特許第6181462号(P6181462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181462
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】無線防災システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20170807BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20170807BHJP
   H04W 84/20 20090101ALI20170807BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20170807BHJP
【FI】
   H04W28/04 110
   H04W52/02 110
   H04W84/20
   H04W4/04 190
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-168755(P2013-168755)
(22)【出願日】2013年8月15日
(65)【公開番号】特開2015-37271(P2015-37271A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2016年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】島 裕史
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−069067(JP,A)
【文献】 特開2009−267963(JP,A)
【文献】 特開2007−306423(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/063368(WO,A1)
【文献】 特開2012−190227(JP,A)
【文献】 特開2009−251905(JP,A)
【文献】 特開2003−037606(JP,A)
【文献】 特開2012−090115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の送信割当時間に続いて所定の送信休止時間を必要とする通信方式に基づき、子ノードと親ノードの間で無線信号を送受信し、前記子ノードから前記送信割当時間の間に無線信号を複数回連続して送信可能とした無線防災システムに於いて、
前記子ノードは、前記送信割当時間内に、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数だけ同一の無線信号を連続送信した後に確認応答の無線信号を受信可能な時間を受信待機し前記受信待機の時間内に前記親ノードから前記確認応答の無線信号を受信した場合は送信を正常終了し、前記受信待機の時間内に前記確認応答の無線信号が受信されない場合は、前記送信割当時間の残り時間の間に、前記確認応答の無線信号が受信されるまで、前記送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数による前記同一の無線信号の連続送信と前記受信待機とを繰り返すことを特徴とする無線防災システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線防災システムに於いて、前記子ノードは、前記送信情報の重要度が高いほど前記同一の無線信号の連続送信回数を増加させて連続送信することを特徴とする無線防災システム。
【請求項3】
請求項1記載の無線防災システムに於いて、前記子ノードは監視区域の異常を検出するセンサノードであり、前記親ノードは前記センサノードからの異常を検出した旨の無線信号を受信する無線中継器であることを特徴とする無線防災システム。
【請求項4】
請求項2記載の無線防災システムに於いて、前記子ノードは、火災を示す無線信号の重要度高く設定され、火災以外を示す無線信号の重要度が前記火災を示す無線信号よりも低く設定されたことを特徴とする無線防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線式感知器などのノードから無線送信された電文を別のノードに伝送する無線防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、警戒区域の火災等の異常を監視する無線式の防災監視システムにあっては、ビルの各フロアといった警戒区域にセンサノードとしての複数の無線式感知器を設置し、無線式感知器で火災を検出した場合、火災を示す電文信号(以下、単に「電文」という)をフロア単位に設置した無線防災ノードとしての無線受信用中継器に無線送信する。また途中に無線中継ノードとなる電波中継器を設置し、無線式感知器からの電文を中継する。
【0003】
無線受信用中継器は受信機からの感知器回線に接続されており、火災を示す電文を受信すると、リレー接点やスイッチング素子のオンにより感知器回線に発報電流を流して火災発報信号を受信機に送信する。受信機は、この火災発報信号を受信すると、音響等の手段により火災警報を出す。
【0004】
このような無線防災システムによれば、一般的に天井裏等に敷設される感知器回線の一部を不要にでき、配線工事が簡単になり、感知器の設置場所も配線等の制約を受けずに決めることができる。また、感知器増設等のシステム変更にも容易に対応できる。
【0005】
無線防災システムを構成する無線式感知器、電波中継器及び無線受信用中継器は、426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)に基づき無線信号を送受信している。
【0006】
