつつ、照明装置20が視認される方向によって異なる美観を与えることができる。
【0034】
また、図7に示すように、複数の拡散領域42が、表面側と裏面側とで一面側から視認した際に、互いに重ならない位置に設けられていても良い。こうすれば、光源36から照射された光が導光板40を通過する際、光源領域42によって表面側か裏面側かのいずれかの方向に導光されることになるため、いずれの方向にも反射することなく導光板40を通過する光を減少させることができる。言い換えると、光源の正面方向側だけを明るくすることなく、横方向も同時に明るくすることができる。
【0035】
更に、図8に示すように、図6及び図7を組み合わせ、表面側と裏面側とで互いに重ならない位置に複数の拡散領域42が設けられ、それぞれ異なる位置に配置された2種類の導光板40を組み合わせて導光部を形成しても良い。こうすれば、照明装置20が視認される方向によって異なる美観を与えつつ、横方向に対して光のムラを少なくした状態で明るくすることができる。
【0036】
更にまた、図9に示すように、導光板40の表面側と裏面側とに互いに重ならない位置にそれぞれ複数の拡散領域42が設けられていてもよい。具体的には、主面41の一面側の右側領域41aと他面側の左側領域41bとにそれぞれ設けられていても良い。このような場合には、導光板40の表面側と裏面側とにおいて主面の左右それぞれの面側で光が拡散されることになる。こうすることにより、表面側と裏面側とで対照的な美観を与えつつ、左右の面側で異なる美観を与えることができるため、拡散領域42の配置位置によって種々の美観を与えることができる。なお、拡散領域42の位置については、この位置に限定されるものではなく、主面41の一面側の左側領域41bと他面側の右側領域41aとにそれぞれ設けられていても良い。
【0037】
そして、図10に示すように、導光板40の一端側、つまり、光源36に近い側の半面(近位半面)にのみ拡散領域42が配置されていても良い。こうすれば、光源36に近く、強い光を横方向に拡散することができるため、光源36から遠い側の半面(遠位半面)にのみ拡散領域42が配置されている場合と比較して、より横方向を明るくすることができる。また、照明装置20を天井等に取り付けた場合には、上方側から光が拡散することになるため、広がりのある美観を与えることができる。なお、このとき、拡散領域42は、光源36に近位半面にのみ設けるものとしたが、光源36にから遠ざかるにつれて拡散領域42の数を減らしたり、拡散領域42のサイズを小さくしたりして表面に占める拡散領域42の割合を少なくしても良い。いずれの場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0038】
なお、拡散領域42の配置位置は、図6図10に示すものに限定されるものではなく、導光板40の左側領域と右側領域とのそれぞれに占める拡散領域42の割合が同一となるように配置されていてもよいし、それぞれの拡散領域42の形状が相似形であってもよいし、複数の形状を有する拡散領域42が配置されていてもよい。
【0039】
以上詳述した照明装置20によれば、主面41の二等分面41cを対称面として対称となる位置に拡散領域42が設けられており、かつ、主面の二等分面41cを対称面として右側と左側とに略同一の面積となるようにそれぞれ左右対称に拡散領域42が設けられているため、光源36から照射された光が導光板40に設けられた複数の拡散領域42によって、右側方向及び左側方向に略同一の強さで拡散されることになり、両側方向をそれぞれ均一に明るくすることができる。このとき拡散される光は、左右対称に拡散されるため、優れた意匠性を有する。
【0040】
また、主面41の右側領域に設けられた拡散領域42と主面41の左側領域に設けられた拡散領域42とは、それぞれ前記主面41の同一面側に設けられているため、入射側面から入射した光によって、主面41の同一面側をより明るくすることができる。
【0041】
また、主面41には同一の大きさの四角形である拡散領域42が複数設けられているため、導光板40の表面全体が統一感のある美観を有し、この四角形は左右及び上下が対称であるため、全体として整然とした印象を有する。このため、この拡散領域42から拡散された光も同様に統一感のある美観や整然とした印象を有するため、優れた意匠性を有する。
【0042】
更に、複数の拡散領域42は、導光板40の両側主面41にそれぞれ設けられているため、主面41の両面いずれ側にも対しても光を拡散することができるため、横方向に光を照射する際の光のムラを低減し、いずれの方向も明るく照らすことができる。
【0043】
更にまた、複数の拡散領域42は、表面形状が四角形形状であり、主面41の面積の半分の領域を規則的に占めているため、整然とした印象を与えることができ、特に、日本人に対しては、市松模様を想起させ、優れた美観を与えることができる。
【0044】
