特許第6181424号(P6181424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181424
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】2
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-107278(P2013-107278)
(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公開番号】特開2014-226260(P2014-226260A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100107113
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 健一
(72)【発明者】
【氏名】中西 貴
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩旗
(72)【発明者】
【氏名】鶴野 幸司
【審査官】 吉田 綾子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−156102(JP,A)
【文献】 特開2001−252400(JP,A)
【文献】 特開2011−206170(JP,A)
【文献】 特開2008−264287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に係る処理を行う制御部と、前記制御部からのコマンドに基づき演出に係る処理を行う副制御部と、前記副制御部による制御に従い第1発光素子を点灯させる第1電飾と、前記副制御部による制御に従い第2発光素子を点灯させる第2電飾とを備える遊技機において、
前記第2電飾は、第1位置から第2位置へ、又は前記第2位置から前記第1位置へ移動するものであり、
前記第2電飾の前記第2発光素子を点灯させるための信号線は、前記第1電飾の前記第1発光素子の信号線に接続され、
前記第2電飾の前記第2発光素子の電源をオンオフする切替手段とを備え、
前記副制御部は、
前記第2電飾が前記第1位置にあるとき、前記第1電飾の前記第1発光素子を点灯可能状態でありかつ、前記切替手段をオフにして前記第2電飾の前記第2発光素子を点灯不能状態に制御し、
前記第2電飾が前記第2位置にあるとき、前記第1電飾の前記第1発光素子を点灯可能状態でありかつ、前記切替手段をオンにして前記第2電飾の前記第2発光素子を点灯可能状態に制御することで、前記第2電飾は、前記第2位置において前記第1電飾と同一の点灯状態となることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技に係る処理を行う制御部と、前記制御部からのコマンドに基づき演出に係る処理を行う副制御部と、前記副制御部による制御に従い第1発光素子を点灯させる第1電飾と、前記副制御部による制御に従い第2発光素子を点灯させる第2電飾とを備える遊技機において、
前記第2電飾は、第1位置から第2位置へ、又は前記第2位置から前記第1位置へ移動するものであり、
前記第2電飾の前記第2発光素子を点灯させるための信号線は、前記第1電飾の前記第1発光素子の信号線に接続され、
前記第2電飾の前記第2発光素子の前記信号線をオンオフする切替手段とを備え、
前記副制御部は、
前記第2電飾が前記第1位置にあるとき、前記第1電飾の前記第1発光素子を点灯可能状態でありかつ、前記切替手段をオフにして前記第2電飾の前記第2発光素子を点灯不能状態に制御し、
前記第2電飾が前記第2位置にあるとき、前記第1電飾の前記第1発光素子を点灯可能状態でありかつ、前記切替手段をオンにして前記第2電飾の前記第2発光素子を点灯可能状態に制御することで、前記第2電飾は、前記第2位置において前記第1電飾と同一の点灯状態となることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弾球遊技機(パチンコ機)などの遊技機に関し、特に、発光素子の点滅により演出を行う電飾を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機設置営業店などにおいて設置されている弾球遊技機(いわゆるパチンコ機)は、遊技球(遊技媒体とも呼ぶ)を用いて遊技を行うものである。借り受けた遊技球を弾球遊技機の遊技盤に設けられている盤面へ打ち出し、当該遊技球が予め定められた入賞口(入賞装置)に入るごとに所定数の遊技球を払出すようになっている。払い出される遊技球は賞球と呼ばれる。
【0003】
弾球遊技機の特定の入賞口に遊技球が受け入れられると電子的な抽選が行われる。多くの場合、当該抽選にはカウンタやレジスタ等のハードウエアで発生された乱数又はソフトウエアで実行されるカウンタで発生された乱数が使用される。
【0004】
弾球遊技機は、電子的な抽選を含む遊技に関する処理を行うために、電気的な遊技制御の処理を行い主要な処理情報を生成する主制御装置及び前記主制御装置にて生成した処理情報を得ることにより所定の出力態様処理をさせる制御を行う副制御装置を備える。
【0005】
副制御装置は、遊技の状態に応じて興趣を高めるために演出に係る効果音を発生するとともに、遊技の状態に応じて興趣を高めるために電飾を点滅させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−131543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、遊技の状態に応じて電飾を点滅させる遊技機(パチンコ機)を開示する。この遊技機の制御において、機器の構成別、制御の段階毎に状態を示す制御フラグが割り振られ、制御フラグの種類は各構成を単位として、各段階分だけ用意されていた(段落0168〜0177、0204〜0214)。
【0008】
従来の遊技機では、ひとつの発光素子にひとつの制御ポート(副制御装置のCPUにより制御可能な信号線)を割り当てて、当該制御ポートにデジタル値の1又は0を出力することにより発光素子を点滅させていた。このやり方はどの発光素子を点灯あるいは消灯させるかを1又は0で指定するので、発光素子の点灯又は消灯に係る制御データを容易に作成することができるとともに、制御ポート(I/Oの出力端)と発光素子の接続関係が単純であり設計が容易であるという特長がある。このやり方では、制御ポートと発光素子の間にエンコーダやデコーダを設ける必要がなく、コスト的にも有利である。
【0009】
近年、演出がますます凝ったものとなり、これに伴い遊技機に用いられる電飾の数及びこれに含まれる発光素子の数が増加しつつある。このため、副制御装置に用意されている制御ポートの数では足りなくなることもある。
【0010】