STD−30は空中線電力が10mW以下であり、426.250MHz以上で426.8375MHz以下の周波数の電波を使用する場合はキャリアセンスが義務づけられていないことから、この周波数の電波を使用することで、キャリアセンスを行うことなく無線送信を行っている。なお、キャリアセンスとは、無線送信を行う際に、他局が送信した同一の搬送周波数の電波の受信レベルを検知し、この受信レベルが所定閾値以上である場合には無線送信を行わず、受信レベルが所定閾値未満の場合に無線送信を行い、同一の搬送周波数の電波の衝突を回避することをいう。
【0007】
また、STD−30では、キャリアセンスが義務づけられていないことに伴い、電波を発射してから3秒以内にその電波の発射を停止し、且つ、2秒を経過した後でなければその後の発射を行わないことが義務付けられている。以下、電波を発射することのできる3秒の時間を送信割当時間といい、電波の発射を停止する2秒の時間を送信休止時間という。このためSTD−30は、所定の送信割当時間に続いて所定の送信休止時間を必要とする通信方式ということができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−274580号公報
【特許文献2】特開2001−292089号公報
【特許文献3】特開2011−071598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、このような無線式の防災監視システムにおいては、無線式感知器で火災を検知した場合に、火災を示す電文を生成し、この電文を送信割当時間以内に1回の送信動作で複数回連続して送信し、受信側となる無線受信用中継器又は電波線中継器から確認応答信号として知られたACK信号(以下「ACK」という)を受信した場合、正常に送信できたと判断して送信動作を終了している。
【0010】
これに対し無線式感知器から火災を示す電文を複数回連続して送信しても、受信側となる無線受信用中継器又は電波中継器からのACKを受信できなかった場合には、2秒の送信休止時間を経過した後に、再び火災を示す電文を複数個連続して送信するリトライ動作を行い、ACKが受信できなければ、所定のリトライ回数に達するまで、送信休止時間を空けて同じ送信動作を繰り返す。
【0011】
このため電文送信に失敗した場合のリトライ動作によるリカバリに時間がかかり、無線式感知器で火災を検知してから受信機で火災警報を出力するまでの時間遅れが大きくなる場合がある。
【0012】
また無線防災システムにおける電文送信の失敗原因となる通信障害は、監視エリアに設置している機器からの一時的な雑音や、人や物の移動により電波環境が変化するといった一時的な原因による場合が多く、電文送信でACKが受信できなかった場合の送信休止時間のタイミングで通信障害が回復していることが想定されるが、送信休止時間を必要とする分、正常に通信できるまでに時間がかかる問題がある。
【0013】
また無線式感知器は火災を検知して火災を示す電文を送信した後に、火災復旧を検知した場合には、火災復旧を示す電文を生成して送信しており、これ以外にも、定期通報を示す電文、障害を示す電文、ノードID登録に使用する起動又は試験電文を必要に応じて送信しており、いずれの電文送信も火災を示す電文と同様、送信割当時間以内に1回の送信動作で複数回連続して送信している。
【0014】
しかしながら、電文の連続送信回数は、連続送信中に電波障害が発生して回復した場合には、電文の連続送信回数が多いと、電波障害が回復したタイミングで電文が正常に受信される可能性が高くなるが、従来は送信情報が異なっても全ての電文について同じ連続送信回数としており、例えば火災を示す重要な電文であっても、重要性が比較的低い例えば定期通報を示す電文と同じ扱いであり、重要な電文について通信障害が発生した場合の通信の信頼性が十分に確保できない可能性がある。
【0015】
本発明は、所定の送信割当時間に続いて所定の送信休止時間を必要とする通信方式を対象に、送信情報の重要度に応じて通信障害に対する通信の信頼性を向上可能とする無線防災システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、所定の送信割当時間に続いて所定の送信休止時間を必要とする通信方式に基づき、子ノードと親ノードの間で無線信号を送受信し、子ノードから送信割当時間の間に無線信号を複数回連続して送信可能とした無線防災システムに於いて、
子ノードは、送信割当時間内に、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数だけ同一の無線信号を連続送信した後に確認応答の無線信号を受信可能な時間を受信待機し受信待機の時間内に親ノードから確認応答の無線信号を受信した場合は送信を正常終了し、受信待機の時間内に確認応答の無線信号が受信されない場合は、送信割当時間の残り時間の間に、確認応答の無線信号が受信されるまで、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数による同一の無線信号の連続送信と受信待機とを繰り返すことを特徴とする。
【0017】
子ノードは、送信情報の重要度が高いほど同一の無線信号の連続送信回数を増加させて連続送信する。
【0018】
子ノードは監視区域の異常を検出するセンサノードであり、親ノードはセンサノードからの異常を検出した旨の無線信号を受信する無線中継器である。
【0019】
子ノードは、火災を示す無線信号の重要度高く設定され、火災以外を示す無線信号の重要度火災を示す無線信号よりも低く設定される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の無線防災システムによれば、例えば子ノードをセンサノード、親ノードを防災無線ノードとした場合、子ノードとして機能するセンサノードは、無線信号を親ノードとして機能する無線防災ノードに送信する場合、送信割当時間内に、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数だけ無線信号を連続送信した後に、無線防災ノードから確認応答の無線信号を受信した場合は送信を正常終了し、無線防災ノードから確認応答の無線信号が受信されない場合は、送信割当時間の残り時間の間に、確認応答の無線信号が受信されるまで、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数による無線信号の連続送信を繰り返すようにしたため、重要度第1位と最も高い火災を示す無線信号については、連続送信回数を従来の4回に対し例えば8回とすることで、連続送信中に一時的に発生した通信障害が回復したタイミングで連続送信が続いている可能性を高め、通信障害が回復した後に、無線防災ノードで確実に火災を示す無線信号を受信し、受信機から火災警報を出力するまでの時間遅れを抑制することを可能とする。