そして、導光板40aと導光板40bとが係合溝46と第二係合溝47とで略直角となる角度で組み合わされているため、導光板40aの主面41と導光板40bの主面41とが略直角となり、光源36から照射された光が、横方向に幅広く拡散されることになるため、導光板40aと導光板40bとが90°未満の角度で組み合わされている場合と比較して、横方向にムラの少ない状態で光を拡散することができる。
【0045】
続いて、照明装置20の他の実施の形態の導光板40について、図11図18を用いて説明する。ここで、図11〜17は、拡散領域42の形状が異なる他の実施の形態の導光板40を説明するための正面図及び背面図である。
【0046】
第二の実施の形態における導光板40は、図11に示すように、同一の点を中心とした半径の異なる2種類の円を複数配置したものであってもよい。こうすれば、同心円状に設けられた加工痕により規則的に光源36から照射された光が拡散されることになるため、優れた美観を与えることができる。なお、ここでは同一の点を中心とした半径の異なる2種類の円を組み合わせた形状の加工痕42aを形成するものとしたが、半径の長さは2種類に限定されるものではなく、3種類以上であってもよいし、1種類であってもよい。また、表面側と裏面側とで配置位置を変えたり、大きさを変更したりしても良いし、2枚の導光板40に設けられる拡散領域42の形状が同一であっても、異なっていても良い。このような導光板40を用いることにより、複数の円の広がりを表すイメージの光を照射することができ、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0047】
第三の実施の形態における導光板40は、図12に示すように、同一の中心点を有する複数の円形状に加工痕42aを設けることにより拡散領域42を配置しても良い。こうすれば、同一の中心点を中心として広がるイメージを有する光を演出することができ、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、ここでは円形状に加工痕42aを設けることにしたが、三角形や四角形、五角形以上の多角形形状であってもよし、各拡散領域42の大きさや、円形状の加工痕42aの中心位置については、適宜選択することができる。また、表面側と裏面側とで同一の位置に配置したり、2枚の導光板の表面に設けられる拡散領域42の形状が同一にしたりしてもよいし、主面41の右側と左側に同数配置しても良い。いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。加えて、主面41の上側半面に多く配置し、主面の下側半面に少なく配置しても良い。こうすれば、主面41の近位半面、つまり、光源36に近い位置で光源36からの光を拡散することができるため、主面41の遠位半面で拡散する場合と比較して、横方向への光を明るくすることができる。
【0048】
第四の実施の形態における導光板40は、図13Aに示すように、円形の形状を残して加工痕42aを加工したり、図13Bに示すように、異なる太さの円形状の加工痕42aを複数組み合わせて設けたりしてもよい。こうすれば、導光板40から拡散された光が加工痕42aの形状に即した形状として演出することができ、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、図13中の斜線部が拡散領域42であり、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、ここで、加工痕42aによって形成される円形の径の大きさは同一であっても異なっていてもよく、円形形状の加工痕42aの太さも同一であっても異なっていても良い。また、表面側と裏面側とに同一の加工痕42aを有していても、異なる加工痕42aを有していてもよい。いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0049】
第五の実施の形態における導光板40は、図14に示すように、連続する六角形形状に加工痕42aを設けることにより拡散領域42を配置しても良い。こうすれば、規則的な六角形のハニカム形状に設けられた加工痕42aによって規則的に光源36から照射された光が拡散されることになり、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、ここでは六角形のハニカム形状に加工痕42aを設けるものとしたが、五角形や七角形以上の多角形を同様に配置してもよいし、数種類の相似形であっても良いし、ハニカム形状に全体に配置するものではなく、主面41の一部に配置しても良い。また、表面側と裏面側とで配置位置を変えたり、大きさを変更したりしても良いし、2枚の導光板40に設けられる拡散領域42の形状が同一であっても、異なっていても良い。いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0050】
第六の実施の形態における導光板40は、図15に示すように、互いに直交する加工痕42aにより