副制御装置などの遊技機の基板は機種間で共用され、その仕様は同一である。制御ポート数が足りないからといって仕様を変更して制御ポートを増やすことは困難である。制御ポートを拡張してその数を増やすためには、基板を新規に製作するコスト、追加する制御ポートについての回路検討のコストやその追加部品のコストがかかる。機種ごとに基板の仕様が異なると製造コストも上昇するし、基板の管理も煩雑になる。したがって、副制御装置の共通仕様を維持しつつ、必要とされるポート数を減少させる必要がある。
【0011】
1つのポートを複数の発光素子に割り当てるためには、信号を時分割で送信するやり方がある。このやり方では電飾側にラッチ回路が必要になるとともに、副制御装置側にそのタイミング制御のためのプログラムを追加する必要があり、処理が複雑になるとともにコストが上昇する。
【0012】
他に、複数のポートを、より多くの発光素子に割り当てるためには、点灯/消灯という単純な0又は1の信号ではなく、複数のポート(ビット)をコード化するやり方がある。例えば、2本の線それぞれを単純に点灯/消灯に割り当てる場合は2つの発光素子しか制御できないが、2本の線(2ビット)を00,01,10,11のようにコード化し、それぞれ全部消灯、1つのみ点灯、2つ点灯、3つ点灯のようにコードを受けた電飾側で発光素子を制御することで、より多くの発光素子を制御することができる。しかし、このやり方はエンコーダ、デコーダが必要となり、処理が複雑になるとともにコストが上昇する。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、制御が簡単で設計が容易である制御ポートに点灯/消灯に割り当てる方式を維持しつつ、より多くの発光素子を制御できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、遊技に係る処理を行う制御部と、前記制御部からのコマンドに基づき演出に係る処理を行う副制御部と、複数の第1発光素子を含み、前記副制御部による制御に従い前記複数の第1発光素子を点滅させる第1電飾と、複数の第2発光素子を含み、前記副制御部による制御に従い前記複数の第2発光素子を点滅させる第2電飾とを備える遊技機において、
前記第2電飾は、遊技者から見えない位置である第1位置(収納位置)から遊技者から見える位置である第2位置(出現位置)へ、又は前記第2位置から前記第1位置へ移動するものであり、
前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を点滅させるための信号線は、それぞれ、前記第1電飾の前記複数の第1発光素子の信号線に接続され、
前記第2電飾を移動させるための駆動部(モータ)と、
前記第2電飾の移動を検知するセンサと、
前記第2電飾の前記複数の第2発光素子の電源をオンオフするスイッチ回路とを備え、
前記副制御部は、
前記センサの出力に基づき、
前記第2電飾が前記第1位置にあるとき、前記スイッチ回路をオフにして前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を消灯させ、
前記第2電飾が前記第2位置にあるとき、前記スイッチ回路をオンにして前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を点滅させるように制御するものである。
【0015】
この発明は、遊技に係る処理を行う制御部と、前記制御部からのコマンドに基づき演出に係る処理を行う副制御部と、複数の第1発光素子を含み、前記副制御部による制御に従い前記複数の第1発光素子を点滅させる第1電飾と、複数の第2発光素子を含み、前記副制御部による制御に従い前記複数の第2発光素子を点滅させる第2電飾とを備える遊技機において、
前記第2電飾は、遊技者から見えない位置である第1位置(収納位置)から遊技者から見える位置である第2位置(出現位置)へ、又は前記第2位置から前記第1位置へ移動するものであり、
前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を点滅させるための信号線は、それぞれ、前記第1電飾の前記複数の第1発光素子の信号線に接続され、
前記第2電飾を移動させるための駆動部(モータ)と、
前記第2電飾の移動を検知するセンサと、
前記第2電飾の前記複数の第2発光素子の前記信号線をオンオフするスイッチ回路とを備え、
前記副制御部は、
前記センサの出力に基づき、
前記第2電飾が前記第1位置にあるとき、前記スイッチ回路をオフにして前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を消灯させ、
前記第2電飾が前記第2位置にあるとき、前記スイッチ回路をオンにして前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を点滅させるように制御するものである。
【0016】
前記第2電飾は、外観上、デザイン上、前記第2位置において前記第1電飾と一体になる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を点滅させるための信号線を、それぞれ、前記第1電飾の前記複数の第1発光素子の信号線に接続するとともに、前記第2電飾が前記第1位置にあるとき、前記スイッチ回路をオフにして前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を消灯させ、前記第2電飾が前記第2位置にあるとき、前記スイッチ回路をオンにして前記第2電飾の前記複数の第2発光素子を点滅させるように制御するので、制御が簡単で設計が容易である制御ポートに点灯/消灯を割り当てる方式を維持しつつ、より多くの発光素子を制御できる。これによりポート数を実質的に増加させることができ、発光素子が増えたときでも共通仕様の副制御装置を使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】遊技機の表面構造を示す斜視図である。
図2】遊技機の前扉を開けた状態の斜視図である。
図3】遊技機の裏面構造を示す背面図である。
図4】遊技者から見た盤面の様子を示す図(正面図)である。
図5】発明の実施の形態に係る遊技機のブロック図である。
図6】遊技機の特別図柄に関する処理のフローチャートである。
図7】発明の実施の形態に係る遊技機のブロック図である(電飾の発光素子の制御系統を示す)。
図8】発明の実施の形態に係る電飾の制御フローチャートである。
図9】発明の実施の形態に係る第2電飾の動きの説明図である。図9(a)は第1位置(収納位置)を示し、図9(b)は第2位置(出現位置)を示す。
図10】発明の実施の形態の変形例に係る遊技機のブロック図である。
図11】比較例に係る遊技機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
弾球遊技機の構造概略について図1図2及び図3を参照して説明を加える。
【0020】
まず、図1及び図2を参照して本発明の実施の形態に係る遊技機の外部的構造につき説明する。
【0021】
外枠50は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備など)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。
