【文献】
国頭吾郎、森川博之、青山友紀,ヘテロジニアスリンク環境のためのパーソナルメッシュ,電子情報通信学会2002年総合大会講演論文集,日本,電子情報通信学会,2002年3月7日,p.239
【文献】
今井尚樹、金子晋丈、森川博之、青山友紀,ユビキタス環境におけるサービスモビリティサポート,電子情報通信学会2002年総合大会講演論文集,日本,電子情報通信学会,2002年3月7日,p.240
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ターゲットUEに関連付けられた前記接続情報は、前記ターゲットUEに関連付けられたアドレスを含み、前記IUT要求は前記アドレスを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記IUT要求は、前記第1のネットワークが前記第1のRATを使用しており、かつ、前記第2のネットワークが前記第2のRATを使用している条件で、生成されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は添付の説明と図面について考察することにより理解されるだろう。本明細書では、同一の要素を同一の番号で示している。
【0008】
本発明により、2つの異なるシステムにおいて、2つの異なるIPアドレスを使用して、2つの異なる技術標準に従って動作する2つの異なる端末間で、インターネットプロトコル(IP)トラフィックを転送(すなわちハンドオフ)できる装置および方法を開示する。たとえば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)端末と3GPP UMTS端末の間、またはCDMA2000端末と3GPP UMTS端末の間のセッションハンドオフがある。本発明は端末によって利用できる。端末は物理的に個別のエンティティでも、共通の筺体に収納された別々の論理エンティティでもよい。
【0009】
本発明は、2台の端末間でユーザ(サービス加入者)が開始するハンドオフ手順(handoff procedures)に基づいている。加入者は、ネットワークの要請に基づいて(たとえば、この地域はWLANが利用可能であることをネットワークからユーザに通知した場合)、または加入者の自発的な行為に基づいて(たとえば、加入者がWLANを経由してトランザクションを実行している場合に、WLANを終了して自らのUMTS端末で同じトランザクションを継続する必要があると判断した場合)、ハンドオフプロセスを開始できる。
【0010】
ユーザがアプリケーションベースのハンドオフを開始するには、いくつかのメカニズムがある。たとえば、ソフトウェアセッション(または端末自体)にセッションハンドオフ手順の開始をトリガするボタンがあってもよい。セッションハンドオフトリガで、セッションを転送するターゲットのシステム/端末/IPアドレスを要求してもよい。要求は、加入者の端末に格納されたプログラムの一部でもよい。あるいは、直接加入者に送信してターゲットのIPアドレス、端末の電話番号、端末の識別番号を要求してもよい。別のアプローチでは、ソースシステムはホームロケーションレジスタ/−ホームサブスクライバサービス(HLR/HSS)に加入者情報を問い合わせて、ハンドオフのターゲットアドレスを取得する。加入者が複数台の端末を所有する場合は、所望のターゲット端末を選択するようにソースシステムから加入者に要求してもよい。該当する端末が停止している場合は、ハンドオフ手順を実行する前に、この端末を起動し、IP接続を起動する(つまり、IPアドレスを取得するか、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストを起動する)ようにソースシステムから加入者に要求してもよい。第2の端末(たとえばUMTS)が接続されているがIPアドレスが割り当てられていない場合は(すなわちPDPコンテキストが起動していない場合)、ネットワークが開始するPDPコンテキスト起動手順をターゲットシステムが実行するように、ソースシステムからトリガしてもよい。
【0011】
ターゲットシステム、ターゲット端末、ターゲットIPアドレスが特定された場合に、ハンドオフプロセスはモバイルIPバージョン4(MIPv4:mobile IP version 4)の最適なルーティングを使用して、セッショントラフィックをこのターゲットの三つ組(target triplet)(システム、IPアドレス、端末)に直接転送できる。トラフィックが新しいあて先にリルーティングされると、ハンドオフを終了し、この接続を終了し、すべてのリソースを解放してから現在の端末を停止するように、ソースシステムから加入者に指示してもよい。