【0021】
一方、火災に比べ重要度が低い例えば火災復旧を示す無線信号については、連続送信回数を、例えば従来と同様、4回とすることで、火災を示す無線信号に比較すると一時的な通信障害に対する通信の信頼性は低いが、従来と同等の通信の信頼性を確保可能とする。
【0022】
更に、火災や火災復旧以外よりも重要度が低い定期通報などを示す無線信号については、連続送信回数を従来の4回より少ない例えば2回とすることで、キャリアセンスを行うことなく送信を行っているシステム全体としての通信頻度を低減して、無線信号の衝突による送信エラーの発生を抑制可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による無線防災システムの実施形態を示した説明図
図2】無線式感知器の機能構成の概略を示したブロック図
図3】電波中継器の機能構成の概略を示したブロック図
図4】無線受信用中継器及びP型受信機の機能構成の概略を示したブロック図
図5】無線防災システムで使用する電文フォーマットを示した説明図
図6】火災電文の送信動作を示したタイムチャート
図7】火災復旧電文の送信動作を示したタイムチャート
図8】定期通報電文の送信動作を示したタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0024】
[無線防災システム]
(無線防災システムの概要)
図1は本発明による無線防災システムの実施形態を示した説明図である。図1に示すように、監視対象となる建物11の各階には無線防災ノードとして機能する無線受信用中継器12−1〜12−3が設置され、火災受信機であるP型受信機10から階別に引き出された感知器回線18−1〜18−3に接続されている。
【0025】
1F〜3Fの各階には、センサノードとして機能する無線式感知器16−11〜16−14、16−21〜16−24、及び16−31〜16−34が設置されている。また本実施形態にあっては、無線受信用中継器12−1〜12−3に対し、距離が離れている無線式感知器からの電波の減衰による信号喪失を防ぐために、電波中継ノードとして機能する電波中継器14−1〜14−3を設置している。
【0026】
尚、無線式感知器16−11〜16−34、電波中継器14−1〜14−3、無線受信用中継器12−1〜12−3を区別しない場合は、無線式感知器16、電波中継器14、無線受信用中継器12と呼ぶ。
【0027】
ここで、親子関係をみると、無線式感知器16と無線受信用中継器12は親子関係にあり、無線式感知器16は子ノードであり、無線受信用中継器12は親ノードとなる。また、無線式感知器16と電波中継器14も親子関係にあり、無線式感知器16は子ノードであり、電波中継器14は親ノードとなる。更に、無線受信用中継器12と電波中継器14も親子関係にあり、電波中継器14は子ノードであり、無線受信用中継器12は親ノードとなる。
【0028】
無線式感知器16、電波中継器14及び無線受信用中継器12は、セキュリティ用の特定小電力無線局の標準規格であるSTD−30に従い、空中線電力が10mW以下であり、426.250MHz以上で426.8375MHz以下の周波数の電波を使用することで、キャリアセンスを行うことなく無線送信を行う。
【0029】
また、STD−30では、キャリアセンスが義務づけられていないことに伴い、電波を発射してから3秒以内にその電波の発射を停止し、且つ、2秒を経過した後でなければその後の発射を行わないことが義務付けられおり、所定の送信割当時間例えばT1=2秒に続いて所定の送信休止時間T2=2秒を必要とする通信方式である。
【0030】
更に、STD−30は、近年の改正に伴い、電波を発射してから連続する3秒以内に限り、その発射を停止した後、2秒以上の送信休止時間を設けずに再送信できるものとする、としている。このため送信割当時間T1以内であれば、電波の送信と停止を必要に応じて繰り返す連続送信ができる。
【0031】
無線式感知器16及び電波中継器14のそれぞれには、機器IDを使用した固有のノードIDが予め登録されている。
【0032】
また無線受信用中継器12,電波中継器14及び無線式感知器16には、階別に無線ネットワークを構築していることから、階毎に異なるネットワークアドレス(以下、単に「アドレス」という)を設定している。
【0033】
電波中継器14−1と無線受信用中継器12−1のそれぞれには、親子関係に基づいて電文を受信する子ノードとしての送信元を特定するノードIDが予め登録されている。即ち、無線受信用中継器12−1には子ノードとなる無線式感知器16−13,16−14及び電波中継器14−1のノードIDが予め登録されている。また電波中継器14−1には、子ノードとなる無線式感知器16−11,16−12のノードIDが予め登録されている。
【0034】
また、無線受信用中継器12−1において、通常は電波中継器14−1を介して無線式感知器16−11,16−12からの各種無線信号を受信する状況において、電波中継器14−1を経由せずに無線式感知器16−11,16−12から送信した電文を直接受信した場合であっても、有効な電文としての処理を可能とするため、無線受信用中継器12−1の記憶部に、同じ階(グループ)に設置された無線式感知器16−11、16−12のノードIDも登録している。
【0035】