複数の格子形状の領域を形成し、この格子形状の領域の一部に更に加工痕42aを設けることにより拡散領域42を形成してもよい。こうすれば、格子形状に形成された加工痕42aによって規則的に光源36から照射された光が拡散されることになり、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、ここでは互いに直交する加工痕42aにより格子形状に加工して拡散領域42を形成することとしたが、直交に限定されるものではなく、任意の角度で交わるものであってもよい。また、隣合う加工痕42a同士の距離は全て同一であっても良いし、全て異なっていても良いし、同一の間隔と異なる間隔とによって規則的に配置されていても良い。いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0051】
第七の実施の形態における導光板40は、図16に示すように、光源36から照射された光の光路に対して交わる方向に直線又は円弧形状の加工痕42aを設けていても良い。こうすれば、光源36から照射された光の光路と加工痕42aとが略平行に配置されている場合と比較して、より横方向に光を拡散することができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、ここでは光源36に近づくほど多くの加工痕42aを設けるものとしたが、加工痕42aの主面に占める割合は光源の位置に近づくほど大きくなっても良いし、同一であっても良い。また、表面側と裏面側とで同一の加工痕42aを形成しても良いし、異なる位置に形成しても良いし、2枚の導光板に形成される加工痕42aが同一であっても,異なっていても良い。いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0052】
第八の実施の形態における導光板40は、図17に示すように、導光板40の表面に複数の加工痕42aにより所望の模様を形成し、この加工痕42aで囲まれる領域の一部に更に加工痕42aを形成することにより、拡散領域42を形成しても良い。こうすれば、模様の形状にあわせた形状で加工痕42aから光が拡散されるため、光の形態を自由に定めることができ、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、模様の形状は、表面側と裏面側とで同一であっていても良いし、異なっていても良い。また、模様が形成される位置も同一であってもよいし、異なっていても良い。いずれの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0053】
第九の実施の形態における導光板40は、図18に示すように、導光板40の表面に特定の形状(例えば、十字架形状や文字列等)の模様を加工痕42aで形成しても良い。こうすれば、導光板40が直接視認された場合であっても、優れた美観を与えることができ、この光が壁面に到達することにより、壁面にも同様のイメージを有する模様を演出することができるため、優れた美観を与えることができる。なお、拡散領域42の形状以外は、第一の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、この導光板40が拡散される光も特定の形状の模様として拡散されるため、導光板40からの拡散光も優れた美観を与えることができ、この光が壁面に到達すると、壁面に特定の形状の模様を浮かび合わせることができるため、壁面にも優れた美観を与えることができる。
【0054】
なお、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0055】
例えば、上述した実施の形態では、導光板40は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、透過性を有する素材であればメタクリル樹脂製に限定されるものでなく、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂以外にも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0056】
上述した実施の形態では、導光板40の両側主面に複数の拡散領域42を設けるものとしたが、一方主面側のみに拡散領域42を備えていても良い。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0057】
上述した実施の形態では、主面にレーザー加工痕42aによって拡散領域42を形成するものとしたが、レーザー加工に限定されるものではなく、超音波加工や切削加工であってもよいし、スクリーン印刷やシルク印刷等によって凸状に加工してもよいし、あらかじめ凹凸が刻まれた金型を用いて射出成形で形成してもよい。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0058】