【0022】
本体部材51は、外枠50の内部に備えられ、ヒンジ部51aを介して外枠50に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。この本体部材51は、枠状に形成されその内側に空間部を有している。
【0023】
開口枠扉52は、遊技機の前面側となる前記本体部材51の前面に、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。
【0024】
なお、開口枠扉52の開口部にガラス製又は樹脂製からなる透明板部材が設けられ、開口部近傍及びその内部に電飾52a、スピーカ52b、などが取り付けられている。
【0025】
遊技盤10は、本体部材51の空間部に臨むように、本体部材51に所定の固定部材を用いて着脱自在に装着されている。遊技盤の本体部材51への装着後は、その遊技領域を前記開口部より観察することができる。
【0026】
球受皿付き扉53は、遊技機前面において本体部材51の下部に、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着され、遊技球を貯留する球受皿を少なくとも備えた扉部材である。なお、本実施形態における球受皿付き扉53には、以下の部材が取り付けられている。
(1)複数の遊技球が貯留可能で且つ図示しない発射駆動装置へと遊技球を案内させる通路が設けられた球受皿。
(2)該貯留され発射駆動装置へと案内された遊技球を前記遊技盤10の盤面11に設けられた遊技領域へと打出す操作を行う回動式操作ハンドル48b。
(3)ブリペイドカード読込み処理関係及び借り受ける遊技球の貸出し処理関係の指示をするボタンを備えた球貸し関係の操作部。
(4)球受皿に貯留させた遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出解除するための球受皿用の貯留球排出操作ボタン。
(5)画面に表示された選択肢の選択を行うために遊技者が操作するジョグダイヤルJD。
【0027】
次に、図3を参照して本発明の実施の形態に係る遊技機の内部的構成を説明する。
【0028】
100は、前述したように、本体部材51若しくは遊技盤10又はこれらに備え付けられる支持部材などを介して設けられ、電気的な遊技制御の処理を行い主要な処理情報を生成する主制御装置である。
【0029】
200は、前記本体部材51若しくは遊技盤10又はこれらに備え付けられる支持部材などを介して設けられ、前記主制御装置100にて生成した処理情報を得ることにより所定の出力態様処理をさせる制御を行う副制御装置である。
【0030】
110は、賞球の払い出し制御を行う払出制御装置である。
【0031】
図4は遊技機の遊技盤の正面図である。
【0032】
図4において、11は遊技盤10の盤面である。盤面11は、誘導レール12と、誘導レール12で区画された略円形の遊技領域を落下した遊技球を外部へ導く排出口(アウト口)13を備える矩形の盤面である。
【0033】
前述した盤面11の遊技領域は、誘導レール12(遊技球を滑走させる滑走部と遊技球を規制する規制部を含む)により略円形状となるように区画形成され、打出された遊技球の移動範囲を規制する領域である。前記滑走部に規制部が続くように設けられている。前記滑走部は全体として螺旋をなして盤面11に配設されている。
【0034】
前記排出口(アウト口)13は、遊技領域に投入された遊技球が集束する位置に設けられた回収開口部である。
【0035】
図示しないが、盤面11には、遊技領域を移動する遊技球の方向を変化せしめる釘や風車などの障害物が複数個設けられている。障害物としての遊技釘は、遊技球と接触させることにより移動方向を不規則にし、又は移動方向を規制するために、盤面11の適宜な位置に打込まれる複数の棒状部材である。
【0036】
30aは、遊技領域の中央やや上側に設けられ、演出用表示ランプやLCD(液晶表示装置)などの可変表示部をひとつ又は複数有する可変表示装置(センター役物)である。
【0037】
30bは、スルーチャッカーである。
【0038】
30cは、普通入賞口を有する普通入賞装置である。
【0039】
30dは、始動入賞口を有するスタートチャッカー(始動入賞装置)である。
【0040】
30eは、大入賞口を有するアタッカーである。
【0041】
以下の説明で、30b乃至30dをまとめて入賞装置30などと記すことがある。
【0042】
なお、図示されていないが、上記30b、30c、30dの内部には球通過検出器20b、20c、20dが設けられている(同図の括弧内の符号はそのことを意味する)。
【0043】
スタートチャッカー30dは特定入賞装置と、アタッカー30eの大入賞装置は特別入賞装置とも呼ばれる。
【0044】
スタートチャッカー(始動入賞口)30dは、入賞口の開口範囲の拡縮を行わせる可動片をその両側に備え、遊技球を入賞させることにより可変表示を行わせると共に賞球を遊技者に獲得させる入賞装置である。
【0045】
アタッカー(大入賞装置)30eは、入賞口を露出させる開口状態と入賞口を閉鎖する閉口状態となる可動扉が駆動制御されるものであり、通常遊技状態に遊技球の入賞を禁止する状態から、予め定められた所定条件が満足された特定遊技状態に遊技球を入賞させることにより他の入賞装置及び入賞口と比較してより多くの賞球を獲得させるものである。
【0046】
盤面11には、入賞装置30、図示しない釘や風車などの障害物とともに、興趣を高めるための様々なデザインの装飾部材が設けられている。装飾部材は入賞装置30などと一体にユニット化されている。
【0047】
図5は本発明の実施の形態に係る遊技機の機能ブロック図である。
【0048】
主制御装置100及び副制御装置200は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、以下に説明するように動作する。
【0049】
100は、遊技に係る処理を行う主制御装置である(「メイン基板」とも呼ばれる)。主制御装置100は、電気的な遊技制御の処理を行い主要な処理情報を生成する。主制御装置100は、遊技領域を移動(流下)して入賞装置30b〜30dを通過した入賞球をそれぞれ検出する球通過検出器20b〜20dの信号を入力とし、入賞装置30b〜30dの入賞球通過に応じた抽選・判定を行う。具体的には、入賞装置30b〜30dに関して次のような処理を行う。
【0050】
遊技球が遊技領域に設けられた入賞装置30b〜30dには、それぞれ内部に球通過検出器(例えばスイッチ)20b〜20dが設けられ、入賞球の通過を検出できるようになっている。入賞球がいずれかの入賞装置30b〜30dの検出可能位置を通過すると、これを球通過検出器20b〜20dが検出し、これを受けて入賞判定部40aが所定の抽選・判定処理を行う。例えば、球通過検出器20bがスルーチャッカー(入賞チャッカー)30bを通過した遊技球を検出したとき、所定の抽選を行い、当選したときはスタートチャッカー(始動入賞口)30dを所定時間開放する。すなわち、スタートチャッカー(始動入賞口)30dの左右両側に互いに対向して設けられた一対の可動片を、それぞれ外側へ開放させる。そして、遊技球がスタートチャッカー(始動入賞口)30dを通過したことを検出したとき、所定の抽選を行い、当選したときは、通常遊技状態の下では入賞不能な状態にあるアタッカー30eの大入賞装置を入賞可能に開放する。