無線受信用中継器12の記憶部への各機器のノードIDの登録は、無線受信用中継器12とその他の子ノードを相互に通信することで各子ノードのIDを登録してもよいし、先に電波中継器14に登録した無線式感知器16のノードIDを、電波中継器14から無線受信用中継器12に無線転送することにより無線受信用中継器12の記憶部に追加登録する構成でもよい。
【0036】
なお、2F及び3Fの無線受信用中継器12−2,12−3及び電波中継器14−2,14−3についても同様である。
【0037】
無線式感知器16は、送信要求が発生した場合、送信割当時間T1以内に、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数nだけ無線信号を連続送信した後に、確認応答の無線信号を受信した場合は送信を正常終了し、一方、確認応答の無線信号が受信されない場合は、送信割当時間の残り時間の間に、確認応答の無線信号が受信されるまで、送信情報の重要度に応じた所定の連続送信回数nによる無線信号の連続送信を繰り返す。
【0038】
例えば無線式感知器16−11で重要度の最も高い火災を検知した信号を出力する場合、無線式感知器16−11は火災データを含む所定形式の電文「以下「火災電文」という」を生成し、この火災電文を重要度に応じて予め設定している所定の連続送信回数n、例えばn=8回連続して電波中継器14−1へ、通信経路15aで示すように送信し、送信を終了すると受信動作に切り替える。
【0039】
電波中継14−1は連続送信された火災電文を受信した場合、この火災電文に含まれる送信元IDと予め登録したノードIDとを比較し、両者の一致で有効な火災電文として処理し、またACKを無線式感知器16−11へ送信する。
【0040】
無線式感知器16−11は送信動作を停止して受信動作に切り替えた状態で、電波中継器14−1が送信したACKを受信した場合、火災電文は正常に送信できたと判断し、送信動作を正常終了する。
【0041】
これに対し無線式感知器16−11はACKを受信できなかった場合、最初の送信開始からの時間が送信割当時間T1以内であることを条件に、重要度に応じた連続送信回数n=8回、火災電文を連続して電波中継器14−1へ送信し、送信を終了すると受信動作に切り替えて、ACKの受信を行い、ACKが受信できるまで電文の連続送信回数n=8回となる火災電文の連続送信を繰り返す。
【0042】
電波中継器14−1は、無線式感知器16−11からの電文を受信した際に、電文の送信元IDと登録しているノードIDとを比較し、両者が一致したときに有効な電文として無線受信用中継器12−1に対し通信経路15bで示すように中継送信する。
【0043】
この電波中継器14−1の中継送信において、中継情報は重要度の最も高い火災であることから、重要度に応じて予め設定している所定の連続送信回数n、例えばn=8回連続して無線受信用中継器12−1へ送信し、送信を終了すると受信動作に切り替える。火災等の重要度の高い情報ほど連続送信回数nを多くして、一度の送信時間を長くして、受信する信頼性を高める。
【0044】
この火災電文の連続送信を行った後に、電波中継器14−1は、無線受信用中継器12−1からACKを受信した場合は送信動作を正常終了するが、ACKを受信できなかった場合、最初の送信開始からの時間が送信割当時間T1以内であることを条件に、連続送信回数n=8とする火災電文の中継送信を繰り返す。
【0045】
無線受信用中継器12−1は、子ノードとして割り当てられた電波中継器14−1からの火災電文を受信した際に、火災電文の送信元IDと登録しているノードIDとを比較し、両者の一致で有効な電文として受信処理し、P型受信機10に対し感知器回線18−1に対する接点出力として発報電流を流すことで火災発報信号を送信する。
【0046】
また、無線受信用中継器12−1は、子ノードとしてノードIDを登録している無線式感知器16−13,16−14から火災電文を受信した場合、受信した電文の送信元IDと追加登録されたノードIDと比較し、両者の一致で有効な電文として受信処理し、P型受信機10に対し感知器回線18−1に対する接点出力として発報電流を流すことで火災発報信号を送信する。
【0047】
この親子関係にある無線式感知器16−13,16−14の無線受信用中継器12−1に対する送信動作も、電波中継器14−1と親子関係にある無線式感知器16−11,16−12の場合と同様であり、火災電文を重要度に応じて予め設定している所定の連続送信回数n、例えばn=8回連続して無線受信用中継器12−1へ送信し、無線受信用中継器12−1からACKを受信した場合は送信動作を正常終了するが、ACKを受信できなかった場合、最初の送信開始からの時間が送信割当時間T1以内であることを条件に、連続送信回数n=8とする火災電文の連続送信を繰り返す。
【0048】
更に無線受信用中継器12−1は、割り当て対象となっていない無線式感知器16−11,16−12より直接、電文を受信した場合についても、受信した電文の送信元IDと追加登録されたノードIDと比較し、両者が一致したときに有効な電文として処理し、処理結果をP型受信機10に送信することになる。
【0049】
また火災を検知した無線式感知器16−11が、その後、火災復旧を検知した場合には、火災復旧電文(復旧後初回電文)を重要度に応じて予め設定している所定の連続送信回数n、例えばn=4回連続して電波中継器14−1へ、通信経路15aで示すように送信し、送信を終了すると受信動作に切り替え、電波中継器14−1が送信したACKを受信した場合、火災復旧電文は正常に送信できたと判断し、送信動作を正常終了する。
【0050】
これに対し無線式感知器16−11はACKを受信できなかった場合、最初の送信開始からの時間が送信割当時間T1以内であることを条件に、連続送信回数n=4とする火災復旧電文の連続送信を繰り返す。
【0051】
また、無線式感知器16−11からの火災復旧電文を有効受信した電波中継器14−1は、重要度に応じて予め設定している連続送信回数n=4とする火災復旧電文の連続中継送信を行い、無線受信用中継器12−1からACKを受信した場合は送信動作を正常終了するが、ACKを受信できなかった場合、最初の送信開始からの時間が送信割当時間T1以内であることを条件に、連続送信回数n=4とする火災復旧電文の中継送信を繰り返す。
