特許第6181384号(P6181384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181384
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20170807BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H02J7/00 302D
   H04M1/02 C
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-36828(P2013-36828)
(22)【出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2013-183634(P2013-183634A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2016年2月17日
(31)【優先権主張番号】61/604,947
(32)【優先日】2012年2月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501431073
【氏名又は名称】ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098350
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 睦彦
(72)【発明者】
【氏名】酒井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 邦治
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−272008(JP,A)
【文献】 特開2011−239633(JP,A)
【文献】 特開平09−261877(JP,A)
【文献】 特開2008−271690(JP,A)
【文献】 実開平06−025997(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26−1/32
H01M10/42−10/48
H02J7/00−7/12、
7/34−7/36
H04M1/00−1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を含むバッテリ装置と、
前記バッテリ装置から電力の供給を受ける負荷装置と、
可動部材を離脱可能に装着する受容部と、
前記バッテリ装置から前記負荷装置へ流れる暗電流を防止するための制御信号を発生するスイッチ部とを備え、
前記スイッチ部は、前記受容部に配置され、前記受容部に装着されるべき前記可動部材に変更を加えて構成された所定の可動部材が受容されたとき導通するスイッチを有し、
前記バッテリ装置は、前記負荷装置へ電力を供給する電源パスを、前記スイッチ部からの制御信号に応じて切断するスイッチング素子を有する
携帯端末。
【請求項2】
前記可動部材はカード媒体である請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記可動部材はイヤホンプラグである請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記受容部に配置された前記スイッチは、第1および第2の接点を有し、前記所定の可動部材は、前記受容部に受容された状態で前記第1および第2の接点の間を短絡させる導体部を有する請求項1、2または3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記受容部に配置された前記スイッチは、外力により導通/遮断される機械的スイッチを有し、前記所定の可動部材は、前記受容部に受容された状態で前記機械的スイッチを駆動する駆動部を有する請求項1、2または3に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記スイッチング素子は、前記電源パスにソース・ドレイン端子間チャネルが直列に挿入され、ゲート端子に前記制御信号を受けるFETを含む請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記バッテリ装置は、
バッテリ保護回路と、
前記電源パスに挿入され前記バッテリ保護回路の出力に応じて前記電源パスを切断する前記スイッチング素子としての第1のスイッチング素子と、
前記バッテリ保護回路に印加される電源電圧を前記スイッチ部からの制御信号に応じて遮断する第2のスイッチング素子と
を有する請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
前記バッテリ装置は、
バッテリ保護回路と、
前記バッテリ保護回路の出力に応じて前記電源パスを切断する前記スイッチング素子とを有し、
前記バッテリ保護回路は、前記電源パスを強制的に切断させる出力を前記スイッチング素子へ出力させるための制御信号を受ける制御入力端子を有し、前記制御入力端子に前記スイッチ部からの制御信号が入力される請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