【0012】
本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本技術の現在の状態を示しており、WLANカード12を装着したパーソナルコンピュータ(PC)10は、WLAN19のアクセスポイント(AP)20と通信できる。WLAN19は、3GPP(3rd generation partnership project:第3世代移動体通信システムの標準化団体)システムに対しては、限定されたアクセスだけができる。パーソナルコンピュータ10は、インターネットプロトコルネットワーク24と通信し、メッセージを送信および受信する。ただし、パーソナルコンピュータ10は認証と課金のみを目的として、WLANアクセスポイント20のAAA機能22、UTRAN25のAAA機能26、およびHSS28を介して、3GPPシステム25にアクセスする。パーソナルコンピュータ10と無線ユーザ装置(UE)15の間のハンドオフ機能はない。
図1に示す機能は、承認されたシナリオ2による相互動作を示している。
図1においては、パーソナルコンピュータ10とユーザ装置15は別々のエンティティとして示されているが、共通の筺体に収納された論理エンティティ(図示せず)であっても良いことを理解されたい。
【0013】
図2は、シナリオ3の新しいアプローチを使用した相互動作が示されているが、
図2に示すインスタントメッセージングシステム(IMS:instant messaging system)34が追加された配置という点で異なっている。シナリオ3では、シナリオ3の3GPPシステム25のGSN30の要素となるサービングGSN(serving GSN)を介してパケット交換サービスにアクセスできる。パーソナルコンピュータ10は、HSS28に認証と課金のためにアクセスするだけでなく、IPネットワーク24を経由しIMS34を使用して、インスタントメッセージングシステム(IMS)サービスを取得できる。それにもかかわらず、パーソナルコンピュータ10と無線ユーザ装置15との間のハンドオフ機能は存在しない。
【0014】
図3は、WLAN20を変更することなくハンドオフを実現する配置を示している。パーソナルコンピュータ10は、WLAN20とサポートするサービスセンター36の間でIPネットワーク24を介してデータセッションを行うように図示されている。データセッションの接続は、タワー32を使用する3GPPシステム25のUMTSネットワークを介して、無線によって動作するユーザ装置15に転送される。
【0015】
図4は、利用可能なハンドオフ手順を示すフロー図である。
【0016】
ハンドオフ手順がトリガされるが(ステップS1)、これはユーザが開始してもパフォーマンス(performance)によって開始されてもよい。ユーザが開始したハンドオフの場合は(S2)、ネットワークが開始を要請してもよい(S3に分岐する)。この場合は、ネットワーク(たとえばWLAN)を使用できることをネットワークからユーザに通知する。自発的な(unsolicited)ハンドオフトリガの場合は、ユーザが自らハンドオフ(HO)を開始できる。要請されたハンドオフトリガ(S3)の場合も、自発的なハンドオフトリガ(S4)の場合も、直ちにハンドオフが開始される。
【0017】
ハンドオフは、パフォーマンスによって開始されてもよい(S1からS5に分岐する)。この場合は電力測定値に基づいて開始することができる(S6に分岐する)。ただし、WLANは現在のところパフォーマンスによって電力測定値に基づいて開始するハンドオフをサポートしていない。
【0018】
S5からS7に分岐し、フレームエラーレート(FER)に基づいてハンドオフを開始することもできる。ただし、WLANでは、物理レイヤーFER(PHY FER)をサポートしない。メディアアクセス制御FER(MAC FER)はWLANではサポートされない場合があるので、低速の手順になる。
【0019】
インターネットプロトコルFER(IP FER)は非常に低速のハンドオフになる。また、インターネットプロトコル(IP)には巡回冗長検査(CRC)がないことにも留意されたい。
【0020】