【0051】
入賞装置30b〜30dの入賞球通過に応じた抽選・判定に関係して、次のような処理を行う。
【0052】
スタートチャッカーに入賞して抽選が行われた場合、主制御装置100は、遊技盤上に設けられた特別図柄表示装置(7セグメント表示器)120に特別図柄に関する抽選結果を表示するとともに、抽選の結果及び可変表示装置30aの画像表示装置(液晶表示装置)210での特別図柄(液晶表示装置上の変動図柄)の変動時間(変動パターン、特別図柄の変動時間は抽選により決定される)を副制御装置200に送信する。副制御装置200は、受信した抽選結果及び特別図柄の変動時間に基づいて特別図柄を変動表示させる。
【0053】
なお、大当たりとなった場合は、主制御装置100が副制御装置200に送った変動時間を把握しており、この変動時間を主制御装置100が計時し終わった際に、大当たり処理(アタッカー30eを所定時間、所定回数開放する処理)を行う。
【0054】
ちなみに、遊技球によるスルーチャッカー30bの通過が検出されたときは、盤面上に設けられた普通図柄表示装置130に普通図柄に関する抽選結果を表示し、当選の場合には、スタートチャッカー30dの可動片を開放させる。また、同時に可変表示装置(液晶表示装置)30aの所定領域においても、普通図柄に関する抽選結果を表示する。
【0055】
可変表示装置(センター役物)30aに設けられた画像表示装置(液晶表示装置)210は、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。スタートチャッカー(始動入賞口)30dを遊技球が通過したことが検出されると、表示される図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のスタートチャッカー(始動入賞口)30dの通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を画像表示装置210に表示して停止するようになっている。アタッカー30eは、前方に開放可能な開閉板を備える。LCDの変動停止後の図柄が「777」などの当り図柄で停止表示されたとき、「大当り」と称する特別遊技が開始され、アタッカー30eの開閉板が入賞不能な閉鎖状態から、予め定めた回数だけ入賞可能な状態に移行するために開放されるようになっている。アタッカー30eの開閉板が開放された後、所定時間が経過し、又は所定数の遊技球が入賞すると開閉板が閉じる。
【0056】
主制御装置100は、スタートチャッカー(始動入賞口)30dへの遊技球の入球(始動入賞球の検出)を契機として、この始動入賞球についての大当り/外れの抽選が行われるが、始動入賞が検出されていながらその抽選結果に応じた処理が未実行の始動入賞球を保留球として記憶し、適時、その消化処理を行う。
【0057】
保留球は予め定められた上限値まで記憶される。例えば、保留球の発生順に、その保留球に係る大当り抽選結果、具体的には保留球とされた始動入賞球が取得した大当り判定用乱数が記憶される。保留球の記憶(保留球数)の上限値は、例えば、4個である。
【0058】
記憶された保留球については、抽選結果に応じた演出画像表示(図柄変動表示)や大当り動作の終了時に、消化処理、すなわちその保留球に係る図柄変動表示が行われる。
【0059】
保留球の有無や個数は、保留数表示部160に表示される。保留球数の上限値が4個とされた遊技機では、保留数表示部160は、例えばそれぞれ発光素子(LED)である4個の保留球表示素子を備え、それらの点消灯状態によって保留球の有無や個数を表示する。保留球数は、上記消化処理が行われる毎に1個ずつ減じられ、上限値未満、ここでは4個未満となったときは、その時点から4個を上限として再び積算される。
【0060】
保留球は、上述したように各々大当り判定用乱数が取得されて記憶されており、また大当り値は予め設定されているので、各保留球について、それらが大当りに係るものであるか否かは容易に判定可能である(仮判定)。したがって、保留球の記憶内容から、各保留球が大当りに係るものであるか否か、あるいは全保留球中に当りに係るものがあるか否か(保留球当りの有無)について、各保留球の消化処理前に読み込むこと(先読み)が可能である。遊技者の便宜を図るため、あるいは遊技の興趣を高めるために、例えば、保留数表示部160の保留球表示素子を点灯させて保留数を報知するとともに、当たりに相当する保留球に対応する保留球表示素子の発光色を他のものと異ならせることにより、当該保留球が当たりであることを報知することがある。
【0061】
主制御装置100は、始動入賞の乱数抽出のタイミングで保留球の記憶内容である乱数を仮判定し(先読みし)、その結果を副制御装置200へ送っている。主制御装置100から仮判定結果を受けて、副制御装置200は画像表示装置210に表示された画面上の保留球の色や形状を変化させるといった制御を行う。
【0062】
仮判定後、主制御装置100は、次の特別図柄変動の開始時に正式な判定を保留球ごとに行う。
【0063】
後に正式な判定を行うのは次のような理由による。
【0064】
次の特別図柄変動の開始時の保留球数の増減に応じて、変動時間テーブルを変更する場合がある。
【0065】
当該変動が大当たりであって、次の特別図柄変動の開始時が確変等の状態変化時であるときは、変動時間テーブルを変更する場合がある。
【0066】
主制御装置100は、図示しないホールコンピュータと接続され、遊技状態の情報(遊技機情報)を、ホールの管理を行っているホールコンピュータへ送っている。ホールコンピュータとは、ホールに設置された複数の遊技機を監視し管理するコンピュータである。ホールコンピュータは公知であるので、その説明は省略する。
【0067】
遊技機情報として次のようなものがある。
【0068】
例えば、入賞により払い出された遊技球(セーフ球)に関するセーフ球情報を送信する。例えば、10個の遊技球が払い出される毎に1個のセーフ球パルス信号が出力される。
【0069】
例えば、始動口に遊技球が入賞したことに起因して行った抽選結果を表示するために、図示しない表示装置に図柄を変動表示するときに、1個の始動パルス信号が出力される。
【0070】
例えば、始動口に遊技球が入賞したことに起因して行った抽選の結果が当たりであり、大当たり遊技を実行するときに、大当たり遊技状態信号(デジタルのHレベルの信号)が出力される。
【0071】
1100は、スタートチャッカー(始動入賞口)30dを遊技球が通過したこと(正確にはその内部に設けられたセンサ20dで検知されたこと)が検出されたことに基づいて乱数を取得する乱数取得部である。
【0072】