前記バッテリ保護回路は、過放電または過電流の検出部、および、過電圧の検出部の少なくとも一つを有し、前記スイッチ部からの制御信号はいずれかの前記検出部の出力と論理和されて用いられる請求項7または8に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を含むバッテリ装置を内蔵する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォンと呼ばれる携帯端末が急速に普及してきている。携帯端末は、電源として充電が可能なバッテリ(二次電池)を用いている。
【0003】
一般に、バッテリをユーザが交換可能な装置では、製品の工場出荷時にバッテリは装置本体から取り外された状態でユーザに提供される。
【0004】
特許文献1には、バッテリ装置を着脱可能なビデオカメラなどの装置において、バッテリ装置が負荷装置に接続されずに放置されている際にバッテリ装置内の内部回路に暗電流と呼ばれる微小な電流が流れるのを防止する技術が開示されている。具体的には、バッテリ装置内に、負荷装置又は充電装置との接続を検出する手段と、負荷装置又は充電装置に接続されていないことが検出された状態で、バッテリを内部回路から切り離すスイッチとが設けられている。
【0005】
また、バッテリ装置は、携帯端末などの装置本体に装着された状態において、負荷装置と電気的に接続されるため、電源がオフされた状態でも、暗電流が流れることが知られている。このため、一定期間充電せずに携帯端末を放置しておくと、過放電状態となり、再度電源投入の際に充電が必要になる。また、過放電状態が長引くとバッテリは大きく劣化し使用不能になる、などのデメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−296856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、スマートフォンなどの携帯端末には、出荷段階でバッテリ装置が端末本体内に収容され、ユーザがバッテリ装置を交換できない構造を有する機種がある。このような機種は、バッテリ装置の機械的構造が簡略化され、携帯端末の薄型化、軽量化、低コスト化が図れる利点を有する。
【0008】
このような機種の携帯端末では、バッテリ装置は常に負荷装置に接続され、電源をオフしている間も負荷装置に対して暗電流が流れる。したがって、製品の出荷後、ユーザの手に渡るまでの間も、倉庫や店頭において、暗電流に起因したバッテリの放電が継続して発生することになる。
【0009】
実際上、製品がユーザの手に渡ったときに充電することなく直ちに使用できることが好ましい。また、上述したように過放電状態が長引くことによりバッテリが劣化することは好ましくない。
【0010】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、本願発明者は、携帯端末にバッテリを内蔵した状態において、工場出荷後や比較的長期間使用されない場合に、暗電流によるバッテリの放電を防止する必要性を認識している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施の形態によれば、二次電池を含むバッテリ装置と、前記バッテリ装置から電力の供給を受ける負荷装置と、可動部材を離脱可能に装着する受容部と、前記バッテリ装置から前記負荷装置へ流れる暗電流を防止するための制御信号を発生するスイッチ部とを備え、前記スイッチ部は、前記受容部に配置され、前記受容部に装着されるべき前記可動部材に変更を加えて構成された所定の可動部材が受容されたとき導通するスイッチを有し、前記バッテリ装置は、前記負荷装置へ電力を供給する電源パスを、前記スイッチ部からの制御信号に応じて切断するスイッチング素子を有する携帯端末、が提供される。
【0012】
この携帯端末では、前記バッテリ装置から前記負荷装置へ流れる暗電流を防止するための制御信号を発生するスイッチ部として前記受容部への前記所定の可動部材の受容により導通するスイッチを設けることにより、携帯端末の本体部側からのスイッチ部の操作により、暗電流の防止を指示することが可能となる。したがって、バッテリ装置が携帯端末に内蔵された状態においても、暗電流の防止を図ることができる。
【0013】
前記電源パスを切断するスイッチング素子に関しては少なくとも次の3つの態様が考えられる。
【0014】
第1の態様において、前記バッテリ装置は、前記電源パスに挿入され前記スイッチ部からの制御信号に応じて前記電源パスを切断するスイッチング素子を有する。
【0015】
第2の態様において、前記バッテリ装置は、バッテリ保護回路と、前記電源パスに挿入され前記バッテリ保護回路の出力に応じて前記電源パスを切断する前記スイッチング素子としての第1のスイッチング素子と、前記バッテリ保護回路に印加される電源電圧を前記スイッチ部からの制御信号に応じて遮断する第2のスイッチング素子とを有する。
【0016】
第3の態様において、前記バッテリ装置は、バッテリ保護回路と、前記バッテリ保護回路の出力に応じて前記電源パスを切断する前記スイッチング素子とを有し、前記バッテリ保護回路は、前記電源パスを強制的に切断させる出力を前記スイッチング素子へ出力させるための制御信号を受ける制御入力端子を有し、前記制御入力端子に前記スイッチ部からの制御信号が入力される。
【0017】
前記可動部材は、例えば、カード媒体、イヤホンプラグ等である。
【0018】