【0052】
無線受信用中継器12−1は、電波中継器14−1からの火災復旧電文を有効受信した場合、感知器回線18−1に対する接点出力を解除して発報電流を停止し、P型受信機10への火災発報信号の送信を停止するが、P型受信機10は警報状態を維持し、現場確認による担当者による復旧操作を待つことになる。なお、火災復旧による処理は、無線受信用中継器12−1で復旧表示のみを行い、P型受信機10に対する火災発報信号の送信は維持しても良い。
【0053】
また本実施形態にあっては、電波中継器14及び無線式感知器16が正常に動作していること、即ち持ち去りや電池切れが発生していないことを監視するため、電波中継器14及び無線式感知器16は定期通報電文を定期的に送信する。
【0054】
電波中継器14及び無線式感知器16は定期通報電文の送信は、定期通報電文の重要度に応じて予め設定している所定の連続送信回数n、例えばn=2回連続して電波中継器14へ送信し、ACKを受信した場合は送信動作を正常終了し、一方、電波中継器14及び無線式感知器16は無線受信用中継器12からACKを受信できなかった場合、最初の送信開始からの時間が送信割当時間T1以内であることを条件に、重要度に応じた連続送信回数n=2回、定期通報電文を連続送信し、送信を終了すると受信動作に切り替えて、ACKの受信を行い、ACKが受信できるまで電文の連続送信回数n=2回となる定期通報電文の連続送信を繰り返す。
【0055】
無線式感知器16及び電波中継器14からの定期通報電文の送信に対し、無線受信用中継器12は、電文の送信元IDと登録したノードIDの一致で有効な電文として受信し、登録したノードIDごとに設けている定期通報タイマをリセットスタートしている。
【0056】
しかしながら、定期的に定期通報電文が受信されずに定期通報タイマが所定時間を超えてタイムアップした場合には、そのノードが正常に動作していない定期通報異常であることを判断し、P型受信機10に対し障害発生を通知する。
【0057】
この障害発生通知は、例えばP型受信機10からの感知器回線18に接続している終端抵抗を切り離して擬似的に断線状態を作り出すことで、定期通報異常による障害発生を通知する。
【0058】
無線防災システムは、前述した重要度の最も高い火災電文、次に重要度の高い火災復旧電文(復旧後初回送信電文)、重要度の比較的低い定期通報電文以外に、障害電文、ノードIDの登録に使用する起動電文や試験電文などを送受信しているが、これらの電文の重要度に応じた連続送信回数nは、定期通報電文と同様、n=2としている。また、電文の重要度と重要度に応じた連続送信回数の関係は、必要に応じて適宜に定めることができ、重要度が高くなるほど連続送信回数を増加させるようにする。
【0059】
[無線式感知器の構成]
(無線式感知器の概略)
図2図1に設けた1Fの無線式感知器16−11を取り出して、その機能構成の概略を示したブロック図である。なお、他の無線式感知器16−12〜16−34も同様となる。
【0060】
図2に示すように、センサノードとして機能する無線式感知器16−11は、感知器制御部20、無線通信部22、アンテナ24、センサ部26、試験用・登録用スイッチなどの操作部28及びバッテリー30で構成される。
【0061】
センサ部26は温度検出部または検煙部(煙検出部)である。センサ部26として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を感知器制御部20へ出力する。またセンサ部26として検煙部を設けた場合、公知の散乱光式検煙構造をもち、感知器制御部20の指示により、所定周期でLEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度に応じた検出信号を感知器制御部20へ出力する。
【0062】
感知器制御部20は、例えばプログラムの実行により実現する機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0063】
(無線通信部の構成)
無線通信部22は、通信制御部32、送信部34、受信部36を備え、セキュリティ用の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)となる426MHz帯の無線信号(電文)を送受信する。
【0064】
通信制御部32は、ハードウェアとしてCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用し、例えばプログラムの実行により実現する機能である。
【0065】
送信部34は、STD−30の通信規格により、空中線電力が10mW以下であり、426.250MHz以上で426.8375MHz以下の周波数の電波を使用することで、キャリアセンスを行うことなく無線送信を行う。
【0066】
通信制御部32は、STD−30の規格に従い、送信部34に指示して電文の送信開始から送信休止を必要とするまでの送信割当時間(例えばT1=2秒)の間、電文の重要度に応じて予め設定した連続送信回数nにより電文を連続送信させ、送信終了で受信部36を受信状態に切り替え、この状態でACKを受信した場合は送信を正常終了し、一方、ACKが受信できない場合は、送信割当時間T1の残り時間の間に、ACKが受信できるまで、電文の重要度に応じて予め設定した連続送信回数nによる電文の連続送信を繰り返す制御を行う。
【0067】
この場合、通信制御部32は、重要度第一位となる重要度の最も高い火災電文の連続送信回数nをn=8、重要度第二位となる次に重要度の高い火災復旧電文の連続送信回数nをn=4、重要度第三位となるそれ以外の重要度の低い定期通報電文等の電文の連続送信回数nをn=2を予め設定し、電文の重要度に応じた連続送信回数nとなるように電文の連続送信を制御する。
【0068】