1110は、ハード乱数発生器である。ハード乱数発生器1110は、例えば所定のクロックに基づき高速に動作するカウンタ(ICなどで構成されるハードウエア)である。乱数取得部1100は、ハード乱数発生器1110が出力する信号(値)を乱数値(ハードウエアによる乱数、ハード乱数)として抽選に用いる。
【0073】
1120は、ソフト乱数発生器である。ソフト乱数発生器1120はプログラムにより実現されるものであり、CPUが予め定められたプログラムに従ってメモリに記憶されている値を変化(インクリメント)させたものを乱数値(ソフトウエアによる乱数、ソフト乱数)として出力する。乱数取得部1100は、ソフト乱数発生器1120が出力する信号(値)を乱数値として抽選に用いる。
【0074】
カウンタICなどのハードウエアで発生させているハード乱数は高速で変化している。このため特定(当たり)の乱数値を狙って取得することができず、ハード乱数に対する不正行為は困難である。ソフト乱数は、ハード乱数ほど乱数値の更新は高速でないので、不正行為を困難にするために乱数の初期値を変動させるなどの対策が取られることがある。
【0075】
1200は、乱数取得部1100により取得された乱数にもとづいて、特別図柄表示装置120に図柄を変動表示させる図柄変動制御部である。
【0076】
1300は、特別遊技制御部である。特別遊技制御部1300は、乱数取得部1100により取得された乱数が当選乱数(大当たり)であることを条件に、特別図柄表示装置120に予め設定された賞態様を構成する図柄を停止表示させた後、遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。
【0077】
特別遊技は、例えば次のような遊技である。
【0078】
例えば、特別遊技の開始条件は、特別図柄表示装置120に停止表示された図柄が予め設定された態様である。この開始条件が達成されると、特別遊技の1ラウンド目が開始され、特別遊技制御部1300はアタッカー(大入賞装置、変動入賞装置)30eを開放する。
【0079】
各ラウンドの終了条件は、アタッカー30eの開放時間が所定時間(例えば30秒)に達したとき、又はアタッカー30eに入賞した一般入賞球の個数が所定個数(例えば10個)に達したとき、いずれか先に達成された条件に従って当該ラウンドを終了させる。
【0080】
特別遊技の継続中に、予め定められたラウンド更新条件を満たせば、アタッカー30eを一旦閉じた後、再び開放して次ラウンド目の特別遊技状態を開始させる。以後、ラウンド更新条件がラウンド毎の特別遊技の継続中に満たされれば、予め定められた最終ラウンド(上限回数)まで特別遊技を繰り返させる。ラウンド更新条件が途中で満たされなかった場合、又は最終ラウンドが終了した場合に、特別遊技状態を完了させる。
【0081】
ラウンド更新条件としては、例えば、特別遊技状態の開始後に、アタッカー30eに遊技球が10個入賞するか又は30秒経過するかのうち、いずれか早い時点までに予め定められた特定領域へ遊技球が通過すること等が挙げられる。ラウンドの上限(最終ラウンド)は、例えば第15ラウンドである。
【0082】
1400は、確率変動遊技制御部である。確率変動遊技制御部1400は、特別遊技制御部1300による特別遊技の終了後、乱数取得部1100により当選乱数を取得する可能性を増加させる確率変動遊技を行わせるためのものである。
【0083】
確率変動遊技においては、例えば当選乱数の個数を増加させることにより、当選確率を増加させている。なお、確率変動遊技は、当選乱数の個数を増加させる場合に限らず、単位時間当たりの抽選回数を増加させ、その結果、乱数を取得する回数を増加させる、例えば変動時間短縮遊技(いわゆる「時短遊技」)を含む概念である。時間短縮(時短)が行なわれることにより、一定時間内に変動表示が行なわれる回数の最大値が増大される。時短ができない機種では、一定時間内に変動表示を開始できる回数は2〜3回だが、時短ができる機種では、より多い回数(例えば、10回程度)が可能となる。
【0084】
確率変動遊技には、例えば次のような場合に移行する。
【0085】
(1)移行用乱数が所定値となった場合
保留球の発生時に並行して取得された乱数値が所定値となった場合、特別遊技終了後、確率変動遊技に移行する。あるいは、所定の契機(保留球の発生時から特別遊技の終了迄の間)で取得した乱数値が所定値となった場合、特別遊技終了後、確率変動遊技に移行する。
【0086】
(2)所定の当選乱数値を取得した場合
例えば、乱数範囲を「1」〜「640」とし、当選乱数値を「7」、「327」とした場合、「7」を取得したときは、特別遊技終了後、確率変動遊技に移行する。
【0087】
(3)予め定めたパターンによる場合
例えば、初回の特別遊技終了後は、必ず確率変動遊技に移行し、確率変動時に特別遊技に移行した場合には、当該特別遊技終了後は、一般遊技に移行する。
【0088】
(4)所定条件が達成された場合
特別遊技中のスタートチャッカー(始動入賞口)30dへの入賞数が所定個数を超えた場合、特別遊技終了後、確率変動遊技に移行する。あるいは、特別遊技中に所定の入賞口又はゲートを所定個数入賞又は通過した場合、特別遊技終了後、確率変動遊技に移行する。
【0089】
確率変動遊技制御部1400は、また、確率変動遊技中の図柄の変動回数を計数すること、及び、計数した図柄の変動回数が、予め設定された所定回数、例えば50回に達したことを条件に、確率変動遊技を終了させることを行う。確率変動遊技の終了条件は、図柄の変動回数に限らない。例えば、図柄の変動回数が、予め設定された所定回数に達するか、特別遊技に移行するか、いずれか先に達成された条件に従って、確率変動遊技を終了させるようにしてもよい。
【0090】
1500は、保留処理部である。保留処理部1500は、図示しないが、保留乱数記憶手段、保留乱数判定手段、及び、保留乱数処理手段を含む。
【0091】
保留乱数記憶手段は、図柄の変動表示中又は特別遊技中において、スタートチャッカー(始動入賞口)30dにより打球が検出されたことにもとづいて、乱数取得部1100により乱数を取得し、当該乱数を保留乱数として記憶する。
【0092】
保留乱数判定手段は、保留乱数記憶手段に記憶された保留乱数を読み込み、当該保留乱数の抽選結果を判定する。
【0093】
保留乱数処理手段は、図柄の変動表示の終了後、保留乱数記憶手段に記憶された保留乱数を所定の順番で読み出し、当該保留乱数にもとづいて図柄を変動表示させる。保留乱数処理手段は、確率変動遊技中、判定した保留乱数に当選乱数が含まれている場合に、その保留乱数の分として記憶された当選乱数の読み出し順番を変更する。
【0094】
1600は、先読み処理部である。保留球は、上述したように各々大当り判定用乱数が取得されて記憶されているから、先読み処理部1600は、各保留球について、それらが大当りに係るものであるか否かを判定する。始動入賞の乱数抽出のタイミングで保留球の記憶内容である乱数を仮判定し(先読みし)、その結果を副制御装置200へ送っている。
【0095】