前記スイッチに関しては少なくとも次の構成例が考えられる。
【0019】
前記受容部に配置されたスイッチは、第1および第2の接点を有し、前記所定の可動部材は、前記受容部に受容された状態で前記第1および第2の接点の間を短絡させる導体部を有する構成をとることができる。
【0020】
この代わりに、前記受容部に配置されたスイッチは、外力により導通/遮断される機械的スイッチを有し、前記所定の可動部材は、前記受容部に受容された状態で前記機械的スイッチを駆動する駆動部を有する構成をとることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施の形態によれば、携帯端末にバッテリを内蔵した状態において、工場出荷後や比較的長期間使用されない場合に、暗電流によるバッテリの放電を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る、バッテリ装置を内蔵する携帯端末の概略構成を示す図である。
図2】本実施の形態の第1の態様に係るバッテリ装置を内蔵する携帯端末の概略構成を示す図である。
図3図2に示したバッテリ装置の暗電流防止モードのオン/オフと各部の状態との関係をまとめて示した図である。
図4】本実施の形態の第2の態様に係るバッテリ装置を内蔵する携帯端末の概略構成を示す図である。
図5図4に示したバッテリ装置の暗電流防止モードのオン/オフと各部の状態との関係をまとめて示した図である。
図6】本実施の形態の第3の態様に係るバッテリ装置を内蔵する携帯端末の概略構成を示す図である。
図7図6のバッテリ装置内に示したバッテリ保護回路の構成例を示す図である。
図8図6に示したバッテリ装置の暗電流防止モードのオン/オフと各部の状態との関係をまとめて示した図である。
図9】(a)(b)(c)はダミーのSIMカードの着脱と連動して操作されるスイッチ部の第1の構成例を説明するための図である。
図10】(a)(b)(c)はダミーのSIMカードの着脱と連動して操作されるスイッチ部の第2の構成例を説明するための図である。
図11】(a)(b)はダミーのイヤホンプラグの着脱と連動して操作されるスイッチ部の第3の構成例を説明するための図である。
図12】(a)(b)は第3の構成例の閉経例を説明するための図である。
図13】本発明の実施の形態が適用される、バッテリ装置を内蔵する携帯端末の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
【0024】
図13に、本実施の形態が適用される、バッテリ装置140を内蔵する携帯端末の概略構成を示す。この図では、バッテリ装置140とともに、携帯端末の本体部を概念的に簡略化して示している。本体部とは、携帯端末のバッテリ装置140を除いた部分であり、図では、本体部とバッテリ装置140とを境界線で分割して示している。バッテリ装置140は、典型的には、携帯端末の筐体内部の空間に収容される。
【0025】
バッテリ装置140は、正極端子141と負極端子143との間に直列接続されたバッテリセル148、過放電/過電流保護用の電界効果トランジスタ(FET)147、および過充電保護用のFET146を有する。バッテリ装置140は、さらに、過放電/過電流保護用FET147および過充電保護用FET146(のそれぞれのゲート電位)を制御するバッテリ保護回路(バッテリ保護IC)145を有する。バッテリ保護回路145は、本実施の形態では、集積回路(IC)で構成されている。
【0026】
バッテリ保護回路145を内蔵したバッテリ装置140の保護動作について簡単に説明する。
【0027】
例えばリチウムイオンなどのバッテリセル148は、過充電、過放電に弱い電池であり、大電流で放電が行われることは好ましくない。このため、バッテリ保護回路145により、一般に、過放電保護、過電流保護、過充電(過電圧)保護、の各種保護が行われる。バッテリ保護回路145は、バッテリセル148の電圧や流れる電流を監視する。バッテリセル148の過放電・過電流、または、過充電(過電圧)が検出された際に、出力端子DoutおよびCoutから制御信号を出力する。これらの制御信号により、電源パス(電源ライン)144に挿入されている保護用のFET146,147のゲート電圧が制御される。すなわち、異常の発生時に、出力端子DoutおよびCoutから出力される制御信号に応じて当該FETをオフさせることにより、電源パス144が切断される。
【0028】
しかし、携帯端末に内蔵された状態で、バッテリ装置140は本体部側の負荷装置150に接続されている。図13において、便宜上、負荷装置150は1本の抵抗として概念的に示してある。このような構成においては、携帯端末の電源が入ってない状態でも、バッテリセル148の電圧が正常な範囲であれば、バッテリ装置140から負荷装置150に暗電流Idが流れる。この理由により、携帯端末が電源オフの状態でも、徐々にバッテリセル148が放電される。
【0029】
図1に、本発明の実施の形態に係る、バッテリ装置140を内蔵した携帯端末100の概略構成を示す。この図において、図13に示したと同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。また、便宜上、バッテリ保護回路145は図示を省略してある。
【0030】