また、通信制御部32は、送信部34に指示して、重要度に応じた連続送信回数nによる送信を繰り返している途中で、送信割当時間T1=2秒に達した場合は、途中であっても送信を停止させ、送信休止時間T2=2秒を経過した後に、同様な連続送信を繰り返し、所定のリトライ回数、例えば7回に達したら送信異常終了とする制御を行う。
【0069】
(感知器制御部の構成)
感知器制御部20は、センサ部26から出力される例えば煙濃度検出信号を予め定めた閾値と比較し、閾値を超えたときに火災と判断し、無線通信部22に指示して火災電文を送信させる制御を行う。
【0070】
また、感知器制御部20は、センサ部26から出力される例えば煙濃度検出信号が閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検知状態が解消したこと)を検知し、無線通信部22に指示し、火災復旧電文を送信させる制御を行う。
【0071】
また、感知器制御部20は、定期的に無線通信部22に定期通報を指示し、定期通報電文を送信させる制御を行う。
【0072】
また、感知器制御部20は、操作部28により登録モードのセットを検知した場合、機器IDとして知られたノードIDを送信元IDにセットした起動電文または試験電文を生成し、無線通信部22に定期通報を指示して送信させる制御を行い、これにより電波中継器14−1にノードIDを登録させる。
【0073】
[電波中継器の構成]
(電波中継器の概要)
図3図1に設けた1Fの電波中継器14−1を取り出して、その機能構成の概略を示したブロック図である。なお、他の電波中継器14−2,14−3も同様の構成となる。
【0074】
図3に示すように、中継ノードとして機能する電波中継器14−1は、中継制御部38、無線通信部40、アンテナ42、操作部44、表示部46、メモリ48及びバッテリー50で構成される。
【0075】
中継制御部38は、例えばプログラムの実行により実現する機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ48、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。またメモリ48には中継制御テーブル58が設けられ、図1に示すように、電波中継器14−1に子ノードとして割り当てられた無線式感知器16−11,16−12のノードIDを登録している。
【0076】
バッテリー50は商用AC100ボルトを受けて直流電源に変換する電源部としてもよい。
【0077】
(無線通信部の構成)
無線通信部40は、通信制御部52、送信部54、受信部56を備え、セキュリティ用の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)となる426MHz帯の電文を送受信する。
【0078】
無線通信部40に設けた送信部54、受信部56は、図2の無線通信部40に設けた送信部34、受信部36の場合と基本的に同様であることから、その説明を省略する。
【0079】
通信制御部40は、中継制御部38の指示に基づき電文を中継送信する場合、重要度第一位となる重要度の最も高い火災電文の連続送信回数nをn=8、重要度第二位となる次に重要度の高い火災復旧電文の連続送信回数nをn=4、重要度第三位となるそれ以外の重要度の低い定期通報電文等の電文の連続送信回数nをn=2を予め設定し、電文の重要度に応じた連続送信回数nとなるように電文の連続中継送信を制御する。
【0080】
また、通信制御部40は、送信部54に指示して、重要度に応じた連続送信回数nによる中継送信を繰り返している途中で、送信割当時間T1=2秒に達した場合は、途中であっても中継送信を停止させ、送信休止時間T2=2秒を経過した後に、同様な中継送信を繰り返し、所定のリトライ回数、例えば7回に達したら中継送信の異常終了とする制御を行う。
【0081】
(中継制御部の構成)
中継制御部38は、プログラムの実行により実現される制御機能として、中継制御を行う。
【0082】
中継制御部38は、無線通信部40を介して無線式感知器から送信された火災電文又は火災復旧電文を受信した際に、各電文に含まれる送信元IDを取得し、中継制御テーブル58に登録しているノードIDと比較し、両者が一致した場合に、無線通信部40に指示してACKを送信させ、続いて受信した電文を中継送信させる制御を行い、一方、不一致の場合には中継送信を行わない。
【0083】
また、中継制御部38は、定期的に無線通信部40に定期通報を指示し、定期通報電文を送信させる制御を行う。
【0084】
また、中継制御部38は、子ノードとして割り当てられた無線式感知器16から起動電文または試験電文を受信して中継制御テーブル58に無線式感知器のノードIDを登録する毎に、登録したノードIDを読み出して、無線通信部40に指示し、登録電文を送信させる制御を行い、無線受信用中継器12側で追加登録を行わせる。
【0085】
[無線受信用中継器の構成]
(無線受信用中継器の概要)
図4図1に設けた1Fの防災無線ノードとして機能する無線受信用中継器12−1を取り出して、その機能構成の概略をP型受信機と共に示したブロック図である。なお、他の電波中継器12−2,12−3も同様となる。
【0086】
無線受信用中継器12−1は、受信中継制御部60、無線通信部62、アンテナ64、有線通信部75、操作部66、表示部68、メモリ70及び電源部72で構成される。
【0087】
受信中継制御部60は、例えばプログラムの実行により実現する機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ70、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。またメモリ70には中継制御テーブル80が設けられ、図1に示すように、無線受信用中継器12−1に子ノードとして割り当てられた無線式感知器16−13,16−14及び電波中継器14−1のノードIDを登録し、更に子ノードとして割り当てられていない無線式感知器16−11,16−12のノードIDも追加登録している。
【0088】