このようにして得られた照明装置20から光が照射される際、光が照射される角度と照度(ルクス)との関係について、図19図29を用いて説明する。図19図29は、それぞれの形状の拡散領域42において、各角度で同一の照度となる距離を示した模式図であり、上方に拡散領域42の形状を示し、下方に同一の光源を用いた場合に、同一の照度となる距離の軌跡を示したものである。ここで、下部の軌跡の算出方法を説明する。この軌跡は描くために、まず、照明装置20を中心に配置し、一端側から1mの距離でそれぞれの角度の照度(ルクス)を測定した。次に、それぞれの角度で得られた照度の測定値から、角度0°で得られた照度と同一の照度となる距離を算出し、得られた値をそれぞれの角度毎にプロットした。このプロットした点を互いに繋いだものが図19図29の下側にそれぞれ示した軌跡である。
【0059】
第一の実施の形態における導光板40と同様に、四角形の格子模様を有する拡散領域42を備えた場合には、図19に示すように、水平方向にそれぞれ20°傾けた場合であっても80cm以上の距離で同程度の照度を有するため、光源36の正面側(図19中の下方向)だけでなく、照明装置20の周囲方向(図19中の横方向)にも十分な照度を保つことができる。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、両方向ともに30°を超えており、横方向に膨らみを有する軌跡が描かれるため、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。
【0060】
また、第二の実施の形態における導光板40と同様に、同一の点を中心とした半径の異なる2種類の円を複数配置して拡散領域42を形成した場合には、図20に示すように、水平方向にそれぞれ20°傾けた場合であっても80cm以上の距離で同程度の照度を有するため、光源36の正面側(図20中の下方向)だけでなく、照明装置20の周囲方向(図20中の横方向)にも十分な照度を保つことができる。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、両方向ともに30°を超えており、横方向に膨らみを有する軌跡が描かれるため、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。
【0061】
更に、第三の実施の形態における導光板40と同様に、同一の中心点を有する複数の円形状に加工痕42aを設けることにより拡散領域42を配置した場合には、図21に示すように、水平方向にそれぞれ20°傾けた場合であっても80cmの距離で同程度の照度を有する。この結果から、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、両方向とも30°を超えており、横方向に膨らみを有する軌跡が描かれるため、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。
【0062】
更にまた、第四の実施の形態における導光板40と同様に、異なる太さの円形状の加工痕42aを複数組み合わせて設けたり、円形の形状を残して加工痕42aを加工したりした場合には、図22に示すように、水平方向にそれぞれ10°傾けることで70cm未満の距離で同程度の照度に低下するが、光源方向の明るさは170.7ルクスと十分な照度を保っている。この結果から、光源36の正面側を選択的に明るくすることができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、30°未満と限定された範囲であり、光源36の正面側に長いシャープな軌跡が描かれるため、正面方向に選択的に光を照射することができると言える。
【0063】
そして、第五の実施の形態における導光板40と同様に、連続する六角形形状に加工痕42aを設けることにより拡散領域42を配置した場合には、図23に示すように、水平方向に10°傾けることで、70cm程度の距離で同程度の照度に低下するが、更に傾けて水平方向に30°まで傾けた場合も、50cm以上の距離で同程度の照度を保っている。この結果から、10°〜30°の範囲に比較的明るくすることができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、両方向とも30°を超えており、横方向に膨らみを有する軌跡が描かれるため、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。
【0064】
そしてまた、第六の実施の形態における導光板40と同様に、互いに直交する加工痕42aにより
複数の格子形状の領域を形成し、この格子形状の領域の一部に更に加工痕42aを設けることにより拡散領域42を形成した場合には、図24に示すように、水平方向にそれぞれ10°傾けることで70cm未満の距離で同程度の照度に低下するが、光源方向の明るさは146.3ルクスと十分な照度を保っている。この結果から、光源36の正面側を選択的に明るくすることができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、30°未満と限定された範囲であり、光源36の正面側に長いシャープな軌跡が描かれるため、正面方向に選択的に光を照射することができると言える。
【0065】