本実施の形態では、バッテリ装置140において、負荷装置150へ電力を供給する電源パス144上(の途中)に、電源パス144を切断するスイッチング素子149を設ける。このスイッチング素子149は、バッテリ装置140に既存のものであってもよいし、新たに追加したものであってもよい。さらに、このスイッチング素子149を制御するスイッチ部130をバッテリ装置140の外部に設ける。ここでいう「外部」とは携帯端末の本体部側で、ユーザがアクセスできる位置を意味する。スイッチ部130は、バッテリ装置140から負荷装置150へ流れる暗電流を防止するための制御信号を発生する。この制御信号によりスイッチング素子149がオンオフ制御される。すなわち、スイッチ部130は、ユーザにより直接的にまたは間接的に操作されて、暗電流防止モードをオン/オフする要素である。
【0031】
図2に、本実施の形態の第1の態様に係る、バッテリ装置140aを内蔵した携帯端末100aの概略構成を示す。この図において、図13および図1に示したと同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0032】
この態様では、バッテリセル148の正電極側の電源パス144に配置された電界効果トランジスタ(FET)132を用いる。このFET132は、そのソース・ドレイン端子間チャネルが電源パス144に直列に挿入され、ゲート端子に、バッテリ装置140aの接続端子131を介して、スイッチ部130からの制御信号を受ける。接続端子131とスイッチ部130の一端との接続点は抵抗133を介して接地される。抵抗133の抵抗値は、負荷150の抵抗値より十分に大きいものとする。スイッチ部130の他端は、接続端子152を介してバッテリセル148の正極に接続される。この構成により、接続端子131の電位、すなわち、FET132のゲート電位は、スイッチ部130がオフの時、接地電位となり、スイッチ部130がオンのときバッテリ電圧に一致する。
【0033】
バッテリ装置140aは、暗電流防止モードでは、オン状態のスイッチ部130からの制御信号に応じて、負荷装置150へ暗電流が流れることを防止する。すなわち、FET132による電源パス144は、スイッチ部130がオンされたとき、スイッチ部130を介してバッテリ電圧をFET132のゲート端子に直接印加することにより遮断される。
【0034】
スイッチ部130がオフされると、FET132は、そのゲートが接地電位となり、オンされる。このとき、バッテリ装置140aが正常であれば(すなわち、過放電、過電流、過電圧のいずれも発生していない状態であれば)、バッテリ装置140aから負荷装置150への電源パス144が導通する。その結果、携帯端末は暗電流防止モードから通常のモードに移行する。
【0035】
FET132のゲート端子へ印加する信号の切り替えを行うスイッチ部130は、本体部側の機械的なスイッチまたは電気的なスイッチを用いて構成することができる。スイッチ部130の幾つかの具体例については後述する。
【0036】
図3は、図2に示したバッテリ装置140aの暗電流防止モードのオン/オフと各部の状態との関係をまとめて示した図である。
【0037】
暗電流防止モードをオンとするためには、スイッチ部130をオンにする。これにより、FET132がオフとなる。その結果、バッテリ装置140aから負荷装置150への電源パス144が遮断され、暗電流Idの発生が防止される。暗電流防止モードをオフとするには、スイッチ部130をオフにする。これにより、FET132がオンとなる。
【0038】
図2に示した本実施の形態の第1の態様によれば、携帯端末の工場出荷時や、ユーザが入手後に長期的に不使用状態で放置するような場合等に、スイッチ部130の操作により暗電流防止モードに移行することにより、暗電流によるバッテリの過放電や深放電を防止することができる。
【0039】
また、ユーザが携帯端末を使用していてバッテリ残量がわずかになったとき等、直ちに充電を行うことなく後で使用する予定のために電源を切るだけでなく、スイッチ部130の操作により暗電流防止モードに移行することが可能となる。これにより、暗電流に起因してバッテリの過放電状態で電源再投入時に携帯端末が使用できない等の不都合の発生を防止することができる。
【0040】
図4に、本実施の形態の第2の態様に係るバッテリ装置140bを内蔵する携帯端末100bの概略構成を示す。この図において、図13図2に示したと同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0041】
この態様は、電源パス144を切断するスイッチング素子149として、バッテリセル148の負電極側にあるバッテリ保護用のFET146および147を利用する。これらのFET146および147を制御しているバッテリ保護回路145はその電源端子VDDに、バッテリセル148から電源を供給されている。この態様では、このバッテリ保護回路145の電源端子VDDに印加される電源電圧を、選択的に遮断するFET134(第2のスイッチング素子)を設けている。FET134のドレイン・ソース端子間チャネルは抵抗142と電源端子VDDとの間に直列に接続される。そのゲート端子には、バッテリ装置140bの接続端子131を介して、スイッチ部130からの制御信号を受ける。接続端子131とスイッチ部130の一端との接続点は抵抗135を介して接地される。抵抗135の抵抗値は、負荷150の抵抗値より十分に大きいものとする。スイッチ部130の他端はバッテリ装置140bの正極端子141に接続される。この構成により、接続端子131の電位、すなわち、FET134のゲート電位は、スイッチ部130がオフのとき接地電位となり、スイッチ部130がオンのときバッテリ電圧に一致する。