電源部72は、図1に示したように、P型受信機10からの電源線15による直流電力の供給を受けているが、商用AC100ボルトから直流電力を変換して電源を作り出してもよいし、電池電源を採用してもよい。

【0089】
(無線通信部の構成)
無線通信部62は、通信制御部74、送信部76、受信部78を備え、セキュリティ用の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)となる426MHz帯の電文を送受信する。
【0090】
無線通信部62に設けた通信制御部74、送信部76、受信部78は、図2の無線通信部40に設けた通信制御部32、送信部34、受信部36の場合と基本的に同様であることから、その説明を省略する。
【0091】
(受信中継制御部の構成)
受信中継制御部60は、無線通信部62を介して火災電文を受信した場合に、この電文に含まれる送信元IDと中継制御テーブル80に登録及び追加登録しているノードIDとを比較し、両者が一致した場合に、無線通信部62に指示してACKを送信させ、また、有線通信部75に指示し、感知器回線18−1に発報電流を流す接点出力動作により火災発報信号をP型受信機10に送信する制御を行う。
【0092】
また、受信中継制御部60は、火災発報信号をP型受信機10に送信した後に、無線通信部62を介して火災復旧電文を受信した場合、この電文に含まれる送信元IDと中継制御テーブル80に登録及び追加登録しているノードIDとを比較し、両者が一致した場合に、無線通信部62に指示してACKを送信させ、また、有線通信部75に指示し、感知器回線18−1に発報電流を流す接点出力動作を解除し、P型受信機10に対する火災報知信号の送信を停止する制御を行う。
【0093】
また、受信中継制御部60は、無線通信部62を介して定期通報電文を受信した場合に、この電文に含まれる送信元IDと中継制御テーブル80に登録及び追加登録しているノードIDとを比較し、両者が一致した場合に、無線通信部62に指示してACKを送信させ、また、ノードIDごとに設けている定期通報タイマをリセットスタートし、定期通報電文が受信されずに定期通報タイマが所定時間を越えてタイムアップした場合は、P型受信機10からの感知器回線18−1に接続している終端抵抗を切り離して擬似的に断線状態を作り出すことで、定期通報異常の検出による障害発生を通知する制御を行う。
【0094】
[P型受信機の構成]
図4において、P型受信機10は、受信制御部82、回線受信部84−1〜84−3、電源供給部86、表示部88、音響警報部90、操作部92、移報部94及び不揮発メモリ96を備えている。なお自身の動作電源は、適切にバックアップされた商用電源を使用している(図示せず)。
【0095】
回線受信部84−1〜84−3からは感知器回線18−1〜18−3が図1に示したようにそれぞれ引き出され、感知器回線18−1には無線受信用中継器12−1が接続されている。
【0096】
回線受信部84−1は、無線受信用中継器12−1に設けた有線通信部75による接点動作で流れる発報電流を検知し、受信制御部82に対し火災検出信号を出力する。また回線受信部84−1は、無線受信用中継器12−1の有線通信部75における定期通報異常の検出に基づく終端抵抗の切り離しを、感知器回線の断線による監視電流の遮断として看做して検出し、障害検出信号を受信制御部82に出力する。
【0097】
受信制御部82はCPU、ROM、RAM、AD変換ポート及び各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路等であり、CPUによるプログラムの実行で受信制御部82の機能を実現している。
【0098】
受信制御部82は回線受信部84−1〜84−3のいずれかによる発報電流の検出で火災発報信号の受信出力が得られると、対応する感知器回線の火災発報と判断し、表示部88に代表火災表示を行うと共に、回線単位の地区表示による火災発生地区の表示を行う。また音響警報部90より音響火災警報を出力する。
【0099】
また受信制御部82は、回線受信部84−1〜84−3により感知器回線18−1〜18−3の断線を検出した場合、表示部88に代表障害表示を行うと共に、障害を発生した地区を回線単位に表示し、更に音響警報部90から音響障害警報を出力する。
【0100】
[電文フォーマット]
図5図1の無線防災システムで送受信する電文フォーマットを示した説明図である。
【0101】
図5に示すように、電文フォーマットは、位相修正信号、連番、送信元ID、データコード及びエラーチェックコードで構成される。位相修正信号は所定ビット長の「101010・・・・10」で繰り返すプリアンブル信号であり、これにより無線通信部に設けた受信用PLLの位相同期による受信準備を行うことが出来る。
【0102】
連番は電文の送信ごとに0〜255の範囲で順番に変化する値を格納し、受信側で電文送信の順序を知ることができる。送信元IDには送信元となる機器のノードIDが設定される。
【0103】
データコードは電文内容を示す情報であり、火災、火災復旧、定期通報、障害、起動、試験、ACKなどの内容を示す所定のコードが設定される。
【0104】
図1の無線防災システムに設けた無線式感知器16、電波中継器14、無線受信用中継器12は、送信要求が発生した場合、この電文フォーマットに従った電文を生成し、電文の重要度に応じた連続送信回数に従って電文を連続送信する。
【0105】
[送信動作]
図6は無線式感知器で火災を検知した場合の送信動作を示したタイムチャートであり、図6(A)は火災検知を示し、図6(B)は送信規格を示し、図6(C)は正常送信の送信とACK受信を示し、図6(D)は通信障害が発生した場合の送信とACK受信を示す。なお、図6における送信割当時間T1の時間幅は、図6(C)、(D)の電文を記載するスペースを確保するため、送信休止期間T2の時間幅の縮尺とは一致させていない。
【0106】
図6において、無線式感知器16が時刻t1で火災を検知したとすると、通信障害がない場合は、時刻t1で、火災検知に基づき生成した火災電文を、その重要度に応じて設定した連続送信回数n=8回の連続送信を行い、送信終了で受信状態に切り替わる。無線式感知器16の送信した火災電文が例えば電波中継器14で正常に受信されると、ACKが送信され、これを受信することで、送信を正常終了とする。