そして更にまた、第七の実施の形態における導光板40と同様に、光源36から照射された光の光路に対して交わる方向に直線又は円弧形状の加工痕42aを設けた場合には、図25に示すように、水平方向にそれぞれ20°傾けた場合であっても80cm以上の距離で同程度の照度を有し、水平方向にそれぞれ30°傾けた場合であっても70cmの距離で同程度の照度を有する。この結果から、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、両方向とも40°を超えており、横方向に膨らみを有する軌跡が描かれるため、光源36の正面側だけでなく、導光板40の拡散によって照明装置20の周囲方向にも十分な照度を保つことができたと言える。
【0066】
加えて、第七の実施形態における導光板40の他の例として、光源36から照射された光の光路に対して斜めに交わる方向に直線状の加工痕42aを設けた場合には、図26に示すように,水平方向にそれぞれ10°また向けることで60cm未満の距離で同程度の照度に低下するが、光源方向の明るさは174.7ルクスと十分な照度を保っている。この結果から、光源36の正面側を選択的に明るくすることができたと言える。また、50cm離れた正面側と同程度の照度が得られる範囲は、30°未満と限定された範囲であり、光源36の正面側に長いシャープな軌跡が描かれるため、正面方向に選択的に光を照射することができると言える。
【0067】
加えて、第八の実施の形態における導光板40と同様に、導光板40の表面に複数の加工痕42aにより所望の模様を形成し、この加工痕42aで囲まれる領域の一部に更に加工痕42aを形成することにより、拡散領域42を配置した場合には、図27に示すように、水平方向にそれぞれ10°傾けることで70cm未満の距離で同程度の照度に低下するが、光源方向の明るさは153.9ルクスと十分な照度を保っている。この結果から、光源36の正面側を選択的に明るくすることができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、30°未満と限定された範囲であり、光源36の正面側に長いシャープな軌跡が描かれるため、正面方向に選択的に光を照射することができると言える。
【0068】
加えてまた、第九の実施の形態における導光板40のように、十字架形状の模様で加工痕42aを設けた場合には、図28に示すように、水平方向にそれぞれ20°傾けることで70cm未満の距離で同程度の照度に低下するが、光源方向の明るさは164.1ルクスと十分な照度を保っている。この結果から、光源36の正面側を選択的に明るくすることができたと言える。また、50cm離れた位置で正面側と同程度の照度が得られる範囲は、40°未満と比較的限定された範囲であり、光源36の正面側に長いシャープな軌跡が描かれるため、正面方向に比較的に選択的に光を照射することができると言える。
【0069】
加えて更にまた、第九の実施の形態における導光板40の他の例として、光源36から照射された光の行路に対して斜めに交わる方向に所定の文字状の加工痕42aを設けた場合には、図29に示すように、水平方向にそれぞれ10°傾けることで70cm未満の距離で同程度の照度に低下するが、光源方向の明るさは172.0ルクスと十分な照度を保っている。この結果から、光源36の正面側を選択的に明るくすることができたと言える。また、50cm離れた正面側と同程度の照度が得られる範囲は30°未満と限定された範囲であり、光源36の正面側に長いシャープな軌跡が描かれるため、正面方向に選択的に光を照射することができると言える。
【0070】
以上図19図29で示したように、導光板40の表面に設けられる拡散領域42の配置位置や形状によって、その配光特性は大きく異なる。例えば、照明装置20の周囲方向にも広く照らしたい場合には、図19〜20に示すように、横方向に膨らみを有する軌跡が描かれるように拡散領域42を形成すれば良いし、光源36の正面側を選択的に照らしたい場合には、図21図24図26図27及び図29に示すように、正面側に長いシャープな軌跡が描かれるように拡散領域42を形成すれば良いし。このように、照明装置20で光を照射したい範囲に応じて適宜拡散領域42の配置位置又は形状を定めることにより、所望の範囲に光を照射することができる。言い換えると、表面に設けられる拡散領域42の形状や配置位置を変更することによって、所望の配光特性を照明装置20にもたせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
上述した実施の形態で示すように、照明分野、特に、美観の優れた照明装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
20…照明装置、30…本体部、32…口金、34…放熱部、36…光源、
40…導光板、40a…導光板、40b…導光板、41…主面、41a…右側領域、
41b…左側領域、41c…二等分面、42…拡散領域、42a…加工痕、44…溝部、
46…係合溝、47…第二係合溝、48…切り欠き部、48a…傾斜面、48b…傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29