【0042】
暗電流防止モードでは、オン状態のスイッチ部130からの制御信号に応じてFET134がオフとなる。これによりバッテリ保護回路145の電源が遮断され、FET146および147がオフする。その結果、バッテリ装置140bから負荷装置150への電源パス144が遮断される。
【0043】
スイッチ部130がオフされると、FET134はオンされる。これにより、バッテリ保護回路145の電源が復帰し、バッテリ装置140bが正常であれば、FET146および147がオンとなる。さらに、バッテリ装置140bから負荷装置150への電源パス144が導通する。その結果、携帯端末は暗電流防止モードから通常のモードに移行する。
【0044】
なお、スイッチ部130がバッテリ装置140bの外部に設けられるのは、第1の態様と同様である。スイッチ部130は、この第2の態様では、FET134を介して間接的に、スイッチング素子149としてのFET146および147を制御している。
【0045】
図5は、図4に示したバッテリ装置140bの暗電流防止モードのオン/オフと各部の状態との関係をまとめて示した図である。
【0046】
暗電流防止モードをオンとする場合、スイッチ部130をオンにする。これにより、FET134がオフとなり、バッテリ保護回路145の電源が遮断され、FET146および147がオフとなる。その結果、バッテリ装置140bから負荷装置150への電源パス144が遮断される。暗電流防止モードをオフとするには、スイッチ部130をオフにする。これにより、FET134がオンとなる。
【0047】
図4に示した本実施の形態の第2の態様によれば、上記第1の態様による効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、第1の態様において電源パス144に挿入したFET132は所定のオン抵抗を有するため、電源パスのインピーダンスが従来の仕様から増加する。これに対して、第2の態様では、電源パスに新たにFET132のようなスイッチング素子を挿入しなくて済むので、電源パスのインピーダンスの増加を防止できる。これにより、消費電力の低減や充電時間の短縮化の効果が得られる。
【0048】
図6に、本実施の形態の第3の態様に係る、バッテリ装置140cを内蔵する携帯端末100cの概略構成を示す。この図において、図13図2に示したと同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0049】
この第3の態様においては、電源パス144を切断するスイッチング素子149として、バッテリ保護用のFET146および147の少なくとも一方を利用する。また、そのために、この態様におけるバッテリ保護回路145aは、外部から制御信号を受ける制御入力端子(EN)136を有する。この制御信号は、電源パス144を強制的に切断させる出力をFET146および147の少なくとも一方へ出力させるための信号である。この態様では、この制御信号として、スイッチ部130からの制御信号を用いる。スイッチ部130の一端と制御入力端子136との接続点は抵抗137を介して接地される。抵抗137の抵抗値は、負荷150の抵抗値より十分に大きいものとする。スイッチ部130の他端は正極端子141に接続される。
【0050】
この構成により、スイッチ部130がオンされると、制御入力端子136にバッテリ電圧が印加され、高(Hi)状態となる。これにより、FET146および147の少なくとも一方が強制的にオフとなる。その結果、バッテリ装置140cから負荷装置150への電源パス144が遮断され、暗電流Idの発生が防止される。
【0051】
スイッチ部130がオフされると、制御入力端子136が低(Lo)状態となり、バッテリ装置140cが正常であれば、FET146および147が共に導通する。これにより、バッテリ装置140cから負荷装置150への電源パスが復帰する。その結果、携帯端末は暗電流防止モードから通常のモードに移行する。
【0052】
図7は、バッテリ保護回路145aの構成例を示している。この例では、バッテリ保護回路145aは、論理和回路161、過放電・過電流検出部163、過電圧検出部165、およびFET制御部167を備える。制御入力端子(EN)136からの信号162は論理和回路161に入力されている。
【0053】
過放電・過電流検出部163は、バッテリセル148の過放電または過電流を検出するブロックであり、過放電検出信号164および過電流検出信号166を生成する。過電圧検出部165は、バッテリセル148の過電圧(過充電)を検出するブロックであり、過電圧検出信号168を生成する。過放電検出信号164および過電流検出信号166は、制御入力端子からの制御信号162とともに、論理和回路161に入力される。
【0054】