110は、遊技利益として入賞装置30b〜30dの遊技球入賞に応じた及び/又はこれによる抽選・判定の結果に応じた所定数の遊技球を払出すための払出制御装置である。
【0096】
120は、可変表示装置(センター役物)30aに設けられた表示装置(例えば7セグメント表示器など)である特別図柄表示装置である。
【0097】
130は、可変表示装置(センター役物)30aに設けられた表示装置(例えば7セグメント表示器など)である普通図柄表示装置である。
【0098】
140は、遊技者から視認できるように遊技機の盤面に設けられた状態表示装置である。状態表示装置140は、ラウンド数を表示するラウンド数表示部150と保留数を表示する保留数表示部160を含む。保留数表示部160は、遊技盤に配置され、図柄の変動表示中に保留球を表示するものである。
【0099】
200は、主制御装置100にて生成した処理情報を得ることにより、光の点滅・音響の発生などの演出を含む所定の出力態様処理をさせる制御を行う副制御装置である(「サブ基板」とも呼ばれる)。
【0100】
2100は、画像表示装置210を制御して演出に係る画像を表示させる演出図柄制御部である。
【0101】
2200は、遊技盤10に設けられた可動体220を制御する役物駆動部である。
【0102】
2300は、遊技盤10、可変表示装置30aあるいは遊技機筐体などに設けられたランプ・電飾230などを点灯制御するためのランプ制御部である。
【0103】
2400は、音発生装置240を制御する音制御部である。
【0104】
2500は、先読み関する演出を行う先読み演出処理部である。例えば、画像表示装置210の当たりに相当する保留球に対応する表示(保留球表示の発光色など)を他のものと異ならせることにより、当該保留球が当たりであることを報知する。保留数表示部160の保留球表示素子を点灯させて保留数を報知することも同時に行われるが、これは主制御装置100により制御される。
【0105】
2600は、リアルタイムクロック2700の出力(時刻信号)に基づき主制御装置100の遊技状態とは関係のない演出である特定演出に関する処理を行う特定演出処理部である。例えば、毎正時あるいは予め定められた時刻に、遊技状態とは独立して所定の楽曲が流されるとともに、そのビデオ映像が画像表示装置210に表示される。
【0106】
2700は、時刻信号を出力するリアルタイムクロックである。
【0107】
210は、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置である。
【0108】
220は、可動体である。可動体220は、例えば、通常状態とこれと異なる状態の2つを相互に行き来するものである。可動体とは、例えば、平板状、円柱状、円盤状、凹凸を有する歯車状、等のものである。なお、図示しないが可動体220を駆動するための動力部を備える。役物駆動部2200は、実際には、当該動力部を駆動する。動力部は、例えば、モータ、ソレノイドなどの電力又は磁力を用いた駆動装置又は駆動源を備えた制御装置などである。
【0109】
画像表示装置210及び可動体220は、可変表示装置(センター役物)30aに設けられている。
【0110】
230は、ランプ・電飾である。
【0111】
240は、音発生装置である。音発生装置240は、スピーカ52bと、副制御装置200の音制御部2400からの信号に基づきスピーカ52bの駆動信号を生成するサウンドプロセッサ(図示せず)を含んでいる。
【0112】
JDは、演出ボタン(ジョグダイヤル)である。副制御装置200には、演出ボタン(ジョグダイヤル)JDからの信号が入力されている。演出ボタン(ジョグダイヤル)JDからの信号により、例えば、副制御装置200において、画像表示装置210に表示される選択肢のいずれが選択されるといった処理がなされる。
【0113】
SSWは、音量スイッチである。副制御装置200には、音量スイッチSSWからの信号が入力される。音量スイッチSSWは例えば遊技機の筐体内部に設けられ、ホール店員のみが操作することができる。なお、音量スイッチSSWを副制御装置200上に設けるようにしてもよい。音量スイッチSSWは、例えば1、2、・・・10のいずれかの段階を選択するものである。これで選択された数値に対応する音量に設定される。例えば、数値が大きいほど音量が大きくなる。
【0114】
図6は、特別図柄に関する処理(特に乱数の処理)のフローチャートである。以下、この図に基づき当該処理について説明する。
【0115】
S1:主制御装置100は、始動入賞口へ入賞があったかどうか判定する。入賞があったとき(YES)、S2に進む。
なお、普通図柄の場合は、S1は「ゲートへの入賞」となり、賞球がないこと以外は特別図柄と同等の処理を行う。なお、普通図柄に当たっているときは、スタートチャッカー30dの可動片を所定秒間開くことを所定回数行う。
【0116】
S2:主制御装置100は、スタートチャッカー(始動入賞口)30dの入賞フラグを設定する。そして、賞球信号を生成する。
【0117】
S3:乱数取得部1100は、ハード乱数発生器1110及びソフト乱数発生器1120から複数の乱数を抽出する。複数の乱数は下記S6〜S9で使用される。
ハード乱数発生器1110からは、特別図柄(その1)の当たり乱数、特別図柄(その2)の当たり乱数、普通図柄の当たり乱数が抽出される。ハード乱数は、ソフト乱数より更新速度が速いため、初期値更新処理は省略される。
ソフト乱数発生器1120からは、当たり図柄乱数、当たり図柄用の初期値更新乱数、リーチ等の演出態様決定乱数、変動パターン乱数が抽出される。
【0118】
S4:主制御装置100は、特別図柄が変動中であるかどうか判定する。変動中であればS5に進み(YES)、そうでなければS6に進む(NO)。
【0119】
S5:主制御装置100は、保留処理部1500に抽出した複数の乱数を保留記憶させる。
記憶数が4つを超えた分は無効となる。賞球はある。
【0120】
S6:主制御装置100は、S3で取得した当たり乱数、又は、S5で保留した当たり乱数の当否を判定する。
主制御装置100は、特別図柄(その1)の当たり乱数、特別図柄(その2)の当たり乱数、普通図柄の当たり乱数について判定を行う。ハード乱数発生器1110からの当たり乱数を、遊技状態(通常/確変)に応じた「通常当否判定テーブル」「確変当否判定テーブル」(図示せず)と照合することで当否を判定する。
【0121】
S7:主制御装置100は、当たり図柄乱数の当否を判定する。当たりに応じた表示図柄の組み合わせを設定するか、又はハズレに応じた表示図柄の組み合わせを設定する。
【0122】
S8:主制御装置100は、リーチ等の演出態様決定乱数の当否を判定する。当たりに応じた演出態様を設定するか、又は(保留の記憶数を勘案して)ハズレに応じた演出態様を設定する。
【0123】
S9:主制御装置100は、変動パターン乱数の当否を判定する。当たりに応じた変動パターンを設定するか、又はハズレに応じた変動パターンを設定する。
変動パターンは、「リーチ付きの当たり演出」「リーチ付きのハズレ演出」「リーチ無しの当たり演出」「リーチ無しのハズレ演出」「リーチ付き30秒当たり/ハズレ演出」「リーチ付き15秒当たり/ハズレ演出」・・・といったものである。