図5は、ターゲットHLR/HSS(home location register/home subscriber server)アクセスによる一般的なハンドオフシナリオを示すフロー図である。ステップS11で、加入者(たとえばWLANカードを装着したPCを使用している)が現在のセッションをシステムA(たとえばWLANでよい)から別のシステムB(たとえばUMTSでよい)に転送することを決定した場合にハンドオフが開始される。加入者は、このように決定すると、
図3に示すパーソナルコンピュータ10のような加入者ユニットの一部として備えられたハンドオフボタンBを押す。ハンドオフボタンを押すと、たとえば、WLAN、CDMA2000、UMTSなど、オプションのターゲットシステムのリストが加入者に対して表示される(S13)。
【0021】
ルーチンはS14に進み、ここで
図3に示すパーソナルコンピュータ10とユーザ装置15のような端末同士が接続されているかどうかを確認する。接続されている場合、ルーチンはS15に進み、他方の端末(たとえばUMTS)の接続を保証する確認プロセスを開始する。
【0022】
端末同士が接続されていない場合は、ルーチンはS14からS16に分岐し、ここで他方の端末(たとえば、UMTSシステムの端末)が稼働中であり、システムBに接続していることを確認するように加入者に要求する。次に、ルーチンはS17に進み、システムA(たとえばWLAN)にシステムBのID、システムBと通信する端末のIDおよびIPアドレスを含むターゲットの三つ組に関する情報があるかどうかを問い合わせる。システムAにターゲットの三つ組の情報がない場合は、ターゲット情報を提供するように加入者に要求する。
【0023】
システムAにターゲット情報がある場合は、ルーチンはS19に分岐し、ターゲットシステムすなわちシステムBへの接続に関する必要な情報を取得する。前述のように、取得する情報はシステムAと加入者のいずれかから得られる。次にルーチンはS20に進み、ターゲットシステムのデータベース(たとえばHLR/HSS)に接続して情報の取得、検証、認証を行う。必要な基準を満たす場合は、ルーチンはS21に分岐し、システムAはターゲットシステムBにおいてサービスを開始し、サービスプロバイダすなわちセッションパートナーに、セッショントラフィックをシステムBにリルーティングすることを通知する。現在のセッションがシステムAのみで動作している場合は、加入者に問い合わせて加入者がシステムAへの接続を終了するか動作を継続するかを確認する。
【0024】
図6は、ターゲットHLR/HSSを省略した一般的なハンドオフシナリオを示している。簡単にするために、
図5には示されていないステップのみについて詳細に説明する。
【0025】
ステップS11からS17は、
図5の対応するステップS11からS17と実質的に同一である。ただし、ステップS17でシステムAにターゲットの三つ組の情報がない場合は、ルーチンはステップS22に分岐し、ターゲットIPアドレス情報を加入者から取得する。
【0026】
ステップS15から進めて、S19においてターゲットシステムへの接続に関する必要な情報を取得し、ターゲット情報をシステムAから取得するか(S17)、加入者が提供するターゲットアドレス情報から取得する(S22)。次にルーチンはS23に進み、ターゲットシステムに接続して情報の取得、検証、認証を行う。その後、適切な基準を満たす場合にルーチンはステップS21に進む。これは、
図5の対応するステップS21と実質的に同一である。
【0027】
図7は、WLANからUMTSへのハンドオフシナリオを示している。ステップS11およびS12は、
図5および
図6の対応するステップS11およびS12と実質的に同一である。ハンドオフの開始ボタンを押すと、ルーチンはステップS27に進み、表示された候補から加入者がターゲットシステムを選択し、さらにターゲットシステムと通信しようとする端末が稼働中であり、接続されていることを確認するためのウィンドウが表示される。ルーチンはさらにステップS28に進む。これは、
図5と6のルーチンに示すステップS17と実質的に同一である。ここでは、WLANにターゲットの三つ組に関する情報があるかどうかを問い合わせている。UMTSにターゲットの三つ組の情報がない場合は、ルーチンはステップS29に分岐し、システムおよび/または端末の情報を加入者から取得する。ステップS28に戻り、ルーチンは要求した情報が得られるまでループする。図示されていないが、指定された回数だけ試行しても(たとえば3回実行しても)要求した情報が得られない場合はルーチンを終了してもよい。ただし、中止するまでの試行回数の増減をプログラムすることができる。