論理和回路161は、その3つの入力信号のいずれか一つでも高(Hi)であるとき高(Hi)信号を出力し、それ以外の場合、すなわちすべての入力信号が低(Lo)であるとき低(Lo)信号を出力するように動作する。論理和回路161の出力はFET制御部167へ入力される。過電圧検出部165から生成された過電圧検出信号168もFET制御部167へ入力される。FET制御部167は、論理和回路161の出力に応じて、その出力が過放電/過電流の検出を示す高(Hi)信号であるとき、過放電/過電流保護用の電界効果トランジスタ(FET)147をオフする。FET制御部167は、過電圧検出部165の検出信号168が、過電圧検出を示す高(Hi)信号であるとき、過充電保護用のFET146をオフにする。
【0055】
図8は、図6に示したバッテリ装置140cの暗電流防止モードのオン/オフと各部の状態との関係をまとめて示した図である。
【0056】
暗電流防止モードをオンとする場合、スイッチ部130をオンにすると、バッテリ保護回路145の制御入力端子136が高(Hi)レベルとなる。これにより、FET147がオフとなる。その結果、バッテリ装置140bから負荷装置150への電源パス144が遮断される。暗電流防止モードをオフとするには、スイッチ部130をオフにすることにより、バッテリ保護回路145の制御入力端子136が低(Lo)レベルとなる。その結果、バッテリ装置140cが正常状態であれば、FET147がオンとなる。
【0057】
第3の態様によれば、上記第1、第2の態様による効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、暗電流防止モードのために必要なスイッチング素子149として既存の保護用のFET(147)を共用することにより、第1、第2の態様において追加したFET132,134のようなスイッチング素子は不要となる。
【0058】
次に、スイッチ部130の具体的な構成例について説明する。
【0059】
スイッチ部130は、暗電流防止モードの設定用に携帯端末の筐体外面に設けられた機械的スイッチ(例えばスライドスイッチやプッシュスイッチ)で構成することができる。あるいは、初期設定画面等からユーザが暗電流防止モードを選択したとき、携帯端末が備えているプロセッサ(図示せず)によりスイッチ部130の出力と等価な出力を発生させることも可能である。
【0060】
スイッチ部130としては、さらに、次のような特徴的な構成を採用することも可能である。既存の携帯電話機のような携帯端末は、SIM(Subscriber Identity Module)カードのような着脱可能なカード媒体が用いられている。このカード媒体は、コネクタの一種であるソケットに離脱可能に装着される。すなわち、ソケットは、可動部材であるカード媒体を離脱可能に装着する受容部を構成する。このような携帯端末の工場出荷時にはSIMカードは携帯端末に装着されておらず、通常、ユーザが携帯端末を入手した後にSIMカードが装着される。したがって、SIMカードの携帯端末への装着とスイッチ部130の操作とを連動させれば、ユーザはスイッチ部130の操作を意識することなく、暗電流防止モードをオン/オフすることができる。但し、SIMカードが装着されていない状態でも携帯端末の一部の機能は利用可能である場合があり、SIMカードが装着されていない状態で直ちに暗電流防止モードに移行するのは好ましくない。
【0061】
そこで、SIMカードに代わるダミーのSIMカード(ダミーカード)を用意する。携帯端末はSIMカードの代わりにダミーカードが装着されている状態でスイッチ部130がオン状態となり、暗電流防止モードへ移行する。また、ダミーカードが外されたとき、暗電流防止モードを解除(オフ)する。
【0062】
図9(a)(b)(c)により、そのような可動部材としてのダミーのSIMカードの着脱操作と連動して操作されるスイッチ部130の第1の構成例を説明する。図9(a)は既存のSIMカード110の外観を示している。SIMカード110はICカードの一種であり、その一面には複数の接点エリアが形成されている。図9(b)は本実施の形態におけるダミーカード115の外観を示している。ダミーカード115はSIMカード110と同一の形状およびサイズのカード媒体であるが、SIMカード110の接点エリアとは別の領域に導体エリア116を含んでいる。導体エリア116は、絶縁性の基体に対して例えば金属のメッキや被着等により形成することができる。ダミーカード115はICカードである必要はない。
【0063】
図9(c)はSIMカード110が装着されるソケット120の外観を示している。ソケット120は、SIMカード110の接点エリアが接触する複数のバネ接点138を有し、携帯端末内のプリント回路基板125に搭載されている。プリント回路基板125には、ダミーカード115がソケット120に装着された状態で、ダミーカード115の導体エリア116が当接する1対のバネ接点139が形成されている。これにより、両バネ接点139の間がダミーカード115の装着により短絡される。このことは、ダミーカード115と1対のバネ接点139によりスイッチ部130が構成されることを意味する。
【0064】
例えば、携帯端末の工場出荷時にダミーカード115がソケット120に装着されることにより、暗電流防止モードがオン状態となる。この携帯端末はユーザが入手した後に、ダミーカード115を取り外したとき、暗電流防止モードがオフ状態となる。その後、ダミーカード115に代えて正規のSIMカード110をソケット120に装着しても、暗電流防止モードはオフ状態のままである。再度ダミーカード115をソケット120に装着すれば、再び暗電流防止モードに移行する。
【0065】