【0107】
一方、通信障害の発生により、時刻t1で連続送信回数n=8回の連続送信による火災電文に対し、受信状態に切り替えても点線で示すタイミングでACKが受信できなかった場合は、連続送信回数n=8回とする火災電文の連続送信をACKが受信できるまで繰り返す。この場合、通信障害が一時的なものであれば、2回目又は3回目といった火災電文の連続送信に対しACKが受信され、送信を正常終了できる。
【0108】
一方、ACKが受信できずに、火災電文を連続送信している途中の時刻t2で送信割当時間T1=2秒が経過した場合は送信を終了し、送信休止時間T2=2秒を空け、時刻t3から再び同じ送信動作を繰り返し、連続送信のリトライ回数が所定回数に達し、それでもACKが受信できない場合は、送信動作を異常終了とする。
【0109】
図7は無線式感知器で火災を検知した後に火災復旧を検知した場合の送信動作を示したタイムチャートであり、図7(A)は火災復旧を示し、図7(B)は送信規格を示し、図7(C)は正常送信の送信とACK受信を示し、図7(D)は通信障害が発生した場合の送信とACK受信を示す。
【0110】
図7において、無線感知器16が時刻t4で火災復旧を検知したとすると、通信障害がない場合は、時刻t4で、火災復旧の検知に基づき生成した火災復旧電文を、その重要度に応じて設定した連続送信回数n=4回の連続送信を行い、送信終了で受信状態に切り替わる。無線式感知器16の送信した火災復旧電文が例えば電波中継器14で正常に受信されると、ACKが送信され、これを受信することで、送信を正常終了とする。
【0111】
一方、通信障害の発生により、時刻t4で連続送信回数n=4回の連続送信による火災復旧電文に対し、受信状態に切り替えても点線で示すタイミングでACKが受信できなかった場合は、連続送信回数n=4回とする火災復旧電文の連続送信をACKが受信できるまで繰り返す。この場合、通信障害が一時的なものであれば、その後の火災復旧電文の連続送信に対しACKが受信され、送信を正常終了できる。
【0112】
一方、ACKが受信できずに、火災電文を連続送信している途中の時刻t5で送信割当時間T1=2秒が経過した場合は送信を終了し、送信休止時間T2=2秒を空け、時刻t3から再び同じ送信動作を繰り返し、連続送信のリトライ回数が所定回数、例えば7回に達し、それでもACKが受信できない場合は、時刻t7で送信動作を異常終了とする。
【0113】
図8は無線式感知器による定期通報電文の送信動作を示したタイムチャートであり、図8(A)は定期通報タイミングを示し、図8(B)は送信規格を示し、図8(C)は正常送信の送信とACK受信を示し、図8(D)は通信障害が発生した場合の送信とACK受信を示す。
【0114】
図8において、無線感知器16が時刻t8で定期通報タイミングを検知したとすると、通信障害がない場合は、時刻t48、定期通報電文を、その重要度に応じて設定した連続送信回数n=2回の連続送信を行い、送信終了で受信状態に切り替わる。無線式感知器16の送信した定期通報電文が例えば電波中継器14で正常に受信されると、ACKが送信され、これを受信することで、送信を正常終了とする。
【0115】
一方、通信障害の発生により、時刻t8で連続送信回数n=2回の連続送信による定期通報電文に対し、受信状態に切り替えても点線で示すタイミングでACKが受信できなかった場合は、連続送信回数n=2回とする定期通報電文の連続送信をACKが受信できるまで繰り返す。この場合、通信障害が一時的なものであれば、その後の定期通報電文の連続送信に対しACKが受信され、送信を正常終了できる。
【0116】
一方、ACKが受信できずに、定期通報電文の連続送信を繰り返し、連続送信のリトライ回数が所定回数、例えば7回に達し、それでもACKが受信できない場合は、時刻t9で送信動作を異常終了とする。この場合のリトライによる連続送信は、時刻t8からの送信割当時間T1=2秒以内に収まることから、システム全体としての通信頻度を抑制可能とする。
【0117】
[本発明の変形例]
(無線防災システム)
上記の実施形態は、無線式感知器、電波中継器、無線受信用中継器及び受信機で無線防災システムを構成しているが、無線受信用中継器と通信可能な比較的短い通信距離の範囲に無線式感知器を設置している場合には、電波中継器を除き、無線式感知器、無線受信用中継器及び受信機で無線防災システムを構成するようにしても良い。無線受信用中継器と受信機は一体の機器としてもよい。
【0118】
(R型受信機)
上記の実施形態は、火災受信機としてP型受信機からの感知器回線に無線受信用中継器を接続しているが、データ伝送機能を持つR型受信機に無線受信用中継器を接続するようにしてもよい。
【0119】
(重要度と優先度)
上記の実施形態では、無線信号で送信する送信情報の重要度に応じて無線信号の連続送信回数を設定しているが、送信情報の重要度は、送信情報の優先度と実質的に同義であり、無線信号で送信する送信情報の優先度に応じて無線信号の連続送信回数を設定しても良い。
【0120】
送信中の無線信号よりも優先度の高い事象が発生したときには、優先度の高い方の無線信号に切り替えて優先送信しても良い。
【0121】
(その他)
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0122】
10:P型受信機
12−1〜12−3:無線受信用中継器
14−1〜14−3:電波中継器
16−11〜16−34:無線式感知器
18−1〜18−3:感知器回線
20:感知器制御部
22,40,62:無線通信部
24,42,64:アンテナ
26:センサ部
32,52,74:通信制御部
34,54,76:送信部
36,56,78:受信部
38:中継制御部
58,80:中継制御テーブル
60:受信中継制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8