【0124】
この抽選の際に、結果を表示(確定)するタイミング(何秒後に表示(確定)するか)についても抽選しているので、変動パターンは、抽選の結果を表示(確定)するまでの時間要素(時間情報)を包含している。
【0125】
S9では、予め用意された演出の中から変動パターンの時間要素が示す時間に適した演出が選択され、この情報に他の要素(例えば、「リーチ付きの当たり演出」「リーチ付きのハズレ演出」などの演出のうち、どのような演出を行うかを指示する演出パラメータ)が加味されたコマンドが、演出用のコマンドとして副制御装置200に送られ、選択された演出が画像表示装置210に表示されるための制御が行われる。副制御装置200から画像表示装置210へ選択された演出に係る画面データが送られ、そこでその画面が表示される。
【0126】
S7〜S9において、主制御装置100は、ソフト乱数発生器1120から抽出した乱数を、当たりハズレ、及び、遊技状態に応じた複数のテーブルと照合することで当否を判定する。複数のテーブルは、「当たり図柄テーブル」「ハズレ図柄テーブル」「当たり演出態様テーブル」「ハズレ演出態様テーブル」「当たり変動パターンテーブル」「ハズレ変動パターンテーブル」などである(図示せず)。
【0127】
S10:主制御装置100は、変動時間等の処理時間を管理する。変動時間の終了後、終了信号を送信する。
【0128】
S11:主制御装置100は、払出制御装置110,アタッカー(大入賞装置)30eの開閉、特別図柄表示装置120、普通図柄表示装置130、状態表示装置140に対して駆動信号ないしは制御信号を出力するとともに、副制御装置200へコマンドを送信する。
【0129】
図7は、発明の実施の形態に係る遊技機のブロック図である。同図は、副制御装置200による電飾の制御系統(発光素子の点滅制御系統と当該発光素子が設けられた電飾の移動制御系統)を示している。
【0130】
図7において、実線は電気信号を伝える配線を示し(1本の線は1本の電線を示す)、実線の矢印は信号の流れを示し(1本の矢印は複数の電線を含むことがある)、点線の矢印は作用を示す(物理的な力、光・磁気の影響など)。例えば、モータMTは、第2電飾230bに物理的力を加えて第2電飾230bを移動させ、センサSENは、第2電飾230bから物理的な作用を受ける。
【0131】
200は、副制御装置(副制御部)であり、図5に示したものと同じものである。副制御装置200はCPU、ROM、RAM、I/Oを含み、CPUが予めROMに記憶されたプログラムを実行することにより電飾の制御などの処理を実行する。ランプ・電飾230などの周辺基板への出力信号はI/Oを通じて送られる。
【0132】
230aは、複数の第1発光素子LMP1−R,G,Bを含み、副制御装置200による制御に従い複数の第1発光素子LMP1−R,G,Bを点滅させる第1電飾である。
【0133】
230bは、複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bを含み、副制御装置200による制御に従い複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bを点滅させる第2電飾である。
【0134】
図7からわかるように、第2電飾230bの複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bは、それぞれ、第1電飾230aの複数の第1発光素子LMP1−R,G,Bの信号線と同じ信号に接続されている。つまり共通接続(コモン接続)になっている。
【0135】
第1電飾230aと第2電飾230bは、図9に示すように遊技盤10の盤面11に設けられている。例えば、可変表示装置(センター役物)30aと同様に、最も目立つ盤面11の中央に設けられている。
【0136】
第2電飾230bは、遊技者から見えない位置である第1位置(収納状態、図9(a)の点線の位置)から遊技者から見える位置である第2位置(出現位置、図9(b)の実線の位置)へ、又は第2位置から第1位置へ移動するものである。第2電飾230bは、第1位置の状態、第2位置の状態、移動中の3つの状態をとり得る。以下では、もっぱら第1位置の状態、第2位置の状態について説明を加える。
【0137】
これに対し、第1電飾230aは固定されており、盤面11上で動くことはない。
【0138】
第2電飾230bは、図9(a)の第1位置(第1状態)では遊技者により認識されず、したがって発光素子の点滅を行う必要はない。図9(b)の第2位置(第2状態)では遊技者により認識されるが、この状態では第2電飾230bは第1電飾230aと、両者が接触していて物理的な距離がゼロであるという点、両者はデザイン的に統一的になるという点から、この状態では両者は一体となっている。言い換えれば、第1電飾230aと第2電飾230bは、一方のみ存在する状態と両者が一体となる状態の2つの状態をとり得るように設計され、この2つの状態は遊技状態に応じた演出の内容と連携している。
【0139】
第1電飾230aと第2電飾230bは一体となるので、その状態で同じ動作(発光素子の点滅)をおこなうべく、上述のようにそれぞれの発光素子は共通接続されている。
【0140】
第1電飾230a、第2電飾230bは、図5のランプ・電飾230に対応するものである。
【0141】
MTは、第2電飾230bを移動させるためのモータ(駆動部)である。モータMTは図示しない減速機構を駆動する。この減速機構は例えば図示しない支点を中心に第2電飾230bを回転させるものである(図9(a)の矢印)。
【0142】
SENは、第2電飾230bの移動を検知するセンサである。センサSENは例えばフォトセンサであり、第2電飾230bが第1位置(収納状態)にあるときに光が遮られるように設けられている。あるいは、センサSENは例えばマイクロスイッチであり、第2電飾230bが第1位置(収納状態)にあるときに接触してオンになるように設けられている。あるいは、センサSENは例えばリードスイッチであり、第2電飾230bが第1位置(収納状態)にあるときにオンになるように、第2電飾230bの対応する位置に磁石が設けられている。あるいは、センサSENは例えば可変抵抗器やロータリエンコーダであり、前記減速機構の出力軸に設けられ、第2電飾230bが第1位置(収納状態)にあることをその出力に基づき検知できるようになっている。
【0143】
SW1は、第2電飾230bの複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bを同時にオンオフするスイッチ回路である。図7では第2電飾230bの電源をオンオフするようになっている。例えば、第2発光素子LMP2−R,G,BがLEDであるとして、スイッチ回路SW1はLEDのアノードコモンの配線に設けられた機械的・電子的リレーである。
【0144】