図10(a)(b)(c)により、可動部材としてのダミーのSIMカードの着脱と連動して操作されるスイッチ部130の第2の構成例を説明する。図9(a)(b)(c)に示したと同様の要素には同じ参照番号を付して、重複した説明は省略する。
【0066】
この構成例では、図10(a)に示したSIMカード110と若干異なる形状のダミーカード115aを用意する。ダミーカード115aはソケット120に装着された状態で、その手前側の端部が突出した突出部117が設けられ、ここに導体エリア118が形成されている。ソケット120側には、プリント回路基板125の外部に1対のバネ接点139が設けられている。両バネ接点139は、ダミーカード115aの突出部117に形成された導体エリア118により短絡される。この構成の代わりに、プリント回路基板125にも同様の突出部を設け、バネ接点139をプリント回路基板125の当該突出部に設けてもよい。
【0067】
また、バネ接点139の代わりに外力により操作されるスイッチ(例えばプッシュスイッチ)などを設けてもよい。この場合、ダミーカード115aがソケット120に装着された状態で、ダミーカード115aの突出部117が駆動部として当該スイッチを作動(ON)させるよう機能する。
【0068】
可動部材の一種としてのカード媒体の例として、SIMカードを挙げたが、SDメモリなどのメモリカードであってもよい。
【0069】
図11(a)(b)により、可動部材としてのダミーのイヤホンプラグの着脱と連動して操作されるスイッチ部130の第3の構成例を説明する。
【0070】
図11(a)は、既存のイヤホンプラグ170と、このイヤホンプラグ170が接続されるジャック(レセプタクル)の構成例を示す。
【0071】
イヤホンプラグ170は、胴体部171と、その胴体部171から突出したピン部172を有する。胴体部171は、ケーブル173を介して、不図示のイヤレシーバ部(スピーカ部)に接続されている。
【0072】
図11(a)(b)では、ジャックのプラグ挿入口190の背後に複数のバネ接点181〜185が配置されている様子を模式的に示している。バネ接点181〜185のうち、バネ接点181〜183はステレオ音声のための既存のジャック構成に含まれるものである。第1および第2の接点(1対の接点)であるバネ接点184,185は最奥部に配置されているので、イヤホンプラグ170の規定の長さのピン部172の先端部はバネ接点184,185へ届かない。
【0073】
図11(b)に示すように、ダミープラグ175は、正規のプラグ170に比べて、より短い胴体部176と、より長いピン部177とを有している。ダミープラグ175の装着時に、そのピン部177の先端部178がバネ接点184,185の位置にまで到達し、両バネ接点184,185間を短絡させる。このように、ダミープラグ175とバネ接点184,185によりスイッチ部130が構成される。ダミープラグ175にケーブル173は必要ない。ピン部172は複数の導体部に分割されているが、ダミープラグ175のピン部177は全体が単一の導体部であってもよい。また、バネ接点184,185に接触するピン部177の先端部のみが導体部で、他の部分は絶縁体部であってもよい。
【0074】
例えば、携帯端末の工場出荷時にダミープラグ175がジャックに装着されることにより、暗電流防止モードがオン状態となる。この携帯端末をユーザが入手した後に、ダミープラグ175が取り外されたとき、暗電流防止モードがオフ状態となる。その後、ユーザが正規のイヤホンプラグ170をジャックに装着しても、暗電流防止モードはオフ状態のままである。
【0075】
図12(a)(b)により第3の構成例の変形例を説明する。この変形例では、第1および第2の接点間を電気的に短絡(導通)させる代わりに、ジャックの奥にスイッチ部130としてプッシュスイッチのような機械的スイッチ186を配置する。図12(a)に示すように、正規のイヤホンプラグ170では、そのピン172の先端が機械的スイッチ186に達しないので、機械的スイッチ186はオフのままである。図12(b)に示すように、ダミープラグ175を装着した場合、そのピン177の先端178が機械的スイッチ186に達する。その結果、ダミープラグ175がプッシュボタン187を押し込むことにより機械的スイッチ186がオン(導通)する。ダミープラグ175が引き抜かれると機械的スイッチ186はオフする。この変形例の場合、ダミープラグのピン部先端は導体である必要はない。
【0076】
上述したように、携帯端末に元々備わっている、着脱可能な可動部材およびその受容部に若干の変更を加えてスイッチ部として利用することができる。これにより、ユーザはダミーの可動部材の着脱操作に連動して暗電流防止モードのオンオフを行うことができる。
【0077】
この構成によれば、携帯端末の筐体外部に、ユーザが操作するための新たなスイッチ部を設ける必要がなくなる。このことは、携帯端末の小型化、薄型化、低コスト化に寄与する。防水構造を有する携帯端末では、筐体外部に新たなスイッチ部を設けると、そのために新たな防水構造を必要とする。これに対して、既存の可動部材およびその受容部をスイッチ部として利用することにより、そのような配慮が不要となる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態では、
二次電池を含むバッテリ装置を内蔵する携帯端末であって、