【0028】
三つ組の情報が得られると、ルーチンはステップS30に分岐し、ここでターゲットシステムのHLR/HSSに接続する。ルーチンはステップS31に進み、端末が稼働中かどうかを確認する。端末が稼働中の場合は、ルーチンはステップS33に分岐し、パケットデータプロトコル(PDP)が動作中どうかを確認する。PDPが動作中でない場合は、ルーチンはステップS34に分岐してPDPコンテキストを起動し、さらにIPアドレスを取得する(S35)。続いて、リルーティングのプロセスを実行する(S36)。
【0029】
S33に戻り、PDPが動作中の場合は、IPアドレスを取得し(S35)、リルーティングのプロセスを実行する(S36)。
【0030】
S31に戻り、端末が稼働中でない場合は、ルーチンはS32に分岐し、端末を起動して確認するように加入者に要求する。ルーチンはS37に進み、確認を受信したかどうかを確認する。確認を受信した場合は、ルーチンはS39に分岐し、ターゲットシステムに接続する前にあらかじめ指定された遅延が発生する(S30)。
【0031】
確認を受信していない場合は、ルーチンはS38に分岐し、ハンドオフを中止する。
【0032】
図8は、UMTSからWLANへの相互動作を使用したハンドオフシナリオを示している。
【0033】
ハンドオフルーチンは、加入者が現在のセッションをUMTSからWLANに転送すると決定し(S40)、続いて現在のUMTSセッション中にハンドオフ手順ボタンをトリガした場合に(S41)開始される。加入者は直ちに、加入者に示された表示からターゲットシステムを選択するように促され、さらにWLANに接続される端末(たとえばWLANカードが装着されているPC)が、稼働中で、かつWLANに接続されていることを確認するように通知される。
【0034】
さらに、UMTSにターゲットの三つ組の情報があるかどうかを問い合わせる。UMTSにターゲット情報がない場合は、ルーチンはS44に分岐し、システム端末および/またはIPの情報を加入者から取得してS43に戻る。ターゲット情報が得られる場合は、ルーチンはS45に分岐し、直ちにUMTSのHSSに接続する。ルーチンはさらにS46に進み、WLAN端末が稼働中かどうかを確認する。WLAN端末が停止している場合は、ルーチンはS47に分岐し、加入者にWLAN端末を起動し、稼働を確認するように要求する。ステップS47は
図7の対応するステップS32と実質的に同一である。ステップS47の横に「(S32)」を置いてみれば、2つのステップが同一であることがわかる。ステップS48からS50は、
図7のS37からS39と実質的に同様に機能する。
図7の対応する同等のステップ番号をかっこで囲んで並べて示す。したがって、ステップS48からS50の動作は、前述のステップS37からS39で説明されている。
【0035】
ステップS50を参照すると、ステップS50の完了に応答し、あらかじめ指定した間隔の後にUMTSのHSSに接続する(S45)。
【0036】
WLAN端末が稼働中であることが確認された場合は(S46)、ターゲットIPアドレスを取得し(S51)、リルーティングのプロセスを実行する(S52)。
【0037】
図9は、UMTSからWLANへの相互動作のないハンドオフシナリオを示している。
図9を参照すると、ステップS40からS43は
図8の対応するステップS40からS43と実質的に同一である。したがって、こうした対応するステップに関する前述の説明を参照されたい。
【0038】
UMTSにターゲットの情報がない場合は、プログラムはステップS44に分岐する。これは
図8の対応するステップS44と実質的に同一であり、上で説明済みである。
【0039】
ターゲット情報が得られると、ルーチンはS53に分岐してターゲットIPアドレスを抽出する。ステップS54で、IPアドレスの存在を確認する。確認が肯定の場合は(S55)、リルーティングプロセスを実行する(S56)。確認が受信されない場合は、ルーチンはS57に分岐し、端末を起動するように加入者に指示し、起動の手順が完了したことを通知する。ステップS58で、確認を受信すると、ルーチンはステップS59に分岐し、ルーチンはS43に戻る。ステップS43からS55がもう一度繰り返されたが確認が受信されず(S55)、これが2度目の問い合わせの場合は、ルーチンはS57Aに分岐し、ハンドオフ手順を直ちに中止する(S60)。