DR1は、副制御装置200からの出力を受け、これに基づき第1、第2発光素子LMP1−R,G,B、LMP2−R,G,Bを点滅させる駆動回路(ドライバ)である。駆動回路DR1は点滅のための駆動信号R,G,Bとともに、スイッチ回路SW1をオンオフするための駆動信号Cも出力する。
【0145】
DR2は、モータMTを駆動する駆動回路(ドライバ)である。
【0146】
なお、図7は一例であって、発光素子の数はいくつでもよい。また、第1電飾230aの発光素子の数は第2電飾230bの発光素子の数と同じでなくてもよい(正確には、(第1電飾230aの発光素子の数)≧(第2電飾230bの発光素子の数))。点滅のための駆動信号R,G,Bは、第1電飾230aの発光素子の数に応じて用意する。第2電飾230bの複数の発光素子を一体として制御する場合には、駆動信号Cは発光素子の数によらず最低1つで足りる。第2電飾230bの複数の発光素子をいくつかに区分してそれぞれ独立して点滅制御する場合には駆動信号Cを区分の数に応じて用意する。
【0147】
図7の構成において、副制御装置200は、センサSENの出力に基づき次のように制御する。
【0148】
第2電飾230bが図9(a)に示す第1位置にあるとき、スイッチ回路SW1をオフにして第2電飾230bの複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bを消灯させる。第2電飾230bが図9(b)に示す第2位置にあるとき、スイッチ回路SW1をオンにして第2電飾230bの複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bを点灯させる。第2電飾230bの複数の第2発光素子LMP2−R,G,Bは、それぞれ、第1電飾230aの複数の第1発光素子LMP1−R,G,Bの信号線と同じ信号に接続されているので、両者は同じように点滅する。第1電飾230aと第2電飾230bは一体となって同じ演出を提供する。
【0149】
図8は、副制御装置200が行う電飾の制御フローチャートである。
【0150】
S20:第2電飾230bを第1位置(収納位置、図9(a))とする。
この状態を初期状態(デフォルト)とする。すなわち、この初期状態(デフォルト)は、第2電飾230bが第1位置(収納位置)にありオフ(消灯)であるが、第1電飾230aは遊技状態に対応する演出を行うために点滅している状態である。以下のS21とS22により点滅状態はそのように設定される(S20〜S22は一体となって初期状態を設定するものと言える)。
【0151】
S21:第1電飾230aを、遊技状態に対応する演出として点滅させる。
演出の内容及びこれに基づく点滅は公知であるので、その説明は省略する。
【0152】
S22:第2電飾230bをオフとする。
最初の処理では、S20による初期状態に対応させて第2電飾230bをオフとする。以下の処理を繰り返すごとにオンオフを切り替える。
【0153】
S23:第2電飾230bの位置を変更するかどうか判定する。
演出の内容に応じて第1位置(収納位置)と第2位置(出現位置)を適宜切り替える。この処理自体は公知であるので説明は省略する。
【0154】
変更しないときは何もしない。
【0155】
現在が第1位置であり、第2位置に変更する場合はS24、S25の処理を実行する。
【0156】
現在が第2位置であり、第1位置に変更する場合はS26、S27の処理を実行する。
【0157】
S24:第2電飾230bを第1位置(収納位置)から第2位置(出現位置)に移動させる。
これにより遊技者は第2電飾230bを認識(視認)できるようになる。
【0158】
S25:第2電飾230bをオンにする。
スイッチ回路SW1をオンにして、第2発光素子LMP2−R,G,Bを、それぞれ、第1発光素子LMP1−R,G,Bと同じように点滅させる。
【0159】
S26:第2電飾230bを第2位置(出現位置)から第1位置(収納位置)に移動させる。
これにより遊技者の視界から第2電飾230bが外れて見えなくなる(図9(a))。
【0160】
S27:第2電飾230bをオフにする。
スイッチ回路SW1をオフにして、第2発光素子LMP2−R,G,Bを消灯する。
【0161】
発明の実施の形態によれば、制御が簡単で設計が容易である制御ポートに点灯/消灯を割り当てる方式を維持しつつ、より多くの発光素子を制御できる。これによりポート数を実質的に増加させることができ、発光素子が増えたときでも共通仕様の副制御装置を使用できるようになる。制御ポート数の増加を抑制できる(図11の比較例の説明参照)。制御データの削減(メモリ容量の節約)の効果も期待できる。
【0162】
図10は、発明の実施の形態の変形例を示す。図10において、図7と同一又は相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0163】
図7ではスイッチ回路SW1を第2電飾230bの電源回路に設けていたが、図10はスイッチ回路SW2を信号線に設けている。
【0164】
スイッチ回路SW2は信号線をオンオフするスイッチであり、オンのときに信号が伝播して第2電飾230bの第2発光素子LMP2−R,G,Bを点滅させることができる。オフのときは信号が伝播せず、第2発光素子LMP2−R,G,Bは消灯する(無信号時は消灯するようになっている)。スイッチ回路SW2はスイッチ回路SW2と同様のものであるが、例えばANDゲートのようなゲート回路であってもよい。スイッチ回路SW2は駆動信号Cによりオンオフ制御される。
【0165】
図10の装置の動作は、図7の装置と同じである。図10の装置においても図8のような処理が行われる。
【0166】
図11は比較例を示す。図11はスイッチ回路SW1,SW2を備えず、第1発光素子LMP1−R,G,Bと第2発光素子LMP2−R,G,Bをそれぞれ別々の信号線(電線)で駆動している。
【0167】
図11では、(第1発光素子LMP1−R,G,B用信号線)+(第2発光素子LMP2−R,G,B用信号線)=3+3=6本の信号線があり、駆動回路DR1の出力信号は6個である。つまり、第1、第2電飾230a、230bの制御のために、制御ポート(副制御装置のI/O)は6つ必要である。
【0168】
これに対し、図7及び図10の構成によれば、第1、第2発光素子用信号線)+(駆動信号C)=3+1=4本である。図11と比べて2本少なくなっている。したがって、発明の実施の形態によれば制御ポート数を削減することができる。この効果は発光素子の数が多くなるほど顕著になる。
【0169】
以上の説明において、遊技機としてパチンコ機を例にとり説明を加えたが、本発明の実施の形態はスロットマシンなどの遊技機にも適用することができる。
【0170】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0171】
200 副制御装置(副制御部)
230 ランプ・電飾
230a 第1電飾
230b 第2電飾
DR1、DR2 駆動回路
MT モータ
SEN センサ
SW1,SW2 スイッチ回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11