前記バッテリ装置から電力の供給を受ける負荷装置と、
前記バッテリ装置の外部に設けられ、前記バッテリ装置から前記負荷装置へ流れる暗電流を防止するための制御信号を発生するスイッチ部とを備え、
前記バッテリ装置は、前記負荷装置へ電力を供給する電源パスを、前記スイッチ部からの制御信号に応じて切断するスイッチング素子を有する
携帯端末、について説明している。
【0079】
また、この携帯端末において、
前記スイッチング素子は、前記電源パスにソース・ドレイン端子間チャネルが直列に挿入され、ゲート端子に前記制御信号を受けるFETを含むものについて説明している。
【0080】
また、前記携帯端末において、
前記バッテリ装置は、
バッテリ保護回路と、
前記電源パスに挿入され前記バッテリ保護回路の出力に応じて前記電源パスを切断する前記スイッチング素子としての第1のスイッチング素子と、
前記バッテリ保護回路に印加される電源電圧を前記スイッチ部からの制御信号に応じて遮断する第2のスイッチング素子と
を有するものについて説明している。
【0081】
また、前記携帯端末において、
前記バッテリ装置は、
バッテリ保護回路と、
前記バッテリ保護回路の出力に応じて前記電源パスを切断する前記スイッチング素子とを有し、
前記バッテリ保護回路は、前記電源パスを強制的に切断させる出力を前記スイッチング素子へ出力させるための制御信号を受ける制御入力端子を有し、前記制御入力端子に前記スイッチ部からの制御信号が入力されるものについて説明している。
【0082】
また、この携帯端末において、
前記バッテリ保護回路は、過放電または過電流の検出部、および、過電圧の検出部の少なくとも一つを有し、前記制御入力端子に入力された前記スイッチ部からの制御信号はいずれかの前記検出部の出力と論理和されて用いられるものについて説明している。
【0083】
また、以上のいずれかの携帯端末において、
前記携帯端末は、可動部材を離脱可能に装着する受容部を有し、前記スイッチ部は、前記受容部に配置されたスイッチを含み、前記受容部にダミーの可動部材が受容されたとき前記スイッチが導通するものについて説明している。
【0084】
また、この携帯端末において、
前記可動部材はカード媒体であるものについて説明している。
【0085】
また、前記携帯端末において、
前記可動部材はイヤホンプラグであるものについて説明している。
【0086】
また、前記携帯端末において、
前記受容部に配置されたスイッチは、第1および第2の接点を有し、前記ダミーの可動部材は、前記受容部に受容された状態で前記第1および第2の接点の間を短絡させる導体部を有するものについて説明している。
【0087】
また、前記携帯端末において、
前記受容部に配置されたスイッチは、外力により導通/遮断される機械的スイッチを有し、前記ダミーの可動部材は、前記受容部に受容された状態で前記機械的スイッチを駆動する駆動部を有するものについて説明している。
【0088】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。すなわち、請求項または請求項と均等の範囲内にある限り、デザイン又はその他の要素によって種々の改変、組み合わせ、他の実施形態が生じうることは、当業者にとって当然のことと理解される。
【0089】
例えば、可動部材としては、上記以外にもUSBデバイスを利用することも可能である。また、本体部に、機械的スイッチまたは接点対を配置した受容部を設け、金属やプラスティックのピンのような可動部材を当該受容部に挿入することによりオンするスイッチ部を構成することも可能である。携帯端末としてスマートフォンを挙げたが、本発明が適用される携帯端末は、スマートフォンに限定されるものではなく、二次電池を含むバッテリ装置を内蔵する任意の電子機器を包含しうる。例えば、携帯電話端末、携帯情報端末、小型PC、携帯ゲーム機、携帯音楽・映像プレーヤ、携帯電子辞書、等が挙げられる。
【符号の説明】
【0090】
100,100a,100b,100c…携帯端末、110…SIMカード、115,115a…ダミーカード、116…導体エリア、117…突出部、118…導体エリア、120…ソケット、125…プリント回路基板、130…スイッチ部、131…接続端子、132…FET、133…抵抗、134…FET、135…抵抗、136…制御入力端子、137…抵抗、138,139…バネ接点、140,140a,140b,140c…バッテリ装置、141…正極端子、142…抵抗、143…負極端子、144…電源パス、145,145a…バッテリ保護回路、146,147…FET、148…バッテリセル、149…スイッチング素子、150…負荷装置、152…接続点、161…論理和回路、162…制御信号、163…過放電・過電流検出部、164…過放電検出信号、165…過電圧検出部、166…過電流検出信号、167…FET制御部、168…過電圧検出信号、170…イヤホンプラグ、172…ピン部、173…ケーブル、175…ダミープラグ、176…胴体部、177…ピン部、178…先端部、181〜185…バネ接点、186…機械的スイッチ、187…プッシュボタン、190…プラグ挿入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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